JP2013501259A - エレクトロウェッティング及び電気流体技術用着色導電性流体 - Google Patents

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Abstract

エレクトロウェッティング又は電気流体素子用の着色導電性流体、及び素子自体を開示する。着色導電性流体は、極性溶媒と、顔料及び/又は染料から選択される着色剤とを含む。極性溶媒は、(a)25℃で0.1cP〜1000cPの動的粘度、(b)25℃で25ダイン/cm〜90ダイン/cmの表面張力、及び(c)20%〜80%のエレクトロウェッティング相対感度を有する。着色導電性流体自体は、0.1μS/cm〜3000μS/cmの電気伝導率を有し、合計500ppm以下の2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン及び1.45Åより小さいイオン半径を有する多原子イオンを有しうる。着色導電性流体は、それが使用される素子における誘電体の絶縁破壊を引き起こすべきでない。電気伝導率を調節するための薬剤を着色導電性流体に場合により加えることができる。

Description

本出願は、参照により全体として本明細書に組み込まれる、2009年8月4日に出願した米国仮出願第61/231,156号の恩典を主張する。
本発明は、一般にエレクトロウェッティングの分野に関し、より具体的には、エレクトロウェッティング又は電気流体素子用着色導電性流体に関し、エレクトロウェッティング及び電気流体素子に関する。
エレクトロウェッティングは、高い輝度及びコントラスト比、大きい視野角並びに速いスイッチ速度の望ましい組合せに一部起因して様々な光応用分野における魅力的な変調方式となった。さらに、エレクトロウェッティングディスプレイの電力消費は、フロント又はバックライトを必要としないため比較的に低い。例えば、エレクトロウェッティングは、光ファイバー用光スイッチ、カメラ及び誘導装置用光シャッター又はフィルター、光ピックアップ素子、光導波路材料並びにビデオディスプレイピクセルを提供するために用いられている。「エレクトロウェッティング」という用語は、疎水性表面を有する液体の接触角に対する電界の効果を表す。電界により、液体が最初は液体をはじく表面に広がるか、又は表面を濡らし、素子のスペクトル特性の変化をもたらす。電界を除去したとき、接触角が増加し、液体は、スペクトル特性が最初の状態に戻る面積に収縮する。
着色非混和性流体は、視覚情報及び効果の再現が当該応用分野で必要である、電気流体及びエレクトロウェッティング素子の不可欠の部分である。従来型のエレクトロウェッティング素子は、一般的に、絶縁フッ素ポリマー上の膜を形成する着色油を有する。この着色油膜は、可視色を素子に付与する。油膜の上にある水層と絶縁フッ素ポリマーの下の電極との間に電圧を印加したとき、水が表面に対して電気濡れ効果を示すので、油膜は崩壊される。崩壊した油膜は、もはや色を素子に付与しない。電圧が除去されると、油が絶縁フッ素ポリマーを優先的に濡らし、油膜が再形成され、色が再び明らかになる。
エレクトロウェッティングにより動作する多くの素子は、水と「油」とも呼ばれる非極性流体との組合せを使用する。適切な素子の作動のために、非極性流体は、本質的に非導電性であり、電界による影響を受けない。これは、導電性である極性流体と対照的である。電気伝導率を増加させるために、LiCl、NaCl、NaBr、KCl、CaCl2、NaNO3、MgSO4及び同様なものなどの無機塩を水に溶解することができる。しかし、例えば、より高い温度での膨張、高い凝固点、低い沸点及び比較的高い蒸気圧などの水の物理的性質は、そのような素子の応用を制限しうるものであり、また絶縁破壊をもたらしうるものである。水及び他の溶媒の使用に伴う問題には対処がなされているが、種々のエレクトロウェッティング及び電気流体素子用の改善された着色流体の明確な必要性が依然として存在する。
国際出願PCT/US2008/076168号明細書
Balaji Rajら、「Ion and Liquid Dependent Dielectric Failure in Electrowetting Systems」、Langmuir|3b2|9版|2009年8月13日 Pure & App. Chem.、66巻、12号、2483〜2486頁、1994年 G. S. Manku、「Theoretical Principles of Inorganic Chemistry」、1980、96〜105頁、Tata McGraw-Hill Co, Limited Sigma-Aldrich ChemFiles、Ionic Liquids、5巻、6号、3頁
したがって、例えば、素子の構成要素に対して最小限の負の影響を示す又は負の影響を全く示さないなど、機器の性能を増大させ、且つ好ましい期間にわたり所望の機能を維持することができるエレクトロウェッティング又は電気流体素子用の改善された着色流体を提供することは有益であると思われる。
本発明の実施形態は、エレクトロウェッティング又は電気流体素子用の着色導電性流体を提供する。
一実施形態において、着色導電性流体は、少なくとも1つの極性溶媒と、顔料及び/又は染料から選択される少なくとも1つの着色剤とを含む。極性溶媒は、(a)25℃で0.1cP〜1000cPの動的粘度(dynamic viscosity)、(b)25℃で25ダイン/cm〜90ダイン/cmの表面張力、及び(c)20%〜80%のエレクトロウェッティング相対感度(relative response)を有する。着色導電性流体自体は、0.1μS/cm〜3000μS/cmの電気伝導率を有し、合計500ppm以下の2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン及び1.45Åより小さいイオン半径を有する多原子イオンを有する。
他の実施形態において、着色導電性流体は、少なくとも1つの極性溶媒と、顔料及び/又は染料から選択される少なくとも1つの着色剤とを含む。極性溶媒は、(a)25℃で0.1cP〜1000cPの動的粘度、(b)25℃で25ダイン/cm〜90ダイン/cmの表面張力、及び(c)20%〜80%のエレクトロウェッティング相対感度を有する。着色導電性流体自体は、15Vまでの印加電圧で400nmの厚さを有するポリ(2-クロロパラキシリレン)誘電体の絶縁破壊を引き起こさない、又は15Vまでの印加電圧で100nmの厚さを有するアルミナ誘電体の絶縁破壊を引き起こさない。
カチオン及びアニオンを含む電気伝導率を調節するための薬剤、並びに分散剤、共力剤、界面活性剤、樹脂、ポリマー、殺生物剤、当技術分野で公知の他の添加物又はそれらのいずれかの組合せを着色導電性流体に場合によっては加えることができる。
他の実施形態において、エレクトロウェッティング又は電気流体素子は、着色導電性流体を含む。一例において、該素子は、ディスプレイにおけるピクセルである。
ディスプレイ技術におけるそのような着色流体の使用は、耐久性の改善をもたらし、より高いレベルの彩度及び着色剤の選択によるより高いコントラスト比を達成する能力を提供する。着色流体はまた、速いスイッチ速度、低い電力消費及びより良好な素子の耐久性をもたらしうる。着色流体はまた、より薄い誘電体を用いて素子を作製し、したがって、より低い駆動電圧を用いることを可能にする。
組み込まれ本明細書の一部を構成する添付図面は、上記に示した本発明の一般的な説明、及び本発明の原理を説明するのに役立つ以下に示す実施形態の詳細な説明とともに、本発明の実施形態を具体的に説明する。
フッ素ポリマー/Al2O3誘電体積層体における脱イオン水の電圧の関数としての電流により絶縁破壊試験結果を示すグラフである。 フッ素ポリマー/Al2O3誘電体積層体における1重量%KCl水溶液の電圧の関数としての電流により絶縁破壊試験結果を示すグラフである。 フッ素ポリマー/Al2O3誘電体積層体における1重量%SDS水溶液の電圧の関数としての電流により絶縁破壊試験結果を示すグラフである。 フッ素ポリマー/Al2O3誘電体積層体における1重量%DTAC水溶液の電圧の関数としての電流により絶縁破壊試験結果を示すグラフである。 フッ素ポリマー/Al2O3誘電体積層体における0.05重量%DTA-OS水溶液の電圧の関数としての電流により絶縁破壊試験結果を示すグラフである。 700nmパリレンCにおける0.013重量%SDS水溶液の電圧の関数としての電流により絶縁破壊試験結果を示すグラフである。 300nmパリレンCにおける0.013重量%SDS水溶液の電圧の関数としての電流により絶縁破壊試験結果を示すグラフである。 300nmパリレンHTにおける0.013重量%SDS水溶液の電圧の関数としての電流により絶縁破壊試験結果を示すグラフである。 300nmパリレンHTにおける1.00重量%SDS水溶液の電圧の関数としての電流により絶縁破壊試験結果を示すグラフである。 プロピレンカーボネート中のアニオンの電圧の関数としての電流により絶縁破壊試験結果を示すグラフである。 プロピレングリコールをベースとした青色流体の電圧の関数としての電流により絶縁破壊試験結果を示すグラフである。 プロピレンカーボネート中のTBABのAC電圧の関数としての接触角を示すグラフである。 プロピレングリコール中のカチオンの電圧の関数としての電流により絶縁破壊試験結果を示すグラフである。 本発明の一実施形態によるディスプレイピクセルとして動作するエレクトロウェッティング素子の断面図である。 ピクセルのディスプレイの状態が変更されている図1Aのエレクトロウェッティング素子の断面図である。
本発明は、エレクトロウェッティング又は電気流体素子用の着色流体を対象とする。エレクトロウェッティング素子は、一般的に疎水性誘電体及び電極からなり、他の親水性表面を含みうる。一般的に、基板及び接続部品(connected features)を、互いに混和性又は乳化性でない極性流体及び非極性流体に曝露する。極性流体は、着色剤を含むことができ、規定の電気伝導率などの特質、並びに望ましい粘度、凝固点及び沸点特性を有することができ、また誘電体基板及び素子の他の構成要素に対して負の影響を示しうる性能上有害なイオンも低減又は除去する。
本発明の実施形態によれば、着色導電性流体は一般的に、少なくとも1つの極性溶媒と、顔料及び/又は染料であってよい少なくとも1つの着色剤とを含み、また流体の電気伝導率を調節するための薬剤、分散剤、共力剤、界面活性剤、樹脂、ポリマー、殺生物剤、当技術分野で公知の他の添加物又はそれらのいずれかの組合せを場合によって含みうる。極性溶媒は、(a)25℃で0.1cP〜1000cPの動的粘度、(b)25℃で25ダイン/cm〜90ダイン/cmの表面張力、及び(c)20%〜80%のエレクトロウェッティング相対感度を有する。着色導電性流体は、極性である着色流体を定義する。一例において、着色導電性流体は、非極性溶媒を欠いている。着色導電性流体は、0.1μS/cm〜3000μS/cmの電気伝導率を有し、合計500ppm以下の2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン及び1.45Åより小さいイオン半径を有する多原子イオンを有する。
そして、以下でより十分に説明するように、着色導電性流体は、誘電体の理論的動作電圧の3倍までの印加電圧におけるような誘電体の絶縁破壊を引き起こすべきでない。一例において、着色導電性流体自体は、15Vまでの印加電圧で400nmの厚さを有するポリ(2-クロロパラキシリレン)誘電体の絶縁破壊を引き起こさず、且つ/又は15Vまでの印加電圧で100nmの厚さを有するアルミナ誘電体の絶縁破壊を引き起こさない。
