JP2014180645A - 脱硝触媒および脱硝方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、効率よく排ガス中の窒素酸化物を処理することができ、特にガス焚きボイラやガスタービンから生じる排ガスを有効に処理する触媒に用いることができる酸化物を提供するものである。
【解決手段】本発明は、メジアン径(d50)が10〜100μmである粒度分布を有するチタン・ケイ素・タングステンの酸化物を含むことを特徴とする窒素酸化物浄化用触媒であり、好ましくはチタンが40〜98質量%(TiO換算)、ケイ素が1〜30質量%(SiO換算)およびタングステンが1〜30質量%(WO換算)である。
【選択図】図1

Description

本発明は、チタン・ケイ素・タングステンの酸化物、それを用いた脱硝触媒、当該酸化物の調製方法および脱硝方法に関する。特に、重油焚きボイラや石炭焚きボイラ、ガス焚きボイラ、ガスタービン、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、火力発電所、ごみ焼却炉および各種工業プロセスから排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物(NO)の除去に優れた脱硝触媒、その調製方法、および脱硝方法に関する。
現在実用化されている排ガス中の窒素酸化物除去方法としては、アンモニアまたは尿素などの還元剤を用いて排ガス中の窒素酸化物を触媒上で接触還元して窒素と水に分解する選択的触媒還元法(SCR法)が一般的である。近年、酸性雨に代表されるように窒素酸化物による環境汚染が世界的に深刻化するに伴い、高性能な触媒が求められている。
脱硝触媒に関する従来技術としては、例えば、窒素酸化物の除去に有効な触媒として二酸化チタンおよび/またはチタン複合酸化物からなる排ガス処理触媒について開示されているが(特許文献1)、充分な処理性能を有するとはいえなかった。
また、酸化チタンと酸化ケイ素の複合酸化物を触媒成分とする排ガス処理触媒が数多く提案されているが更なる活性の向上が望まれている。
これらの触媒が有効に作用しない原因として、排出されるガスの対象である重油焚きボイラや石炭焚きボイラ、ガス焚きボイラ、ガスタービン、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、火力発電所、ごみ焼却炉および各種工業プロセスから排出される排ガスの差異より、触媒毒となるもの存在、水蒸気の存在および処理するガスと触媒との関係である空間速度、窒素酸化物(NO)の濃度などの関係から処理対象となる窒素酸化物(NO)が効率よく処理できないことにある。
特開2004−943号公報
本発明は上記触媒の活性向上を目的としている。特にガス焚きボイラやガスタービンから生じる排ガスの処理に有効な触媒開発を目的としている。
上記課題を解決すめるために本発明者らは鋭意検討の結果、下記技術を見出し、発明を完成するに至ったものである。即ち、粒度分布を測定したとき、メジアン径(d50)の値が10〜100μmを示すことを特徴とするチタン・ケイ素・タングステンの酸化物(以下、「Ti−Si−W酸化物」とも記載する)であり、更に当該酸化物を用いた脱硝触媒、当該酸化物の製造方法および当該触媒を用いた脱硝方法である。
本発明にかかるTi−Si−W酸化物は、特殊な粒度分布を有する物質であり、これを排煙脱硝用触媒に用いることで効率よく排ガス中の窒素酸化物(NO)を処理することができ、特にガス焚きボイラやガスタービンから生じる排ガスの処理に有効に作用するものである。また、同一組成のTi−Si−W酸化物を用いるときであっても、触媒活性助剤により触媒の全細孔容積を増加させることができ脱硝性能を向上させることができる。
