JP2014024971A - 黄色透明膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無機顔料を必要とせず、無機顔料を粉砕や気相法でナノサイズにする手間や分級させる手間を無くし、分級による収率のロスを無くし、ナノサイズに分級された無機顔料を分散させる手間を無くし、耐熱性に優れた黄色透明膜を提供する。
【解決方法】
有機溶剤に可溶な有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を有機溶剤に溶解させ、さらにシリコーン化合物を有機溶剤に溶解し、これらの有機溶剤混合物を基材上に塗布後、250℃以上の温度で焼成してなる黄色透明被膜であって、有機ビスマス化合物および有機バナジウム化合物が、脂肪酸のビスマス塩および脂肪酸のバナジウム塩、ビスマスアルコキサイドおよびバナジウムアルコキサイド、ビスマスキレートおよびバナジウムキレートから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする黄色透明膜。
【選択図】なし
【解決方法】
有機溶剤に可溶な有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を有機溶剤に溶解させ、さらにシリコーン化合物を有機溶剤に溶解し、これらの有機溶剤混合物を基材上に塗布後、250℃以上の温度で焼成してなる黄色透明被膜であって、有機ビスマス化合物および有機バナジウム化合物が、脂肪酸のビスマス塩および脂肪酸のバナジウム塩、ビスマスアルコキサイドおよびバナジウムアルコキサイド、ビスマスキレートおよびバナジウムキレートから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする黄色透明膜。
【選択図】なし
Description
本発明は、ガラスの表面に塗布し、高温で焼成することにより、ガラスの意匠性を変えたり、特定波長の光を吸収あるいは透過させたり、反射させる耐熱性に優れた黄色透明膜に関する。
従来、黄色透明膜を得るには、有機系樹脂に黄色染料の添加や黄色有機顔料を添加する方法が取られている。しかし、これらの方法で得られた黄色透明膜は耐熱性や耐光性に劣るという問題がある。
耐熱性や耐光性を向上させるために、ゾルーゲル法などにより得られたシリコーン化合物の重合物にナノサイズのバナジン酸ビスマスや酸化鉄のような黄色顔料分散液あるいは銀コロイドを添加し、この液を塗布後、焼成するという方法が取られている。この場合、まず、無機顔料をナノサイズに粉砕し、分級するか、気相法でナノサイズの無機顔料を得るかしなければならない。これらの方法で得られた無機顔料の1次粒子はナノサイズであるが、凝集しやすいので、2次粒子はナノサイズでなくなり、このものを単に分散し、ゾルーゲル法などにより得られたシリコーン化合物の重合物に添加しても不透明な膜となり、透明膜は得られない。そのため、無機顔料を分散剤でナノ分散機を用いて有機溶媒中にナノサイズで分散させなければならない。
たとえば、体積平均粒径が10〜200nmで、かつ、体積基準90%径が300nm未満である表面処理剤で処理したバナジン酸ビスマス顔料と分散剤とシリコーン化合物バインダからなる黄色透明塗料は知られている(特許文献1参照)。
しかし、ナノ分散された無機顔料粒子は分散液中で凝集するという問題や、シリコーン化合物と混合した時の凝集や増粘という問題が少ない場合でも、経時的に凝集や増粘してくるので、この分散液のポットライフやシェルフライフが短いという問題がある。また、分散剤の使用が不可欠なので、膜形成成分であるシリコーン化合物との相溶性が悪いと不透明な膜になるという問題もある。無機顔料をナノサイズに粉砕し、分級するか、気相法でナノサイズの無機顔料を得る方法は収率が低く、経済的ではない。
蒸着により黄色透明膜を得ることも可能であるが、形状が限定され、被塗装物をセットする作業に手間を要する。また、真空蒸着装置などは高価であり、経済的ではない。
耐熱性や耐光性を向上させるために、ゾルーゲル法などにより得られたシリコーン化合物の重合物にナノサイズのバナジン酸ビスマスや酸化鉄のような黄色顔料分散液あるいは銀コロイドを添加し、この液を塗布後、焼成するという方法が取られている。この場合、まず、無機顔料をナノサイズに粉砕し、分級するか、気相法でナノサイズの無機顔料を得るかしなければならない。これらの方法で得られた無機顔料の1次粒子はナノサイズであるが、凝集しやすいので、2次粒子はナノサイズでなくなり、このものを単に分散し、ゾルーゲル法などにより得られたシリコーン化合物の重合物に添加しても不透明な膜となり、透明膜は得られない。そのため、無機顔料を分散剤でナノ分散機を用いて有機溶媒中にナノサイズで分散させなければならない。
たとえば、体積平均粒径が10〜200nmで、かつ、体積基準90%径が300nm未満である表面処理剤で処理したバナジン酸ビスマス顔料と分散剤とシリコーン化合物バインダからなる黄色透明塗料は知られている(特許文献1参照)。
しかし、ナノ分散された無機顔料粒子は分散液中で凝集するという問題や、シリコーン化合物と混合した時の凝集や増粘という問題が少ない場合でも、経時的に凝集や増粘してくるので、この分散液のポットライフやシェルフライフが短いという問題がある。また、分散剤の使用が不可欠なので、膜形成成分であるシリコーン化合物との相溶性が悪いと不透明な膜になるという問題もある。無機顔料をナノサイズに粉砕し、分級するか、気相法でナノサイズの無機顔料を得る方法は収率が低く、経済的ではない。
蒸着により黄色透明膜を得ることも可能であるが、形状が限定され、被塗装物をセットする作業に手間を要する。また、真空蒸着装置などは高価であり、経済的ではない。
本発明に於いては、有機溶剤に可溶な有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を有機溶剤に溶解させ、ゾルーゲル法などにより得られたシリコーン化合物の重合物の有機溶剤に溶解させた溶液と混合し、金属やガラスあるいはセラミックの表面に塗布し、高温で焼成することにより、金属やガラスの意匠性を変えたり、特定波長の光を吸収あるいは透過させたり、反射させる黄色透明膜を提供することを目的とする。
