JP2014145116A - Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材の製造方法、および半導体素子 - Google Patents

Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材の製造方法、および半導体素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高濃度のMnや、不純物を含む酸化物等の異物によるスパッタリング時の異常放電を低減する。
【解決手段】平均濃度が5原子%以上30原子%以下のMnを含有し、平均結晶粒径が10μm以上50μm以下のCu−Mn合金を母材とし、エネルギー分散型X線分析によるMn濃度の最大値および最小値の平均濃度からの差が±2原子%以内である。
【選択図】図2

Description

本発明は、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材の製造方法、係るターゲット材により形成されたCu−Mn合金膜を用いた半導体素子に関する。
近年、液晶パネルの大画面化や高精細化を受け、更なる臨場感を求めてスーパーハイビジョン(高画角化)や裸眼3Dパネルの実現が求められている。液晶パネルに用いられる薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)についても、高移動度による高速動作が可能で、閾値電圧のバラツキが少なく、駆動電流均一性に優れた半導体材料の開発が進められている。このような半導体材料として、現行のアモルファスシリコン(α−Si)半導体に替え、酸化インジウムガリウム亜鉛(InGaZnO:以下、IGZOとも記載する)や酸化亜鉛(ZnO)等の酸化物半導体が開発されてきている。
また、このような新たな半導体材料に適するTFTの配線電極材料として、例えば非特許文献1には、銅−マンガン(Cu−Mn)合金のIGZO系TFTへの適用が有用であることが記載されている。すなわち、スパッタリングによりCu−4原子%Mn合金膜をIGZO膜上に成膜し、250℃で熱処理を行っている。これにより、合金膜とIGZO膜との界面に酸化マンガン(MnOx)膜を形成し、合金膜中のCuがIGZO膜中へ拡散することを抑制する。係る積層膜においては、接触抵抗が10−4Ωcmと良好なオーミック特性が得られている。また、ウェットエッチングによる電極の加工性についても、Cu−4原子%Mn合金膜とIGZO膜とのエッチングレートの選択比は10:1と良好であった。
Cu−Mn合金膜の成膜に用いるターゲット材については、例えば特許文献1,2に記載されている。特許文献1では、スパッタリングターゲット材である銅合金が、真空中で溶融され合金化される鋳造法で形成される。このとき、Mnが0.1〜20.0at.%の範囲で添加され、Cu中での拡散係数がCuの自己拡散係数より小さい不可避的不純物元素の濃度は0.05at.%以下に規定される。
また、特許文献2では、スパッタリングターゲットを構成する銅合金は、Mn:0.6〜30質量%を含み、残部がCuおよび不純物からなる組成を有している。係る不純物は、金属系不純物が40ppm以下であり、かつ酸素が10ppm以下、窒素が5ppm以下、水素が5ppm以下、炭素が10ppm以下に規制されている。このような銅合金は、高純度電解銅および電解マンガンをArガス雰囲気中の高純度グラファイトモールド内にて高周波溶解して製造される。
また、ターゲット材の異物の制御に関し、例えば特許文献3では、酸素、リン、イオウ等の不純物が含有されているコバルト、ニッケル、鉄等の金属をるつぼ内で真空溶解して高純度金属ターゲットを製造する。金属の溶解後、るつぼ内凝固又は一方向凝固を行って不純物をるつぼ上部又は最終凝固部に濃縮し、不純物が濃縮した部分を切除する。
特許第4065959号公報 特開2007−051351号公報 特開2002−327216号公報
Pilsang Yun, Junichi Koike,"Microstructure Analysis and Electrical Properties of Cu-Mn Electrode for Back-Channel Etching a-IGZO TFT,"17th International Display Workshops(IDW'10),pp.1873-1876
しかしながら、Mnは、原料の溶解に用いるるつぼ材や鋳造フラックス成分に含まれる炭素(C)成分等の不純物と反応し易い。このため、Cu−Mn鋳造物の組織内には、Mnや不純物を含む酸化物等の異物が不可避的に存在する。異物は、絶縁体あるいは半導体であり、スパッタリング時にチャージアップ(部材の帯電)が起きて異常放電発生の起点となってしまうことがある。異常放電が発生すると、ターゲット材の一部が溶融し、スプラッシュと呼ばれる液滴状のものが飛散して、合金膜の不良を引き起こす場合がある。
また、Cu−Mn合金の鋳造時には、液相から凝固する際に異なる組成の固相と液相とに分離した後、全体が固相となる。このため、るつぼ内で溶解し、鋳型に流し込んで凝固させた鋳造物の鋳造組織には、濃度ムラが存在する。このような濃度ムラによる高濃度のMnもスパッタリング時の異常放電発生の要因となりうる。
したがって、不純物の影響を抑制するには、上述の特許文献1,2のように、単に不純物濃度を規定するだけでは足りない。特許文献1,2では、上述のようなCu−Mn合金の材料組織上の課題について記載は無く、その解決手段も示されてはいない。特許文献3の方法は、そもそもCu−Mn合金に関するものではなく、また、高コストで量産製造には不適であると考えられる。
本発明の目的は、高濃度のMnや、不純物を含む酸化物等の異物によるスパッタリング時の異常放電を低減することができるCu−Mn合金スパッタリングターゲット材、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材の製造方法、及び係るターゲット材を用いた半導体素子を提供することである。
