以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、第1の実施形態に係る無線通信システム100の利用環境の一例を示す。無線通信システム100は、移動局と基地局との通信途絶を予防するシステムである。
無線通信システム100は、移動局110、及び複数の基地局130a、基地局130b、基地局130c、・・・(以下、基地局130と総称する。)を備える。なおまた、基地局130は、この発明における「他局」の一例であってよい。
移動局110は、移動する無線局である。例えば、移動局110は、無人車両Vに設けられている。ここで、無人車両Vは、例えば、偵察、荷の運搬、爆発物の処理、輸送等の様々なオペレーションに使用される車両である。また、移動局110は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機、車速センサ、ジャイロ、及び車両制御装置と電気的に接続されている。ここで、GPS受信機は、例えば、複数のGPS衛星からの電波を受信して、それぞれとの距離を割り出すことにより、現在位置を測定する装置である。また、車速センサは、例えば、タイヤの回転数から車速を計測する装置である。また、ジャイロは、例えば、旋回方位と量を検出する装置である。車両制御装置は、例えば、無人車両Vを制御する装置である。車両制御装置は、例えば、無人車両Vの操作内容を示す操作データの入力を受け付けると、その操作データに基づいて、無人車両Vを制御する。また、車両制御装置は、例えば、無人車両Vの状態を示す車両データを出力する。なおまた、無人車両Vは、この発明における「移動体」の一例であってよい。
基地局130は、移動局110と通信するための無線局である。例えば、各基地局130は、陸上の所定位置にそれぞれ設けられている。そして、基地局130は、移動局110と無線通信接続される。また、基地局130は、通信回線Nを介して操作用端末Cと通信接続される。ここで、操作用端末Cは、無人車両Vを遠隔操作するための端末である。基地局130は、操作用端末Cから送信された操作データを受信すると、その操作データを、移動局110へ送信する。また、基地局130は、移動局110から送信された車両データを受信すると、その車両データを、操作用端末Cへ送信する。
ここで、建物等の障害物Bの周りには、基地局130aとの通信断絶が起こり得る場所Eaが存在しているものとする。同様に、建物等の障害物Bの周りには、基地局130bとの通信断絶が起こり得る場所Ebが存在しているものとする。
なおまた、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、無線通信システム100が一の移動局110を備える構成について説明する。しかしながら、無線通信システム100は、複数の移動局110を備えてよい。
図2は、移動局110のブロック構成の一例を示す。移動局110は、データ送受信部111、データ入出力部112、現在位置データ入力受付部113、車速データ入力受付部114、ジャイロデータ入力受付部115、通信途絶判定部116、無線通信方式変更部117、デジタル地図格納部118、及び位置情報格納部119を有する。以下の説明においては、各構成要素の機能、及び動作を詳述する。
データ送受信部111は、車両制御装置から出力された車両データを、基地局130を介して操作用端末Cへ送信する。また、データ送受信部111は、基地局130を介して操作用端末Cから送信された操作データを受信する。
データ入出力部112は、車両制御装置から出力された車両データの入力を受け付ける。また、データ入出力部112は、操作用端末Cから送信された操作データを、車両制御装置へ出力する。
現在位置データ入力受付部113は、無人車両Vの現在位置を示すデータの入力を受け付ける。
車速データ入力受付部114は、無人車両Vの車速を示すデータの入力を受け付ける。
ジャイロデータ入力受付部115は、無人車両Vの旋回方位と量を示すデータの入力を受け付ける。
通信途絶判定部116は、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得るか否かを判定する。例えば、通信途絶判定部116は、位置情報格納部119に格納されている情報を参照して、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得るか否かを判定する。
無線通信方式変更部117は、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得ると通信途絶判定部116が判定した場合に、接続を維持すべく無線通信方式を変更する。
デジタル地図格納部118には、デジタル地図が格納されている。ここで、デジタル地図は、電子化されコンピュータ処理が可能な地図である。
位置情報格納部119には、通信途絶が起こり得る位置の情報が格納されている。
図3は、位置情報格納部119に格納されている情報の一例をテーブル形式で示す。位置情報格納部119には、基地局ID(identifier)、及び地理座標(緯度,経度)の各情報が対応付けられて格納されている。
基地局IDの情報は、各基地局130を一意に識別するための識別符号である。以下の説明においては、基地局ID「130a」によって識別される基地局130を、基地局130aと称する。
地理座標(緯度,経度)の情報は、基地局IDによって識別される基地局130との通信途絶が起こり得る地球上の位置を表す座標を示す情報である。例えば、この例においては、基地局130aとの通信途絶が起こり得る位置が地理座標(lat1,lng1)周辺(Ea)であることを示している。
図4は、移動局110の動作フローの一例を示す。この動作フローの説明においては、移動局110が基地局130aと無線通信を行う場合を例にとって詳述する。なおまた、この動作フローの説明においては、図1から図3を共に参照する。
無人車両Vの操作者は、操作用端末Cを用いて無人車両Vを遠隔操作する。操作者による操作が成されると、操作用端末Cは、その操作内容を示す操作データを、基地局130aを介して移動局110へ送信する。
移動局110のデータ送受信部111は、基地局130aを介して操作用端末Cから送信された操作データを受信すると、その操作データを、データ入出力部112へ送る。
移動局110のデータ入出力部112は、データ送受信部111から送られた操作データを受け取ると、その操作データを、車両制御装置へ出力する。
車両制御装置は、移動局110から出力された操作データの入力を受け付けると、その操作データによって示される操作内容に従って、無人車両Vを制御する。
一方、車両制御装置は、例えば、所定時間置きに、無人車両Vの状態を示す車両データを、移動局110へ出力する。
移動局110のデータ入出力部112は、車両制御装置から出力された車両データの入力を受け付けると、その車両データを、データ送受信部111へ送る。
移動局110のデータ送受信部111は、データ入出力部112から送られた車両データを受け取ると、その車両データを、基地局130aを介して操作用端末Cへ送信する。
操作用端末Cは、基地局130aを介して移動局110から送信された車両データを受信すると、その車両データによって示される無人車両Vの状態の情報を出力する。
このようにして、無人車両Vの操作者は、無人車両Vの状態を確認しながら、無人車両Vの遠隔操作を行っている。
一方、無人車両Vが起動すると、GPS受信機は、無人車両Vの現在位置の測定を開始する。そして、GPS受信機は、測定した現在位置を示すデータを、経時的に繰り返し移動局110へ出力する。
同様に、無人車両Vが起動すると、車速センサは、無人車両Vの車速の計測を開始する。そして、車速センサは、計測した車速を示すデータを、経時的に繰り返し移動局110へ出力する。
同様に、無人車両Vが起動すると、ジャイロは、無人車両Vの旋回方位と量の検出を開始する。そして、ジャイロは、検出した旋回方位と量を示すデータを、経時的に繰り返し移動局110へ出力する。
移動局110の現在位置データ入力受付部113は、GPS受信機から出力されたデータの入力を受け付けると(S101)、そのデータを、通信途絶判定部116へ送る。