上記の課題を解決すべく、鋭意研究した結果、無機顔料を必要とせず、無機顔料を粉砕や気相法でナノサイズにする手間や分散させる手間を無くし、耐熱性に優れた黄色透明膜を提供すべく、有機溶剤に可溶な有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を有機溶剤に溶解させ、ゾルーゲル法などにより得られたシリコーン化合物を有機溶剤に溶解させて、金属やガラスあるいはセラミックの表面に塗布し、焼成することにより、シリコーン化合物の重合物に溶解あるいは微分散された金属酸化物が得られ、耐熱性に優れた黄色透明膜が得られることがわかり、本目的を達成できることを確認した。また、有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物とシリコーン化合物を有機溶剤に溶解させた液は長時間の保存に耐えることも確認した。
有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物とシリコーン化合物の有機溶剤溶液を金属やガラスの表面に塗布し、焼成することにより耐熱性に優れた機能性透明膜が得られることを確認した。
すなわち、本発明は、有機溶剤に可溶な有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を有機溶剤に溶解させ、さらにシリコーン化合物を有機溶剤に溶解し、これらの有機溶剤混合物を基材上に塗布後、250℃以上の温度で焼成してなる黄色透明被膜である。
また、本発明においては、基材を、ガラスとすることができる。
さらに、本発明においては、有機ビスマス化合物として、脂肪酸のビスマス塩、ビスマスアルコキサイド、ビスマスキレートから選ばれる1種又は2種以上とすることができ、有機バナジウム化合物として、脂肪酸のバナジウム塩、バナジウムアルコキサイド、バナジウムキレートから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物とシリコーン化合物の有機溶剤溶液を金属やガラスの表面に塗布し、焼成することにより耐熱性に優れた機能性透明膜が得られることを確認した。
すなわち、本発明は、有機溶剤に可溶な有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を有機溶剤に溶解させ、さらにシリコーン化合物を有機溶剤に溶解し、これらの有機溶剤混合物を基材上に塗布後、250℃以上の温度で焼成してなる黄色透明被膜である。
また、本発明においては、基材を、ガラスとすることができる。
さらに、本発明においては、有機ビスマス化合物として、脂肪酸のビスマス塩、ビスマスアルコキサイド、ビスマスキレートから選ばれる1種又は2種以上とすることができ、有機バナジウム化合物として、脂肪酸のバナジウム塩、バナジウムアルコキサイド、バナジウムキレートから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
また本発明では、脂肪酸のビスマス塩あるいはバナジウム塩を、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、オクチル酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2-エチルヘキサン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸若しくはリノレン酸を2量化して得られたダイマー酸、ロジンに代表される樹脂酸、塗料の乾燥剤に用いられるナフテン酸ロジンなどの樹脂酸から選ばれる1種又は2種以上の脂肪酸のビスマス塩あるいはバナジウム塩が使用できる。
また、さらに本発明では、脂肪酸のビスマス塩あるいはバナジウム塩が、ビスマスアルコキサイドあるいはバナジウムアルコキサイドが、メトキサイド、エトキサイド、プロポキサイド、イソプロポキサイド、ブトキサイドから選ばれる1種又は2種以上を用いることが出来る。
さらに、本発明においては、ビスマスキレートあるいはバナジウムキレートが、アセチルアセトンあるいはアセト酢酸エステルのキレートとすることができる。ビスマスあるいはバナジウムキレートには酸素、窒素、イオウのような孤立電子を有する有機化合物を用いることができるが、窒素化合物やイオウ化合物は焼成時に腐食性ガスや刺激性ガスを発生させるので、好ましいとは言えない。アセチルアセトン又はアセト酢酸エステルなどのキレートは有機溶剤に対する溶解性にも優れており、好ましく使用される。
本発明においては、有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を2種類併用することにより、鮮やかな色合いの黄色透明膜を容易に得ることができる。有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を併用する割合はいかなる割合でも良いが、三酸化ビスマス(Bi2O3)と五酸化バナジウム(V2O5)換算で、モル比2:8〜8:2が好ましく、1:1に近づくほど好ましい。
本発明においては、有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を2種類併用することにより、鮮やかな色合いの黄色透明膜を容易に得ることができる。有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を併用する割合はいかなる割合でも良いが、三酸化ビスマス(Bi2O3)と五酸化バナジウム(V2O5)換算で、モル比2:8〜8:2が好ましく、1:1に近づくほど好ましい。
さらに、本発明においては、焼成温度を250℃以上とすることができ、本発明は、有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物とシリコーン化合物を溶剤に溶解し、基材に塗布後、250℃以上の温度で焼成してなる黄色透明膜である。
また、本発明において平均粒子径が200〜300nmであるバナジン酸ビスマスを併用することも可能である。平均粒子径が200〜300nmであるバナジン酸ビスマスを有機溶剤に分散させ、シリコーン化合物に混合し、塗布すると不透明な膜になるが、有機溶剤に溶解させた有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物に混合すると大きく透明性が向上することもわかった。平均粒子径が200〜300nmであるバナジン酸ビスマスの配合割合は有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を三酸化ビスマス(Bi2O3)と五酸化バナジウム(V2O5)に換算した合計重量100重量部に対して、200重量部以下であり、100重量部が好ましく、50重量部以下であれば、さらに好ましい。
