JP2013233854A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】サイドウォール部に、従来とは異なる模様を用いて、視認性の優れた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤのサイドウォール部の表面には、同一の大きさで同一の形状の複数の矩形形状要素と、該矩形形状要素のそれぞれの周りに設けられた枠要素と、を有する模様領域が設けられている。前記矩形形状要素のそれぞれは、前記枠要素に対して視認可能であって、かつ、互いに直交する2方向に延びる直線に沿って配置されることにより、前記矩形形状要素を用いた格子模様が形成される。前記矩形形状要素のそれぞれの4つの角部は、円弧形状に面取りが施されている。
【選択図】 図1
【解決手段】空気入りタイヤのサイドウォール部の表面には、同一の大きさで同一の形状の複数の矩形形状要素と、該矩形形状要素のそれぞれの周りに設けられた枠要素と、を有する模様領域が設けられている。前記矩形形状要素のそれぞれは、前記枠要素に対して視認可能であって、かつ、互いに直交する2方向に延びる直線に沿って配置されることにより、前記矩形形状要素を用いた格子模様が形成される。前記矩形形状要素のそれぞれの4つの角部は、円弧形状に面取りが施されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来より、空気入りタイヤに用いる、トレッドゴム部材やサイドゴム部材等のゴム部材には、ゴム部材の強度の向上のためにカーボンを配合している。このため、空気入りタイヤ全体が黒くなっている。
一方、サイドウォール部のドレスアップのためのデザイン模様などの図形からなる標章をサイドウォール部表面から突設し表示する場合もある。これらの標章以外のサイドウォール部は通常フラットな平面で形成されるのが一般的である。また、サイドウォール部表面にリッジと呼ばれる細溝を多数刻んで装飾領域を構成する場合もある。
例えば、サイドウォール部において、タイヤの外観性を向上するものとしては、表面粗さを1.5〜20μmにしてタイヤ表面の光沢度を上げるもの(特許文献1)がある。
また、サイドウォール部の表面に光の反射性に変化を持たせることでタイヤ外観性を向上することができる空気入りタイヤも知られている(特許文献2)。当該空気入りタイヤは、サイドウォール部の表面の少なくとも一部に凹部と凸部を交互に配した凹凸部を形成し、前記凹部の少なくとも一部表面が算術平均表面粗さ(Ra)0.4〜1.5μmである鏡面からなり、前記鏡面を囲む周辺領域がRa1.5μmを超える粗面からなる。
また、サイドウォール部の表面に光の反射性に変化を持たせることでタイヤ外観性を向上することができる空気入りタイヤも知られている(特許文献2)。当該空気入りタイヤは、サイドウォール部の表面の少なくとも一部に凹部と凸部を交互に配した凹凸部を形成し、前記凹部の少なくとも一部表面が算術平均表面粗さ(Ra)0.4〜1.5μmである鏡面からなり、前記鏡面を囲む周辺領域がRa1.5μmを超える粗面からなる。
これらの空気入りタイヤは、サイドウォール部の表面の視覚に変化が得られ難く見た目に単調な印象を与え、それほどタイヤ外観性を向上するものではない。このため、車両に装着したタイヤを他の種類のタイヤと一目で識別できるような視認性に優れた空気入りタイヤではなかった。
そこで、本発明は、サイドウォール部に、従来とは異なる模様を用いて、視認性の優れた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、空気入りタイヤである。
当該空気入りタイヤのサイドウォール部の表面には、同一の大きさで同一の形状の複数の矩形形状要素と、該矩形形状要素のそれぞれの周りに設けられた枠要素と、を有する模様領域が設けられている。
前記矩形形状要素のそれぞれは、前記枠要素に対して視認可能であって、かつ、互いに直交する2方向に延びる直線に沿って配置されることにより、前記サイドウォール部の表面は前記矩形形状要素を用いた格子模様を形成する。
前記矩形形状要素のそれぞれの4つの角部は、円弧形状に面取りが施されている。
当該空気入りタイヤのサイドウォール部の表面には、同一の大きさで同一の形状の複数の矩形形状要素と、該矩形形状要素のそれぞれの周りに設けられた枠要素と、を有する模様領域が設けられている。
前記矩形形状要素のそれぞれは、前記枠要素に対して視認可能であって、かつ、互いに直交する2方向に延びる直線に沿って配置されることにより、前記サイドウォール部の表面は前記矩形形状要素を用いた格子模様を形成する。
前記矩形形状要素のそれぞれの4つの角部は、円弧形状に面取りが施されている。
