JP2013237732A - エネルギー線易剥離型粘着剤組成物及び粘着テープ - Google Patents

エネルギー線易剥離型粘着剤組成物及び粘着テープ Download PDF

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貴久 谷口
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Abstract

【課題】被着体に対する初期粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を有し、さらに、高温にさらされた後であっても、剥離する際に非常に容易に剥離可能なエネルギー線易剥離型粘着剤組成物を提供する。
【解決手段】アクリロニトリルをモノマー成分とする共重合体を含むアクリル系ポリマーと、エネルギー線重合性化合物と、チオキサントン系重合開始剤と、架橋剤とを含有し、波長330nm以上410nm以下の範囲に吸収ピークを有するエネルギー線易剥離型粘着剤組成物2。
【選択図】図1

Description

本発明は、少量のエネルギー線照射量でも容易に剥離できるエネルギー線易剥離型粘着剤組成物及びそのエネルギー線易剥離型粘着剤組成物を含有する粘着剤層を有する粘着テープに関する。
一般に、電子部品の製造工程では、ダイシングテープやバックグラインドテープ等の粘着テープが使用されている。これらの粘着テープは、部品の固定や保護を目的として使用されているため、製造の各工程では環境条件に耐え得る強い接着力を有し、固定や保護の必要がなくなり、剥離して除去する際には容易に剥離できることが望ましい。
こうした粘着テープに関する技術は従来から種々提案されている。特許文献1には、アクリル系ポリマーと、エネルギー線重合性オリゴマーと、重合開始剤と、架橋剤とを含有し、その重合開始剤は、昇温速度10℃/minで30℃から190℃まで昇温させ、190℃にて30分間保持した際の熱重量測定による重量減少率が50%以下であるエネルギー線易剥離型粘着剤組成物に関する技術が提案されている。
特許文献2には、エッチング処理されたポリイミド樹脂面を有する部品を一時的に固定又は保護するために使用される耐熱仮着用粘着テープであって、耐熱性基材上に、アクリル系ポリマーと、エネルギー線重合性オリゴマーと、重合開始剤と、架橋剤とを含有するエネルギー線易剥離型粘着剤組成物からなる粘着剤層が形成されており、そのアクリル系ポリマーは、質量平均分子量が20万〜50万の範囲内であり、且つ、アクリル酸エステルを主成分とし、そのアクリル酸エステルと、共重合可能な水酸基含有モノマーとの共重合により得られるか、又はアクリル酸エステルを主成分とし、そのアクリル酸エステルと、共重合可能な水酸基及びカルボキシル基含有モノマーとの共重合により得られ、その水酸基含有モノマーとカルボキシル基含有モノマーとの質量比が51:49〜100:0であり、重合開始剤は、昇温速度10℃/minで30℃から190℃まで昇温させ、190℃にて30分間保持した際の熱重量測定による重量減少率が50%以下である耐熱仮着用粘着テープに関する技術が提案されている。
こうした特許文献1,2で提案された技術は、被着体に対する初期の粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、被着体の固定や保護に必要な粘着力を保持し、さらに、剥離して除去する際には、エネルギー線等を照射すると粘着力が低下し、被着体から糊残りすることなく容易に剥離可能であるというものである。
特開2012−12506号公報 特開2012−31316号公報
しかしながら、特許文献1,2で提案された技術では、粘着テープを高温にした場合であっても被着体を高い粘着力を保持できるものの、粘着テープを高温にした後で、その粘着テープを被着体から剥離する際の易剥離性が不十分であるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決したものであって、その目的は、被着体に対する初期の粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を有し、さらに、高温にさらされた後であっても、剥離する際に非常に容易に剥離可能なエネルギー線易剥離型粘着剤組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、被着体に対する初期の粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を有し、さらに、高温にさらされた後であっても、被着体から剥離する際には非常に容易に剥離可能な粘着テープを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物にチオキサントン系重合開始剤を含有させて、波長330nm〜410nmの範囲に吸収ピークを有するものにすることで、粘着テープを高温にした後であっても非常に容易にその粘着テープを剥離できることを見出し、本発明を完成させた。
上記課題を解決するための本発明に係るエネルギー線易剥離型粘着剤組成物は、アクリロニトリルをモノマー成分とする共重合体を含むアクリル系ポリマーと、エネルギー線重合性化合物と、チオキサントン系重合開始剤と、架橋剤とを含有し、波長330nm以上410nm以下の範囲に吸収ピークを有することを特徴とする。
