JP2014172479A - 車両用空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】単一の送風機30を持つ車両用空調装置を用いて輻射熱暖房装置71と連携制御する場合において、ウィンドウ曇りが抑制できる車両用空調システムを得る。
【解決手段】車両用空調システムにおいて、単一の送風機30によって送風された空調風が、車両の室内における乗員の足元にフット吹出風として吹出され、かつ、車室内におけるウィンドウの表面にデフロスタ吹出風として吹出される。このシステムは、車両用空調装置および輻射熱暖房装置71を制御する制御装置60を有する。この制御装置60の連携制御は、輻射熱暖房装置71の作動に合わせてフット吹出風を減少させる、または、フット吹出風を減少させることに合わせて輻射熱暖房装置71を作動させる。このような連携制御において、フット吹出風の風量に対するデフロスタ吹出風の風量割合が増加するように吹出モードがステップS57で変更される。
【選択図】図5

Description

本発明は、輻射熱暖房装置と、車両用空調装置を連携制御する車両用空調システムに関するものである。特には、車両用空調装置の内部に単一の送風機を有する場合の、フット吹出風を減少させる場合におけるウィンドウ曇り発生を抑制する車両用空調システムに関する。
従来、特許文献1に記載の装置では、輻射熱暖房装置と車両用空調装置とを連携制御した車両用暖房装置を提供している。このために、車室内外の環境情報と車両運転情報に応じて空調ユニットの目標吹出温度を算出して車室内空調を制御する車両用空調装置を構成している。この空調装置は、空調ユニットの足元吹出し風量が調整可能である。また、この空調装置とともに、乗員の足元雰囲気を暖房する輻射熱暖房装置を具備する。そして、足元吹出し風量が保有する足元吹出し熱量と、輻射熱暖房装置の投入電力とを調整して、乗員の足において所定の(同一の)温感となるようにしている。
換言すれば、特許文献1の装置は、輻射熱暖房装置と車両用空調装置とを連携制御し、エンジン水温に応じ足元温感が一定になるように輻射熱暖房装置投入電力Qと空調装置の足元吹出風の保有する熱量Qfとを連携制御している。これにより、乗員の足元を同一温感に保ちつつ省燃費を図っている。
特開2012−192829号公報
発明者は、上記特許文献1のように輻射熱暖房装置と、車両用空調装置を連携制御することを考えた。その際に、エンジン水温が変動しても、足元温感が略一定になるように輻射熱暖房装置投入電力Qと空調装置の足元吹出風の保有する熱量Qfと連携して制御した。
なお、輻射熱暖房装置投入電力Qの単位はワットである。また、空調装置の足元吹出風の保有する熱量Qfの熱量は厳密には単位時間当たりの熱エネルギーであり、単位はワットである。ここで、輻射熱暖房装置は、輻射ヒータと略称することがある。
しかし、この車両用空調システムによると、
(1)エンジン水温が所定値以上の時は、空調装置のフット吹出風の保有する熱量Qfと輻射熱暖房装置投入電力Qの相互の割合が、乗員の足において同一温感となるように、フット吹出風量を増加させ、輻射熱暖房装置投入電力Qを減少またはOFFさせる。
(2)エンジン水温が所定値未満の時は、空調装置のフット吹出風の保有する熱量Qfと輻射熱暖房装置投入電力Qの相互の割合が、乗員の足において同一温感となるように、空調装置のフット吹出風量を減少させ、輻射熱暖房装置投入電力Qを増加させる。
ここで、車両空調装置は、通常、単一の送風機で送風し、更に足元および車室内の暖房に加えウィンドウの曇りを防止する必要がある場合は、空調装置からフット吹出風に加えデフロスタ吹出風を吹出している。かつ、フット吹出風量割合とデフロスタ吹出風量割合の比率を変えた複数の吹出モード(例えば、フットモード、フット/デフロスタモード、およびデフモードを設定し、足元温感の維持とウィンドウ曇り防止による視界確保の両立を図っている。
上記(2)の場合において、エンジン水温が所定値未満の時は、乗員の足において同一温感となるように、空調装置のフット吹出風量を減少させ、輻射熱暖房装置投入電力Qを増加させるが、次の問題を生じる。
つまり、省エネルギーを達成しつつ、同一温感となるよう足元吹出風量を減らすということは、先に述べた単一の送風機で送風している場合、同時にデフロスタ吹出風量も減るということである。この場合ウィンドウの曇りを防止するのに必要な風量が確保できず、ウィンドウ曇りが発生し、視界が確保しにくいという問題が生じる。ところが、特許文献1では、足元吹出風量を減らすことによるウィンドウ曇り発生の不具合、およびその対応に関する記載が無い。
本発明の目的は、単一の送風機で送風している車両用空調装置を用いて輻射熱暖房装置と連携制御する場合において、ウィンドウ曇りが発生し視界が確保出来なくなるという不具合が生じない車両用空調システムを提供することにある。
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、本発明では、輻射熱暖房装置(71)と、車両用空調装置を連携制御する車両用空調システムにおいて、車両用空調装置は単一の送風機(30)によって送風された空調風を温度制御する熱交換器(45、51)を有する。また、車両用空調装置は、空調風を車両の室内における乗員の足元にフット吹出風として吹出し、かつ空調風を車室内におけるウィンドウ(3)の表面にデフロスタ吹出風として吹出す複数の吹出口(5、7)を有する。車両用空調装置は、複数の吹出口(5、7)から吹出す吹出風の風量割合を制御する各吹出口(5、7)に設けられたモードドア(21、22)を有する。車両用空調システムは、車両用空調装置および輻射熱暖房装置(71)を制御する制御装置(60)を有する。この制御装置(60)は、フット吹出風の風量およびデフロスタ吹出風の風量を、それぞれのモードドアの開度を別々に設定することで独立して調整する。かつ、制御装置(60)は、輻射熱暖房装置(71)と車両用空調装置とを連携制御する連携制御手段(ステップS6)を有する。この連携制御手段(ステップS6)は、輻射熱暖房装置(71)の作動に合わせてフット吹出風を減少させる、または、フット吹出風を減少させることに合わせて輻射熱暖房装置(71)を作動させる。この場合において、制御装置(60)は、フット吹出風の風量に対するデフロスタ吹出風の風量割合が増加するようにモードドアの開度を制御することを特徴としている。
