JP2014168861A - 積層発泡シート、及び、熱成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】軟化温度の異なる樹脂組成物で形成されたポリスチレン系樹脂発泡層どうしを積層させた積層発泡シートで、強度に優れた熱成形品の形成が容易な積層発泡シートを提供すること。
【解決手段】熱成形に用いられ、第一ポリスチレン系樹脂発泡層と該第一ポリスチレン系樹脂発泡層よりも高い軟化温度を有する樹脂組成物で形成された第二ポリスチレン系樹脂発泡層との少なくとも2層のポリスチレン系樹脂発泡層が積層されてなり、前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層と前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層との見掛け密度が所定の関係を有する積層発泡シートを提供する。
【選択図】 なし
【解決手段】熱成形に用いられ、第一ポリスチレン系樹脂発泡層と該第一ポリスチレン系樹脂発泡層よりも高い軟化温度を有する樹脂組成物で形成された第二ポリスチレン系樹脂発泡層との少なくとも2層のポリスチレン系樹脂発泡層が積層されてなり、前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層と前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層との見掛け密度が所定の関係を有する積層発泡シートを提供する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、熱成形に用いられる積層発泡シート、及び、該積層発泡シートが熱成形されてなる熱成形品に関する。
従来、ポリスチレン系樹脂組成物をサーキュラーダイから押出発泡させることによって得られたポリスチレン系樹脂発泡シートや、共押出法により2種類のポリスチレン系樹脂組成物をサーキュラーダイの内側及び外側から同時に押出発泡させて得られる積層発泡シートは、真空成形などの熱成形によって成形品を作製する際の原材料として広く用いられている。
特に前記積層発泡シートは、2層のポリスチレン系樹脂発泡層を有することから単層構造のポリスチレン系樹脂発泡シートに比べて、一面側とその反対側となる他面側とにそれぞれ異なる特性を賦与することが容易で、トレー容器、カップ容器、丼容器などといった食品用容器において、容器内外にそれぞれ求められる特性を賦与することが容易であることからこの種の熱成形品の原材料として広く用いられている。
特に前記積層発泡シートは、2層のポリスチレン系樹脂発泡層を有することから単層構造のポリスチレン系樹脂発泡シートに比べて、一面側とその反対側となる他面側とにそれぞれ異なる特性を賦与することが容易で、トレー容器、カップ容器、丼容器などといった食品用容器において、容器内外にそれぞれ求められる特性を賦与することが容易であることからこの種の熱成形品の原材料として広く用いられている。
ところで、下記特許文献1に示すようにポリスチレン系樹脂を含む樹脂組成物の軟化温度を向上させて熱変形温度を向上させる手法としてポリフェニレンエーテル系樹脂を添加する方法が従来知られており、耐熱性の要求が高まっている食品用容器などにおいては、ポリスチレン系樹脂とともにポリフェニレンエーテル系樹脂を含有させたポリスチレン系樹脂発泡シートをその原材料とすることが検討されている。
ポリスチレン系樹脂発泡シートを熱成形して作製される食品用容器においては、通常、耐熱性が求められるのは容器内側で容器外側には内側ほどの耐熱性に対する要求がなされていないこと、及び、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂が一般的なポリスチレン系樹脂に比べて高価であることなどから単層構造のポリスチレン系樹脂発泡シートに代えて少なくとも2層のポリスチレン系樹脂発泡層を有する積層発泡シートを用い片方のポリスチレン系樹脂発泡層にのみポリフェニレンエーテル系樹脂を含有させることが近年検討され始めている。
しかし、積層発泡シートの一方のポリスチレン系樹脂発泡層にポリフェニレンエーテル系樹脂を含有させて他方よりも軟化温度の高い樹脂組成物で一方のポリスチレン系樹脂発泡層を形成させると、当該積層発泡シートを熱成形して得られる熱成形品を強度に優れたものとすることが困難になるという問題を有している。
即ち、従来、軟化温度の異なる樹脂組成物で形成されたポリスチレン系樹脂発泡層どうしを積層させた積層発泡シートは、強度に優れた熱成形品の形成が困難であるという問題を有しており、本発明は、このような問題を解決することを課題としている。
なお、このような課題は、食品用容器の形成に用いられる積層発泡シートにおいてのみ存在するものではなく、熱成形に利用される積層発泡シートに広く共通する課題である。
即ち、従来、軟化温度の異なる樹脂組成物で形成されたポリスチレン系樹脂発泡層どうしを積層させた積層発泡シートは、強度に優れた熱成形品の形成が困難であるという問題を有しており、本発明は、このような問題を解決することを課題としている。
なお、このような課題は、食品用容器の形成に用いられる積層発泡シートにおいてのみ存在するものではなく、熱成形に利用される積層発泡シートに広く共通する課題である。
本発明者が、上記問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、熱成形品の製造に際しては、積層発泡シートを熱変形可能な温度まで加熱する二次発泡の工程と、該二次発泡させた積層発泡シートを成形型で成形する工程とが連続実施されるのが一般的であるが、前記のように一方のポリスチレン系樹脂発泡層にポリフェニレンエーテル系樹脂を含有させて他方よりも軟化温度の高い樹脂組成物で一方のポリスチレン系樹脂発泡層を形成させると、2つのポリスチレン系樹脂発泡層の間で二次発泡性を異ならせることを見出した。
