JP6059051B2 - 電動パワーステアリング装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、電動パワーステアリング装置、プログラムに関する。
近年、車両のステアリング系に電動モータを備え、電動モータの動力にてドライバの操舵力をアシストして車輪を転舵させる電動パワーステアリング装置が提案されている。
この電動パワーステアリング装置の電動モータの駆動は、制御装置にて制御される。制御装置は、電動モータの駆動を制御するために、まず、操舵トルクや車速などに応じて電動モータに供給する目標電流を設定する。
例えば、特許文献1には、ステアリングホイールに連結される第1の回転軸と、転舵輪を転舵させるラック軸と、ラック軸を直線移動させる第2の回転軸と、トーションバーと、ステアリングホイールの操作に対するアシスト力を付与する電動モータと、ステアリングホイールの操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、操舵トルク検出手段が検出した操舵トルクに基づいて電動モータに供給する目標電流を設定する目標電流算出部とを備え、目標電流算出部は、トーションバーをバネ要素として、電動モータ、第2の回転軸およびラック軸を慣性要素として含む制御系の共振周波数成分を抑制する共振補償部を操舵トルク検出手段の出力側に有し、共振補償部にて共振周波数成分が抑制された操舵トルクに応じて目標電流を設定する電動パワーステアリング装置が開示されている。
また特許文献2には、ハンドルに加えたトルクに応じてモータで操舵力をアシストする全電気式パワーステアリング装置において、トルクセンサ系のバネ要素とハンドル慣性とにより生じる共振の周波数を有する信号を除去する帯域除去フィルタをモータ駆動制御系に備えたものが開示されている。
特開2010−234977号公報 特開平2−164665号公報
ここで電動パワーステアリング装置内部の回転機構部等に起因して、検出された操舵トルクにトルク変動が生じることがある。このトルク変動は、運転者のステアリングホイールの操作に対応して周波数が時間的に変化する特性を有する。そしてこのトルク変動が生じた場合、目標電流がその変動を助長し、その結果、アシストトルクのトルク変動はさらに大きなものとなる。この場合、装置の作動音および装置に生ずる振動が大きくなりやすくなる。
本発明は、電動パワーステアリング装置内部の回転機構部等に起因して生ずるトルク変動を抑制することで、装置の作動音および装置に生ずる振動を低減することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、ステアリングホイールの操作に対し車輪を転舵させるアシスト力を付与する電動モータと、ステアリングホイールの操舵トルクを検出しトルク信号を生成するトルク検出手段と、トルク検出手段により生成されたトルク信号から、ステアリングホイールの操作に応じて発生し周波数が時間的に変化するトルク変動を除去する除去手段と、除去手段によりトルク変動が除去された後のトルク信号に基づいて設定された電流を供給することにより電動モータの駆動を制御するモータ制御手段と、を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
ここで、トルク変動の周波数を算出する算出手段をさらに備え、除去手段は、算出手段により算出された周波数のトルク変動を除去することが好ましい。
また算出手段は、ステアリングホイールの転舵速度および電動モータの回転速度の少なくとも一方を基にトルク変動の周波数を算出することが好ましく、算出手段は、予め定められた基本周波数に対し、ステアリングホイールの転舵速度および電動モータの回転速度の少なくとも一方に対して定まる係数を乗算することでトルク変動の周波数を算出することがさらに好ましい。
さらにトルク変動は、装置内部の回転機構部に起因して生ずるものであると把握することができる。
また本発明は、コンピュータに、ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルク検出手段からトルク信号を取得する機能と、ステアリングホイールの操作に応じて発生し周波数が時間的に変化するトルク変動の周波数を算出する機能と、取得されたトルク信号から、算出された周波数のトルク変動を除去する機能と、トルク変動が除去された後のトルク信号に基づいて、ステアリングホイールの操作に対し車輪を転舵させるアシスト力を付与する電動モータに供給する電流を設定する機能と、を実現させるプログラムである。
本発明は、電動パワーステアリング装置内部の回転機構部等に起因して生ずるトルク変動を抑制することで、装置の作動音および装置に生ずる振動を低減することができる。