この発明によれば、輻射熱暖房装置(71)の作動に合わせてフット吹出風を減少させる場合は、フット吹出風の風量に対するデフロスタ吹出風の風量の割合が増加するようにモードドアの開度を制御する。これにより、単一の送風機(30)によるフット吹出風の風量減に伴うデフロスタ吹出風の風量減が抑制される。従って、輻射熱暖房装置(71)による乗員の足元温感を確保しつつ、デフロスタ吹出風不足によるウィンドウ(3)の曇り発生を抑制することが出来る。
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号ないし説明は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を分かり易く示す一例であり、発明の内容を限定するものではない。
本発明の第1実施形態における車両用空調システムの構成を説明する模式図である。 上記実施形態における車両用空調装置の概略構成図である。 上記実施形態における車両用空調装置の吹出モードの制御マップである。 上記実施形態における車両用空調装置の全体制御を示すフローチャートである。 上記実施形態における吹出モード決定制御の詳細フローチャートである。 上本発明の第2実施形態における車室内の車両用空調システムの配置と空調風の流れを説明する模式図である。 上記第2実施形態における吹出モード決定制御の詳細フローチャートである。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図5を用いて詳細に説明する。図1の空調ユニット(HVAC)2は、車室内前方のインストルメントパネル4の内部に配設されており、インストルメントパネル4の外面には、デフロスタ吹出口5、フェイス吹出口6、およびフット吹出口7等が設けられている。
輻射熱暖房装置71は、車両のステアリングコラム下の壁面で乗員の足元上部辺りに設置されている。輻射熱暖房装置71の発熱体は、図示しない電気ヒータ線が蛇行配線したもので、表面部材、低熱伝導率素材によってサンドイッチ状に形成されている。発熱体には、電気ヒータ線の代わりに、PTC特性のある抵抗体をシート状に成形したヒータを使用しても良い。
車両用空調装置は、車両走行用のエンジン(E/G)1により駆動される図2の圧縮機41、凝縮器42、受液器43、膨張弁44、蒸発器45からなる冷凍サイクルと、空調ユニット(HVAC)2から構成されている。空調ユニット2は、ブロアモータ32を有する送風機30を有する。また、空調ユニット2は、車室内へ向かって送風される空気通路を構成する樹脂製の空調ケース10を有し、この空調ケース10内に冷却用熱交換器をなす蒸発器45と加熱用熱交換器をなすヒータコア51を内蔵している。
空調ユニット(HVAC)2に内蔵したエアミックスドア52の開度を調節することによって、空気の温度を調整して、図1のデフロスタ吹出口5、フェイス吹出口6、フット吹出口7から空調風を吹き出す。 図2のように、車両用空調装置は、大別して、空調ユニット2、送風機30、冷凍サイクル40、冷却水回路50、エアコンECU(本発明で言う空調制御手段または制御装置)60等から構成されている。
空調ユニット2は、車室内前方に配設され、車室内へ空調空気を導く空気通路を形成する空調ケース10、この空調ケース10内において空気流を発生させる遠心式の送風機30を備える。かつ、空調ユニット2は、空調ケース10内を流れる空気を冷却して車室内を冷房するための蒸発器45、空調ケース10内を流れる空気を加熱して車室内を暖房するためのヒータコア51等から構成されている。
空調ケース10の最も風流れ上流側は、内外気切替箱(吸込口切替箱)を構成する部分で、車室内空気(内気)を取り入れる内気吸込口11、および車室外空気(外気)を取り入れる外気吸込口12を有している。さらに、内気吸込口11および外気吸込口12の内側には、内外気(吸込口)切替ドア13が回動自在に取り付けられている。
この内外気切替ドア13は、サーボモータなどの図示しないアクチュエータによって駆動され、吸込モードとして内気循環モードまたは外気導入モードに切り替えられる。なお、内外気切替ドア13は、内外気切替箱と共に内外気切替手段を構成する。次に、単一の送風機30は、空調ケース10と一体的に構成されたスクロールケース内に、回転自在に収容された遠心多翼(シロッコ)式のブロワファン31、およびこのブロワファン31を回転駆動するブロワモータ32を有している。
ブロワモータ32には、電流制御可能な3相のブラシレスモータが使用されており、エアコンECU60からのデューティ信号に応じて、ブロワモータ32に与えるパルス幅を可変制御する図示しないモータ駆動回路を有している。そして、ブロワモータ32は、このモータ駆動回路を介して供給される制御電流に基づいて、ブロワファン31の回転速度、つまりは送風量が制御される。なお、ブラシレスモータに代えて、通常の制御回路付きの直流モータでも使用可能である。
冷凍サイクル40は、車両走行用のエンジン1にベルト駆動されて冷媒を圧縮する圧縮機41と、圧縮された冷媒を凝縮液化させる凝縮器42、凝縮液化された冷媒を気液分離して液冷媒のみを下流に流す受液器43とを備える。かつ、冷凍サイクル40は、液冷媒を減圧膨張させる膨張弁44、減圧膨張された冷媒を蒸発気化させる蒸発器45、およびこれらを環状に接続する冷媒配管などから構成されている。
圧縮機41は、内蔵する容量可変機構によって圧縮容量が可変できる可変容量圧縮機となっており、冷却能力可変手段として、図示しない容量制御弁(容量制御機構)で圧縮容量を制御している。この容量制御弁は、エアコンECU60によって制御されている。また、圧縮機41には、エンジン1から圧縮機41への回転動力の伝達を断続(ON、OFF)するクラッチ手段としての電磁クラッチ46が連結されている。
この電磁クラッチ46は、エアコンECU60から図示しないクラッチ駆動回路を介して制御される。そして、電磁クラッチ46に通電された時にエンジン1の回転動力が圧縮機41に伝達され、蒸発器45による空気冷却作用が行われる。また、電磁クラッチ46の通電が停止した時にエンジン1と圧縮機41との接続が遮断され、蒸発器45による空気冷却作用が停止される。