図1は本発明である実施例1に関する触媒Aを、細孔測定し微分表示したものである。横軸は細孔径、縦軸は強度を示す任意の値である。特定範囲の細孔径におけるピーク面積から細孔容積が算出できる。 図2は本発明である実施例2に関する触媒Bを、細孔測定し微分表示したものである。横軸・縦軸の説明は図1と同じ。 図3は本発明である実施例3に関する触媒Cを、細孔測定し微分表示したものである。横軸・縦軸の説明は図1と同じ。 図4は比較例1に関する触媒aを、細孔測定し微分表示したものである。横軸・縦軸の説明は図1と同じ。
第一発明は、メジアン径(d50)が10〜100μmを示す粒度分布を有することを特徴とするチタン・ケイ素・タングステンの酸化物(以下、「Ti−Si−W酸化物」とも記載する)を含む窒素酸化物浄化用触媒である。好ましくは当該触媒の全細孔容積(0.003〜40μmにおける細孔径の細孔容積)を1としたとき1〜20μm(Aピーク)の細孔容積が0.05〜0.6(A/全細孔容積)であること、当該Ti−Si−W酸化物において、チタンが40〜98質量%(TiO換算)、ケイ素が1〜30質量%(SiO換算)およびタングステンが1〜30質量%(WO換算)である。
第二発明は、当該酸化物を含む触媒を用いたことを特徴とする窒素酸化物除去方法である。
第三発明は、触媒を用いて窒素酸化物を含む排ガスをアンモニア存在下に処理することを特徴とする脱硝方法である。
(窒素酸化物除去用触媒)
第一発明は、メジアン径(d50)が10〜100μmを示す粒度分布を有することを特徴とするチタン・ケイ素・タングステンの酸化物(以下、「Ti−Si−W酸化物」とも記載する)を含む窒素酸化物浄化用触媒である。
好ましくは当該触媒の全細孔容積(0.003〜40μmにおける細孔径の細孔容積)を1としたとき1〜20μm(Aピーク)の細孔容積が0.05〜0.6(A/全細孔容積)である。
好ましくは、当該Ti−Si−W酸化物において、チタンが40〜98質量%(TiO換算)、ケイ素が1〜30質量%(SiO換算)およびタングステンが1〜30質量%(WO換算)である。
−Ti−Si−W酸化物の粒度分布−
当該Ti−Si−W酸化物の粒度がメジアン径(d50)で10〜100μmであり、好ましくは10〜80μm、更に好ましくは10〜60μmである。10μm未満であれば脱硝性能が低くなり好ましくないからであり、100μmを超える場合には脱硝性能はそれほど向上しないが、触媒の機械的強度が低下して耐摩耗強度が低くなるなど弊害が生じるおそれがあるからである。なお、粒度分布の測定方法は、市販のレーザー回折法・散乱式粒度分布測定装置により測定できる。
Ti−Si−W酸化物は、チタンが40〜98質量%(TiO換算)、ケイ素が1〜30質量%(SiO換算)およびタングステンが1〜30質量%(WO換算)であることが好ましい。更に好ましくはチタンが60〜98質量%(TiO換算)、ケイ素が1〜20質量%(SiO換算)およびタングステンが1〜20質量%(WO換算)であり、最も好ましくはチタンが70〜98質量%(TiO換算)、ケイ素が1〜20質量%(SiO換算)およびタングステンが1〜10質量%(WO換算)である。チタンが40質量%未満であれば脱硝性能が低くなり好ましくなく、98質量%を超える場合は触媒の耐熱性が低くなり好ましくないからであり、ケイ素が1質量%未満であれば触媒の成形性が悪くなり好ましくなく、30質量%を超える場合には脱硝性能が低くなり好ましくないからであり、タングステンが1質量%未満であれば脱硝性能が低くなり好ましくなく、30質量%を超える場合には添加効果が充分に得られず脱硝性能が低下する場合があるからである。
当該Ti−Si−W酸化物は特異的な粒度分布を持つことで酸化反応、還元反応に効果を示し、特に窒素酸化物の除去に優れた効果を示すものである。
また、当該Ti−Si−W酸化物は当該粒度分布を有するものであれば良く、各酸化物が複合化している必要はない。
−Ti−Si−W酸化物の製法−
