JP2012102358A - Cu−Ga合金粉末の製造方法及びCu−Ga合金粉末、並びにCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法及びCu−Ga合金スパッタリングターゲット - Google Patents

Cu−Ga合金粉末の製造方法及びCu−Ga合金粉末、並びにCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法及びCu−Ga合金スパッタリングターゲット Download PDF

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Abstract

【課題】均一な組成のCu−Ga合金スパッタリングターゲットを得る。
【解決手段】Cu粉末とGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で撹拌しながら30℃〜400℃の温度で加熱して合金化した後、合金化物を粉砕及び粉砕物を混合して、Cu−Ga合金粉末を作製し、このCu−Ga合金粉末を焼結してGaのばらつきが3.0質量%以内のCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、CIGS(Cu−In−Ga−Se四元系合金)太陽電池の光吸収層の形成に使用されるCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法及びCu−Ga合金スパッタリングターゲット、このCu−Ga合金スパッタリングターゲットの原料となるCu−Ga合金粉末の製造方法及びCu−Ga合金粉末に関するものである。
近年、クリーンエネルギーの一つとして、太陽光発電が注目されている。主に、結晶系Siの太陽電池が使用されているが、供給面やコストの問題から、変換効率の高いCIGS(Cu−In−Ga−Se四元系合金)系の太陽電池が注目されている。
CIGS太陽電池は、基本構造として、ソーダライムガラス基板の上に形成された裏面電極となるMo電極層と、このMo電極層の上に形成された光吸収層となるCu−In−Ga−Se四元系合金膜と、このCu−In−Ga−Se四元系合金膜からなる光吸収層の上に形成されたZnS、CdSなどからなるバッファ層と、このバッファ層の上に形成された透明電極とを備える。
Cu−In−Ga−Se四元系合金膜からなる光吸収層の形成方法としては、蒸着法が知られているが、より広い面積で均一な膜を得るために、スパッタ法によって形成する方法が提案されている。
スパッタ法としては、例えば、先ず、Inターゲットを使用してスパッタによりIn膜を成膜し、このIn膜の上にCu−Ga合金スパッタリングターゲットを使用してスパッタすることによりCu−Ga合金膜を成膜し、得られたIn膜及びCu−Ga合金膜からなる積層膜をSe雰囲気中で熱処理してCu−In−Ga−Se四元系合金膜を形成する方法がある。
スパッタ法により形成されたCu−In−Ga−Se四元系合金膜の品質は、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの品質に大きく依存するため、高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いることが望まれている。
Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法としては、溶解法と粉末焼結法が知られている。
例えば、特許文献1には、溶解法で作製したCu−Ga合金スパッタリングターゲットが提案されている。溶解法は、溶解鋳造して得られたCIGS系太陽電池用の組成のCu−Ga合金が脆くて割れやすいという問題がある。
一方、粉末焼結法は、均一な組成が得られることからスパッタリングターゲットの製造方法として有望視されている。粉末焼結法としては、例えば、特許文献2には、高Ga含有Cu−Ga合金粉末と、純Cu又は低Ga含有Cu−Ga合金粉末とを配合してホットプレスにてスパッタリングターゲットを製造することが記載されている。
特開2000−073163号公報 特開2008−138232号公報
粉末焼結法では、原料となるGaの融点が29.78℃と極めて低いため、Cu粉とGaから直接焼結体を得ることができない。このため、粉末焼結法では、原料にCu−Ga合金粉末が用いられる。
一般には、Cu−Ga合金が脆性材であることを利用して、一旦CuとGaを溶解して合金化し、これを粉砕してCu−Ga合金粉末を得ている。即ち、Cu−Ga合金粉末を得るためには、CuとGaを高温にて溶解させるプロセス及びCu−Ga合金インゴットを粉砕させる等の粉末化のプロセスが必要である。
しかしながら、これまでの単純な粉末化プロセスでは、Ga濃度が偏析してしまい、焼結してCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造したときに、ターゲットにおいてGa濃度にばらつきが生じてしまう。Ga濃度の偏析がある場合には、成膜したときに膜組成にばらつきが発生してしまう。このため、Ga濃度の偏析があるCu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いて、Cu−In−Ga−Se四元系合金膜をスパッタにより形成した場合、Cu−In−Ga−Se四元系合金膜に影響を与えてしまう。