凝縮器42は、車両が走行する際に生じる走行風を受け易い車両前方部などに配設され、内部を流れる冷媒と走行風および冷却ファン47によって送風される外気とを熱交換する室外熱交換器である。蒸発器45は、空気通路を全面塞ぐようにして空調ケース10内に配設され、自身を通過する空気を冷却する空気冷却作用、および自身を通過する空気を除湿する空気除湿作用を行う室内熱交換器である。
換言すると、蒸発器45は、圧縮機41の作動により空調風を冷却、除湿する冷却用熱交換器である。なお、蒸発器45直後の部位には、図示しないサーミスタからなる実蒸発器温度センサ45cが配置されており、蒸発器45を通過した直後の空気温度または蒸発器フィン温度(以下、実蒸発器温度という)を検出するようになっている。
冷却水回路50は、図示しないウォータポンプにより、エンジン1のウォータジャケットで暖められた冷却水を循環させる回路であり、ラジエータ、サーモスタット(いずれも図示せず)およびヒータコア51を有している。このヒータコア51は、内部にエンジン1を冷却した冷却水が流れ、この冷却水を暖房用熱源として冷風を加熱するものである。
ヒータコア51は、空調ケース10内において蒸発器45の下流側で、空気通路を部分的に塞ぐように配設されている。つまり、空調ケース10の内部に、ヒータコア51を迂回する冷風バイパス通路(冷風側通路)14Aと、ヒータコア51を通過する温風側通路14Bと、を形成している。そして、ヒータコア51の空気上流側には、エアミックスドア52が回動自在に取り付けられている。
このエアミックスドア52は、サーボモータなどの図示しないアクチュエータによって駆動され、その停止位置によりヒータコア51を通過する空気量と、ヒータコア51を迂回する空気量との割合を調節する。
エアミックスドア52は、車室内へ吹き出す空気の吹出温度を調節する吹出温度調節手段として働く。空調ケース10内の冷風バイパス通路14Aおよび温風側通路14Bの下流側には混合空間14C形成され、冷風バイパス通路14Aからの冷風と温風側通路14Bからの温風とが混合されて下記の各開口部に供給される。
空調ケース10の最も風流れ下流側は、吹出口切替箱を構成する部分で、デフロスタ開口部18、フェイス開口部19およびフット開口部20などが形成されている。デフロスタ開口部18には、デフロスタダクト15が接続され、このデフロスタダクト15の最下流端には、車両の前面窓ガラス3の内面に向けて主に温風を吹き出すデフロスタ吹出口5(図1)が開口している。
また、フェイス開口部19には、フェイスダクト16が接続され、このフェイスダクト16の最下流端には、前席乗員の頭胸部に向けて主に冷風を吹き出すフェイス吹出口6が開口している。更に、フット開口部20には、フットダクト17が接続され、このフットダクト17の最下流端には、前席乗員の足元部に向けて主に温風を吹き出すフット吹出口7が開口している。
そして、各吹出口18〜20の内側には、吹出口切替手段として、本実施形態では2枚の吹出口切替ドア、具体的には、デフロスタフェイスドア21とフットドア22とが回動自在に取り付けられている。デフロスタフェイスドア21は、デフロスタ開口部18とフェイス開口部19との開口比率を可変し、フットドア22は、フット開口部20の開度を可変するドアである。
この2枚の吹出口切替ドア21、22は、モードドア21、22とも呼ばれ、図示しないリンク機構によって連動する。このリンク機構は、サーボモータなどの図示しないアクチュエータによって駆動される。そして、吹出モードとしてフェイス(FACE)モード、バイレベル(B/L)モード、フット(FOOT)モード、フットデフロスタ(FOOT/DEF)モードまたはデフロスタ(DEF)モードのいずれかに切り替えられる。
図3は、各吹出モードにおいて、各吹出口5、6、7から空調風が吹出される風量割合(吹出割合)を示している。この図3において、粗い破線C1は、フェイス吹出口6から空調風が吹出される吹出割合である。細かい破線C2は、フット吹出口7から空調風が吹出される吹出割合である。また、実線C3は、デフロスタ吹出口5から空調風が吹出される吹出割合である。
フェイス(FACE)モードでは、空調風の全量(100%)が図1のフェイス吹出口6から吹き出され、バイレベル(B/L)モードでは、空調風がフェイス吹出口6とフット吹出口7とから吹き出される。また、フット(FOOT)モードでは、全吹出風量の80%程度がフット吹出口7から吹き出され、残りの20%程度の空調風がデフロスタ吹出口5から吹き出される。
また、フットデフロスタ(FOOT/DEF)モードでは、全吹出風量の50%程度がフット吹出口7から吹き出され、残りの50%程度の空調風がデフロスタ吹出口5から吹き出される。さらに、デフロスタ(DEF)モードでは、空調風の全量がデフロスタ吹出口5から吹き出される。
なお、以上は一例であり、フットデフロスタモードでは、全吹出風量の60%程度がフット吹出口7から吹き出され、残りの40%程度の空調風がデフロスタ吹出口5から吹き出されるようにしても良い。
制御装置を成すエアコンECU60は、エンジンの始動および停止を司るイグニッションスイッチのON/OFFに関係なく、車両に搭載された車載電源である図示しないバッテリから直流電源が供給されて、演算処理や制御処理を行うように構成されている。エアコンECU60には、インストルメントパネル4(図1)に一体的に設置された図示しないエアコン操作パネル上の各種操作スイッチから、各種スイッチ信号が入力されるように構成されている。
また、エアコンECU60の内部には、演算処理や制御処理を行うCPU(中央演算装置)、ROMやRAMなどのメモリ、およびI/Oポート(入力/出力回路)などの機能を含んで構成される周知のマイクロコンピュータが設けられている。そして、各種センサからのセンサ信号がI/Oポート、もしくはA/D変換回路によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力される。