当該Ti−Si−W酸化物の調製方法としては、(1)アンモニア水とケイ素源とタングステン源の混合水溶液に硫酸チタニルの硫酸水溶液を中和し十分に混合し、pH3〜10好ましくはpH4〜8でpH調整して主に水酸化物として沈殿を生成させ、十分に沈殿させた後、沈殿スラリーを濾過、水洗後、乾燥し、焼成する共沈法、(2)一方の酸化物に他方の水溶液を含浸し乾燥し、焼成する含浸法、(3)各々の前駆体である水不溶物質を水と混合しスラリーとし混練し、乾燥し、焼成する混練法、(4)各々の酸化物前駆体を十分混合し焼成する固相反応法があるが、好ましくは共沈法である。
また、当該酸化物を製造するとき、市販の原料をそのまま使用することもできるが、好ましくは所定の濃度の液に調整し用いることである。例えば、チタン源の場合には液1リットル(L)に対して20〜400g(TiO換算)、好ましくは50〜100g(TiO換算)である。ケイ素源の場合には液1リットルに対して0.5〜200g(SiO換算)、好ましくは1〜100g(SiO換算)である。タングステン源の場合には液1リットルに対して50〜500g(WO換算)、好ましくは100〜400g(WO換算)である。これらの量を超える場合には均一に混合する前に局所的に反応が進行し均一な水酸化物を生じ難くなり好ましくはなく、これらの量未満であれば液pHが所定の範囲になり難く好ましくはないからである。何れにしても目標となる酸化物を生じさせ難くなることがあるからである。
−窒素酸化物除去用触媒−
窒素酸化物は当該Ti−Si−W酸化物を含むものである。触媒は当該Ti−Si−W酸化物により構成されていても良いが、当該Ti−Si−W酸化物の特異的な粒度分布により生じる効果に影響を与えないものであれば他の化合物が含まれていても問題はなく、当該Ti−Si−W酸化物を含む脱硝触媒としての機能を更に向上させる目的(触媒活性助剤)で、例えばバナジウム、モリブデン、鉄、マンガン、ニッケル、バリウム、ストロンチウム、銀、セシウム、マグネシウム等の酸化物を当該Ti−Si−W酸化物に対して0.1〜20質量%添加することができる。特にバナジウム、タングステンおよびモリブデンからなる群より選ばれる1種以上の元素またはその化合物を活性成分として含むものが好ましい。当該活性成分の含有量は、触媒を100質量%としたとき0.1〜20質量%(酸化物換算)、好ましくは0.2〜15質量%(酸化物換算)、更に好ましくは0.4〜10質量%(酸化物換算)である。0.1質量%(酸化物換算)未満であれば脱硝性能が低くなり好ましくはないからであり、20質量%(酸化物換算)を超えるときは添加効果が充分に得られず脱硝性能が低下する場合があるからである。
上記触媒成分は、水、成形助剤等を加え粘土状とし、使用する用途に適応した形状、例えばハニカム状、ペレット状、粉体状に成形されることがある。ハニカム状であれば、一辺50〜200mmの角、目開きが一辺1〜10mmの角、リブ厚が0.1〜1.5mm、長さが200〜2000mmのものが好ましい。
−窒素酸化物除去用触媒の細孔容積−
当該触媒は、細孔容積を測定し細孔径を横軸、対応する細孔容積を縦軸とし、かつ微分型表示にしたとき、少なくとも細孔径が1〜20μmにピーク(Aピーク)を有することが好ましく、更に好ましくは更に0.006〜0.06μmにピーク(Bピーク)を有するものであり、最も好ましくはAピークまたはBピークの少なくも一方が当該細孔径を測定した範囲内で一番目の大きさ示すことである。
当該触媒の全細孔容積(0.003〜40μmにおける細孔径の細孔容積)を1としたとき、1〜20μm(Aピーク)の細孔容積が0.05〜0.6(A/全細孔容積)であり、好ましくは0.05〜0.5(A/全細孔容積)、更に好ましくは0.05〜0.45である。0.05未満であれば脱硝性能が低くなり好ましくないからであり、0.6を超える場合には脱硝性能はそれほど向上しないが、触媒の機械的強度が低下して耐摩耗強度が低くなるなど弊害が生じるおそれがあるからである。