本発明は、前記実情に鑑みて提案されたものであり、組成の偏りがない高品質なCu−Ga合金粉末を製造することができるCu−Ga合金粉末の製造方法及びCu−Ga合金粉末、並びに組成の偏りがない高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法及びCu−Ga合金スパッタリングターゲットを提供するものである。
上述した目的を達成する本発明に係るCu−Ga合金粉末の製造方法は、Cu粉末とGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で撹拌しながら30℃〜400℃の温度で加熱して合金化した後、合金化物を粉砕及び粉砕物を混合することを特徴とする。
上述した目的を達成する本発明に係るCu−Ga合金粉末は、上記Cu−Ga合金粉末の製造方法により製造され、Gaの濃度のばらつきが3.0質量%以内であることを特徴とする。
また、上述した目的を達成する本発明に係るCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法は、Cu粉末とGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で撹拌しながら30℃〜400℃の温度で加熱して合金化した後、合金化物を粉砕及び粉砕物を混合してCu−Ga合金粉末を作製し、このCu−Ga合金粉末を焼結することを特徴とする。
上述した目的を達成する本発明に係るCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、上記Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法により製造され、Gaの濃度のばらつきが3.0質量%以内であることを特徴とする。
本発明では、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの原料となるCu−Ga合金粉末を、Cu粉末とGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で撹拌しながら30℃〜400℃の温度で加熱して合金化した後、合金化物を粉砕及び粉砕物を混合して製造することによって、Gaの濃度のばらつきが3.0質量%以内となり、Ga濃度に偏析がなく、組成が均一なCu−Ga合金粉末を製造することができる。これにより、本発明では、組成が均一なCu−Ga合金粉末を焼結することで、Gaの濃度のばらつきが3.0質量%以内の均一な組成となっている高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造することができる。
以下に、本発明を適用したCu−Ga合金粉末の製造方法、この製造方法により製造されたCu−Ga合金粉末、並びにCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法及びこの製造方法により製造されたCu−Ga合金スパッタリングターゲットについて詳細に説明する。なお、本発明は、特に限定がない限り、以下の詳細な説明に限定されるものではない。
<Cu−Ga合金スパッタリングターゲット>
先ず、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットについて説明する。Cu−Ga合金スパッタリングターゲットは、Cu−Ga合金粉末を原料として粉末焼結法により製造することができる。
このCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、ターゲット全体においてGa濃度に偏りがなく、組成が均一なものである。具体的に、このCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、ターゲット全体におけるGaの濃度の偏りが3.0質量%以内であり、Ga濃度のばらつきが抑えられている。このようなCu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いてスパッタにより成膜した場合には、組成にばらつきがない膜を形成することができる。したがって、このCu−Ga合金スパッタリングターゲットで例えば太陽電池のCIGS光吸収層となるCu−In−Ga−Se四元系合金膜を形成した場合には、吸収層の特性に影響を与えることがない。
<Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法>
