JP2013091045A - 排ガス処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、通常被毒物質と呼ばれる成分を含む排ガス中に含まれる窒素酸化物を処理することにある。
【解決手段】本発明は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、リン、砒素、ケイ素、亜鉛、鉛、鉄、アンチモンおよびバナジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素および/またはその化合物を含有する窒素酸化物含有排ガス中の窒素酸化物を脱硝触媒の存在下に処理する排ガス処理方法であり、当該脱硝触媒がバナジウム、ニオブ、タンタル等の活性成分とチタン酸化物を含みかつ当該チタン酸化物がアルミニウム、ケイ素、ジルコニウム等の基材添加成分とチタンとの複合酸化物である事を特徴とするものである。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、リン、砒素、ケイ素、亜鉛、鉛、鉄、アンチモンおよびバナジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素および/またはその化合物を含有する窒素酸化物含有排ガス中の窒素酸化物を脱硝触媒の存在下に処理する排ガス処理方法であり、当該脱硝触媒がバナジウム、ニオブ、タンタル等の活性成分とチタン酸化物を含みかつ当該チタン酸化物がアルミニウム、ケイ素、ジルコニウム等の基材添加成分とチタンとの複合酸化物である事を特徴とするものである。
【選択図】なし
Description
本発明は、窒素酸化物が含まれる排ガスの処理に関するものであり、特にアルカリ金属、アルカリ土類金属、リン、砒素、ケイ素、亜鉛、鉛、鉄、アンチモン、バナジウムが含まれる排ガスの処理に関する技術である。
現在実用化されている排ガス中の窒素酸化物除去方法としては、アンモニアまたは尿素などの還元剤を用いて排ガス中の窒素酸化物を触媒上で接触還元して窒素と水に分解する選択的触媒還元法(SCR法)が一般的である。近年、酸性雨に代表されるように窒素酸化物による環境汚染が世界的に深刻化するに伴い、高性能な触媒が求められている。
脱硝触媒に関する従来技術としては、例えば、窒素酸化物の除去に有効な触媒として、チタン、バナジウムおよびタングステンからなる金属成分、またはチタン、バナジウム、タングステンおよびモリブデンからなる金属成分を含有する化合物群を混合して熱処理した原料を用いて調製した触媒について開示されている(特許文献1)。
一方、重油や石炭を燃料とする燃焼炉やボイラ、船舶用ディーゼルエンジン排ガス、ごみ焼却炉から排出される排ガス中にはアルカリ金属、アルカリ土類金属、リン、砒素、ケイ素、亜鉛、鉛、鉄、アンチモンなどが含まれ、これらは触媒中に蓄積して触媒活性点の被毒や触媒表面の被覆を引き起こす為、脱硝活性を低下させる要因となる。更に、重油を燃料とする燃焼炉やボイラでは排ガス中にバナジウムが含まれる場合があり、これが触媒中に蓄積するとSO2のSO3への酸化活性が経時的に上昇し、触媒反応装置の後流側の配管や設備の腐食等の問題が起こる。
よって、触媒に求められる特性として窒素酸化物の除去性能に優れるだけでなく、排ガス中含有成分に対する被毒耐性やSO2酸化率の上昇抑制が求められる場合があるが、前記公報に開示された技術ではこれらの点において必ずしも充分であるとはいえなかった。
本発明の目的は上記従来技術の問題点を解決し、アルカリ金属、アルカリ土類金属、リン、砒素、ケイ素、亜鉛、鉛、鉄、アンチモン、バナジウムなどの排ガス中含有成分による脱硝活性の低下およびSO2酸化率の上昇を抑制できる排ガス処理方法を提供する事にある。
本発明者は、上記課題を解決する為に鋭意検討を行った結果、以下に示す脱硝触媒を用いる事が有効である事を見出した。本発明で用いる脱硝触媒は、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素またはその化合物(活性成分)とチタン酸化物を含みかつ当該チタン酸化物がアルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、モリブデンおよびタングステンからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素(基材添加成分)とチタンの複合酸化物および/または混合酸化物の1種以上の酸化物用いるものである。
本発明は、重油焚きボイラや石炭焚きボイラ、ディーゼルエンジン、火力発電所、産業廃棄物や都市廃棄物を処理する焼却施設および各種工業プロセスから排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)をアンモニアや尿素などの還元剤を用いて接触還元する為の排ガス処理方法に関する。