より具体的には、本発明者は、ポリフェニレンエーテル系樹脂を含有する軟化温度の高い樹脂組成物で形成されたポリスチレン系樹脂発泡層に比べて軟化温度の低い樹脂組成物で形成された他方のポリスチレン系樹脂発泡層の方が二次発泡を早期に開始し易いことから2層のポリスチレン系樹脂発泡層を同程度の見掛け密度としておくと熱成形品における両者の見掛け密度に隔たりが生じ易くなることや、二次発泡に際して2層のポリスチレン系樹脂発泡層の界面に応力が加わって気泡膜の極度な薄肉化や場合によっては破断を生じるおそれがあることが熱成形品に強度を発揮させ難い原因となっていることを見出して本発明を完成させるに至ったものである。
即ち、積層発泡シートに係る本発明は、熱成形に用いられ、第一ポリスチレン系樹脂発泡層と該第一ポリスチレン系樹脂発泡層よりも高い軟化温度を有する樹脂組成物で形成された第二ポリスチレン系樹脂発泡層との少なくとも2層のポリスチレン系樹脂発泡層が積層されてなり、前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層と前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層との平均見掛け密度が0.05g/cm3以上0.2g/cm3以下で、前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層単独の見掛け密度が0.05g/cm3以上0.3g/cm3以下であり、前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対してポリフェニレンエーテル系樹脂を10質量部以上50質量部以下の割合で含有する前記樹脂組成物によって見掛け密度が0.04g/cm3以上0.2g/cm3以下となるように形成され且つ前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度に対して0.15倍以上0.9倍以下の見掛け密度を有していることを特徴としている。
本発明によれば、第一ポリスチレン系樹脂発泡層と第二ポリスチレン系樹脂発泡層との少なくとも2層のポリスチレン系樹脂発泡層が積層されてなる積層発泡シートにおいて、第一ポリスチレン系樹脂発泡層よりも高い軟化温度を有する樹脂組成物で形成された第二ポリスチレン系樹脂発泡層の方が見掛け密度小さく形成されていることから、熱成形に際して比較的二次発泡性に優れた第一ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度を第二ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度に近似させることが容易で、且つ、第一ポリスチレン系樹脂発泡層と第二ポリスチレン系樹脂発泡層との界面において二次発泡時に応力が生じることを抑制させることができる。
即ち、本発明によれば熱成形品に優れた強度を容易に付与させ得る。
即ち、本発明によれば熱成形品に優れた強度を容易に付与させ得る。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について、最表面側から順に、第一樹脂フィルム層、第一ポリスチレン系樹脂発泡層、第二ポリスチレン系樹脂発泡層、及び、第二樹脂フィルム層の4層構造を有する熱成形用の積層発泡シートを例にして説明する。
また、以下においては、第一ポリスチレン系樹脂発泡層と第二ポリスチレン系樹脂発泡層とのそれぞれを構成する樹脂が押出機で発泡剤とともに溶融混練され、これらが一つのサーキュラーダイから同時に押出発泡される共押出が実施されて積層一体化されたものの両面にさらに樹脂フィルムが積層されて前記4層構造が形成された積層発泡シートを例にして本発明の好ましい実施の形態について説明する。
また、以下においては、第一ポリスチレン系樹脂発泡層と第二ポリスチレン系樹脂発泡層とのそれぞれを構成する樹脂が押出機で発泡剤とともに溶融混練され、これらが一つのサーキュラーダイから同時に押出発泡される共押出が実施されて積層一体化されたものの両面にさらに樹脂フィルムが積層されて前記4層構造が形成された積層発泡シートを例にして本発明の好ましい実施の形態について説明する。
なお、本実施形態の前記積層発泡シートは、最表面側に配された第一樹脂フィルム層に背面側から接する第一ポリスチレン系樹脂発泡層の形成に用いられている樹脂組成物(以下「第一樹脂組成物」ともいう)よりも軟化温度が高い樹脂組成物で前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層に背面側から接する第二ポリスチレン系樹脂発泡層が形成されている。
該第二ポリスチレン系樹脂発泡層の形成に用いられる前記樹脂組成物(以下「第二樹脂組成物」ともいう)は、ポリスチレン系樹脂を主成分として、さらにポリフェニレンエーテル系樹脂を含有することで前記第一樹脂組成物よりも高い軟化温度を有している。
該第二ポリスチレン系樹脂発泡層の形成に用いられる前記樹脂組成物(以下「第二樹脂組成物」ともいう)は、ポリスチレン系樹脂を主成分として、さらにポリフェニレンエーテル系樹脂を含有することで前記第一樹脂組成物よりも高い軟化温度を有している。
本実施形態における前記第一樹脂組成物は、ベース樹脂と、該ベース樹脂を発泡状態にさせるための成分と、その他の添加剤とを含有している。
前記第一樹脂組成物のベース樹脂は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレンなどのスチレン系単量体の単独重合体又はこれらの共重合体などのポリスチレン系樹脂とすることができる。
