JP6922619B2 - 水圧転写フィルム及び加飾成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、主として凹凸による立体面や曲面を有する成形体の表面に転写層を形成するのに好適な水圧転写フィルム及びこれを用いた加飾成形品に関する。
自動車内装品、家電製品又はOA機器等には表面に木目調や金属調(金属光沢)などの装飾が施された成形品が利用されている。これらの成形品は複雑な三次元形状を有するものが多く、その複雑な形状からなる成形品に意匠性の高い装飾を簡便に施す方法が、従来から検討されてきた。
こうした装飾方法として、水圧を利用した水圧転写法が知られている。この水圧転写法は、まず、水溶性あるいは水膨潤性の基材フィルムに、所望の装飾層を印刷した転写フィルムを用意し、該転写フィルムの装飾層に、有機溶剤を主成分とする活性剤を塗布して、該装飾層を膨潤、粘着化させる(これを活性化という)。その前又は後に、前記転写フィルムを転写用の装飾層面を上面にして、水面上に浮遊させ、次いで、該転写フィルム上に被転写体となる物品を押圧して、水圧によって転写フィルムを被転写体の装飾処理をすべき被転写面に密着させる。その後に、基材フィルムを除去して装飾層を転写する方法である(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開昭61−66685号公報 特開昭60−165300号公報
水圧転写法により、金属調(金属光沢)に装飾した成形品において、さらに優れた意匠性を付与することが試みられている。例えば、(1)光輝性インキ層を二層以上積層する方法、(2)光輝性を発現する光輝性顔料の濃度を変化させる方法、(3)光輝性インキの種類を複数種用いる方法などである。
しかしながら、(1)の方法では、複数ある光輝性インキ層の層間で剥離することが懸念され、(2)及び(3)の方法では、意匠性の制御が困難であるとの問題があった。
本発明の課題は、上記問題点に鑑み、意匠性の高い加飾成形品を得ることができ、かつ意匠性の制御を容易にし得る水圧転写フィルムを提供すること、及び該水圧転写フィルムを用いて、意匠性の高い加飾成形品を提供することにある。
本発明者らは、水溶性フィルム上に絵柄層、保護層をこの順に有し、保護層がアクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物及び/又はその硬化物からなる、意匠層の輝度を担保し得る水圧転写フィルムを提案した(特許第6,094,124号)。当該特許では、絵柄層の全面を保護層で覆うことで、輝度の高い絵柄を有する加飾成形品を与える水圧転写フィルムを得ることができる。
本発明は、上記特許発明により得た知見に基づくものであり、光輝性顔料を含む光輝性インキ層上に部分的に保護層を設けることで、優れた意匠性を発現させ得ることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)水溶性フィルム上に意匠層を有する水圧転写フィルムであって、該意匠層が水溶性フィルム側から、少なくとも光輝性顔料を含む樹脂からなる光輝性インキ層と、アクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物及び/又はその硬化物からなる保護層をこの順に有し、かつ該保護層は光輝性インキ層上に部分的に存在することを特徴とする水圧転写フィルム、及び
(2)基材上にパターン状の保護層と、光輝性インキ層とを有する加飾成形品であって、パターン状の保護層の上に光輝性インキ層が重なっており、該保護層の直上部の光輝性インキ層が相対的に高輝度であり、それ以外の部分の光輝性インキ層が相対的に低輝度であることを特徴とする加飾成形品、
を提供するものである。
本発明によれば、意匠性の高い加飾成形品を得ることができ、かつ意匠性の制御を容易にし得る水圧転写フィルムを提供すること、及び該水圧転写フィルムを用いて、意匠性の高い加飾成形品を提供することができる。
本発明の水圧転写フィルムの一態様を示す模式図である。 本発明の水圧転写フィルムの他の態様を示す模式図である。 本発明の水圧転写フィルムの他の態様を示す模式図である。 本発明の水圧転写フィルムの他の態様を示す模式図である。 本発明の加飾成形品の一態様を示す模式図である。 本発明の加飾成形品の他の態様を示す模式図である。 実施例1により得られた加飾成形品の意匠面の写真である。
[水圧転写フィルム]
本発明の水圧転写フィルムは、水溶性フィルム上に意匠層を有する。該意匠層は、水溶性フィルム側から、少なくとも光輝性顔料を含む樹脂からなる光輝性インキ層と、アクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物及び/又はその硬化物からなる保護層をこの順に有し、かつ該保護層は光輝性インキ層上に部分的に存在する。