前記矩形形状要素は、白色ゴムによって形成されている、ことが好ましい。
あるいは、前記矩形形状要素は、前記枠要素の面に対して凹部あるいは凸部の面を形成することにより、前記枠要素に対して視認可能である、ことが好ましい。
あるいは、前記矩形形状要素には、直線状に延びるリッジ部と直線状に延びる溝部がセレーション加工により交互に複数配列するように形成されている、ことも同様に好ましい。
あるいは、前記矩形形状要素は、前記枠要素の面に対して凹部あるいは凸部の面を形成することにより、前記枠要素に対して視認可能である、ことが好ましい。
あるいは、前記矩形形状要素には、直線状に延びるリッジ部と直線状に延びる溝部がセレーション加工により交互に複数配列するように形成されている、ことも同様に好ましい。
また、前記矩形形状要素の4つの角部における前記面取りの半径Rは、前記矩形形状要素の前記2方向に沿った長さのうち、短い方の長さに対して10〜40%の長さである、ことが好ましい。
また、前記矩形形状要素の前記2方向に沿った長さは、いずれも、前記空気入りタイヤのタイヤ断面高さの10〜25%の長さである、ことが好ましい。
前記枠要素の幅は、前記空気入りタイヤのタイヤ断面高さの1〜5%の幅である、ことが好ましい。
さらに、前記矩形形状要素の前記凹部の深さあるいは前記凸部の高さは、例えば0.3〜3.0mmである。
また、前記矩形形状要素の前記2方向に沿った長さは、いずれも、前記空気入りタイヤのタイヤ断面高さの10〜25%の長さである、ことが好ましい。
前記枠要素の幅は、前記空気入りタイヤのタイヤ断面高さの1〜5%の幅である、ことが好ましい。
さらに、前記矩形形状要素の前記凹部の深さあるいは前記凸部の高さは、例えば0.3〜3.0mmである。
上記態様の空気入りタイヤによれば、視認性に優れ、車両に装着しても他の種類のタイヤと容易に識別することができる。
以下、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明する。以降で記載するタイヤ周方向とは、タイヤ回転軸の周りにトレッド部を回転させたときのトレッド部の回転方向をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸から放射状に延びる方向をいう。
図1は、本発明の一実施形態の空気入りタイヤ(以降、タイヤという)1のサイドウォール部3(図2参照)の表面を示した図である。図1では、トレッド部2は、一点鎖線の円弧で表され、ビード部4は、一点鎖線の円弧で表されている。
タイヤ1は、図2に示すように、トレッド部2と、サイドウォール部3と、ビード部4と、カーカス層5と、ベルト層6とを有する。図2は、タイヤ1のタイヤ断面の一部を示す半断面図である。この他に、図示されないが、タイヤ1は、インナライナ層等を有する。サイドウォール部3及びビードコア7を有するビード部4は、トレッド部2を挟むようにタイヤ幅方向の両側に配されて対を成している。
サイドウォール部3には、図1に示されるように、サイド模様領域10と標章表示領域11とがタイヤ周上に設けられている。標章表示領域11は、タイヤの製品名、ブランド名、タイヤ製造業者名、さらには、サイズ等の文字、記号、あるいは数字等が記載されている。それぞれの標章表示領域11の周りには、サイド模様領域10が標章表示領域11を取り囲むように設けられている。以下で説明するサイド模様領域10は、タイヤ1の幅方向の一方のサイドウォール部3に設けられてもよいし、タイヤ1の幅方向両側のサイドウォール部3に設けられてもよい。
サイドウォール部の表面のサイド模様領域10は、複数の矩形形状要素10aと枠要素10bとを有する。複数の矩形形状要素10aは、同一の大きさで同一の形状を有する。枠要素10bは、それぞれの矩形形状要素10aの周りに設けられている。矩形形状要素10aのそれぞれは、枠要素10bに対して視認可能であって、かつ、互いに直交する2方向に延びる直線に沿って配置されている。これにより、矩形形状要素10aを用いた格子模様が形成される。また、矩形形状要素10aのそれぞれの4つの角部は、円弧形状に面取りが施されている。
以下、矩形形状要素10a及び枠要素10bについて具体的に説明する。
以下、矩形形状要素10a及び枠要素10bについて具体的に説明する。