前記第一樹脂組成物のベース樹脂は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレンなどのスチレン系単量体の単独重合体又はこれらの共重合体などのポリスチレン系樹脂とすることができる。
また、前記第一樹脂組成物のベース樹脂は、前記スチレン系単量体を主たる成分(例えば、50質量%以上の含有率)とするものであれば、上記スチレン系単量体と、このスチレン系単量体と共重合可能なビニル単量体との共重合体たるポリスチレン系樹脂であってもよく、このようなビニル単量体としては、例えば、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン等のジビニルベンゼン、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能性単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、無水マレイン酸、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレート、及びアクリルアミドなどが挙げられる。
なお、この「(メタ)アクリレート」などにおける「(メタ)アクリ・・・」とは「アクリ・・・」又は「メタクリ・・・」を意味している。
なお、この「(メタ)アクリレート」などにおける「(メタ)アクリ・・・」とは「アクリ・・・」又は「メタクリ・・・」を意味している。
なかでも、比較的安価でありながら多数のグレードのものが市販されており、前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層の特性の調整が容易となる点において前記ベース樹脂は、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)などと称されるスチレンホモポリマーか、又は、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)などと称されるポリブタジエンなどのゴム成分をスチレン以外に少量含有するものを採用することが好ましい。
なお、要すれば、前記第一樹脂組成物には、前記ポリスチレン系樹脂以外の他の樹脂を含有させることができる。
例えば、前記第一樹脂組成物は、前記第二樹脂組成物に比べて少ない割合でポリフェニレンエーテル系樹脂を含有させるなどして第二樹脂組成物よりも低い軟化温度を有するようにさせても良い。
また、ポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂などの一般的なポリスチレン系樹脂とは相溶性の低い樹脂を前記第一樹脂組成物に含有させることも可能であるが、このような樹脂をそのまま過度に含有させると第一ポリスチレン系樹脂発泡層の連続気泡率を増大させてしまうおそれを有する。
従って、ポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂を第一樹脂組成物に含有させる場合には、このポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂との相溶化剤としての機能を期待することができるスチレン系熱可塑性エラストマーなどをさらに含有させることが好ましい。
例えば、前記第一樹脂組成物は、前記第二樹脂組成物に比べて少ない割合でポリフェニレンエーテル系樹脂を含有させるなどして第二樹脂組成物よりも低い軟化温度を有するようにさせても良い。
また、ポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂などの一般的なポリスチレン系樹脂とは相溶性の低い樹脂を前記第一樹脂組成物に含有させることも可能であるが、このような樹脂をそのまま過度に含有させると第一ポリスチレン系樹脂発泡層の連続気泡率を増大させてしまうおそれを有する。
従って、ポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂を第一樹脂組成物に含有させる場合には、このポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂との相溶化剤としての機能を期待することができるスチレン系熱可塑性エラストマーなどをさらに含有させることが好ましい。
上記のような樹脂を発泡させるべく前記第一樹脂組成物に含有させる成分としては、気泡調整剤や発泡剤が挙げられ、該気泡調整剤として、例えば、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物粒子、ポリテトラフルオロエチレンなどの有機化合物粒子などを第一樹脂組成物に含有させ得る。
前記発泡剤としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素といった炭化水素系の発泡剤が好ましく、なかでも第一樹脂組成物に含有させる発泡剤としては、ノルマルブタンとイソブタンとの混合ブタンが好ましい。
また、前記第一樹脂組成物には、その他の添加剤として、抗菌剤、防カビ剤、帯電防止剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料などを適宜含有させることができる。
なお、前記第一樹脂組成物は、前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層を形成する第二樹脂組成物に比べて低い軟化温度を有することが重要であり、例えば、JIS K7206「プラスチック―熱可塑性プラスチック―ビカット軟化温度(VST)試験方法」(B法、50℃/h)に準拠して測定されるビカット軟化温度が100℃以上105℃以下であることが好ましい。