本発明の第1の態様によれば、
平均濃度が5原子%以上30原子%以下のMnを含有し、平均結晶粒径が10μm以上50μm以下のCu−Mn合金を母材とし、
エネルギー分散型X線分析によるMn濃度の最大値および最小値の前記平均濃度からの差が±2原子%以内である
Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材が提供される。
本発明の第2の態様によれば、
前記平均濃度よりも高濃度のMnと、不純物を含む酸化物と、のうち少なくともいずれかを含む異物が前記Cu−Mn合金中に存在する場合、
前記Cu−Mn合金の1cm×1cm内の結晶組織中に、最大径が5μm以上の前記異物が10個以下である
第1の態様に記載のCu−Mn合金スパッタリングターゲット材が提供される。
本発明の第3の態様によれば、
前記不純物は、C,S,Si,Pのうち少なくともいずれかである
第2の態様に記載のCu−Mn合金スパッタリングターゲット材が提供される。
本発明の第4の態様によれば、
前記不純物は、C,S,Si,Pのうち少なくともいずれかであり、
前記不純物の前記Cu−Mn合金の結晶組織中における平均濃度は、
Cが10ppm以下、Sが20ppm以下、Siが20ppm以下、Pが100ppm以下である
第2の態様に記載のCu−Mn合金スパッタリングターゲット材が提供される。
本発明の第5の態様によれば、
前記Mn濃度の最大値および最小値の前記平均濃度からの差が±0.5原子%以内である
第1〜第4の態様のいずれかに記載のCu−Mn合金スパッタリングターゲット材が提供される。
本発明の第6の態様によれば、
純度3N以上のCuに対し、5原子%以上30原子%以下の平均濃度となるよう純度3N以上のMnを添加した原料を溶解し鋳造して鋳造物とした後、
前記鋳造物を800℃以上870℃以下の温度で加熱して前記鋳造物の全体の均熱化を図り、90%以上の加工度で熱間圧延する
Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材の製造方法が提供される。
本発明の第7の態様によれば、
酸化物半導体上にCu−Mn合金膜が形成されてなる配線構造を基板上に備え、
前記Cu−Mn合金膜は、第1〜第5のいずれかの態様に記載のCu−Mn合金スパッタリングターゲット材または第6の態様に記載の方法により製造されるCu−Mn合金スパッタリングターゲット材を用いて形成された
半導体素子が提供される。
本発明の第8の態様によれば、
前記配線構造は、純Cu膜と、前記純Cu膜を間に挟んだ2層の前記Cu−Mn合金膜と、を備える
第7の態様に記載の半導体素子が提供される。
本発明によれば、高濃度のMnや、不純物を含む酸化物等の異物によるスパッタリング時の異常放電を低減することができるCu−Mn合金スパッタリングターゲット材、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材の製造方法、及び係るターゲット材を用いた半導体素子が提供される。
Cu−Mn合金の2元系状態図である。 本発明の一実施形態に係るCu−Mn合金スパッタリングターゲット材が装着されたスパッタリング装置の縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタの概略断面図である。 本発明の実施例及び比較例に係るCu−Mn合金スパッタリングターゲット材のアーキングの測定に用いた検出装置システムの概略図である。 本発明の実施例1,2に係るCu−Mn合金の熱間圧延後の結晶組織を観測したSEM画像である。 比較例1,2に係るCu−Mn合金の熱間圧延後の結晶組織を観測したSEM画像である。
<本発明の一実施形態>
(1)Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材
以下に、本発明の一実施形態に係る銅−マンガン(Cu−Mn)合金スパッタリングターゲット材10(後述の図2を参照)について説明する。Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10は、例えば所定の外径と厚さとを備える矩形に形成され、各種半導体素子の配線構造に用いられるCu−Mn合金膜の形成等に用いられるよう構成される。
Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10を構成するCu−Mn合金は、例えば純度が共に3N(99.9%)以上の無酸素銅(OFC:Oxygen-Free Copper)と純マンガン(Mn)とが所定比率で配合された合金である。すなわち、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10は、例えば平均濃度が5原子%以上30原子%以下のMnを含有するCu−Mn合金を母材とする。
母材となるCu−Mn合金は、その平均結晶粒径が例えば10μm以上50μm以下に調整されている。このような比較的微細な結晶粒径は、例えば加工度が90%以上となるようにCu−Mn合金材を熱間圧延することで得られる。
また、Cu−Mn合金の母材中のMn濃度の最大値および最小値の平均濃度からの差は、±2原子%以内、好ましくは±0.5原子%以内である。すなわち、Mn濃度の最大値から平均濃度を引いた値が「+2原子%」を超えず、Mn濃度の最小値から平均濃度を引いた値が「−2原子%」を下回らない。また、好ましくは、Mn濃度の最大値から平均濃度を引いた値が「+0.5原子%」を超えず、Mn濃度の最小値から平均濃度を引いた値が「−0.5原子%」を下回らない。このようなMn濃度およびその差は、例えばCu−Mn合金の母材に対してのエネルギー分散型X線(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)分析により測定することができる。