本発明の極性溶媒は、個別の溶媒、又は2つ若しくはそれ以上の溶媒のいずれかの組合せでありうる。極性溶媒の非限定的な例としては、水、グリコール、アルコール、ポリオール、エーテル、エステル、ケトン、アセタール、ケタール、ラクトン、カーボネート、ラクタム、ウレタン(カルバメート)、尿素、ピロリジン、ピロリドン、スルホン、スルホキシド、アミド、第一級、第二級、第三級若しくは第四級アミン、イミン、ニトリル、カルボン酸、アルデヒド、ハロゲン化、チオ若しくはニトロ化合物及びそれらのいずれかの混合物を含む。一例において、極性溶媒は、水、カーボネート、ラクトン又はグリコールである。極性溶媒はまた、脂肪族、芳香族、脂環式及び/又は複素環式の性質の分子でありうるそれらの分子における1つ、2つ若しくは多数の同一若しくは各種の記述される官能基も含みうる。
一例において、極性溶媒は、以下の式:[化学式1]の1つ又は複数により表すことができ、式中、R及びR1は、独立にH、C1〜C12アルキル(Alk)又は(RR1O)nHであり、R2、R3、R4及びR5は、独立にH、C1〜C12 Alk、ハロゲン、OH、OAlk、SAlk、COOR、=O、CH3C=O、CN、NRR1、COO(RR1O)nR、O(RR1O)nH又はNRR1(RR1O)nHであり、n=1〜50である。
[化学式1]
Figure 2013501259
極性溶媒の非限定的な特定の例は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2-ブチレンカーボネート、1,2-シクロヘキサンカーボネート、グリセリンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトン、アセトフェノン、ピリジン、ジメチルマロネート、ジアセトンアルコール、ヒドロキシプロピルカルバメート、ベータ-ヒドロキシエチルカルバメート、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、アセトニルアセトン、シクロヘキサノン、エチルアセトアセテート、エチル-L-ラクテート、ピロール、N-メチルピロール、N-エチルピロール、4H-ピラン-4-オン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、モルホリン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N-ホルミルモルホリン、ベータ-プロピオラクトン、ベータ-バレロラクトン、ベータ-ヘキサラクトン、ガンマ-ブチロラクトン、ガンマ-バレロラクトン、ガンマ-ヘキサラクトン、ガンマ-ヘプタラクトン、ガンマ-オクタラクトン、ガンマ-ノナラクトン、ガンマ-デカラクトン、デルタ-バレロラクトン、デルタ-ヘキサラクトン、デルタ-ヘプタラクトン、デルタ-オクタラクトン、デルタ-ノナラクトン、デルタ-デカラクトン、デルタ-テトラデカラクトン、デルタ-オクタデカラクトン(octadecolactone)及びそれらのいずれかの組合せである。
選択される極性溶媒はまた、25℃で10に等しい又はそれ以上の誘電率も示しうる。他の例において、誘電率は、25℃で25に等しい又はそれ以上である。極性溶媒はまた、25℃で25ダイン/cm〜90ダイン/cmの表面張力も有するべきである。
極性溶媒の動的粘度は、25℃で1000cP未満であるべきである。他の例において、動的粘度は、25℃で0.1cP〜1000cPである。更に他の例において、動的粘度は、25℃で0.1cP〜100cPである。
極性溶媒はまた、20%〜80%の範囲内の30Vの直流又は交流電流に対するエレクトロウェッティング相対感度(EWRR)も示すべきである。EWRRは、ここでは以下の式により定義する。
EWRR=(Θ0v)x100/Θ0、%
式中、Θ0は、0Vの電圧における初期接触角であり、Θvは、30Vの電圧における最終接触角である。接触角の測定の適切な手法は、その内容がその全体として本明細書に組み込まれる非特許文献1に記載されており、以下の試験方法の項でさらに詳細に述べられている。
極性溶媒を有する着色導電性流体に含める顔料は、アゾ、金属錯体、ベンゾイミダゾロン、アゾメチン、メチン、アントラキノン、フタロシアニン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジゴ、ジオキサジン、イソインドリン、イソインドリノン、イミノイソインドリン、イミノイソインドリノン、キナクリドン、フラバントロン、インダントロン、アントラピリミジン、キノフタロン、イソビオラントロン又はピラントロン顔料を含むが、これらに限定されないいずれかの有機顔料でありうる。有機顔料の非限定的な特定の例は、C.I.ピグメントブラック1、2、3、31及び32;C.I.ピグメントグリーン7、36、37、47、54及び58;C.I.ピグメントブルー15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、21、22、60、64、65、75及び76;C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、31、33及び37;C.I.ピグメントレッド122、123、144、149、166、168、170、171、175、176、178、179、180、183、189、190、192、196、202、208、209、214、216、220、221、224、226、242、248、254、255、260、264及び271;C.I.ピグメントオレンジ36、40、43、51、60、61、62、64、66、69、71、72、73及び77;C.I.ピグメントイエロー24、74、83、93、94、95、108、109、110、120、123、138、139、150、151、154、155、167、170、171、173、174、175、180、181、185、192、193、194、199、213及び218である。一例において、有機顔料は、C.I.ピグメントブラック1、31及び32;C.I.ピグメントグリーン7、36、37;C.I.ピグメントブルー15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、60及び64;C.I.ピグメントバイオレット19、23及び29;C.I.ピグメントレッド122、144、175、176、178、183、202、208、209、254、255、264及び271;C.I.ピグメントオレンジ36、64、71、72及び73;又はC.I.ピグメントイエロー74、83、110、120、138、139、150、151、154、155、175、180、181、185及び213から選択される。
着色導電性流体に含める顔料は、カーボンブラック、金属酸化物、混合金属酸化物、硫化物又は硫酸塩などの任意の無機顔料であってもよい。非限定的な特定の例は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、アンチモンイエロー、クロム酸鉛、硫酸クロム酸鉛、モリブデン酸鉛、ウルトラマリーンブルー、コバルトブルー、マンガンブルー、酸化クロムグリーン、水和酸化クロムグリーン、コバルトグリーン、金属硫化物、硫化セレン化カドニウム、亜鉛フェライト、バナジン酸ビスマス、並びにそれらの誘導体及びいずれかの組合せを含む。無機顔料の非限定的な特定の例は、C.I.ピグメントブラック6、7、9、11、12、14、15、22、26、27、28、29、30、33、34及び35;C.I.ピグメントグリーン18、20、21及び22;C.I.ピグメントブルー27、30及び73;C.I.ピグメントレッド265及び275;C.I.ピグメントイエロー38、40、53、119、157、158、160、161、162及び184;C.I.ピグメントホワイト4、5、6、6:1、7、8、9、10、12、13、14、15、18、18:1、19、21、22、23、24、25、26、27、28、32、33及び36である。一例において、無機顔料は、C.I.ピグメントブラック6、7、9、11、12、14、15、22、26、27、28、29、30、33、34及び35、又はC.I.ピグメントホワイト4、5、6、6:1、7、18、18:1、26、28及び32から選択される。
着色導電性流体に含める顔料は、公知の体質顔料、例えば、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硫化物又はリン酸塩などでもありえ、また合成物又は鉱物でありうる。使用可能な体質顔料の非限定的な例は、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、雲母、カオリン、粘土、シリカ及び同様なものを含む。
顔料は、2つ又はそれ以上の有機、無機顔料及び体質顔料のいずれかの混合物、複合体又は固溶体でもありうる。
着色導電性流体に含める顔料は、適用媒体に不溶性である分散粒子状材料であってもよい。分散粒子状材料は、低分子量化合物、オリゴマー、ポリマー、コポリマー、グラフトコポリマー、架橋ポリマー、硬化ポリマー、有機及び/又は無機カチオン及び/又はアニオンとの、或いは対立する電荷の基を有する他のポリマー又はオリゴマーとの不溶性塩の形態である極性アニオン又はカチオン基を含むポリマーであってよい。顔料は、混合物、固溶体又は前記低分子量化合物、オリゴマー及びポリマーの付加的分子間反応若しくは配位の生成物でもありうる。前述の顔料の非限定的な例は、メラミン又はアルキレンビスメラミン、ビニルポリマー及びコポリマー、例えば、ポリアルキレン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン)、ポリスチレン、ポリアクリレート(ポリメタクリレート、ポリアルキル/アリールアクリレート及びメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリハロゲン化ビニル(ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ臭化ビニル)、ポリハロゲン化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルナフタレン、ポリビニルカルバゾール、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリ炭酸エステル、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリスルホン、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アリーレン/アルキレン)スルフィド、ポリエポキシド、ポリアルデヒド、ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、炭化水素樹脂、ポリシロキサンなどの無機ポリマーを含む。分散粒子状材料は、白色であってよく、或いは染料及び/又は顔料により着色されていてよい。