また、本発明において平均粒子径が200〜300nmであるバナジン酸ビスマスを併用することも可能である。平均粒子径が200〜300nmであるバナジン酸ビスマスを有機溶剤に分散させ、シリコーン化合物に混合し、塗布すると不透明な膜になるが、有機溶剤に溶解させた有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物に混合すると大きく透明性が向上することもわかった。平均粒子径が200〜300nmであるバナジン酸ビスマスの配合割合は有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を三酸化ビスマス(Bi2O3)と五酸化バナジウム(V2O5)に換算した合計重量100重量部に対して、200重量部以下であり、100重量部が好ましく、50重量部以下であれば、さらに好ましい。
また、本発明は有機溶剤に可溶な有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を有機溶剤に溶解させ、シリコーン化合物を有機溶剤に溶解し、金属若しくはガラスに塗布後、250℃以上の温度で焼成してなる黄色透明被膜の製造方法である。
さらに本発明では、シリコーン化合物が、アルコキシシランモノマーであり、アルコキシシランモノマーを酸触媒下で、室温〜100℃で反応させて得られるアルコキシシランモノマーとアルコキシシランポリマーの反応混合物である黄色透明被膜の製造方法である。
さらに本発明では、シリコーン化合物が、アルコキシシランモノマーであり、アルコキシシランモノマーを酸触媒下で、室温〜100℃で反応させて得られるアルコキシシランモノマーとアルコキシシランポリマーの反応混合物である黄色透明被膜の製造方法である。
本発明の黄色透明膜は、無機顔料を用いることなく黄色透明膜を得ることができるので、無機顔料を必要とせず、無機顔料を粉砕や気相法でナノサイズにする手間や分級させる手間を無くし、分級による収率のロスを無くし、ナノサイズに分級された無機顔料を分散させる手間を無くし、耐熱性に優れた黄色透明膜を提供することが出来る。
本発明においては、シリコーン化合物を、アルコキシシランモノマーを酸触媒下で、室温〜100℃で反応させて得られる反応混合物とすることができる。また、膜の硬度、強度や屈折率を調整することを目的として、アルコキシ基やアセチルアセトナート基などを有するチタニウム、ジルコニウム、アルミニウムなどのカップリング剤を必要に応じて併用して、反応させても良い。また、これらのカップリング剤をシリコーン化合物に混合して、使用しても良い。本発明ではこれらの樹脂を総称して、シリコーン化合物と言う。
有機溶剤としては、シクロヘキサン、デカン、ケロシン、ミネラルスピリット、テルペン等の脂肪族系溶剤やトルエン、キシレン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶剤、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコールのようなアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルのようなエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル系溶剤等を単独あるいは併用して用いることができる。
さらに本発明では、脂肪酸のビスマス塩とバナジウム塩、ビスマスアルコキサイドとバナジウムアルコキサイド、ビスマスキレートとバナジウムキレートから選ばれる1種又は2種以上である有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物と、アルコキシシランモノマー、又はポリマーあるいはこれらの混合物であるシリコーン化合物を有機溶剤に溶解して用いる。
また、本発明では、有機溶剤に可溶な有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を有機溶剤に溶解させ、シリコーン化合物を有機溶剤に溶解し、金属若しくはガラスに塗布後、250℃以上の温度で焼成することができる。
また、本発明では、有機溶剤に可溶な有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を有機溶剤に溶解させ、シリコーン化合物を有機溶剤に溶解し、金属若しくはガラスに塗布後、250℃以上の温度で焼成することができる。
さらに本発明では、脂肪酸のビスマス塩とバナジウム塩、ビスマスアルコキサイドとバナジウムアルコキサイド、ビスマスキレートとバナジウムキレートから選ばれる1種又は2種以上である有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物と、アルコキシシランモノマー、又はポリマーあるいはこれらの混合物であるシリコーン化合物を溶剤に溶解し、金属若しくはガラスに塗布後、250℃以上の温度で焼成してなる黄色透明膜を有する白熱電球、ハロゲンランプ、キセノンランプおよびその製造方法として用いることができる。
本発明で用いる有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物は脂肪酸のビスマス塩とバナジウム塩かビスマスアルコキサイドとバナジウムアルコキサイドあるいはビスマスキレートとバナジウムキレートの1種又は2種以上を用いることが出来る。
有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物は有機溶剤に可溶であることが必要であり、脂肪酸のビスマス塩とバナジウム塩の場合、使用する脂肪酸としては飽和、不飽和、直鎖、分岐、環状のものが使用できる。具体的には、炭素数3以上の脂肪酸が好ましく、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、オクチル酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2-エチルヘキサン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸のような飽和、不飽和、直鎖、分岐脂肪酸、オレイン酸、リノール酸やリノレン酸を2量化して得られたダイマー酸、ロジンに代表される樹脂酸、塗料の乾燥剤に用いられるナフテン酸などが使用できる。
