JP6377231B1 - Mn−Zn−W−O系スパッタリングターゲット及びその製造方法 - Google Patents

Mn−Zn−W−O系スパッタリングターゲット及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Wに対するMnの金属モル比(Mn/W)が1.0以上でありながら、DCスパッタリングに供した際に、異常放電が抑制され、かつ、安定した成膜を可能にするMn−Zn−W−O系スパッタリングターゲット及びその製造方法を提供すること。【解決手段】Mnと、Znと、Wと、Oと、を成分組成に含むMn−Zn−W−O系スパッタリングターゲットであって、Wに対するMnの金属モル比(Mn/W)が1.0以上であり、Wと、MnWO4と、MnOと、の結晶相を含み、Wの結晶相とMnWO4の結晶相との合計100モル%に対して、Wの結晶相が16モル%超であるスパッタリングターゲット。【選択図】なし

Description

本発明は、特に、光情報記録媒体の記録層の形成に有用な、Mn−Zn−W−O系スパッタリングターゲット及びその製造方法に関する。
近年、安価な材料コストで良好な記録特性が得られる追記型光ディスクの記録層として、マンガン酸化物と複数の無機元素とを含む記録層が実用化されている。
上記記録層は、マンガン酸化物と複数の無機元素とからなるスパッタリングターゲットを用いて形成することができる。スパッタリング法としては、高周波スパッタリング法、直流(DC)スパッタリング法等があるが、生産性の観点から、DCスパッタリング法を用いることが望ましい。
しかし、DCスパッタリング法では、スパッタリングターゲットに直流電圧をかけるため、スパッタリングターゲット中の金属酸化物により十分な導電性が得られない場合、異常放電(アーキング)が発生するおそれがある。成膜中に異常放電が発生すると、記録層にダメージが与えられ、歩留まり低下の原因となる。
このような背景から、特許文献1では、DCスパッタリングに供しても、異常放電が発生せず安定した成膜を可能とする、Mn−Zn−W−O系スパッタリングターゲットが提案されている。
特開2017−088932号公報
しかし、本発明者が、特許文献1のMn−Zn−W−O系スパッタリングターゲットについてさらに検討を重ねたところ、スパッタリングターゲット中に含まれるWに対するMnの金属モル比(Mn/W)を1.0以上とすると、異常放電が発生しやすくなることが判明した。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、Wに対するMnの金属モル比(Mn/W)が1.0以上でありながら、DCスパッタリングに供した際に、異常放電が抑制され、かつ、安定した成膜を可能にするMn−Zn−W−O系スパッタリングターゲット及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、Mnと、Znと、Wと、Oと、を成分組成に含むMn−Zn−W−O系スパッタリングターゲットであって、Wに対するMnの金属モル比(Mn/W)が1.0以上であり、Wと、MnWO4と、MnOと、の結晶相を含み、Wの結晶相とMnWO4の結晶相との合計100モル%に対して、Wの結晶相が16モル%超であるスパッタリングターゲットを提供する。
前記スパッタリングターゲットは、前記成分組成にさらにCuを含んでもよい。
前記スパッタリングターゲットは、Mg、Ag、Ru、Ni、Zr、Mo、Sn、Bi、Ge、Co、Al、In、Pd、Ga、Te、V、Si、Ta、Cr、及びTbからなる群より選択される少なくとも1種以上の元素を、前記成分組成にさらに含んでもよい。
また本発明は、前記Mn−Zn−W−O系スパッタリングターゲットの製造方法であって、マンガン酸化物粉末と、亜鉛酸化物粉末と、金属タングステン粉末と、を含む混合粉末を、12時間以上湿式混合する混合工程と、前記混合工程の後、前記混合粉末を600℃以上の温度で焼結する焼結工程と、を含む製造方法を提供する。
前記混合粉末は、銅含有粉末をさらに含んでもよい。
前記銅含有粉末は、金属銅粉末であってもよい。
前記混合粉末は、Mg、Ag、Ru、Ni、Zr、Mo、Sn、Bi、Ge、Co、Al、In、Pd、Ga、Te、V、Si、Ta、Cr、及びTbからなる群より選択される少なくとも1種の元素の単体又は化合物からなる粉末をさらに含んでもよい。
本発明によれば、Wに対するMnの金属モル比(Mn/W)が1.0以上でありながら、DCスパッタリングに供した際に、異常放電が抑制され、かつ、安定した成膜を可能にするMn−Zn−W−O系スパッタリングターゲット及びその製造方法を提供できる。