着色導電性流体に含める顔料は、カプセル封入有機顔料、無機顔料、体質顔料又は染料でもありうる。カプセル封入は、例えば、顔料表面上の樹脂、オリゴマー若しくはポリマーの物理吸着及び/又は析出、コアソルベーション、或いは架橋若しくは硬化を伴う又は伴わない顔料粒子の存在下でのモノマー若しくはオリゴマーの重合を含む、当技術分野で公知の方法により行うことができる。重合は、連鎖重合、縮合的連鎖重合、重縮合及び重付加などの重合の公知のメカニズムにより実現することができる(非特許文献2)。カプセル封入に用いることができるあらかじめ製造されたポリマー又は顔料粒子の存在下でモノマーから合成されるポリマーの非限定的な例は、ビニルポリマー及びコポリマーであり、例えば、ポリアルキレン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン)、ポリスチレン、ポリアクリレート(ポリメタクリレート、ポリアルキル/アリールアクリレート及びメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリハロゲン化ビニル(ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ臭化ビニル)、ポリハロゲン化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルナフタレン、ポリビニルカルバゾール、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリ炭酸エステル、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリスルホン、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アリーレン/アルキレン)スルフィド、ポリエポキシド、ポリアルデヒド、ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、炭化水素樹脂、又はポリシロキサンなどの無機ポリマーである。カプセル封入用のポリマーは、天然若しくは合成線状、分岐、ブロック、ランダム、櫛形、グラフト、樹枝状ポリマー又はコポリマーでありうる。さらに、ロジン、修飾ロジン、無水マレイン酸及び他の不飽和化合物とのロジン縮合物、ゴム、アルキド、アクリレート及び無水マレイン酸とのその縮合物、メラミンアルデヒド、フェノールアルデヒド、尿素アルデヒド、エポキシ、ポリウレタン、アセタール、フェノール樹脂を含むが、これらに限定されない、1つ又は複数の天然若しくは合成樹脂をカプセル封入に用いることができる。カプセル封入は、ポリマー、オリゴマー、及び樹脂のいずれかの組合せを含むことができる。
着色導電性流体に含める顔料は、顔料表面にイオン、非イオン、オリゴマー又はポリマー基を共有結合させる(グラフトする)ことによる化学修飾の方法により製造されるような表面修飾顔料も含みうる。修飾基の非限定的な例は、カルボキシ、スルホ、アリールカルボキシ、アリールスルホ、ホスフェート、ヒドロキシ、第一級、第二級、第三級及び第四級アミン、複素環式アミン、ジアミン、トリアミン、ポリアミン、ニトリル、ポリアルキレン、ポリアルキレンオキシド、ポリエステル基及びそれらのいずれかの組合せである。この群は、自己分散性顔料を含む。自己分散性顔料が含まれるならば、着色導電性流体は、例えば、分散剤を欠いていてよい。一例において、着色導電性流体は、極性溶媒及び自己分散性顔料からなる。
顔料は、無機物の中心部分と有機物の殻及びその逆を有するシェル型の製品であってもよい。
極性溶媒を有する着色導電性流体に含める染料は、例えば、直接、酸性、塩基性(カチオン)、反応性、建染、硫化、溶剤、食用、媒染、蛍光、天然及び分散染料又はそれらのいずれかの組合せを含む、従来型の染料でありうる。それは、任意のアニオン染料と任意のカチオン染料との複合体でもありうる。
着色導電性流体に含める染料は、アゾ若しくは縮合アゾ、金属錯体、ベンゾイミダゾロン、アゾメチン、シアニン、アザカルボシアニン、エナミン、ヘミシアニン、ストレプトシアニン、スチリル、ゼロメチン、モノ、ジ、トリ及びテトラアザメチンなどのメチン;カラテノイド、ジアリールメタン及びトリアリールメタンなどのアリールメタン;キサンテン、チオキサンテン、フラボノイド、スチルベン、クマリン、アクリジン、フルオレン、フルオロン、ベンゾジフラノン、ホルマザン、ピラゾール、チアゾール、アジン、ジアジン、オキサジン、ジオキサジン、トリフェノジオキサジン、フェナジン、チアジン、オキサゾン、インダミン、ニトロソ、ニトロ、ヒドロキノン及びアントラキノンなどのキノン;ローダミン、フタロシアニン、ニュートロシアニン、ジアザヘミシアニン、ポルフィリン、ペリノン、ペリレン、ピロニン、ジケトピロロピロール、インジゴ、インジゴイド、チオインジゴ、インドフェノール、ナフタルイミド、イソインドリン、イソインドリノン、イミノイソインドリン、イミノイソインドリノン、キナクリドン、フラバントロン、インダントロン、アントラピリミジン、キノフタロン、イソビオラントロン、ピラントロン又はそれらのいずれかの組合せなどの発色団も含みうる。
染料はまた、流体中の顔料粒子を分散させ、安定化させるための顔料表面の修飾のために、レオロジー特性の改善のための且つ/又は流体の界面張力及び伝導率の調節のための着色剤、シェーダとしても用いることができる。
着色導電性流体に含めることができる薬剤は、誘電体基板及び素子の他の構成要素に対して望ましくない影響を与えずに極性流体の電気伝導率を増加させる能力を示す化合物から選択することができる。超純水、プロピレングリコール及びプロピレンカーボネートを含む純粋溶媒の大多数は、非常に低くて検出できない伝導率を示し、エレクトロウェッティングに用いることができない。本明細書における目的のために、塩などのイオン解離のある程度の能力を有する物質は、電気伝導率の調節のための薬剤として望ましい。一例において、該薬剤は、カチオン及びアニオンを規定する(define)。イオンサイズに関して、電気伝導率を調節するための薬剤は、比較的低い電圧で絶縁破壊をもたらしうる、2.0Åより小さい単原子アニオン又はカチオン、及び1.45Åより小さい多原子イオンに、感知できるほどには解離しない。イオン半径は、参照により全体として本明細書に組み込まれる非特許文献3に記載されているように計算される。
以下の一般式:[化学式2]の個別の化合物、又は2つ若しくはそれ以上の化合物のいずれかの組合せが望ましい薬剤であり、式中、Rは、H、アルキル(Alk)、アリール(Ar)又はアルキルアリールであり、R1は、H、アルキル、アリール、アルキルアリール又は100〜5000の分子量を有するポリアルキレングリコールであり、R2、R3、R4及びR5は、独立にH、アルキル、アリール、アルキルアリール、ハロゲン、-NRR1、-OH、-OAlk、-OAr、-SAlk、-SAr、-COOH、-COOAlk、-COOAr、-CONRAlk、-CONRAr、=O、-CH3C=O、-CN、-SO3M、-SO2NHR1、-SO2NHAr又は-NO2であり、R1は、単結合、アルキル、アリール、アルキルアリール、100〜5000の分子量を有するポリアルキレングリコール、70〜5000の分子量を有するポリエチレンイミン、C=O、C=NH又はC=Sであり、mは、0〜200である。
[化学式2]
Figure 2013501259
アルキルは、C1〜C18線状若しくは分岐脂肪族炭化水素又はC3〜C10脂環式炭化水素、又はO、N若しくはSの1個若しくは複数個の原子を含む複素環であってよく、非置換でありえ、又はフッ素などのハロゲン、第一級、第二級、第三級若しくは第四級アミン、-OH、-OR、-COOM、-COOR1、-CONRR1、=O、-(CH3)C=O、-CN、-SO3M、-NO2基若しくはそれらのいずれかの組合せを含みうる。アリールは、C4〜C10芳香族炭化水素又はO、N若しくはSの1個若しくは複数個の原子を含む芳香族複素環であってよく、非置換でありえ、又はハロゲン、第一級、第二級、第三級若しくは第四級アミン、-OH、-OR、-COOM、-COOR1、-CONRR1、=O、-(CH3)C=O、-CN、-SO3M、-NO2基若しくはそれらのいずれかの組合せを含みうる。アルキルアリールは、上述のアルキル及びアリール基の組合せである。Mは、H、金属又は有機カチオンである。
上記の式1〜11により表されるカチオンに加えて、以下の化合物及びそれらの誘導体のカチオンを該薬剤のカチオンとして用いることができる:2-ピロリン、3-ピロリン、ピロール、ピラゾリジン、イミダゾリジン、2-ピラゾリン、2-イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾリン-2-チオン、1,2,3-チアゾール、1,2,4-チアゾール、1H-テトラゾール、オキサゾリン、5-オキサゾロン、イソオキサゾール、オキサゾール、2-チアゾリン、イソチアゾール、チアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,3,4-チアジアゾール(thadiazole)、1,2,4-ジオキサゾール(dooxazole)、ピペリジン、1-H-ピリジン-2-オン、ピペラジン、ピリジジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、オキサジン、チオモルホリン、オキサジアジン、オキサチアジン、インドリン、インドール、カルバゾール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、キノキサリン、フタラジン、1,5-ナフチリジン、フェナジン、ベンゾチアゾール、2H-1,4-ベンゾキサジン、フェノキサジン及びフェノチアジン。
カチオンはまた、カチオン基を含む公知の塩基性染料又は顔料誘導体であってもよい。そのようなカチオン染料は、例えば、アゾ、アゾメチン、キサンテン、アジン、チアジン、オキサジン、トリアリールメタン、メチン、ポリメチン、アントラキノン、アリールアミノキノン、フタロシアニン、ケトンイミン、アクリジン、シアニン、キナクリドン、ペリレン、金属錯体、ベンゾイミダゾロン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジゴ、ジオキサジン、イソインドリン、イソインドリノン、イミノイソインドリン、イミノイソインドリノン、フラバントロン、インダントロン、アントラピリミジン、キノフタロン、イソビオラントロン、ピラントロン又はニトロのクラスに属しうる。カチオン染料の非限定的な特定の例は、C.I.ベーシックイエロー1、2、3、5、6、7、9、11、12、13、15、20、21、23、24、25、28、29、37、49、57、90及び106;C.I.ベーシックオレンジ1、2、4、5、6、7、8、9、10、11、14、15、16、17、18、19、21、22、23、24、30、33及び69;C.I.ベーシックレッド1、2、3、4、5、6、8、9、10、11、12、13、14、22、24、29、30、31、39、46、76、111及び118;C.I.ベーシックバイオレット1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、16、18、21及び23;C.I.ベーシックブルー1、2、3、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、22、23、24、25、26、41、44、47、54、55、57、64、65、66、67、72、74、81、99、140及び162;C.I.ベーシックグリーン1、4、3及び5;C.I.ベーシックブラウン1、2、4、5、15、16、17及び18;C.I.ベーシックブラック1、2、3及び7である。
An-は、例えばHSO4 -; SO4 2-; HSO3 -; FSO3 -; SO3 2-; S2O3 2-; S2O4 2-; S2O6 2-; S2O8 2-; S2O7 2-; Alk-OSO3 -; Ar-OSO3 -; ArAlk-OSO3 -; Alk-SO3 -; CH3O-(RO)n-OSO3 -; Ar-SO3 -; ArAlk-SO3 -; NH2 SO3 -; P-(X-SO3 -)n; Q-(X-SO3 -)n; N-(SO2CF3)2; N-(SO2CF2CF3)2; N(CN)2 -; NH2 -; Alk-(COO-)n; Ar-(COO-)n; ArAlk-(COO-)n; P-(X-COO-)n; Q-(X-COO-)n; H2PO4 -; HPO4 2-; H2PO2 -; PO4 3-; P2O7 4-; P3O9 3-; P3O10 5-; P4O13 2-; (AlkO)2POO-; P-(X-POO)- n; Q-(X-POO)- n; NO3 -; NO2 -; OCN-; NCO-; SCN-; CNS-; CS2 2-; CS2 2-; N3 -; CrO4 2-; Cr2O7 2-CrO8 3-; MnO4 -; SiO3 2-; TiO3 2-; MoO4 -; ReO4 -; WO4 -; ClO2 -; ClO3 -; ClO4 -; BrO-; BrO2 -; BrO3 -; BrO4 -; I-; IO-; IO2 -; IO3 -; IO4 -; [Co(CN)6]3-; [Fe(CN)6]3-; [Fe(CN)6]4-; [Cr(CN)6]3-; [Cu(CN)6]3-; [Ni(CN)6]2-; B4O7 2-; BO3 3-; B(Ar)4 -; H2SbO4 -; Sb(OH)6 -; Sb2O7 4-; HCO3 -; CO3 2-; SeO4 2-; SeO4 2-;及びSeCN-であるが、これらに限定されない有機及び無機構成成分を有するアニオン又はアニオンのいずれかの混合物を含む、単純(個別)又は錯アニオンでありうる。