AピークまたはBピークが0.003〜40μmにおける細孔径の範囲で、少なくとも一方が一番目のピークの大きさを示すものであり、双方が同じピークの大きさであっても良いが、好ましくは一方が一番目、他方が二番目の大きさ示すものである。一番目の大きさとは、細孔径が0.003〜40μmにおいて、細孔径がピークを示す細孔径の範囲における細孔容積が最大のピークを示す細孔群をいう。二番目の大きさとは同様にして、細孔容積が二番目のピークを示す細孔群をいう。
当該細孔径と細孔容積は、通常使用される水銀圧入式ポロシメーターなどにより測定できる。当該ピークは、細孔径測定の結果を細孔径を横軸、細孔容積を縦軸とし、かつ微分型に表示されたときに生じるピークである。
(窒素酸化物除去方法)
第二発明は、当該触媒を用いたことを特徴とする窒素酸化物除去方法である。対象となるガスは窒素酸化物を含むものであれば何れのガスであってもよいが、好ましくはガス焚きボイラやガスタービンから生じる排ガスである。窒素酸化物(NO)の濃度は10〜2000ppm(NO換算)、好ましくは20〜500ppm(NO換算)、更に好ましくは40〜100ppm(NO換算)である。これらのガスには水、SO、ダストなどが含まれていても処理することができる。
空間速度は1000〜100000hr−1(STP)、好ましくは2000〜50000hr−1(STP)、更に好ましくは3000〜30000hr−1(STP)である。
更に第三発明は、脱硝に際して、排ガス中にアンモニアまたは尿素を添加することができる。添加量は、窒素酸化物(NO換算)1モルに対して、アンモニア換算(尿素の場合は1/2モル)で0.2〜2.0モル、好ましくは0.5〜1.0モルである。
処理温度は、150〜500℃、好ましくは200〜450℃、更に好ましくは250〜400℃である。
下記実施例において上述の成分を添加することもできるが、代表例として、以下の実施例、比較例により、発明を詳細に説明する。なお、本発明の効果を奏するものであれば以下の実施例に限定されるものではない。
(調製例1)
<化合物A(Ti−Si−W酸化物)の調製>
パラタングステン酸アンモニウム(WOとして90重量%含有)1.4kg、モノエタノールアミン0.6kgを水10Lに混合・溶解させ(WOとして120g/L含有)、均一溶液を調製した。このタングステン含有溶液とシリカゾル(SiOとして30重量%含有)3.4kg、10質量%アンモニア水250Lを混合した溶液(SiOとして4g/L含有)に、硫酸チタニルの硫酸溶液(TiOとして100g/L含有、硫酸濃度400g/L)190Lをよく撹拌しながら徐々に滴下し、沈殿を生成させた後、適量の25質量%アンモニア水を加えてpHを7に調整した。このスラリーを濾過、洗浄し、150℃で20時間乾燥した。これを空気雰囲気下500℃で5時間焼成し、さらにハンマーミルを用いて粉砕し、化合物A(Ti−Si−W酸化物)を得た。
化合物Aの組成はTiO/SiO/WOの質量比(酸化物換算)で89/5/6質量%であった。
(調製例2)
<化合物B(Ti−Si−W酸化物)の調製>
パラタングステン酸アンモニウム(WOとして90重量%含有)1.4kg、モノエタノールアミン0.6kgを水10Lに混合・溶解させ(WOとして120g/L含有)、均一溶液を調製した。このタングステン含有溶液とシリカゾル(SiOとして30重量%含有)1.7kg、10質量%アンモニア水250Lを混合した溶液(SiOとして2g/L含有)に、硫酸チタニルの硫酸溶液(TiOとして100g/L含有、硫酸濃度400g/L)190Lをよく撹拌しながら徐々に滴下し、沈殿を生成させた後、適量の25質量%アンモニア水を加えてpHを7に調整した。このスラリーを濾過、洗浄し、150℃で20時間乾燥した。これを空気雰囲気下500℃で5時間焼成し、さらにハンマーミルを用いて粉砕し、化合物B(Ti−Si−W酸化物)を得た。化合物Bの組成はTiO/SiO/WOの質量比(酸化物換算)で91.5/2.5/6質量%であった。