すなわち、エアコンECU60は、図示しないが、車室内温度(内気温)を検知する内気温検知手段としての内気温センサ、車室外温度(外気温)を検知する外気温検知手段としての外気温センサ等に接続されている。
かつ、エアコンECU60は、蒸発器45を通過した直後の空気温度(蒸発器後温度)を検知する蒸発器後温度検知手段としての実蒸発器温度センサ45cに接続されている。加えて、車両のエンジン冷却水温を検知して送風空気の加熱温度とする加熱温度検知手段としての冷却水温センサなどの検知信号が、エアコンECU60に入力される。
また、エアコンECU60は、日射検知手段としての日射センサ9(図2)に接続されている。そして、エアコンECU60は、上述した各モードドア用のアクチュエータ、ブロワモータ32のモータ駆動回路、圧縮機41の容量制御弁、電磁クラッチ46のクラッチ駆動回路、および冷却ファン47の駆動回路などに制御信号を出力するようになっている。
以下、エアコンECU60による制御方法を説明する。図4は、エアコンECU60の制御プログラムの一例を示している。まず、イグニッションスイッチがONされてエアコンECU60に直流電源が供給されると、予めメモリに記憶されている制御プログラムの実行が開始される。まず、エアコンECU60内部のマイクロコンピュータに内蔵されたデータ処理用メモリの記憶内容などの初期化を行う(ステップS1)。
次に、各種信号の入力処理として、各種データをデータ処理用メモリに読み込む。すなわち、エアコン操作パネル上の各種操作スイッチからのスイッチ信号、各種センサからのセンサ信号、および日射センサ9の出力電圧Vsunの大きさなどを入力する(ステップS2)。
次に、上記の入力データを、記憶している演算式に代入して、空調装置の目標吹出温度TAOを演算し、その目標吹出温度TAOと外気温とから、目標蒸発器後温度TEOを演算する(ステップS3)。そして、ステップS3で求めた目標吹出温度TAOに基づいてブロワの制御量、すなわちブロワモータ32のモータ駆動回路に与えるデューティ比を演算する(ステップS4)。
また、ステップS3で求めた目標吹出温度TAOと上記の冷却水温センサ等の入力データとを、メモリに記憶されている演算式に代入して、エアミックスドア52の開度SW(%)を演算する(ステップS5)。
次に、ステップS3で求めた目標吹出温度TAOに基づき、車室内へ取り込む空気流の吸込モードと、車室内へ吹き出す空気流の吹出モードとを決定する(ステップS6)。なお、このステップS6については後に詳述する。
更に、ステップS3で求めた目標吹出温度TAOと、実蒸発器温度センサ45cが検知する実際の蒸発器後流温度とが一致するように、フィードバック制御が実行される。この制御は、圧縮機41の吐出量を決定するための制御量(電流値)を求める蒸発器温度制御からなる(ステップS7)。
このフィードバック制御は比例積分制御(PI制御)で行われる。具体的には、圧縮機41に付設された電磁式の容量制御弁の電磁ソレノイドに供給する制御電流となるソレノイド電流(制御電流:Ioutn)を、メモリに記憶されている演算式に基づいて演算する。
次に、ステップS4で決定されたブロワの制御量を、モータ駆動回路に出力する(ステップS8)。次に、ステップS5で決定されたエアミックス開度SWとなるように、サーボモータに制御信号を出力する(ステップS9)。次に、ステップS6で決定された吸込モードと吹出モードとなるように、サーボモータに制御信号を出力する(ステップS10)。
その後に、ステップS2の制御処理に戻る。なお、マニュアル設定時には、その設定値に従って図4の制御プログラムが実行される。
以下、上述したステップS6について更に説明する。ステップS6では、目標吹出温度TAOに基づき、車室内へ取り込む空気流の吸込モードを周知のように求める。また、車室内へ吹き出す空気流の吹出モードを目標吹出温度TAO等に基づき決定する。
図5は、この第1実施形態においてステップS6内の吹出モードを決定する詳細フローチャートである。ステップS50において吹出モード決定制御が開始されると、ステップS51において、図4のステップS2で取り込んでいた車両車室内外の状態、および空調装置の運転状態を示す各種の情報(車室内温度、外気温度、 日射量等)から吹出モードを決定する。つまり、目標吹出温度TAOに基づいてマップからフェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモード、およびデフロスタモードのいずれかを決定する。
次に、ステップS52では輻射熱暖房装置71(図1)、つまり輻射熱暖房装置71に通電するか(輻射熱暖房装置71をONするか)を判定する。運転者が操作パネルでの操作により輻射熱暖房装置71をONする操作を行っていた場合はYESと判定され、ステップS53に進む。
ステップS53では、エンジン水温が所定値以上か否かを判定する。なお車両の走行用の駆動力を発生するエンジン1の冷却水の温度がエンジン水温である。エンジン水温が所定温度以上であると判定されるとステップS54に進む。このステップS53のエンジン水温に係る所定温度は、車両の仕様および特性に支配されるが、概ね50℃〜60℃程度であり、実験等で求めればよい。
ステップS54では、車両用空調装置のフット吹出風の保有する熱量Qfと輻射熱暖房装置投入電力Qとによる暖房により、乗員の足において所定の(同一の)温感となるように制御する。つまり、暖かさが急変しないように熱量Qfと電力Qとが制御される。このために、空調装置のフット吹出風量を増加させ、その代わり輻射熱暖房装置投入電力Qを減少またはOFFさせる。そしてステップS58で吹出モード決定制御を終了する。
上述のステップS53において、エンジン水温が所定値以上でないと判定されると、ステップS55に進む。ステップS55では、車両用空調装置のフット吹出風の保有する熱量Qfと輻射熱暖房装置投入電力Qとの暖房により、乗員の足において所定の(同一の)温感となるように、車両用空調装置のフット吹出風量を減少させ、その代わり輻射熱暖房装置投入電力Qを増加させる。この場合、省エネルギーを考慮して、送風機30(図2)のブロワ風量を減少させることでフット吹出風量を減少させる。
