JP2013230726A - 車体構造 - Google Patents

Abstract

【課題】車体側方から衝撃荷重を受けたときの車体側部の車内への進入形態を考慮して進入を抑える。
【解決手段】シートバックフレーム１９の下部に、車幅方向に延設される荷重伝達部品２５を取り付ける。センタピラー９内には、下方部位Ｂを除く上方部位Ｃに補強部材３７を設けることで、センタピラー９は上方部位Ｃの強度を下方部位Ｂの強度より高くする。強度を高くしたセンタピラー９の上方部位Ｃの下部は、荷重伝達部品２５の車幅方向外側の端面２５ｃ１に対向している。側面衝突時には、センタピラー９の上方部位Ｃの下部が荷重伝達部品２５の端面２５ｃ１に当接してセンタピラー９の車室３９内への進入を抑制する。
【選択図】図１

Description

本発明は、車体が側方から受ける衝撃荷重をシートバックフレームに設けた荷重受け部材で受ける車体構造に関する。

自動車の側面衝突時での衝撃荷重を、シートバックフレームに設けた荷重受け部材で受ける車体構造として、例えば下記特許文献１に記載されたものが知られている。これは、車体側壁が衝撃荷重を受けて車内へ向けて移動したときに、該衝撃荷重を、荷重受け部材からコンソールを経て反対側の車体側壁に伝達して車体全体で吸収するようにしている。

特開２０１１−２５８２７号公報

しかしながら、上記した従来の車体構造は、車体側方から衝撃荷重を受けたときの車体側壁の車内への進入形態については特に考慮しておらず、改善が望まれている。

そこで、本発明は、車体側方から衝撃荷重を受けたときの車体側部の車内への進入形態を考慮して進入を抑えることを目的としている。

本発明は、車体の側部における下方部位よりも強度の高い上方部位の下部が、シートバックフレームに設けられて車体側方からの衝撃荷重を受ける荷重受け部材に対応する位置に設定されていることを特徴とする。

本発明によれば、車体の側部が側方から衝撃荷重を受けて車内へ向けて移動したときに、車体の側部における強度の高い上方部位が荷重受け部材に当接するので、車体の側部の車内への進入を抑えることができる。

本発明の一実施形態に係わる車体のセンタピラーより車体後方側から見た車体左半分の断面図である。 図１のＡ−Ａ断面図である。 図１の車体が側面衝突して側方から衝撃荷重を受けた状態を示す作用説明図である。

以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。

図１に示すように、自動車の車体１の底部のフロアパネル３上には、シート５を、車体前後方向に移動させるシートスライド機構７を介して取り付けてある。シート５の車幅方向外側（図１中で左側）には、車体１の側部を構成するセンタピラー９が上下方向に延設されている。センタピラー９の車体前方側にはフロントドアが、センタピラー９の車体後方側にはリアドアもしくは車体側壁が、それぞれ存在する。

フロアパネル３の車幅方向外側の端縁部にはサイドシル１１を接合してあり、サイドシル１１の上部に、上記したセンタピラー９の下端部を接合固定している。サイドシル１１は、シルインナ１３と、シルアウタ１５と、これらシルインナ１３、シルアウタ１５相互間に挟持固定されるレインフォース１７とを備えている。フロアパネル３の車幅方向内側（図１中で右側）の車幅方向中央部位は、上方に突出するセンタトンネル部３ａが形成されている。

図１のシート５は、その骨格部材を示していて外装材は省略しており、背もたれ部に対応するシートバックフレーム１９と、着座部に対応するシートクッションフレーム２１とを備えている。シートバックフレーム１９は、シートクッションフレーム２１に対しリクライニング機構２３によって車体前後方向に回動可能である。

シートバックフレーム１９は、上部及び下部にてそれぞれ車幅方向に延びる上辺部１９ａ及び下辺部１９ｂと、上辺部１９ａ及び下辺部１９ｂの車幅方向内側の端部相互を結んで上下方向に延びる内側辺部１９ｃと、上辺部１９ａ及び下辺部１９ｂの車幅方向外側の端部相互を結んで上下方向に延びる外側辺部１９ｄと、を備えている。