次に、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法について説明する。Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法は、まずCu粉末及びGaからCu−Ga合金粉末を製造し、得られたCu−Ga合金粉末を焼結してCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造する。
<1.Cu−Ga合金粉末の製造方法>
先ず、Cu−Ga合金粉末の製造方法について説明する。
(原料)
Cu−Ga合金粉末の原料としては、Cu粉末及びGaが用いられる。Cu粉末及びGaの純度は、例えばCu−Ga合金スパッタリングターゲットから形成されるCIGS光吸収層の特性に影響を与えないように適宜選択される。
Cu粉末は、例えば、電解法又はアトマイズ法により製造される電解Cu粉又はアトマイズCu粉を使用することができる。電解Cu粉は、硫酸銅溶液などの電解液中で電気分解により陰極に海綿状又は樹枝状の形状のCuを析出させて製造される。アトマイズCu粉は、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、遠心アトマイズ法、メルトエクストラクション法などにより球状又は不定形の形状のCu粉末が製造される。なお、Cu粉末は、これらの方法以外で製造されたものを使用してもよい。
Cu粉末の平均粒径は、1μm〜300μmであることが好ましい。Cu粉末の平均粒径が1μm以上であることにより、Cu粉末の飛散を防止して特別な取り扱いが不要となるとともに、Cu粉末のかさ容量の増加により合金粉末製造装置が大型化し、高額な装置が必要となることを防ぐことができる。また、Cu粉末の平均粒径が300μm以下であることにより、Gaが被覆しなければならないCu粉末の表面積(BET)が不足して、余剰となった未反応の液相のGaが残り易くなるのを防止することができ、未反応の液相のGaの存在によりCu−Ga合金粉末の組成にばらつきが生じることを抑制できる。したがって、Cu粉末の平均粒径を1〜300μmとすることによって、Cu粉末の飛散防止の措置をとる必要がなく、合金粉末製造装置の大型化を防止でき、また未反応のGaの液相を少なくでき、Cu−Ga合金粉末の組成のばらつきを抑えることができる。
なお、Cu粉末の平均粒径は、Cu粉末の粒度分布をレーザー回折法で測定し、小径側から存在比率(体積基準)を積算して、その値が全粒径に渡った存在比率の積算値の半分になる粒径(D50)である。
Gaは、融点が低い金属(融点:29.78℃)であり、加熱により容易に融解する。融解したGaは、Cu粉末を被覆して二元系合金化する。Gaの形状には、制限はないが、小片であると秤量が容易である。小片は、Gaを室温近傍で溶解して鋳造し、鋳造物を砕いて得ることができる。
(配合)
Cu粉末とGaとは、質量比で85:15〜55:45の割合で配合する。Ga量が15質量%以上であることにより、Gaによる均一被覆が可能となると共に、得られた粉末を焼結した際に均一な合金組織にすることが可能となる。また、Ga量が45質量%以下であることにより、Cu粉末の間に存在する多量のGaによってCu粉末同士が結合して塊状になるのを防ぐことができ、合金粉末の収率を向上させることができる。
また、Gaの含有量は、25質量%〜41質量%であることが好ましい。Gaが25質量%以上であることにより、短時間で均一にCu粉末を被覆することができ、また、Gaが41質量%以下であることにより、短時間で被覆したGaを合金化することができる。したがって、Gaの含有量を25質量%以上、41質量%以下とすることによって、短時間で均一な合金粉末を製造することができる。
(合金化)
上述した質量比でCu粉末とGaとが配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で撹拌しながら、30℃以上400℃以下の温度で加熱して合金化し、粉末状のCu−Ga合金化物を作製する。具体的には、上述した質量比で秤量したCu粉末とGa小片を、Gaの融点よりも高くCuの融点よりも低い温度、即ち30℃以上400℃以下の範囲で温度を制御し、Cu粉末の表面又は内部にCu−Ga二元系合金を形成する。
Cu−Ga合金化物は、次のような過程を経て形成されるものと考えられる。融点を超えて液体となったGaは、混合のせん断運動によって小さな液滴になりながらCu粉末間に均一に分散する。分散したGa液滴は、Cu粉末の周囲に付着し、Cu粉末とGa液滴が接触するとCu粉末にGaの拡散が始まり、Ga濃度が高まるともにCu−Ga金属間化合物を生成しながら合金化反応が進行する。このとき、Cu−Ga合金化物の表面は、Ga濃度の高いCu−Ga金属間化合物層であって、中心部は純Cu又はGaを固溶したCu相となる。
このCu粉末とGaとの混合は、均一な合金化反応(均質化反応)の進行に有効である。また、混合のせん断運動は、粉同士の固着による塊状物の生成も抑制していると思われる。塊状物が生成されると、ホットプレスなどの焼結工程において、焼結体中に空孔が形成されて、密度が不均一になってしまう。