この発明によれば、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物が、アクリロニトリルをモノマー成分とする共重合体を含むアクリル系ポリマーと、架橋剤とを含有するので、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を有するものになる。また、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物が、エネルギー線重合性化合物と、チオキサントン系重合開始剤とを含有し、波長330nm〜410nmの範囲に吸収ピークを有するので、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物が波長330nm〜410nmのエネルギー線で硬化するものになる。そのため、少量のエネルギー線照射量でもエネルギー線易剥離型粘着剤組成物を効率良く硬化できるので、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物を被着体から非常に容易に剥離できるものになる。その結果、本発明のエネルギー線易剥離型粘着剤組成物は、被着体に対する初期の粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を有し、さらに、高温にさらされた後であっても、剥離する際に非常に容易に剥離可能なものになる。
本発明に係るエネルギー線易剥離型粘着剤組成物において、前記チオキサントン系重合開始剤の含有量が、前記アクリル系ポリマーと前記エネルギー線重合性化合物との合計100質量部に対して、0.005質量部以上2質量部以下であることが好ましい。
本発明に係るエネルギー線易剥離型粘着剤組成物において、前記チオキサントン系重合開始剤が、2,4−ジエチルチオキサントン又は2−イソプロピルチオキサントンであることが好ましい。
上記課題を解決するための本発明に係る粘着テープは、上記したエネルギー線易剥離型粘着剤組成物で形成される粘着剤層と、該粘着剤層が設けられる透明基材と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、粘着テープが、上記したエネルギー線易剥離型粘着剤組成物で形成される粘着剤層を有するので、被着体に対する初期の粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を有し、さらに、高温にさらされた後であっても、剥離する際に非常に容易に剥離可能なものになる。
本発明に係る粘着テープにおいて、前記透明基材が、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
本発明に係るエネルギー線易剥離型粘着剤組成物によれば、被着体に対する初期の粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を保持できる。また、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物が波長330nm以上410nm以下のエネルギー線で硬化するものになるので、少量のエネルギー線照射量でもエネルギー線易剥離型粘着剤組成物を効率良く硬化できる。その結果、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物を高温にさらされた後であっても、被着体から非常に容易に剥離可能なものになる。
本発明に係る粘着テープによれば、被着体に対する初期の粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を有し、さらに、高温にさらされた後であっても、剥離する際に非常に容易に剥離可能なものになる。
本発明に係る粘着テープの一例を示す模式的な断面図である。 実施例1〜3及び比較例1,2のエネルギー線易剥離型粘着剤組成物の分光特性を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[エネルギー線易剥離型粘着剤組成物]
本発明に係るエネルギー線易剥離型粘着剤組成物は、エネルギー線を照射することにより容易に剥離することができ、粘着テープ等の粘着剤層形成用に用いられる組成物のことであり、アクリロニトリルをモノマー成分とする共重合体を含むアクリル系ポリマーと、エネルギー線重合性化合物と、チオキサントン系重合開始剤と、架橋剤とを含有し、波長330nm以上410nm以下の範囲に吸収ピークを有することに特徴がある。
こうしたエネルギー線易剥離型粘着剤組成物によれば、被着体に対する初期の粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を保持できる。また、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物が波長330nm以上410nm以下のエネルギー線で硬化するものになるので、少量のエネルギー線照射量でもエネルギー線易剥離型粘着剤組成物を効率良く硬化できる。その結果、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物を被着体から非常に容易に剥離可能なものになる。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
(アクリル系ポリマー)
アクリル系ポリマーは、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物の主剤として含まれ、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物の透明性、耐熱性、耐湿熱性、耐久性、塗工適性等を向上させるためのものである。こうしたアクリル系ポリマーは、高い極性を有し、粘着性に優れるアクリロニトリルをモノマー成分とする共重合体を主に含有する。アクリロニトリルをモノマー成分とする共重合体としては、特に限定されず、例えば、アクリル酸エステルとアクリロニトリルとの共重合体、アクリル酸エステルとアクリロニトリルと他の単量体との共重合体等が挙げられる。アクリル酸エステルとしては、例えば、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、ヒドロキシルエチルアクリレート、プロピレングリコールアクリレート、及びグリシジルアクリレート等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記したアクリル酸エステルの中でも、特に、n−ブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートが、透明性、耐熱性、耐湿熱性、耐久性、塗工適性等に優れ、また、低コストである点で好ましい。