また、前記第一樹脂組成物によって形成させる前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層は、前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層よりも見掛け密度が高いことが重要であり、JIS K7222:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」が0.05g/cm3以上0.3g/cm3以下であることが好ましい。
このような第一ポリスチレン系樹脂発泡層に対し、前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層は、その形成に用いられる前記第二樹脂組成物にポリフェニレンエーテル系樹脂を所定量含有させていることが重要な要素となる。
より詳しくは、前記第二樹脂組成物は、その樹脂成分の主成分がポリスチレン系樹脂で該ポリスチレン系樹脂100質量部に対してポリフェニレンエーテル系樹脂を10質量部以上50質量部以下の割合で含有することが当該積層発泡シートを熱成形して得られる熱成形品に優れた耐熱性を賦与する上において重要である。
より詳しくは、前記第二樹脂組成物は、その樹脂成分の主成分がポリスチレン系樹脂で該ポリスチレン系樹脂100質量部に対してポリフェニレンエーテル系樹脂を10質量部以上50質量部以下の割合で含有することが当該積層発泡シートを熱成形して得られる熱成形品に優れた耐熱性を賦与する上において重要である。
当該第二樹脂組成物に含有させるポリスチレン系樹脂は、前記第一樹脂組成物において例示のものと同様のものとすることができる。
なお、第二樹脂組成物の主成分たるポリスチレン系樹脂は、ポリフェニレンエーテル系樹脂との相溶性を勘案するとGPPSが好適である。
なお、第二樹脂組成物の主成分たるポリスチレン系樹脂は、ポリフェニレンエーテル系樹脂との相溶性を勘案するとGPPSが好適である。
本実施形態において第二樹脂組成物に含有させるポリフェニレンエーテル系樹脂は、通常、次の一般式で表されるものの1種以上を採用することができる。
前記ポリフェニレンエーテル系樹脂について、より具体的に例示すれば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジクロルフェニレン−1,4−エーテル)等が用いられ得る。
また、上記の一般式における重合度“n”は、通常10〜5000の範囲内である。
通常、GPPSのビカット軟化温度は、102℃前後であるが、上記のようなポリフェニレンエーテル系樹脂をGPPS100質量部に対して10〜50質量部含有させることにより、ビカット軟化温度を110〜155℃の範囲に向上させることができる。
また、上記の一般式における重合度“n”は、通常10〜5000の範囲内である。
通常、GPPSのビカット軟化温度は、102℃前後であるが、上記のようなポリフェニレンエーテル系樹脂をGPPS100質量部に対して10〜50質量部含有させることにより、ビカット軟化温度を110〜155℃の範囲に向上させることができる。
なお、本実施形態の第二樹脂組成物には、前記第一樹脂組成物と同様に発泡のための成分やその他の添加剤等を適宜含有させることができるが、なかでも第二樹脂組成物には、ポリフェニレンエーテル系樹脂に由来する臭気を低減化させるべく消臭剤を含有させることが好ましい。
該消臭剤としては、例えば、ハイドロタルサイト焼成物を主成分としたハイドロタルサイト系消臭剤、ゼオライト系消臭剤、及び、リン酸ジルコニウム系消臭剤などが用いられうる。
なかでも、ハイドロタルサイト焼成物は、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂特有の臭気を除去する能力が高く、本実施形態においては、このハイドロタルサイト焼成物を第二樹脂組成物に含有させる消臭剤として採用することが好ましい。
特に、本実施形態の積層発泡シートの用途が食品用容器のような場合においては、前記ハイドロタルサイト焼成物を消臭剤として含有させることが好ましい。
該消臭剤としては、例えば、ハイドロタルサイト焼成物を主成分としたハイドロタルサイト系消臭剤、ゼオライト系消臭剤、及び、リン酸ジルコニウム系消臭剤などが用いられうる。
なかでも、ハイドロタルサイト焼成物は、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂特有の臭気を除去する能力が高く、本実施形態においては、このハイドロタルサイト焼成物を第二樹脂組成物に含有させる消臭剤として採用することが好ましい。
特に、本実施形態の積層発泡シートの用途が食品用容器のような場合においては、前記ハイドロタルサイト焼成物を消臭剤として含有させることが好ましい。
なお、前記のように第二樹脂組成物は、前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層を形成する第一樹脂組成物に比べて高い軟化温度を有することが重要であり、例えば、前記のビカット軟化温度が105℃を超え155℃以下であることが好ましい。
また、前記第二樹脂組成物によって形成させる前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層は、前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層よりも見掛け密度が低いことが重要であり、JIS K7222:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」が0.04g/cm3以上0.2g/cm3以下であることが好ましい。