本発明を用いる事で、排ガス中に含まれる窒素酸化物を有効に処理することができる。特にアルカリ金属、アルカリ土類金属、リン、砒素、ケイ素、亜鉛、鉛、鉄、アンチモンおよびバナジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素および/またはその化合物を含有する窒素酸化物含有排ガスを処理するときであっても長時間高い窒素酸化物処理能力を維持する事ができる。また、バナジウムの蓄積によるSO2酸化率の上昇を抑制する事ができる。
本発明で用いる脱硝触媒は、バナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素またはその化合物を活性成分として含むものである。この中でも特にバナジウム、モリブデンおよびタングステンからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素またはその化合物を活性成分として含むことによりNOx除去性能を高く維持できるので好適に用いられる。当該活性成分の触媒全体に占める割合は、0.1〜40質量%(酸化物換算)であるのが好ましく、より好ましくは0.2〜20質量%、更に好ましくは0.4〜10質量%である。活性成分の含有量が0.1質量%よりも少ないと充分なNOx除去性能が得られない他、アルカリ金属など排ガス中に含まれる被毒物質の影響を受けやすくなり、40質量%を超えて多くするとSO2酸化率が高くなって触媒反応装置の後流側の配管や設備の腐食等の問題を引き起こす場合があるからである。なお、活性成分としてバナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群から選ばれる少なくとも2種の元素またはその化合物を含む場合、その含有量は各々の元素またはその化合物について前記範囲の中にあるのがよい。
また、本発明で用いる脱硝触媒は、前記活性成分をチタン酸化物からなる基材成分に担持させたものである。当該基材成分の触媒全体に占める割合は、60〜99.9質量%(酸化物換算)であるのが好ましく、より好ましくは80〜99.8質量%、更に好ましくは90〜99.6質量%である。基材成分の割合をこの範囲にする事によって、高いNOx除去性能を維持する事ができる。
基材成分の主成分はチタン酸化物であるが、チタン以外に基材添加成分としてアルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、モリブデンおよびタングステンからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とチタンの複合酸化物や混合酸化物が用いられる。また、2種以上の複合酸化物や混合酸化物を混合して用いてもよい。
当該複合酸化物または混合酸化物中のチタン含有量は、40〜99モル%であるのが好ましく、より好ましくは60〜98モル%、更に好ましくは70〜97モル%である。チタン含有量を前記範囲にする事によって、高いNOx除去性能を維持する事ができる。特に、本発明の効果を充分に発揮する為には、当該複合酸化物または混合酸化物がケイ素を含有している事が好ましい。この場合の当該複合酸化物または混合酸化物中のケイ素の含有量は、2〜50モル%であるのが好ましく、より好ましくは4〜40モル%、更に好ましくは5〜30モル%の範囲にあるのがよい。当該複合酸化物または混合酸化物中のケイ素の含有量が2モル%未満では充分な効果が得られない場合があり、50モル%を超えるとNOx除去性能が低下するからである。
本発明で用いる脱硝触媒の比表面積は、50〜200m2/gの範囲にあるのがよく、より好ましくは60〜150m2/g、更に好ましくは65〜130m2/gの範囲にあるのがよい。触媒の比表面積が低すぎると充分な触媒性能が得られない他、活性成分のシンタリングが起こりやすくなり、高すぎても触媒性能はそれほど向上しないが、被毒物質の蓄積量が多くなって耐久性が低くなる場合があるからである。
また、本発明で用いる脱硝触媒の細孔容積は、全細孔容積が0.2〜0.7mL/gの範囲にあるのがよく、より好ましくは0.3〜0.6mL/g、更に好ましくは0.35〜0.5mL/gの範囲にあるのがよい。触媒の細孔容積が小さすぎると十分な触媒性能が得られず、大きすぎても触媒性能はそれほど向上しないが、触媒の機械的強度が低下してハンドリングに支障をきすことや耐磨耗性が低くなるなどの弊害が生じるおそれがあるので好ましくない。