同様に、移動局110の車速データ入力受付部114は、車速センサから出力されたデータの入力を受け付けると(S102)、そのデータを、通信途絶判定部116へ送る。
同様に、移動局110のジャイロデータ入力受付部115は、ジャイロから出力されたデータの入力を受け付けると(S103)、そのデータを、通信途絶判定部116へ送る。
移動局110の通信途絶判定部116は、現在位置データ入力受付部113、車速データ入力受付部114、及びジャイロデータ入力受付部115から送られたデータをそれぞれ受け取ると、これらのデータによって示される各情報と、デジタル地図格納部118に格納されているデジタル地図と、位置情報格納部119に格納されている情報とに基づいて、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得るか否かを判定する(S104)。例えば、まず、通信途絶判定部116は、無人車両Vの現在位置、及び旋回方位と量に基づいて、デジタル地図上における無人車両Vの進行方向Dを特定する。そして、通信途絶判定部116は、位置情報格納部119に格納されている情報のうち、通信中の基地局130aとの通信途絶が起こり得る位置を示す地理座標(lat1,lng1)を読み出す。そして、通信途絶判定部116は、特定した無人車両Vの進行方向Dに基づいて、無人車両Vが地理座標(lat1,lng1)周辺(Ea)を通過するか否かを判定する。その結果、無人車両Vが地理座標「(lat1,lng1)周辺(Ea)を通過しない場合、通信途絶判定部116は、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得ないと判定する(S104:No)。一方、無人車両Vが地理座標(lat1,lng1)周辺(Ea)を通過する場合、通信途絶判定部116は、無人車両Vの車速に基づいて、無人車両Vが地理座標(lat1,lng1)周辺(Ea)を通過するのにかかる通過時間を算出する。そして、その通過時間が、通信途絶が起こらない許容時間内であれば、通信途絶判定部116は、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得ないと判定する(S104:No)。一方、その通過時間が、通信途絶が起こらない許容時間内でなければ、通信途絶判定部116は、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得ると判定する(S104:Yes)。そして、通信途絶判定部116は、その判定結果を示すデータを、無線通信方式変更部117へ送る。
移動局110の無線通信方式変更部117は、通信途絶判定部116から送られたデータを受け取ると、そのデータによって示される判定結果が、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得ないとの判定結果である場合、何ら処理を行わない。一方、通信途絶判定部116から受け取ったデータによって示される判定結果が、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得るとの判定結果である場合、無線通信方式変更部117は、接続を維持すべく無線通信方式を変更する(S105)。例えば、無線通信方式変更部117は、接続を維持すべくサブキャリアの変調方式を変更する。また、例えば、無線通信方式変更部117は、接続を維持すべくサブキャリアの変調速度を下げる。また、例えば、無線通信方式変更部117は、接続を維持すべく複数のサブキャリアで同じデータを送信し、データに冗長性を持たせる。また、例えば、無線通信方式変更部117は、接続を維持すべくガードインターバルを拡大し、耐干渉性を向上させる。
以上、説明したように、無線通信システム100は、無人車両Vに設けられた移動局110を備える。また、無線通信システム100は、移動局110と無線通信を行う基地局130を備える。そして、移動局110は、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得るか否かを判定する。そして、移動局110は、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得ると判定した場合に、接続を維持すべく無線通信方式を変更する。
このようにして、無線通信システム100によっては、例えば、障害物の高さ等に拘らず、その障害物によるシャドーイング等の影響で通信途絶が起こることを予防することができる。
また、上述したように、移動局110は、通信途絶が起こり得る位置の情報を記憶している。そして、移動局110は、記憶している情報を参照して、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得るか否かを判定する。
このようにして、無線通信システム100によっては、例えば、プローブカー等を利用して、予め、通信途絶が起こり得る位置の情報を収集しておけば、信頼性の高いシステムとなり得る。
図5は、第2の実施形態に係る無線通信システム200の利用環境の一例を示す。無線通信システム200は、移動局同士の通信途絶を予防するシステムである。
無線通信システム200は、移動局210、及び移動局250を備える。なおまた、移動局250は、この発明における「他局」の一例であってよい。
移動局210は、移動する無線局である。例えば、移動局210は、無人車両Vに設けられている。ここで、無人車両Vは、例えば、偵察、荷の運搬、爆発物の処理、輸送等の様々なオペレーションに使用される車両である。また、移動局210は、例えば、GPS受信機、車速センサ、ジャイロ、及び車両制御装置と電気的に接続されている。車両制御装置は、例えば、無人車両Vを制御する装置である。車両制御装置は、例えば、無人車両Vの操作内容を示す操作データの入力を受け付けると、その操作データに基づいて、無人車両Vを制御する。また、車両制御装置は、例えば、無人車両Vの状態を示す車両データを出力する。なおまた、無人車両Vは、この発明における「移動体」の一例であってよい。
移動局250は、移動する無線局である。例えば、移動局250は、車両MVに設けられている。ここで、車両MVは、無人車両Vの操作者が搭乗する車両である。そして、移動局250は、移動局210と無線通信接続される。また、移動局250は、操作用端末、及びGPS受信機と電気的に接続されている。ここで、操作用端末は、無人車両Vを遠隔操作するための端末である。移動局250は、操作用端末から出力された操作データの入力を受け付けると、その操作データを、移動局210へ送信する。また、移動局250は、移動局210から送信された車両データを受信すると、その車両データを、操作用端末へ出力する。また、操作用端末は、GPS受信機から出力された現在位置を示す現在位置データの入力を受け付けると、その現在位置データを、移動局210へ送信する。
ここで、建物等の障害物Bの周りには、移動局250bが地理座標Gbにある場合に、移動局250bとの通信断絶が起こり得る場所Ebが存在しているものとする。
なおまた、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、無線通信システム200が一の移動局210、及び移動局250を備える構成について説明する。しかしながら、無線通信システム200は、複数の移動局210、及び移動局250を備えてよい。
図6は、移動局210のブロック構成の一例を示す。移動局210は、データ送受信部211、データ入出力部212、現在位置データ入力受付部213、車速データ入力受付部214、ジャイロデータ入力受付部215、通信途絶判定部216、無線通信方式変更部217、デジタル地図格納部218、及び位置情報格納部219を有する。以下の説明においては、各構成要素の機能、及び動作を詳述する。
データ送受信部211は、車両制御装置から出力された車両データを、移動局250を介して操作用端末へ送信する。また、データ送受信部211は、移動局250を介して操作用端末から送信された操作データを受信する。また、データ送受信部211は、移動局250から送信された現在位置データを受信する。