次にステップS56では、デフロスタ吹出口5からの空気の吹出がある吹出モードが選択されているか否かを判定する。デフロスタ吹出口5から空気の吹出がある吹出モードとは、図3から判明するように、フットモード、フットデフロスタモード、およびデフロスタモードのいずれかである。
ステップS56でフットモード、フットデフロスタモード、およびデフロスタモードのいずれでもない場合、つまり、フェイスモードまたはバイレベルモードである場合は、ステップS58にて吹出モード決定制御を終了する。一方、ステップS56でフットモード、フットデフロスタモード、およびデフロスタモードのうちのいずれかである場合は、ステップS57に進む。
ステップS57では、現状の吹出モード(フットモード、フットデフロスタモード、およびデフロスタモードのいずれか)をデフロスタ吹出割合が増えるモードに切替える。具体的には、図3において、現状の吹出モードがフットモードであった場合は、このフットモードをフットデフロスタモードに変更する。
また、現状の吹出モードがフットデフロスタモードであった場合は、フットデフロスタモードをデフロスタモードに変更する。現状の吹出モードがデフロスタモードであった場合は、デフロスタモードを維持する。そして、ステップS58で吹出モード決定制御を終了する。なお、ステップS52において、輻射熱暖房装置71をONしない場合は、直ちにステップS58で吹出モード決定制御を終了する。
(第1実施形態の作用効果)
以上説明したように、図4のステップS6では、目標吹出温度TAOに基づき、車室内へ取り込む空気流の吸込モードを周知のように求める。また、車室内へ吹き出す空気流の吹出モードを目標吹出温度TAO等に基づき決定する。
次に、ステップS53では、エンジン水温が所定値以上か否かを判定する。エンジン水温が所定温度以上であると判定されるとステップS54に進む。このステップS54では、車両用空調装置のフット吹出風の保有する熱量Qfと輻射熱暖房装置投入電力Qとの暖房により、乗員の足において所定の(同一の)温感となるように、空調装置のフット吹出風量を増加させ、その代わり輻射熱暖房装置投入電力Qを減少またはOFFさせる。そしてステップS58で吹出モード決定制御を終了する。
一方、ステップS53において、エンジン水温が所定値以上でないと判定されると、ステップS55に進む。ステップS55では、車両用空調装置のフット吹出風の保有する熱量Qfと輻射熱暖房装置投入電力Qとの暖房により、乗員の足において所定の(同一の)温感となるように、ステップS54とは反対の制御を行う。つまり、車両用空調装置のフット吹出風量を減少させ、その代わり輻射熱暖房装置投入電力Qを増加させる。
次に、ステップS56でフットモード、フットデフロスタモード、およびデフロスタモードのいずれでもない場合、つまり、フェイスモードまたはバイレベルモードである場合は、ステップS58にて吹出モード決定制御を終了する。一方、テップS56でフットモード、フットデフロスタモード、およびデフロスタモードのいずれかである場合は、ステップS57に進む。
ステップS57では、現状の吹出モード(フットモード、フットデフロスタモード、およびデフロスタモードのいずれか)をデフロスタ吹出割合が増えるモードに変更する。
(第1実施形態の作用効果)
上記第1実施形態においては、輻射熱暖房装置71と、車両用空調装置を連携制御する車両用空調システムにおいて、次の構成を備える。車両用空調装置は、単一の送風機30によって送風された空調風を温度制御する熱交換器45、51と、空調風を車両の室内における乗員の足元にフット吹出風として吹出す。かつ車両用空調装置は、空調風を車室内におけるウィンドウ3の表面にデフロスタ吹出風として吹出す複数の吹出口5、7とを有している。
車両用空調装置は、複数の吹出口5、7から吹出す吹出風の風量割合を制御する各吹出口5、7に設けられたモードドア21、22を有し、車両用空調装置および輻射熱暖房装置71を制御する制御装置60を有する。
制御装置60は、フット吹出風の風量およびデフロスタ吹出風の風量を、それぞれのモードドアの開度を別々に設定することで独立して調整し、かつ、輻射熱暖房装置71と車両用空調装置とを連携制御する連携制御手段(ステップS6)を有する。
制御装置60の連携制御手段(ステップS6)は、輻射熱暖房装置71の作動に合わせてフット吹出風を減少させる、または、フット吹出風を減少させることに合わせて、輻射熱暖房装置71を作動させる。この場合は、フット吹出風の風量に対するデフロスタ吹出風の風量割合が増加するように、モードドアの開度を制御する。
これによれば、輻射熱暖房装置71の作動に合わせてフット吹出風を減少させる場合は、フット吹出風の風量に対するデフロスタ吹出風の風量の割合が増加するようにモードドアの開度を制御する。従って、単一の送風機30によるフット吹出風の風量減に伴うデフロスタ吹出風の風量減が抑制される。よって、輻射熱暖房装置71による乗員の足元温感を確保しつつ、デフロスタ吹出風不足によるウィンドウ3の曇り発生を抑制することが出来る。
また、連携制御手段(ステップS6)は、車両のエンジン水温に応じ乗員の足元における温感が所定の(同一の)値になるように輻射熱暖房装置71の出力となる電力(Q)と車両用空調装置のフット吹出風が保有する熱量(Qf)とを連携して制御する。
これによれば、連携制御手段(ステップS6)は、輻射熱暖房装置71と車両用空調装置とを連携制御する。つまり、車両のエンジン水温に応じ乗員の足元温感が所定の(同一の)値になるように輻射熱暖房装置71の出力となる電力(Q)と車両用空調装置のフット吹出風が保有する熱量(Qf)とを連携して制御する。よって、エンジン水温が低下してフット吹出風が保有する熱量(Qf)が減少したときは、代わりに輻射熱暖房装置71の出力となる電力(Q)を増加させ、フット吹出風を減少させることができる。かつ、フット吹出風を減少させる場合は、フット吹出風の風量に対するデフロスタ吹出風の風量の割合が増加するようにモードドアの開度を制御する。従って、単一の送風機30によるフット吹出風の風量減に伴うデフロスタ吹出風の風量減が抑制され、輻射熱暖房装置71による乗員の足元温感を確保しつつ、ウィンドウ3の曇り発生による視界不良を防止することが出来る。