Cu粉末とGaの混合及び合金化のための加熱には、加熱手段を有する容器内を攪拌羽根や攪拌ブレード等の攪拌機が運動する混合装置を使用することができる。また、円筒、ダブルコーン、ツインシェルなどの回転容器型の混合装置を使用してもよい。また、容器の内部にボールを投入して混合を強化してもよい。
容器の材質は、加熱に対する耐熱性と、Ga及びCu−Ga合金の付着抑制の観点から選ばれる。容器としては、例えば、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどのガラス容器、アルミナやジルコニアなどのセラミックス容器、テフロン(登録商標)樹脂容器、テフロン(登録商標)被覆容器、ホーロー容器などを使用することができる。
このようにして作製されたCu−Ga合金化物は、強度、成形性に優れているのみならず、作製温度が低温であるがゆえに作製に用いる装置が簡便となるため、安価に合金化物を作製できるという利点を有する。
また、Cu粉末とGaの混合及び合金化は、アルゴンガスや窒素ガスといった不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。不活性ガス雰囲気中で加熱・混合することにより、Cu−Ga合金化物の酸素含有量の増加を抑制することができる。酸素量の多いCu−Ga合金化物を用いてCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造した場合には、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットに含有される酸素量が多くなり、大きな電力を投入してスパッタすると、異常放電を発生してしまう。したがって、Cu粉末とGaの混合及び合金化を不活性ガス雰囲気中で行い、Cu−Ga合金化に酸素が含有されることを抑制することで、異常放電等の不具合が発生することを防止できる。
ここで、Cu−Ga合金化物を作製する際に、Cu粉末の形状、大きさが変わるとGa濃度のばらつきが変化する。これは、樹枝状、海綿状等の複雑なCu粉末の形状によって、各Cu粉末に対してGaが均一に付着しないためと考えられる。また1〜400μmの幅広い粒度分布をもつCu粉末を使用した場合も、Ga濃度にばらつきが生じてしまう。例えば、平均粒径が大きいCu粉末は、Cu粉末に対するGaの割合が少ないのでGa濃度の低いCu−Ga合金粉末になり、平均粒径が小さいCu粉末は、Cu粉末に対するGaの割合が多いのでGa濃度の高いCu−Ga合金粉末になる。このため、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製する際に、Cu−Ga合金粉末の粒度に偏りが生じると、ターゲット全体において、Gaの濃度が低い部分と高い部分ができてしまい、組成が均一になりにくい。このように、Ga濃度のばらつきのメカニズムは、単なる混合不足だけではなく、粒径の影響も受けるものであって、仕込み組成の影響は少ない。
特に、大面積のCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製する場合に、Cu−Ga合金化物の組成が不均一な状態だと、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの濃度のばらつきも大きくなってしまう。このため、このようなCu−Ga合金スパッタリングターゲットで、太陽電池のCIGS光吸収層を形成した場合には、CIGS光吸収層に影響があるためGa濃度は均一であることが望ましい。
そこで、このCu−Ga合金粉末を作製するにあたって、以下に説明するように、Cu−Ga合金化物を粉砕及び粉砕物を混合する粉砕、混合工程を加えることによって、Ga濃度に偏りがなく、組成が均一であるCu−Ga合金粉末を作製することができる。
(粉砕、混合)
このCu−Ga合金化物の粉砕、混合の雰囲気は、大気中又は不活性ガス雰囲気が好ましい。粉砕及び混合を行う装置としては、粉砕・混合が同時にできるボールミルを使用することができる。ボールミルに使用するボールは、Al、ZrO、SUSボールやテフロン(登録商標)を被覆したSUSボールを使用でき、直径5mm〜20mm程度である。また、ボールミルを使用する場合には、回転数50rpm〜250rpm程度である。
ボールミルの他に、粉砕には、ジェットミル・ハンマーミルを用いることができる。Cu粉末とGaの合金化の際の撹拌で使用したビーカーに、ボールを入れて羽根を回転させて粉砕することもできる。混合には、V型混合機やロッキングミキサーを使用することもできる。なお、Cu−Ga合金化物の粉砕、混合は、ボールミルを使用して粉砕と混合を同時に行ってもよく、また粉砕をした後、粉砕物を混合し、別工程で行ってもよい。
このように、Cu−Ga合金化物を粉砕及び粉砕物を混合することで、粉末状のCu−Ga合金化物の粒径を揃えることができ、Ga濃度の偏りをなくし、組成が均一なCu−Ga合金化粉末を得ることができる。具体的には、粉砕、混合後のCu−Ga合金粉末におけるGa濃度のばらつきが3.0質量%以内である。ここで、Cu−Ga合金粉末のGa濃度のばらつきとは、Cu−Ga合金粉末において、任意の複数の箇所のGa濃度を測定したときの濃度差である。即ち、いずれの箇所の濃度であっても、他の箇所の濃度との差が3.0質量%以内となっている。組成が均一なCu−Ga合金化粉末を焼結することによって、組成が均一な高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製することができる。