ビスマスアルコキサイドとバナジウムアルコキサイドの場合、メトキサイド、エトキサイド、プロポキサイド、イソプロポキサイド、ブトキサイドなどが使用でき、ビスマスアルコキサイドではモノアルコキサイド、ジアルコキサイド、トリアルコキサイドの内、いかなるアルコキサイドを用いても良く、バナジウムアルコキサイドではモノアルコキサイド、ジアルコキサイド、トリアルコキサイド、テトラアルコキサイド、ペンタアルコキサイドの内、いかなるアルコキサイドを用いても良い。
ビスマスキレートおよびバナジウムキレートとして酸素、窒素、イオウのような孤立電子を有する有機化合物を用いることができるが、窒素化合物やイオウ化合物は焼成時に腐食性ガスや刺激性ガスを発生させるので、好ましいとは言えない。アセチルアセトン又はアセト酢酸エステルなどのキレートは有機溶剤に対する溶解性にも優れており、好ましく使用できる。
有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物は有機溶剤に可溶であることが必要であり、脂肪酸のビスマス塩とバナジウム塩の場合、使用する脂肪酸としては飽和、不飽和、直鎖、分岐、環状のものが使用できる。具体的には、炭素数3以上の脂肪酸が好ましく、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、オクチル酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2-エチルヘキサン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸のような飽和、不飽和、直鎖、分岐脂肪酸、オレイン酸、リノール酸やリノレン酸を2量化して得られたダイマー酸、ロジンに代表される樹脂酸、塗料の乾燥剤に用いられるナフテン酸などが使用できる。
ビスマスアルコキサイドとバナジウムアルコキサイドの場合、メトキサイド、エトキサイド、プロポキサイド、イソプロポキサイド、ブトキサイドなどが使用でき、ビスマスアルコキサイドではモノアルコキサイド、ジアルコキサイド、トリアルコキサイドの内、いかなるアルコキサイドを用いても良く、バナジウムアルコキサイドではモノアルコキサイド、ジアルコキサイド、トリアルコキサイド、テトラアルコキサイド、ペンタアルコキサイドの内、いかなるアルコキサイドを用いても良い。
ビスマスキレートおよびバナジウムキレートとして酸素、窒素、イオウのような孤立電子を有する有機化合物を用いることができるが、窒素化合物やイオウ化合物は焼成時に腐食性ガスや刺激性ガスを発生させるので、好ましいとは言えない。アセチルアセトン又はアセト酢酸エステルなどのキレートは有機溶剤に対する溶解性にも優れており、好ましく使用できる。
また、脂肪酸のビスマス塩とバナジウム塩、ビスマスアルコキサイドとバナジウムアルコキサイド、ビスマスキレートとバナジウムキレートから選ばれる1種又は2種以上である有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物と、アルコキシシランモノマー、又はポリマーあるいはこれらの混合物であるシリコーン系樹脂と均一に溶解させ、塗布後、焼成することにより、複合酸化物が得られるためか、鮮やかな黄色の透明膜を得ることができる。
脂肪酸のビスマス塩とバナジウム塩、ビスマスアルコキサイドとバナジウムアルコキサイド、ビスマスキレートとバナジウムキレートはシリコーン系樹脂や有機溶剤に溶解していなければならない。
有機溶剤としては、シクロヘキサン、デカン、ケロシン、ミネラルスピリット、テルペン等の脂肪族系溶剤やトルエン、キシレン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶剤、エチルアルコール、プロピルアルコールのようなアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルのようなエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル系溶剤等を単独あるいは併用して用いることができる。
脂肪酸のビスマス塩とバナジウム塩、ビスマスアルコキサイドとバナジウムアルコキサイド、ビスマスキレートとバナジウムキレートはシリコーン系樹脂や有機溶剤に溶解していなければならない。
有機溶剤としては、シクロヘキサン、デカン、ケロシン、ミネラルスピリット、テルペン等の脂肪族系溶剤やトルエン、キシレン、ニトロベンゼン等の芳香族系溶剤、エチルアルコール、プロピルアルコールのようなアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルのようなエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル系溶剤等を単独あるいは併用して用いることができる。
本発明において用いるシリコーン化合物(シリコーン系樹脂)は、アルキル基、アルコキシル基、エポキシ基、フェニル基、ビニル基、メタクリロキシ基、スチリル基、アクリロキシ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基、アミノ基を有するアルコキシシラン類及びその縮合反応物である。また、本発明において用いるシリコーン化合物(シリコーン系樹脂)はアルコキシチタン、アルコキシジルコニウム、アルコキシアルミニウムのようなアルコキシ化合物を併用して用いることもできる。
また、これらのシリコーン化合物を塩酸触媒等で重合させたゾルーゲル液をシリコーン化合物(ポリマー)として使用することができ、さらに、モノマーとポリマーの混合物を用いることもできる。
さらにまた、本発明においてはこのようなシリコーン化合物とチタンやジルコニウムやアルミニウムのアルコキシ化合物並びにチタンやアルミニウムのアセチルアセトナートのようなキレート化合物を同時にゾルーゲル反応させたものも使用することができる。
ゾルーゲル反応の触媒は塩酸に限らず、硫酸、硝酸、燐酸のような無機酸、酢酸、プロピオン酸のような有機酸、3フッ化ホウ素のようなルイス酸などが使用できる。また、ゾルーゲル反応物に残存するアルコキシ基の一部を水で加水分解したものをシリコーン系樹脂として使用しても良い。