以下、各構成要件について詳述する。
[水溶性フィルム]
本発明における水溶性フィルムは、水溶性もしくは水膨潤性を有するものであれば特に限定されるものではなく、従来水圧転写フィルムとして一般に使用されているフィルムの中から、適宜選択して用いることができる。
水溶性フィルムを構成する樹脂としては、例えばポリビニルアルコール樹脂、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白質、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸との共重合体、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の各種水溶性樹脂が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が混合されて用いられてもよい。なお、当該水溶性フィルムには、マンナン、キサンタンガム、グアーガム等のゴム成分が添加されていてもよい。
これらのうち、特に製膜安定性が良好であり、水に対する膨潤性及び溶解性が安定しており、かつ汎用性があるとの点から、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂フィルムが好ましい。なお、ポリビニルアルコール樹脂フィルムは、PVA以外に、澱粉やゴム等の添加剤を含有していてもよい。
ポリビニルアルコール樹脂フィルムは、ポリビニルアルコールの重合度、ケン化度、及び澱粉やゴム等の添加剤の配合量等を変えることにより、水溶性フィルムに対して転写用の意匠層を形成する際に必要な機械的強度、取り扱い中の耐湿性、水面に浮かべてからの吸水による柔軟化の速度、水中での延展又は拡散に要する時間、転写工程での変形のし易さ等を適宜調節することができる。
ポリビニルアルコール樹脂フィルムからなる水溶性フィルムとして好適なものは、特開昭54−92406号公報に説明されているようなものであり、例えば、PVA樹脂80質量%、高分子水溶性樹脂15質量%、澱粉5質量%の混合組成からなり、平衡水分3%程度のものが好適である。
また、ポリビニルアルコール樹脂フィルムは水溶性ではあるが、水に溶解する前段階では水に膨潤して軟化しつつも、フィルムとして存続することが好ましい。フィルムとして存続している状態にあるときに水圧転写を行なうことにより、水圧転写時の転写用の意匠層の過度の流動、変形を防止することができるからである。
水溶性フィルムの厚さとしては、10〜100μmが好ましい。10μm以上であると、膜の均一性が良好で、かつ生産安定性が高い。一方、100μm以下であると、水に対する溶解性が適度であり、かつ印刷適性に優れる。以上の観点から、水溶性フィルムの厚さは、20〜60μmの範囲が好ましく、30〜50μmの範囲がより好ましい。
なお、上記の水溶性フィルムは、例えば紙、不織布、布等の水浸透性を有する基材(以下「水浸透性基材」という。)と積層して使用することもできるが、この場合には、当該積層シートを水面に浮かべる前に水浸透性基材を水溶性フィルムから分離させるか、又は水面に浮かべた後の水の作用によって水浸透性基材が分離するように構成しておくことが好ましい。
[意匠層]
本発明の水圧転写フィルムは、転写用の意匠層を有する。当該意匠層は、水溶性フィルム側から、光輝性インキ層と保護層をこの順に有し、かつ該保護層は光輝性インキ層上に部分的に存在する。
ここで、光輝性インキ層は、全面ベタ印刷層であってもよいし、例えばパターン状などの部分印刷層であってもよい。これに対して、保護層は光輝性インキ層上に部分的に存在することが必須の要件である。
水圧転写フィルムの具体的な態様としては、図1及び図2に示されるものが挙げられる。
すなわち、図1に示される態様では、水溶性フィルム1上に、意匠層2が設けられ、該意匠層の構成として、光輝性インキ層21が全面ベタ印刷層として設けられ、その上に部分的に保護層22が設けられている。
また、図2に示される態様では、図1と同様に水溶性フィルム1上に、意匠層2が設けられているが、該意匠層の構成として、光輝性インキ層21が部分的に設けられ、光輝性インキ層21に対して、さらに部分的に保護層22が設けられている。
このような態様をとることで、後に詳述するように、意匠層側から活性剤を塗布した際に、光輝性インキ層に対する、活性剤による溶剤アタックの度合いが保護層の有無により異なり、光輝性インキ層の意匠に種々の変化を加えることができ、意匠性を向上させることができる。
なお、本発明の水圧転写フィルム10は、意匠層2の構成として、光輝性インキ層21、保護層22に加えて、絵柄層23を有していてもよい。絵柄層23は、図3に示すように、水溶性フィルム1と光輝性インキ層21との間に位置していてもよいし、図4に示すように、保護層22の上から絵柄層23を塗工して、覆うようにした構成でもよい。
[光輝性インキ層]