実施例1に係るスパッタリングターゲットのX線光電子分光法による光電子スペクトルを示す図である。 比較例1に係るスパッタリングターゲットのX線光電子分光法による光電子スペクトルを示す図である。
以下、本実施形態について詳しく説明する。
[Mn−Zn−W−O系スパッタリングターゲット]
本実施形態に係るMn−Zn−W−O系スパッタリングターゲット(以下、単に「ターゲット」という。)は、Mnと、Znと、Wと、Oと、を成分組成に含み、Wに対するMnの金属モル比(Mn/W)が1.0以上であり、Wと、MnWOと、MnOと、の結晶相を含み、Wの結晶相とMnWOの結晶相との合計100モル%に対して、Wの結晶相が16モル%超である。
本実施形態に係るターゲットによれば、Wに対するMnの金属モル比(Mn/W)が1.0以上でありながら、DCスパッタリングに供した際に、異常放電が抑制され、かつ、安定した成膜が可能になる。
以下、本実施形態に係るターゲットの詳細について説明する。
本実施形態に係るターゲットは、Wに対するMnの金属モル比(Mn/W)が1.0以上である。ターゲットの各原材料の使用量を変えることにより、Mn/Wを調整することができる。上限については、特に制限はないが、5.0以下であってもよく、3.0以下であってもよく、2.0以下であってもよい。
その他の成分比としては、Wに対するMnの金属モル比(Mn/W)が1.0以上ということを前提とすれば、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、Mnと、Znと、Wと、の合計100原子%に対して、Mnが10原子%〜70原子%であり、Znが10原子%〜60原子%であり、Wが10原子%〜40原子%であってもよい。あるいは、Mnと、Znと、Wと、の合計100原子%に対して、Mnが15原子%〜60原子%であり、Znが15原子%〜50原子%であり、Wが15原子%〜35原子%であってもよい。
本実施形態に係るターゲットは、成分組成にCuを含んでもよい。成分比については、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、Mnと、Znと、Wと、Cuと、の合計100原子%に対して、Cuが10原子%〜40原子%であってもよい。あるいは、Mnと、Znと、Wと、Cuと、の合計100原子%に対して、Cuが15原子%〜35原子%であってもよい。
本実施形態に係るターゲットは、必要に応じて、その他の成分組成を含んでいてもよい。他の元素を適宜含有させることで、例えば、情報記録媒体の記録層形成のためにターゲットを用いる場合、記録層の透過率、反射率、及び記録感度を調整することができる。他の元素としては、例えば、Mg、Ag、Ru、Ni、Zr、Mo、Sn、Bi、Ge、Co、Al、In、Pd、Ga、Te、V、Si、Ta、Cr、及びTbからなる群より選択される少なくとも1種の元素が挙げられる。
上記Mg、Ag、Ru、Ni、Zr、Mo、Sn、Bi、Ge、Co、Al、In、Pd、Ga、Te、V、Si、Ta、Cr、及びTbからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含有する場合、その合計の含有率は、例えば、ターゲットの構成元素のうち、O(酸素)を除いた構成元素の合計100%に対して、8原子%〜70原子%とすることができる。
また、本実施形態に係るターゲットは、Wの結晶相、MnWOの結晶相、及びMnOの結晶相を含んでいる。
ターゲットに含まれる結晶相は、X線回折法により確認することができる。ターゲットのX線回折スペクトルの取得は、常法に従い行うことができる。例えば、株式会社リガク製のSmartLabを用いて、θ−2θスキャンして、X線回折スペクトルを取得すればよい。X線回折の測定条件はターゲットに応じて適宜定まり、例えば以下の条件の範囲内から選択することができる。
X線源:Cu−Kα線
出力設定:30kV、15mA
測角範囲:2θ=15°〜70°
スキャン速度:2°(2θ/min)、連続スキャン
発散スリット:1°
散乱スリット:1°
受光スリット:0.3mm
ターゲットの主な結晶相の回折ピークは、以下の範囲で検出される。
Wの回折ピーク:40.26°±0.3°
MnOの回折ピーク:35.16°±0.3°、40.99°±0.3°、59.18°±0.3°
MnWOの回折ピーク:29.8°±0.3°、30.23°±0.3°
ZnOの回折ピーク:36.3°±0.3°
Cuの回折ピーク:43.47°±0.3°、50.67°±0.3°