Pは、置換又は非置換脂環式又は芳香族炭化水素C10〜C60、O、N若しくはSの1個若しくは複数個の原子を含む置換又は非置換脂環式又は芳香族複素環C10〜C60である。非限定的な例は、ナフタレン、メチルナフタレン、デカリン、テトラリン、アントラセン、アントラキノン、ナフタキノン、ピレン、ペリレン、インドリン、インドール、キナリン、カルバゾール、アクリジン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ベンゾピラン、ジベンゾチオフェン、ベンゾオキサジン、フェノチアジン及び同様なものを含む。Qは、アゾ、金属錯体、ベンゾイミダゾロン、メタン、アントラキノン、フタロシアニン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジゴ、ジオキサジン、イソインドリン、イソインドリノン、イミノイソインドリン、イミノイソインドリノン、キナクリドン、フラバントロン、インダントロン、アントラピリミジン、キノフタロン、イソビオラントロン、ピラントロン、アゾメチン、シアニン、アザカルボシアニン、エナミン、ヘミシアニン、ストレプトシアニン、スチリル、ゼロメチン、モノ、ジ、トリ及びテトラアザメチンなどのメチン;カラテノイド、ジアリールメタン及びトリアリールメタンなどのアリールメタン;キサンテン、チオキサンテン、フラボノイド、スチルベン、クマリン、アクリジン、フルオレン、フルオロン、ベンゾジフラノン、ホルマザン、ピラゾール、チアゾール、アジン、ジアジン、オキサジン、ジオキサジン、トリフェノジオキサジン、フェナジン、チアジン、オキサゾン、インダミン、ニトロソ、ニトロ、ヒドロキノン及びアントラキノンなどのキノン;ローダミン、ニュートロシアニン、ジアザヘミシアニン、ポルフィリン、ピロニン、インジゴ、インドフェノール、ナフタルイミド及びそれらの組合せのクラスに属する発色団である。Qはまた、酸性、直接、反応性、建染、分散、硫化又は溶剤染料の残基を表しうる。Xは、単結合、Alk、Ar又はAlkAr(上記で定義したとおり)であり、n=1〜6である。
さらに、式1〜11により表されないが、上記で言及した他の公知のイオン性流体を伝導率調節薬剤として用いることができる。
該薬剤の特定な非限定的な例は、例えば、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ドデシル硫酸N-メチルピリジニウム、酢酸テトラメチルホスホニウム、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムジシアナミド、ヨウ化トリエチルスルホニウム、オクタンスルホン酸ドデシルトリメチルアンモニウム、2-スルホアントラキノンテトラブチルホスホニウム、銅フタロシアニンスルホン酸、トリメチルドデシルアンモニウム及びC.I.アシッドバイオレット43のテトラブチルアンモニウム塩を含む。
選択される伝導率の調節のための薬剤の望ましい特質は、イオンのサイズ及び複雑さ、各種因子に対するイオンの安定性、並びに望ましくない外来無機及び有機イオンの欠如である。
不適切な化合物の例は、ヨウ素、プロトン酸、ルイス酸などの非プロトン酸及び塩基を除く単原子イオンを含む塩である。例えば、水性媒体中で、ヘキサフルオロリン酸及びテトラフルオロホウ酸アニオンなどのある種のイオンは分解して、有毒且つ攻撃的な酸であるHF並びに必然的にF-及びH3O+小イオンの生成をもたらすことが示された(非特許文献4)。望ましくないイオンは、2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン又は1.45Åより小さいイオン半径を有する多原子イオンである。分解して2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン及び1.45Åより小さい新たな多原子イオンを生じうる多原子イオンも望ましくない。望ましくない単原子イオンの非限定的な例は、Li+;Na+;K+;Rb+;Mg2+;Ca2+;F-;Cl-;Br-及び同様なものである。望ましくない多原子イオンの非限定的な例は、H3O+;OH-;PF6 -;BF4 -;AlCl4 -;MnCl4 -;NiCl4 -;InCl4 -;RuCl4 -;TiF6 -;FeCl3 -;SiF6 -;及び同様なものである。
不純物に関して、電気伝導率の調節のための薬剤は、95%より大きい純度を有するべきである。他の例において、純度は、99.0%より大きく、更に他の例において、純度は、99.5%より大きい。純度は、ここで、百分率として一般的に表す、物質が異物で薄められていない又はそれと混在しない度合として定義される。
伝導率の調節のための薬剤は、合成用の微量の出発材料、汚染が原因で、又は若干量のより小さいイオンを生じさせる化学的、熱的、電気化学的、光化学的又は他の分解の結果として存在しうる、2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン及び1.45Åより小さいイオン半径を有する多原子イオンの500ppmを超える合計量を含まない。この必要条件は、公知の精製法を用いて達成することができる。精製の非限定的な方法は、再結晶、昇華、クロマトグラフ分離、抽出、イオン交換、限外ろ過、浸透、逆浸透又はそれらのいずれかの組合せを含む。小イオンのより高い含量は、素子の操作性の低下又は誘電体基板の絶縁破壊をもたらしうる。
電気伝導率の調節のための薬剤は、化学的、熱的、光化学的、電気化学的又は他の種類の分解に対しても安定であるべきである。電気伝導率の調節のための薬剤は、着色導電性極性流体の選択される溶媒にも十分に溶解性であるべきである。溶解度は、十分な伝導率の調節のために少なくとも0.1mmol/Lであるべきである。さらに、該薬剤は、イオン基を有する着色剤との望ましくない相互作用のような着色流体の安定性に対して重大な影響を有さないものであるべきである。そしてイオン性界面活性剤、ポリマー及び樹脂などの着色流体の他の構成要素との相互作用は、流体又は素子の性能に負の影響を及ぼさないものであるべきである。
電磁スペクトルの可視部の光を吸収し、許容できる耐光性を示しうる電気伝導率の調節のための薬剤はまた、電気伝導率を調節することに加えて、着色流体の着色剤、共力剤及び/又は分散剤としても機能しうる。
溶媒、共溶媒、着色剤、界面活性剤、分散剤、共力剤及び他の添加物などの着色導電性流体の他の構成要素は、流体の電気伝導率に寄与しうる。これらの場合において、電気伝導率の調節のための薬剤は、低いレベルで用いてよいか、又は全く用いなくてよい。これらの構成要素は、500ppmを超える合計量の2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン及び1.45Åより小さいイオン半径を有する多原子イオンを含む流体を生じさせるようなイオン種を与えないものであるべきである。この必要条件は、任意の適切な手法を用いた前記構成要素の精製により達成することができる。再び、精製の方法の非限定的な例としては、蒸留、再結晶、遠心分離、昇華、クロマトグラフ分離、抽出、イオン交換、限外ろ過、浸透、逆浸透又はそれらのいずれかの組合せなどがある。
着色導電性流体に含めることができる界面活性剤は、アニオン、カチオン、カタニオニック、双性イオン性(両性)、非イオン性又はそれらのいずれかの組合せでありうる。一例において、界面活性剤は、非イオン性又はカタニオニックである。非限定的な例としては、任意の官能基を含むスルホネート、ホスホネート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド、並びにそれらのブロック及びランダムコポリマー;第一級、第二級、第三級及び第四級アミンなどのアルキル、アリール及びアルキルアリールアミン並びにポリアミン;ピロリドン、ナフタレン縮合物、アルキレン、カルボン酸、アルコール、ポリオール及びそれらのいずれかの組合せなどがある。界面活性剤は、合成又は天然でありうる。界面活性剤は、界面張力を低下させ、それによりエレクトロウェッティングをもたらすのに必要な電圧を低くし、且つ/又は流体の伝導率を増加させるために、流体中の顔料粒子のコロイド安定化のために用いることができる。
着色導電性流体に含めることができる共力剤は、例えば、スルホン酸、スルホン酸の金属塩、スルホン酸と第一級、第二級、第三級及び第四級アミンとの塩;スルホンアミド、フタルイミドメチル、アリールメチル、アルキルアミン、カルボン酸、カルボン酸の塩、アミド及びエステル;アゾのカルボニル、アミドメチル、アルキルアミノメチル、アリールアルキルオキシ、フェニルチオ及びフェニルアミノ誘導体、金属錯体、ベンゾイミダゾロン、アゾメチン、メタン、アントラキノン、フタロシアニン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジゴ、ジオキサジン、イソインドリン、イソインドリノン、イミノイソインドリン、イミノイソインドリノン、キナクリドン、フラバントロン、インダントロン、アントラピリミジン、キノフタロン、イソビオラントロン及びピラントロン、又はそれらのいずれかの組合せでありうる。共力剤は、直接、酸性、塩基性(カチオン)、反応性、建染、硫化、溶剤、食用、媒染、天然及び分散染料のいずれかの誘導体、又はそれらのいずれかの組合せでもありうる。それは、いずれかのアニオン染料といずれかのカチオン染料との複合体でもありうる。共力剤は、流体中の顔料粒子を安定化させ、レオロジー特性を改善し、且つ/又は流体の伝導率を調節するための顔料表面の修飾に用いることができる。
着色導電性流体に含めることができる分散剤は、次のクラスから選択することができる:ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド若しくはポリブチレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド;ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリエチレンイミン、ポリエーテルアミン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルオキサゾリドン、ポリビニルメチルオキサゾリドン、ポリスチレン、ポリエポキシド、ポリウレタン、ポリ尿素又はポリビニルハロゲンの群から選択されるブロック、ランダム、櫛形、グラフト、樹枝状ポリマー又はコポリマーであるアニオン、カチオン、双性イオン性(両性)及び非イオン性ポリマー又はオリゴマー。分散剤は、個別に、又は他の分散剤、界面活性剤及び共力剤と組み合わせて用いることができる。一実施形態において、分散剤は、非イオン性分散剤である。
着色導電性流体に含めることができる樹脂は、ロジン及び修飾ロジン、無水マレイン酸及び他の不飽和化合物とのロジン縮合物、ゴム、アルキド、アクリレート、メラミンアルデヒド、フェノールアルデヒド、尿素アルデヒド、エポキシ、ポリウレタン、アセタール、フェノール樹脂又はそれらのいずれかの組合せなどの天然又は合成樹脂を含みうる。