データ入出力部212は、車両制御装置から出力された車両データの入力を受け付ける。また、データ入出力部212は、操作用端末から送信された操作データを、車両制御装置へ出力する。
現在位置データ入力受付部213は、無人車両Vの現在位置を示すデータの入力を受け付ける。
車速データ入力受付部214は、無人車両Vの車速を示すデータの入力を受け付ける。
ジャイロデータ入力受付部215は、無人車両Vの旋回方位と量を示すデータの入力を受け付ける。
通信途絶判定部216は、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得るか否かを判定する。例えば、通信途絶判定部216は、移動局250の現在位置の情報と、位置情報格納部219に格納されている情報を参照して、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得るか否かを判定する。
無線通信方式変更部217は、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得ると通信途絶判定部216が判定した場合に、接続を維持すべく無線通信方式を変更する。
デジタル地図格納部218には、デジタル地図が格納されている。
位置情報格納部219には、通信途絶が起こり得る位置の情報が格納されている。
図7は、位置情報格納部219に格納されている情報の一例をテーブル形式で示す。位置情報格納部219には、他局の地理座標(緯度,経度)の情報、及び地理座標(緯度,経度)の各情報が対応付けられて格納されている。
他局の地理座標(緯度,経度)の情報は、他局の地球上の位置を表す座標を示す情報である。地理座標(緯度,経度)の情報は、他局の地理座標(緯度,経度)の情報によって示される地理座標に他局がいる場合に、その他局との通信途絶が起こり得る地球上の位置を表す座標を示す情報である。例えば、この例においては、他局が地理座標(lat12,lng12)にいる場合、その他局との通信途絶が起こり得る位置が地理座標(lat1,lng1)周辺(Eb)であることを示している。換言すれば、例えば、この例においては、移動局250が地理座標(lat12、lng12)にいても、移動局210が地理座標(lat2、lng2)周辺(Eb)にいなければ、移動局210は、移動局250との通信中に通信途絶が起こらないことを示している。これは、車両MVが搭乗者の運転によって自在に移動し、無人車両Vが車両MVの搭乗者に遠隔操作されて移動することから、移動局210と移動局250との位置関係が一定ではなく、無人車両V、車両MVの位置に応じて変化することによる。
図8は、移動局210の動作フローの一例を示す。この動作フローの説明においては、移動局210が移動局250と無線通信を行う場合を例にとって詳述する。なおまた、この動作フローの説明においては、図5から図7を共に参照する。
無人車両Vの操作者は、操作用端末を用いて無人車両Vを遠隔操作する。操作者による操作が成されると、操作用端末は、その操作内容を示す操作データを、移動局250を介して移動局210へ送信する。
移動局210のデータ送受信部211は、移動局250を介して操作用端末から送信された操作データを受信すると、その操作データを、データ入出力部212へ送る。
移動局210のデータ入出力部212は、データ送受信部211から送られた操作データを受け取ると、その操作データを、車両制御装置へ出力する。
車両制御装置は、移動局210から出力された操作データの入力を受け付けると、その操作データによって示される操作内容に従って、無人車両Vを制御する。
一方、車両制御装置は、例えば、所定時間置きに、無人車両Vの状態を示す車両データを、移動局210へ出力する。
移動局210のデータ入出力部212は、車両制御装置から出力された車両データの入力を受け付けると、その車両データを、データ送受信部211へ送る。
移動局210のデータ送受信部211は、データ入出力部212から送られた車両データを受け取ると、その車両データを、移動局250を介して操作用端末へ送信する。
操作用端末は、移動局250を介して移動局210から送信された車両データを受信すると、その車両データによって示される無人車両Vの状態の情報を出力する。
このようにして、無人車両Vの操作者は、無人車両Vの状態を確認しながら、無人車両Vの遠隔操作を行っている。
また、移動局250は、移動局210との無線通信を開始すると、GPS受信機から出力される現在位置データを、経時的に繰り返し移動局210へ送信する。
一方、無人車両Vが起動すると、GPS受信機は、無人車両Vの現在位置の測定を開始する。そして、GPS受信機は、測定した現在位置を示すデータを、経時的に繰り返し移動局210へ出力する。
同様に、無人車両Vが起動すると、車速センサは、無人車両Vの車速の計測を開始する。そして、車速センサは、計測した車速を示すデータを、経時的に繰り返し移動局210へ出力する。
同様に、無人車両Vが起動すると、ジャイロは、無人車両Vの旋回方位と量の検出を開始する。そして、ジャイロは、検出した旋回方位と量を示すデータを、経時的に繰り返し移動局210へ出力する。
移動局210のデータ送受信部211は、移動局250から送信された現在位置データを受信すると(S206)、その現在位置データを、通信途絶判定部216へ送る。
移動局210の現在位置データ入力受付部213は、GPS受信機から出力されたデータの入力を受け付けると(S201)、そのデータを、通信途絶判定部216へ送る。
同様に、移動局210の車速データ入力受付部214は、車速センサから出力されたデータの入力を受け付けると(S202)、そのデータを、通信途絶判定部216へ送る。
同様に、移動局210のジャイロデータ入力受付部215は、ジャイロから出力されたデータの入力を受け付けると(S203)、そのデータを、通信途絶判定部216へ送る。
移動局210の通信途絶判定部216は、データ送受信部211、現在位置データ入力受付部213、車速データ入力受付部214、及びジャイロデータ入力受付部215から送られたデータをそれぞれ受け取ると、これらのデータによって示される各情報と、デジタル地図格納部218に格納されているデジタル地図と、位置情報格納部219に格納されている情報とに基づいて、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得るか否かを判定する(S204)。例えば、まず、通信途絶判定部216は、位置情報格納部219に格納されている他局の地理座標(緯度,経度)の情報のうち、移動局250の現在位置の地理座標と一致するか近い値の情報を検索する。その結果、該当する値の情報がなければ、通信途絶判定部216は、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得ないと判定する(S204:No)。一方、該当する値の情報があった場合、通信途絶判定部216は、その情報と対応付けられて格納されている、通信途絶が起こり得る位置を示す地理座標(緯度,経度)を読み出す。そして、通信途絶判定部216は、無人車両Vの現在位置、及び旋回方位と量に基づいて、デジタル地図上における無人車両Vの進行方向Dを特定する。そして、通信途絶判定部216は、特定した無人車両Vの進行方向Dに基づいて、位置情報格納部219から読み出した地理座標(緯度,経度)周辺を、無人車両Vが通過するか否かを判定する。その結果、読み出した地理座標(緯度,経度)周辺を、無人車両Vが通過しない場合、通信途絶判定部216は、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得ないと判定する(S204:No)。一方、読み出した地理座標(緯度,経度)周辺を、無人車両Vが通過する場合、通信途絶判定部216は、無人車両Vの車速に基づいて、読み出した地理座標(緯度,経度)周辺を、無人車両Vが通過するのにかかる通過時間を算出する。そして、その通過時間が、通信途絶が起こらない許容時間内であれば、通信途絶判定部216は、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得ないと判定する(S204:No)。一方、その通過時間が、通信途絶が起こらない許容時間内でなければ、通信途絶判定部216は、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得ると判定する(S204:Yes)。そして、通信途絶判定部216は、その判定結果を示すデータを、無線通信方式変更部217へ送る。
