JP5565173B2 - 耐熱仮着用粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品の製造工程において、ポリイミド樹脂面を有する部品を一時的に固定又は保護するために使用される耐熱仮着用粘着テープに関する。
一般に、電子部品の製造工程では、ダイシングテープやバックグラインドテープ等の粘着テープが使用されている。これらの粘着テープは、部品の固定や保護を目的として使用されているため、製造の各工程では環境条件に耐え得る強い接着力を有し、固定や保護の必要がなくなり、剥離除去する際には容易に剥離できることが望ましい。
かかる特性を有する粘着テープとして、特許文献1には、基材フィルムの片表面に、放射線硬化型粘着剤層と、貯蔵弾性率が特定の範囲にある粘着剤層とを設けたものが開示されている。また、特許文献2には、水親和性アクリル系粘着剤と、活性エネルギー線硬化性化合物と、光重合開始剤と、架橋剤とからなる再剥離型粘着剤組成物が開示されている。これらは、エネルギー線等を照射する前は強い粘着力を示し、被着体を適切に固定・保護するが、エネルギー線等を照射すると粘着力が著しく低下し、被着体から容易に剥離可能となるというものである。
特開2002−53819号公報 特開2000−345131号公報
ところで、近年、電子部品の製造工程では、粘着テープを貼付した状態の部品が高温にさらされることも少なくない。そのため、電子部品の製造工程に使用する粘着テープには、高温条件に耐え得る耐熱性も求められる。しかしながら、部品を一時的に固定又は保護するために使用する粘着テープは、高温にさらされると粘着力が低下し、工程中に剥がれる、或いは、工程終了後、被着体に強固に粘着し、糊残りが生じるという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、電子部品、特に、ポリイミド樹脂面を有する部品を一時的に固定又は保護するために使用される粘着テープであって、ポリイミド樹脂面に対する初期粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を有し、更に、剥離除去する際には糊残りすることなく容易に剥離可能な耐熱仮着用粘着テープの提供を目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねたところ、粘着テープを構成する粘着剤層の形成用材料として、アクリル系ポリマーと、エネルギー線重合性オリゴマーと、高温条件で安定な重合開始剤と、架橋剤とを選択し、更に上記アクリル系ポリマーを構成する水酸基含有モノマーとカルボキシル基含有モノマーとの質量比を調節することで、ポリイミド樹脂面に貼付した状態で高温にさらした場合であっても、粘着力が低下し難く、また、剥離除去の際には糊残りを生じない粘着テープが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 電子部品の製造工程において、ポリイミド樹脂面を有する部品を一時的に固定又は保護するために使用される耐熱仮着用粘着テープであって、耐熱性基材上に、アクリル系ポリマーと、エネルギー線重合性オリゴマーと、重合開始剤と、架橋剤とを含有する粘着剤層形成用材料からなる粘着剤層が形成されており、上記アクリル系ポリマーは、アクリル酸エステルを主成分とし、上記アクリル酸エステルと、共重合可能な水酸基含有モノマーとの共重合により得られるか、又はアクリル酸エステルを主成分とし、上記アクリル酸エステルと、共重合可能な水酸基及びカルボキシル基含有モノマーとの共重合により得られ、上記水酸基含有モノマーと上記カルボキシル基含有モノマーとの質量比が51:49〜100:0であり、上記重合開始剤は、昇温速度10℃/minで30℃から190℃まで昇温させ、190℃にて30分間維持した際の熱重量測定による重量減少率が50%以下であることを特徴とする耐熱仮着用粘着テープ。
(2) 表面自由エネルギーが30〜50mJ/mであり、且つ、算術平均粗さRaが0.4〜0.6μmであるポリイミド樹脂面に対する上記粘着剤層の180°引き剥がし粘着力(JIS Z0237準拠)が、上記ポリイミド樹脂面に貼付して20分経過後では、0.8〜15N/25mmであり、150℃にて90分間加熱した後では、0.8〜20N/25mmであり、且つ上記加熱後のエネルギー線照射による硬化後では、0.4N/25mm以下である(1)に記載の耐熱仮着用粘着テープ。
(3) 上記耐熱性基材の加熱収縮率(JIS C2151準拠)が、MD方向では1.0%以下であり、且つTD方向では1.0%以下である(1)又は(2)に記載の耐熱仮着用粘着テープ。
(4) (1)〜(3)いずれかに記載の耐熱仮着用粘着テープが貼付されてなる被仮着体。
本発明の耐熱仮着用粘着テープによれば、ポリイミド樹脂面に対する初期粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を維持し、更に、剥離除去する際には糊残りすることなく容易に剥離させることができる。