他の単量体としては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、ヒドロキシルエチルメタクリレート、プロピレングリコールアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、及びn−エチルヘキシルメタクリレート等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記した他の単量体の中でも、メチルメタクリレートが特に好ましい。
その他、他の単量体としては、例えば、共重合可能な水酸基含有モノマーを好ましく挙げることができる。共重合可能な水酸基含有モノマーとは、その構造中にアクリルニトリルと共重合可能な重合性基と、水酸基とを有している単量体をいう。こうした共重合可能な水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、及びポリエチレングリコールアクリレート等が挙げられる。中でも、2−ヒドロキシエチルアクリレートが好ましく挙げられる。
アクリル系ポリマーの質量平均分子量(Mw)は、15万以上150万以下の範囲内であることが好ましく、40万以上120万以下の範囲内であることがより好ましい。アクリル系ポリマーの質量平均分子量をこの範囲内にすることで、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物の初期粘着力の調整が容易になる。また、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物の凝集力を高くすることができる。なお、質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した際の、ポリスチレン換算の値である。
アクリロニトリルをモノマー成分とする共重合体は、モノマー成分であるアクリロニトリルの割合を調整することで、所望の凝集力をエネルギー線易剥離型粘着剤組成物に付与することができる。アクリロニトリルをモノマー成分とする共重合体のアクリロニトリル成分の割合は、3質量%以上40質量%以下であることが好ましく、3質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。アクリロニトリルをモノマー成分とする共重合体のアクリロニトリル成分の割合を3質量%以上40質量%以下にすることで、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物が高温にさらされた場合であっても、粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力が保持可能なものにすることができる。また、被着体から剥離する際には糊残りが生じ難い。
アクリル系ポリマーには、アクリロニトリルをモノマー成分とする共重合体以外のアクリル系ポリマーが含まれていてもよい。こうしたアクリル系ポリマーとしては、例えば、アクリル酸エステルと上記した他の単量体とを共重合させたアクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
こうしたアクリル系ポリマーをエネルギー線易剥離型粘着剤組成物に含有させることにより、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物の被着体に対する初期の粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を有するものになる。
(エネルギー線重合性化合物)
エネルギー線重合性化合物は、エネルギー線重合性のオリゴマー及びエネルギー線重合性のモノマーのことであり、エネルギー線の照射によるラジカル重合反応により、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物を3次元架橋により硬化させて粘着力を低下させるとともに、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物の凝集力を高めて被接着面に転着させないようにするためのものである。こうしたエネルギー線重合性化合物は、エネルギー線の照射により重合し得るものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、光ラジカル重合性、光カチオン重合性、及び光アニオン重合性等のオリゴマー及びモノマーが挙げられる。これらの中でも、光ラジカル重合性オリゴマー及び光ラジカル重合性モノマーが、硬化速度が速く、また、多種多様な化合物から選択することができ、さらに、硬化前の粘着性や硬化後の剥離性等の物性を容易に所望のものに制御することができるので、好ましく挙げられる。
光ラジカル重合性のオリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエチレン(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、及びシリコーン系(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、ポリウレタン(メタ)アクリレートが好ましく挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