また、Cu−Mn合金中においては、高濃度のMn、或いはその酸化物が析出したり遊離したりして、異物として局所的に存在することがある。このときのMn濃度は、少なくとも上述の平均濃度より高く、或いは、上述の差の範囲を超えて高まっていると考えられる。また、Cu−Mn合金中においては、Mnのような所定元素以外にも不純物が混在し得る。係る不純物は、多くの場合、単独で、或いはMnとの反応物という形で、酸化された状態となっている。つまり、このような不純物を含む酸化物もまた、異物としてCu−Mn合金中に存在し得る。
ただし、このような場合であっても、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10においては、Cu−Mn合金の結晶組織中に存在するこれらの異物の個数は、ごくわずかである。つまり、例えばCu−Mn合金の1cm×1cm内の結晶組織中に観測される、最大径が5μm以上となる異物は10個以下である。異物の形状は様々であるところ、ここでは、その最大径を異物のサイズの基準として用いている。Cu−Mn合金中の異物は、例えば走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)により観測することができる。
なお、Cu−Mn合金中に混在し得る不純物としては、例えば炭素(C)、イオウ(S)、シリコン(Si)、リン(P)等が挙げられる。Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10においては、これら不純物のCu−Mn合金の結晶組織中における平均濃度が所定値内に抑えられている。実績値に基づく一例として、例えば本実施形態においては、Cが10ppm以下、Sが20ppm以下、Siが20ppm以下、Pが100ppm以下である。なお、P濃度の制御可能限界値は例えば15ppm以下であるが、P濃度をこれよりも高めることで、形成されるCu−Mn合金膜の拡散バリア性が向上することがある。よって、ここでは100ppmをP濃度の上限としている。
以上のようにCu−Mn合金スパッタリングターゲット材10を構成することで、高い拡散バリア性を発揮するCu−Mn合金膜を成膜することが可能となる。
すなわち、本実施形態においては、Cu−Mn合金中のMn濃度の上限が30原子%と、比較的高く設定されている。Mnは、例えばCu等と比べ、比較的酸化され易い性質を持つ。よって、例えばCu−Mn合金スパッタリングターゲット材10を用いたスパッタリングにより、高い拡散バリア性を発揮するCu−Mn合金膜が得られる。つまり、例えば下地となる酸化物半導体との界面でMnが酸化されて拡散バリア性を発揮し、例えば膜の深さ方向に対するそれ以上の酸素の拡散が抑制される。
一方で、Mnを高濃度とすると、ターゲット材の製造工程における原料の溶解、鋳造時には、溶解した原料が酸化され易くなってしまう。また、Cu−Mn合金中に不純物が含有され易くなってしまう。このような酸化や不純物は、成膜されるCu−Mn合金膜の品質を低下させるばかりでなく、スパッタリング時の異常放電(アーキング)の発生頻度を増大させてしまう。
しかしながら、本実施形態においては、後述する製造方法を採ることにより、比較的高濃度のMnを含有する原料を用いても、原料の酸化を抑制し、また、不純物の影響を軽減しつつ、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10を製造することができる。
具体的には、本発明者等は、例えば上述の特許文献1,2のように、Cu−Mn合金中における不純物濃度を規定するのではなく、これら異物の原因となるCu−Mn合金の母材のMn濃度の差を所定値以下に制御することとした。Mn濃度の差が大きくなれば、母材中に高濃度のMnが局在化することとなり、Mn単体で、或いは、他の不純物と反応して、或いはまた、酸化されて、異物化する原因となる。まずは、Cu−Mn合金の母材のMn濃度を均一化することで、このような異物の原因を取り除くことができる。
そのうえで、本発明者等は、更に、Mnや不純物等を含む異物のサイズや個数を所定値以下に制御することとした。これにより、スパッタリング中のプラズマにおいて、異物を起点とする異常放電を抑制できる。
つまり、例えば高濃度のMnと、不純物と、のうち少なくともいずれかを含む異物が、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10の成形された表面、あるいは、スパッタリングにより現れた表面に露出して存在すると、突起状に突出した状態となり易い。このため、例えばスパッタリング中のプラズマが不安定となってしまう場合がある。プラズマが不安定となると、しばしば異常放電が引き起こされる。また、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10の表面から突出した異物が抜け落ちて、ボイドとなることがある。係るボイド周辺においても、プラズマが不安定となり易い。
また、係る異物が、高濃度のMnと、不純物と、のうち少なくともいずれかを含む酸化物等である場合には、その異物は絶縁性あるいは半絶縁性を有し、プラズマにより帯電し易い状態となってしまう。このような異物の帯電によっても、プラズマが不安定となることがある。
本実施形態においては、Cu−Mn合金の所定面積内に観測される所定サイズ以上の異物の個数、すなわち、異物の存在頻度を所定値以下としている。これにより、異物を起点とする異常放電が発生し難い状態とすることができる。よって、異常放電によりCu−Mn合金スパッタリングターゲット材10の一部が溶融し、液滴状の飛散物、つまり、スプラッシュが生じてしまうのを抑制することができる。よって、スプラッシュが成膜中のCu−Mn合金膜に付着してパーティクル等となってしまうのを抑制し、高品質のCu−Mn合金膜を得ることができる。
