JP2014088138A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】操舵トルクに基づいて電動モータ110に供給する目標電流を設定する目標電流算出部20と、電流を供給することにより電動モータ110を駆動するモータ駆動部32と、目標電流算出部20が設定した目標電流と電動モータ110に供給される実電流とが一致するようにフィードバック制御を行うフィードバック処理部42と、車速に応じてフィードバック処理部42のフィードバックゲインを変更するゲイン補正部43と、操舵トルクと実電流との関係が予め定められた関係である場合にモータ駆動部32により電動モータ110へ供給する電流を抑制する出力禁止判定部と、車速に応じて予め定められた関係を設定する指標設定部とを備える。
【選択図】図4
Description
このような電動パワーステアリング装置においては、ステアリングホイールから入力される操舵トルクの大きさと方向に基づいて、例えば運転者の操舵意志に反するようなアシストトルクが電動モータから出力されることを防止するための機能を備えることが提案されている。すなわち、操舵トルクと電動モータに供給される実電流とに応じた2次元座標上等において電動モータの運転を禁止する出力禁止領域を設定し、例えば電動モータの実電流の検出値がこの出力禁止領域内に属する継続時間が予め定められた時間以上となった場合には、電動モータへ供給する電流をゼロに設定する(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、運転者の操舵意志に反するアシストトルクが電動モータから出力されることを抑制しつつ、フィードバックの応答性調整による騒音・異音や振動を抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
また、前記抑制手段は、前記操舵トルクと前記実電流とが、当該操舵トルクの範囲と当該実電流の範囲とに基づいて形成される予め定められた領域内に属する場合に、前記電動モータへ供給する電流を抑制するとよい。
また、前記設定手段は、前記車速が小さい場合には大きい場合よりも前記予め定められた領域を小さくするとよい。
また、前記変更手段は、前記車速が予め定められた第2車速以下である場合には前記フィードバックゲインを最も小さくし、前記設定手段は、前記車速が前記第2車速以下である場合には前記予め定められた領域を最も大きくするとよい。
図1は、実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、車両の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては車両の一例としての自動車に適用した構成を例示している。
図2は、制御装置10の概略構成図である。
制御装置10は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等からなる算術論理演算回路である。
制御装置10には、上述したトルクセンサ109にて検出された操舵トルクTが出力信号に変換されたトルク信号Tdと、車速センサ170にて検出された車速Vcが出力信号に変換された車速信号vなどが入力される。
そして、制御装置10は、トルク信号Td、車速信号vなどに基づいて目標補助トルクを算出し、この目標補助トルクを電動モータ110が供給するのに必要となる目標電流Itを算出する目標電流設定手段の一例としての目標電流算出部20と、目標電流算出部20が算出した目標電流Itに基づいてフィードバック制御などを行う制御部30とを有している。
図3は、目標電流算出部20の概略構成図である。
目標電流算出部20は、目標電流を設定する上で基準となるベース電流を算出するベース電流算出部21と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すための電流を算出するイナーシャ補償電流算出部22と、モータの回転を制限する電流を算出するダンパー補償電流算出部23とを備えている。また、目標電流算出部20は、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23にて算出された値に基づいて目標電流Itを決定する目標電流決定部25を備えている。
図4は、制御部30の概略構成図である。
制御部30は、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部31と、電動モータ110を駆動させる駆動手段の一例としてのモータ駆動部32と、電動モータ110に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部33と、モータ駆動部32に対して、電動モータ110の駆動を禁止させるための出力禁止信号を出力する禁止信号出力部34と、を有している。
フィードバック(F/B)処理部42は、目標電流Itと実電流Imとが一致するようにフィードバック制御を行うものであり、例えば、偏差演算部41にて算出された偏差に対してフィードバックゲインGを乗算する。
図5は、車速VcとフィードバックゲインGとの相関関係を示す図である。
ゲイン補正部43は、例えば、予め作成しROMに記憶しておいた、図5に示すような車速VcとフィードバックゲインGとの対応を示すマップに、車速Vcを代入することによりフィードバックゲインGを算出する。図5に示したマップにおいては、車速Vcが第1車速V1以上である場合にはフィードバックゲインGに1を乗算した値が補正後のフィードバックゲインGとなり、車速Vcが第2車速V2(V2<V1)以下である場合にはフィードバックゲインGにα(α<1)を乗算した値が補正後のフィードバックゲインGとなるように関連付けられている。また、第2車速V2から第1車速V1にかけて、α×Gから1×Gへと徐々にフィードバックゲインGが増加するように関連付けられている。
なお、第1車速V1は30km/h、第2車速V2は10km/h、αは0.3であることを例示することができる。
モータ電流検出部33は、モータ駆動部32に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流Imの値を検出する。