エネルギー線重合性オリゴマーの質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、250以上5000以下であることが好ましく、250以上1500以下であることがより好ましい。エネルギー線重合性オリゴマーの質量平均分子量を250以上5000以下の範囲内にすることで、エネルギー線照射前には所望の粘着力を示し、また、エネルギー線照射後には糊残りすることなく、容易に剥離可能なエネルギー線易剥離型粘着剤組成物にすることができる。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した際の、ポリスチレン換算の値である。
光ラジカル重合性のモノマーとしては、多官能性アクリレートや多官能性メタクリレートが好ましく、例えば、一分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上有するトリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及びこれらのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
エネルギー線重合性化合物の含有量は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、10質量部以上60質量部以下であることが好ましく、20質量部以上50質量部以下であることがより好ましい。これらの合計含有量を調整することにより、エネルギー線照射後の粘着力の制御が可能となる。エネルギー線重合性化合物の含有量が、アクリル系ポリマー100質量部に対して、10質量部以上60質量部以下の範囲内にすることにより、エネルギー線照射後の架橋密度が十分なものになるので、適正な剥離性を実現することができる。また、凝集力の低下による被着体への糊残りが生じ難い。
エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波のほか、電子線、プロトン線、中性子線等が挙げられる。
こうしたエネルギー線重合性化合物をエネルギー線易剥離型粘着剤組成物に含有させることにより、エネルギー線の照射によりエネルギー線易剥離型粘着剤組成物を硬化させて粘着力を低下させることができるので、剥離する際に容易に剥離可能なものになる。
(チオキサントン系重合開始剤)
重合開始剤は、エネルギー線重合性化合物の感応性を増進させるためのものであり、エネルギー線による重合硬化時間やエネルギー線照射量の低減が可能となる。重合開始剤は、少なくとも1種以上のチオキサントン系重合開始剤を含有する。また、チオキサントン系以外の重合開始剤が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。チオキサントン系の重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、2、4−ジエチルチオキサントン及びイソプロプルチオキサントン等が挙げられる。また、チオキサントン系以外の重合開始剤としては、光重合開始剤であるならば特に限定されるものではなく、例えば、アセトフェノン系化合物及びアシルフォスフォンオキサイド系化合物等が挙げられる。アセトフェノン系化合物としては、例えば、アセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、アミノアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{4−(1−メチルビニル)フェニル}プロパノン]、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等を挙げることができ、アシルフォスフォンオキサイド系化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。こうした光重合開始剤の市販品として、例えば、BASFジャパン株式会社製のIRGACURE184、IRGACURE754、IRGACURE2959等が好適に挙げられる。
チオキサントン系重合開始剤は、波長330nm〜410nmに吸収ピークを有する。こうしたチオキサントン系重合開始剤は、波長330nm〜410nmの幅の広いエネルギー線を吸収し、エネルギー線重合性化合物のラジカル重合反応を誘発するラジカルを効率的に生成することができる。そのため、チオキサントン系重合開始剤をエネルギー線易剥離型粘着剤組成物に含有させることにより、少量のエネルギー線照射量でもエネルギー線重合性化合物を効率的に硬化させることができる。その結果、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物を被着体から非常に容易に剥離できるものになる。また、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物を粘着剤層として、後述する透明基材上に設けた粘着テープにした場合で、例えば、この透明基材にポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた場合、ポリエチレンテレフタレートは波長310nmまでのエネルギー線を吸収してしまうが、波長330nm以上のエネルギー線は透過する。そのため、波長330nm〜410nmに吸収ピークを有するチオキサントン系重合開始剤を用いることにより、ポリエチレンテレフタレートフィルムを透過したエネルギー線を利用してエネルギー線重合性化合物を硬化させることができる。その結果、透明基材にポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた粘着テープであっても、効率的にエネルギー線重合性化合物を硬化させることができる。