本発明における光輝性インキ層は、少なくとも光輝性顔料を含む樹脂により構成される。光輝性顔料としては、アルミニウム、真鍮などの金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料が挙げられる。金属顔料としては、粒子状でも鱗片状でもよいが、高い輝度を発現するためには、鱗片状であることが好ましい。
光輝性顔料の粒径としては、本発明の効果を奏する範囲であれば、特に限定されないが、粒子状の場合は、平均粒径として、1〜20μmの範囲であることが好ましく、3〜15μmの範囲であることがさらに好ましい。
なお、ここで平均粒径は、走査型電子顕微鏡を用いて観察した10点の平均値として求めた値である。
また、光輝性顔料として燐片状のものを用いる場合、面の平均直径として1〜30μmの範囲であることが好ましく、1〜20μmの範囲であることがさらに好ましい。また、厚みとしては、平均厚みとして、0.01〜2μmの範囲であることが好ましく、0.5〜1μmの範囲であることがさらに好ましい。なお、ここで平均直径及び平均厚みは、走査型電子顕微鏡を用いて観察した10点の平均値として求めた値である。
光輝性顔料の含有量については、バインダー樹脂100質量部に対して、1〜800質量部の範囲であることが好ましい。1質量部以上であると、十分な金属光沢が得られ、800質量部以下であるとバインダー樹脂との結着性が担保され、転写性が確保される。以上の観点から、光輝性顔料の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、3〜500質量部の範囲であることがさらに好ましく、5〜100質量部であることが特に好ましい。
光輝性インキ層を構成する樹脂(バインダー樹脂)としては、本発明の効果を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、アクリルポリマーポリオール以外のアクリル樹脂、アルキドなどのポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂(例えばポリエステルウレタン系樹脂)、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール(ブチラール系樹脂)、硝化綿などのニトロセルロース系樹脂が挙げられる。
なお、アクリルポリマーポリオールは、後述するように、活性剤組成物に含まれる溶剤に対して耐性を有し、転写加工性を悪化させる可能性がある。したがって、光輝性インキ層のバインダー樹脂としては、本発明の効果を阻害しない範囲で少量添加することはできるが、使用しないことが好ましい。
光輝性インキ層の厚さとしては、0.5〜5μmの範囲であることが好ましい。0.5μm以上であると、十分な装飾性が得られ、5μm以下であると、賦型性及び転写加工時の追従性の点で好ましい。以上の観点から、光輝性インキ層の厚さは、0.5〜2μmの範囲であることがさらに好ましい。
[保護層]
本発明の水圧転写フィルムにおける保護層は、アクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物及び/又はその硬化物からなる。当該樹脂組成物及び/又はその硬化物は、活性剤組成物に含まれる溶剤による攻撃から、光輝性インキ層を保護する機能を有する。
そして、本発明の水圧転写フィルムは、光輝性インキ層上に、当該保護層を部分的に有するので、光輝性インキ層の保護層に覆われた部分は溶剤アタックを受けにくく、覆われていない部分は溶剤アタックを受けやすい。この溶剤アタックの受けやすさを制御することで、光輝性インキ層に輝度差を付与することができ、結果として優れた意匠を加飾成形品に付与することができる。
当該保護層は、印刷法等の方法によって作製されるので、その形状を自由に制御できるという利点がある。例えば、当該保護層において絵柄を形成することにより、輝度の異なる光輝性模様を発現させることができる。また、当該保護層の厚さを部分的に異なるものとすることができるので、輝度の濃淡も制御することができ、より優れた意匠を創出できる。
本発明の水圧転写フィルムにおける保護層は、転写加工時における被転写体への追従性を優れたものとする観点からは、アクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物からなることが好ましい。他方、活性剤組成物に含まれる溶剤からの耐性をより高いものとして、光輝性インキ層の輝度差をいっそう大きくする観点からは、アクリルポリマーポリオールの硬化物からなることが好ましい。
上記アクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物の硬化物は完全硬化されたものであってもよいが、転写加工性等を考慮すると半硬化状態であることが好ましい。また、アクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物と該樹脂組成物の硬化物が混合された状態のものも好ましい態様である。