更に、車両用空調装置の吹出モードは、少なくともフェイスモードとフットモードとデフロスタモードと有している。フェイスモードは、乗員の顔方向にフェイス吹出風を吹出す。フットモードは、乗員の足元にフット吹出風を吹出し、かつウィンドウ3の表面にデフロスタ吹出風を吹出す。デフロスタモードは、ウィンドウ3の表面にデフロスタ吹出風を吹出す。
フットモードの場合に、フット吹出風を減少させる場合は、フット吹出風の風量に対するデフロスタ吹出風の風量の割合が増加するように、デフロスタモード側に吹出モードを切替える。
これによれば、輻射熱暖房装置71の作動に合わせてフット吹出風を減少させる場合は、フット吹出風の風量に対するデフロスタ吹出風の風量の割合が増加するように吹出モードを切り替える。そして、フットモードのときは、デフロスタモード側に吹出モードを切替える。従って、単一の送風機30によるフット吹出風の風量減に伴うデフロスタ吹出風の風量減が抑制される。よって、輻射熱暖房装置71による乗員の足元温感を確保しつつ、ウィンドウ3の曇り発生による視界不良を防止して、輻射熱暖房装置71による乗員の足元温感を確保しつつ、ウィンドウ3の曇り発生による視界不良を防止することが出来る。
吹出モードは、フットモードと、デフロスタモードとの間に、フットモードよりもデフロスタ吹出風が多く吹出されるフットデフロスタモードを有する。連携制御手段(ステップS6)は、吹出モードが乗員の足元にフット吹出風を吹出すフットモードの場合は、フット吹出風とデフロスタ吹出風の両方を吹出すフットデフロスタモードに吹出モードを切り替える。また、吹出モードがフットデフロスタモードの場合は、デフロスタ吹出風のみを吹出すデフロスタモードに吹出モードを切り替える。
これによれば、例えば、吹出モードがフットモードの場合は、フットデフロスタモードに吹出モードを切り替え、吹出モードがフットデフロスタモードの場合はデフロスタモードに吹出モードを切り替える。従って、デフロスタ吹出風が増加するようにデフロスタ吹出風を細かく制御することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。なお、第2実施例以下については、第1実施例と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明が援用される。
図6は、第2実施形態の車両用空調システムの車室内の風の流れを示す。図6において、輻射熱暖房装置71は、第1実施形態と同様に、車両のステアリングコラム下の壁面で乗員の足元上部辺りに設置されている。
空調ユニット(HVAC)に内蔵したエアミックスドアの開度を調節することによって、空気の温度を調整できる。かつ、デフロスタ(DEF)吹出口5、フェイス(FACE)吹出口6、足元すなわちフット(FOOT)吹出口7、および、膝(KNEE)吹出口70から空調風を吹き出す。
つまり、第1実施形態と異なり膝吹出口70が存在し、フット吹出口7と膝吹出口70との風量割合を調整する図示しないモードドアが設けられている。
図3を援用して第2実施形態を説明すれば、フェイスモードでは、空調風の全量(100%)が図1のフェイス吹出口6から吹き出され、バイレベルモードでは、空調風がフェイス吹出口6とフット吹出口7とから吹き出される。また、フットモードでは、全吹出風量の80%程度がフット吹出口7および膝吹出口70からの合計風(フット吹出風)として吹出され、残りの20%程度の空調風がデフロスタ吹出口5から吹き出される。つまり、フット吹出風は、膝吹出風を含む。
また、フットデフロスタモードでは、全吹出風量の50%程度がフット吹出口7と膝吹出口70とから吹き出され、残りの50%程度の空調風がデフロスタ吹出口5から吹き出される。さらに、デフロスタモードでは、空調風の全量がデフロスタ吹出口5から吹き出される。
空調ユニット2(図1、図2)は、エアコンECU(本発明で言う空調制御手段または制御装置)60により制御される。このエアコンECU60には、車両の熱負荷を検出するための内気温度センサ、外気温度センサ、日射量を検出する日射センサを有する。そして、これらのセンサが検出した検出信号Trm(車室内温度)、Tam(外気温度)、Ts(日射強度信号)がエアコンECU60に入力される。
また、インストルメントパネル4(図1)内に配設されたエアコン操作パネルからの操作信号として設定温度TsetなどがエアコンECU60に入力される。その他、車両運転情報、冷凍サイクルの実蒸発器温度なども入力される。そして、エアコンECU60が、空調ユニット2から車室内に吹き出される空調風の、運転モード、吹出モード、吹出温度、送風量等を制御している。
オートエアコン制御において、援用される図4のステップS2において、乗員の希望する温度(上記設定温度Tset)に対して、エアコンECU60は、現在の車室内温度、外気温度、日射量などの車室内外環境条件を検出している。これにより、空調ユニット2から何度の風を吹出せばよいかを計算する。この計算値は、目標吹出温度TAOと呼ばれ、オートエアコン制御における基本となる値である。
目標吹出温度TAOの一般的な式としては、TAO=Kset・Tset−Kr・Trm−Kam・Tam−Ks・Ts+C、ただし、Kset、Kr、Kam、Ksは各信号のゲイン、Cは、定数である)。
エアコン操作パネルには、空調運転をON/OFFするA/Cスイッチや、運転モードを自動/手動に切り替えるオートエアコンスイッチ等が設けられている。なお、設定温度Tsetは、運転モードが自動または手動の場合にも機能している。
ここで、車室内外の環境情報として、外気温度、内気温度、目標吹出温度TAO、設定温度Tset、輻射熱暖房装置やシートヒータの手動設定温度、足元雰囲気温度、湿度などを指すものとする。
図6に示すように、輻射熱暖房装置71は、車両のステアリングコラム下の壁面で乗員の足元上部辺りに設置されている。人体の中で寒冷感を感じやすい足部を、局所的に主に輻射により効率よく暖房するものである。
本発明の第2実施形態は、このような輻射熱加熱装置71をうまく活用して、車両用空調装置と連携制御をとって、足元の温感を満足させつつ省燃費を実現することを狙ったものである。