チオキサントン系重合開始剤の含有量は、アクリル系ポリマーとエネルギー線重合性化合物との合計100質量部に対して、0.005質量部以上2質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上1.5質量部以下であることがより好ましい。チオキサントン系重合開始剤の含有量をアクリル系ポリマーとエネルギー線重合性化合物との合計100質量部に対して、0.005質量部以上2質量部以下の範囲内にすることにより、より効率的にエネルギー線重合性化合物を硬化させることができる。
(架橋剤)
架橋剤は、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物の耐熱性を向上させ、高温にさらされる状況下で使用しても、粘着力が低下せず、固定や保護に必要な粘着力を保持させるためのものである。こうした架橋剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等が挙げられる。イソシアネート系架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物の3量体、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー、及びそのウレタンプレポリマーの3量体等が挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,5−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4′−ジイソシアネート、及びリジンイソシアネート等が挙げられる。
エポキシ系架橋剤としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、及びポリブタジエンジグリシジルエーテル等の多官能エポキシ系化合物が挙げられる。
架橋剤は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができ、アクリル系ポリマーの種類に応じて、適宜選択できる。例えば、アクリル系ポリマーを構成するモノマーに、共重合可能な水酸基含有モノマーが含まれる場合には、イソシアネート系架橋剤が好ましく、共重合可能なカルボキシル基含有モノマーが含まれる場合には、エポキシ系架橋剤が好ましい。ここで、共重合可能なカルボキシル基含有モノマーとは、その構造中に、共重合可能な重合性基と、カルボキシル基とを有するモノマーをいい、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、及びクロトン酸等が挙げられる。このように架橋剤の種類を適宜選択することにより、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物が高温にさらされた場合でも、粘着力の低下が生じ難いものにすることができる。
なお、イソシアネート系架橋剤の市販品としては、例えば、L−45(綜研化学株式会社製)、TD−75(綜研化学株式会社製)、BXX5627(東洋インキ製造株式会社製)、X−301−422SK(サイデン化学株式会社製)等を好適に用いることができる。また、エポキシ系架橋剤の市販品としては、例えば、E−5XM(綜研化学株式会社製)、E−5C(綜研化学株式会社製)等を好適に用いることができる。
架橋剤の含有量は、架橋剤の種類によっても異なるが、例えば、イソシアネート系架橋剤の場合には、アクリル系ポリマーとエネルギー線重合性化合物との合計100質量部に対して、0.01質量部〜15質量部であることが好ましく、0.01質量部〜10質量部であることがより好ましい。イソシアネート系架橋剤の含有量を、アクリル系ポリマーとエネルギー線重合性化合物との合計100質量部に対して、0.01質量部〜15質量部の範囲内にすることにより、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物の粘着力をより向上させることができる。0.01質量部に満たないと、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物の粘着力が不十分なものになったり、被着体から剥離する際に被着体から剥離する際にエネルギー線易剥離型粘着剤組成物が凝集破壊を起こし、糊残りが生じたりする場合がある。15質量部を超えると、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物中に未反応モノマーとして残留するため、凝集力が低下する場合がある。
また、エポキシ系架橋剤の場合には、アクリル系ポリマーとエネルギー線重合性化合物との合計100質量部に対して、0.01質量部以上15質量部以下であることが好ましく、0.01質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。エポキシ系架橋剤の含有量を、アクリル系ポリマーとエネルギー線重合性化合物との合計100質量部に対して、0.01質量部以上15質量部以下の範囲内にすることにより、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物のエネルギー線照射前における粘着力や凝集力を所望の強度に制御することができる。0.01質量部未満だと、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物が十分な強度を有することが困難となり、被着体から剥離する際にエネルギー線易剥離型粘着剤組成物が凝集破壊を起こし、糊残りが生じることがある。15質量部を超えると、エネルギー線照射前における粘着力が低下するため、電子部品の適切な固定や保護が困難になることがある。
こうした架橋剤をエネルギー線易剥離型粘着剤組成物に含有させることにより、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物の被着体に対する初期の粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を有するものになる。