(調製例3)
<化合物C(Ti−Si−W酸化物)の調製>
パラタングステン酸アンモニウム(WOとして90重量%含有)1.4kg、モノエタノールアミン0.6kgを水10Lに混合・溶解させ(WOとして120g/L含有)、均一溶液を調製した。このタングステン含有溶液とシリカゾル(SiOとして30重量%含有)1.7kg、10質量%アンモニア水250Lを混合した溶液(SiOとして2g/L含有)に、硫酸チタニルの硫酸溶液(TiOとして100g/L含有、硫酸濃度400g/L)190Lをよく撹拌しながら徐々に滴下し、沈殿を生成させた後、適量の25質量%アンモニア水を加えてpHを5に調整した。このスラリーを濾過、洗浄し、150℃で20時間乾燥した。これを空気雰囲気下500℃で5時間焼成し、さらにハンマーミルを用いて粉砕し、化合物C(Ti−Si−W酸化物)を得た。化合物Cの組成はTiO/SiO/WOの質量比(酸化物換算)で91.5/2.5/6質量%であった。
(比較調製例1)
市販のチタンおよびタングステンの混合酸化物(以下「Ti−W混合酸化物」という)であるCristal Global社製のDT−52(商品名)を混合物aとした。混合物aの組成はTiO/WOの質量比(酸化物換算)で90/10質量%であった。
(粒度分布の測定)
調製例1、2、3で得られた化合物A、B、Cおよび比較調製例1で得られた混合物aを株式会社堀場製作所のレーザ回折・散乱式粒度分布測定装置LA−920により粒度分布を測定した。
メジアン径(d50)の値を表1に示した。表1から分かるように化合物A、B、C(調製例1、2、3)は混合物a(比較調製例1)に較べて、メジアン径(d50)の値が高いことが分かる。以下にこれらの化合物および混合物を用いて触媒を調製する。
Figure 2014180645
(実施例1)
<触媒Aの調製>
調製例1で得られたTi−Si−W酸化物粉体(化合物A)20kgにメタバナジン酸アンモニウム(Vとして78重量%含有)1.5kg、シュウ酸2.1kg、モノエタノールアミン0.5kgを水3Lに混合・溶解させた均一溶液とパラタングステン酸アンモニウム(WOとして90重量%含有)0.9kg、モノエタノールアミン0.4kgを水2Lに混合・溶解させた均一溶液を成型助剤と適量の水とともに加え、ニーダーで混練した後、押出成型機で外形80mm角、長さ500mm、目開き2.9mm、肉厚0.4mmのハニカム状に成型した。これを80℃で乾燥した後、空気雰囲気下450℃で5時間焼成し、触媒Aを得た。
触媒Aの組成は化合物A/V/WOの質量比(酸化物換算)で91/5/4質量%であった。
(実施例2)
<触媒Bの調製>
調製例2で得られたTi−Si−W酸化物粉体(化合物B)20kgにメタバナジン酸アンモニウム(Vとして78重量%含有)1.5kg、シュウ酸2.0kg、モノエタノールアミン0.6kgを水3Lに混合・溶解させた均一溶液を成型助剤と適量の水とともに加え、ニーダーで混練した後、押出成型機で外形80mm角、長さ500mm、目開き2.9mm、肉厚0.4mmのハニカム状に成型した。これを80℃で乾燥した後、空気雰囲気下450℃で5時間焼成し、触媒Bを得た。
触媒Bの組成は化合物B/Vの質量比(酸化物換算)で94.5/5.5質量%であった。
(実施例3)
<触媒Cの調製>
調製例3で得られたTi−Si−W酸化物粉体(化合物C)20kgにメタバナジン酸アンモニウム(Vとして78重量%含有)1.5kg、シュウ酸2.0kg、モノエタノールアミン0.6kgを水3Lに混合・溶解させた均一溶液を成型助剤と適量の水とともに加え、ニーダーで混練した後、押出成型機で外形80mm角、長さ500mm、目開き2.9mm、肉厚0.4mmのハニカム状に成型した。これを80℃で乾燥した後、空気雰囲気下450℃で5時間焼成し、触媒Cを得た。
触媒Cの組成は化合物C/Vの質量比(酸化物換算)で94.5/5.5質量%であった。
(比較例1)