保護層を、アクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物の硬化物により形成する場合、樹脂組成物には、アクリルポリマーポリオールに加えて、さらにイソシアネートを含有させることが好ましい。イソシアネートはアクリルポリマーポリオールの硬化剤であって、イソシアネートを含有させることで、当該樹脂組成物の少なくとも一部を硬化状態又は半硬化状態とすることができる。このことにより、さらに活性剤組成物に含まれる溶剤からの耐性を高めることができる。
さらに、該樹脂組成物には、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル・ウレタン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどを含有させることができる。保護層を柔軟にし、加飾成形品の製造時における転写加工性を向上させることができる。なお、ここで「(メタ)アクリル」とはアクリル又はメタクリルを意味する。
これらのうち、特にウレタン樹脂はアクリルポリマーポリオールとの相溶性が高く、好ましい。
(アクリルポリマーポリオール)
上記アクリルポリマーポリオールは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求められる、標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量が1,000〜100,000であることが好ましく、5,000〜80,000であることがより好ましく、20,000〜50,000であることが特に好ましい。アクリルポリマーポリオールの分子量が1,000以上であると、活性剤組成物に含まれる溶剤に対する耐溶剤性が著しく改善し、100,000以下であるとインキ化した際に粘度が低下したり、ゲル化しにくくなるため作業性が向上する。
また、アクリルポリマーポリオールとしては、水酸基価が30〜130mgKOH/gのものが好ましく、50〜130mgKOH/gのものがより好ましく、60〜120mgKOH/gのものがさらに好ましい。アクリルポリマーポリオールの水酸基価が30mgKOH/g以上であると、水圧転写フィルム全体の過度の展伸を抑制することができる点で好ましく、130mgKOH/g以下であると、保護層の柔軟性が良好となり、ひび割れ等の不具合が生じない。なお、上記水酸基価は、無水酢酸を用いたアセチル化法によって測定することができる。
(イソシアネート)
イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートであればよく、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートなどのポリイソシアネートが用いられる。
また、必要に応じて、イソシアネート基を適当なブロック剤により保護して不活性化し、加熱によりイソシアネート基が再生するブロックイソシアネートを使用してもよい。ブロック剤としては、例えばフェノール、アルコール、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル等の活性メチレン、オキシム等、公知のブロック剤を用いることができる。
ブロックイソシアネートを使用することにより、水圧転写フィルムにより高い成形性を付与することができ、所望形状に成形した後に成形品を加熱処理し、イソシアネート基を再生、ポリオールと反応、硬化することにより、被転写体との良好な密着性を発現できる。
保護層3には、上述のように、ウレタン樹脂を含有することが好ましい。該ウレタン樹脂としては、非架橋型のもの、すなわち、3次元架橋して網目状の立体的分子構造を持ったものではなく、線状の分子構造を持った熱可塑性樹脂となったものを選択することが好ましい。このような非架橋型のウレタン樹脂としては、ポリオール成分として、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオールを主剤とし、イソシアネートと反応させてなる非架橋型ウレタン樹脂を使用でき、成形性、耐熱性、耐候性などの観点から、ポリエステルポリオールと、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソシアネートとの組合せにより合成されるものが特に好ましい。通常ポリオール1分子中の水酸基数及びイソシアネート1分子中のイソシアネート基はそれぞれ平均2である。
また、ウレタン樹脂としては、ポリオール成分、ポリアミン成分及びイソシアネートの組合せより合成されるウレタンウレア樹脂が好ましく用いられ、ポリオール成分やイソシアネートとしては、上述したものを用いることができる。