移動局210の無線通信方式変更部217は、通信途絶判定部216から送られたデータを受け取ると、そのデータによって示される判定結果が、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得ないとの判定結果である場合、何ら処理を行わない。一方、通信途絶判定部216から受け取ったデータによって示される判定結果が、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得るとの判定結果である場合、無線通信方式変更部217は、接続を維持すべく無線通信方式を変更する(S205)。例えば、無線通信方式変更部217は、接続を維持すべくサブキャリアの変調方式を変更する。また、例えば、無線通信方式変更部217は、接続を維持すべくサブキャリアの変調速度を下げる。また、例えば、無線通信方式変更部217は、接続を維持すべく複数のサブキャリアで同じデータを送信し、データに冗長性を持たせる。また、例えば、無線通信方式変更部217は、接続を維持すべくガードインターバルを拡大し、耐干渉性を向上させる。
以上、説明したように、無線通信システム200は、無人車両Vに設けられた移動局210を備える。また、無線通信システム200は、移動局210と無線通信を行う移動局250を備える。そして、移動局210は、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得るか否かを判定する。そして、移動局210は、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得ると判定した場合に、接続を維持すべく無線通信方式を変更する。
このようにして、無線通信システム200によっては、例えば、障害物の高さ等に拘らず、その障害物によるシャドーイング等の影響で通信途絶が起こることを予防することができる。
また、上述したように、移動局210は、通信途絶が起こり得る位置の情報を記憶している。そして、移動局210は、記憶している情報を参照して、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得るか否かを判定する。
このようにして、無線通信システム200によっては、例えば、プローブカー等を利用して、予め、通信途絶が起こり得る位置の情報を収集しておけば、信頼性の高いシステムとなり得る。
図9は、第3の実施形態に係る無線通信システム300の利用環境の一例を示す。無線通信システム300は、移動局と基地局との通信途絶を予防するシステムである。
無線通信システム300は、移動局310、及び複数の基地局130を備える。
なおまた、無線通信システム300の構成要素のうち、無線通信システム100の構成要素と同じ符号を付している同名の構成要素は、同様の機能、及び動作を示す。
移動局310は、移動する無線局である。例えば、移動局310は、無人車両Vに設けられている。また、移動局310は、例えば、GPS受信機、車速センサ、ジャイロ、車両制御装置、及びレーザー式変位センサと電気的に接続されている。ここで、レーザー式変位センサは、障害物を検出すると共に、その障害物までの距離を測定するセンサである。例えば、レーザー式変位センサは、三角測量を応用した方式で、発光素子と受光素子の組み合わせで構成されている。なおまた、レーザー式変位センサは、この発明における「センサ」の一例であってよい。
基地局130は、移動局310と通信するための無線局である。基地局130は、移動局310と無線通信接続される。基地局130は、操作用端末Cから送信された操作データを受信すると、その操作データを、移動局310へ送信する。また、基地局130は、移動局310から送信された車両データを受信すると、その車両データを、操作用端末Cへ送信する。
なおまた、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、無線通信システム300が一の移動局310を備える構成について説明する。しかしながら、無線通信システム300は、複数の移動局310を備えてよい。
図10は、移動局310のブロック構成の一例を示す。移動局310は、データ送受信部111、データ入出力部112、現在位置データ入力受付部113、車速データ入力受付部114、ジャイロデータ入力受付部115、通信途絶判定部116、無線通信方式変更部117、デジタル地図格納部118、位置情報格納部119、障害物データ入力受付部320、及び位置算出部321を有する。以下の説明においては、各構成要素の機能、及び動作を詳述する。
なおまた、移動局310の構成要素のうち、移動局110の構成要素と同じ符号を付している同名の構成要素は、同様の機能、及び動作を示す。
障害物データ入力受付部320は、レーザー式変位センサから出力された障害物までの距離を示すデータの入力を受け付ける。
位置算出部321は、レーザー式変位センサによって検出された障害物と基地局130との位置関係に基づいて、その障害物によって通信途絶が起こり得る位置を算出する。
図11は、移動局310の動作フローの一例を示す。この動作フローの説明においては、レーザー式変位センサが障害物を検出した場合の移動局310の動作について詳述する。なおまた、この動作フローの説明においては、図9、10を共に参照する。
無人車両Vが起動すると、GPS受信機は、無人車両Vの現在位置の測定を開始する。そして、GPS受信機は、測定した現在位置を示すデータを、経時的に繰り返し移動局310へ出力する。
移動局310の現在位置データ入力受付部113は、GPS受信機から出力されたデータの入力を受け付ける度に(S301)、そのデータを、位置算出部321へ送る。
また、無人車両Vが起動すると、レーザー式変位センサは、障害物の検出を開始する。そして、レーザー式変位センサは、障害物Bを検出すると、その障害物Bまでの距離を測定する。そして、レーザー式変位センサは、その距離を示すデータを、移動局310へ出力する。
移動局310の障害物データ入力受付部320は、レーザー式変位センサから出力されたデータの入力を受け付けると(S302)、そのデータを、位置算出部321へ送る。
移動局310の位置算出部321は、現在位置データ入力受付部113から送られるデータを逐次受け取る。そして、位置算出部321は、障害物データ入力受付部320から送られたデータを受け取ると、そのデータによって示される障害物Bまでの距離の情報と、現在位置データ入力受付部113から最後に受け取ったデータによって示される無人車両Vの現在位置の情報と、基地局130の位置情報とに基づいて、レーザー式変位センサによって検出された障害物Bによって通信途絶が起こり得る位置を算出する(S303)。例えば、まず、位置算出部321は、無人車両Vの現在位置の地理座標と、障害物Bまでの距離とに基づいて、障害物Bの位置の地理座標を算出する。そして、位置算出部321は、障害物Bの位置の地理座標と、基地局130の位置の地理座標とに基づいて、障害物Bの周囲において、シャドーイングやフェージングが発生する可能性の高い位置を、基地局130との通信途絶が起こり得る位置として算出する。そして、位置算出部321は、その情報を、位置情報格納部119に格納する(S304)。
以上、説明したように、無線通信システム300は、無人車両Vに設けられて、障害物Bを検出するレーザー式変位センサを更に備える。そして、移動局310は、レーザー式変位センサによって検出された障害物Bと基地局130との位置関係に基づいて、その障害物Bによって通信途絶が起こり得る位置を算出する。そして、移動局310は、算出した位置の情報を記憶する。