また、本実施形態においては、Cu−Mn合金を比較的微細な結晶粒径としている。これにより、スパッタリングによってCu−Mn合金スパッタリングターゲット材10表面の凹凸が大きくなってしまうことを抑制できる。よって、スパッタリング中にプラズマが不安定となることを抑制し、異常放電をいっそう生じ難い状態とすることができる。
(2)Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材の製造方法
次に、本発明の一実施形態に係るCu−Mn合金スパッタリングターゲット材10の製造方法について説明する。
このとき、使用されるのは、例えば第8世代以上のガラス基板サイズに対応する大型のCu−Mn合金スパッタリングターゲット材10を製造可能な大気鋳造や圧延を行う量産設備等である。このような量産設備で、かつ、Cu−Mn合金中に含まれるMn濃度が比較的高くとも、以下の方法により、Cu−Mn合金の母材におけるMn濃度の差を抑えることができる。また、原料の酸化を抑えることができる。また、不純物等の異物を微細化することができる。
まず、純度がそれぞれ3N(99.9%)以上の無酸素銅と純Mnのフレーク材とからなる各材料を所定比率で配合する。これを、例えば1100℃以上1200℃以下の温度で大気中にて溶解して鋳造し、例えば平均濃度が5原子%以上30原子%以下のMnを含有するCu−Mn合金の鋳造物(インゴット)を形成する。
原料が溶けた溶湯の湯面は酸化防止剤でキャップし、溶湯の酸化抑制を図る。このとき、原料の溶解に用いるるつぼ材や鋳造フラックス成分に含まれるCやS等の不純物やその酸化物等の滓が溶湯中に生じる。溶湯中に生じた滓は、密度差により湯面にノロとして浮遊する。そこで、ノロかきと呼ばれる溶湯の清浄化を行ってノロを除去し、これが上述の異物となってしまうのを抑制する。
濃度が充分に均一になった時点で溶湯を鋳型に出湯し、インゴットを得る。このとき、鋳型へと誘導する鋳造桶や、鋳型中で、粉末状の鋳造フラックスを溶湯表面に供給し、ノロを吸収させる。
ただし、本実施形態では、CやS等の不純物と反応し易いMnが原料中に含まれ、ノロが一層発生し易い状況となっている。よって、以上の作業を行っても、溶湯中からノロを完全に除去することは困難である。このため、製造されるインゴット中には、わずかな量の不純物が異物として混入した状態となる。
また、溶湯が凝固する際、液相と、これとは異なる組成の固相とが分離した後、全体が固相となる。このため、鋳造組織中には濃度ムラが生じる。また、鋳造組織の最終凝固部分には、高濃度のMnが偏在することとなる。このような高濃度のMnやその酸化物も、インゴット中の異物となる。なお、高濃度のMnが含まれる最終凝固部分では、液相の熱収縮により、微小なボイドが発生することもある。
続いて、得られたインゴット表面の酸化被膜、所謂、黒皮を除去した後、熱間圧延工程を行って所定厚さの圧延板を得る。
熱間圧延工程を行うにあたっては、まず、例えば800℃以上870℃以下の温度で所定時間、インゴットを加熱して、インゴット全体の均熱化を図る。その後、直ちに、熱間圧延による加工を実施する。熱間圧延工程では、インゴットの厚さに対して厚さが90%以上減少するよう加工を施す。つまり、熱間圧延工程における加工度が90%以上となるよう、インゴットを加工する。
このとき、インゴット全体の均熱化を図る、つまり、インゴット全体を略均一な温度とするのに必要な加熱時間は、インゴットの体積に依存する。つまり、インゴットが大きいほどインゴット内部の温度が充分に上がるまで時間がかかり、インゴットが小さいほど少ない時間で済む。第8世代以上のガラス基板サイズに対応する大型の量産設備を用いることを前提とすれば、例えば2時間以上の加熱が必要となる。
上述のように、インゴット中にはわずかながら不純物が混入している。インゴット内部に巻き込まれた不純物等の異物は、可能な限り高温で加熱することにより拡散させ、分散させることで、微細化を図ることができる。但し、融点以上の温度で熱せられるとインゴットが溶融してしまう。インゴットの結晶組織中、Mn等の偏析により濃度が不均一となっている場合、その濃度差により、一部の結晶組織のみが溶融して固相と液相とに分かれる固液分離が発生し得る。このような状態で熱間圧延を施すと、液相の部分から割れが発生する場合もある。図1のCu−Mn合金の2元系状態図に示されているように、Cu−Mn合金系において、融点の最小値はMn濃度が37原子%における871℃である。したがって、例えば870℃未満の温度、つまり、全組成範囲で液相が生じない温度範囲でインゴットを加熱すれば、固液分離を抑制することができる。
一方、加熱温度が低すぎると、結晶組織中の不均一な部分の拡散が起こり難くなってしまう。また、インゴットが硬質な状態のままとなり、圧延時の負荷も高くなってしまう。そこで、上述の加熱温度の下限値を例えば800℃としている。係る温度は、本実施形態の範囲内において最も硬質な、Mn濃度が30原子%における軟化温度が約700℃であることに基づいて定められている。
本実施形態のように、上述の温度帯域で加熱した後、熱間圧延を施すことで、Cu−Mn合金の結晶組織中のMn濃度の均一化を図りつつ、異物を拡散させることができる。これにより、異物を微細化させて所定値以下のサイズに抑え、また、Cu−Mn合金の所定面積あたりの異物の個数(存在頻度)を低減させることができる。
また、本実施形態では、熱間圧延での加工度を90%以上としている。これにより、Cu−Mn合金中の平均結晶粒径を10μm以上50μm以下の比較的微細な結晶粒子とすることができる。
その後、上記所定の結晶構造となった圧延板に鏡面研磨等の機械加工を施して、例えば所定の外径及び厚さを備える矩形に成形する。以上により、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10が製造される。