第1の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す図である。 第1の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の制御装置の概略構成図である。 トルクセンサにより検出される操舵トルク、目標電流、および電動モータによるアシストトルクについて説明した図である。 第1の実施の形態に係る目標電流算出部の概略構成図である。 第1の実施の形態に係る制御部の概略構成図である。 第1の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の動作について説明したフローチャートである。 第2の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す図である。 第2の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の制御装置の概略構成図である。 第2の実施の形態に係る目標電流算出部の概略構成図である。 第2の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の動作について説明したフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず第1の実施の形態について説明を行う。
<電動パワーステアリング装置全体の説明>
図1は、第1の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては車両に適用した構成を例示している。
ステアリング装置100は、ドライバが操作する車輪(ホイール)状のステアリングホイール(ハンドル)101と、ステアリングホイール101に一体的に設けられたステアリングシャフト102とを備えている。ステアリングシャフト102と上部連結シャフト103とが自在継手103aを介して連結されており、上部連結シャフト103と下部連結シャフト108とが自在継手103bを介して連結されている。
また、ステアリング装置100は、転動輪としての左右の車輪150のそれぞれに連結されたタイロッド104と、タイロッド104に連結されたラック軸105とを備えている。また、ステアリング装置100は、ラック軸105に形成されたラック歯105aとともにラック・ピニオン機構を構成するピニオン106aを備えている。ピニオン106aは、ピニオンシャフト106の下端部に形成されている。
また、ステアリング装置100は、ピニオンシャフト106を収納するステアリングギアボックス107を有している。ピニオンシャフト106は、ステアリングギアボックス107にてトーションバーを介して下部連結シャフト108と連結されている。ステアリングギアボックス107の内部には、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対角度に基づいてステアリングホイール101の操舵トルクを検出しトルク信号を生成するトルク検出手段の一例としてのトルクセンサ109が設けられている。さらにステアリング装置100には、ステアリングホイール101の操舵角を検出し、転舵速度信号を生成する転舵角センサ160が設けられている。
また、ステアリング装置100は、ステアリングギアボックス107に支持された電動モータ110と、電動モータ110の駆動力を減速してピニオンシャフト106に伝達する減速機構111とを有している。本実施の形態に係る電動モータ110は、3相ブラシレスモータである。電動モータ110に実際に流れる実電流の大きさおよび方向は、モータ電流検出部33(図5参照)にて検出される。
そして、ステアリング装置100は、電動モータ110の作動を制御する制御装置10を備えている。制御装置10には、上述したトルクセンサ109の出力値であるトルク信号Td、転舵角センサ160の出力値である転舵速度信号R、車両の移動速度である車速Vcを検出する車速センサ170の出力値である車速信号vが入力される。
以上のように構成されたステアリング装置100は、ステアリングホイール101に加えられた操舵トルクTをトルクセンサ109にて検出し、その検出トルクに応じて電動モータ110を駆動し、電動モータ110の発生トルクをピニオンシャフト106に伝達する。これにより、電動モータ110の発生トルクが、ステアリングホイール101に加える運転者の操舵力をアシストする。言い換えると電動モータ110は、ステアリングホイール101の操作に対し車輪150を転舵させるアシスト力を付与する。
<制御装置10の説明>
次に、制御装置10について説明する。
図2は、第1の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の制御装置10の概略構成図である。