このようにして、無線通信システム300によっては、建物等の障害物が新たに建設された場合や、災害等によって建物等が崩壊して瓦礫の山の障害物ができた場合等に、その障害物によって通信途絶が起こることを予防することができる。
図12は、第4の実施形態に係る無線通信システム400の利用環境の一例を示す。無線通信システム400は、移動局と基地局との通信途絶を予防するシステムである。
無線通信システム400は、移動局410、及び複数の基地局130を備える。
なおまた、無線通信システム400の構成要素のうち、無線通信システム100の構成要素と同じ符号を付している同名の構成要素は、同様の機能、及び動作を示す。
移動局410は、移動する無線局である。例えば、移動局410は、無人車両Vに設けられている。また、移動局410は、例えば、GPS受信機、車速センサ、ジャイロ、及び車両制御装置と電気的に接続されている。
基地局130は、移動局410と通信するための無線局である。基地局130は、移動局410と無線通信接続される。基地局130は、操作用端末Cから送信された操作データを受信すると、その操作データを、移動局410へ送信する。また、基地局130は、移動局410から送信された車両データを受信すると、その車両データを、操作用端末Cへ送信する。
なおまた、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、無線通信システム400が一の移動局410を備える構成について説明する。しかしながら、無線通信システム400は、複数の移動局410を備えてよい。
図13は、移動局410のブロック構成の一例を示す。移動局410は、データ送受信部111、データ入出力部112、現在位置データ入力受付部113、車速データ入力受付部114、ジャイロデータ入力受付部115、通信途絶判定部116、無線通信方式変更部117、デジタル地図格納部118、位置情報格納部119、及び受信レベル判定部422を有する。以下の説明においては、各構成要素の機能、及び動作を詳述する。
なおまた、移動局410の構成要素のうち、移動局110の構成要素と同じ符号を付している同名の構成要素は、同様の機能、及び動作を示す。
受信レベル判定部422は、所定時間以上継続して受信レベルがしきい値以下になったか否かを判定する。
図14は、移動局410の動作フローの一例を示す。この動作フローにおいては、受信レベルに応じて、通信途絶が起こり得る位置の情報を更新する場合の移動局410の動作について詳述する。なおまた、この動作フローの説明においては、図12、13を共に参照する。
無人車両Vが起動すると、GPS受信機は、無人車両Vの現在位置の測定を開始する。そして、GPS受信機は、測定した現在位置を示すデータを、経時的に繰り返し移動局410へ出力する。
移動局410の現在位置データ入力受付部113は、GPS受信機から出力されたデータの入力を受け付ける(S401)。
一方、基地局130との通信を開始すると、移動局410の受信レベル判定部422は、受信レベルの監視を開始して、所定時間以上継続して受信レベルがしきい値以下になったか否かを判定する(S402)。例えば、受信レベル判定部422が判定する基準となる所定時間は、受信レベルがしきい値以下となって、その時間以上継続した場合に、通信途絶が起こり得る時間である。そして、受信レベル判定部422は、所定時間以上継続して受信レベルがしきい値以下になったと判定した場合(S402)、その旨を通知するデータを、現在位置データ入力受付部113へ送る。
移動局410の現在位置データ入力受付部113は、受信レベル判定部422から送られたデータを受け取ると、その時点でGPS受信機から入力を受け付けた最新のデータによって示される現在位置を基準とする位置を、基地局130との通信途絶が起こり得る位置の情報として、位置情報格納部119に格納する(S403)。
以上、説明したように、移動局410は、所定時間以上継続して受信レベルがしきい値以下になったか否かを判定する。そして、移動局410は、所定時間以上継続して受信レベルがしきい値以下になったと判定した場合に、無人車両Vの現在位置の情報を記憶する。
このようにして、無線通信システム400によっては、建物等の障害物が新たに建設された場合や、災害等によって建物等が崩壊して瓦礫の山の障害物ができた場合等に、その障害物によって通信途絶が起こることを予防することができる。
図15は、第5の実施形態に係る無線通信システム500の利用環境の一例を示す。無線通信システム500は、移動局同士の通信途絶を予防するシステムである。
無線通信システム500は、複数の移動局510a、移動局510b、移動局510c、・・・(以下、移動局510と総称する。)を備える。なおまた、一の移動局510に対する他の移動局510は、この発明における「他局」の一例であってよい。
移動局510は、移動する無線局である。例えば、移動局510は、無人車両Va、無人車両Vb、無人車両Vc、・・・(以下、無人車両Vと総称する。)にそれぞれ設けられている。また、移動局510は、例えば、GPS受信機、車速センサ、ジャイロ、レーザー式変位センサ、及び車両制御装置と電気的に接続されている。そして、移動局510は、他の移動局510と無線通信接続される。
図16は、移動局510aのブロック構成の一例を示す。移動局510aは、データ送受信部511a、データ入出力部512a、現在位置データ入力受付部113a、車速データ入力受付部114a、ジャイロデータ入力受付部115a、通信途絶判定部116a、無線通信方式変更部117a、デジタル地図格納部118a、位置情報格納部119a、障害物データ入力受付部320a、位置算出部321a、及び位置データ送受信部523aを有する。以下の説明においては、各構成要素の機能、及び動作を詳述する。なおまた、位置データ送受信部523は、この発明における「位置データ受信部」の一例であってよい。
なおまた、移動局510a以外の移動局510b、移動局510c、・・・も、移動局510aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明においては、移動局510が有する構成要素がいずれの移動局510の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する移動局510と同じ添え字(a、b、c、・・・)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、データ送受信部511a、データ送受信部511b、及びデータ送受信部511cは、それぞれ移動局510a、移動局510b、及び移動局510cの構成要素であることを示す。
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能、及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能、及び動作を示す。例えば、データ送受信部511で説明された機能、及び動作は、データ送受信部511a、データ送受信部511b、データ送受信部511c、・・・の機能、及び動作を示す。
また、移動局510の構成要素のうち、移動局110、310の構成要素と同じ符号を付している同名の構成要素は、同様の機能、及び動作を示す。
データ送受信部511は、車両制御装置から出力された車両データを、他の移動局510へ送信する。また、データ送受信部511は、他の移動局510から送信された車両データを受信する。
データ入出力部512は、車両制御装置から出力された車両データの入力を受け付ける。また、データ入出力部512は、他の移動局510から送信された車両データを、車両制御装置へ出力する。
位置データ送受信部523は、通信途絶が起こり得る位置の情報を示すデータを、他の移動局510へ送信する。また、位置データ送受信部523は、他の移動局510から送信された、通信途絶が起こり得る位置の情報を示すデータを受信する。
図17は、移動局510a、移動局510b、移動局510cの動作シーケンスの一例を示す。この動作シーケンスにおいては、通信途絶が起こり得る位置の情報を、移動局510aが更新した場合の移動局510a、移動局510b、移動局510cの動作について詳述する。なおまた、この動作シーケンスの説明においては、図15、16を共に参照する。