着色導電性流体に含めることができるポリマーは、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド若しくはポリブチレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド;ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリエチレンイミン、ポリエーテルアミン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルオキサゾリドン、ポリビニルメチルオキサゾリドン、ポリスチレン、ポリエポキシド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリビニルハロゲン、又はそれらのいずれかの組合せから選択される天然若しくは合成の線状、分岐、ブロック、ランダム、櫛形、グラフト、樹枝状ポリマー又はコポリマーを含みうる。ポリマーは、スルホ、スルファミド、カルボキシ、カルボキサミド、尿素、チオ尿素、ウレタン、アゾ、ケト、オキシ、オキシアルキル、チオ、アミノ、アミノアルキル、ホスファト、モノハロトリアゾロ、ジハロトリアゾロ、ビニルスルホノ、フェニルアミノスルホノ、アルキル、ポリアルキル、アルキレングリコール、アルキルアリール、ハロゲン、アルキル及び/又はアリールハロゲン、又はそれらのいずれかの組合せを含む1つ又は複数の基を含みうる。
一実施形態において、着色導電性流体は、極性溶媒、自己分散性顔料及び/又は染料を含み、界面活性剤、分散剤、ポリマー及び樹脂が全く含まれない。他の実施形態において、着色導電性流体は、界面活性剤、共力剤、ポリマー又は分散剤により極性流体中で安定化させた少なくとも1つの有機又は無機顔料を含みうる。
極性溶媒を含む着色流体は、内容がその全体として参照により本明細書に組み込まれる、2008年9月12日に出願され、「電気流体素子、視覚表示装置並びにそのような電気流体素子を製造し、操作する方法(Electrofluidic Devices、Visual Displays and Methods for Making and Operating Such Electrofluidic Devices)」と題する特許文献1の明細書に記載されているもののような他の添加物をさらに含んでいてよい。殺生物剤及び消泡剤も加えることができる。
極性溶媒は、着色流体の総重量に対して約50.0重量%〜99.9重量%の範囲にあってよい。他の例において、極性溶媒は、約80.0重量%〜99重量%の範囲にあってよい。
着色導電性流体の顔料の含量は、着色流体の総重量に対して約0重量%〜約50重量%の範囲にあってよい。一例において、顔料の含量は、着色流体の総重量に対して約0.1重量%〜約50重量%の範囲にあってよい。他の例において、顔料の含量は、着色流体の総重量に対して約1重量%〜約20重量%の範囲にあってよい。0.1重量%を下回る顔料濃度は、通常所望の色の強さをもたらさず、50重量%を超える顔料濃度は、効果的に電気濡れを示さない。着色導電性流体は、着色流体の総重量に対して0重量%から約50重量%までの染料を含みうる。他の例において、着色導電性流体の染料の含量は、着色流体の総重量に対して約0.1重量%〜約50重量%の範囲にあってよい。
電気伝導率の調節のための、着色導電性流体の薬剤の含量は、着色流体の総重量に対して約0重量%〜約10重量%の範囲にあってよい。他の例において、着色導電性流体の薬剤の含量は、着色流体の総重量に対して約0.01重量%〜約10重量%の範囲にあってよい。更に他の例において、着色導電性流体の薬剤の含量は、着色流体の総重量に対して約0.1重量%〜約10重量%の範囲にあってよい。
着色導電性流体はまた、流体中の顔料の重量に対して0重量%から約200重量%までの分散剤を含みうる。他の例において、着色導電性流体は、流体中の顔料の重量に対して0.1重量%から約80重量%までの分散剤を含みうる。着色導電性流体はまた、顔料の重量に対して0重量%から約30重量%までの共力剤を含みうる。他の例において、着色導電性流体は、顔料の重量に対して0.1重量%〜約30重量%の共力剤を含みうる。
着色導電性流体はまた、流体中の顔料の重量に対して0重量%から約200重量%までの界面活性剤、樹脂及び/又はポリマーを含みうる。他の例において、着色導電性流体は、0重量%〜10重量%の界面活性剤を含みうる。他の例において、着色導電性流体は、0.1重量%から約10重量%までの界面活性剤を含みうる。他の例において、着色導電性流体は、顔料の重量に対して0重量%〜80重量%の樹脂及び/又はポリマーを含みうる。他の例において、着色導電性流体は、0.1重量%から約80重量%までの樹脂及び/又はポリマーを含みうる。さらに、着色導電性流体はまた、着色剤の重量に対して0重量%〜5重量%の消泡剤及び/又は殺生物剤を含みうる。他の例において、着色導電性流体は、着色剤の重量に対して0.1重量%〜5重量%の消泡剤及び/又は殺生物剤を含みうる。
着色流体は、3000μS/cm以下の電気伝導率を有しうる。他の例において、着色導電性流体は、約0.1μS/cm〜3000μS/cmの範囲内の電気伝導率を有しうる。他の例において、着色導電性流体は、約5μS/cmから3000μS/cmまでの電気伝導率を有する。更に他の例において、着色導電性流体は、約5μS/cmから約500μS/cmまでの電気伝導率を有する。更に他の例において、着色導電性流体は、約10μS/cmから約300μS/cmまでの電気伝導率を有する。伝導率が低すぎる場合、適切な素子の機能のために、より高い電圧を印加しなければばらない。伝導率が高すぎる場合、絶縁破壊の可能性が増加する。
さらに、着色導電性流体は、25℃で15ダイン/cm〜90ダイン/cmの表面張力を有するべきである。他の例において、表面張力は、25℃で25ダイン/cm〜55ダイン/cmである。
着色導電性流体の動的粘度は、25℃で1000cP未満であるべきである。他の例において、動的粘度は、25℃で0.1cP〜500cPである。更に他の例において、動的粘度は、25℃で0.5cP〜100cPである。
着色導電性流体のEWRRは、10〜80%の範囲にある。他の例において、その範囲は40〜80%である。
着色導電性流体はまた、500ppm以下の総イオン含量の2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン及び1.45Åより小さいイオン半径を有する多原子イオンを有する。他の例において、着色導電性流体は、300ppm以下の総イオン含量の2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン及び1.45Åより小さいイオン半径を有する多原子イオンを有する。他の例において、着色導電性流体は、100ppm以下の総イオン含量の2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン及び1.45Åより小さいイオン半径を有する多原子イオンを有する。他の例において、着色導電性流体は、1ppm〜500ppmの総イオン含量の2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン及び1.45Åより小さいイオン半径を有する多原子イオンを有する。
さらに、1つの実施形態において、着色導電性流体は、誘電体の絶縁破壊を引き起こさない。一例において、着色導電性流体自体は、15Vまでの印加電圧において400nmの厚さを有するポリ(2-クロロパラキシリレン)誘電体の絶縁破壊を引き起こさない。他の例において、着色導電性流体自体は、30Vまでの印加電圧において400nmの厚さを有するポリ(2-クロロパラキシリレン)誘電体の絶縁破壊を引き起こさない。更に他の例において、着色導電性流体自体は、50Vまでの印加電圧において400nmの厚さを有するポリ(2-クロロパラキシリレン)誘電体の絶縁破壊を引き起こさない。他の例において、着色導電性流体は、15Vまでの印加電圧において100nmの厚さを有するアルミナ誘電体の絶縁破壊を引き起こさない。他の例において、着色導電性流体は、30Vまでの印加電圧において100nmの厚さを有するアルミナ誘電体の絶縁破壊を引き起こさない。更に他の例において、着色導電性流体は、50Vまでの印加電圧において100nmの厚さを有するアルミナ誘電体の絶縁破壊を引き起こさない。
他の実施形態において、複数の着色流体を組み合わせる。例えば、極性溶媒及び顔料及び/又は染料を有する着色導電性流体は、非極性溶媒及び顔料及び/又は染料を有する着色流体と組み合わせることができ、それぞれが、極性溶媒を有する着色流体に関して上記で述べたような追加の随意の成分を含む。非極性着色流体は、例えば、脂肪族、脂環式、芳香族又は複素環式化合物、シリコーン若しくはゲルマニウム油、脂肪アルコール及びカルボン酸並びにそれらのエーテル及びエステル、又はそれらの混合物を含みうる。非極性着色流体は、顔料又は染料などの着色剤を含んでいてよい。
非極性溶媒を有する着色流体は、極性溶媒を有する着色流体と混和性でないものであるべきであり、それと安定な乳濁液を形成しないものであるべきである。そのためには、非極性溶媒は、約10%未満である、極性溶媒との相互溶解度(cross-solubility)レベルを有するべきである。一例において、相互溶解度は、約1%未満である。さらに、極性エレクトロウェッティング流体の成分が非極性エレクトロウェッティング流体内に移動すべきではなく、逆もまた同様である。極性エレクトロウェッティング流体と非極性エレクトロウェッティング流体との間の界面張力は、約2〜約55ダイン/cmであってよい。他の例において、極性エレクトロウェッティング流体と非極性エレクトロウェッティング流体との間の界面張力は、約5〜約55ダイン/cmであってよい。非極性溶媒がガスである場合、極性エレクトロウェッティング流体との界面張力は、約10ダイン/cm〜約55ダイン/cmでありうる。他の例において、非極性溶媒がガスである場合、極性エレクトロウェッティング流体との界面張力は、約15ダイン/cm〜約55ダイン/cmでありうる。界面張力が低すぎる場合、極性エレクトロウェッティング流体と非極性エレクトロウェッティング流体との混合が起こり、高すぎる場合、エレクトロウェッティング応答のためにより高い電圧が必要となる。
着色流体に含める顔料粒子は、動的光散乱粒径分析に基づいて約10nm〜5000nmの範囲の重量平均径を有しうる。一例において、重量平均径は、約20nm〜500nmの範囲にある。
着色流体を調製するに際して、構成要素は、500〜12000RPMの範囲の回転速度の高速撹拌機を装着した容器中で予め混合することができる。混合物は、次に、例えば、回転式ボールミル、振動ミル、撹拌型水平若しくは垂直媒体ミル、バスケットミル、ロータ/ステータ型機械又は磨砕機であるが、これらに限定されない公知の粉砕装置を用いて粉砕することができる。混合物は、回分式操作により、或いは再循環及び/又は不連続通過(discrete pass)により粉砕することができる。公知の種類及びサイズの媒体、例えば、30μm〜約10cmの範囲のサイズを有するガラス、セラミック、砂、ポリマー及び金属媒体を用いることができる。一般的なミルは、Eiger、Netzsch、Buhler、Premier、Hockmeyer、Chicago Boiler、Drais、Union Process等により製造されるものを含む。或いは、着色流体は、回転式ボールミル又は撹拌型ボールミルなどの回分処理装置で製造することができる。前者は、Paul-O-Abbeにより供給されるものに代表され、後者は、Union Processにより供給されるものに代表される。いずれの媒体のサイズも上記のサイズの範囲であってよく、媒体の形状は、円形、規則的、不規則又はそれらの混合であってよい。着色流体はまた、IKA Works、Baker-Perkinsなどのせん断機構を有する高エネルギー分散機、すなわち、シグマブレードミキサーで調製することができる。着色流体は、大きい顔料粒子、破壊した媒体又は混入物質を除去するために場合によってろ過し且つ/又は遠心分離することができる。当技術分野で公知の他の調製方法も用いることができる。上述の発明についてその精神及び範囲から逸脱することなく種々の変更及び修正を行うことができる。すべての記述は、例示のみの目的のためであって、限定するものではない。