反応温度はとくに制限は無いが通常室温〜100℃で行い、反応時間も特に制限は無いが通常0.5時間から24時間程度行うのが好ましい。反応は室温以下でも進行するが、室温以上で反応させた方が経済的である。
シリコーン化合物の作用としては膜としての機能のみならず、脂肪酸のビスマス塩とバナジウム塩、ビスマスアルコキサイドとバナジウムアルコキサイド、ビスマスキレートとバナジウムキレートを溶解させる作用も有している。
また、これらのシリコーン化合物を塩酸触媒等で重合させたゾルーゲル液をシリコーン化合物(ポリマー)として使用することができ、さらに、モノマーとポリマーの混合物を用いることもできる。
さらにまた、本発明においてはこのようなシリコーン化合物とチタンやジルコニウムやアルミニウムのアルコキシ化合物並びにチタンやアルミニウムのアセチルアセトナートのようなキレート化合物を同時にゾルーゲル反応させたものも使用することができる。
ゾルーゲル反応の触媒は塩酸に限らず、硫酸、硝酸、燐酸のような無機酸、酢酸、プロピオン酸のような有機酸、3フッ化ホウ素のようなルイス酸などが使用できる。また、ゾルーゲル反応物に残存するアルコキシ基の一部を水で加水分解したものをシリコーン系樹脂として使用しても良い。
反応温度はとくに制限は無いが通常室温〜100℃で行い、反応時間も特に制限は無いが通常0.5時間から24時間程度行うのが好ましい。反応は室温以下でも進行するが、室温以上で反応させた方が経済的である。
シリコーン化合物の作用としては膜としての機能のみならず、脂肪酸のビスマス塩とバナジウム塩、ビスマスアルコキサイドとバナジウムアルコキサイド、ビスマスキレートとバナジウムキレートを溶解させる作用も有している。
本発明において、有機溶剤に可溶な脂肪酸のビスマス塩とバナジウム塩、ビスマスアルコキサイドとバナジウムアルコキサイド、ビスマスキレートとバナジウムキレートを有機溶剤に溶解させ、ゾルーゲル法などにより得られたシリコーン系樹脂の有機溶剤に溶解させた溶液との混合物を金属やガラスの表面に塗布する方法としては浸漬塗装方法(ディッピングコート法)、ハケやローラによる塗装、エアガンやエアゾルによるスプレー塗装方法、スピンコート法などがあげられる。
機能性を向上させるために、薄膜を塗り重ねることもできる。
本発明で用いる基材は、何でも良いが典型的にはガラス、陶器、セラミック、金属のような耐熱性に優れた基材である。基材の形状は、板状でも、電球のような曲面状でも、中空シリカのような球状でも良く、不定形であっても良い。
機能性を向上させるために、薄膜を塗り重ねることもできる。
本発明で用いる基材は、何でも良いが典型的にはガラス、陶器、セラミック、金属のような耐熱性に優れた基材である。基材の形状は、板状でも、電球のような曲面状でも、中空シリカのような球状でも良く、不定形であっても良い。
また、本発明においてはアンチモンースズ複合酸化物やインジウムースズ複合酸化物などの機能性を付与した基材の上に塗布しても良い。
また、本発明で用いる基材は、透明であることが好ましい。このような透明基材としては、ソーダガラス、鉛クリスタルガラス、石英ガラス、硼珪酸ガラス(耐熱ガラス)等の各種のガラス、白熱電球、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の電球類、透明な陶磁器を用いることができる。
また、本発明で用いる基材は、透明であることが好ましい。このような透明基材としては、ソーダガラス、鉛クリスタルガラス、石英ガラス、硼珪酸ガラス(耐熱ガラス)等の各種のガラス、白熱電球、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の電球類、透明な陶磁器を用いることができる。
本発明においては、高温で焼成することにより機能性がより発現できる。焼成する温度はシリコーン樹脂や有機溶剤に可溶な脂肪酸のビスマス塩とバナジウム塩、ビスマスアルコキサイドとバナジウムアルコキサイド、ビスマスキレートとバナジウムキレート等の有機金属化合物を分解させる温度が好ましく、焼成温度は250℃以上が好ましい。
本発明においては、基材への密着性向上を目的として、湿潤分散剤を添加しても支障はなく、レベリング剤やレオロジーコントロール剤を併用することもできる。
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(合成例 シリコーン化合物の合成)
500mlPP製三角フラスコに攪拌子を入れ、そこにテトラメトキシシラン(TMOS)45.6g(0.3モル)、メチルトリメトキシシラン(MTMS)68.1g(0.5モル)、フェニルトリエトキシシラン(PTES)48.0g(0.2モル)、イソプロピルアルコール160gを加えた。3N−塩酸水溶液6gをスポイドで徐々に添加した。60℃で、3時間反応させた。その後、塩酸を除去するために、イオン交換樹脂を加え、ろ過した。ろ液を浴温50℃のロータリーエバポレーターで濃縮後、イソプロピルアルコールを加え、不揮発分45%のシリコーン化合物液を306g得た。
黄色透明膜の作成
(合成例 シリコーン化合物の合成)
500mlPP製三角フラスコに攪拌子を入れ、そこにテトラメトキシシラン(TMOS)45.6g(0.3モル)、メチルトリメトキシシラン(MTMS)68.1g(0.5モル)、フェニルトリエトキシシラン(PTES)48.0g(0.2モル)、イソプロピルアルコール160gを加えた。3N−塩酸水溶液6gをスポイドで徐々に添加した。60℃で、3時間反応させた。その後、塩酸を除去するために、イオン交換樹脂を加え、ろ過した。ろ液を浴温50℃のロータリーエバポレーターで濃縮後、イソプロピルアルコールを加え、不揮発分45%のシリコーン化合物液を306g得た。
黄色透明膜の作成
バナジウムアセチルアセトナート(98%)1.30g、2−エチルヘキサン酸ビスマス(Bi25%)4.00g、エタノール40.00g、シリコーン化合物(合成例)2.60g、V2O5(モル)/Bi2O3(モル)1.00gを均一に混合した配合液にスライドガラスを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、440℃で3分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を2回繰り返し、外観を目視で観察し、441nm付近における吸光度を可視分光光度計により測定した。吸光度(λmax)は0.26 外観色はレモンイエローであり、透明であった。