そして、本実施形態の積層発泡シートは、前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層と前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層との平均見掛け密度が0.05g/cm3以上0.2g/cm3以下であることが好ましく、熱成形品に優れた強度を発揮させる上において、前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度をX(g/cm3)、前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度をY(g/cm3)とした場合に第二ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度の第一ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度に対する比率(X/Y)を0.15以上0.9以下とすることが重要である。
なお、本発明の効果をより顕著に発揮させる上においては、前記比率(X/Y)は、0.15以上0.6以下であることが好ましい。
なお、本発明の効果をより顕著に発揮させる上においては、前記比率(X/Y)は、0.15以上0.6以下であることが好ましい。
また、第二ポリスチレン系樹脂発泡層は、本実施形態の積層発泡シートに対して優れた耐熱性を賦与する上において、積層発泡シート全体に占める質量割合が20質量%以上80質量%以下となるように形成されることが好ましい。
そして、本実施形態の積層発泡シートは、前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層と前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層との間に優れた接着性を発揮させる上において前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層と前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層とが共押出法によって積層一体化されている。
本実施形態の積層発泡シートにおける前記第一樹脂フィルム層は、例えば、前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層の第二ポリスチレン系樹脂発泡層が接着されている面とは逆側の面に熱可塑性樹脂フィルムを積層させて形成させることができる。
また、同様に前記前記第二樹脂フィルム層は、第二ポリスチレン系樹脂発泡層の第一ポリスチレン系樹脂発泡層が接着されている面とは逆側の面に熱可塑性樹脂フィルムを積層させて形成させることができる。
また、同様に前記前記第二樹脂フィルム層は、第二ポリスチレン系樹脂発泡層の第一ポリスチレン系樹脂発泡層が接着されている面とは逆側の面に熱可塑性樹脂フィルムを積層させて形成させることができる。
前記第一樹脂フィルム層や前記第二樹脂フィルム層は、その形成材料が特に限定されるものではないが、例えば、5μm〜200μm程度の厚みを有する延伸ポリスチレン系樹脂(OPS)フィルムや、ポリプロピレン系樹脂フィルムとポリスチレン系樹脂(CPS)フィルムとをドライラミネートしたラミネートフィルムなど用いて形成させることができる。
なかでも、ポリプロピレン系樹脂は、ポリスチレン系樹脂に比べて耐熱性や耐油性に優れていることから、前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層側には前記ラミネートフィルムを使って、表面が前記ポリプロピレン系樹脂フィルムとなるように前記第二樹脂フィルム層を形成させることが好ましい。
なお、前記第一樹脂フィルム層や前記第二樹脂フィルム層は、前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層と前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層とが積層一体化されたものに対して加熱ロールを使ってOPSフィルムやラミネートフィルムを加熱しながら圧接させる一般的な熱ラミネーション法によって形成させることができる。
このような熱ラミネーションに際しては、第一ポリスチレン系樹脂発泡層や第二ポリスチレン系樹脂発泡層に熱が加わって発泡を生じさせるおそれがある上に加熱ロールによって圧縮力が加わることで第一ポリスチレン系樹脂発泡層と第二ポリスチレン系樹脂発泡層との界面に応力が加わりやすい状態となって当該界面にダメージを与えやすい状況になるものの本実施形態の積層発泡シートは第一ポリスチレン系樹脂発泡層と第二ポリスチレン系樹脂発泡層とが所定の発泡状態になっていることから、熱ラミネート後の積層発泡シートに前記界面における剥離を生じさせたり、前記界面において第一ポリスチレン系樹脂発泡層側の気泡膜が薄く延びた状態になって二次発泡や熱成形に際して前記界面に剥離を生じさせたりするおそれを低減させることができる。
この点に関し、さらに詳細に説明すると、前記第二樹脂組成物に比べて第一樹脂組成物の方が軟化温度が低いために積層発泡シートに熱が加わった際には、第一ポリスチレン系樹脂発泡層側が第二ポリスチレン系樹脂発泡層よりも先行して気泡を膨張させ易い状況になる。
このとき、例えば、第二ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度が第一ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度と同程度か或いは大きくなっていると第一ポリスチレン系樹脂発泡層と第二ポリスチレン系樹脂発泡層との間で応力による変形性に大きな隔たりを生じさせることになる。