図3(a)は、サイド模様領域10の矩形形状要素10aと枠要素10bの配置の一例を示す図である。図3(a)に示すようにサイド模様領域10は、矩形形状要素10aが枠要素10bに対して視認可能に、直交する2方向に延びる直線に沿って整然と配置されることにより、格子模様を成している。図3(a)では、矩形形状要素10aが黒色で示され、枠要素10bが白色で示されているが、これは、互いに識別可能であることを示すために白色、黒色で示している。実際は、黒色のサイドゴム部材の表面において、矩形形状要素10aの面が枠要素10bの面に対して凸となっていることにより、あるいは、矩形形状要素10aの面が枠要素10bの面に対して凹となっていることにより、矩形形状要素10aが枠要素10bに対して視認され得る。また、矩形形状要素10aの表面と枠要素10bの表面とは、表面の微細形状、例えば微小凹凸の違いによって光の反射特性の点で異なる。この反射特性の違いによって生じる光の反射の有無によって、矩形形状要素10aが枠要素10bに対して視認され得る。また、図3(a)に示すように、矩形形状要素10aの表面を黒ゴム部材の表面とし、枠要素10bの表面を白ゴム部材の表面とし、白黒の明度の違いにより視認され得る。また、矩形形状要素10aの表面を白ゴム部材の表面とし、枠要素10bの表面を黒ゴム部材の表面とすることもできる。
図3(b)は、矩形形状要素10aの一例を示す図である。矩形形状要素10aは、矩形形状を成しており、矩形形状の4つの角部では、円弧形状に面取り10cが施されている。このように、角部のそれぞれに、矩形形状要素10aの領域を削るように凹んだ円弧形状の面取り10cを施すのは、図3(a)に示すように、格子模様が、見る者に対して、錯視によるきらめき効果を与え、タイヤの視認性を高めるためである。きらめき格子錯視は周知であり、格子模様の交差点の領域に、明るく視認できる明度の高い色彩を与えることで、見る者にきらきらした印象を与える錯視である。このために、図3(a)に示す例では、矩形形状要素10aの領域を削るように凹んだ円弧形状の面取り10cを設けている。
一方、図3(c)は、矩形形状要素10aの他の例を示す図である。矩形形状要素10aも、図3(a)と同様に、矩形形状を成しているが、矩形形状の4つの角部では、凸状の円弧形状に面取り10dが施されている。このように、角部のそれぞれに、凸状の円弧形状の面取り10dを施すのは、格子模様が、見る者に対して、錯視によるハーマン格子錯視と同様の錯視を与え、タイヤの視認性を高めるためである。周知のハーマン格子錯視は、格子模様の交差点の領域に、暗く視認できる明度の低い色彩を与えることで、見る者に錯視を与える。このために、図3(b)に示す例では、凸状の円弧形状の面取り10dを設けている。
したがって、図3(d)に示すように、矩形形状要素10aと枠要素10bに与える視認性に関する特徴、例えば、凹凸や光の反射特性を、図3(a)に示す場合と入れ替えてサイド模様領域10を作成することもできる。
図4(a)は、本実施形態のサイド模様領域10の凹凸断面の一例を説明する図である。図4(a)に示すように、矩形形状要素10aは、枠要素10bの面に対して凹部の面を形成することにより、枠要素10bに対して視認可能になっている。枠要素10bの面に対する凹部の深さは、0.3〜3.0mmであることが、見る者が視認することができ、かつ凹凸によるトレッド部の泥や塵等の付着を防止する点で好ましい。凹部の深さが3.0mmを超えると、クラックの発生の原因となり、さらに泥や塵等が付着して凹凸が目立たなくなる。
また、図4(b)は、本実施形態のサイド模様領域の凹凸断面の他の例を説明する図である。図4(b)に示すように、矩形形状要素10aは、枠要素10bの面に対して凸部の面を形成することにより、枠要素10bに対して視認可能になっている。枠要素10bの面に対する凸部の高さは、0.3〜3.0mmであることが、見る者が視認でき、かつ凹凸によるトレッド部の泥や塵等の付着を防止する点で好ましい。凸部の高さが3.0mmを超えると、凹部である枠要素10bはクラックの発生の原因となり、さらに枠要素10bに泥や塵等が付着して凹凸が目立たなくなる。
また、図4(b)は、本実施形態のサイド模様領域の凹凸断面の他の例を説明する図である。図4(b)に示すように、矩形形状要素10aは、枠要素10bの面に対して凸部の面を形成することにより、枠要素10bに対して視認可能になっている。枠要素10bの面に対する凸部の高さは、0.3〜3.0mmであることが、見る者が視認でき、かつ凹凸によるトレッド部の泥や塵等の付着を防止する点で好ましい。凸部の高さが3.0mmを超えると、凹部である枠要素10bはクラックの発生の原因となり、さらに枠要素10bに泥や塵等が付着して凹凸が目立たなくなる。