実施例1と同様に、表1に示す割合で、バナジウムアセチルアセトナート(98%)、2−エチルヘキサン酸ビスマス(Bi25%)、エタノール、シリコーン化合物(合成例)、V2O5(モル)/Bi2O3(モル)を均一に混合した配合液にスライドガラスを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、440℃で3分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を2回繰り返し、外観を目視で観察し、441nm付近における吸光度を可視分光光度計により測定した。吸光度(λmax)は0.13 外観色はレモンイエローであり、透明であった。
実施例1と同様に、表1に示す割合で、バナジウムアセチルアセトナート(98%)、2−エチルヘキサン酸ビスマス(Bi25%)、エタノール、シリコーン化合物(合成例)、V2O5(モル)/Bi2O3(モル)を均一に混合した配合液にスライドガラスを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、440℃で3分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を2回繰り返し、外観を目視で観察し、441nm付近における吸光度を可視分光光度計により測定した。吸光度(λmax)は0.14 外観色はレモンイエローであり、透明であった。
実施例1と同様に、表1に示す割合で、バナジウムアセチルアセトナート(98%)、2−エチルヘキサン酸ビスマス(Bi25%)、エタノール、シリコーン化合物(合成例)、V2O5(モル)/Bi2O3(モル)を均一に混合した配合液にスライドガラスを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、300℃で3分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を3回繰り返し、外観を目視で観察し、441nm付近における吸光度を可視分光光度計により測定した。吸光度(λmax)は0.37 外観色はレモンイエローであり、透明であった。
(比較例1)
バナジウムアセチルアセトナート(98%)0.26g、2−エチルヘキサン酸ビスマス(Bi25%)7.20g、エタノール40.00g、シリコーン化合物(合成例)2.60g、V2O5(モル)/Bi2O3(モル)0.11gを均一に混合した配合液にスライドガラスを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、440℃で3分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を2回繰り返し、外観を目視で観察し、441nm付近における吸光度を可視分光光度計により測定した。吸光度(λmax)は0.00 外観色は僅かに黄色であり、透明であった。
(比較例2)
バナジウムアセチルアセトナート(98%)2.34g、2−エチルヘキサン酸ビスマス(Bi25%)0.80g、エタノール40.00g、シリコーン化合物(合成例)2.60g、V2O5(モル)/Bi2O3(モル)9.00gを均一に混合した配合液にスライドガラスを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、440℃で3分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を2回繰り返し、外観を目視で観察し、441nm付近における吸光度を可視分光光度計により測定した。吸光度(λmax)は0.02 外観色は僅かに褐色であり、透明であった。
(比較例3)
バナジウムアセチルアセトナート(98%)1.30g、2−エチルヘキサン酸ビスマス(Bi25%)4.00g、エタノール40.00g、シリコーン化合物(合成例)2.60g、V2O5(モル)/Bi2O3(モル)1.00gを均一に混合した配合液にスライドガラスを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、180℃で3分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を2回繰り返し、外観を目視で観察し、441nm付近における吸光度を可視分光光度計により測定した。吸光度(λmax)は0.00 外観色は無色であり、透明であった。
実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例3をまとめて表1に示す。
バナジウムアセチルアセトナート(98%)0.26g、2−エチルヘキサン酸ビスマス(Bi25%)7.20g、エタノール40.00g、シリコーン化合物(合成例)2.60g、V2O5(モル)/Bi2O3(モル)0.11gを均一に混合した配合液にスライドガラスを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、440℃で3分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を2回繰り返し、外観を目視で観察し、441nm付近における吸光度を可視分光光度計により測定した。吸光度(λmax)は0.00 外観色は僅かに黄色であり、透明であった。
(比較例2)
バナジウムアセチルアセトナート(98%)2.34g、2−エチルヘキサン酸ビスマス(Bi25%)0.80g、エタノール40.00g、シリコーン化合物(合成例)2.60g、V2O5(モル)/Bi2O3(モル)9.00gを均一に混合した配合液にスライドガラスを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、440℃で3分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を2回繰り返し、外観を目視で観察し、441nm付近における吸光度を可視分光光度計により測定した。吸光度(λmax)は0.02 外観色は僅かに褐色であり、透明であった。
(比較例3)