ウレタン樹脂としては、ガラス転移点が100℃以下のものが好ましく、20〜100℃のものがより好ましい。ウレタン樹脂のガラス転移点が100℃以下であると、保護層3の常温における柔軟性に優れ、20℃以上であると、加熱により凝集力が著しく低下したり、保護層3が水圧転写時に水に溶解することがなく、好ましい。
保護層3を構成する樹脂組成物におけるアクリルポリマーポリオール又はアクリルポリマーポリオールに必要に応じて添加されるイソシアネートの合計量とウレタン樹脂との比率は、通常質量比で99:1〜50:50であり、95:5〜50:50であると好ましく、90:10〜60:40であるとより好ましく、80:20〜65:35であることが特に好ましい。ウレタン樹脂の比率が高いと転写加工性が向上するが、該比率が高すぎると意匠性に劣る場合がある。
また、上記保護層3を構成する樹脂には、物性を向上させるために、必要に応じて、成形性を損なわない程度に、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又はその硬化剤(イソシアネート等)をさらに添加することができる。
なお、保護層3には、本発明の効果を阻害しない範囲内で着色剤を添加してもよい。着色剤としては、後述する絵柄層で用いられるものと同様のものを用いることができる。着色剤を添加することで、光輝性インキ層と保護層により形成される意匠に、さらに色を加えることができ、意匠性を高めることができる。
また、水圧転写フィルムの製造過程で、見当合わせを容易にすることができるとの利点もある。
保護層は、上述のアクリルポリマーポリオール、必要に応じて添加されるイソシアネート及びその他の樹脂を溶媒に溶解した塗工液を、公知の方法で塗布し、必要に応じて乾燥し、硬化して形成することができる。
保護層の厚さについては、通常、0.1〜25μm程度であり、好ましくは0.5〜10μmの範囲、さらに好ましくは0.5〜5μmの範囲である。
[絵柄層]
本発明の水圧転写フィルムでは、意匠層を構成する層として、絵柄層を設けることができる。絵柄層は、意匠層における位置に応じて、種々の機能を発揮する。
例えば、図3に示す態様では、絵柄層23は水溶性フィルム1と光輝性インキ層21の間に存在するので、当該水圧転写フィルムを被転写体に転写した際に、加飾成形品の表面側に絵柄層23が存在することになる。この態様では、保護層により保護されて高い輝度を有する高輝度部分と、保護層の存在しない、より低輝度の部分とのコントラストを有する光輝性意匠に、さらに絵柄層があいまって、繊細な意匠を表現することができる。
また、図4に示す態様では、絵柄層23は、光輝性インキ層21と保護層22の全体を覆うように存在する。図4に示す態様では、光輝性インキ層21も水溶性フィルム1上に部分的に存在するため、この水圧転写フィルムを被転写体に転写すると、図6に示すような加飾成形品20が得られる。図6に示される加飾成形品は、保護層で覆われていた部分の光輝性インキ層は高輝度部3を有し、その他の部分が相対的に低い輝度を有するため、高輝度と低輝度のコントラストを有する優れた光輝性意匠が部分的に得られ、かつ、光輝性インキ層の存在しない部分には、絵柄層23による絵柄が表現される。さらに、図6に示す態様では、絵柄層23が被転写体の全面を覆っているので、隠蔽層としての機能も有する。
絵柄層に用いる着色剤としては、従来公知のものを適宜選択して用いることができ、例えばチタン白、アンチモン白、鉛白、鉄黒、黄鉛、チタンイエロー、朱、カドミウムレッド、群青、コバルトブルー等の無機顔料;ベンジジンイエロー、イソインドリノンイエロー、ポリアゾレッド、キナクリドンレッド、インダスレンブルー、フタロシアニンブルー、ジスアゾイエロー、不溶性アゾ(レッド)等の有機顔料を用いることができる。
絵柄層の形成に用いる溶剤としては、特に制限はなく、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、多価アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、ニトロ炭化水素類、ニトリル類、アミン類、その他アセタール類、酸類、フラン類等が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
[プライマー層]
本発明においては、意匠層がさらにプライマー層を有し、該プライマー層を、水溶性フィルムと光輝性インキ層との間に配置することができる。この態様により、さらに高い輝度を得ることができる。該プライマー層は、被転写体の被転写面に対し、後述するトップコート層を形成しない場合には、被転写体の最表面に位置する層である。一方、後述するようなトップコート層を設ける態様においては、プライマー層がトップコート層と光輝性インキ層の間に位置し、トップコート層を形成する塗料に含まれる溶剤から光輝性インキ層を保護するため、より高い輝度が得られる。