図5(a),(b)は、本実施形態の矩形形状要素10aの一例の微小凹凸を説明する図である。矩形形状要素10aには、その表面に、直線状に延びるリッジ部10eと直線状に延びる溝部10fがセレーション加工により交互に、平行に複数配列するように形成されている。このようなセレーション加工により、矩形形状要素10aの表面は微小凹凸が形成されるため、矩形形状要素10aの表面に入射した光は拡散反射し、あるいは拡散反射の程度が周囲に比べて高くなる。したがって、矩形形状要素10aで拡散反射して見る者の視野に入る光の光量は、枠要素10bから到来して見る者の視野に入る光の光量に比べて少ない。このため、矩形形状要素10aは、枠要素10bに対して黒く見え、矩形形状要素10aと枠要素10bはお互いに効果的に視認可能に識別することができる。
また、場合によっては、リッジ部10eと溝部10fとの間の傾斜面に入射して鏡面反射した光が矩形形状要素10aから到来することにより、見る者の視野に入る矩形形状要素10aからの光量が増え、これによって枠要素10bから到来す光の光量よりも多くなる場合もある。この場合、見る者にとって矩形形状要素10aが枠要素10bに対して白く見える。
リッジ部10eの密度は、例えば1本/mm〜2本/mmである。なお、リッジ部10eの延びる向きは、図1に示すような矩形形状要素10aが配置される互いに直交する2方向であってもよいし、タイヤ周方向あるいはタイヤ径方向であってもよい。しかし、より安定した視認性を提供するためには、リッジ部10eの延びる向きは、矩形形状要素10aが配置される互いに直交する2方向であることが好ましい。
また、場合によっては、リッジ部10eと溝部10fとの間の傾斜面に入射して鏡面反射した光が矩形形状要素10aから到来することにより、見る者の視野に入る矩形形状要素10aからの光量が増え、これによって枠要素10bから到来す光の光量よりも多くなる場合もある。この場合、見る者にとって矩形形状要素10aが枠要素10bに対して白く見える。
リッジ部10eの密度は、例えば1本/mm〜2本/mmである。なお、リッジ部10eの延びる向きは、図1に示すような矩形形状要素10aが配置される互いに直交する2方向であってもよいし、タイヤ周方向あるいはタイヤ径方向であってもよい。しかし、より安定した視認性を提供するためには、リッジ部10eの延びる向きは、矩形形状要素10aが配置される互いに直交する2方向であることが好ましい。
図6は、本実施形態の枠要素10bの一例の微小凹凸を説明する図である。枠要素10bには、その表面に、直線状に延びるリッジ部10gと直線状に延びる溝部がセレーション加工により交互に、平行に複数配列するように形成されている。このようなセレーション加工により、枠要素10bの表面は微小凹凸が形成されるため、枠要素10bの表面に入射した光は拡散反射し、あるいは拡散反射の程度が周囲に比べて高くなる。したがって、枠要素10bで拡散反射して見る者の視野に入る光の光量は、矩形形状要素10aから到来して見る者の視野に入る光の光量に比べて少ない。このため、枠要素10bは、矩形形状要素10aに対して黒く見え、矩形形状要素10aと枠要素10bはお互いに効果的に視認可能に識別することができる。また、場合によっては、リッジ部10gと隣接するリッジ部10gに挟まれた溝部との間の傾斜面に入射して鏡面反射した光が枠要素10bから到来することにより、見る者の視野に入る枠要素10bからの光量が増える場合もある。この場合、枠要素10bから到来する光の光量は、矩形形状要素10aから到来す光の光量よりも多くなり、見る者にとって枠要素10bが矩形形状要素10aに対して白く見える場合もある。このような、リッジ部10gの密度は、例えば1本/mm〜2本/mmである。なお、リッジ部10gの延びる向きは、図1に示すような矩形形状要素10aが配置される互いに直交する2方向であってもよいし、タイヤ周方向あるいはタイヤ径方向であってもよい。しかし、より安定した視認性を提供するためには、リッジ部10gの延びる向きは、矩形形状要素10aが配置される互いに直交する2方向であることが好ましい。
図5(a),(b)あるいは図6に示すように、セレーション加工によりリッジ部を設ける場合、タイヤ加硫時に用いる加硫モールドの内表面に、リッジ部に対応した形状を有する微小凹凸が形成される。この微小凹凸は、タイヤ加硫時の加硫モールドとタイヤとの間に存在する空気を逃がす通路となる。このため、セレーション加工のために加硫モールドの内表面に設けられる微小凹凸は、空気だまりによるタイヤの加硫故障を抑制する。
図5(a),(b)あるいは図6に示すように、セレーション加工によりリッジ部を設ける場合、タイヤ加硫時に用いる加硫モールドの内表面に、リッジ部に対応した形状を有する微小凹凸が形成される。この微小凹凸は、タイヤ加硫時の加硫モールドとタイヤとの間に存在する空気を逃がす通路となる。このため、セレーション加工のために加硫モールドの内表面に設けられる微小凹凸は、空気だまりによるタイヤの加硫故障を抑制する。