<触媒aの調製>
比較調製例1で得られたTi−W混合酸化物粉体(混合物a)20kgにメタバナジン酸アンモニウム(Vとして78重量%含有)1.5kg、シュウ酸2.1kg、モノエタノールアミン0.5kgを水3Lに混合・溶解させた均一溶液とパラタングステン酸アンモニウム(WOとして90重量%含有)0.9kg、モノエタノールアミン0.4kgを水2Lに混合・溶解させた均一溶液を成型助剤と適量の水とともに加え、ニーダーで混練した後、押出成型機で外形80mm角、長さ500mm、目開き2.9mm、肉厚0.4mmのハニカム状に成型した。これを80℃で乾燥した後、空気雰囲気下450℃で5時間焼成し、触媒aを得た。
触媒aの組成は混合物a/V/WOの質量比(酸化物換算)で91/5/4質量%であった。
(細孔径および細孔容積の測定)
実施例1、2、3で得られた触媒A、B、Cおよび比較例1で得られた触媒aを水銀圧入式ポロシメーターにより細孔径および細孔容積を測定した。
Aピーク(1〜20μm)と全細孔容積(0.003〜40μm)の細孔容積比(A/全細孔容積)の値を表2に示した。表2から分かるように触媒A、B、C(実施例1、2、3)は触媒a(比較例1)に較べて、A/全細孔容積の値が高いことが分かる。
細孔径を横軸、細孔容積を縦軸とし、かつ微分型の表示にした細孔径分布の結果を触媒A(実施例1)は図1、触媒B(実施例2)は図2、触媒C(実施例3)は図3、触媒a(比較例1)は図4に示した。図1〜4から分かるように触媒A、B、C(実施例1、2、3)は触媒a(比較例1)に較べて、Aピーク、Bピークが一番目と二番目のピークであり、Aピーク(0.006〜0.06μm)のピーク面積が多いことが分かる。一方、触aは細孔系が0.1〜0.5μmに二番目の大きさのピークを有するものであることも分かる。
Figure 2014180645
(触媒評価)
実施例1、2、3で得られた触媒A、B、Cおよび比較例1で得られた触媒aを溶融塩浴に浸漬されたステンレス製反応管に充填し、下記組成の合成ガスを下記条件下で触媒層に導入し、脱硝率の測定し、結果を表3に示した。
脱硝率は反応管入口および反応管出口のNOx濃度をNOx計(化学発光式、日本サーモ株式会社製MODEL5100)により測定し、下記式に従い求めた。得られた脱硝率を表3に示した。表3から分かるように触媒A、B、C(実施例1、2、3)は触媒a(比較例1)に較べて、脱硝率が高いことが分かる。
<反応条件>
ガス温度 :350℃
空間速度(STP) :26000hr−1
<合成ガス組成>
NO :100ppm,dry
NH :100ppm,dry、
:15%,dry
O :10%,wet
:balance
Figure 2014180645
Figure 2014180645
本発明は排ガス処理分野、特に窒素酸化物を含む排ガスの処理に有効な技術である。

Claims (4)

  1. メジアン径(d50)が10〜100μmである粒度分布を有するチタン・ケイ素・タングステンの酸化物を含むことを特徴とする窒素酸化物浄化用触媒。
  2. 当該触媒の全細孔容積(0.003〜40μmにおける細孔径の細孔容積)を1としたとき、1〜20μm(Aピーク)の細孔容積が0.05〜0.6(A/全細孔容積)であることを特徴とする請求項1記載の窒素酸化物除去用触媒。
  3. チタンが40〜98質量%(TiO換算)、ケイ素が1〜30質量%(SiO換算)およびタングステンが1〜30質量%(WO換算)であることを特徴とする請求項1記載の窒素酸化物除去用触媒。
  4. 請求項1、2又は3記載の窒素酸化物除去用触媒を用いることを特徴とする窒素酸化物浄化方法。
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Citations (3)

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