エネルギー線易剥離型粘着剤組成物には、その他、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、シランカップリング剤、粘着付与剤、金属キレート剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、着色剤、耐電防止剤、防腐剤、消泡剤、ぬれ性調整剤等の各種添加剤を配合することができる。
[粘着テープ]
本発明に係る粘着テープ10は、電子部品の製造工程において、無機ガラス面及びシリコン面のいずれか一方又は両方を有する電子部品を一時的に固定又は保護するために使用され、図1に示すように、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物を含む粘着剤層2と、粘着剤層2が設けられる透明基材1と、を有することに特徴がある。なお、符号3は剥離層を表している。
こうした粘着テープ10によれば、被着体に対する初期の粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を有し、さらに、高温にさらされた後であっても、剥離する際に非常に容易に剥離可能なものになる。
粘着テープ10は、図1に示すように、透明基材1上に、粘着剤層2と剥離層3とがその順で設けられているが、こうした構成に限定されない。また、粘着テープ10の厚さは、特に限定されないが、80μm以上350μm以下であることが好ましく、90μm以上140μm以下であることがより好ましい。粘着テープ10の厚さが80μm以上350μm以下の範囲内であれば、適度な柔軟性を有するので、取り扱いが容易になる。
粘着テープ10の貼付対象は、無機ガラス面及びシリコン面のいずれか一方又は両方を有する電子部品であり、無機ガラス又はシリコンからなる電子部品も含まれる。粘着テープ10によれば、無機ガラス面及びシリコン面に対する初期粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を有し、さらに、被着体から剥離する際には、エネルギー線を照射するという簡単な操作により、糊残りすることなく非常に容易に剥離することができるので、工程中は適切な固定や保護を必要とし、最終的には剥離して除去する高温条件下での使用を伴う電子部品製造工程用テープとして好適である。具体的には、プリント配線基板製造工程において部品を一時的に固定又は保護するために使用する粘着テープとして好適である。部品としては、例えば、ICチップの製造に用いられる電子部品が挙げられる。
粘着テープ10の使用方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、本発明の粘着テープを貼付対象である電子部品の無機ガラス面及びシリコン面のいずれか一方又は両方に貼付する。そして、加熱処理、加工処理、薬品処理等の工程を経て、固定又は保護の必要がなくなった時点で、粘着テープの基材側から紫外線等のエネルギー線を照射して粘着剤層を硬化させることにより、粘着テープを電子部品の無機ガラス面及びシリコン面のいずれか一方又は両方から剥離して除去する。以下、各構成を詳細に説明する。
(透明基材)
透明基材1は、エネルギー線の透過を妨げない透明性と、耐熱性を有するものであれば、特に限定されない。耐熱性とは、具体的には、電子部品の製造工程における想定加熱温度(120℃)での使用に耐え得ることをいい、そのため、透明基材1の融点は120℃よりも高く、180℃よりも高いことが好ましい。また、透明基材1は、必要な強度と柔軟性とを有する基材が好ましい。こうした透明基材1の形成材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂、及びポリウレタン系樹脂等の公知の樹脂を材料とする合成樹脂フィルムが挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
透明基材1は、単層であってもよいし、2層以上の積層体であってもよい。機械的強度の観点から、1軸延伸や2軸延伸した延伸フィルムが好ましい。粘着テープ10は、電子部品の製造工程において、電子部品を一時的に固定又は保護するために使用されることから、上記耐熱性、寸法安定性、エネルギー線透過性、柔軟性、強度等以外に、剛性、伸長性、積層適性、耐薬品性にも優れるポリエステル系樹脂を用いることが好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等が挙げられるが、これらの中でも、取り扱いが容易、且つ低価格なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
透明基材1の厚さは、特に限定されないが、30μm以上300μm以下であることが好ましく、50μm以上100μm以下であることがより好ましい。透明基材1の厚さが30μm以上300μm以下の範囲内であれば、粘着テープ10の形態を保持することができるので、粘着テープ10の貼付や剥離等の作業性が良い。また、反り、弛み、破断等が生じ難く、十分な機械的強度を示すので、連続帯状で供給して加工することも可能である。さらに、電子部品の製造工程において、被着体である電子部品等の表面を適切に保護することができる。なお、透明基材1の厚さが300μmを超えると、過剰性能でコスト高になることがある。
エネルギー線として光線を用いる場合には、透明基材1の410nm以下の光線に対する透過率は80%以上であることが好ましい。光線の透過率は、市販の分光光度計、例えば、株式会社島津製作所製のMPC2200を用いて測定することができる。
透明基材1の形成方法は、特に限定されるものではなく、例えば、溶液流延法、溶融押出法、カレンダー法等の従来公知の形成方法を用いることができる。また、上記した方法によりあらかじめフィルム状に形成された市販の透明基材1を用いてもよい。