本発明で用いる脱硝触媒の調製法としては、各種金属化合物を用いた一般的な調製方法を用いる事ができ、例えば、含浸法、共沈法、混錬法、アルコキシド法などが用いられる。
各触媒成分の出発原料としては、各元素の酸化物、水酸化物、無機塩、有機塩などが用いられる。具体的にはアンモニウム塩、シュウ酸塩、硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物などが挙げられ、例えばチタン供給源としては、硫酸チタニル、四塩化チタン、テトライソプロピルチタネートなどが用いられ、ケイ素供給源としてはシリカゾル、水ガラス、四塩化ケイ素などを用いる事ができる。またバナジウム源としては、メタタングステンバナジン酸アンモニウムなどが用いられ、タングステン源としてはメタタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸アンモニウムなどが用いられ、モリブデン源としてはパラモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸などが用いられる。
本発明で用いる脱硝触媒は、押し出し成形、打錠成形、転動造粒などにより、サドル状、ペレット、球体、ハニカム状に成形して用いることができる。またサドル状、ペレット、球体、ハニカム状の担体に脱硝触媒の成分を被覆して用いる事もできる。排ガス処理装置の圧力損失を少なくするにはハニカム状が好ましい。
本発明の排ガス処理方法は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、リン、砒素、ケイ素、亜鉛、鉛、鉄、アンチモンおよびバナジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素及び/またはその化合物を含有する排ガス中の窒素酸化物を除去する排ガス処理方法であるが、当該排ガス中に含まれるアルカリ金属、アルカリ土類金属、リン、砒素、ケイ素、亜鉛、鉛、鉄、アンチモンおよびバナジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素及び/またはその化合物の濃度は、100g/m3(Normal)以下であるのがよく、好ましくは50g/m3(Normal)以下、より好ましくは30g/m3(Normal)以下であるのがよい。
アルカリ金属、アルカリ土類金属、リン、砒素、ケイ素、亜鉛、鉛、鉄、アンチモンおよびバナジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素及び/またはその化合物の濃度が100g/m3(Normal)を超えると触媒の活性低下が大きくなる他、場合によってはSO2酸化率の上昇も大きくなるからである。
本発明の排ガス処理方法における排ガスの処理温度は、150〜600℃、好ましくは170〜550℃、より好ましくは200〜500℃の範囲にあるのがよい。排ガスの処理温度が150℃未満では充分なNOx除去効率が得られない他、触媒の活性低下が大きくなり、600℃を超えると触媒の熱劣化が大きくなる他、SO2酸化率が高くなるからである。また、本発明の排ガス処理に際しての空間速度は、500〜100,000hr−1(STP)、好ましくは1,000〜50,000hr−1(STP)、より好ましくは1,500〜30,000hr−1(STP)の範囲にあるのがよい。空間速度が100,000hr−1(STP)を超えると充分なNOx除去効率が得られず、500hr−1(STP)未満ではNOx除去効率は大きく変わらないが排ガス処理装置の圧力損失が高くなり、また装置自体も大きくなって非効率だからである。更に、本発明の排ガス処理に際しての触媒層を通過するガスの線速度は、0.1〜10m/sec(Normal)、好ましくは0.5〜7m/sec(Normal)、より好ましくは0.7〜4m/sec(Normal)の範囲にあるのがよい。線速度が0.1m/sec(Normal)未満では充分なNOx除去効率が得られず、10m/sec(Normal)を超えるとNOx除去効率は大きく変わらないが、排ガス処理装置の圧力損失が高くなるからである。
本発明で用いる脱硝触媒は、排ガス中に酸素が存在する条件下で好適に用いられるが、この場合の酸素濃度は、0.1〜50容量%の範囲にあるのが好ましく、より好ましくは0.3〜20容量%、更に好ましくは0.5〜16容量%の範囲にあるのがよい。酸素濃度が0.1容量%未満ではNOx除去効率が低下し、50容量%を超えるとSO2酸化率が高くなるからである。また、排ガス中に水分を含む場合には、その濃度は50容量%以下であるのが好ましく、より好ましくは40容量%以下、更に好ましくは30容量%以下であるのがよい。排ガス中の水分濃度が50容量%を超えるとNOx除去効率が低下するからである。更に、排ガス中のSOx濃度は1〜10000ppm(容量基準)であるのが好ましく、より好ましくは10〜7000ppm、更に好ましくは20〜5000ppmであるのがよい。排ガス中のSOx濃度が1ppm以上であればアルカリ金属など排ガス中の被毒物質による活性低下が軽減されるので好ましい。一方、排ガス中のSOx濃度が10000ppmを超えるとSOxによる活性低下が問題となる場合があるからである。