電気ヒータなどの輻射熱加熱装置71は、輻射熱により加熱するので、温風を送風して足を暖める場合と異なり、少ない熱量で同じ温感が得られるので、熱効率が良い。いわば、車両用空調装置のフットモードで高い電力を消費して得られる温感が、輻射熱加熱装置71では低い電力で同じ温感が得られるのである。従って、フットモードでの輻射熱加熱装置71を使用すれば、その分燃費が向上する。
なお、膝吹出口70があるため、フット吹出風の風量は、フット吹出口7からの風量と膝吹出し風量との合計とする。つまりフット吹出風の一部は、膝吹出口70から吹出される。従って、第1実施形態においては、フット吹出口7のみであったが、第2実施形態においては、第1実施形態のフットモードに相当する制御は、フット吹出口7と膝吹出口70の両方から吹出されるモードと成る。
従って、第2実施形態において、図7のステップS55aは、空調装置のフット吹出口7からの風および膝吹出風との合計風(フット吹出風)の保有する熱量Qfと輻射熱暖房装置投入電力Qの相互の割合が、乗員の足において同一温感となるように、空調装置のフット吹出風量を減少させる。かつ、このときに、図7のステップS55aは、輻射熱暖房装置投入電力Qを増加させる。
更に、図7のステップS54aは、空調装置のフット吹出口7からの風および膝吹出風との合計風(フット吹出風)の保有する熱量Qfと輻射熱暖房装置投入電力Qとの暖房により、乗員の足において所定の(同一の)温感となるように制御する。このために、空調装置のフット吹出風量を増加させ、代わりに輻射熱暖房装置投入電力Qを減少またはOFFさせる。
加えて、図7のステップS57では、現状の吹出モード(フットモード、フットデフロスタモード、およびデフロスタモードのいずれか)をデフロスタ吹出割合が増えるモードに切替える。
具体的には、図3において、現状の吹出モードがフットモードであり、足元吹出し風量が、フット吹出口からの風量と膝吹出し風量との合計風量(フット吹出風の風量)であった場合は、フットモードをフットデフロスタモードに変更する。このフットデフロスタモードでは、全吹出風量の50%程度がフット吹出口7と膝吹出口70とから吹き出され、残りの50%程度の空調風がデフロスタ吹出口5から吹き出される。
また、現状の吹出モードがフットデフロスタモードであった場合は、フットデフロスタモードをデフロスタモードに変更する。現状の吹出モードがデフロスタモードであった場合は、デフロスタモードを維持する。
オートエアコン制御においては、一般的に目標吹出温度TAOに応じて自動的に吹出し風量が定まるのが普通である。第2実施形態では、オートエアコン制御における通常の吹出し風量を意図的に増減させて、その分、輻射熱加熱装置71を使用することで、温感の減少を補償して、結果的に同一温感が得られるように制御したものである。
輻射熱加熱装置71を使用することで、燃費効率も増大させることができる。なお、通常の吹出し風量に比べて増減させるために、空調ユニット(HVAC)の送風機30の送風量を増減する。なお、この送風機30の送風量の増減に加えて、フット吹出口7のドア開度または膝吹出口70のドア開度あるいは両者のドア開度を調整してもよい。
なお、同一温感とは、特定の温度による温感のみならず、ある程度の温感幅を持った同一温感であっても良い。また、狙いとすべき同一温感は「やや暖かい」や「無感」など適宜定められる。また、温感を満足させつつ、輻射熱暖房装置71と車両用空調装置の合計消費電力が最小になるように風量割合を増減する。
(第2実施形態の作用効果)
第2実施形態において、吹出口(5、7、70)には、乗員の膝吹出風を吹出す膝吹出口(70)を有する。フット吹出風の一部は、膝吹出口70から吹出される。フットモードの場合に、フット吹出風と共にデフロスタ吹出風が吹出される。輻射熱暖房装置71を作動させた場合は、輻射熱暖房装置71の作動に合わせてフット吹出風を減少させ、かつ、フット吹出風に対するデフロスタ吹出風の風量の割合が増加するようにモードドアの開度を制御する。
これによれば、吹出モードがフットモードの場合はフット吹出口7からの風と膝吹出風とデフロスタ吹出風とが吹き出し、乗員の脚部を充分に暖めることができる。また、エンジン水温が低下して、輻射熱暖房装置71を作動させた場合は、この作動に合わせてフット吹出風(膝吹出風を含む)を減少させる。かつ、この場合は、フット吹出風の風量に対するデフロスタ吹出風の風量の割合が増加するようにモードドアの開度を制御する。これにより、単一の送風機30によるフット吹出風の風量減に伴うデフロスタ吹出風の風量減が抑制される。従って、輻射熱暖房装置71による乗員の足元温感を確保しつつ、デフロスタ吹出風不足によるウィンドウ3の曇り発生を抑制することが出来る。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものである。
上記実施形態はエアコンサイクルの車両用空調装置について述べたが、ヒートポンプサイクルの車両用空調装置にも適用可能である。また、輻射熱暖房装置のON、OFFは、目標吹出温度TAOに応じて行い、目標吹出温度TAOが低いときに自動的にONし、目標吹出温度TAOが高いときに自動的にOFFするようにしても良い。
更に、本発明は、車室内の風流れ感(ドラフト感)による目の乾き等の不快感を防止するため、空調装置の送風量を減らし、送風量減に伴う暖房感不足を輻射熱暖房装置の作動で補う場合にも適用できる。
また、デフロスタ吹出風の風量割合が増加すればよく、例えば、フットモードからフットデフモードまでに至らない(フットデフモード手前の)中間領域の吹出モードとしても良い。更に、フットモードとデフロスタモードとの間の任意の位置に、吹出モードを設定しても良い。
更に、上記各実施形態において、輻射熱暖房装置への通電制御はマニュアル操作で操作パネル上のスイッチを操作した場合としたが、輻射熱暖房装置への通電制御をエンジン水温に基づいて自動制御化しても良い。この場合、特許文献1と同様に、足元吹出し風量が保有する足元吹出し熱量(Qf)と、輻射熱暖房装置の投入電力(Q)との暖房により、乗員の足において所定の(同一の)温感となるように、車室内空調装置と輻射熱暖房装置を制御することが望ましい。
また、上記実施形態では、吹出モードとして、フェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモードおよびデフロスタモードを備えたが、バイレベルモードとフットデフロスタモードが無い車両用空調装置に適用することもできる。