バナジウムアセチルアセトナート(98%)1.30g、2−エチルヘキサン酸ビスマス(Bi25%)4.00g、エタノール40.00g、シリコーン化合物(合成例)2.60g、V2O5(モル)/Bi2O3(モル)1.00gを均一に混合した配合液にスライドガラスを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、180℃で3分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を2回繰り返し、外観を目視で観察し、441nm付近における吸光度を可視分光光度計により測定した。吸光度(λmax)は0.00 外観色は無色であり、透明であった。
実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例3をまとめて表1に示す。
バナジン酸ビスマス粉体、プロパノールー2、非イオン界面活性剤をホモミキサーで粗分散させ、その液をビーズミルでジルコニアビーズを用いて、分散させ、不揮発分32%(内、バナジン酸ビスマス:30%)のバナジン酸ビスマス分散液(30%)を得た。この分散液を光散乱式粒子径測定装置 LB−550(堀場製作所株式会社製)で平均粒子径を求めたところ、平均粒子径は268nmであった。この分散液をバナジン酸ビスマス分散液(30%)として用いた。
バナジウムアセチルアセトナート(98%)1.30g、2−エチルヘキサン酸ビスマス(Bi25%)4.00g、エタノール40.00g、シリコーン化合物(合成例)2.60g、バナジン酸ビスマス分散液(30%)9.83g、
V2O5(モル)/Bi2O3(モル)1.00g配合し、V2O5とBi2O3
との和を2.95gとし、V2O5とBi2O3との和100重量部に対するバナジン酸ビスマスとの割合100とする混合物を均一に混合した配合液にH4ハロゲンバルブを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、330℃で30分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を1回繰り返し、外観を目視で観察した。外観色はレモンイエローであり、半透明であった。
バナジウムアセチルアセトナート(98%)1.30g、2−エチルヘキサン酸ビスマス(Bi25%)4.00g、エタノール40.00g、シリコーン化合物(合成例)2.60g、バナジン酸ビスマス分散液(30%)9.83g、
V2O5(モル)/Bi2O3(モル)1.00g配合し、V2O5とBi2O3
との和を2.95gとし、V2O5とBi2O3との和100重量部に対するバナジン酸ビスマスとの割合100とする混合物を均一に混合した配合液にH4ハロゲンバルブを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、330℃で30分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を1回繰り返し、外観を目視で観察した。外観色はレモンイエローであり、半透明であった。
バナジウムアセチルアセトナート(98%)1.30g、2−エチルヘキサン酸ビスマス(Bi25%)4.00g、エタノール40.00g、シリコーン化合物(合成例)2.60g、バナジン酸ビスマス分散液(30%)1.97g、
V2O5(モル)/Bi2O3(モル)1.00g配合し、V2O5とBi2O3
との和を2.95gとし、V2O5とBi2O3との和100重量部に対するバナジン酸ビスマスとの割合20とする混合物を均一に混合した配合液にH4ハロゲンバルブを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、330℃で30分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を2回繰り返し、外観を目視で観察した。外観色はレモンイエローであり、透明であった。
V2O5(モル)/Bi2O3(モル)1.00g配合し、V2O5とBi2O3
との和を2.95gとし、V2O5とBi2O3との和100重量部に対するバナジン酸ビスマスとの割合20とする混合物を均一に混合した配合液にH4ハロゲンバルブを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、330℃で30分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を2回繰り返し、外観を目視で観察した。外観色はレモンイエローであり、透明であった。
(比較例4)
バナジウムアセチルアセトナート(98%)1.30g、2−エチルヘキサン酸ビスマス(Bi25%)4.00g、エタノール80.00g、シリコーン化合物(合成例)2.60g、バナジン酸ビスマス分散液(30%)29.50g、V2O5(モル)/Bi2O3(モル)1.00g配合し、V2O5とBi2O3との和を2.95gとし、V2O5とBi2O3との和100重量部に対するバナジン酸ビスマスとの割合300とする混合物を均一に混合した配合液にH4ハロゲンバルブを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、330℃で30分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を1回繰り返し、外観を目視で観察した。外観色はレモンイエローであり、不透明であった。
バナジウムアセチルアセトナート(98%)1.30g、2−エチルヘキサン酸ビスマス(Bi25%)4.00g、エタノール80.00g、シリコーン化合物(合成例)2.60g、バナジン酸ビスマス分散液(30%)29.50g、V2O5(モル)/Bi2O3(モル)1.00g配合し、V2O5とBi2O3との和を2.95gとし、V2O5とBi2O3との和100重量部に対するバナジン酸ビスマスとの割合300とする混合物を均一に混合した配合液にH4ハロゲンバルブを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、330℃で30分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を1回繰り返し、外観を目視で観察した。外観色はレモンイエローであり、不透明であった。
(比較例5)