上述したCu−Ga合金粉末の製造方法では、Cu粉末とGaとを所定の割合で配合し、30℃〜400℃の温度範囲で合金化し、ボールミル等の簡単な粉砕方法で適当な大きさに粉砕できると共に組成を均一にすることができる。一方、従来では、CuとGaを一旦高温で溶解鋳造する必要があり、得られたCu−Ga合金インゴットを粉砕して、粉末状のCu−Ga合金を得ている。上述したCu−Ga合金粉末の製造方法では、従来よりも低温で合金化することができ、高温の合金化装置を必要とすることなく、粉末状のCu−Ga合金粉末が得られる点で従来の方法とは異なる。また、上述したCu−Ga合金粉末の製造方法では、粉末状のCu−Ga合金粉末を粉砕するため、従来のようにインゴットを粉砕するよりも容易な方法で粉砕を行うことできる。したがって、上述したCu−Ga合金粉末の製造方法では、均一な組成で高品質なCu−Ga合金粉末を容易に製造することができる。
<2.Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法>
次に、上述したCu−Ga合金粉末を用いたCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法について説明する。
(焼結)
焼結工程では、上述した製造方法により製造したCu−Ga合金粉末を、例えばプレスにて成形し、この成形体を真空中で、400〜800℃で焼結する粉末焼結法を用いることができる。400〜800℃で焼結することにより、CuやGaが拡散するため、均一に合金化したCu−Ga合金焼結体が得られる。焼結方法は、不活性ガス雰囲気中での焼結でもよく、また、原料粉末を高温で耐熱性の型に入れて加圧するホットプレス法(HP法)、加圧媒体であるガスを用いて、高温高圧下で被処理物を等方的に加圧する熱間静水圧加圧焼結法(HIP法)等を用いてもよい。この中でもホットプレス法によれば、高密度の焼結体を安価に得ることができる。
なお、焼結前に、Cu−Ga合金粉末に熱処理を施すようにしてもよい。焼結前にCu−Ga合金粉末に対して熱処理を行うことによって、Cu粉末とGaとの均質化反応が進み、Cu粉末の中心部にGaが拡散し、Gaの液相の出現が抑えられ、高密度の焼結体を製造することができる。また、熱処理を行うことによって、Cu粉末の中心部にGaが拡散するため、Cu粉末の表面にCu−Ga合金を形成したCu−Ga合金化物をCu−Ga合金粉末にして熱処理を行わない場合と比べて、Cu−Ga合金粉末の全体にGaが分散され、Ga濃度のばらつきをより抑えることができる。
熱処理は、後の焼結をホットプレス装置にて行う場合には同一のホットプレス装置内で行うことが好ましく、同一のホットプレス装置内で行うことによって、熱処理装置を別に用意する必要がなく、熱処理冷却時間が不要であり、引き続いてプレス圧力を掛けるので合金粉が凝集していても粉砕等の措置をとる必要がなく、容易に焼結を行うことができる。また、同一のホットプレス装置内で熱処理も焼結も行うことによって、熱処理によりGaの液相が生成されても、液相が漏れることがないため、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの組成が変化したり、収率が低くなることを防止できる。
また、熱処理は、真空又は不活性雰囲気中において、Cu−Ga合金粉末に対して無負荷とするか、又は0.1MPa以下(ホットプレス装置を用いた場合には、上パンチを設置した際に、上パンチの自重によって加えられる圧力に相当する)の圧力の下で400℃〜900℃に加熱することにより行うことが好ましい。Cu−Ga合金粉末に対して無負荷、又は圧力を0.1MPa以下とすることによって、仮に局所的にGaの液相が出現したとしても、液相がホットプレス装置のプレス型から押し出されず、十分にCu−Ga合金粉末の均質化反応を進めることができ、後の焼結工程でCuとGaの組成に変化がない高品質な焼結体を作製することができる。
熱処理は、撹拌しながら行ってもよく、1時間以上、8時間以下とすることが好ましい。熱処理時間を1時間以上とすることによって、CuとGaの拡散が十分に進み、未反応のCuGa相が残ることを防止できる。熱処理時間を8時間以下とすることによって、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造のための時間がかかり過ぎず、安価にCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製することができる。したがって、熱処理時間を1時間以上8時間以下とすることによって、CuとGaの拡散が十分に進み、未反応のCuGa相が残らず、熱処理工程を設けたことによるCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造時間が長くなり過ぎずにCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造することができる。