着色流体の粘度は、Brookfield粘度計LVDV-II+Proを用いてT=25℃、回転速度30RPM及び軸番号18で測定する。粒径分布は、Nanotrac(商標)250、NPA250(Microtrac, Inc.)及びMicrotrac(商標)UPA(Microtrac, Inc.)を用いて測定する。着色流体の界面張力は、液滴張力計IFT Tracker(商標)(Teclis)を用いて測定する。張力計は、液滴の形状を表面張力と液滴に作用する重力により決定する、液滴形状解析を用いて表面張力又は界面張力を計算するものである。懸垂液滴又は上昇液滴のいずれかの形態を用いるが、形態は、流体の比重と光学特性により決定した。誘電率は、Scientific 870液体誘電率計(Princeton Instruments)を用いて25℃で測定する。
(実施例)
以下の実施例は、本発明の詳細を例示するものであって、本発明の精神及び範囲を限定するものでない。特に示さない限り、%及び部は、常に重量%及び重量部を意味する。
[試験方法]
着色流体の電気伝導率は、所望の範囲の伝導率を測定することができる伝導率計、例えば、VWRモデル番号23226又はOakton(登録商標)Acorn Con 6モデルを用いて25℃で測定した。
上記で示したように、電圧印加による疎水性誘電体及び電極基板上の接触角の変化を評価することにより、エレクトロウェッティング能力について着色流体を試験した。インジウムスズ酸化物(ITO)被覆ガラスにパリレンC誘電体及びCytonix Fluoropel 1601V疎水性フッ素ポリマーの組合せをアンビエント(ambient)として被覆した。或いは、誘電体層は、Al2O3及びAsahi Cytop CTL-809M疎水性フッ素ポリマーからなっていてよい。導線を接地電極としての役割を果たす基板のITO層に一点で取り付けた。基板を透明非極性溶媒中に沈め、極性流体を有する1滴の着色導電性流体を表面にのせた。2Vきざみで直流又は交流電流を、タングステン針電極プローブを介して滴に印加し、VCA Optimaソフトウエアプログラム(AST Products)を用いて各電圧における滴の接触角を記録し、計算した。電圧の印加により、最終接触角が90°未満となるように接触角が減少した場合、流体はエレクトロウェッティング能力があるとみなした。その内容がその全体として本明細書に組み込まれる非特許文献1を参照されたい。さらに、流体の伝導率が25μS/cm未満でなかったならば、伝導率の調節なしに着色極性流体を測定した。EWRRは、この方法を用いて接触角データから計算した。
着色導電性流体は、ここでは絶縁破壊と呼ばれる絶縁破損を引き起こすそれらの傾向についても試験された。絶縁破壊は、着色導電性流体の小イオン種の誘電体層への且つ/又は誘電体層を通過する移動に起因すると一般的に理解されている。SnO2:In2O3被覆ガラスにアルミナ、すなわちAl2O3であってよい薄い誘電体層とAsahi Cytopフッ素ポリマーを、又はパリレンCとFluoroPelフッ素ポリマーを被覆した。供試流体の1μLの1滴を基板上にのせ、タングステンプローブを滴に配置した。-99Vから99Vまでの直流(DC)電圧掃引を完了させながら電流を測定した。絶縁破損、すなわち、破壊は、1μAより大きい電流又は電流の指数関数的増加によって示された。その内容がその全体として本明細書に組み込まれる非特許文献1を参照されたい。再現性を得るために各溶液について3から5滴を試験した。いくつかの実施例について、各溶液の最悪の結果を示した。
アルミナ誘電体に関しては、SnO2:In2O3被覆ガラスにCambridge Nanotech Savannah 100 ALDシステムの製造業者指定の前駆体及びサイクル時間を用いた250℃での原子層堆積によりアルミナを被覆した。具体的には、用いた前駆体は、トリメチルアルミニウム(Sigma-Aldrich)及びDI水であった。用いた前駆体パルス時間及びN2パージ時間は、それぞれ0.015秒及び8秒であった。次にAl2O3膜にAsahi Cytopフッ素ポリマーの1重量%溶液をスピンコートした。スピンサイクルには、15秒間の500rpmスプレッド及び45秒間の1000rpmスピンを含んだ。次に試料を180℃で30分間アニールして、約50nmの厚さのフッ素ポリマーを得た。
パリレンC誘電体に関しては、Specialty Coating Systems PDS 2010 Lab Coaterの製造業者のプリセット堆積パラメーターを用いた化学蒸着により、SnO2:In2O3被覆ガラスにパリレンCを被覆した。パリレンC及びパリレンHT(両方がSpecialty Coating Systems, Inc.から入手可能)は、各種の化学蒸着ポリ(p-キシレン)ポリマーの商品名であり、前駆体は、一般的に[2.2]パラシクロファンである。一般的に用いられるパリレンCは、モノ塩素化芳香環を有するポリ(2-クロロパラキシリレン)である(εr=3.1、γd=38mN/m)。さほど一般的に用いられていないパリレンHTについては、フッ素原子がすべての脂肪族水素原子を置換している(εr=2.2、γd=26mN/m)(データ、Specialty Coating Systems, Inc.)。例えば、パリレンN及びパリレンDを含む他の種類のものは、1個の塩素原子だけがパリレンCと異なっている。
誘電体の理論的な作動電圧は、7ダイン/cmのIFT値、75度のエレクトロウェッティング角及び180度のヤング角(Yong’s angle)を用いて次の式により計算することができる。ここで、Voは、作動電圧であり、θvは、エレクトロウェッティング角であり、θYは、ヤング角であり、γNPは、極性流体と非極性流体との間の界面張力であり、ε0は、誘電率定数であり、εrは、相対誘電体誘電率であり、dは、誘電体の厚さである。
Figure 2013501259
イオン含量は、誘導結合プラズマ分光法(ICP)を用いた元素分析により測定した。試料は、濃硝酸中の消化及びその後の脱イオン水による5%酸濃度への希釈により、金属含量用に調製した。次に試料をThermo Scientific iCAP 6000 ICP-OES機器に導入して、金属、メタロイド並びにリン、硫黄及びセレンなどの非金属の非イオン種を含む総元素含量を同定し、定量した。ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、アルミニウム及びカリウムを含むが、これらに限定されない、そのような元素の含量をICPにより測定する場合、総元素含量の上限を定める。ここで定義したイオン含量は、元素分析より低いことが公知であり、したがって、イオン含量の上限を定める。さらに、総ハロゲン(臭素、塩素)含量は、酸化により測定した。総ハロゲンを定量するために、試料をシェニガー酸化フラスコ中で酸化し、発生したハロゲンをアルカリ溶液に吸収させた。次にハロゲンをこの溶液から沈殿させ、重量法により定量した。
多原子イオンは、イオン種に固有の一般的な分析法により測定することができる。これらは、pH、滴定法、比色法、分光法、重量法及び/又は質量分析を含むが、これらに限定されない。
(実施例1)
塩化カリウム(KCl)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及び塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(DTAC)のDI水中1%の溶液を調製した。カチオン界面活性剤オクタンスルホン酸ドデシルトリメチルアンモニウム(DTA-OS)をその内容がその全体として本明細書に組み込まれる非特許文献1に記載されている方法に従って調製し、精製した。DTA-OSのDI水中0.05重量%の溶液を調製した。溶液の電気伝導率を以下の表1に示す。
Figure 2013501259
絶縁破壊の試験は、上述の手順に従って100nmのAl2O3及び50nmのCytop基板上で完了した。実験結果を図1A〜Eに示す。図1Aに示すように、添加イオン種を全く含まないDI水については正又は負電圧で破壊は認められなかった。図1Bにおいて、小K+及びCl-イオンを含む溶液について正及び負DC電圧で絶縁破壊が認められた。図1Cにおいて、小Na+カチオン及び大ドデシル硫酸アニオンを含む溶液について正電圧でのみ絶縁破壊が認められた。図1Dにおいて、小Cl-アニオン及び大ドデシルトリメチルアンモニウムカチオンを含む溶液について負電圧でのみ絶縁破壊が認められた。最後に、図1Eはアニオンとカチオンの両方が大きいDTA-OSカチオン界面活性剤の溶液について正又は負DC電圧で破壊が起こらないことを示している。これらの結果は、イオンサイズがエレクトロウェッティング素子の誘電体の破壊の支配的要因であることを示すものである。
(実施例2)
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)のDI水中0.013%の溶液を調製した。異なる厚さのパリレンC(1つの300nmのパリレンC及び1つの700nmのパリレンC)を含む基板における絶縁破壊について溶液を試験した。図2A及び2Bに示すように、より薄い誘電体について小Na+カチオンに起因した破壊が正DC電圧で認められた。これは、低電圧で作動させるためにエレクトロウェッティング素子における薄い誘電体の使用を可能にするのにイオンの選択が重要であることを示すものである。
(実施例3)
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)のDI水中0.013%及び1%の溶液を調製した。300nmのパリレンHTを含む基板における絶縁破壊について溶液を試験した。図3A及び3Bに示すように、低濃度のSDSを含む溶液について絶縁破壊は認められなかったが、高濃度は、正のDC電圧での破壊をもたらした。
(実施例4)
各種アニオンを含む塩をプロピレンカーボネート中で絶縁破壊について評価した。塩としては、Sigma Aldrichからの純粋レベルの「プラム(purum)」を入手し、更なる精製はせずに用いた。以下の表2に示す以下の塩を20〜30μS/cmの範囲の伝導率に達するようにプロピレンカーボネートに溶解した。
Figure 2013501259
上述の手順により400nmパリレンC及び50nm Fluoropel基板に関する絶縁破壊試験を完了した。図4に示すように、I-及び酢酸アニオンを含む溶液は、負DC電圧で絶縁破壊を示さなかった。Cl-及びBr-イオンを含む溶液は、ヘキサフルオロリン酸塩及びトリフルオロメタンスルホン酸塩を含む溶液と同様に誘電体の破壊をもたらした。これらの2つの大きいアニオンが破壊をもたらしたという事実は、小F-アニオンを生じるヘキサフルオロリン酸塩の分解又はF-アニオンを含むトリフルオロメタンスルホン酸塩中の不純物によって説明することができる。
(実施例5)
2〜2.5mmセラミック媒体を含むHarbi振とう機でC.I.ブルー15:4をプロピレングリコールに2時間分散させることによって流体を調製した。流体を、絶縁破壊を引き起こす可能性があるいくつかのイオン種の存在について分析した。結果を以下の表3に示す。すべての結果は、100万分の1(ppm)単位である。
Figure 2013501259