なお、矩形形状要素10aの4つの角部における面取りの半径Rは、面取り10c,10dの区別無く、矩形形状要素10aの上述した矩形形状要素10aの配置される2方向に沿った長さのうち、短い方の長さに対して10〜40%の長さであることが、錯視効果を発揮させてタイヤの視認性を確実にする点で好ましい。例えば、矩形形状要素10aの2方向に沿った長さは、乗用車用タイヤの場合、長い方、短い方ともに、例えば3.0mm〜10.0mmであり、面取りの半径Rは、例えば0.5mm〜4.0mmであり、好ましくは1.0mm〜3.0mmである。
また、矩形形状要素10aの上記2方向に沿った長さは、いずれも、空気入りタイヤのタイヤ断面高さHに対して10〜25%の長さであることがタイヤの視認性を確実にする点で好ましい。タイヤ断面高さHとは、図2に示すように、JATMA規定のリムに装着し、最大負荷能力に対応する空気圧をタイヤに充填したときの、ビード部4のタイヤ径方向内方の端からトレッド部2の最大外径位置までの、タイヤ径方向の長さをいう。
また、枠要素10bの幅は、上記タイヤ断面高さの1〜5%の幅であることがタイヤの視認性を確実にする点で好ましい。枠要素10bの幅がタイヤ断面高さの1%未満である場合、矩形形状要素10aとの間で視認が困難となり、錯視効果は発揮され難く、タイヤの視認性が低下する。枠要素10bの幅がタイヤ断面高さの5%を越える場合、矩形形状要素10aとの間の視認が明確になりすぎて、錯視効果が発揮され難く、タイヤの視認性が同様に低下する。乗用車用タイヤの場合、矩形形状要素10aが例えば8mm×8mmの場合、枠要素10bの幅は例えば1.5mmである。
また、矩形形状要素10aの上記2方向に沿った長さは、いずれも、空気入りタイヤのタイヤ断面高さHに対して10〜25%の長さであることがタイヤの視認性を確実にする点で好ましい。タイヤ断面高さHとは、図2に示すように、JATMA規定のリムに装着し、最大負荷能力に対応する空気圧をタイヤに充填したときの、ビード部4のタイヤ径方向内方の端からトレッド部2の最大外径位置までの、タイヤ径方向の長さをいう。
また、枠要素10bの幅は、上記タイヤ断面高さの1〜5%の幅であることがタイヤの視認性を確実にする点で好ましい。枠要素10bの幅がタイヤ断面高さの1%未満である場合、矩形形状要素10aとの間で視認が困難となり、錯視効果は発揮され難く、タイヤの視認性が低下する。枠要素10bの幅がタイヤ断面高さの5%を越える場合、矩形形状要素10aとの間の視認が明確になりすぎて、錯視効果が発揮され難く、タイヤの視認性が同様に低下する。乗用車用タイヤの場合、矩形形状要素10aが例えば8mm×8mmの場合、枠要素10bの幅は例えば1.5mmである。
(実施例、従来例、比較例)
本実施形態のタイヤの視認性の効果を調べるために、サイドウォール表面のサイド模様を種々変化させて、図2に示すタイヤ1(タイヤサイズ:195/65R15)を作製した。作製したタイヤを乗用車に装着し、屋外で100人が観察し、サイド模様領域10の視認性の評価をした。
評価に用いたタイヤは、従来例と実施例1〜9と、比較例1,2である。
従来例のタイヤは、図1に示すようなサイド模様領域10の無い平滑な面を有するタイヤである。実施例1〜9及び比較例1,2は、図1に示すサイド模様領域10を有する。
本実施形態のタイヤの視認性の効果を調べるために、サイドウォール表面のサイド模様を種々変化させて、図2に示すタイヤ1(タイヤサイズ:195/65R15)を作製した。作製したタイヤを乗用車に装着し、屋外で100人が観察し、サイド模様領域10の視認性の評価をした。
評価に用いたタイヤは、従来例と実施例1〜9と、比較例1,2である。
従来例のタイヤは、図1に示すようなサイド模様領域10の無い平滑な面を有するタイヤである。実施例1〜9及び比較例1,2は、図1に示すサイド模様領域10を有する。
視認性の評価結果として以下の評点を用いた。
・評点120:97%以上の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点118:95%以上97%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点116:90%以上95%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点114:85%以上90%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点112:80%以上85%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点110:75%以上80%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点108:70%以上75%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点106:65%以上70%未満の観察者がBPSスプライス凹凸を明確に確認できない。