本実施形態に係るターゲット中のWのうち、Wの結晶相の割合は、Wの結晶相とMnWOの結晶相との合計100モル%に対して、16モル%超である。具体的には、18モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましい。上限については、特に制限はないが、60モル%以下であってもよく、40モル%以下であってもよい。
Wの結晶相の割合は、Wに対するMnの金属モル比(Mn/W)を小さくすることで増加させることができる。また、Wの結晶相の割合は、後述する焼結工程における焼結温度を低くすることで増加させることができる。
Wの結晶相の割合は、X線光電子分光法により確認することができる。まず、ターゲットの表面を研磨する。次に、ターゲットの光電子スペクトルを取得する。ターゲットの光電子スペクトルの取得は、常法に従い行うことができる。例えば、KRATOS社製のAXIS−HSを用いて、光電子スペクトルを取得すればよい。X線光電子分光法の測定条件はターゲットに応じて適宜定まり、例えば、以下の条件の範囲内から選択することができる。
X線源:Al
出力設定:14kV、10mA
測定範囲:0eV〜1100eV
パスエネルギー:30eV
Wの結晶相とMnWOの結晶相とに起因する光電子ピークは、以下に検出される。
Wの結晶相の光電子ピーク:約31.4eV付近
MnWOの結晶相の光電子ピーク:約35.0eV付近
上記光電子ピークのピーク面積から、Wの結晶相とMnWOの結晶相との合計を100モル%とした場合の、Wの結晶相のモル%を求める。
なお、上記Wの結晶相の光電子ピークは、価数が0であるWの4f軌道光電子ピークであり、上記MnWOの結晶相の光電子ピークは、価数が+6であるWの4f軌道光電子ピークである。
本実施形態に係るターゲットは、ターゲットに含まれるWのうち、Wの結晶相として含まれている割合が、16モル%超であることが好ましく、18モル%以上であることがより好ましく、20モル%以上であることがさらに好ましい。上限については、特に制限はないが、60モル%以下であってもよく、40モル%以下であってもよい。
なお、本実施形態に係るターゲットの形状は何ら限定されることはなく、円盤状、円筒状、四角形板状、長方形板状、正方形板状等の任意の形状とすることができ、ターゲットの用途に応じて適宜選択することができる。また、ターゲットの幅及び奥行きの大きさ(円形の場合には直径)についても、mmオーダー〜mオーダー程度の範囲で、ターゲットの用途に応じて適宜選択することができる。例えば、ターゲットが円形の場合、一般的には直径50mm〜300mm程度である。厚みについても同様であるが、一般的には1mm〜20mm程度である。
また、ターゲットは、特に、光情報記録媒体の記録層の形成に有用であるが、用途は何ら限定されるものではない。
[ターゲットの製造方法]
次に、本実施形態に係るターゲットの製造方法について説明する。本実施形態に係る製造方法は、混合工程と、焼結工程と、を含む。
まず、混合工程にて、マンガン酸化物粉末と、亜鉛酸化物粉末と、金属タングステン粉末とを含む混合粉末を、12時間以上湿式混合する。
マンガン酸化物粉末としては、例えば、Mn、Mn、MnO、MnO、MnO、Mn等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。上記マンガン酸化物の中でも、焼結温度と融点との関係よりMnが好ましい。
マンガン含有粉末の平均粒径としては、特に限定されず、例えば、3μm〜15μm程度とすることができる。
亜鉛酸化物粉末としては、例えば、ZnOを用いることができる。
亜鉛酸化物粉末の平均粒径としては、特に限定されず、例えば、0.1μm〜3μm程度とすることができる。
金属タングステン粉末の平均粒径としては、特に限定されず、例えば、1μm〜10μm程度とすることができる。
上記混合粉末に、銅含有粉末を含ませてもよい。銅含有粉末としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Cuの単体からなる金属銅粉末が挙げられる。
銅含有粉末の平均粒径としては、特に限定されず、例えば、1μm〜50μm程度とすることができる。
また、製造するターゲットの所望の目的に応じて、上記マンガン酸化物粉末、亜鉛酸化物粉末、金属タングステン粉末、及び銅含有粉末以外のその他の粉末を、混合粉末に含ませてもよい。その他の粉末としては、例えば、Mg、Ag、Ru、Ni、Zr、Mo、Sn、Bi、Ge、Co、Al、In、Pd、Ga、Te、V、Si、Ta、Cr、及びTbからなる群より選択される少なくとも1種の元素の単体又は化合物からなる粉末が挙げられる。