車両制御装置は、例えば、所定時間置きに、無人車両Vの状態を示す車両データを、移動局510へ出力する。
移動局510のデータ入出力部512は、車両制御装置から出力された車両データの入力を受け付けると、その車両データを、データ送受信部511へ送る。
移動局510のデータ送受信部511は、データ入出力部512から送られた車両データを受け取ると、その車両データを、他の移動局510へ送信する。
車両データを受信した移動局510のデータ送受信部511は、その車両データを、データ入出力部512へ送る。
データ送受信部511から車両データを受け取った移動局510のデータ入出力部512は、その車両データを、車両制御装置へ出力する。
車両制御装置は、移動局510から出力された車両データの入力を受け付けると、その車両データによって示される他の無人車両Vの状態を参照して、所定のルールに従って、他の無人車両Vと協調動作させるべく、無人車両Vを制御する。
一方、移動局510aの位置情報格納部119aに格納されている情報が更新されたり、新たな情報が格納されて更新されたりすると(S501)、移動局510aの位置データ送受信部523aは、その情報を示すデータを、他の移動局510b、他の移動局510cへ送信する(S502)。
移動局510bの位置データ送受信部523bは、移動局510aから送信されたデータを受信すると、そのデータによって示される情報を、位置情報格納部119bに格納して更新する(S503)。
同様に、移動局510cの位置データ送受信部523cは、移動局510aから送信されたデータを受信すると、そのデータによって示される情報を、位置情報格納部119cに格納して更新する(S504)。
以上、説明したように、移動局510は、他の移動局510から送信された、通信途絶が起こり得る位置の情報を示すデータを受信すると、そのデータによって示される位置の情報を記憶する。
このようにして、無線通信システム500によっては、建物等の障害物が新たに建設された場合や、災害等によって建物等が崩壊して瓦礫の山の障害物ができた場合等に、複数の移動局510同士でその情報を共有することによって、いずれの移動局510間の通信においても、その障害物によって通信途絶が起こることを予防することができる。
図18は、第6の実施形態に係る無線通信システム600の利用環境の一例を示す。無線通信システム600は、移動局と基地局との通信途絶を予防するシステムである。
無線通信システム600は、移動局610、複数の基地局130、及びサーバ670を備える。
移動局610は、移動する無線局である。例えば、移動局610は、無人車両Vに設けられている。また、移動局610は、例えば、GPS受信機、車速センサ、ジャイロ、及び車両制御装置と電気的に接続されている。
基地局130は、移動局610と通信するための無線局である。基地局130は、移動局610と無線通信接続される。そして、基地局130は、操作用端末Cから送信された操作データを受信すると、その操作データを、移動局610へ送信する。また、基地局130は、移動局610から送信された車両データを受信すると、その車両データを、操作用端末Cへ送信する。
サーバ670は、移動局610に対し、自身の持っている機能やデータを提供するコンピュータである。例えば、サーバ670は、移動局610と通信回線Nを介して通信接続される。
なおまた、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、無線通信システム600が一の移動局610、及びサーバ670を備える構成について説明する。しかしながら、無線通信システム600は、複数の移動局610、及びサーバ670を備えてよい。
図19は、移動局610のブロック構成の一例を示す。移動局610は、データ送受信部111、データ入出力部112、現在位置データ入力受付部113、車速データ入力受付部114、ジャイロデータ入力受付部115、通信途絶判定部116、無線通信方式変更部117、デジタル地図格納部118、位置情報格納部119、及び位置データ受信部623を有する。以下の説明においては、各構成要素の機能、及び動作を詳述する。
また、移動局610の構成要素のうち、移動局1106の構成要素と同じ符号を付している同名の構成要素は、同様の機能、及び動作を示す。
位置データ受信部623は、サーバ670から送信された、通信途絶が起こり得る位置の変化を示すデータを受信する。
図20は、サーバ670のブロック構成の一例を示す。サーバ670は、観測データ受信部671、衛星画像生成部672、障害物変化検出部673、位置変化検出部674、位置データ送信部675、衛星画像格納部676、及びデジタル地図格納部677を有する。以下の説明においては、各構成要素の機能、及び動作を詳述する。
観測データ受信部671は、人工衛星から送信された観測データを示すデータを受信する。ここで、観測データは、可視光、赤外線、電波を用いて地球を観測した観測結果を示すデータである。
衛星画像生成部672は、観測データを画像化して衛星画像を生成する。ここで、衛星画像は、この発明における「地上を上空から観測して得られた画像」の一例であってよい。
障害物変化検出部673は、地上の同じ位置を異なるタイミングに上空から観測して得られた2つの衛星画像に基づいて、障害物の変化を検出する。
位置変化検出部674は、障害物変化検出部673が障害物の変化を検出した場合に、その障害物と基地局130との位置関係に基づいて、その障害物の変化に伴う通信途絶が起こり得る位置の変化を検出する。
位置データ送信部675は、通信途絶が起こり得る位置の変化を示すデータを、移動局610へ送信する。
衛星画像格納部676には、衛星画像が格納される。
デジタル地図格納部677には、デジタル地図が格納されている。
図21は、人工衛星、サーバ670、及び移動局610の動作シーケンスの一例を示す。この動作シーケンスにおいては、障害物に変化が生じた場合のサーバ670、及び移動局610の動作について詳述する。なおまた、この動作シーケンスの説明においては、図18から図20を共に参照する。
人工衛星は、可視光、赤外線、電波を用いて地球を観測している。そして、人工衛星は、その観測結果を示す観測データを、例えば、所定時間置きに、サーバ670へ送信する(S601)。
サーバ670の観測データ受信部671は、人工衛星から送信された観測データを受信すると、その観測データを、衛星画像生成部672へ送る。
サーバ670の衛星画像生成部672は、観測データ受信部671から送られたデータを受け取ると、その観測データを画像化して衛星画像を生成する(S602)。例えば、衛星画像生成部672は、地球の自転による誤差を補正して観測データを画像化し、衛星画像を生成する。そして、衛星画像生成部672は、生成した衛星画像を、衛星画像格納部676に格納する。
このようにして、サーバ670の衛星画像格納部676には、衛星画像が逐次格納されることになる。
サーバ670の障害物変化検出部673は、衛星画像格納部676に新たな衛星画像が格納されると、その新たな衛星画像と、その前に衛星画像格納部676に格納された古い衛星画像とに基づいて、障害物の変化を検出する(S603)。例えば、障害物変化検出部673は、テンプレートマッチングにより、古い衛星画像と新たな衛星画像との間に生じた、障害物の変化を検出する。そして、障害物変化検出部673は、障害物の変化を検出すると、デジタル地図格納部677に格納されているデジタル地図を参照して、その障害物の地理座標を特定する。そして、障害物変化検出部673は、その障害物の変化の情報と、その障害物の地理座標とを示すデータを、位置変化検出部674へ送る。