本発明の一実施形態に係る粘着テープを模式的に示した断面図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本発明の耐熱仮着用粘着テープ(以下、粘着テープという。)は、電子部品の製造工程において、ポリイミド樹脂面を有する部品を一時的に固定又は保護するために使用される耐熱仮着用粘着テープであって、耐熱性基材上に、アクリル系ポリマーと、エネルギー線重合性オリゴマーと、重合開始剤と、架橋剤とを含有する粘着剤層形成用材料からなる粘着剤層が形成されており、上記アクリル系ポリマーは、アクリル酸エステルを主成分とし、上記アクリル酸エステルと、共重合可能な水酸基含有モノマーとの共重合により得られるか、又はアクリル酸エステルを主成分とし、上記アクリル酸エステルと、共重合可能な水酸基及びカルボキシル基含有モノマーとの共重合により得られ、上記水酸基含有モノマーと上記カルボキシル基含有モノマーとの質量比が51:49〜100:0であり、上記重合開始剤は、昇温速度10℃/minで30℃から190℃まで昇温させ、190℃にて30分間維持した際の熱重量測定による重量減少率が50%以下であることを特徴とする。電子部品の製造工程において、部品を一時的に固定又は保護するために使用される従来の粘着テープは、高温にさらされると粘着力が低下し、工程中に剥がれる、或いは、工程終了後、被着体に強固に粘着し、糊残りが生じていた。本発明は、このような問題に鑑み、粘着テープを構成する粘着剤層の形成用材料として、アクリル系ポリマーと、エネルギー線重合性オリゴマーと、高温条件で安定な重合開始剤と、架橋剤とを選択し、更に上記アクリル系ポリマーを構成する水酸基含有モノマーとカルボキシル基含有モノマーとの質量比を調節することで、ポリイミド樹脂面を有する部品の固定や保護に好適な粘着テープ、すなわち、ポリイミド樹脂面に対する初期粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を有し、更に、剥離除去する際には糊残りすることなく容易に剥離可能な粘着テープが得られることを初めて見出してなされたものである。
まず、本発明の粘着テープの構成について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る粘着テープ10を模式的に示した断面図である。図1において、粘着テープ10は、基材1上に粘着剤層2と剥離層3とが順次形成されているが、これに限定されるものではない。以下、基材1、粘着剤層2、剥離層3、粘着テープ10の順に説明する。
[基材]
本発明の粘着テープでは、耐熱性を有する基材を用いる。本発明において、耐熱性を有する基材とは、電子部品の製造工程における想定加熱温度(120℃)での使用に耐え得る、融点が120℃より高い基材をいう。なお、好ましくは融点が180℃より高い基材である。また、本発明の粘着テープでは、基材は、加熱収縮率(JIS C2151準拠,150℃×30min)がMD及びTDともに1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。更に、基材は、エネルギー線の透過を妨げず、必要な強度と柔軟性とを有する基材が好ましく、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の公知の樹脂を材料とする合成樹脂フィルムが挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、単層であってもよいし、2層以上の積層体であってもよい。なお、機械的強度の観点から、1軸延伸や2軸延伸した延伸フィルムが好ましい。本発明の粘着テープは、電子部品の製造工程において、電子部品を一時的に固定及び/又は保護するために使用されることから、上記耐熱性、寸法安定性、エネルギー線透過性、柔軟性、強度等以外に、剛性、伸長性、積層適性、耐薬品性にも優れるポリエステル系樹脂を用いることが好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等が挙げられるが、これらの中でも、取り扱い易く、低価格であるという観点から、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
基材の厚みは、特に限定されるものではないが、30〜300μmであることが好ましく、50〜100μmであることがより好ましい。上記範囲であれば、粘着テープの形態を維持することができるので、粘着テープの貼付や剥離等の作業性が良好となる。また、反り、弛み、破断等が生じ難く、十分な機械的強度を示すので、連続帯状で供給して加工することも可能である。更に、電子部品の製造工程において、被着体である電子部品等の表面を良好に保護することができる。なお、上記の厚さを超えると、過剰性能でコスト高になる場合がある。
なお、エネルギー線が光線の場合には、基材の400nm以下の光線透過率は80%以上であることが好ましい。光線透過率は、市販の分光光度計、例えば、島津製作所社製のMPC2200を用いて測定することができる。
基材の形成方法は、特に限定されるものではなく、例えば、溶液流延法、溶融押出法、カレンダー法等の従来公知の製膜方法を用いることができる。また、上記方法によりあらかじめフィルム状に製膜された市販の基材を用いてもよい。
なお、基材には、粘着剤との濡れ性を向上させるために、その片面又は両面に、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー処理、蒸着処理、アルカリ処理等の公知の易接着処理を施してもよい。
[粘着剤層]