・評点104:60%以上65%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点102:55%以上60%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点100:50%以上55%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点98:45%以上50%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点97:45%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点120:97%以上の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点118:95%以上97%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点116:90%以上95%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点114:85%以上90%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点112:80%以上85%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点110:75%以上80%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点108:70%以上75%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点106:65%以上70%未満の観察者がBPSスプライス凹凸を明確に確認できない。
・評点104:60%以上65%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点102:55%以上60%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点100:50%以上55%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点98:45%以上50%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
・評点97:45%未満の観察者がタイヤのサイド模様を明確に確認でき、タイヤを識別することができる。
評価に用いた従来例、実施例1〜5、及び比較例1,2のサイドウォール部の仕様と、評価結果を下記表1に示す。表1中の比較例1における矩形形状要素における面取りは円弧形状の面取りではなく、直線形状の面取りである。また、比較例2では、矩形形状要素をタイヤ周方向及びタイヤ径方向に配列した模様であり、本実施形態の格子模様と異なる。このため、比較例2の矩形形状要素10aのサイズや枠要素10bの幅は、タイヤ径方向の位置によって異なるため、平均値あるいは数値範囲で示している。
下記表1において、従来例対比、実施例1〜5の視認性は優れていることがわかる。また、実施例2及び比較例1,2の比較より、サイド模様領域10は格子模様であり、かつ、矩形形状要素10aの角部に円弧状の面取りが施されていることが必要である。
また、実施例3,4に示すように、矩形形状要素10aが凹部であっても凸部であっても、セレーション加工をすることにより、実施例2対比、視認性は向上することがわかる。
特に、実施例5に示すように、白ゴムを矩形形状要素10aに用いることにより、視認性が極めて向上する。
また、実施例3,4に示すように、矩形形状要素10aが凹部であっても凸部であっても、セレーション加工をすることにより、実施例2対比、視認性は向上することがわかる。
特に、実施例5に示すように、白ゴムを矩形形状要素10aに用いることにより、視認性が極めて向上する。
さらに、面取り半径Rの効果を調べるために、面取り半径Rを種々変更したタイヤを作製した(実施例6〜9)。評価に用いた実施例2,6〜9のサイド模様領域10の仕様と、評価結果を下記表2に示す。