透明基材1には、粘着剤との濡れ性を向上させるために、その片面又は両面に、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー処理、蒸着処理、及びアルカリ処理等の公知の易接着処理を施してもよい。
(粘着剤層)
粘着剤層2は、上記したエネルギー線易剥離型粘着剤組成物で形成される。なお、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物については、上記した「エネルギー線易剥離型粘着剤組成物」欄で説明したので、ここではその説明を省略する。
粘着剤層2の厚さは、通常、5μm以上50μm以下であり、好ましくは10μm以上30μm以下である。粘着剤層2の厚さが5μm以上50μm以下の範囲内であれば、粘着物性が安定する。粘着剤層の厚さが5μm未満だと、十分な粘着力が得られないことがあり、50μmを超えると、粘着剤層の内部までエネルギー線が十分に透過せず、エネルギー線の照射により粘着力が低下しないことがある。また、過剰性能でコスト高になることがある。
(剥離層)
剥離層3は、必須の構成ではないが、粘着テープ10の接着剤層2の上に設けられていることが好ましい。剥離層3とは、剥離性を有する剥離部材からなり、粘着剤層2の表面を保護する機能を有する剥離シートを意味する。剥離部材は、必要な強度と柔軟性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、一般には、シリコーン離型処理した合成樹脂フィルムが用いられる。合成樹脂フィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリアリレート、及びポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂が好ましい。剥離層3の厚さは、特に限定されるものではないが、好ましくは25μm以上100μm以下である。
粘着テープ10の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物を、必要に応じて、上記した各種添加剤を添加し、有機溶剤に溶解又は分散させて粘度を調整する。次いで、このエネルギー線易剥離型粘着剤組成物を、透明基材1上にアプリケータ等により全面塗工し、粘着剤層2を形成する。その後、粘着剤層2を乾燥させ、剥離可能な合成樹脂フィルム等をラミネートすることにより、粘着テープ10を製造することができる。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジメチルアセトアミド、及びこれらの混合溶液等を好適に使用することができる。
エネルギー線易剥離型粘着剤組成物を透明基材1上に塗工する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。印刷による形成方法としては、例えば、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法等が挙げられる。コーティングによる方法としては、例えば、ロールコート、リバースコート、コンマコート、ナイフコート、ダイコート、グラビアコート等が挙げられる。
エネルギー線として紫外線を使用する場合には、例えば、150nm〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ等を用いて、積算光量が50mJ/cm以上、好ましくは200mJ/cm以上になるように照射すればよい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
[実施例1]
アクリル系粘着剤(アクリル系ポリマーとエネルギー線重合性化合物と重合開始剤との混合物、商品名:E−306、アクリル系ポリマー:n−ブチルアクリレートとメチルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートとアクリロニトリルとの共重合体,構成モノマーの質量比:(n−ブチルアクリレートとメチルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの合計/アクリロニトリル)=(95/5)、アクリル系ポリマーの質量平均分子量:約65万、エネルギー線重合性化合物:ポリウレタンアクリレートオリゴマーとジペンタエリスリトールトリアクリレートとの混合物、重合開始剤:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)100質量部に対して、ウレタンアクリレート(エネルギー線重合性化合物、固形分100%、商品名:UV−7600B、日本合成化学工業株式会社製)60質量部、2、4−ジエチルチオキサントン(チオキサントン系重合開始剤、商品名:KAYACURE DETX−S、固形分:100%、日本化薬株式会社製)0.2質量部、及びイソシアネート系架橋剤(架橋剤、商品名:コロネートL、固形分:75%、日本ポリウレタン工業株式社製)1.6質量部を配合し、実施例1のエネルギー線易剥離型粘着剤組成物を得た。
得られたエネルギー線易剥離型粘着剤組成物を、トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶媒(質量比1:1、商品名:KT11、DICグラフィックス株式会社製)50質量部で希釈し、十分に分散させて粘度を調整した後、透明基材(二軸延伸ポリエステルフィルム,商品名:ルミラー S56、厚さ:50μm、東レ株式会社製)上に、乾燥後の厚さが10μmとなるようにアプリケータにより全面塗工し、その後、乾燥させ、剥離シート(PETセパレータ、商品名:SP−PET−01、厚さ:38μm、三井化学東セロ株式会社製)をラミネートし、40℃で3日間エイジング処理をすることで実施例1の粘着テープを得た。
[実施例2]