プライマー層を形成する樹脂組成物は、上記保護層に記載されるものと同様のものを用いることができる。すなわち、アクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物及び/又はその硬化物であることが好ましく、さらにウレタン樹脂などの他の樹脂を含んでいてもよい。
また、その塗工方法については、公知の塗布方法又は印刷方法を用いることができ、例えば、溶媒に溶解した塗工液を公知の方法で塗布するなどして形成することができる。
プライマー層の厚さとしては、通常、0.1〜10μm程度であり、好ましくは0.5〜2μmの範囲である。
[水圧転写フィルムの製造方法]
図1に示す本発明の水圧転写フィルム10は、例えば、水溶性フィルム1の上に光輝性インキ層を形成する工程(A)、該光輝性インキ層上に部分的に保護層を形成する工程(B)により製造することができる。
工程(A)では、光輝性顔料を含む樹脂組成物を公知の塗布方法又は印刷方法によって形成することができる。また、光輝性顔料を含む樹脂組成物から樹脂フィルムを作製しておき、当該樹脂フィルムをラミネートすることにより形成することができる。塗布方法としては、グラビアコート、リバースコート等が挙げられ、印刷方法としては、グラビア印刷等が挙げられる。
光輝性インキ層は、上述のように全面ベタ印刷層であってもよいし、パターン状の柄印刷層(部分印刷層)であってもよい。
一方、工程(B)では、光輝性インキ層上に保護層を部分的に設けることから、グラビア印刷等の印刷法が好適である。
[加飾成形品]
本発明の加飾成形品は、基材(被転写体)上にパターン状の保護層と、光輝性インキ層とを有し、パターン状の保護層の上に光輝性インキ層が重なっており、該保護層の直上部の光輝性インキ層が、相対的に輝度が高く、保護層の存在しない部分の輝度が相対的に低いことが特徴である。
より具体的には、図5に示すように、光輝性インキ層がベタ印刷層の場合、保護層22が存在する部分の直上部は、光輝性インキ層の輝度が相対的に高く(高輝度部3)、その他の部分は輝度が相対的に低くなる。したがって、光輝性インキ層に、輝度の違いによる模様を形成することができる。しかも、保護層のパターン形状は水圧転写フィルムの製造過程で、印刷により制御できるので、所望の形状のコントラスト模様を容易に形成することが可能となる。
また、図6に示す加飾成形品20は、光輝性インキ層21が部分的に形成されているので、光輝性インキ層自体で模様を形成することができ、かつ、光輝性インキ層をコントラスト模様とすることができるので、より繊細な意匠を表現することができる。しかも、部分的に形成される光輝性インキ層の形状、及び保護層のパターン形状は、水溶性フィルム上への印刷によって制御することができるので、所望の形状を簡便に得ることができる。
当該加飾成形品は、上述の水圧転写フィルムを用いて、以下に詳述する方法によって製造することができる。
[加飾成形品の製造方法]
本発明の水圧転写フィルムを用いて、下記の工程(a)〜(d)により加飾成形品を製造することができる。
工程(a):水圧転写フィルム10を水溶性フィルム1側が水面側に向くように水面に浮遊させる工程。
工程(b):水圧転写フィルム10の意匠層2側に活性剤組成物を塗布する工程。
工程(c):該工程(a)及び(b)を経た水圧転写フィルム10上に被転写体を押圧し、水圧によって意匠層2を被転写体の被転写面に密着させる工程。
工程(d):該被転写体の被転写面上より水溶性フィルム1を除去する脱膜工程。
また、上記の工程(d)に次いで下記の工程(e)を備えていてもよい。
工程(e):被転写体の被転写面上にトップコート層を形成する工程。
<工程(a)>
工程(a)は、工程(b)の前又は後に行うことができる。水圧転写フィルム10は、水溶性フィルム1側が水面側に向くように水面上に浮遊させる。水圧転写フィルム10を水面に浮遊させるには、枚葉の印刷物を1枚ずつ浮遊させてもよく、また水を一方向に流し、その水面上に連続帯状の水圧転写フィルム10を、連続的に供給して浮遊させてもよい。
<工程(b)>
工程(b)は、工程(a)の前又は後に行うことができ、意匠層2に活性剤組成物を塗布する工程である。この工程で活性剤組成物を塗布することにより、光輝性インキ層21や保護層22の少なくとも一部が溶解乃至膨潤して軟化し(活性化し)、被転写体4と密着しやすくなる。
ここで、保護層は溶剤を一部浸透させるが、アクリルポリマーポリオールを含有するため、該溶剤によるアタックを抑制することができる。したがって、保護層に覆われた部分は、光輝性インキ層中の光輝性顔料の配向の乱れが少なく、高い輝度を維持すると考えられる。一方、保護層がない部分については、活性剤による溶剤アタックを直接受けるため、光輝性顔料の配向の乱れが、より多く起こり、輝度を低下させると考えられる。