以下に実施例により発明を詳細に説明するが、本発明の効果を奏するものであれば以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<脱硝触媒の調製>
シリカゾル(SiO2として20質量%含有)20kgと25質量%アンモニア水225kgを混合した液に、硫酸チタニルの硫酸溶液(TiO2として125g/L、硫酸濃度550g/L)240Lをよく攪拌しながら徐々に滴下し、沈殿を生成させ後、適量のアンモニア水を加えてpHを8に調整した。このスラリーを熟成、濾過、洗浄した後、150℃で10時間乾燥した。これを空気雰囲気下550℃で6時間焼成し、さらにハンマーミルを用いて粉砕し、Ti−Si複合酸化物粉体を得た。このようにして調製したTi−Si複合酸化物粉体の組成は、Ti:Si=85:15(モル比)であった。
<脱硝触媒の調製>
シリカゾル(SiO2として20質量%含有)20kgと25質量%アンモニア水225kgを混合した液に、硫酸チタニルの硫酸溶液(TiO2として125g/L、硫酸濃度550g/L)240Lをよく攪拌しながら徐々に滴下し、沈殿を生成させ後、適量のアンモニア水を加えてpHを8に調整した。このスラリーを熟成、濾過、洗浄した後、150℃で10時間乾燥した。これを空気雰囲気下550℃で6時間焼成し、さらにハンマーミルを用いて粉砕し、Ti−Si複合酸化物粉体を得た。このようにして調製したTi−Si複合酸化物粉体の組成は、Ti:Si=85:15(モル比)であった。
次にメタバナジン酸アンモニウム0.6kg、シュウ酸0.7kg、モノエタノールアミン0.2kgを水2Lに混合・溶解させ、均一溶液を調製した。このバナジウム含有溶液とパラタングステン酸アンモニウムの10質量%メチルアミン水溶液(WO3として400g/L)4.4Lを成形助剤と適量の水とともに、先に調製したTi−Si複合酸化物20kgに加え、ニーダーで混練した後、外形80mm角、長さ500mm、目開き3.2mm、肉厚0.5mmのハニカム状に押し出し成形した。このハニカム成形体を80℃で乾燥した後、空気雰囲気下450℃で3時間焼成し、脱硝触媒Aを得た。
脱硝触媒Aの組成は、(Ti−Si複合酸化物):V2O5:WO3=90:2:8(質量比)であり、BET比表面積は116m2/g、全細孔容積は0.46mL/gであった。
<NOx分解試験>
反応管に上記脱硝触媒Aを充填し、下記組成の合成ガスを下記処理条件で導入した。なお、触媒の充填量は、下記処理条件に記載の空間速度(SV)にあわせて決定した。
反応管に上記脱硝触媒Aを充填し、下記組成の合成ガスを下記処理条件で導入した。なお、触媒の充填量は、下記処理条件に記載の空間速度(SV)にあわせて決定した。
[合成ガス組成]
NOx:250ppm,NH3:200ppm,SO2:2000ppm,O2:2容量%,H2O:10容量%,N2:balance
[処理条件]
処理温度:350℃,空間速度:10,000hr−1(STP),ガス線速度:2.0m/sec(Normal)
次に、脱硝触媒入口および脱硝触媒出口のNOx濃度を測定し、次式に従って脱硝率を算出した。結果を表1に示す。
脱硝率(%)={(脱硝触媒入口NOx濃度)−(脱硝触媒出口NOx濃度)}/(脱硝触媒入口NOx濃度)×100
(実施例2)
<Naの含浸>
排ガス成分としてNaが存在したとき触媒に付着するであろうNaを予め触媒に含ませることにより、被毒物質(Na)に対する触媒性能を評価する実施例である。
NOx:250ppm,NH3:200ppm,SO2:2000ppm,O2:2容量%,H2O:10容量%,N2:balance
[処理条件]
処理温度:350℃,空間速度:10,000hr−1(STP),ガス線速度:2.0m/sec(Normal)
次に、脱硝触媒入口および脱硝触媒出口のNOx濃度を測定し、次式に従って脱硝率を算出した。結果を表1に示す。
脱硝率(%)={(脱硝触媒入口NOx濃度)−(脱硝触媒出口NOx濃度)}/(脱硝触媒入口NOx濃度)×100
(実施例2)
<Naの含浸>
排ガス成分としてNaが存在したとき触媒に付着するであろうNaを予め触媒に含ませることにより、被毒物質(Na)に対する触媒性能を評価する実施例である。