制御装置10は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等からなる算術論理演算回路である。実際には、制御装置10は、ECU(Electronic Control Unit)等により実現される。
制御装置10には、上述したトルクセンサ109にて検出された操舵トルクTが出力信号に変換されたトルク信号Tdと、転舵角センサ160にて検出された転舵速度信号Rと、車速センサ170にて検出された車速Vcが出力信号に変換された車速信号vが入力される。
そして、制御装置10は、トルク信号Tdに基づいて目標トルクを算出し、この目標トルクを電動モータ110が供給するのに必要となる目標電流を算出する目標電流算出部20と、目標電流算出部20が算出した目標電流に基づいてフィードバック制御などを行う制御部30とを有している。
ここでトルク信号Tdに、ステアリングホイール101の操作に応じて発生し周波数が変化するトルク変動が生じることがある。これは、例えば、ステアリング装置100内部の回転機構部に起因して生ずる。より具体的には、ステアリング装置100で使用されているギアの噛み合いや電動モータ110の駆動等に起因して発生する。例えば、ギアが回転する場合は、ギア同士の噛み合いが生じる時と噛み合いが抜ける時とで、ギア同士に生じているトルクが変動する。そしてこれが原因となり、操舵トルクTにトルク変動が生じ、その結果、トルク信号Tdにもトルク変動が生じる。このトルク変動は、ステアリングホイール101の転舵速度に応じて周波数が時間的に変化する。即ち、ステアリングホイール101の操作が遅い場合(ステアリングホイール101の転舵速度が小さい場合)は、上記回転機構部は、ステアリングホイール101の操作に従い遅く回転するため、トルク変動の周波数は、小さくなる。一方、ステアリングホイール101の操作が速くなるに従い(ステアリングホイール101の転舵速度が大きくなるに従い)、上記回転機構部は、ステアリングホイール101の操作に従いより速く回転するようになり、トルク変動の周波数は大きくなる特徴を有する。
図3は、トルクセンサ109により検出される操舵トルクT、目標電流、および電動モータ110によるアシストトルクについて説明した図である。
ここで横軸は、時間を表わす。また縦軸は、操舵トルクT、アシストトルクおよび目標電流を表わし、その量は、操舵トルクTおよびアシストトルクの場合は、左側の縦軸で表わされるとともに、目標電流の場合は、右側の縦軸で表わされる。
図3において、一点鎖線で示した操舵トルクTは、周期が約0.05(s)(約20Hz)で、振幅が、約0.5(N・m)のトルク変動が生じている。この操舵トルクTから算出された目標電流は、点線で示したものとなる。そして目標電流により生じるアシストトルクは、実線で示したものとなる。目標電流およびアシストトルクは、操舵トルクTと同様に20Hzの変動が生じており、アシストトルクについては、振幅が、約1.0(N・m)でトルク変動が生じている。
このように操舵トルクTにトルク変動が生じると、目標電流がその変動を助長し、その結果、アシストトルクのトルク変動はさらに大きなものとなる。
なお図3の例では、操舵トルクT、目標電流、およびアシストトルクの変動周波数は、どの時間帯でも約20Hzであるが、これはサンプリングを行った時間が短時間であるためである。実際には、運転者がステアリングホイール101を操作する速さは、時間により変動するため、この変動周波数も時間により逐次変化する。
そして電動モータ110によるアシストトルクのトルク変動が大きい場合、ステアリング装置100の作動音が大きくなるとともに、振動が大きくなりトルクリプルが悪化する。このようなステアリング装置100の構造上生じるトルク変動は、機械的な改良では、対策が困難である。
そこで本実施の形態では、目標電流算出部20を以下に示す構成とし、この問題の抑制を図っている。
<目標電流算出部20の説明>
図4は、第1の実施の形態に係る目標電流算出部20の概略構成図である。
目標電流算出部20は、目標電流を設定する上で基準となるベース電流を算出するベース電流算出部21と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すための電流を算出するイナーシャ補償電流算出部22と、モータの回転を制限する電流を算出するダンパー補償電流算出部23とを備えている。また、目標電流算出部20は、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23にて算出された値に基づいて目標電流を決定する目標電流決定部25と、トルク変動の周波数を算出するトルク変動周波数算出部26と、操舵トルクTから所定の周波数のトルク変動を除去するトルク変動除去部27と、トルク信号の位相補償を行う位相補償部28とを備えている。