以上のように、本実施形態によれば、異物による異常放電の影響を低減しつつ、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10を、大気溶解による鋳造と熱間圧延とを用いた安価な量産工程により、製造することができる。
(3)Cu−Mn合金膜の形成方法
次に、本発明の一実施形態に係るCu−Mn合金スパッタリングターゲット材10を用いたスパッタリングにより、Cu−Mn合金膜を形成する方法について図2を用いて説明する。係るCu−Mn合金膜は、例えばTFT等の半導体素子が備える積層配線の配線構造に用いられ、以下に述べるCu−Mn合金膜の形成方法は、例えば半導体素子の製造工程の一工程として実施される。
図2は、本発明の一実施形態に係るCu−Mn合金スパッタリングターゲット材10が装着されたスパッタリング装置20の縦断面図である。なお、図2に示すスパッタリング装置20はあくまでも一例である。
図2に示すように、スパッタリング装置20は、真空チャンバ21を備えている。真空チャンバ21内の上部には基板保持部22sが設けられ、成膜対象となる基板Sが、成膜される面を下方に向けて保持される。真空チャンバ21内の底部には、図示しない水冷等の冷却機構と磁石とを備えるターゲット保持部22tが設けられ、例えばCu−Mn合金スパッタリングターゲット材10が接合された図示しないバッキングプレートが保持される。これにより、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10が、基板Sの被成膜面と対向するよう、スパッタ面を上方に向けて保持される。なお、スパッタリング装置20内に複数の基板Sを保持して、これら基板Sを一括処理、或いは連続処理してもよい。また、基板S上には、Cu−Mn合金膜Mの下地となるIGZO膜等が予め形成されていてもよい。
また、真空チャンバ21の一方の壁面にはガス供給管23fが接続され、ガス供給管23fと対向する他方の壁面にはガス排気管23vが接続されている。ガス供給管23fには、アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスを真空チャンバ21内に供給する図示しないガス供給系が接続されている。ガス排気管23vには、Arガス等の真空チャンバ21内の雰囲気を排気する図示しないガス排気系が接続されている。
係るスパッタリング装置20にて基板Sへの成膜を行う際は、Arガス等を真空チャンバ21内に供給し、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10を接地(アース)して、基板Sに正の高電圧が印加されるよう、真空チャンバ21に対してDC放電電力(DCパワー)を投入する。
これにより、主にCu−Mn合金スパッタリングターゲット材10と基板Sとの間にプラズマが生成され、プラスのアルゴン(Ar)イオンGが、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10のスパッタ面に衝突する。ArイオンGの衝突により、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10から叩き出されたCu、Mn等の元素を含むスパッタ粒子Pが基板Sの被成膜面へと堆積されていく。
このとき、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10の下方に配置されたターゲット保持部22tの磁石により、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10の表面に磁場空間が形成されてプラズマが高密度化し、実用レベルにまでスパッタ速度を高めることができる。またこの間、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10は、バッキングプレートを介して水冷等により冷却されており、不必要な温度上昇を抑制することができる。
以上により、基板S上には、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10と略同様の組成を有するCu−Mn合金膜Mが成膜される。
このとき、上述したように、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10中の平均結晶粒径は10μm以上50μm以下と微細である。また、高濃度Mnや不純物等を含む異物のサイズや個数を所定値以下に抑制している。これにより、スパッタリング中の異常放電が発生し難い。よって、異常放電によるパーティクルの発生を抑制し、高品質のCu−Mn合金膜Mを得ることができる。
なお、上述のようなアーキングや、装置等から発生する異物の影響を軽減するための装置上の構成として、例えば上記に挙げたスパッタリング装置20では、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10を装置下方に、成膜面を下に向けた基板Sを装置上方に配置している。ただし、ターゲット材と基板との上下位置が逆の装置や、ターゲット材と基板とを垂直に立てて対向させる装置等、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10は、種々のタイプのスパッタリング装置に装着して用いることができる。
以上により、例えば膜中の平均濃度が5原子%以上30原子%以下のMnを含有するCu−Mn合金膜Mが成膜される。このようにCu−Mn合金膜Mが形成された基板Sは、例えば所望の配線パターンにCu−Mn合金膜Mをパターニングして配線が形成された後、TFTをはじめとする各種の半導体素子として利用される。
(4)薄膜トランジスタの構造
Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10を用いて形成したCu−Mn合金膜は、上述のように、例えばIGZO膜を備える半導体素子としての薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)の配線構造に適用することが可能である。このとき、Cu−Mn合金膜を単独でTFTの配線構造として用いることも可能であるが、いっそう低抵抗の配線構造とするため、例えばCu−Mn合金膜を、拡散バリア性を備えるバリア膜として用い、純Cu膜を配線膜として用いたCu−Mn/Cu/Cu−Mnの積層配線を備えるTFTとすることも可能である。
以下に、Cu−Mn合金膜をバリア膜として用いたTFTの一例として、IGZO系TFT30の構造について図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係るIGZO系TFT30の概略断面図である。
図3に示されているように、IGZO系TFT30は、例えばガラス基板31と、ガラス基板31上に形成されたゲート電極32と、ゲート電極32上にゲート絶縁膜33を介してソース電極35S及びドレイン電極35D(以下、ソース−ドレイン電極35S,35Dともいう)と、を備える。これらの電極32,35S,35Dは例えば素子ごとに形成され、ガラス基板31は、例えば複数の素子がアレイ状に配列されるよう切り出されている。
ゲート電極32には、例えば図示しないゲート配線が接続されている。ゲート配線には、外部と電気信号をやり取りする図示しない電極パッドが形成されている。
主に、ゲート電極32、ゲート配線、及び電極パッド等は、本実施形態に係る薄膜トランジスタ(TFT)のゲート電極構造をなす。
ゲート電極32上には、例えばSiN膜又はSiO膜等からなるゲート絶縁膜33が形成されている。
また、ゲート電極32上には、ゲート絶縁膜33を介して、所定パターンに成形された酸化物半導体としてのチャネル部34が形成されている。チャネル部34は、例えばInGaZnOを原材料として、スパッタリング等により形成された酸化インジウムガリウム亜鉛(InGaZnO:IGZO)膜からなる。
チャネル部34上には、チャネル部34が備えるバックチャネル34bを挟んで向かい合うよう所定パターンに成形されたソース−ドレイン電極35S,35Dが形成されている。ソース−ドレイン電極35S,35Dには、図示しないソース−ドレイン配線が接続されている。ソース−ドレイン配線には、外部と電気信号をやり取りする図示しない電極パッドが形成されている。
主に、ソース−ドレイン電極35S,35D、ソース−ドレイン配線、及び電極パッド等は、本実施形態に係る薄膜トランジスタ(TFT)のソース−ドレイン電極構造をなす。
ソース−ドレイン電極35S,35Dを含む積層配線は、ガラス基板31上に、下部バリア膜35bと、配線膜35mと、上部バリア膜35tと、がこの順に積層された配線構造を有する。
下部バリア膜35b及び上部バリア膜35tは、いずれか一方あるいは両方が上述のCu−Mn合金スパッタターゲット材10を用いて形成され、膜厚が例えば50nm以上100nm以下のCu−Mn合金膜からなる。Cu−Mn合金膜は、例えば膜中の平均濃度が5原子%以上30原子%以下のMnを含有する。
配線膜35mは、例えば純度が3N(99.9%)以上の無酸素銅を原材料として、スパッタリング等により形成され、例えば膜厚が200nm以上300nm以下の純Cu膜からなる。なお、純Cu膜には、不可避的不純物が含まれていてもよい。
このように、低抵抗の純Cuからなる配線膜35mを、Cu−Mn合金からなるバリア膜35b,35tで挟んだ構造とすることで、ソース−ドレイン電極35S,35DやTFT配線の抵抗を抑えることができる。また、形成したCu−Mn/Cu/Cu−Mn積層膜に熱処理を施すことで、チャネル部34と下部バリア膜35bとの界面(IGZO膜/Cu−Mn合金膜)に酸化マンガン(MnOx)膜が形成され、例えば下部バリア膜35bの拡散バリア性を高めることができる。
このように、IGZO系TFT30は、上記各電極32,35S,35Dと、これらにそれぞれ接続される配線等を有している。
主に、上述のソース−ドレイン電極構造、すなわち、ソース−ドレイン電極35S,35D、ソース−ドレイン配線、及び電極パッド等により、本実施形態に係る薄膜トランジスタ(TFT)の配線構造が構成される。このとき、上述のゲート電極構造、すなわち、ゲート電極32、ゲート配線、電極パッドをTFTの配線構造に含めて考えてもよい。
また、ガラス基板31上の略全面には、ソース−ドレイン電極35S,35D及び露出したバックチャネル34bを覆って保護膜36が形成されている。
保護膜36は、例えばプラズマCVD等により形成されたSiO膜からなる。保護膜36をSiO膜とすることで、α−Si系TFTで保護膜として使用される窒化シリコン(SiN)膜等とは異なり、水素還元雰囲気ではなく酸化性ガス雰囲気下で保護膜36を形成することができ、IGZO膜の金属的な特性への変質を抑制できる。
また、酸化性ガス雰囲気下で保護膜36を形成した場合であっても、高い拡散バリア性を備えるCu−Mn合金膜からなる上部バリア膜35tが介在していることで、下層の純Cu膜からなる配線膜35mへと酸素が拡散して酸化され、抵抗値が上昇してしまうことを抑制することができる。
なお、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材10を用いて形成可能なTFTの構成は、上述したものに限られない。例えば、純Cuに何らかの添加材を加えたCu膜を配線膜に用いることができる。また、配線構造を、Cu膜の片側にのみCu−Mn合金膜が設けられるよう構成したり、Cu膜を用いずにCu−Mn合金膜のみから構成したりする等、上述とは異なる膜構成とすることができる。
また、本実施形態に係るCu−Mn合金膜を、上述のTFTの構成のうち、ゲート電極構造に用いてもよい。このとき、例えば純Cu膜をゲート電極膜として用い、片側のみあるいは上下両方にCu−Mn合金膜を備える積層構造とすることができる。