(仕上げ)
仕上げ工程では、Cu−Ga合金焼結体の表面を研削により平面に仕上げ、Cu製のバッキングプレートにボンディングすることにより、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができる。
このCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法では、Gaの濃度のばらつきが3.0質量%以内であり、Ga濃度に偏りがないCu−Ga合金粉末を用い、このCu−Ga合金粉末を焼結することによって、Gaの濃度のばらつきが3.0質量%以内で、Ga濃度に偏りがなく、均一な組成のCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造することができる。ここで、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットのGaの濃度のばらつきとは、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットにおいて、任意の複数の箇所のGa濃度を測定したときの濃度差である。即ち、いずれの箇所の濃度であっても、他の箇所の濃度との差が3.0質量%以内となっている。
また、このCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法では、Cu−Ga合金粉末を焼結する前に熱処理を行うことによって、GaがCu粉末の内部により拡散するため、Gaの液相の出現が抑えられ、密度が高く、且つ組成がより均一な高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを製造することができる。
また、このCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法では、上述したCu−Ga合金粉末の製造方法によりCu−Ga合金粉末を製造することによって、組成が均一なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを容易且つ安価に製造することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、アルゴンガス雰囲気にしたグローブボックス内に、マントルヒーターにセットした容量1000mLの磁器製ビーカーと、この磁器製ビーカーにガラス製攪拌羽根を取り付けた攪拌装置とを設置した。
そして、電解Cu粉末(平均粒径100μm、酸素:0.07質量%)を425.0g、Gaの小片を75.0g秤量し、ビーカーに投入して攪拌しながら110℃、2時間、アルゴンガス雰囲気中で加熱混合し、灰白色の合金粉(合金化物)を得た。得られた粉末をテフロン(登録商標)製の500mL容器に入れ、ZrOボール(100mmφ)を50個投入し、2時間粉砕、混合を実施して、Cu−Ga合金粉末を作製した。Cu−Ga合金粉末に対して、3箇所を無作為にサンプリングし、Ga濃度を調べた結果、サンプリング(1)が15.1質量%、サンプルリング(2)が14.8質量%、サンプルリング(3)が14.5質量%であり、Ga濃度のばらつきは0.6質量%以内であった。
更に、ホットプレス装置(型式:真空ホットプレス 大亜真空株式会社製)を用い、直径60mmの黒鉛製プレス型にCu−Ga合金粉末を投入し、ホットプレス装置全体を真空度5×10−3Paに一度真空排気した後、アルゴンでガス置換を行い、アルゴンガスを連続供給しながら、上パンチの自重によって加えられる圧力1.1kgf/cm(0.1MPa)の負荷のかかる状態で700℃で1時間熱処理をした。
その後、700℃で保持したまま、24.3MPaの圧力をかけて1時間半、焼結を行い、直径60mm、厚さ4.2mmのCu−Ga合金焼結体を作製した。プレス型から取り出した焼結体には割れは見られなかった。このCu−Ga合金焼結体をCu製バッキングプレートにボンディングしてCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。
Cu−Ga合金焼結体の寸法と重量から求めた密度は、8.51g/cmであった。Cu−Ga合金焼結体の表面・断面をSEM観察した結果、空孔は認められず、緻密であった。
そして、このCu−Ga合金スパッタリングターゲットをスパッタ装置(SH−450、アルバック社製)に取り付けて、アルゴンガス圧0.7Pa中でDC100Wの直流電力をターゲットに投入した結果、異常な放電やスプラッシュなどがなく、良好にスパッタすることができた。
(実施例2)