本発明の粘着テープでは、粘着剤層は、上記耐熱性基材上に形成されている。そして、粘着剤層は、アクリル系ポリマーと、エネルギー線重合性オリゴマーと、重合開始剤と、架橋剤とを含有する粘着剤層形成用材料からなり、上記アクリル系ポリマーは、アクリル酸エステルを主成分とし、上記アクリル酸エステルと、共重合可能な水酸基含有モノマーとの共重合により得られるか、又はアクリル酸エステルを主成分とし、上記アクリル酸エステルと、共重合可能な水酸基及びカルボキシル基含有モノマーとの共重合により得られ、上記水酸基含有モノマーと上記カルボキシル基含有モノマーとの質量比が51:49〜100:0であり、上記重合開始剤は、昇温速度10℃/minで30℃から190℃まで昇温させ、190℃にて30分間維持した際の熱重量測定による重量減少率が50%以下である。
(アクリル系ポリマー)
本発明の粘着テープでは、粘着剤層は、透明性、耐熱性、耐湿熱性、耐久性、塗工適性等に優れ、低コストであるアクリル系ポリマーを主剤として含有する粘着剤層形成用材料からなる。アクリル系ポリマーは、特に限定されず、例えば、アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させたアクリル酸エステル共重合体が挙げられる。アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、アクリル酸グリシジル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明では、上記アクリル酸エステルの中でも、特に、アクリル酸n−ブチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルが、透明性、耐熱性、耐湿熱性、耐久性、塗工適性等に優れ、また、低コストである点において好ましい。
他の単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリル酸ヒドロキシルエチル、メタクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−tert−ブチルアミノエチル、メタクリル酸−n−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明では、上記他の単量体の中でも、メタクリル酸−n−エチルヘキシルが好ましい。
本発明の粘着テープでは、上記アクリル系ポリマーは、アクリル酸エステルを主成分とし、上記アクリル酸エステルと、共重合可能な水酸基含有モノマーとの共重合により得られるか、又はアクリル酸エステルを主成分とし、上記アクリル酸エステルと、共重合可能な水酸基及びカルボキシル基含有モノマーとの共重合により得られ、上記水酸基含有モノマーと上記カルボキシル基含有モノマーとの質量比が51:49〜100:0であることを特徴とし、75:25〜100:0であることが好ましい。上記範囲内であれば、糊残りの発生を防ぐことができ、また、エネルギー線照射による効果的な粘着力の低下が期待できる。なお、本発明において主成分とは、共重合割合が51質量%以上であることを意味し、好ましくは65質量%以上である。
共重合可能な水酸基含有モノマーは、その構造中に、共重合可能な重合性基と、水酸基とを有していれば、特に限定されず、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。
共重合可能なカルボキシル基含有モノマーは、その構造中に、共重合可能な重合性基と、カルボキシル基とを有していれば、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等が挙げられる。
本発明の粘着テープでは、上記アクリル系ポリマーの質量平均分子量(Mw)は、10万〜110万の範囲内であることが好ましく、20万〜90万の範囲内であることがより好ましい。上記範囲であれば、ポリイミド樹脂面に対して十分な初期粘着力及び十分な強度を有する。なお、質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した際の、ポリスチレン換算の値である。
(エネルギー線重合性オリゴマー)
本発明の粘着テープでは、粘着剤層形成用材料として、エネルギー線重合性オリゴマーを含有する。エネルギー線重合性オリゴマーは、エネルギー線の照射により重合し得るものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、光ラジカル重合性、光カチオン重合性、光アニオン重合性等のオリゴマーが挙げられる。これらの中でも、光ラジカル重合性オリゴマーが好ましい。硬化速度が速く、また、多種多様な化合物から選択することができ、更には、硬化前の粘着性や硬化後の剥離性等の物性を容易に所望のものに制御することができるからである。光ラジカル重合性のオリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、シリコーン系(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エネルギー線重合性オリゴマーの質量平均分子量(Mw)は、特に限定されるものではないが、250〜5000であることが好ましく、250〜1500であることがより好ましい。上記範囲内であれば、エネルギー線照射前には所望の粘着力を示し、また、エネルギー線照射後には糊残りすることなく、容易に剥離することができる。なお、質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した際の、ポリスチレン換算の値である。