なお、純Cuに何らかの添加材を加えたCu膜をゲート電極膜に用いてもよく、また、ゲート電極構造をCu−Mn合金膜のみから構成してもよい。
また、IGZO膜を用いたIGZO系TFTのほか、ZnO系TFT、或いはα−Si系TFT等に用いるCu−Mn合金膜の形成にもCu−Mn合金スパッタリングターゲット材10を用いることができる。
また、TFTの用途も液晶パネル等に限られず、有機ELに用いる駆動用のTFT等であってもよい。また、TFTのみならず、Si太陽電池素子等のSi半導体を用いた各種の半導体素子の配線構造や、タッチパネルの配線構造にも適用可能である。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
(1)実施例1〜3
本発明の実施例1〜3に係るCu−Mn合金膜の各種の評価結果について、比較例1,2と共に説明する。
(Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材の製作)
まず、平均濃度が10原子%のMnを含有する実施例1〜3及び比較例1,2に係るCu−Mn合金スパッタリングターゲット材を、上述の実施形態と同様の手法により製作した。但し、比較例1,2には、上述の実施形態の要件を外れる処理が含まれるようにした。また、実験用のスパッタリング装置に取り付けられるよう、Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材の形状を、直径100mm、厚さ5mmの円板状とした。
(Cu−Mn合金の結晶組織観測)
Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材に成形する前、つまり、圧延直後のCu−Mn合金の圧延板について、EDX分析により、圧延板中のMn濃度とその差を測定した。EDX分析による測定は、1cm×1cmの大きさに切り出したブロック状の各圧延板3個ずつについて行った。このとき、CuとMnとのエッチングされ易さの違いが影響しないよう、鏡面研磨後のエッチングは行わないこととした。各圧延板につき、無作為にピックアップした10箇所について200μm×100μmの視野内でEDXの面分析を行った。そして、10箇所それぞれの測定ポイントについて、Mn濃度の最高部分と最低部分とについてEDXの点分析を実施し、Mn濃度の最大値および最小値の平均濃度からの差を求めた。以下に、具体的な測定の流れを示す。
日立製作所製S−4300を用い、倍率500倍(≒250μm×180μm視野)〜倍率1000倍(≒120μm×70μm視野)にてSEM画像を取得した。このとき、電子銃の加速電圧を15kvとし、W.D.(Working Distance:対物レンズと試料との距離)を15mmとした。鋳造時に巻き込んだ異物や不純物の析出物は測定から除外すべく、異物やボイドが無い視野を選んだ。
この視野の全領域について、EDXを用いてCuとMnとの元素のマッピング分析を行った。分析時間を30分以上とし、この間、測定機によるスキャンを継続した。なお、分析時間が長すぎて、色分け表示されるマッピングの色の差が不明瞭とならないよう留意した。
次に、Mnを示す色が最も濃い部分(Mn濃度が最大の部分)と最も薄い部分(Mn濃度が最小の部分)とを目視で確認し、それらの部分にてEDXによる点分析(ポイント分析)を行った。EDX検出器のプローブ径は、一般的なもの(数μm〜数十μm)を用いた。点分析の時間は1分間とした。
以上のEDXの点分析により、各波長に対する強度のスペクトルを得た。このスペクトルの各ピークに対して、Cu、Mn、その他の元素が同定される。また、スペクトル強度から組成の定量分析結果を得て、Mn濃度の最大値および最小値と、その平均濃度からの差を求めた。
また、圧延直後のCu−Mn合金の圧延板について、SEMにより最大径が5μm以上の異物の個数を調べた。SEMによる観測は、1cm×1cmの大きさに切り出したブロック状の各圧延板3個ずつについて行った。このとき、各圧延板の表面に露出した異物の個数を数え、圧延板3個分の平均値をその実施例あるいは比較例の異物の個数、つまり、1cm×1cmあたりの異物の存在頻度とした。またこのとき、Cu−Mn合金の結晶組織における平均結晶粒径を測定した。
(異常放電の評価)
上述のように得られたCu−Mn合金スパッタリングターゲット材(直径100mm、厚さ5mm)を、図4に示されているように、アーキングの検出装置システム60を設けたスパッタリング装置120に装着し、アーキングの回数を測定した。
具体的には、基板電極となる基板保持部122sに接続されるDC電源124の出力側と基板保持部122sとの間に設けた検出器61により、基板保持部122sと、基板保持部122sに対向しカソード電極となるターゲット保持部122tと、の間に印加される電流と電圧とを検出した。検出された電流と電圧とを、コンピュータ等からなる制御部63により制御されるアークモニタ62でモニタし、アーキングの発生の有無を判定するとともに、アーキングの発生回数を測定した。
このときのスパッタリングの条件を以下の表1に示す。アーキングが発生し易いよう、ここではDCパワーを高めに設定した。係る条件下でのエロージョン深さは、2時間連続のスパッタリングで約2mmである。
すなわち、表1の条件は、長時間のスパッタリングによる温度上昇で、場合によってはターゲット材とバッキングプレートとのボンディングが剥がれてしまうほどの極限条件である。なお、スパッタリング開始直後のプリスパッタリング30秒間で発生した異常放電は、ターゲット材が大気に触れた影響として異常放電の回数からは除外した。
(評価結果)
以上により得られた各種の評価結果を、以下の表2に示す。
また、図5に、実施例1,2に係るCu−Mn合金の熱間圧延後の結晶組織を観測したSEM画像を示す。また、図6に、比較例1,2に係るCu−Mn合金の熱間圧延後の結晶組織を観測したSEM画像を示す。