そして、このシートバックフレーム１９の車体後方側に対応する図１中で紙面手前側の下半部に、荷重受け部材としての荷重伝達部品２５を取り付けている。荷重伝達部品２５は、車幅方向に延びる水平部２５ａと、水平部２５ａの車幅方向外側端部から車幅方向外側の上方に向けて屈曲して傾斜する傾斜部２５ｂと、を備えている。

水平部２５ａは、その長さ方向（水平方向）に沿って、図１中で上下方向の幅寸法がほぼ均一であり、傾斜部２５ｂはその長さ方向（傾斜方向）に沿って、図１中で右上と左下とを結ぶ方向の幅寸法がほぼ均一である。これら水平部２５ａと傾斜部２５ｂとがなす角度θは鈍角である。

上記した荷重伝達部品２５は、図１中で紙面に直交する方向が板厚となる板状部材で構成している。板状部材としては、単なる平板形状でもよいが、表面にエンボス加工やリブを設けて凹凸形状としてもよい。

水平部２５ａは、その下縁２５ａ１をシートバックフレーム１９の下辺部１９ｂに後方から重ね合わせて接合固定し、その上縁２５ａ２から車幅方向内側に向けて突出させた突出端部２５ａ３を、シートバックフレーム１９の内側辺部１９ｃの下部に後方から重ね合わせて接合固定する。

水平部２５ａの車幅方向外側の端部２５ａ４は、シートバックフレーム１９の外側辺部１９ｄより車幅方向内側に位置し、該端部２５ａ４に前記した傾斜部２５ｂの下部が連続している。傾斜部２５ｂの上部は、シートバックフレーム１９の外側辺部１９ｄの上下方向中央部よりやや下方位置にて車幅方向外側に向けて延びる上端水平部２５ｃに連続し、この上端水平部２５ｃを外側辺部１９ｄに後方から重ね合わせて接合固定する。

上端水平部２５ｃは、外側辺部１９ｄよりも車幅方向外側に突出しており、この突出した上端水平部２５ｃとセンタピラー９との間には、一定の間隔を設けている。

図１で示すシートバック５は、図示しない乗員が着座するときに対応して起立させてあり、この起立状態で、荷重伝達部品２５の上端水平部２５ｃがセンタピラー９に対向している。

センタピラー９は、上記した上端水平部２５ｃに対向するピラーインナ２７と、車外側に位置するピラーアウタ２９とを有し、図２に示すようにピラーアウタ２９の内面に沿ってアウタレインフォース３１を設けている。これらピラーインナ２７、ピラーアウタ２９及びアウタレインフォース３１の車体前後方向（図２中で上下方向に相当）両端３３，３５をフランジ接合して閉断面を形成している。

さらに、センタピラー９におけるアウタレインフォース３１の内側には、アウタレインフォース３１の形状に合わせて断面コ字形状の補強部材３７を設けている。すなわち、この補強部材３７は、外側面３７ａと、外側面３７ａの車体前方側（図２中で矢印ＦＲで示す側）の縁部から車幅方向内側に向けて屈曲する前面部３７ｂと、外側面３７ａの車体後方側の縁部から車幅方向内側に向けて屈曲する後面部３７ｃと、を備えて車幅方向内側が開口している。

また、この補強部材３７は、図１に示すように、サイドシル１１近傍の下方部位Ｂには設けていない。すなわち、センタピラー９は、補強部材３７により補強してある上方部位Ｃの強度を、補強部材３７により補強していない下方部位Ｂの強度よりも高くしている。

そして、上記強度を高くしてある上方部位Ｃの下部を、シートバックフレーム１９に取り付けてある荷重伝達部品２５の上端水平部２５ｃに対応する位置に設定している。センタピラー９の上下方向に沿う強度の変化は、図２に示す補強部材３７の前面部３７ｂと後面部３７ｃとの少なくともいずれか一方の車幅方向長さ（図２中で左右方向長さ）を変化させることで達成できる。

上記したセンタピラー９の上方部位Ｃの下部、すなわち下方部位Ｂ近傍の上方部位Ｃは、前面部３７ｂ及び後面部３７ｃの車幅方向長さを最も長くしてある高強度部位Ｄを有している。この高強度部位Ｄの下端部Ｄａが、上端水平部２５ｃの車幅方向外側の端面２５ｃ１に対向している。上端水平部２５ｃの端面２５ｃ１は、図１に示すように上下方向に一定の長さを有し、その上下方向の下部側に高強度部位Ｄの下端部Ｄａが対向している。