粘着剤層形成用材料におけるエネルギー線重合性オリゴマーの含有量は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、10〜60質量部であることが好ましく、20〜50質量部であることがより好ましい。エネルギー線重合性オリゴマーの量を調整することにより、エネルギー線照射後の粘着力の制御が可能となる。上記範囲内であれば、エネルギー線照射後の架橋密度が十分なものとなるので、適正な剥離性を実現することができる。また、凝集力の低下による被着体への糊残りが生じ難い。
なお、粘着剤層形成用材料中には、上記エネルギー線重合性オリゴマー以外に、エネルギー線の照射により重合し得るエネルギー線重合性モノマーを含有してもよい。光ラジカル重合性のモノマーとしては、多官能性アクリレートや多官能性メタクリレートが好ましく、例えば、一分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上有するトリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、それらのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等が好ましい。これらは、エネルギー線を照射した際に、粘着剤層形成用材料を3次元架橋により硬化させて粘着力を低下させるとともに、粘着剤の凝集力を高めて被接着面に転着させないようにする機能を有するからである。
粘着剤層形成用材料中に、上記エネルギー線重合性オリゴマーと上記エネルギー線重合性モノマーとを含有する場合には、その合計含有量は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、10〜60質量部であることが好ましく、20〜50質量部であることがより好ましい。これらの合計含有量を調整することにより、エネルギー線照射後の粘着力の制御が可能となる。上記範囲内であれば、エネルギー線照射後の架橋密度が十分なものとなるので、適正な剥離性を実現することができる。また、凝集力の低下による被着体への糊残りが生じ難い。
エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波のほか、電子線、プロトン線、中性子線等が挙げられる。硬化速度、照射装置の入手容易さ、価格等の観点において、紫外線照射による硬化が好ましい。
(重合開始剤)
本発明の粘着テープでは、粘着剤層形成用材料として重合開始剤を含有する。重合開始剤によれば、上記エネルギー線重合性オリゴマーの感応性を増進させるので、エネルギー線による重合硬化時間やエネルギー線照射量を低減することができる。そして、本発明の粘着テープでは、重合開始剤は、昇温速度10℃/minで30℃から190℃まで昇温させ、190℃にて30分間維持した際の熱重量測定による重量減少率が50%以下であることを特徴とし、好ましくは重量減少率が20%以下である。このような重合開始剤を含有する粘着剤層形成用材料からなる粘着剤層を有する粘着テープによれば、貼付された状態で被着体が高温にさらされても、粘着力が低下し難い。なお、上記重量減少率は、市販の熱重量測定装置、例えば、島津製作所社製のDTG−60Aを用いて重量を測定することにより求めることができる。具体的には、上記重合開始剤を分析(雰囲気ガス:窒素,ガス流量:50ml/min,温度範囲:30〜190℃,昇温条件:10℃/min)し、30℃における上記重合開始剤の重量(W1)と、190℃に到達してから30分経過後における上記重合開始剤の重量(W2)とを測定し、下記式にあてはめて算出することができる。
重量減少率(%)=[(W1(g)−W2(g))/W1(g)]×100
なお、上記重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE754(BASF ジャパン社製),IRGACURE2959(BASF ジャパン社製)等が挙げられる。
粘着剤層形成用材料における重合開始剤の含有量は、上記アクリル系ポリマー及び上記エネルギー線重合性オリゴマーの合計100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.5〜3質量部であることがより好ましい。上記範囲内であれば、上記エネルギー線重合性オリゴマーが十分に硬化する。0.01質量部に満たないと、重合開始反応が十分ではなく、エネルギー線照射後の粘着力が過剰に高くなり、適正な剥離性を実現することができない場合がある。10質量部を超えると、エネルギー線照射面の近傍にしかエネルギー線が届かず、硬化が不十分となる場合がある。また、凝集力が低下し、被着体への糊残りの原因となる場合もある。なお、粘着剤層形成用材料に、上記エネルギー線重合性オリゴマーと上記エネルギー線重合性モノマーとを含有する場合には、上記アクリル系ポリマー、上記エネルギー線重合性オリゴマー、及び上記エネルギー線重合性モノマーの合計100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.5〜3質量部であることがより好ましい。
(架橋剤)
本発明の粘着テープでは、粘着剤層形成用材料として架橋剤を含有する。架橋剤は、特に限定されるものではなく、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等が挙げられる。イソシアネート系架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物の3量体、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー、該ウレタンプレポリマーの3量体等が挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,5−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4′−ジイソシアネート、リジンイソシアネート等が挙げられる。