なお、目標電流算出部20には、トルク信号Td、転舵速度信号R、車速信号v、電動モータ110の回転速度Nmが出力信号に変換された回転速度信号Nmsなどが入力される。回転速度信号Nmsは、例えば3相ブラシレスモータである電動モータ110の回転子(ロータ)の回転位置を検出するセンサ(例えば、回転子の回転位置を検出するレゾルバ、ロータリエンコーダ等で構成されるロータ位置検出回路)にて検出された電動モータ110の回転角度が微分されることにより得られた値が出力信号に変換されたものであることを例示することができる。
ベース電流算出部21は、トルク信号Tdから後述するトルク変動除去部27によりトルク変動が除去されたトルク信号Tpに対し、さらに位相補償部28にて位相補償されたトルク信号Tsと、車速センサ170からの車速信号vとに基づいてベース電流Ibを算出し、このベース電流Ibの情報を含むベース電流信号Imbを出力する。なお、ベース電流算出部21は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、トルク信号Tsおよび車速信号vとベース電流Ibとの対応を示すマップに、トルク信号Tsおよび車速信号vを代入することによりベース電流Ibを算出する。
イナーシャ補償電流算出部22は、トルク信号Tpと車速信号vとに基づいて電動モータ110およびシステムの慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流を算出し、この電流の情報を含むイナーシャ補償電流信号Isを出力する。なお、イナーシャ補償電流算出部22は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、トルク信号Tpおよび車速信号vとイナーシャ補償電流との対応を示すマップに、トルク信号Tpおよび車速信号vを代入することによりイナーシャ補償電流を算出する。
ダンパー補償電流算出部23は、トルク信号Tpと、車速信号vと、電動モータ110の回転速度信号Nmsとに基づいて、電動モータ110の回転を制限するダンパー補償電流を算出し、この電流の情報を含むダンパー補償電流信号Idを出力する。なお、ダンパー補償電流算出部23は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、トルク信号Tp、車速信号vおよび回転速度信号Nmsと、ダンパー補償電流との対応を示すマップに、トルク信号Tpと車速信号vと回転速度信号Nmsとを代入することによりダンパー補償電流を算出する。
目標電流決定部25は、ベース電流算出部21にて算出されたベース電流信号Imb、イナーシャ補償電流算出部22にて算出されたイナーシャ補償電流信号Isおよびダンパー補償電流算出部23にて算出されたダンパー補償電流信号Idに基づいて目標電流を決定し、この電流の情報を含む目標電流信号ITFを出力する。目標電流決定部25は、例えば、ベース電流Ibに、イナーシャ補償電流を加算するとともにダンパー補償電流を減算して得た補償電流を、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、補償電流と目標電流との対応を示すマップに代入することにより目標電流を算出する。
トルク変動周波数算出部26は、トルク変動の周波数を算出する算出手段の一例である。本実施の形態では、トルク変動周波数算出部26は、転舵速度信号Rを取得する。そして転舵速度信号Rが表わすステアリングホイール101の転舵速度を基に、このトルク変動の周波数を算出する。
具体的には、予め定められた基本周波数に対し、ステアリングホイール101の転舵速度に対して定まる係数を乗算することでトルク変動の周波数を算出する。つまり例えば、ステアリングホイール101の転舵速度としてステアリングホイール101を1回転/sの速度で回転させたときに生じるトルク変動が20Hzであった場合、この20Hzを例えば、基本周波数として設定する。そしてステアリングホイール101の回転速度を係数として、20Hzにこの係数を乗算することでトルク変動の周波数を算出する。例えば、ステアリングホイール101を2回転/sの速度で回転させたときの係数は、2となり、トルク変動の周波数は、20Hz×2=40Hzとなる。
トルク変動除去部27は、トルクセンサ109により生成されたトルク信号Tdから、ステアリングホイール101の操作に応じて発生し周波数が時間的に変化するトルク変動を除去する除去手段の一例である。
トルク変動除去部27は、トルク変動周波数算出部26により算出された周波数のトルク変動を除去する。具体的には、トルク変動除去部27は、算出された周波数を含む周波数を除去する帯域除去フィルタであり、トルク変動周波数算出部26により算出された周波数に合わせて、除去する周波数帯域を変化させる。そしてトルク信号Tdに対し、この帯域除去フィルタによるフィルタ処理を行うことで、トルク変動を除去することができる。
なおトルク変動除去部27が除去できる周波数の範囲としては、0Hzを超える領域から、人の可聴域の上限である20kHz程度までの領域についてカバーできることが好ましい。