以上のことから、当該転写フィルムを被転写体に転写した際に、高輝度の部分と低輝度の部分が模様として現れ、優れた光輝性の意匠が得られると考えている。
(活性剤組成物)
活性剤組成物は、光輝性インキ層21や保護層22を活性化して、被転写体の被転写面に転写させる機能を有する組成物であれば特に制限はなく、また、被転写体の被転写面に各層を転写させるまで蒸発しないような性状を有することが好ましい。このような活性剤組成物としては、例えばエステル類、アセチレングリコール類、エーテル類、及び樹脂を含む組成物が好ましく挙げられる。
エステル類としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチル、シュウ酸ジブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソオクチルなどが好ましく挙げられる。
アセチレングリコール類としては、メトキシブチルアセテート、エトキシブチルアセテート、エチルカルビトールアセテート、プロピルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどが好ましく挙げられる。
エーテル類としては、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、イソアミルセロソルブなどが好ましく挙げられる。
また、樹脂としては、アクリレート系単量体の単独又は共重合体などの熱可塑性樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フタル酸アルキド樹脂、フタル酸ジアリル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂などが好ましく挙げられ、なかでも熱硬化性樹脂が好ましい。
本発明で用いられる活性剤組成物の好ましい各組成の含有量は、エステル類では5〜40質量%、アセチレングリコール類では40〜80質量%、エーテル類では5〜30質量%、及び樹脂では1〜20質量%程度である。
活性剤組成物の塗布は、グラビア印刷やスプレーコート法などにより行えばよく、その塗布量は通常1〜50g/m2であり、好ましくは3〜30g/m2であり、さらに好ましくは10〜20g/m2である。
<工程(c)>
工程(c)は、工程(a)及び工程(b)を経た水圧転写フィルム10上に被転写体を押圧し、水圧によって意匠層2(少なくとも光輝性インキ層21及び保護層22)を被転写体の被転写面に密着させる工程である。意匠層2がさらに絵柄層23、プライマー層を含む場合には、光輝性インキ層21、保護層22と共に、絵柄層23及びプライマー層も同時に転写される。
水圧転写フィルム10を浮かべ、水圧を印加するための水は、該水圧転写フィルム10の水溶性フィルム1の種類などに応じ、適宣水温を調整するのがよく、好ましくは25〜50℃程度、より好ましくは25〜35℃である。
また、本発明の水圧転写フィルム10と被転写体との転写時間は、20〜120秒程度が好ましく、より好ましくは30〜60秒程度である。
(被転写体)
被転写体としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、繊維系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂、あるいはこれらを混合した樹脂のほか、鉄、アルミニウム、銅などの金属、陶磁器、ガラス、琺瑯などのセラミックス、木材などの材料からなる構造体を使用することができる。
また、被転写面の形状は、平面形状である二次元形状であってもよいし、凹凸形状や曲面形状などの三次元形状であってもよい。これらの中で、通常、樹脂製構造体が多用される。この樹脂製構造体は、成型時において離型剤が付着するとともに、ゴミや脂分なども付着することがあり、水圧転写フィルムの各層を密着性よく転写させるために、予め脱脂液により被転写面を清浄化しておくことが好ましい。
工程(c)において、意匠層2側に塗布した活性剤組成物は被転写体と接し、該被転写体の表面を溶解させることで、本発明の水圧転写フィルム10と被転写体との密着性をさらに良好なものとすることができる。
<脱膜工程(d)>
脱膜工程(d)は、工程(c)の後に行われ、被転写体の被転写面上より水溶性フィルム1を除去する工程である。
被転写体の被転写面上に付着している水溶性フィルム1の除去は、例えば、水を用いてシャワー洗浄することで行うことができる。なお、シャワー洗浄の条件は、水溶性フィルム1を形成する材料などにより異なるが、通常は水温15〜60℃程度、洗浄時間10秒〜5分程度が好ましい。そして、工程(d)の後、被転写体を十分乾燥し水分を蒸発させれば、被転写体の被転写面に転写された高輝度部分と低輝度部分の輝度差のある模様が付与された樹脂成形品が得られる。
<工程(e)>
工程(e)は、被転写体の被転写面上に、必要に応じトップコート層を形成する工程である。