高強度部位Ｄの下端部Ｄａより下方の補強部材３７は、前面部３７ｂ及び後面部３７ｃの車幅方向長さを下方に行くに従って徐々に短くし、前面部３７ｂ及び後面部３７ｃの車幅方向内側の端縁部を傾斜面３７ｄとしている。

次に、上記したような車体構造を備える自動車が側面衝突して車体側方から衝撃荷重を受けたときの車体の変形について説明する。

センタピラー９周辺の車体１の側方外部から衝突荷重を受けると、センタピラー９を含む車体側壁やドア部分が車室３９側に移動する。このとき本実施形態では、図３に示すように、センタピラー９が、補強部材３７の高強度部位Ｄの下端部Ｄａ周辺に対応する位置で、荷重伝達部品２５の上端水平部２５ｃの端面２５ｃ１に当接する。

このように、本実施形態では、センタピラー９が、衝撃荷重を受けて車室３９側に向かって移動するときに、補強部材３７の高強度部位Ｄに対応する部位が荷重伝達部品２５に当接して受け止められる。これにより、センタピラー９の車室３９内への進入を効果的に抑制することができる。

なお、センタピラー９が図３のように車室３９内へ進入するときには、高強度部位Ｄが荷重伝達部品２５に当接して受け止められることから、それより下方の補強部材３７の傾斜面３７ｄに対応する部位付近が、車室３９内に最も進入する最大進入位置となる。

そして、この車室３９内に最も進入するセンタピラー９の最大進入位置は、シート５に着座した乗員の腰の位置に対応しており、この腰部周辺のシート５を側方から押し付けてシート全体を車室３９の内側に移動させることで、乗員の頭部とセンタピラー９との間隔を確保して乗員を保護する。

つまり、センタピラー９の車室３９への最大進入位置によって乗員の腰部に対応するシート５の下部を車幅方向内側に押し付けながら、その上部のセンタピラー９の高強度部位Ｄを荷重伝達部品２５で受け止める。

また、本実施形態では、荷重伝達部品２５の車幅方向外側の端部である端面２５ｃ１をシートバックフレーム１９よりも車体１の側部であるセンタピラー９に近い位置に設定している。このため、車体１が側方から衝撃荷重を受けてセンタピラー９が車室３９内に進入したときに、センタピラー９が、シートバックフレーム１９よりも先に荷重伝達部品２５に当接して、シートバックフレーム１９への荷重の直接的な入力を抑制でき、シートバックフレーム１９の変形を抑えることができる。

また、本実施形態では、車体１の側部は上下方向に延設されるセンタピラー９としている。センタピラー９は、乗員が着座する起立状態でのシートバックフレーム１９にほぼ対向した位置であり、このセンタピラー９の上方部位Ｃの強度を下方部位Ｄの強度より高くして、該強度の高い上方部位Ｃの下部を、荷重伝達部品２５に対応する位置に設定することで、車体側部の車室３９内への進入を抑制することができる。

なお、荷重伝達部品２５は、センタピラー９が車室３９内へ移動したときに当接して進入量を小さく抑えられるものであればよく、したがって、図１に示したような水平部２５ａと傾斜部２５ｂとを備える屈曲形状である必要はない。

１ 車体
９ センタピラー（ピラー、車体の側部）
１９ シートバックフレーム
２５ 荷重伝達部品（荷重受け部材）
２５ｃ１ 荷重伝達部品の端面（荷重受け部材の車幅方向外側の端部）
Ｂ センタピラーの下方部位
Ｃ センタピラーの上方部位

Claims (3)

1. 車体の側部が車外から衝撃を受けて車内へ向けて移動したときの衝撃荷重を受ける荷重受け部材をシートバックフレームに設け、前記車体の側部は、上方部位の強度を下方部位の強度より高くして、該強度の高い上方部位の下部を、前記荷重受け部材に対応する位置に設定したことを特徴とする車体構造。
2. 前記荷重受け部材の車幅方向外側の端部を前記シートバックフレームよりも前記車体の側部に近い位置に設定したことを特徴とする請求項１に記載の車体構造。
3. 前記車体の側部は上下方向に延設されるピラーであることを特徴とする請求項１または２に記載の車体構造。

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