また、エポキシ系架橋剤としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル等の多官能エポキシ系化合物が挙げられる。
上記架橋剤は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができ、上記アクリル系ポリマーの種類等に応じて、適宜選択するとよい。
なお、上記イソシアネート系架橋剤の市販品としては、例えば、L45(綜研化学株式会社製)、TD75(綜研化学株式会社製)、BXX5627(東洋インキ製造株式会社製)、X−301−422SK(サイデン化学株式会社製)等を好適に用いることができる。また、上記エポキシ系架橋剤の市販品としては、例えば、E−5XM(綜研化学株式会社製)、E−5C(綜研化学株式会社製)等を好適に用いることができる。
粘着剤層形成用材料における架橋剤の含有量は、架橋剤の種類によっても異なるが、例えば、イソシアネート系架橋剤の場合には、上記アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.01〜15質量部であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましい。上記範囲であれば、粘着剤層と基材との密着性を向上させることができる。0.01質量部に満たないと、粘着剤層と基材との密着性が不十分なものとなったり、粘着剤層が十分な強度を有することが困難となり、被着体から剥離する際に粘着剤層が凝集破壊を起こし、糊残りが生じたりする場合がある。15質量部を超えると、粘着剤層中に未反応モノマーとして残留するため、凝集力が低下する場合がある。
また、エポキシ系架橋剤の場合には、上記アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.01〜15質量部であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましい。上記範囲であれば、エネルギー線照射前における粘着力や凝集力を所望の強度に制御することができる。0.01質量部に満たないと、粘着剤層が十分な強度を有することが困難となり、被着体から剥離する際に粘着剤層が凝集破壊を起こし、糊残りが生じる場合がある。15質量部を超えると、エネルギー線照射前における粘着力が低下するため、粘着剤層と非着体との間に薬液が浸透したり、エアーが入ったりする場合がある。また、裁断の際に、被着体を十分に保持することができず、不良品を発生させる可能性がある。
本発明の粘着剤組成物には、その他、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、シランカップリング剤、粘着付与剤、金属キレート剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、着色剤、耐電防止剤、防腐剤、消泡剤、ぬれ性調整剤等の各種添加剤を配合することができる。
粘着剤層の厚みは、通常、5〜50μmであり、好ましくは10〜30μmである。上記範囲内であれば、粘着物性が安定する。なお、厚みが5μm未満であると、十分な粘着力が得られない場合があり、50μmを超えると、粘着剤層の内部までエネルギー線が十分に透過せず、エネルギー線の照射により粘着力が低下しない場合がある。また、過剰性能でコスト高になる場合がある。
厚さ50μmの耐熱性基材上に、上記粘着剤層形成用材料からなる厚さ10μmの粘着剤層を形成した場合において、表面自由エネルギーが30〜50mJ/mであり、且つ、算術平均粗さRaが0.4〜0.6μmであるポリイミド樹脂面に対する上記粘着剤層の180°引き剥がし粘着力(JIS Z0237準拠)が、上記ポリイミド樹脂面に貼付して20分経過後では、0.8〜15N/25mmであり、150℃にて90分間加熱した後では、0.8〜20N/25mmであり、且つ上記加熱後のエネルギー線照射による硬化後では、0.4N/25mm以下であることが好ましく、上記ポリイミド樹脂面に貼付して20分経過後では、0.8〜10N/25mmであり、150℃にて90分間加熱した後では、0.8〜15N/25mmであり、且つ上記加熱後のエネルギー線照射による硬化後では、0.4N/25mm以下であることがより好ましい。
上記範囲内であれば、ポリイミド樹脂面に対する初期粘着力としては十分に高く、また、電子部品の製造工程中の高温条件下においても被着体から剥離することがなく、更に、剥離除去する際には糊残りすることなく容易に剥離させることができる。なお、測定装置には、万能材料試験機(5565型,インストロン・ジャパン社製)を使用することができる。
なお、ポリイミド樹脂面の表面自由エネルギーは、まず、エチレングリコール、水、及びヨウ化メチレンの接触角を、接触角計を使用し、JIS K2396に準拠した方法により測定する。そして、得られた値とKitazaki−Hataの理論とから表面自由エネルギーを算出する。上記接触角計としては、例えば、協和界面科学社製のFACE接触角計CA−D型を好適に使用することができる。