チオキサントン系重合開始剤の種類を、2、4−ジエチルチオキサントンからイソプロプルチオキサントン(チオキサントン系重合開始剤、商品名:SpeedcureITX、固形分100%、LAMBSON社製)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のエネルギー線易剥離型粘着剤組成物と、実施例2の粘着テープを得た。
[実施例3]
チオキサントン系重合開始剤の含有量を0.5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3のエネルギー線易剥離型粘着剤組成物と、実施例3の粘着テープを得た。
[実施例4]
実施例1のウレタンアクリレート(エネルギー線重合性化合物、固形分100%、商品名:UV−7600B、日本合成化学工業株式会社製)を、ウレタンアクリレート(エネルギー線重合性化合物、固形分100%、商品名:U−6HA、新中村化学工業株式会社製)に変更し、チオキサントン系重合開始剤の含有量を0.5質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例4のエネルギー線剥離型粘着組成物と、実施例4の粘着テープを得た。
[比較例1]
チオキサントン系重合開始剤を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のエネルギー線易剥離型粘着剤組成物と、比較例1の粘着テープを得た。
[比較例2]
チオキサントン系重合開始剤の代わりに2−メルカプトチアゾールを配合したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2のエネルギー線易剥離型粘着剤組成物と、比較例2の粘着テープを得た。
[評価と結果]
実施例1,2及び比較例1,2で得られたエネルギー線易剥離型粘着剤組成物について、光線透過率の測定を行った。また、実施例1〜4及び比較例1,2で得られた粘着テープについて、(ア)初期の粘着力の測定、(イ)加熱処理後の粘着力の測定、(ウ)加熱処理後に紫外線照射をした後の粘着力の測定、を行った。
光線透過率の測定は、得られたエネルギー線易剥離型粘着剤組成物をガラス基板に貼り合わせた透過率測定用試料を作成し、この透過率測定用試料を、分光光度計(株式会社島津製作所製、型番:UV−3100PC)を用いて、JIS Z8701に準拠した方法で測定した。透過率測定用試料の作成を以下のように行った。先ず、エネルギー線易剥離型粘着剤組成物を、トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶媒(質量比1:1、商品名:KT11、DICグラフィックス株式会社製)50質量部で希釈し、十分に分散させて粘度を調整した後、剥離シート(PETセパレータ、商品名:SP−PET−03、厚さ:38μm、三井化学東セロ株式会社製)上に乾燥後の厚さが10μmになるようにアプリケータで全面塗工した。次いで、このエネルギー線易剥離型粘着剤組成物を乾燥させ、剥離シート(PETセパレータ、商品名:SP−PET−01、厚さ:38μm,三井化学東セロ株式会社製)をラミネートして40℃で3日間保持した。次いで、一方の剥離シートを剥離し、この剥離面のエネルギー線易剥離型粘着剤組成物をガラス基板に貼り合わせた後、他方の剥離シートを剥離することで透過率測定用試料を得た。
得られた透過スペクトルを図2に示す。なお、図2中、符号a〜dは、それぞれ実施例1,2及び比較例1,2のエネルギー線易剥離型粘着剤組成物の光線透過率の測定結果を示している。また、符号Pは、波長391nmの吸収ピークを示している。
粘着力の測定は、得られた粘着テープをポリイミドシートに貼り合わせた後、この粘着テープを、万能材料試験機(5565型、インストロン・ジャパン社製)を用いて剥離することにより測定した。剥離は、JIS Z0237に準拠し、剥離速度:300mm/分、剥離距離:50mm、剥離角:180°で行った。
加熱処理は、120℃で15分間保持することにより行った。
紫外線照射は、ピーク波長365nmの紫外線を、積算光量が130mJ/cmとなるように照射することにより行った。
粘着力の測定の結果を表1に示す。
Figure 2013237732
実施例1,2のエネルギー線易剥離型粘着剤組成物は、図2に示すように、波長391nmに吸収ピークを有していたので、波長330nm以上410nm以下の範囲内の吸収ピークを有するものであった。また、表1に示すように、実施例1〜4の粘着テープは、良好な初期粘着力を示し、加熱処理した場合であっても高い粘着力を保持し、加熱処理をした後であっても、被着体から剥離する際には、非常に容易に剥離可能な粘着力を示した。
1 透明基材
2 粘着剤層
3 剥離層
10 粘着テープ

Claims (5)

  1. アクリロニトリルをモノマー成分とする共重合体を含むアクリル系ポリマーと、エネルギー線重合性化合物と、チオキサントン系重合開始剤と、架橋剤とを含有し、波長330nm以上410nm以下の範囲に吸収ピークを有することを特徴とするエネルギー線易剥離型粘着剤組成物。
  2. 前記チオキサントン系重合開始剤の含有量が、前記アクリル系ポリマーと前記エネルギー線重合性化合物との合計100質量部に対して、0.005質量部以上2質量部以下である、請求項1に記載のエネルギー線易剥離型粘着剤組成物。
  3. 前記チオキサントン系重合開始剤が、2,4−ジエチルチオキサントン又は2−イソプロピルチオキサントンである、請求項1又は2に記載のエネルギー線易剥離型粘着剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエネルギー線易剥離型粘着剤組成物で形成される粘着剤層と、該粘着剤層が設けられる透明基材と、を有することを特徴とする粘着テープ。
  5. 前記透明基材が、ポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項4に記載の粘着テープ。
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