<制御部30の説明>
次に、制御部30について詳述する。
図5は、第1の実施の形態に係る制御部30の概略構成図である。
本実施の形態の制御部30は、トルク変動が除去された後のトルク信号に基づいて設定された電流を供給することにより電動モータ110の駆動を制御するモータ制御手段の一例である。制御部30は、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部31と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部32と、電動モータ110に実際に流れる実電流を検出し、実電流検出信号Imをモータ駆動制御部31に出力するモータ電流検出部33とを有している。
モータ駆動制御部31は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流(目標電流信号ITFが示す値)と、モータ電流検出部33にて検出された電動モータ110へ供給される実電流(実電流検出信号Imが示す値)との偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部40と、電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部60とを有している。
フィードバック制御部40は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流とモータ電流検出部33にて検出された実電流との偏差を求める偏差演算部41と、その偏差がゼロとなるようにフィードバック処理を行うフィードバック(F/B)処理部42とを有している。
フィードバック(F/B)処理部42は、目標電流と実電流とが一致するようにフィードバック制御を行うものであり、例えば、偏差演算部41にて算出された偏差に対して、比例要素で比例処理し、積分要素で積分処理し、加算演算部でこれらの値を加算する。
PWM信号生成部60は、フィードバック制御部40からの出力値に基づいて電動モータ110をPWM(パルス幅変調)駆動するためのPWM信号を生成し、生成したPWM信号60aを出力する。
モータ駆動部32は、所謂インバータであり、例えば、スイッチング素子として6個の独立したトランジスタ(FET)を備え、6個の内の3個のトランジスタは電源の正極側ラインと各相の電気コイルとの間に接続され、他の3個のトランジスタは各相の電気コイルと電源の負極側(アース)ラインと接続されている。そして、6個の中から選択した2個のトランジスタのゲートを駆動してこれらのトランジスタをスイッチング動作させることにより、電動モータ110の駆動を制御する。
モータ電流検出部33は、モータ駆動部32に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流の値を検出する。
<電動パワーステアリング装置100の動作の説明>
次に、電動パワーステアリング装置100の動作について説明する。
図6は、第1の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の動作について説明したフローチャートである。
まず運転者がステアリングホイール101を操作すると、転舵角センサ160がステアリングホイール101の転舵速度を検出し、転舵速度信号Rを出力する(ステップ101)。
またトルクセンサ109がステアリングホイール101の操舵トルクTを検出し、トルク信号Tdを出力する(ステップ102)。
転舵速度信号Rは、目標電流算出部20のトルク変動周波数算出部26により取得される(ステップ103)。
そしてトルク変動周波数算出部26は、転舵速度信号Rを基に操舵トルクTに生ずるトルク変動の周波数を算出する(ステップ104)。これは、上述したように例えば、予め定められた基本周波数に対し、ステアリングホイール101の転舵速度に対して定まる係数を乗算することで算出できる。
一方、トルク信号Tdは、目標電流算出部20のトルク変動除去部27により取得される(ステップ105)。
そしてトルク変動除去部27は、トルク信号Tdから、トルク変動周波数算出部26により算出された周波数のトルク変動を除去し、トルク信号Tpを出力する(ステップ106)。
トルク変動除去部27から出力されたトルク信号Tpは、位相補償部28にて位相補償されトルク信号Tsとなる(ステップ107)。
次にトルク信号Tpやトルク信号Tsは、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23に送られ、それぞれベース電流、イナーシャ補償電流、ダンパー補償電流が算出された後、ベース電流信号Imb、イナーシャ補償電流信号Is、ダンパー補償電流信号Idの各電流信号が出力される(ステップ108)。