そうすると第一ポリスチレン系樹脂発泡層の気泡が膨張しようとする力が層間に集中して作用することになり、第二ポリスチレン系樹脂発泡層との界面近くにおける第一ポリスチレン系樹脂発泡層の気泡膜が薄く引き延ばされた状態になり易く、その状況が過度に進行すると層間剥離を招くこととなる。
このとき、例えば、第二ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度が第一ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度と同程度か或いは大きくなっていると第一ポリスチレン系樹脂発泡層と第二ポリスチレン系樹脂発泡層との間で応力による変形性に大きな隔たりを生じさせることになる。
そうすると第一ポリスチレン系樹脂発泡層の気泡が膨張しようとする力が層間に集中して作用することになり、第二ポリスチレン系樹脂発泡層との界面近くにおける第一ポリスチレン系樹脂発泡層の気泡膜が薄く引き延ばされた状態になり易く、その状況が過度に進行すると層間剥離を招くこととなる。
一方で、本実施形態の積層発泡シートにおいては、第二ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度が第一ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度に比べて十分小さくなっているために層間における応力緩和を期待することができ、熱ラミネートや二次発泡などといった加熱工程における層間剥離の発生を抑制させ得る。
このように層間剥離や層間において気泡膜が薄く引き延ばされることが抑制されることから、本実施形態における積層発泡シートは、強度に優れた熱成形品を容易に作製することができる。
このように層間剥離や層間において気泡膜が薄く引き延ばされることが抑制されることから、本実施形態における積層発泡シートは、強度に優れた熱成形品を容易に作製することができる。
さらに、本実施形態の積層発泡シートは、上記のような4層構成とする際に、第二ポリスチレン系樹脂発泡層側の熱ラミネート温度を、第一ポリスチレン系樹脂発泡層側の熱ラミネート温度よりも高温にしたり、二次発泡時の加熱温度を第二ポリスチレン系樹脂発泡層側が第一ポリスチレン系樹脂発泡層側に比べて高温となるようにすることで前記層間剥離をより確実に抑制させることができる。
なお、本実施形態の積層発泡シートを熱成形して食品用容器などの熱成形品を作製する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、真空成形、圧空成形などといった一般的な方法を採用することができる。
このような熱成形によって前記食品用容器を形成させる場合であれば、一般的に耐熱性が求められる容器内側が第二ポリスチレン系樹脂発泡層となり、容器外側が第一ポリスチレン系樹脂発泡層となるように形成させることが好ましい。
このような熱成形によって前記食品用容器を形成させる場合であれば、一般的に耐熱性が求められる容器内側が第二ポリスチレン系樹脂発泡層となり、容器外側が第一ポリスチレン系樹脂発泡層となるように形成させることが好ましい。
なお、本実施形態においては、4層構造の積層発泡シートを例示しているが、第一樹脂フィルム層から第二ポリスチレン系樹脂発泡層までの3層構造を有する積層発泡シートや、第一ポリスチレン系樹脂発泡層から第二樹脂フィルム層までの3層構造を有する積層発泡シート、或いは、第一ポリスチレン系樹脂発泡層と第二ポリスチレン系樹脂発泡層との2層構造を有する積層発泡シートも本発明の意図する範囲のものである。
また、ここでは詳述しないが、積層発泡シートの形成材料や製造設備、製造方法といったことに関して従来公知の技術事項は、本発明の効果が著しく損なわれない範囲において本発明において適宜採用が可能なものである。
また、ここでは詳述しないが、積層発泡シートの形成材料や製造設備、製造方法といったことに関して従来公知の技術事項は、本発明の効果が著しく損なわれない範囲において本発明において適宜採用が可能なものである。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
第二ポリスチレン系樹脂発泡層を形成させるための原料樹脂として、ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)とポリスチレン系樹脂(PS)との混合物(商品名「ノリルEFN4230」 サビック社製 PPE/PS=70/30)30質量部と、GPPS(商品名「XC−515」、ビカット軟化温度102℃、DIC社製)70質量部との質量割合で含有する混合樹脂を用意し、この混合樹脂100質量部に対する割合が1.0質量部となるように気泡調整剤(タルク練り込みマスターバッチ、商品名「DSM1401A」、東洋スチレン社製)を前記混合樹脂とともにバッチ式連続混合装置に投入して均一に混和した後、スクリュー径90mmと115mmのタンデム押出機の上流側の押出機(スクリュー径90mm)のホッパーに供給した。
押出機のシリンダー温度は、最高設定温度を300℃とし、発泡剤として混合ブタン約5.0質量部(対前記混合樹脂100質量部)を押出機の途中において加えて前記混合樹脂などとともに溶融混練をし、得られた溶融混練物を120kg/hの割合で前記タンデム押出機の下流側に接続された合流金型に供給した。