空調装置のフット吹出風の保有する熱量Qfと輻射熱暖房装置投入電力Qとの暖房により、乗員の足において所定の(同一の)温感となるように制御する方法は、特許文献1に詳述された方法でもよい。あるいは、乗員の足元の温度を計測する赤外線センサ(IRセンサ)の値からフット吹出風の保有する熱量Qfと輻射熱暖房装置投入電力Qとを調整しても良い。
また、現時点の吹出モードがデフロスタモードでありデフロスタ吹出口から100%吹出されている場合は、これ以上デフロスタ吹出風量を増加できない。よって、通常時のデフロスタモードは、デフロスタ吹出口のドア開度を90%程度に抑えておき、ドアにより流路を多少絞り、車両用空調装置と輻射熱暖房装置との連携制御時のデフロスタ吹出風量増加時にデフロスタ吹出口のドア開度を100%とする。つまり、上記ドアによる絞りを除去するようにしても良い。
また、図3の制御マップを単一の制御マップとして吹出モードのみをシフトさせるだけでは制御に限界があるので、図3と類似の制御マップを複数記憶しておき、連携制御時のデフロスタ吹出風量増加時に、使用する制御マップ自体を入れ替えても良い。
そして、入れ替えた制御マップにおいて、フット吹出風量割合、デフロスタ吹出風量割合をそれぞれのモード毎に設定し、フット吹出風を減少させる時は、デフロスタ吹出風量割合が増加するようデフロスタドア開度を大きくする。これにより、輻射熱暖房装置による乗員の足元温感維持と省燃費効果を確保しつつ、ウィンドウ曇り発生による視界不良を防止することを図る。
更に、車両用空調装置および輻射熱暖房装置を制御する制御装置は、単一の制御装置で構成する必要はなく、車両用空調装置の制御部と成る空調制御装置と、輻射熱暖房装置を制御する制御部とに分かれていても良い。この場合においても、制御部同士が通信して、連携制御が成されれば良い。
次に、上記実施形態においては、制御装置の連携制御は、輻射熱暖房装置の作動に合わせてフット吹出風を減少させたが、フット吹出風を減少させることに合わせて輻射熱暖房装置を作動させても良い。このような連携制御において、フット吹出風減少時に、フット吹出風の風量に対するデフロスタ吹出風の風量割合が増加するように吹出モードを変更すればよい。
5 デフロスタ吹出口
6 フェイス吹出口
5、7 複数の吹出口
7 フット吹出口
30 送風機
45、51 熱交換器
60 制御装置
70 膝吹出口
71 輻射熱暖房装置
S6 連携制御手段

Claims (5)

  1. 輻射熱暖房装置(71)と、車両用空調装置を連携制御する車両用空調システムにおいて、
    前記車両用空調装置は単一の送風機(30)によって送風された空調風を温度制御する熱交換器(45、51)と、前記空調風を車両の室内における乗員の足元にフット吹出風として吹出し、かつ前記空調風を車室内におけるウィンドウ(3)の表面にデフロスタ吹出風として吹出す複数の吹出口(5、7)と、を有し、
    前記複数の吹出口(5、7)から吹出す吹出風の風量割合を制御する各吹出口(5、7)に設けられたモードドア(21、22)と、
    前記車両用空調装置および前記輻射熱暖房装置(71)を制御する制御装置(60)を有し、
    前記制御装置(60)は、
    前記フット吹出風の風量および前記デフロスタ吹出風の風量を、それぞれの前記モードドアの開度を別々に設定することで独立して調整し、かつ、前記輻射熱暖房装置(71)と前記車両用空調装置とを連携制御する連携制御手段(ステップS6)を有し、
    前記連携制御手段(ステップS6)は、前記輻射熱暖房装置(71)の作動に合わせて前記フット吹出風を減少させる、または、前記フット吹出風を減少させることに合わせて前記輻射熱暖房装置(71)を作動させる場合は、前記フット吹出風の風量に対する前記デフロスタ吹出風の風量割合が増加するように前記モードドアの前記開度を制御することを特徴とする車両用空調システム。
  2. 前記連携制御手段(ステップS6)は、エンジン水温に応じ前記乗員の足元における温感が所定の値になるように前記輻射熱暖房装置(71)の出力となる電力(Q)と前記車両用空調装置の前記フット吹出風が保有する熱量(Qf)とを連携して制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調システム。
  3. 前記車両用空調装置の吹出モードは、
    乗員の顔方向にフェイス吹出風を吹出すフェイスモードと、
    前記乗員の足元に前記フット吹出風を吹出し、かつ前記ウィンドウ(3)の表面に前記デフロスタ吹出風を吹出すフットモードと、
    前記ウィンドウ(3)の表面に前記デフロスタ吹出風を吹出すデフロスタモードと、を少なくとも有し、
    前記フットモードの場合に、前記フット吹出風を減少させる場合は、前記フット吹出風の風量に対する前記デフロスタ吹出風の風量の割合が増加するように、前記デフロスタモード側に前記吹出モードを切替えることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調システム。
  4. 前記吹出モードは、前記フットモードと、前記デフロスタモードとの間に、前記フットモードよりも前記デフロスタ吹出風が多く吹出されるフットデフロスタモードを有し、
    前記連携制御手段(ステップS6)は、前記吹出モードが前記フットモードの場合は、前記フットデフロスタモードに前記吹出モードを切り替え、前記吹出モードが前記フットデフロスタモードの場合は、前記デフロスタモードに前記吹出モードを切り替えることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調システム。
  5. 前記吹出口(5、7、70)には、乗員の膝吹出風を吹出す膝吹出口(70)を有し、
    前記フット吹出風の一部は、前記膝吹出口(70)から吹出されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の車両用空調システム。
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