表2の評価結果より、実施例2,7,8の視認性が実施例6,9に対して優れていることがわかる。これより、矩形形状要素10aの4つの角部における面取りの半径Rは、矩形形状要素10aの2方向に沿った長さのうち、短い方の長さに対して10〜40%の長さであることが、タイヤの視認性を向上する点で好ましいことがわかる。
これより、本実施形態のタイヤの視認性の効果は明白である。
これより、本実施形態のタイヤの視認性の効果は明白である。
以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 カーカス層
6 ベルト層
10 サイド模様表示領域
10a 矩形形状要素
10b 枠要素
10c,10d 面取り
10e,10g リッジ部
10f 溝部
11 標章表示領域
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 カーカス層
6 ベルト層
10 サイド模様表示領域
10a 矩形形状要素
10b 枠要素
10c,10d 面取り
10e,10g リッジ部
10f 溝部
11 標章表示領域
Claims (8)
- 空気入りタイヤであって、
前記空気入りタイヤのサイドウォール部の表面には、同一の大きさで同一の形状の複数の矩形形状要素と、該矩形形状要素のそれぞれの周りに設けられた枠要素と、を有する模様領域が設けられ、
前記矩形形状要素のそれぞれは、前記枠要素に対して視認可能であって、かつ、互いに直交する2方向に延びる直線に沿って配置されることにより、前記サイドウォール部の表面は前記矩形形状要素を用いた格子模様を形成し、
前記矩形形状要素のそれぞれの4つの角部は、円弧形状に面取りが施されている、ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記矩形形状要素は、白色ゴムによって形成されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記矩形形状要素は、前記枠要素の面に対して凹部あるいは凸部の面を形成することにより、前記枠要素に対して視認可能である、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記矩形形状要素には、直線状に延びるリッジ部と直線状に延びる溝部がセレーション加工により交互に複数配列するように形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記矩形形状要素の4つの角部における前記面取りの半径Rは、前記矩形形状要素の前記2方向に沿った長さのうち、短い方の長さに対して10〜40%の長さである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記矩形形状要素の前記2方向に沿った長さは、いずれも、前記空気入りタイヤのタイヤ断面高さの10〜25%の長さである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記枠要素の幅は、前記空気入りタイヤのタイヤ断面高さの1〜5%の幅である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記矩形形状要素の前記凹部の深さあるいは前記凸部の高さは、0.3〜3.0mmである、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012107149A JP2013233854A (ja) | 2012-05-09 | 2012-05-09 | 空気入りタイヤ |
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JP (1) | JP2013233854A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017001418A (ja) * | 2015-06-04 | 2017-01-05 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
-
2012
- 2012-05-09 JP JP2012107149A patent/JP2013233854A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017001418A (ja) * | 2015-06-04 | 2017-01-05 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
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