当該工程(e)においては、前記工程(d)にて被転写体の被転写面に転写された意匠層に対し、表面強度向上、表面保護、表面艶調整などのために必要に応じ塗装を施し、透明ないし半透明のトップコート層を形成する。このトップコート層を形成する材料としては、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂)など、具体的にはウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ケイ素系樹脂などが用いられる。トップコート層の形成は、上記の樹脂を公知の有機溶剤に溶解して得た塗料を用いて、スプレー塗装、静電塗装、刷毛塗り、浸漬塗装、など公知の塗装方法により行うことができる。トップコート層の厚さは、特に制限はないが、好ましくは1〜25μmであり、より好ましくは1〜10μmである。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
(水圧転写フィルムの製造)
水溶性フィルムとして、PVAフィルム(厚さ40μm)を用い、その片面に光輝性顔料を含む樹脂からなる着色剤組成物を塗工し、厚さ1μmの光輝性インキ層(ベタ印刷層)を形成した。光輝性インキ層を構成する着色剤組成物としては、硝化綿とアルキド樹脂の混合物からなるバインダー樹脂100質量部に対して、平均直径11μm、平均厚み0.5μmのアルミニウムフレークからなる光輝性顔料を35質量部含有するもの(DIC−G社製「GTカラー SMシルバー」)を用いた。
次に、該光輝性インキ層上に、アクリルポリマーポリオール(重量平均分子量:30,000、水酸基価:80mgKOH/g)を含むインキを塗工し、厚さ1μmのパターン状の保護層を形成し、図1に模式図を示す水圧転写フィルムを製造した。
(加飾成形品の製造)
上述のようにして得た水圧転写フィルムの意匠層表面側に、下記組成の活性剤組成物を10g/m2塗布し、水溶性フィルム側が水面側を向くように水面に浮遊させた後、水圧転写フィルム上に被転写体を押圧し、水圧によって意匠層(光輝性インキ層層及び保護層)を被転写体の被転写面に密着させる転写工程を経て、該被転写体の被転写面上より水溶性フィルムを除去する脱膜工程を行った。さらに被転写面上に2液硬化型のウレタン樹脂をスプレー塗装することにより、厚さ10μmのトップコート層を形成した。
図7に、上述の方法で作製した加飾成形品の意匠面の写真を示す。図7に示されるように、高輝度部分と低輝度部分が、線状の模様をなした光輝性意匠を有する加飾成形品が得られた。以上のように、実施例1により、高輝度部分と低輝度部分が模様をなし、優れた意匠性を有するメタリック調の加飾成形品が得られることがわかる。
(活性剤組成物の組成)
フタル酸系アルキド樹脂 6質量部
マイクロシリカ(顔料) 2質量部
フタル酸ジブチル 17質量部
溶剤(ブチルカルビトールアセテート) 60質量部
溶剤(ブチルセロソルブ) 15質量部
本発明の水圧転写フィルムによれば、高輝度部分と低輝度部分が模様をなし、優れた意匠性を有するメタリック調の加飾成形品が得られる。また、意匠の制御が容易であり、高い生産性で上記加飾成形品が得られる。
また、本発明の加飾成形品は、優れた金属調(金属光沢)の意匠を有し、自動車内装品、家電製品又はOA機器等に有用である。
1.水溶性フィルム
2.意匠層
21.光輝性インキ層
22.保護層
23.絵柄層
3.高輝度部
4.基材(被転写体)
10.水圧転写フィルム
20.加飾成形品

Claims (7)

  1. 水溶性フィルム上に意匠層を有する水圧転写フィルムであって、該意匠層が水溶性フィルム側から、少なくとも光輝性顔料を含む樹脂からなる光輝性インキ層と、アクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物及び/又はその硬化物からなる保護層をこの順に有し、かつ該保護層は光輝性インキ層上に部分的に存在することを特徴とする水圧転写フィルム。
  2. 前記光輝性インキ層がパターン状である請求項1に記載の水圧転写フィルム。
  3. 前記意匠層がさらに絵柄層を有する請求項1又は2に記載の水圧転写フィルム。
  4. 基材上にパターン状の保護層と、光輝性インキ層とを有する加飾成形品であって、パターン状の保護層の上に光輝性インキ層が重なっており、該保護層の直上部の光輝性インキ層が相対的に高輝度であり、それ以外の部分の光輝性インキ層が相対的に低輝度であることを特徴とする加飾成形品。
  5. 前記光輝性インキ層の上に絵柄層を有する請求項4に記載の加飾成形品。
  6. 前記基材と保護層との間に絵柄層を有する請求項4に記載の加飾成形品。
  7. 最表面にトップコート層を有する請求項4〜6のいずれかに記載の加飾成形品。
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