実施例1で調製した脱硝触媒Aに硝酸ナトリウム水溶液を含浸し、80℃で乾燥した後、空気雰囲気下400℃で3時間焼成した。この触媒のNa含有量は触媒全体に対して2質量%(Na2O換算)であった。
<NOx分解試験>
実施例1のNOx分解試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記Na含浸触媒を用いた事以外は、実施例1と同様にしてNOx分解試験を行なった。結果を表1に示す。
実施例1のNOx分解試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記Na含浸触媒を用いた事以外は、実施例1と同様にしてNOx分解試験を行なった。結果を表1に示す。
(実施例3)
<Kの含浸>
排ガス成分としてKが存在したとき触媒に付着するであろうKを予め触媒に含ませることにより、被毒物質(K)に対する触媒性能を評価する実施例である。
<Kの含浸>
排ガス成分としてKが存在したとき触媒に付着するであろうKを予め触媒に含ませることにより、被毒物質(K)に対する触媒性能を評価する実施例である。
実施例1で調製した脱硝触媒Aに硝酸カリウム水溶液を含浸し、80℃で乾燥した後、空気雰囲気下400℃で3時間焼成した。この触媒のK含有量は触媒全体に対して2質量%(K2O換算)であった。
<NOx分解試験>
実施例1のNOx分解試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記K含浸触媒を用いた事以外は、実施例1と同様にしてNOx分解試験を行なった。結果を表1に示す。
実施例1のNOx分解試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記K含浸触媒を用いた事以外は、実施例1と同様にしてNOx分解試験を行なった。結果を表1に示す。
(実施例4)
<Mgの含浸>
排ガス成分としてMgが存在したとき触媒に付着するであろうMgを予め触媒に含ませることにより、被毒物質(Mg)に対する触媒性能を評価する実施例である。
<Mgの含浸>
排ガス成分としてMgが存在したとき触媒に付着するであろうMgを予め触媒に含ませることにより、被毒物質(Mg)に対する触媒性能を評価する実施例である。
実施例1で調製した脱硝触媒Aに硝酸マグネシウム水溶液を含浸し、80℃で乾燥した後、空気雰囲気下400℃で3時間焼成した。この触媒のMg含有量は触媒全体に対して2質量%(MgO換算)であった。
<NOx分解試験>
実施例1のNOx分解試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記Mg含浸触媒を用いた事以外は、実施例1と同様にしてNOx分解試験を行なった。結果を表1に示す。
実施例1のNOx分解試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記Mg含浸触媒を用いた事以外は、実施例1と同様にしてNOx分解試験を行なった。結果を表1に示す。
(実施例5)
<Caの含浸>
排ガス成分としてCaが存在したとき触媒に付着するであろうCaを予め触媒に含ませることにより、被毒物質(Ca)に対する触媒性能を評価する実施例である。
<Caの含浸>
排ガス成分としてCaが存在したとき触媒に付着するであろうCaを予め触媒に含ませることにより、被毒物質(Ca)に対する触媒性能を評価する実施例である。
実施例1で調製した脱硝触媒Aに硝酸カルシウム水溶液を含浸し、80℃で乾燥した後、空気雰囲気下400℃で3時間焼成した。この触媒のCa含有量は触媒全体に対して2質量%(CaO換算)であった。
<NOx分解試験>
実施例1のNOx分解試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記Ca含浸触媒を用いた事以外は、実施例1と同様にしてNOx分解試験を行なった。結果を表1に示す。
実施例1のNOx分解試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記Ca含浸触媒を用いた事以外は、実施例1と同様にしてNOx分解試験を行なった。結果を表1に示す。
(実施例6)
<Pの含浸>
排ガス成分としてPが存在したとき触媒に付着するであろうPを予め触媒に含ませることにより、被毒物質(P)に対する触媒性能を評価する実施例である。
<Pの含浸>
排ガス成分としてPが存在したとき触媒に付着するであろうPを予め触媒に含ませることにより、被毒物質(P)に対する触媒性能を評価する実施例である。
実施例1で調製した脱硝触媒Aにリン酸水溶液を含浸し、80℃で乾燥した後、空気雰囲気下400℃で3時間焼成した。この触媒のP含有量は触媒全体に対して2質量%(P2O5換算)であった。