湿式混合の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、従来公知のボールミル装置を用いた湿式混合方法等が挙げられる。
湿式混合時間は、12時間以上とする。混合時間を12時間以上とすることにより、十分に混合粉末を混合することができ、焼結中のマンガン酸化物の固相反応を促進して、焼結後の酸化マンガンの結晶相の残留を抑制することができる。混合時間は、16時間以上とすることが好ましく、20時間以上とすることがより好ましい。24時間混合すると、混合の効果は飽和する。
次に焼結工程にて、混合粉末を600℃以上の温度で焼結する。焼結温度の上限は、焼結時のターゲットの成分組成にもより、特に限定されないが、1000℃以下とすることができる。焼結温度は、700℃〜900℃程度とすることが好ましい。
焼結法としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不活性ガス雰囲気中でのホットプレス、熱間等方圧加圧法(HIP法:Hot Isostatic Pressing)等が挙げられる。
焼結時間は、特に限定されず、適宜選択することが可能であり、一般的に行われる1時間〜6時間程度の焼結時間とすればよい。
また、焼結時に加える圧力についても、特に限定されず、適宜調整することができるが、300kgf/cm〜900kgf/cm程度が好ましい。なお、1kgf/cmは、98.1kPaに相当する。
以上の工程を経て、Wに対するMnの金属モル比(Mn/W)が1.0以上であり、Wと、MnWOと、MnOと、の結晶相を含み、Wの結晶相とMnWOの結晶相との合計100モル%に対して、Wの結晶相が16モル%超である本実施形態に係るターゲットを製造することができる。
なお、本実施形態に係る製造方法は、上記混合工程及び焼結工程以外にも、他の工程を含んでもよい。他の工程としては、例えば、ターゲットの形状を形成するために行われる、混合粉末の成形工程が挙げられる。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[スパッタリングターゲットの製造方法]
<実施例1>
実施例1では、原料粉末として、以下の粉末を用意した。
Mn粉末(純度:99.9%以上、平均粒径:10μm)
ZnO粉末(純度:99.9%以上、平均粒径:2μm)
W粉末(純度:99.9%以上、平均粒径:5μm)
Cu粉末(純度:99.9%以上、平均粒径:30μm)
各含有金属の割合が、Mn:W:Zn:Cu=40:20:20:20(原子%)となるように、上記原料粉末を秤量した。秤量した各原料粉末並びに各原料粉末の合計重量の0.5倍のジルコニアボール(直径5mm)及び0.5倍のエタノールを、容器に入れ、ボールミル装置にて、湿式混合を20時間行った。混合した上記原料粉末を含んだスラリー溶液から、目開き2mmの篩を使用し、ジルコニアボールを分離した。スラリー溶液を加熱乾燥させ、目開き250μmの篩を用い解砕し、混合粉末を得た。次いで、上記混合粉末に対し、焼結温度700℃にて2時間、500kgf/cmの圧力を加え、アルゴン雰囲気中でホットプレスを行い、スパッタリングターゲットを作製した。スパッタリングターゲットの形状は円盤状であり、サイズは直径50mmである。
<実施例2>
実施例2では、焼結温度を800℃とし、焼結時の圧力を400kgf/cmとした以外は、実施例1と同様の方法でスパッタリングターゲットを作製した。
<比較例1>
比較例1では、焼結温度を900℃とし、焼結時の圧力を300kgf/cmとした以外は、実施例1と同様の方法でスパッタリングターゲットを作製した。
<実施例3>
実施例3では、各含有金属の割合をMn:W:Zn:Cu=20:20:30:30(原子%)とし、焼結温度を900℃とし、焼結時の圧力を300kgf/cmとした以外は、実施例1と同様の方法でスパッタリングターゲットを作製した。
<実施例4>
実施例4では、各含有金属の割合をMn:W:Zn:Cu=30:20:25:25(原子%)とし、焼結温度900℃とし、焼結時の圧力を300kgf/cmとした以外は、実施例1と同様の方法でスパッタリングターゲットを作製した。
<実施例5>
実施例5では、各含有金属の割合をMn:W:Zn:Cu=35:20:25:20(原子%)とし、焼結温度900℃とし、焼結時の圧力を300kgf/cmとした以外は、実施例1と同様の方法でスパッタリングターゲットを作製した。
<比較例2>
比較例2では、各含有金属の割合をMn:W:Zn:Cu=50:20:15:15(原子%)とし、焼結温度900℃とし、焼結時の圧力を300kgf/cmとした以外は、実施例1と同様の方法でスパッタリングターゲットを作製した。