400nmパリレンC及び50nm Fluoropel基板における絶縁破壊について流体を試験した。図5に示すように、高Na+含量を有する青色流体B及びCは、正DC電圧で絶縁破壊を示した。低Na+含量を有する流体Aは、絶縁破壊を示さなかった。いずれの流体についても負DC電圧で絶縁破壊は認められなかった。
(実施例6)
Sigma Aldrichから入手し、更なる精製はせずに用いた臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)の溶液をプロピレンカーボネート中で異なる伝導率を有するように調製した。1.3μmパリレンC及び50nm Fluoropel基板上の接触角をAC電圧の関数として測定した。以下の表4及び図6に示すように、プロピレンカーボネートの30VにおけるEWRRは、伝導率の増加に伴って改善する。
Figure 2013501259
(実施例7)
各種カチオンを含む塩をプロピレングリコール中で絶縁破壊について評価した。塩は、Sigma Aldrichから純粋レベルの「プラム(purum)」を入手し、更なる精製はせずに用いた。以下の表5に示す以下の塩を20〜30μS/cmの範囲の伝導率に達するようにプロピレングリコールに溶解した。
Figure 2013501259
400nmパリレンC及び50nm Fluoropel基板における絶縁破壊に関する試験を完了した。図7に示すように、Na+を含む溶液は、絶縁破壊をもたらした。NH4 +及びテトラブチルアンモニウムを含む溶液は、絶縁破壊を示さなかった。
本発明の着色流体の種々の実施形態は、カラーフィルター、インクジェットインク、液体トナー及び現像液におけるエレクトロウェッティング、電気流体及び/又は電気泳動の原理により動作する電子表示装置における彩色を施すのに用いることができる。
1つの特定の実施形態において、本発明の実施形態の着色流体は、画像を作るためにエレクトロウェッティングの原理により動作するディスプレイに用いることができる。一般的に、エレクトロウェッティング素子は、非混和性である極性流体及び非極性流体で満たされた複数の個別ピクセルを含む。各ピクセルに印加され、又は各ピクセルから除去される電圧が極性流体の移動を引き起こし、それにより、ピクセルの外観又は状態を、例えば、着色された状態から着色されていない又は透明な状態に変化させる。
ディスプレイにおけるエレクトロウェッティング素子として用いる代表的なピクセル10を本発明の実施形態として図8A、8Bに示す。本発明の実施形態の1つと一致する少なくとも1つの極性溶媒及び少なくとも1つの着色剤を含む極性流体12と、非極性流体14とは、貯留層16の内部に閉じ込められている。貯留層16は、第1の電極18と第2の電極20の間に配置されている。電極18、20のそれぞれは、フッ素ポリマーなどの絶縁体からなる各疎水性コーティング22、24により被覆されている。積み重ねられた配置の流体12、14、電極18、20及びコーティング22、24は、基板26、28により支持されている。電源30は、電極18、20の間に接続され、ディスプレイの状態を変化させるためにピクセル10に処置を施すことができるように、ディスプレイのピクセル用制御回路(図示せず)とさらに接続されている。
光を基板26に当て、流体12、24、電極18、20、コーティング22、24、及び基板28の積層体を通してピクセル10の外側の環境に誘導する。図8Aに示すような電極18、20に電源30によって印加された電圧の存在下では、極性流体12は、ピクセル10が膜の着色に関連する外観を有するように疎水性コーティング22上に膜を形成する。例えば、極性流体12が赤色である場合、赤色波長の光がピクセル10から観察される。疎水性コーティング22の領域にわたり極性流体12の表面積が増加するため、極性流体12の色は、ピクセル10を通して伝送された光として現れる。図8Bに示すように電位差が除去される場合、極性流体12は、その形状と、それによる疎水性コーティング22の表面に対するその接触角とを変化させることによって応答する。より少ない光が極性流体12を通して伝送され、比較すると、より多くの光が非極性流体14を通して伝送されるため、極性流体12の可視着色は、図8Bのディスプレイの状態においてはさほど明らかでない。図8Bにおける電極18、20に電圧が存在しない場合、極性流体12の着色が全くない非極性流体14が、疎水性コーティング22の表面積の大部分を優先的に濡らす。非極性流体14は、非着色又は透明であってよい。図8A、8Bに示すピクセル10のこれらの2つの対照的なディスプレイの状態並びにピクセル10と類似する他のピクセル(図示せず)の対照的なディスプレイの状態は、画像を発生させるためにディスプレイにより用いることができる。ピクセル10の電極18、20の間に電位差を再印加する場合、極性膜12は、図8Bのディスプレイの状態から図8Aのディスプレイの状態に戻る。
当業者は、ピクセル10が様々な代替的構造を有しえ、図8A、8Bに示す構造が変化しうることを十分に理解するであろう。代替実施形態において、印加電位差が極性流体12に図8Aにおけるような膜を形成させ、印加電位差の除去が図8Bにおける接触角の増加した状態をもたらすように、ピクセル10を構成することができる。或いは、極性流体12は、電位差により、極性流体12が見えず観察者から隠されたピクセル10内の位置に移動させることができる。
本明細書で用いた用語は、特定の実施形態のみを記述する目的のためのものであって、本発明を限定するものではない。本明細書で用いているように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈上他の状態が明確に示されていない限り、複数形も含むものとする。「含む(comprises)」及び/又は「含む(comprising)」は、本明細書で用いる場合、述べられた特徴、整数、段階、操作、要素及び/又は成分の存在を特定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、段階、操作、要素、成分及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除しない。さらに、用語「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」、「からなる(composed)」、「含まれた(comprised)」又はそれらの変形が詳細な説明又は特許請求の範囲で用いられている限りにおいて、そのような用語は、「含む(comprising)」という用語と同様な形で包含的であるものとする。
本発明を様々な実施形態の記述により例示し、これらの実施形態をかなり詳細に記述したが、添付の特許請求の範囲の範囲をそのような詳細に制限又は限定することは、出願者の意図ではない。さらなる利点及び修正形態は、当業者には容易に思い浮かぶであろう。したがって、そのより広い態様における本発明は故に、示し記述した特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに実施例に限定されない。したがって、出願者の一般的な発明概念の精神又は範囲から逸脱することなく、そのような詳細からの逸脱を行うことができる。

Claims (34)

  1. (a)25℃で0.1cP〜1000cPの動的粘度、(b)25℃で25ダイン/cm〜90ダイン/cmの表面張力、及び(c)20%〜80%のエレクトロウェッティング相対感度を有する少なくとも1つの極性溶媒と、
    顔料及び/又は染料から選択される少なくとも1つの着色剤と、
    を含む着色導電性流体であって、
    0.1μS/cm〜3000μS/cmの電気伝導率を有し、合計500ppm以下の2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン及び1.45Åより小さいイオン半径を有する多原子イオンを有する、着色導電性流体。
  2. カチオン及びアニオンを含む、前記着色導電性流体の電気伝導率を調節するための少なくとも1つの薬剤をさらに含む、請求項1に記載の着色導電性流体。
  3. 前記着色導電性流体の電気伝導率を調節するための前記薬剤が以下の式:[化学式1]の1つ又は複数から選択される、請求項2に記載の着色導電性流体。
    [化学式1]
    Figure 2013501259
    [式中、Rは、H、アルキル、アリール又はアルキルアリールであり、R1は、H、アルキル、アリール、アルキルアリール又は100〜5000の分子量を有するポリアルキレングリコールであり、R2、R3、R4及びR5は、独立にH、アルキル、アリール、アルキルアリール、ハロゲン、-NRR1、-OH、-Oアルキル、-Oアリール、-Sアルキル、-Sアリール、-COOH、-COOアルキル、-COOアリール、-CONRアルキル、-CONRアリール、=O、-CH3C=O、-CN、-SO3M、-SO2NHR1、-SO2NHアリール又はNO2であり、R1は、単結合、アルキル、アリール、アルキルアリール、100〜5000の分子量を有するポリアルキレングリコール、70〜5000の分子量を有するポリエチレンイミン、C=O、C=S又はC=NHであり、アルキルは、置換若しくは非置換C1〜C18線状若しくは分岐脂肪族炭化水素、C3〜C10脂環式炭化水素、又はO、N若しくはSの1個若しくは複数個の原子を含む複素環であり、アリールは、置換若しくは非置換C4〜C10芳香族炭化水素又はO、N若しくはSの1個若しくは複数個の原子を含む芳香族複素環であり、アルキルアリールは、アルキル及びアリール基の組合せであり、mは、0〜200であり、Mは、H、金属又は有機カチオンであり、An-は、個別のアニオン、錯アニオン又はその混合物である。]
  4. 前記カチオンが2-ピロリン、3-ピロリン、ピロール、ピラゾリジン、イミダゾリジン、2-ピラゾリン、2-イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾリン-2-チオン、1,2,3-チアゾール、1,2,4-チアゾール、1H-テトラゾール、オキサゾリン、5-オキサゾロン、イソオキサゾール、オキサゾール、2-チアゾリン、イソチアゾール、チアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1,2,4-ジオキサゾール、ピペリジン、1-H-ピリジン-2-オン、ピペラジン、ピリジジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、オキサジン、チオモルホリン、オキサジアジン、オキサチアジン、インドリン、インドール、カルバゾール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、キノキサリン、フタラジン、1,5-ナフチリジン、フェナジン、ベンゾチアゾール、2H-1,4-ベンゾキサジン、フェノキサジン及びフェノチアジンからなる群から選択される、請求項2に記載の着色導電性流体。
  5. 前記カチオンが、アゾ、アゾメチン、キサンテン、アジン、チアジン、オキサジン、トリアリールメタン、メチン、ポリメチン、アントラキノン、アリールアミノキノン、フタロシアニン、ケトンイミン、アクリジン、シアニン、キナクリドン、ペリレン、金属錯体、ベンゾイミダゾロン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジゴ、ジオキサジン、イソインドリン、イソインドリノン、イミノイソインドリン、イミノイソインドリノン、フラバントロン、インダントロン、アントラピリミジン、キノフタロン、イソビオラントロン、ピラントロン及びニトロからなる群から選択される塩基性基を有する塩基性染料又は塩基性染料若しくは顔料誘導体である、請求項2に記載の着色導電性流体。