<NOx分解試験>
実施例1のNOx分解試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記P含浸触媒を用いた事以外は、実施例1と同様にしてNOx分解試験を行なった。結果を表1に示す。
実施例1のNOx分解試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記P含浸触媒を用いた事以外は、実施例1と同様にしてNOx分解試験を行なった。結果を表1に示す。
(実施例7)
<Asの含浸>
排ガス成分としてAsが存在したとき触媒に付着するであろうAsを予め触媒に含ませることにより、被毒物質(As)に対する触媒性能を評価する実施例である。
<Asの含浸>
排ガス成分としてAsが存在したとき触媒に付着するであろうAsを予め触媒に含ませることにより、被毒物質(As)に対する触媒性能を評価する実施例である。
実施例1で調製した脱硝触媒Aに砒酸水溶液を含浸し、80℃で乾燥した後、空気雰囲気下400℃で3時間焼成した。この触媒のAs含有量は触媒全体に対して2質量%(As2O3換算)であった。
<NOx分解試験>
実施例1のNOx分解試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記As含浸触媒を用いた事以外は、実施例1と同様にしてNOx分解試験を行なった。結果を表1に示す。
実施例1のNOx分解試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記As含浸触媒を用いた事以外は、実施例1と同様にしてNOx分解試験を行なった。結果を表1に示す。
(実施例8)
<SO2酸化試験>
反応管に実施例1で調製した脱硝触媒Aを充填し、下記組成の合成ガスを下記条件で導入した。なお、触媒の充填量は、下記処理条件に記載の空間速度(SV)にあわせて決定した。
<SO2酸化試験>
反応管に実施例1で調製した脱硝触媒Aを充填し、下記組成の合成ガスを下記条件で導入した。なお、触媒の充填量は、下記処理条件に記載の空間速度(SV)にあわせて決定した。
[合成ガス組成]
NOx:250ppm,NH3:200ppm,SO2:2000ppm,O2:2容量%,H2O:10容量%,N2:balance
[処理条件]
処理温度:350℃,空間速度:10,000hr−1(STP),ガス線速度:2.0m/sec(Normal)
次に、脱硝触媒入口のSO2濃度および脱硝触媒出口のSO3濃度を測定し、次式に従ってSO2酸化率を算出した。結果を表2に示す。
SO2酸化率(%)=(脱硝触媒出口SO3濃度)/(脱硝触媒入口SO2濃度)×100
(実施例9)
<Vの含浸>
排ガス成分としてVが存在したとき触媒に付着するであろうVを予め触媒に含ませることにより、触媒中のVの増加によるSO2酸化率の変化を評価する実施例である。
NOx:250ppm,NH3:200ppm,SO2:2000ppm,O2:2容量%,H2O:10容量%,N2:balance
[処理条件]
処理温度:350℃,空間速度:10,000hr−1(STP),ガス線速度:2.0m/sec(Normal)
次に、脱硝触媒入口のSO2濃度および脱硝触媒出口のSO3濃度を測定し、次式に従ってSO2酸化率を算出した。結果を表2に示す。
SO2酸化率(%)=(脱硝触媒出口SO3濃度)/(脱硝触媒入口SO2濃度)×100
(実施例9)
<Vの含浸>
排ガス成分としてVが存在したとき触媒に付着するであろうVを予め触媒に含ませることにより、触媒中のVの増加によるSO2酸化率の変化を評価する実施例である。
実施例1で調製した脱硝触媒Aに、実施例1で用いたメタバナジン酸アンモニウム溶液を含浸し、80℃で乾燥した後、空気雰囲気下400℃で3時間焼成した。この触媒のV含有量は触媒全体に対して5質量%(V2O5換算)であった。
<SO2酸化試験>
実施例8のSO2酸化試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記V含浸触媒を用いた事以外は、実施例8と同様にしてSO2酸化試験を行なった。結果を表2に示す。
実施例8のSO2酸化試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記V含浸触媒を用いた事以外は、実施例8と同様にしてSO2酸化試験を行なった。結果を表2に示す。
(比較例1)
<脱硝触媒の調製>