実施例2では、Cu−Ga合金粉末中のGa濃度が32.0質量%となるようにしたこと、合金化の際の温度を320℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、Cu−Ga合金粉末を作製した。そして、実施例1と同様に、Cu−Ga合金粉末の3箇所を無作為にサンプリングし、Ga濃度を調べた結果、サンプリング(1)が31.1質量%、サンプリング(2)が32.4質量%、サンプリング(3)が30.4質量%であり、Ga濃度のばらつきは2.0質量%以内であった。
また、このCu−Ga合金粉末を用い、実施例1と同様にしてCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。Cu−Ga合金焼結体の寸法と重量から求めた密度は、8.42g/cmであった。Cu−Ga合金焼結体の表面・断面をSEM観察した結果、空孔は認められず、緻密であった。実施例1と同様にCu−Ga合金ターゲットをスパッタした結果、異常な放電やスプラッシュなどがなく、良好にスパッタすることができることが分かった。
更に、薄い円柱形状のCu−Ga合金焼結体の円周付近で中心角が略90°毎の位置4箇所と略中心部の計5箇所を切断して略5.0gずつ採取し、組成のばらつきを調査した。その結果、Ga濃度は、31.0質量%、32.3質量%、31.9質量%、30.5質量%、31.1質量%であり、Ga濃度のばらつきは1.8質量%以内であった。
(実施例3)
実施例3では、Cu−Ga合金粉末中のGa濃度が35.0質量%となるようにしたこと、原料のCu粉末を、電解Cu粉末(平均粒径200μm、酸素:0.03質量%)を325.0g、Gaの小片を175.0gとしたこと、合金化の際の温度を30℃にしたこと以外は、実施例1と同様にして、Cu−Ga合金粉末を作製した。実施例1と同様に、Cu−Ga合金粉末の3箇所を無作為にサンプリングし、Ga濃度を調べた結果、サンプリング(1)が35.2質量%、サンプリング(2)が35.3質量%、サンプリング(3)が35.7質量%であり、Ga濃度のばらつきは0.5質量%以内であった。
また、このCu−Ga合金粉末を用い、実施例1と同様にしてCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。Cu−Ga合金スパッタリングターゲット(Cu−Ga合金焼結体)の寸法と重量から求めた密度は、8.38g/cmであった。Cu−Ga合金焼結体の表面・断面をSEM観察した結果、空孔は認められず、緻密であった。実施例1と同様にCu−Ga合金ターゲットをスパッタした結果、異常な放電やスプラッシュなどがなく、良好にスパッタすることができることが分かった。
(実施例4)
実施例4では、アルゴンガス雰囲気にしたグローブボックス内に、マントルヒーターにセットした容量1000mLの磁器製ビーカーと、この磁器製ビーカーにガラス製攪拌羽根を取り付けた攪拌装置とを設置した。
そして、原料のCu粉末を、アトマイズCu粉末(平均粒径40μm、酸素:0.01wt%)としたこと、Cu粉末を275.0g、Ga小片を225.0g秤量し、ビーカーに投入して撹拌しながら、400℃で2時間、アルゴンガス雰囲気中で加熱混合した。灰白色になったのを確認し、即ち合金粉(合金化物)が生成されたのを確認し、10mmφZrOボール50個をビーカーの中に入れ、1時間撹拌し、粉砕した。混合には、V型混合機を用い、30分間混合して、Cu−Ga合金粉末を作製した。実施例1と同様に、Cu−Ga合金粉末に対して、3箇所を無作為にサンプリングし、Ga濃度を調べた結果、サンプリング(1)が46.3質量%、サンプリング(2)が43.3質量%、サンプリング(3)が45.2質量%であり、Ga濃度のばらつきは3.0質量%以内であった。
また、このCu−Ga合金粉末を用い、実施例1と同様にしてCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。Cu−Ga合金焼結体の寸法と重量から求めた密度は、8.41g/cmであった。Cu−Ga合金焼結体の表面・断面をSEM観察した結果、空孔は認められず、緻密であった。実施例1と同様にCu−Ga合金ターゲットをスパッタした結果、異常な放電やスプラッシュなどがなく、良好にスパッタすることができることが分かった。
更に、薄い円柱形状のCu−Ga合金焼結体の円周付近で中心角が略90°毎の位置4箇所と略中心部の計5箇所を切断して略5.0gずつ採取し、組成のばらつきを調査した。その結果、Ga濃度は、46.4質量%、44.3質量%、45.5質量%、45.6質量%、43.4質量%であり、Ga濃度のばらつきは3.0質量%以内であった。
(比較例1)
比較例1では、Cu−Ga合金粉末中のGa濃度が32.0質量%となるようにしたこと、原料のCu粉末を、電解Cu粉末(平均粒径200μm、酸素:0.03質量%)を340.0g、Gaの小片を160.0gとしたこと、温度を380℃としたこと、ボールミルで粉砕、混合をしなかったこと以外は、実施例1と同様にしてCu−Ga合金粉末を作製した。Cu−Ga合金粉末に対して、実施例1と同様に3箇所を無作為にサンプリングし、Ga濃度を調べた結果、サンプリング(1)が33.4質量%、サンプリング(2)が31.4質量%、サンプリング(3)が29.2質量%であり、Ga濃度のばらつきは4.2質量%以内であった。そして、このCu−Ga合金粉末を用い、実施例1と同様にしてCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。