また、ポリイミド樹脂面の算術平均粗さ(Ra)は、原子間力顕微鏡を使用し、JIS B0601−2001に準拠した方法により測定する。上記原子間力顕微鏡としては、例えば、セイコーインスツルメンツ社製のNanopics−1000を好適に使用することができる。
エネルギー線として紫外線を使用する場合には、例えば、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ等を用いて、積算光量が50mJ/cm以上、好ましくは200mJ/cm以上になるように照射すればよい。
[剥離層]
本発明の粘着テープでは、剥離層を有していることが好ましい。剥離層とは、剥離性を有する剥離部材からなり、粘着剤層の表面を保護する機能を有する剥離シートを意味する。剥離部材は、必要な強度と柔軟性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、一般には、シリコーン離型処理した合成樹脂フィルムが用いられる。合成樹脂フィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂が好ましい。剥離層の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは25〜100μmである。
本発明の粘着テープの製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、上記アクリル系ポリマーと、上記エネルギー線重合性オリゴマーと、上記重合開始剤と、上記架橋剤と、必要に応じて、上記各種添加剤とを有機溶剤に溶解又は分散させることにより、粘着剤層形成用塗工液を得る。次いで、該塗工液を、上記耐熱性基材上にアプリケータ等により全面塗工し、粘着剤層を形成する。その後、該粘着剤層を乾燥させ、剥離可能な合成樹脂フィルム等をラミネートすることにより、本発明の粘着テープを形成することができる。有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジメチルアセトアミド、これらの混合溶液等を好適に使用することができる。
上記塗工液を、上記耐熱性基材上に塗工する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。印刷による形成方法としては、例えば、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法等が挙げられる。コーティングによる方法としては、例えば、ロールコート、リバースコート、コンマコート、ナイフコート、ダイコート、グラビアコート等が挙げられる。
本発明の粘着テープの厚みは、特に限定されないが、80〜350μmであることが好ましく、90〜140μmであることがより好ましい。上記範囲であれば、適度な柔軟性を有するので、取り扱いが容易となる。
本発明の粘着テープの貼付対象は、ポリイミド樹脂面を有する半導体、基板等の電子部品であり、ポリイミド樹脂からなる電子部品も含まれる。本発明の粘着テープによれば、ポリイミド樹脂面に対する初期粘着力が高く、また、高温にさらされた場合であっても粘着力が低下し難く、固定や保護に必要な粘着力を有し、更に、剥離除去する際には、エネルギー線を照射するという簡単な操作により、糊残りすることなく容易に剥離することができるので、工程中は適切な固定や保護を必要とし、最終的には剥離除去する高温条件下での使用を伴う工程用テープとして好適である。具体的には、プリント配線基板製造工程において部品を一時的に固定又は表面保護するために使用する粘着テープとして好適である。本発明の粘着テープの使用方法としては、例えば、本発明の粘着テープを貼付対象である電子部品のポリイミド樹脂面に貼付する。そして、加熱処理、加工処理、薬品処理等の工程を経て、固定又は保護の必要がなくなった時点で、粘着テープの基材側から紫外線等のエネルギー線を照射して硬化させることにより、粘着テープを電子部品のポリイミド樹脂面から剥離除去する。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
<実施例1>
紫外線硬化型アクリル系粘着剤(商品名:N−4498,アクリル系ポリマー+エネルギー線重合性オリゴマー,アクリル系ポリマーの質量平均分子量:約40万,エネルギー線重合性オリゴマー:ポリウレタンアクリレートオリゴマー,アクリル系ポリマーにおける水酸基含有モノマーとカルボキシル基含有モノマーとの質量比:30/1,固形分:40%,日本合成化学社製)100質量部に対して、重合開始剤(商品名:IRGACURE754,光ラジカル発生剤,固形分:100%,BASF ジャパン社製)を1.4質量部、及び架橋剤(商品名:コロネートL,イソシアネート系架橋剤,固形分:75%,日本ポリウレタン社製)を1.5質量部配合し、トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶媒(商品名:KT11,質量比1:1,DICグラフィックス株式会社製)180質量部で希釈し、十分に分散させて、粘着剤層形成用塗工液を調製した。
なお、熱重量測定装置(製品名:DTG−60A,島津製作所社製)を使用し、上記重合開始剤を分析(雰囲気ガス:窒素,ガス流量:50ml/min,温度範囲:30〜190℃,昇温条件:10℃/min,測定試料量:32.5mg)し、30℃における上記重合開始剤の重量(W1)と、190℃に到達してから30分経過後における上記重合開始剤の重量(W2)と、から下記式により重量減少率を求めたところ、その値は12%であった。