メタバナジン酸アンモニウム0.6kg、シュウ酸0.7kg、モノエタノールアミン0.2kgを水2Lに混合・溶解させ、均一溶液を調製した。このバナジウム含有溶液とパラタングステン酸アンモニウムの10質量%メチルアミン水溶液(WO3として400g/L)4.4Lを成形助剤と適量の水とともに、TiO2粉体(Cristal Global社製、DT−51(商品名))20kgに加え、ニーダーで混練した後、外形80mm角、長さ500mm、目開き2.9mm、肉厚0.4mmのハニカム状に押し出し成形した。このハニカム成形体を80℃で乾燥した後、空気雰囲気下450℃で3時間焼成し、脱硝触媒Bを得た。
<脱硝触媒の調製>
メタバナジン酸アンモニウム0.6kg、シュウ酸0.7kg、モノエタノールアミン0.2kgを水2Lに混合・溶解させ、均一溶液を調製した。このバナジウム含有溶液とパラタングステン酸アンモニウムの10質量%メチルアミン水溶液(WO3として400g/L)4.4Lを成形助剤と適量の水とともに、TiO2粉体(Cristal Global社製、DT−51(商品名))20kgに加え、ニーダーで混練した後、外形80mm角、長さ500mm、目開き2.9mm、肉厚0.4mmのハニカム状に押し出し成形した。このハニカム成形体を80℃で乾燥した後、空気雰囲気下450℃で3時間焼成し、脱硝触媒Bを得た。
脱硝触媒Bの組成は、TiO2:V2O5:WO3=90:2:8(質量比)であり、BET比表面積は71m2/g、全細孔容積は0.30mL/gであった。
<SO2酸化試験>
実施例8のSO2酸化試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記脱硝触媒Bを用いた事以外は、実施例8と同様にしてSO2酸化試験を行なった。結果を表2に示す。
実施例8のSO2酸化試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記脱硝触媒Bを用いた事以外は、実施例8と同様にしてSO2酸化試験を行なった。結果を表2に示す。
(比較例2)
<Vの含浸>
排ガス成分としてVが存在したとき触媒に付着するであろうVを予め触媒に含ませることにより、触媒中のVの増加によるSO2酸化率の変化を評価する比較例である。
<Vの含浸>
排ガス成分としてVが存在したとき触媒に付着するであろうVを予め触媒に含ませることにより、触媒中のVの増加によるSO2酸化率の変化を評価する比較例である。
比較例1で調製した脱硝触媒Bに、比較例1で用いたメタバナジン酸アンモニウム溶液を含浸し、80℃で乾燥した後、空気雰囲気下400℃で3時間焼成した。この触媒のV含有量は触媒全体に対して5質量%(V2O5換算)であった。
<SO2酸化試験>
実施例8のSO2酸化試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記V含浸触媒を用いた事以外は、実施例8と同様にしてSO2酸化試験を行なった。結果を表2に示す。
実施例8のSO2酸化試験において、脱硝触媒Aのかわりに上記V含浸触媒を用いた事以外は、実施例8と同様にしてSO2酸化試験を行なった。結果を表2に示す。
本発明は産業排ガス処理に関する技術に利用することができ、窒素酸化物の処理に用いることができる。特に有効に作用するのは通常被毒物質と呼ばれる成分を含む排ガス中に含まれる窒素酸化物を処理するときである。
Claims (4)
- アルカリ金属、アルカリ土類金属、リン、砒素、ケイ素、亜鉛、鉛、鉄、アンチモンおよびバナジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素および/またはその化合物を含有する窒素酸化物含有排ガス中の窒素酸化物を脱硝触媒の存在下に処理する排ガス処理方法であり、当該脱硝触媒がバナジウム、ニオブ、タンタル、モリブデンおよびタングステンからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素またはその化合物(活性成分)とチタン酸化物を含みかつ当該チタン酸化物がアルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、モリブデンおよびタングステンからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素(基材添加成分)とチタンの複合酸化物および/または混合酸化物の1種以上の酸化物である事を特徴とする排ガス処理方法。
- 当該チタン酸化物がケイ素を含有している事を特徴とする請求項1に記載の排ガス処理方法。
- 当該排ガスが硫黄酸化物(SOx)を含有している事を特徴とする請求項1および請求項2に記載の排ガス処理方法。
- 当該排ガスが船舶用ディーゼルエンジンからの排ガスである事を特徴とする請求項1記載の排ガス処理方法。
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