第二ポリスチレン系樹脂発泡層を形成させるための原料樹脂として、ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)とポリスチレン系樹脂(PS)との混合物(商品名「ノリルEFN4230」 サビック社製 PPE/PS=70/30)30質量部と、GPPS(商品名「XC−515」、ビカット軟化温度102℃、DIC社製)70質量部との質量割合で含有する混合樹脂を用意し、この混合樹脂100質量部に対する割合が1.0質量部となるように気泡調整剤(タルク練り込みマスターバッチ、商品名「DSM1401A」、東洋スチレン社製)を前記混合樹脂とともにバッチ式連続混合装置に投入して均一に混和した後、スクリュー径90mmと115mmのタンデム押出機の上流側の押出機(スクリュー径90mm)のホッパーに供給した。
押出機のシリンダー温度は、最高設定温度を300℃とし、発泡剤として混合ブタン約5.0質量部(対前記混合樹脂100質量部)を押出機の途中において加えて前記混合樹脂などとともに溶融混練をし、得られた溶融混練物を120kg/hの割合で前記タンデム押出機の下流側に接続された合流金型に供給した。
一方、第一ポリスチレン系樹脂発泡層を形成させるための原料樹脂として、GPPS(商品名「XC−515」、DIC社製)を用意した。
このGPPS100質量部に対する割合が0.8質量部となるように気泡調整剤(前記の「DSM1401A」)を前記GPPSとともにバッチ式連続混合装置に投入して均一に混和した後、スクリュー径90mmと115mmのタンデム押出機の上流側の押出機(スクリュー径90mm)のホッパーに供給した。
押出機のシリンダー温度は、最高設定温度を240℃とし、発泡剤として混合ブタン約3.8質量部(対GPPS100質量部)を押出機の途中において加えて前記GPPSなどとともに溶融混練をし、得られた溶融混練物を120kg/hの割合で前記タンデム押出機の下流側に接続された前記合流金型に供給した。
このGPPS100質量部に対する割合が0.8質量部となるように気泡調整剤(前記の「DSM1401A」)を前記GPPSとともにバッチ式連続混合装置に投入して均一に混和した後、スクリュー径90mmと115mmのタンデム押出機の上流側の押出機(スクリュー径90mm)のホッパーに供給した。
押出機のシリンダー温度は、最高設定温度を240℃とし、発泡剤として混合ブタン約3.8質量部(対GPPS100質量部)を押出機の途中において加えて前記GPPSなどとともに溶融混練をし、得られた溶融混練物を120kg/hの割合で前記タンデム押出機の下流側に接続された前記合流金型に供給した。
合流金型に供給された上記2種類の樹脂組成物を、当該合流金型内で合流、積層したのち口径125mmの円形のダイに供給し、ダイのスリットを通して、内側が第二ポリスチレン系樹脂発泡層、外側が第一ポリスチレン系樹脂発泡層となるように円筒形に押出させて円筒状発泡体を形成させた直後に、この円筒状発泡体の内側と外側とにエアーを吹き付けて冷却した。
エアー温度は27℃とし、吹き付け量は、内側の第二ポリスチレン系樹脂発泡層側では積層発泡シートの単位面積当たりの吹き付け量が0.09m3/m2、外側の第一ポリスチレン系樹脂発泡層側では0.07m3/m2となるように調整した。
そして、冷却後の円筒状発泡体を切り開いて、第一の実施例に係る積層発泡シートを製造した。
当該積層発泡シートの第二ポリスチレン系樹脂発泡層は、厚みが1.1mm、見掛け密度が0.059g/cm3 、坪量が65g/m2であった。
また、当該積層発泡シートの第一ポリスチレン系樹脂発泡層は、厚みが0.55mm、密度は0.118g/cm3、坪量は65g/m2であった。
さらに、当該積層発泡シートは、総厚みが1.65mmであり、全体の平均見掛け密度が0.079g/cm3であり、坪量が130g/m2であった。
この積層発泡シートに熱ラミネートによって表面に熱可塑性樹脂フィルムを積層させた際における第一ポリスチレン系樹脂発泡層と第二ポリスチレン系樹脂発泡層との層間剥離の発生状況を目視にて観察し、層間剥離が見られなかった場合を「○」、見られた場合を「×」と判定した。
結果を、表1に示す。
エアー温度は27℃とし、吹き付け量は、内側の第二ポリスチレン系樹脂発泡層側では積層発泡シートの単位面積当たりの吹き付け量が0.09m3/m2、外側の第一ポリスチレン系樹脂発泡層側では0.07m3/m2となるように調整した。
そして、冷却後の円筒状発泡体を切り開いて、第一の実施例に係る積層発泡シートを製造した。
当該積層発泡シートの第二ポリスチレン系樹脂発泡層は、厚みが1.1mm、見掛け密度が0.059g/cm3 、坪量が65g/m2であった。
また、当該積層発泡シートの第一ポリスチレン系樹脂発泡層は、厚みが0.55mm、密度は0.118g/cm3、坪量は65g/m2であった。
さらに、当該積層発泡シートは、総厚みが1.65mmであり、全体の平均見掛け密度が0.079g/cm3であり、坪量が130g/m2であった。
この積層発泡シートに熱ラミネートによって表面に熱可塑性樹脂フィルムを積層させた際における第一ポリスチレン系樹脂発泡層と第二ポリスチレン系樹脂発泡層との層間剥離の発生状況を目視にて観察し、層間剥離が見られなかった場合を「○」、見られた場合を「×」と判定した。
結果を、表1に示す。
(実施例2〜7)
第一ポリスチレン系樹脂発泡層や第二ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度や坪量を表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様に積層発泡シートを作製して同様に層間剥離の状況を評価した。
結果を表1に示す。
第一ポリスチレン系樹脂発泡層や第二ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度や坪量を表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様に積層発泡シートを作製して同様に層間剥離の状況を評価した。