重量減少率(%)=[(W1(g)−W2(g))/W1(g)]×100
次いで、基材(二軸延伸ポリエステルフィルム,商品名:ルミラー S56,加熱収縮率(JIS C2151準拠,150℃×30min):MDが0.5%、TDが0.3%,膜厚:50μm,東レ社製)上に、乾燥後の膜厚が10μmとなるように、上記粘着剤層形成用塗工液をアプリケータにより全面塗工し、粘着剤層を形成した。その後、乾燥させ、剥離シート(PETセパレータ,商品名:SP−PET−01,膜厚:38μm,東セロ社製)をラミネートし、実施例1の粘着テープを得た。
<実施例2>
紫外線硬化型アクリル系粘着剤(商品名:N−7257,アクリル系ポリマー+エネルギー線重合性オリゴマー,アクリル系ポリマーの質量平均分子量:約40万,エネルギー線重合性オリゴマー:ポリウレタンアクリレートオリゴマー,アクリル系ポリマーにおける水酸基含有モノマーとカルボキシル基含有モノマーとの質量比:3/1,固形分:41%,日本合成化学社製)100質量部に対して、重合開始剤(商品名:IRGACURE754,光ラジカル発生剤,固形分:100%,BASF ジャパン社製)を1.4質量部、及び架橋剤(商品名:コロネートL,イソシアネート系架橋剤,固形分:75%,日本ポリウレタン社製)を2質量部配合し、トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶媒(商品名:KT11,質量比1:1,DICグラフィックス株式会社製)186質量部で希釈し、十分に分散させて、粘着剤層形成用塗工液を調製した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2の粘着テープを得た。
<比較例1>
アクリル系粘着剤(商品名:SKダイン SW−2B,アクリル系ポリマー,アクリル系ポリマーの質量平均分子量:約20万,アクリル系ポリマーにおける水酸基含有モノマーとカルボキシル基含有モノマーとの質量比:1/10,固形分:45%)100質量部に対して、エネルギー線重合性オリゴマー(商品名:UV7600B,ポリウレタンアクリレートオリゴマー,固形分:100%,日本合成化学社製)を12質量部、重合開始剤(商品名:IRGACURE184,光ラジカル発生剤,固形分:100%,BASF ジャパン社製)を1.3質量部、及び架橋剤(商品名:E−5XM,エポキシ系架橋剤,固形分:5%,綜研化学社製)を7質量部、及び架橋剤(商品名:L−45,イソシアネート系架橋剤,固形分45%,日本ポリウレタン社製)を2.7質量部配合し、トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶媒(商品名:KT11,質量比1:1,DICグラフィックス社製)100質量部で希釈し、十分に分散させて、粘着剤層形成用塗工液を調製した以外は、実施例1と同様の方法により、比較例1の粘着テープを得た。なお、実施例1と同様の方法により、上記重合開始剤の重量減少率(測定試料量:14.2mg)を求めたところ、100%であった。
<比較例2>
アクリル系粘着剤(商品名:SKダイン SW−2B,アクリル系ポリマー,アクリル系ポリマーの質量平均分子量:約20万,アクリル系ポリマーにおける水酸基含有モノマーとカルボキシル基含有モノマーとの質量比:1/10,固形分:45%)100質量部に対して、エネルギー線重合性オリゴマー(商品名:UV7600B,ポリウレタンアクリレートオリゴマー,固形分:100%,日本合成化学社製)を12質量部、重合開始剤(商品名:IRGACURE184,光ラジカル発生剤,固形分:100%,BASF ジャパン社製)を1.3質量部、架橋剤(商品名:E−5XM,エポキシ系架橋剤,固形分:5%,綜研化学社製)を7質量部、及び架橋剤(商品名:L−45,イソシアネート系架橋剤,固形分45%,日本ポリウレタン社製)を7質量部配合し、トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶媒(商品名:KT11,質量比1:1,DICグラフィックス社製)100質量部で希釈し、十分に分散させて、粘着剤層形成用塗工液を調製した以外は、実施例1と同様の方法により、比較例2の粘着テープを得た。
上記実施例1、2及び比較例1,2で得られた粘着テープについて、粘着力評価及び糊残りの有無の確認を行った。
[粘着力評価]
上記実施例1、2及び比較例1,2で得られた粘着テープを幅25mm×長さ100mmに切断し、試験片を作成した。粘着力評価には、ポリイミドフィルム(商品名:カプトン 200H,膜厚:50μm,東レ・デュポン社製)を使用した。まず、該ポリイミドフィルムの表面自由エネルギー及び算術平均粗さ(Ra)を測定した。
ポリイミドフィルムの表面自由エネルギーは、エチレングリコール、水、及びヨウ化メチレンの接触角を、接触角計(製品名:FACE接触角計CA−D型,協和界面科学社製)により測定(JIS K2396準拠)し、その測定値とKitazaki−Hataの理論とから算出した。その結果、ポリイミドフィルムの表面自由エネルギーは、47.4mJ/mであった。
また、ポリイミドフィルムの算術平均粗さ(Ra)は、JIS B0601−2001に準拠した方法により測定した。具体的には、下記の条件にて測定した。その結果、ポリイミドフィルムの算術平均粗さ(Ra)は、0.53であった。
<測定条件>
使用装置:原子間力顕微鏡(製品名:NanoScope V MultiMode,探針:MPP−11100−10,Veeco社製)