また、薄い円柱形状のCu−Ga合金焼結体の円周付近で中心角が略90°毎の位置4箇所と略中心部の計5箇所を切断して略5.0gずつ採取し、組成のばらつきを調査した。その結果、Ga濃度は、33.3質量%、31.5質量%、31.8質量%、29.4質量%、30.5質量%であり、Ga濃度のばらつきは3.9質量%以内であった。
以下の表1に、実施例1〜実施例4、比較例1の原料条件、合金化条件、粉砕、混合及びGa濃度をまとめたものを示す。なお、表1中のGa濃度のばらつきは、Ga濃度の最も高い濃度と、Ga濃度が最も低い濃度との差を記載している。
Figure 2012102358
表1に示す結果から、実施例1〜実施例4では、Cu−Ga合金化物を粉砕及び粉砕物を混合してCu−Ga合金粉末を作製していることより、Cu−Ga合金粉末のGa濃度のばらつきが3.0質量%以内であり、均一となった。これにより、実施例1〜実施例4では、組成が均一なCu−Ga合金粉末を用いることによって、Ga濃度に偏りがない組成が均一なCu−Ga合金スパッタリングターゲットが容易に得られることが分かる。例えば、実施例2では、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットのGa濃度のばらつきは1.8質量%以内であり、実施例4では、3.0質量%以内であった。したがって、他の実施例においても、同様にCu−Ga合金スパッタリングターゲットのGa濃度にばらつきがなく、均一な組成のものができるといえる。
また、実施例1〜実施例4のように、Cu−Ga合金化物の粉砕、混合することによって、合金化の際の撹拌力が不十分でも、またCu−Ga合金化粉末の作製量が増えても安定して組成が均一なCu−Ga合金化物を得ることが出来る。
一方、比較例1では、Cu−Ga合金化物を粉砕、混合していないため、Cu−Ga合金化粉末のGa濃度が均一にならず、Ga濃度のばらつきにおいて4.2質量%のものがあり、得られたCu−Ga合金スパッタリングターゲットにおいても3.9質量%のばらつきが生じ、組成が不均一となった。

Claims (8)

  1. Cu粉末とGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で撹拌しながら30℃〜400℃の温度で加熱して合金化した後、合金化物を粉砕及び粉砕物を混合することを特徴とするCu−Ga合金粉末の製造方法。
  2. 上記Cu粉末の平均粒径が1〜300μmであることを特徴とする請求項1記載のCu−Ga合金粉末の製造方法。
  3. Cu粉末とGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で撹拌しながら30℃〜400℃の温度で加熱して合金化した後、合金化物を粉砕及び粉砕物を混合して作製され、
    上記Gaの濃度のばらつきが3.0質量%以内であることを特徴とするCu−Ga合金粉末。
  4. Cu粉末とGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で撹拌しながら30℃〜400℃の温度で加熱して合金化した後、合金化物を粉砕及び粉砕物を混合してCu−Ga合金粉末を作製し、
    上記Cu−Ga合金粉末を焼結することを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  5. 上記Cu−Ga合金粉末を焼結する前に、上記Cu−Ga合金粉末に対して、真空又は不活性雰囲気中で400℃〜900℃の温度で熱処理を行うことを特徴とする請求項4記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  6. 上記熱処理及び上記焼結は、同一のホットプレス装置内で上記熱処理に続けて上記焼結を行い、
    上記熱処理は、上記Cu−Ga合金粉末に対して無負荷、又は0.1MPa以下の圧力で行うことを特徴とする請求項5記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  7. 上記Cu粉末の平均粒径が1〜300μmであることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  8. Cu粉末とGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で撹拌しながら30℃〜400℃の温度で加熱して合金化した後、合金化物を粉砕及び粉砕物を混合してCu−Ga合金粉末を作製し、上記Cu−Ga合金粉末を焼結して作製され、
    上記Gaの濃度のばらつきが3.0質量%以内であることを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲット。
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