  6. 前記アニオンが、HSO4 -; SO4 2-; HSO3 -; FSO3 -; SO3 2-; S2O3 2-; S2O4 2-; S2O6 2-; S2O8 2; S2O7 2-; Alk-OSO3 -; Ar-OSO3 -; ArAlk-OSO3 -; Alk-SO3 -; CH3O-(RO)n-OSO3 -; Ar-SO3 -; ArAlk-SO3 -; NH2SO3 -; P-(X-SO3 -)n; Q-(X-SO3 -)n; N-(SO2CF3)2; N-(SO2CF2CF3)2; N(CN)2 -; NH2 -; Alk-(COO-)n; Ar-(COO-)n; ArAlk-(COO-)n; P-(X-COO-)n; Q-(X-COO-)n; H2PO4 -; HPO4 2-; H2PO2 -; PO4 3-; P2O7 4-; P3O9 3-; P3O10 5-; P4O13 2-; (AlkO)2POO-; P-(X-POO)- n; Q-(X-POO)- n; NO3 -; NO2 -; OCN-; NCO-; SCN-; CNS-; CS2 2-; CS2 2-; N3 -; CrO4 2-; Cr2O7 2-; CrO8 3-; MnO4 -; SiO3 2-; TiO3 2-; MoO4 -; ReO4 -; WO4 -; ClO2 -; ClO3 -; ClO4 -; BrO-; BrO2 -; BrO3 -; BrO4 -; I-; IO-; IO2 -; IO3 -; IO4 -; [Co(CN)6]3-; [Fe(CN)6]3-; [Fe(CN)6]4-; [Cr(CN)6]3-; [Cu(CN)6]3-; [Ni(CN)6]2-; B4O7 2-; BO3 3-; B(Ar)4 -; H2SbO4 -; Sb(OH)6 -; Sb2O7 4-; HCO3 -; CO3 2-; SeO4 2-; SeO4 2-;及びSeCN-からなる群から選択され、
    Pは、置換若しくは非置換脂環式若しくは芳香族炭化水素C10〜C60、又はO、N若しくはSの1個若しくは複数個の原子を含む置換若しくは非置換脂環式若しくは芳香族複素環C10〜C60であり、Qは、酸性、直接、反応性、建染、分散、硫化若しくは溶剤染料の残基、又はアゾ、金属錯体、ベンゾイミダゾロン、メタン、アントラキノン、フタロシアニン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジゴ、ジオキサジン、イソインドリン、イソインドリノン、イミノイソインドリン、イミノイソインドリノン、キナクリドン、フラバントロン、インダントロン、アントラピリミジン、キノフタロン、イソビオラントロン、ピラントロン、アゾメチン、メチン、アザカルボシアニン、エナミン、ヘミシアニン、ストレプトシアニン、スチリル、ゼロメチン、モノ、ジ、トリ及びテトラアザメチン;カラテノイド、アリールメタン、キサンテン、チオキサンテン、フラボノイド、スチルベン、クマリン、アクリジン、フルオレン、フルオロン、ベンゾジフラノン、ホルマザン、ピラゾール、チアゾール、アジン、ジアジン、オキサジン、ジオキサジン、トリフェノジオキサジン、フェナジン、チアジン、オキサゾン、インダミン、ニトロソ、ニトロ、キノン;ローダミン、ニュートロシアニン、ジアザヘミシアニン、ポルフィリン、ピロニン、インジゴ、インドフェノール、ナフタルイミド及びそれらの組合せからなる群から選択される発色団であり、Xは、単結合、Alk、Ar又はAlkArであり、アルキルは、置換若しくは非置換C1〜C18線状若しくは分岐脂肪族炭化水素、又は置換若しくは非置換C3〜C10脂環式炭化水素、又はO、N若しくはSの1個若しくは複数個の原子を含む複素環であり、アリールは、置換若しくは非置換C4〜C10芳香族炭化水素又はO、N若しくはSの1個若しくは複数個の原子を含む芳香族複素環であり、アルキルアリールは、アルキル及びアリール基の組合せであり、n=1〜6である、請求項2に記載の着色導電性流体。
  7. 前記着色導電性流体の電気伝導率を調節するための前記薬剤がイオン性流体である、請求項2に記載の着色導電性流体。
  8. 前記薬剤が、2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン及び1.45Åより小さいイオン半径を有する多原子イオンに解離しない、請求項2に記載の着色導電性流体。
  9. 前記着色導電性流体の電気伝導率を調節するための前記薬剤が少なくとも95.0%の純度を有する、請求項2に記載の着色導電性流体。
  10. 前記極性溶媒が水、グリコール、アルコール、ポリオール、エーテル、エステル、ケトン、アセタール、ケタール、ラクトン、カーボネート、ラクタム、ウレタン、尿素、ピロリジン、ピロリドン、スルホン、スルホキシド、アミド、第一級、第二級、第三級若しくは第四級アミン、イミン、ニトリル、カルボン酸、アルデヒド、ハロゲン化化合物、チオ化合物若しくはニトロ化合物及びそれらのいずれかの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の着色導電性流体。
  11. 前記極性溶媒が以下の式:[化学式2]の1つ又は複数から選択される、請求項1に記載の着色導電性流体。
    [化学式2]
    Figure 2013501259
    [式中、R及びR1は、独立にH、C1〜C12アルキル(Alk)又は(RR1O)nHであり、R2、R3、R4及びR5は、独立にH、C1〜C12 Alk、ハロゲン、OH、OAlk、SAlk、COOR、=O、CH3C=O、CN、NRR1、COO(RR1O)nR、O(RR1O)nH又はNRR1(RR1O)nHであり、n=1〜50である。]
  12. 前記極性溶媒が水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2-ブチレンカーボネート、1,2-シクロヘキサンカーボネート、グリセリンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、アセトン、アセトフェノン、ピリジン、ジメチルマロネート、ジアセトンアルコール、ヒドロキシプロピルカルバメート、ベータ-ヒドロキシエチルカルバメート、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、アセトニルアセトン、シクロヘキサノン、エチルアセトアセテート、エチル-L-ラクテート、ピロール、N-メチルピロール、N-エチルピロール、4H-ピラン-4-オン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、モルホリン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N-ホルミルモルホリン、ベータ-プロピオラクトン、ベータ-バレロラクトン、ベータ-ヘキサラクトン、ガンマ-ブチロラクトン、ガンマ-バレロラクトン、ガンマ-ヘキサラクトン、ガンマ-ヘプタラクトン、ガンマ-オクタラクトン、ガンマ-ノナラクトン、ガンマ-デカラクトン、デルタ-バレロラクトン、デルタ-ヘキサラクトン、デルタ-ヘプタラクトン、デルタ-オクタラクトン、デルタ-ノナラクトン、デルタ-デカラクトン、デルタ-テトラデカラクトン、デルタ-オクタデカラクトン及びそれらのいずれかの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の着色導電性流体。
  13. 前記着色剤が顔料である、請求項1に記載の着色導電性流体。
  14. 前記顔料が10nm〜5000nmの重量平均径を有する複数の粒子を含む、請求項13に記載の着色導電性流体。
  15. 前記顔料が自己分散性顔料である、請求項13に記載の着色導電性流体。
  16. 前記着色剤が染料である、請求項1に記載の着色導電性流体。
  17. 少なくとも1つの分散剤、体質顔料、共力剤、界面活性剤、樹脂、ポリマー、殺生物剤又はそれらのいずれかの組合せをさらに含む、請求項1に記載の着色導電性流体。
  18. 前記着色流体の総重量に対して、50.0重量%〜99.9重量%の極性溶媒及び0.1重量%〜50.0重量%の着色剤を含む、請求項1に記載の着色導電性流体。
  19. 前記着色導電性流体の電気伝導率を調節するための前記薬剤が、前記着色流体の総重量に対して0.01重量%〜10.0重量%の量で存在する、請求項2に記載の着色導電性流体。
  20. 非極性溶媒を全く含まない、請求項1に記載の着色導電性流体。
  21. 約5μS/cm〜3000μS/cmの電気伝導率を有する、請求項1に記載の着色極性流体。
  22. 合計300ppm以下の2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン及び1.45Åより小さいイオン半径を有する多原子イオンを有する、請求項1に記載の着色極性流体。
  23. 25℃で0.01〜1000cPの動的粘度及び10%〜80%のエレクトロウェッティング相対感度を有する、請求項1に記載の着色極性流体。
  24. 前記極性溶媒が10に等しい又はそれ以上の誘電率をさらに有する、請求項1に記載の着色極性流体。
  25. (a)25℃で0.1cP〜1000cPの動的粘度、(b)25℃で25ダイン/cm〜90ダイン/cmの表面張力、及び(c)20%〜80%のエレクトロウェッティング相対感度を有する少なくとも1つの極性溶媒と、
    顔料及び/又は染料から選択される少なくとも1つの着色剤と、
    を含む着色導電性流体であって、
    15Vまでの印加電圧で400nmの厚さを有するポリ(2-クロロパラキシリレン)誘電体の絶縁破壊を引き起こさないか、又は
    15Vまでの印加電圧で100nmの厚さを有するアルミナ誘電体の絶縁破壊を引き起こさない、着色導電性流体。
  26. 前記着色導電性流体が0.1μS/cm〜3000μS/cmの電気伝導率を有する、請求項25に記載の着色極性流体。
  27. 前記着色導電性流体が合計500ppm以下の2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン及び1.45Åより小さいイオン半径を有する多原子イオンを有する、請求項25に記載の着色極性流体。
  28. 前記着色導電性流体が、0.1μS/cm〜3000μS/cmの電気伝導率を有し、合計500ppm以下の2.0Åより小さいイオン半径を有する単原子イオン及び1.45Åより小さいイオン半径を有する多原子イオンを有する、請求項25に記載の着色極性流体。
  29. 前記着色導電性流体が30Vまでの印加電圧で400nmの厚さを有するポリ(2-クロロパラキシリレン)誘電体の絶縁破壊を引き起こさないか、又は、前記着色導電性流体が30Vまでの印加電圧で100nmの厚さを有するアルミナ誘電体の絶縁破壊を引き起こさない、請求項25に記載の着色極性流体。
  30. 前記着色導電性流体が50Vまでの印加電圧で400nmの厚さを有するポリ(2-クロロパラキシリレン)誘電体の絶縁破壊を引き起こさないか、又は、前記着色導電性流体が50Vまでの印加電圧で100nmの厚さを有するアルミナ誘電体の絶縁破壊を引き起こさない、請求項25に記載の着色極性流体。
  31. 請求項1から30のいずれか一項に記載の着色導電性流体を含むエレクトロウェッティング又は電気流体素子。
  32. 少なくとも1つの電極に対して前記着色導電性流体を移動させるのに有効な電位差を印加するように構成された複数の電極を含む、請求項31に記載のエレクトロウェッティング又は電気流体素子。
  33. 前記着色導電性流体と非混和性である非極性流体をさらに含む、請求項31に記載のエレクトロウェッティング又は電気流体素子。
  34. ディスプレイにおけるピクセルである、請求項31に記載のエレクトロウェッティング又は電気流体素子。
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