そして目標電流決定部25では、ベース電流信号Imb、イナーシャ補償電流信号Is、ダンパー補償電流信号Idに基づいて目標電流を決定し、目標電流信号ITFを出力する(ステップ109)。
さらに制御部30は、図5で説明したように、目標電流信号ITFを基に電動モータ110の作動を制御する(ステップ110)。
これにより電動モータ110によって、ステアリングホイール101の操作に対し車輪150を転舵させるアシスト力が付与される。
なお上述した第1の実施の形態では、転舵角センサ160を備え、トルク変動周波数算出部26は、転舵速度信号Rを基に操舵トルクTに生ずるトルク変動の周波数を算出していたが、かかる態様に限定されない。トルク変動周波数算出部26は、電動モータ110の回転速度Nmに基づいて転舵速度を算出し、算出した転舵速度に基づいて操舵トルクTに生ずるトルク変動の周波数を算出してもよい。
[第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態について説明を行う。
第1の実施の形態では、ステアリングホイール101の転舵速度に基づき、トルク変動の周波数を算出したが、第2の実施の形態では、電動モータ110の回転速度に基づき、トルク変動の周波数を算出する。つまりステアリングホイール101の転舵速度と電動モータ110の回転速度とは、比例関係にあるため、ステアリングホイール101の転舵速度の替わりに電動モータ110の回転速度を使用することができる。
以下、第2の実施の形態について説明を行う。
図7は、第2の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。
図7に示した電動パワーステアリング装置100は、図1に示した電動パワーステアリング装置100に対し、転舵角センサ160が設けられていないことを除き同様の構成を有する。
よって制御装置10には、トルクセンサ109の出力値であるトルク信号Td、車両の移動速度である車速Vcを検出する車速センサ170の出力値が入力されるが、転舵速度信号Rは入力されない。
また図8は、第2の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の制御装置10の概略構成図である。
図8の制御装置10と図2の制御装置10とを比較すると、目標電流を算出する目標電流算出部20と、目標電流算出部20が算出した目標電流に基づいてフィードバック制御などを行う制御部30とを備える点では同様である。
ただし図7で説明したように、転舵速度信号Rは入力されないため、転舵速度信号Rを除くトルク信号Tdと、車速信号vの2つが目標電流算出部20に入力する点で異なる。
さらに図9は、第2の実施の形態に係る目標電流算出部20の概略構成図である。
図9の目標電流算出部20は、図4の目標電流算出部20と比較したときに、ほぼ同様の機能構成を有する。即ち、図9の目標電流算出部20は、図4の目標電流算出部20と同様に、ベース電流算出部21と、イナーシャ補償電流算出部22と、ダンパー補償電流算出部23と、目標電流決定部25と、トルク変動周波数算出部26と、トルク変動除去部27と、位相補償部28とを備えている。
ただし図9の目標電流算出部20は、トルク変動周波数算出部26に、転舵速度信号Rは入力されず、回転速度信号Nmsが入力される点で異なる。即ち、トルク変動周波数算出部26は、電動モータ110の回転速度を表わす回転速度信号Nmsを取得する。そして電動モータ110の回転速度を基に、トルク変動の周波数を算出する。なお他の機能構成部の動作については図4の場合と同様である。
なお制御部30については、第2の実施の形態の電動パワーステアリング装置100は、図5で説明した第1の実施の形態の場合と同様である。
そして図10は、第2の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の動作について説明したフローチャートである。
ここでは、まず電動モータ110の回転子の回転位置を検出するセンサが、電動モータ110の回転速度を検出し、回転速度信号Nmsを出力する(ステップ201)。
またトルクセンサ109がステアリングホイール101の操舵トルクTを検出し、トルク信号Tdを出力する(ステップ202)。
回転速度信号Nmsは、目標電流算出部20のトルク変動周波数算出部26により取得される(ステップ203)。
そしてトルク変動周波数算出部26は、回転速度信号Nmsを基に操舵トルクTに生ずるトルク変動の周波数を算出する(ステップ204)。
なお以下のステップ205〜ステップ210は、図6のステップ105〜ステップ110とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。