使用スキャナ:J−scanner
測定モード:TM−AFM
走査範囲:1.0×1.0μm
解像度:1024×1024
Scan rate:0.5Hz
(初期粘着力測定)
上記試験片の剥離シートを剥がし、上記ポリイミドフィルムに対して2kgのローラーを用いてラミネートし、常温常湿下にて20分間放置した。その後、万能材料試験機(5565型,インストロン・ジャパン社製)を用いて、初期粘着力を測定(JIS Z0237準拠,剥離速度:300mm/min,剥離距離:50mm,剥離角:180°)した。結果を表1に示す。
なお、初期粘着力の評価基準は次の通りである。○:0.8〜15N/25mmの範囲内、×:0.8N/25mm未満、又は、15N/25mm超。
(加熱処理後の粘着力測定)
上記試験片の剥離シートを剥がし、上記ポリイミドフィルムに対して2kgのローラーを用いてラミネートし、常温常湿下にて20分間放置した。次いで、150℃にて90分間加熱した後、万能材料試験機(5565型,インストロン・ジャパン社製)を用いて、加熱処理後の粘着力を測定(JIS Z0237準拠,剥離速度:300mm/min,剥離距離:50mm,剥離角:180°)した。結果を表1に示す。
なお、加熱処理後の粘着力の評価基準は次の通りである。○:0.8〜20N/25mmの範囲内、×:0.8N/25mm未満、又は、20N/25mm超。
(紫外線照射後の粘着力測定)
上記試験片の剥離シートを剥がし、上記ポリイミドフィルムに対して2kgのローラーを用いてラミネートし、常温常湿下にて20分間放置した後、150℃にて90分間加熱した。次いで、基材側からフュージョン社製のH・バルブランプを光源とする紫外線を照射(積算光量:200mJ/cm)した後、万能材料試験機(5565型,インストロン・ジャパン社製)を用いて、紫外線照射後の粘着力を測定(JIS Z0237準拠,剥離速度:300mm/min,剥離距離:50mm,剥離角:180°)した。結果を表1に示す。
なお、紫外線照射後の粘着力の評価基準は次の通りである。○:0.4N/25mm以下、×:0.4N/25mm超。
[糊残りの有無の確認]
上記実施例1、2及び比較例1,2で得られた粘着テープを幅25mm×長さ100mmに切断し、試験片を作成した。
上記試験片の剥離シートを剥がし、上記ポリイミドフィルムに対して2kgのローラーを用いてラミネートし、常温常湿下にて20分間放置した後、150℃にて90分間加熱した。次いで、基材側からフュージョン社製のH・バルブランプを光源とする紫外線を照射(積算光量:200mJ/cm)した後、試験片を剥がし(剥離速度:300mm/min,剥離距離:50mm,剥離角:180°)、上記ポリイミドフィルム面上の糊残り(幅1mm以上)を光学顕微鏡(VHX−600、キーエンス社製、倍率200)にて確認した。結果を表1に示す。
Figure 0005565173
実施例1,2の粘着テープは、良好な初期粘着力を示し、加熱処理した場合であっても粘着力が低下せず、剥離除去の際には、容易に剥離可能な粘着力を示した。また、剥離した後の糊残りも発生しなかった。これらの結果から、実施例1,2の粘着テープは、エッチング処理されたポリイミド樹脂面を有する被着体を固定又は保護するテープとしては好ましい物性を有することが確認された。
これに対して、比較例1,2の粘着テープは、初期粘着力が低く、ポリイミド樹脂面を有する被着体を固定又は保護するテープとしては好ましくない物性を示した。
1 基材
2 粘着剤層
3 剥離層
10 粘着テープ

Claims (3)

  1. 電子部品の製造工程において、ポリイミド樹脂面を有する部品を一時的に固定又は保護するために使用される耐熱仮着用粘着テープであって、
    耐熱性基材上に、アクリル系ポリマーと、エネルギー線重合性オリゴマーと、重合開始剤と、架橋剤とを含有する粘着剤層形成用材料からなる粘着剤層が形成されており、
    前記アクリル系ポリマーは、アクリル酸エステルを主成分とし、前記アクリル酸エステルと、共重合可能な水酸基含有モノマーとの共重合により得られるか、又はアクリル酸エステルを主成分とし、前記アクリル酸エステルと、共重合可能な水酸基及びカルボキシル基含有モノマーとの共重合により得られ、前記水酸基含有モノマーと前記カルボキシル基含有モノマーとの質量比が51:49〜100:0であり、
    前記重合開始剤は、昇温速度10℃/minで30℃から190℃まで昇温させ、190℃にて30分間維持した際の熱重量測定による重量減少率が50%以下であり、
    表面自由エネルギーが30〜50mJ/m であり、且つ、算術平均粗さRaが0.4〜0.6μmである前記ポリイミド樹脂面に対する前記粘着剤層の180°引き剥がし粘着力(JIS Z0237準拠)が、該ポリイミド樹脂面に貼付して20分経過後では、0.8〜15N/25mmであり、150℃にて90分間加熱した後では、0.8〜20N/25mmであり、且つ前記加熱後のエネルギー線照射による硬化後では、0.4N/25mm以下であることを特徴とする耐熱仮着用粘着テープ。
  2. 前記耐熱性基材の加熱収縮率(JIS C2151準拠)が、MD方向では1.0%以下であり、且つTD方向では1.0%以下である請求項1に記載の耐熱仮着用粘着テープ。
  3. 請求項1又は2に記載の耐熱仮着用粘着テープが貼付されてなる被仮着体。
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