サーバ670の位置変化検出部674は、障害物変化検出部673から送られたデータを受け取ると、そのデータによって示される障害物の地理座標と、基地局130の地理座標との位置関係に基づいて、障害物変化検出部673から受け取ったデータによって示される障害物の変化に伴う、基地局130との通信途絶が起こり得る位置の変化を検出する(S604)。例えば、位置変化検出部674は、新たな障害物ができた場合、デジタル地図格納部677に格納されているデジタル地図を参照して、その障害物によって新たに、基地局130との通信途絶が起こり得る位置を検出する。また、例えば、位置変化検出部674は、障害物がなくなった場合、デジタル地図格納部677に格納されているデジタル地図を参照して、その障害物によって、基地局130との通信途絶が起こらなくなった位置を検出する。そして、位置変化検出部674は、検出した基地局130との通信途絶が起こり得る位置の変化を示す位置データを、位置データ送信部675へ送る。
サーバ670の位置データ送信部675は、位置変化検出部674から送られた位置データを受け取ると、その位置データを、移動局610へ送信する(S605)。
移動局610の位置データ受信部623は、サーバ670から送信された位置データを受信すると、その位置データによって示される情報に基づいて、位置情報格納部119の情報を更新する(S606)。例えば、位置データによって示される情報が、新たに基地局130との通信途絶が起こり得る位置の情報である場合、位置データ受信部623は、その情報を、位置情報格納部119に新たに格納する。また、例えば、位置データによって示される情報が、基地局130との通信途絶が起こらなくなった位置の情報である場合、位置情報格納部119に格納されている情報から、該当する情報を削除する。
以上、説明したように、無線通信システム600は、移動局610と通信回線Nを介して接続されるサーバ670を更に備える。そして、サーバ670は、地上の同じ位置を異なるタイミングに上空から観測して得られた2つの衛星画像に基づいて、障害物の変化を検出する。そして、サーバ670は、障害物の変化を検出した場合に、その障害物と基地局130との位置関係に基づいて、その障害物の変化に伴う通信途絶が起こり得る位置の変化を検出する。そして、移動局610は、サーバ670が検出した変化後の位置の情報を記憶する。
このようにして、無線通信システム600によっては、建物等の障害物が新たに建設された場合や、災害等によって建物等が崩壊して瓦礫の山の障害物ができた場合等に、その障害物によって通信途絶が起こることを予防することができる。
図22は、本実施形態に係る移動局110、210、310、410、510、610、サーバ670を構成するコンピュータ800のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ800は、ホストコントローラ801により相互に接続されるCPU(Central Processing Unit)802、RAM(Random Access Memory)803、グラフィックコントローラ804、及びディスプレイ805を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ806により相互に接続される通信インターフェース807、ハードディスクドライブ808、及びCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ809を有する入出力部と、入出力コントローラ806に接続されるROM(Read Only Memory)810、フレキシブルディスクドライブ811、及び入出力チップ812を有するレガシー入出力部とを備える。
ホストコントローラ801は、RAM803と、高い転送レートでRAM803をアクセスするCPU802、及びグラフィックコントローラ804とを接続する。CPU802は、ROM810、及びRAM803に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィックコントローラ804は、CPU802等がRAM803内に設けたフレームバッファ上に生成する画像データを取得し、ディスプレイ805上に表示させる。これに代えて、グラフィックコントローラ804は、CPU802等が生成する画像データを格納するフレームバッファを、内部に含んでもよい。
入出力コントローラ806は、ホストコントローラ801と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェース807、ハードディスクドライブ808、及びCD−ROMドライブ809を接続する。ハードディスクドライブ808は、コンピュータ800内のCPU802が使用するプログラム、及びデータを格納する。CD−ROMドライブ809は、CD−ROM892からプログラム、又はデータを読み取り、RAM803を介してハードディスクドライブ808に提供する。
また、入出力コントローラ806には、ROM810と、フレキシブルディスクドライブ811、及び入出力チップ812の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM810は、コンピュータ800が起動時に実行するブートプログラム、及び/又はコンピュータ800のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスクドライブ811は、フレキシブルディスク893からプログラム、又はデータを読み取り、RAM803を介してハードディスクドライブ808に提供する。入出力チップ812は、フレキシブルディスクドライブ811を入出力コントローラ806へと接続すると共に、例えばパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ806へと接続する。
RAM803を介してハードディスクドライブ808に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク893、CD−ROM892、又はIC(Integrated Circuit)カード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM803を介してコンピュータ800内のハードディスクドライブ808にインストールされ、CPU802において実行される。
コンピュータ800にインストールされ、コンピュータ800を移動局として機能させる第1のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS104(S204)において、 無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得るか否かを判定する通信途絶判定部116(216)と、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得ると通信途絶判定部116(216)が判定した場合に、ステップS105(S205)において、接続を維持すべく無線通信方式を変更する無線通信方式変更部117(217)として機能させる。
更に、当該第1のプログラムは、コンピュータ800を、通信途絶が起こり得る位置の情報を格納する位置情報格納部119(219)と、ステップ104(204)において、位置情報格納部119(219)に格納されている情報を参照して、無人車両Vの進行方向Dにおいて通信途絶が起こり得るか否かを判定する通信途絶判定部116(216)として機能させてもよい。
更に、当該第1のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS303において、 レーザー式変位センサによって検出された障害物と他局との位置関係に基づいて、その障害物によって通信途絶が起こり得る位置を算出する位置算出部321と、位置算出部321が算出した位置の情報が、ステップS304において格納される位置情報格納部119として機能させてもよい。
更に、当該第1のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS402において、所定時間以上継続して受信レベルがしきい値以下になったか否かを判定する受信レベル判定部422と、所定時間以上継続して受信レベルがしきい値以下になったと受信レベル判定部422が判定した場合に、ステップS403において、無人車両Vの現在位置の情報が格納される位置情報格納部119として機能させてもよい。