エタノール60.00g、シリコーン化合物(合成例)2.60g、バナジン酸ビスマス分散液(30%)14.75gとする混合物を均一に混合した配合液にH4ハロゲンバルブを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、330℃で30分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を1回繰り返し、外観を目視で観察した。外観色はレモンイエローであり、不透明であった。
実施例5、実施例6及び比較例4、比較例5をまとめて表2に示す。
エタノール60.00g、シリコーン化合物(合成例)2.60g、バナジン酸ビスマス分散液(30%)14.75gとする混合物を均一に混合した配合液にH4ハロゲンバルブを浸漬し、2.0mm/秒の速度で引き上げ(塗布)、330℃で30分間焼成した。色の濃さを変化させるために、この操作(塗布・焼成)を1回繰り返し、外観を目視で観察した。外観色はレモンイエローであり、不透明であった。
実施例5、実施例6及び比較例4、比較例5をまとめて表2に示す。
本発明の機能性透明被膜は、建築用窓ガラス、自動車用窓ガラス、照明灯用のランプ、装飾用ランプ、家具用ガラス、金属の装飾等の多くの分野で使用することができ、産業上極めて有用である。
Claims (11)
- 有機溶剤に可溶な有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を有機溶剤に溶解させ、さらにシリコーン化合物を有機溶剤に溶解し、これらの有機溶剤混合物を基材上に塗布後、250℃以上の温度で焼成してなる黄色透明被膜。
- 基材が、ガラスである請求項1記載の黄色透明膜。
- 有機ビスマス化合物が、脂肪酸のビスマス塩、ビスマスアルコキサイド、ビスマスキレートから選ばれる1種又は2種以上であり、有機バナジウム化合物が、脂肪酸のバナジウム塩、バナジウムアルコキサイド、バナジウムキレートから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の黄色透明膜。
- 脂肪酸のビスマス塩あるいはバナジウム塩が、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、オクチル酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2-エチルヘキサン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸若しくはリノレン酸を2量化して得られたダイマー酸、ロジンに代表される樹脂酸、塗料の乾燥剤に用いられるナフテン酸ロジンなどの樹脂酸から選ばれる1種又は2種以上の脂肪酸のビスマス塩あるいはバナジウム塩である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の黄色透明膜。
- ビスマスアルコキサイドあるいはバナジウムアルコキサイドが、メトキサイド、エトキサイド、プロポキサイド、イソプロポキサイド、ブトキサイドから選ばれる1種又は2種以上である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の黄色透明膜。
- ビスマスキレートあるいはバナジウムキレートが、アセチルアセトンあるいはアセト酢酸エステルのキレートである請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の黄色透明膜。
- 有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物の割合が三酸化ビスマス(Bi2O3)と五酸化バナジウム(V2O5)換算モル比で2:8〜8:2であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の黄色透明膜。
- 平均粒子径が200〜300nmであるバナジン酸ビスマスの含有率が有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を三酸化ビスマス(Bi2O3)と五酸化バナジウム(V2O5)に換算した合計重量100重量部に対して、200重量部以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の黄色透明膜。
- 焼成温度が250℃以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかひとつに記載の黄色透明膜。
- 有機溶剤に可溶な有機ビスマス化合物と有機バナジウム化合物を有機溶剤に溶解させ、シリコーン化合物を有機溶剤に溶解し、金属若しくはガラスに塗布後、250℃以上の温度で焼成する請求項1ないし請求項9のいずれかひとつに記載の黄色透明被膜の製造方法。
- シリコーン化合物が、アルコキシシランモノマーであり、又はアルコキシシランモノマーを酸触媒下で、室温〜100℃で反応させて得られるアルコキシシランモノマーとアルコキシシランポリマーの反応混合物である請求項10に記載の黄色透明被膜の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114016206A (zh) * | 2021-06-28 | 2022-02-08 | 南通大学 | 一种用于催化降解糜烂性毒剂的柔性v2o5纳米纤维膜的制备方法 |
Citations (2)
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JPH0724610U (ja) * | 1993-10-18 | 1995-05-09 | 日本板硝子株式会社 | シェードバンド付き自動車用ガラスとその製造装置 |
JP2011242448A (ja) * | 2010-05-14 | 2011-12-01 | Nippon Coating Industry Co Ltd | 機能性透明膜及びその製造方法 |
-
2012
- 2012-07-27 JP JP2012166826A patent/JP2014024971A/ja active Pending
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CN114016206B (zh) * | 2021-06-28 | 2022-10-18 | 南通大学 | 一种用于催化降解糜烂性毒剂的柔性v2o5纳米纤维膜的制备方法 |
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