以上詳述したステアリング装置100では、トルク信号Tdから、ステアリングホイール101の操作に応じて発生し周波数が時間的に変化するトルク変動を除去することができる。そのためステアリング装置100の作動音が低減できるとともに、振動についても低減することが可能である。
なお上述した例では、ステアリングホイール101の転舵速度および電動モータ110の回転速度の一方のみを使用していたが、これに限られるものではなく、双方を併用してもよい。
また上述した例では、トルク変動は、1種類のみ生じている場合について説明したが、これに限られるものではない。トルク変動の原因となる回転機構部は、ステアリング装置100内部に複数あるのが通常であるため、そのそれぞれについてトルク変動の周波数を算出し、トルク変動を除去する処理を行ってもよい。
また、上述した例では、ピニオン型の電動パワーステアリング装置に適用した構成ついて説明したが、特に限定されない。ラックアシスト型など他の形式の電動パワーステアリング装置に適用してもよい。そしてラックアシスト型の電動パワーステアリング装置に適用した場合には、ボールスクリューの駆動によるトルク変動についても考慮することが好ましい。
<プログラムの説明>
なお本実施の形態における制御装置10が行なう処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現することができる。この場合、制御装置10に設けられた制御用コンピュータ内部の図示しないCPUが、制御装置10の各機能を実現するプログラムを実行し、これらの各機能を実現させる。
よって制御装置10が行なう処理は、コンピュータに、ステアリングホイール101の操舵トルクTを検出するトルクセンサ109からトルク信号Tdを取得する機能と、ステアリングホイール101の操作に応じて発生し周波数が時間的に変化するトルク変動の周波数を算出する機能と、取得されたトルク信号Tdから、算出された周波数のトルク変動を除去する機能と、トルク変動が除去された後のトルク信号に基づいて、ステアリングホイール101の操作に対し車輪150を転舵させるアシスト力を付与する電動モータ110に供給する電流を設定する機能と、を実現させるプログラムとして捉えることもできる。
なお、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
10…制御装置、20…目標電流算出部、25…目標電流決定部、26…トルク変動周波数算出部、27…トルク変動除去部、30…制御部、100…電動パワーステアリング装置、101…ステアリングホイール(ハンドル)、109…トルクセンサ、110…電動モータ、150…車輪、160…転舵角センサ

Claims (4)

  1. ステアリングホイールの操作に対し車輪を転舵させるアシスト力を付与する電動モータと、
    前記ステアリングホイールの操舵トルクを検出しトルク信号を生成するトルク検出手段と、
    前記トルク検出手段により生成されたトルク信号から、前記ステアリングホイールの操作に応じて発生し周波数が時間的に変化するトルク変動を除去する除去手段と、
    前記除去手段によりトルク変動が除去された後のトルク信号に基づいて設定された電流を供給することにより前記電動モータの駆動を制御するモータ制御手段と、
    前記ステアリングホイールの転舵速度を基にトルク変動の周波数を算出する算出手段と、
    を備え
    前記除去手段は、前記算出手段により算出された周波数のトルク変動を除去することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記算出手段は、予め定められた基本周波数に対し、前記ステアリングホイールの転舵速度対して定まる係数を乗算することでトルク変動の周波数を算出することを特徴とする請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. トルク変動は、装置内部の回転機構部に起因して生ずるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. コンピュータに、
    ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルク検出手段からトルク信号を取得する機能と、
    前記ステアリングホイールの操作に応じて発生し周波数が時間的に変化するトルク変動の周波数を前記ステアリングホイールの転舵速度を基に算出する機能と、
    取得されたトルク信号から、算出された周波数のトルク変動を除去する機能と、
    トルク変動が除去された後のトルク信号に基づいて、前記ステアリングホイールの操作に対し車輪を転舵させるアシスト力を付与する電動モータに供給する電流を設定する機能と、
    を実現させるプログラム。
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