更に、当該第1のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS502において、他局から送信された、通信途絶が起こり得る位置の情報を示すデータを受信する位置データ送受信部523と、位置データ送受信部523が受信したデータによって示される位置の情報が、ステップS504において格納される位置情報格納部119として機能させてもよい。
コンピュータ800にインストールされ、コンピュータ800をサーバとして機能させる第2のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS603において、地上の同じ位置を異なるタイミングに上空から観測して得られた2つの衛星画像に基づいて、障害物の変化を検出する障害物変化検出部673と、障害物変化検出部673が障害物の変化を検出した場合に、その障害物と他局との位置関係に基づいて、その障害物の変化に伴う通信途絶が起こり得る位置の変化を検出する位置変化検出部674として機能させる。
更に、上記第1のプログラムは、コンピュータ800を、サーバの位置変化検出部674が検出した変化後の位置の情報が、ステップS606において格納される位置情報格納部119として機能させてもよい。
これらの第1のプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ800に読み込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段であるデータ送受信部111(211)、データ入出力部112(212)、現在位置データ入力受付部113(213)、車速データ入力受付部114(214)、ジャイロデータ入力受付部115(215)、通信途絶判定部116(216)、無線通信方式変更部117(217)、デジタル地図格納部118(218)、位置情報格納部119(219)、障害物データ入力受付部320、位置算出部321、受信レベル判定部422、位置データ送受信部523、及び位置データ受信部623として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ800の使用目的に応じた情報の演算、又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の移動局が構築される。
また、第2のプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ800に読み込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である観測データ受信部671、衛星画像生成部672、障害物変化検出部673、位置変化検出部674、位置データ送信部675、衛星画像格納部676、及びデジタル地図格納部677として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ800の使用目的に応じた情報の演算、又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有のサーバが構築される。
一例として、コンピュータ800と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU802は、RAM803上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェース807に対して通信処理を指示する。通信インターフェース807は、CPU802の制御を受けて、RAM803、ハードディスクドライブ808、フレキシブルディスク893、又はCD−ROM892等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェース807は、ダイレクトメモリアクセス方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU802が転送元の記憶装置、又は通信インターフェース807からデータを読み出し、転送先の通信インターフェース807、又は記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
また、CPU802は、ハードディスクドライブ808、CD−ROM892、フレキシブルディスク893等の外部記憶装置に格納されたファイル、又はデータベース等の中から、全部、又は必要な部分をダイレクトメモリアクセス転送等によりRAM803へと読み込ませ、RAM803上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU802は、処理を終えたデータを、ダイレクトメモリアクセス転送等により外部記憶装置へと書き戻す。
このような処理において、RAM803は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM803、及び外部記憶装置等をメモリ、記憶部、又は記憶装置等と総称する。本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なおまた、CPU802は、RAM803の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM803の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM803、メモリ、及び/又は記憶装置に含まれるものとする。
また、CPU802は、RAM803から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索、置換等を含む各種の処理を行い、RAM803へと書き戻す。例えば、CPU802は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数、又は定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、又は等しい等の条件を満たすかどうかを判断し、条件が成立した場合、又は不成立であった場合に、異なる命令列へと分岐し、又はサブルーチンを呼び出す。
また、CPU802は、記憶装置内のファイル、又はデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性の属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU802は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。
以上に示したプログラム、又はモジュールは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク893、CD−ROM892の他に、DVD(Digital Versatile Disk)、又はCD(Compact Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto−Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワーク、又はインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク、又はRAM等の記憶媒体を記録媒体として使用して、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ800に提供してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更、又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更、又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示したシステム、方法、装置、プログラム、及び記録媒体における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現し得ることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。