結果を表1に示す。
次に、実施例1〜7の積層発泡シートを、下記表2に示す状態となるように二次発泡させ、その際に層間剥離が生じるかどうかを前記の熱ラミネートと同様に評価した。
結果を、併せて表2に示す。
結果を、併せて表2に示す。
(比較例1〜5)
第一ポリスチレン系樹脂発泡層や第二ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度や坪量を表3に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様に積層発泡シートを作製して同様に層間剥離の状況を評価した。
なお、比較例3、5については押出機内の樹脂圧が過大となって良好な積層発泡シートを得ることができなかったために評価を行っていない。
また、実施例1と同様にこの比較例1、2、4の積層発泡シートを下記表4に示す状態となるように二次発泡させ、その際に層間剥離が生じるかどうかを評価した。
以上の結果を表3、4に示す。
第一ポリスチレン系樹脂発泡層や第二ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度や坪量を表3に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様に積層発泡シートを作製して同様に層間剥離の状況を評価した。
なお、比較例3、5については押出機内の樹脂圧が過大となって良好な積層発泡シートを得ることができなかったために評価を行っていない。
また、実施例1と同様にこの比較例1、2、4の積層発泡シートを下記表4に示す状態となるように二次発泡させ、その際に層間剥離が生じるかどうかを評価した。
以上の結果を表3、4に示す。
なお、比較例4の積層発泡シートは、熱ラミネート後、及び、二次発泡後において層間剥離までは見られなかったものの熱成形を行った際に十分な容器強度が発揮されなかった。
以上のようなことからも、本発明によれば、二次発泡後においても第一ポリスチレン系樹脂発泡層と第二ポリスチレン系樹脂発泡層とを強固な接着状態とさせ得る積層発泡シートを得ることができ、強度に優れた熱成形品の形成が容易な積層発泡シートが提供され得ることがわかる。
Claims (5)
- 熱成形に用いられ、第一ポリスチレン系樹脂発泡層と該第一ポリスチレン系樹脂発泡層よりも高い軟化温度を有する樹脂組成物で形成された第二ポリスチレン系樹脂発泡層との少なくとも2層のポリスチレン系樹脂発泡層が積層されてなり、
前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層と前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層との平均見掛け密度が0.05g/cm3以上0.2g/cm3以下で、前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層単独の見掛け密度が0.05g/cm3以上0.3g/cm3以下であり、
前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対してポリフェニレンエーテル系樹脂を10質量部以上50質量部以下の割合で含有する前記樹脂組成物によって見掛け密度が0.04g/cm3以上0.2g/cm3以下となるように形成され且つ前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層の見掛け密度に対して0.15倍以上0.9倍以下の見掛け密度を有していることを特徴とする積層発泡シート。 - 全体に占める前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層の質量割合が20質量%以上80質量%以下である請求項1記載の積層発泡シート。
- 前記第一ポリスチレン系樹脂発泡層と前記第二ポリスチレン系樹脂発泡層とが共押出法によって積層一体化されている請求項1又は2記載の積層発泡シート。
- 熱可塑性樹脂フィルム層をさらに有し、少なくとも一方の表面が前記熱可塑性樹脂フィルム層で形成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層発泡シート。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の積層発泡シートが熱成形されてなる熱成形品。
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JP2016050314A (ja) * | 2014-08-29 | 2016-04-11 | 積水化成品工業株式会社 | 樹脂発泡シート、及び、樹脂発泡成形品 |
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EP0325779A2 (en) * | 1988-01-19 | 1989-08-02 | General Electric Company | Microwavable foamed article and method of packaging |
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2013
- 2013-03-01 JP JP2013040784A patent/JP2014168861A/ja active Pending
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