[評価]
上記の実施例1から5並びに比較例1及び2で作製したスパッタリングターゲットについて、結晶相の成分評価、W結晶相の成分比、及び異常放電回数の測定を行った。各評価は、以下のように行った。得られた評価結果を表1に示した。
<結晶相の成分評価>
X線回折法により、スパッタリングターゲットの結晶相の成分評価を行った。X線回折にあっては、株式会社リガク製のSmartLabを用いて、θ−2θスキャンし、X線回折スペクトルを得た。試験条件は以下の通りである。
X線源:Cu−Kα線
出力設定:30kV、15mA
測角範囲:2θ=15°〜70°
スキャン速度:2°(2θ/min)、連続スキャン
発散スリット:1°
散乱スリット:1°
受光スリット:0.3mm
<Wの結晶相の成分比>
スパッタリングターゲットの表面を研磨した後、KRATOS社製のAXIS−HSを用いて、X線光電子分光法により、光電子スペクトルを得た。代表例として、実施例1に係るスパッタリングターゲットの光電子スペクトルを図1に、比較例1に係るスパッタリングターゲットの光電子スペクトルを図2に示す。試験条件は、以下の通りである。
X線源:Al
出力設定:14kV、10mA
測定範囲:0eV〜1100eV
パスエネルギー:30eV
約31.4eV付近で検出されたWの結晶相の光電子ピークのピーク面積と、約35.0eV付近で検出されたMnWOの結晶相の光電子ピークのピーク面積とから、Wの結晶相とMnWOの結晶相との割合を求めた。
<異常放電回数の測定>
上記の実施例1から5並びに比較例1及び2で作製したスパッタリングターゲットを、無酸素銅製のバッキングプレートにInはんだで接着した。これらスパッタリングターゲットをスパッタリング装置に取り付け、1×10−4Pa以下まで真空排気を行った後、ArガスとOガスとを導入し、装置内圧力を0.3Paとした。酸素の割合(O/Ar+O)は70%とした。DC電源にて電力5W/cmを印加して、30分間スパッタリングを行い、アーキングカウンターによりスパッタリング中の異常放電の回数を測定した。
Figure 0006377231
以上の結果から、Mn−Zn−W−Cu−O系スパッタリングターゲット中に含まれるWに対するMnの金属モル比(Mn/W)が1.0以上であっても、Wの結晶相とMnWOの結晶相との合計100モル%に対して、Wの結晶相が16モル%超であれば、異常放電回数が抑制され、16モル%以下であれば異常放電が発生することが確認された。

Claims (7)

  1. Mnと、Znと、Wと、Oと、を成分組成に含むMn−Zn−W−O系スパッタリングターゲットであって、
    Wに対するMnの金属モル比(Mn/W)が1.0以上であり、
    Wと、MnWOと、MnOと、の結晶相を含み、
    Wの結晶相とMnWOの結晶相との合計100モル%に対して、Wの結晶相が16モル%超であるスパッタリングターゲット。
  2. 前記成分組成にさらにCuを含む請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  3. Mg、Ag、Ru、Ni、Zr、Mo、Sn、Bi、Ge、Co、Al、In、Pd、Ga、Te、V、Si、Ta、Cr、及びTbからなる群より選択される少なくとも1種以上の元素を、前記成分組成にさらに含む請求項1又は2に記載のスパッタリングターゲット。
  4. 請求項1から3いずれかに記載のMn−Zn−W−O系スパッタリングターゲットの製造方法であって、
    マンガン酸化物粉末と、亜鉛酸化物粉末と、金属タングステン粉末と、を含む混合粉末を、12時間以上湿式混合する混合工程と、
    前記混合工程の後、前記混合粉末を600℃以上の温度で焼結する焼結工程と、を含む製造方法。
  5. 前記混合粉末が銅含有粉末をさらに含む請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記銅含有粉末が金属銅粉末である請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記混合粉末が、Mg、Ag、Ru、Ni、Zr、Mo、Sn、Bi、Ge、Co、Al、In、Pd、Ga、Te、V、Si、Ta、Cr、及びTbからなる群より選択される少なくとも1種の元素の単体又は化合物からなる粉末をさらに含む請求項4から6いずれかに記載の製造方法。
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