図6は、禁止信号出力部34の概略構成図である。
禁止信号出力部34は、ステアリングホイール101の操舵トルクTと電動モータ110の実電流Imとに基づいて電動モータ110の出力を禁止するか否かを判定し、出力を禁止すると判定した場合にモータ駆動部32に対して出力禁止信号を出力する出力禁止判定部341と、出力禁止判定部341が判定する際の指標を車速Vcに応じて設定する設定手段の一例としての指標設定部342とを有している。出力禁止判定部341は、モータ駆動部32により電動モータ110へ供給する電流を抑制する抑制手段の一例として機能する。
図7は、指標設定部342が設定する指標を例示する図である。
図7に示した指標においては、操舵トルクTと実電流Imとから定められる2次元座標上において、電動モータ110の出力を禁止する出力禁止領域が設定されている。
指標設定部342は、指標を複数有している。図7(a)に示した指標は、車速Vcが上述した第1車速V1以上である場合に設定する指標であり、図7(b)に示した指標は、車速Vcが上述した第2車速V2以下である場合に設定する指標である。図7(a)および図7(b)に示すように、車速Vcが第2車速V2以下である場合の指標における出力禁止領域は、車速Vcが第1車速V1以上である場合の指標における出力禁止領域よりも狭くなっている。つまり、車速Vcが第1車速V1以上である場合の指標における出力禁止領域では属する操舵トルクTおよび実電流Imが、車速Vcが第2車速V2以下である場合の指標における出力禁止領域では属さない領域が存在する。
図8は、出力禁止判定部341が行う出力禁止判定処理の手順を示すフローチャートである。出力禁止判定部341は、例えば、定期的(例えば、1ms毎)に、出力禁止判定処理を実行する。
そして、出力禁止判定部341は、S801にて把握した実電流Imと操舵トルクTとの関係が、S802にて把握した指標において予め定められている出力禁止領域に属するか否かを判別する(S803)。そして、出力禁止領域に属する場合(S803でYES)、実電流Imおよび操舵トルクTが、S803にて属すると判定された出力禁止領域に予め定められた規定時間以上継続して属しているか否かを判別する(S804)。そして、規定時間以上継続している場合(S804でYES)、モータ駆動部32に対して出力禁止信号を出力する(S805)。
他方、出力禁止領域に属しない場合(S803でNO)および規定時間以上継続していない場合(S804でNO)、出力禁止信号を出力することなしに本処理の実行を終了する。
図9は、操舵トルクTと実電流Imとの関係を例示する図である。図9(a)は、予め定められたフィードバックゲインGを用いてフィードバック制御を行った場合における操舵トルクTと実電流Imとの関係を示す図であり、図9(b)は、予め定められたフィードバックゲインGにαを乗算することで補正されたフィードバックゲインGを用いてフィードバック制御を行った場合における操舵トルクTと実電流Imとの関係を示す図である。
図9に示すように、フィードバックゲインGを小さくすることで、応答性が低下し、操舵トルクTに対する、ステアリングホイール101の切り増し方向における実電流Imと、ステアリングホイール101の切り戻し方向における実電流Imとの差が大きくなる。
100…電動パワーステアリング装置、110…電動モータ、341…出力禁止判定部、342…指標設定部
Claims (6)
- 車両に設けられたステアリングホイールに操舵補助力を与える電動モータと、
前記ステアリングホイールの操舵トルクに基づいて前記電動モータに供給する目標電流を設定する目標電流設定手段と、
前記電動モータに電流を供給することにより当該電動モータを駆動する駆動手段と、
前記目標電流設定手段が設定した目標電流と前記電動モータに供給される実電流とが一致するようにフィードバック制御を行うフィードバック制御手段と、
前記車両の移動速度である車速に応じて前記フィードバック制御手段のフィードバックゲインを変更する変更手段と、
前記操舵トルクと前記実電流との関係が予め定められた関係である場合に前記駆動手段により前記電動モータへ供給する電流を抑制する抑制手段と、
前記車速に応じて前記予め定められた関係を設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記変更手段は、前記車速が小さい場合には大きい場合よりも前記フィードバックゲインを小さくすることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記抑制手段は、前記操舵トルクと前記実電流とが、当該操舵トルクの範囲と当該実電流の範囲とに基づいて形成される予め定められた領域内に属する場合に、前記電動モータへ供給する電流を抑制することを特徴とする請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記設定手段は、前記車速が小さい場合には大きい場合よりも前記予め定められた領域を小さくすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記変更手段は、前記車速が予め定められた第1車速以上である場合には前記フィードバックゲインを最も大きくし、
前記設定手段は、前記車速が前記第1車速以上である場合には前記予め定められた領域を最も小さくすることを特徴とする請求項3または4に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記変更手段は、前記車速が予め定められた第2車速以下である場合には前記フィードバックゲインを最も小さくし、
前記設定手段は、前記車速が前記第2車速以下である場合には前記予め定められた領域を最も大きくすることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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2012
- 2012-10-31 JP JP2012240136A patent/JP2014088138A/ja active Pending
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