図5に示されているように、実施例1,2(それぞれ図5(a),(b))の結晶組織中、異物やボイドは認められなかった。一方、図6(a)に示されているように、比較例1においては、結晶組織中に最大径が5μm以上の異物が認められた(図中、矢印)。EDX分析によれば、異物はMnを高濃度に含み、C,S,Si等を含む酸化物であった。また、図6(b)に示されているように、比較例2においては、結晶組織中に最大径が5μm以上のボイドが認められた(図中、矢印)。EDX分析によれば、ボイド部分には高濃度のMnやCが検出された。よって、係るボイドは、このような成分からなる異物が抜け落ちた跡と考えられる。
また、表2に示されているように、熱間圧延における温度が高いほど、また、加工度が高いほど、単位面積(1cm×1cm)あたりの5μm以上の異物の個数(異物の存在頻度)が少なくなる傾向がみられる。このような条件下での熱間圧延により、Cu−Mn合金の結晶組織が均一化し、異物が拡散されて少なくなるためと考えられる。
また、熱間圧延における温度が高いほど、また、加工度が高いほど、Mn濃度の最大値および最小値の平均濃度からの差(Mn濃度差)が小さくなる傾向がみられる。このような条件下での熱間圧延により、Cu−Mn合金の結晶組織が均一化し、異物が拡散されて少なくなるためと考えられる。
また、表2に示されているような結晶組織を備えることにより、実施例1〜3においては、いずれも異常放電の発生回数が0回〜1回であった。一方で、比較例1,2においては、異常放電の発生回数がそれぞれ11回、18回と、異常放電が高頻度で発生してしまった。
(2)実施例4〜7
本発明の実施例4〜7に係るCu−Mn合金膜の各種の評価結果について、比較例3〜6と共に説明する。
上述の実施例と同様の手法により、平均濃度が5原子%および30原子%のMnを含有する実施例4〜7及び比較例3〜6に係るCu−Mn合金スパッタリングターゲット材を製作し、上述の実施例と同様の評価を行った。評価結果を、以下の表3に示す。
表3に示されているように、熱間圧延工程における温度および加工度が上述の条件を満たす実施例4〜7においては、Mn濃度の差、および異物の存在頻度が所定範囲内であった。ただし、Cu−Mn合金中のMnの平均濃度が高いと異物の存在頻度は高く、Mnと不純物とが反応することで異物が発生し易くなってしまうと考えられる。また、特に、Mn濃度の差が±0.5原子%以内であると、異物の存在頻度および異常放電の発生回数をそれぞれゼロとすることができ、より好ましい結果が得られた。
一方、熱間圧延工程における温度および加工度が上述の条件を満たしていない比較例3〜6においては、Mn濃度の差、および異物の存在頻度の少なくともいずれか一方が所定範囲を外れてしまった。
10 Cu−Mn合金スパッタリングターゲット材
20 スパッタリング装置
30 IGZO系TFT(薄膜トランジスタ)
31 ガラス基板
32 ゲート電極
33 ゲート絶縁膜
34 チャネル部(酸化物半導体)
35b 下部バリア膜(Cu−Mn合金膜)
35D ドレイン電極
35m 配線膜(Cu膜)
35S ソース電極
35t 上部バリア膜(Cu−Mn合金膜)
36 保護膜(SiO膜)

Claims (8)

  1. 平均濃度が5原子%以上30原子%以下のMnを含有し、平均結晶粒径が10μm以上50μm以下のCu−Mn合金を母材とし、
    エネルギー分散型X線分析によるMn濃度の最大値および最小値の前記平均濃度からの差が±2原子%以内である
    ことを特徴とするCu−Mn合金スパッタリングターゲット材。
  2. 前記平均濃度よりも高濃度のMnと、不純物を含む酸化物と、のうち少なくともいずれかを含む異物が前記Cu−Mn合金中に存在する場合、
    前記Cu−Mn合金の1cm×1cm内の結晶組織中に、最大径が5μm以上の前記異物が10個以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のCu−Mn合金スパッタリングターゲット材。
  3. 前記不純物は、C,S,Si,Pのうち少なくともいずれかである
    ことを特徴とする請求項2に記載のCu−Mn合金スパッタリングターゲット材。
  4. 前記不純物は、C,S,Si,Pのうち少なくともいずれかであり、
    前記不純物の前記Cu−Mn合金の結晶組織中における平均濃度は、
    Cが10ppm以下、Sが20ppm以下、Siが20ppm以下、Pが100ppm以下である
    ことを特徴とする請求項2に記載のCu−Mn合金スパッタリングターゲット材。
  5. 前記Mn濃度の最大値および最小値の前記平均濃度からの差が±0.5原子%以内である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のCu−Mn合金スパッタリングターゲット材。
  6. 純度3N以上のCuに対し、5原子%以上30原子%以下の平均濃度となるよう純度3N以上のMnを添加した原料を溶解し鋳造して鋳造物とした後、
    前記鋳造物を800℃以上870℃以下の温度で加熱して前記鋳造物の全体の均熱化を図り、90%以上の加工度で熱間圧延する
    ことを特徴とするCu−Mn合金スパッタリングターゲット材の製造方法。
  7. 酸化物半導体上にCu−Mn合金膜が形成されてなる配線構造を基板上に備え、
    前記Cu−Mn合金膜は、請求項1〜5のいずれかに記載のCu−Mn合金スパッタリングターゲット材または請求項6に記載の方法により製造されるCu−Mn合金スパッタリングターゲット材を用いて形成された
    ことを特徴とする半導体素子。
  8. 前記配線構造は、純Cu膜と、前記純Cu膜を間に挟んだ2層の前記Cu−Mn合金膜と、を備える
    ことを特徴とする請求項7に記載の半導体素子。
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