JP2016190331A - 加飾成形品及びその製造方法 - Google Patents

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健太 高山
孝志 飯塚
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Abstract

【課題】高い立体感と、観察する角度によって意匠性が変化するような独特の意匠を有しており、かつ、生産コストが低減された加飾成形品を提供する。
【解決手段】高艶調成形品と、前記高艶調成形品表面の一部に設けられた絵柄層とを有する、加飾成形品。
【選択図】なし

Description

本発明は、加飾成形品及びその製造方法に関する。
建材、自動車内装品、家電製品、OA機器などには表面に木目調や金属調などの装飾が施された成形品が利用されている。これらの成形品は複雑な三次元形状を有するものが多く、従来、その複雑な形状からなる成形品に意匠性の高い装飾を簡便に施す方法が検討されている。
こうした装飾方法の一つとして、水圧を利用した水圧転写法が知られている。水圧転写法では、水溶性または水膨潤性の水溶性フィルムに、所望の装飾層を印刷した転写フィルムを用意し、該転写フィルムの装飾層に、有機溶剤からなる活性剤組成物を塗布して、該装飾層を膨潤、粘着化させる(これを活性化という)。その前または後に、上記転写フィルムを転写用の装飾層(印刷層)面を上面にして、水面上に浮遊させ、次いで、該転写フィルム上に被転写体となる物品を押圧して、水圧によって転写フィルムを被転写体の装飾処理をすべき被転写面に密着させた後、水溶性フィルムを除去して装飾層を転写する。
このような水圧転写法は、立体面への転写加工性、クリア塗装官等の「深み」や、高品質な柄表現が出来るなどの意匠性の点で、優れた曲面加飾法であることが知られている。このような水圧転写法を用いて得られた加飾成形品は、樹脂成形品に対して高い立体感を表出した意匠を有することが知られている。
例えば、特許文献1には、水溶性フィルム上に意匠層を有する水圧転写フィルムを用いて、バインダー樹脂及び艶消し剤を含む低艶部分と、アクリルポリマーポリオールまたはその硬化物を含む高艶部分との艶の差によって強いコントラストを表現する手法により、凹凸感を有する意匠を表現する加飾成形品を製造できることが開示されている。
特開2013−240976号公報
しかしながら、例えば特許文献1に開示されたような方法では、高艶部分であるアクリルポリマーポリオール層の転写加工性がやや劣る。また、この方法においては、低艶部分と高艶部分の2層を設ける必要がある。よって、特許文献1に開示された方法によって、加飾成形品に高い立体感を表出させるためには、生産コストが増大するという問題がある。
このような状況下、本発明は、高い立体感を表出する意匠を有し、かつ、生産コストが低減された加飾成形品、及びその製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、高艶調成形品と、当該高艶調成形品表面の一部に設けられた絵柄層とを有する加飾成形品は、高い立体感と、観察する角度によって意匠性が変化するような独特の意匠を有する加飾成形品とすることができ、さらに、加飾成形品の生産コストを低減できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 高艶調成形品と、前記高艶調成形品表面の一部に設けられた絵柄層とを有する、加飾成形品。
項2. 前記高艶調成形品は、前記絵柄層側の表面のグロス値(60°)が70以上である、項1に記載の加飾成形品。
項3. 前記高艶調成形品は、基材層と、高艶樹脂層との積層体であり、
前記高艶樹脂層が前記絵柄層側に積層されている、項1または2に記載の加飾成形品。
項4. 前記高艶樹脂層は、アクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物の硬化物により形成されている、項3に記載の加飾成形品。
項5. 前記絵柄層は、水圧転写法により形成された、項1〜4のいずれかに記載の加飾成形品。
項6. 前記絵柄層上にトップコート層をさらに有する、項1〜5のいずれかに記載の加飾成形品。
項7. 前記トップコート層は、艶消し調である、項6に記載の加飾成形品。
項8. 高艶調成形品と、前記高艶調成形品表面の一部に設けられた絵柄層とを有する、加飾成形品の製造方法であって、
水溶性フィルムと、前記水溶性フィルム上の一部に設けられた絵柄層とを有する水圧転写フィルムを用いて、高艶調成形品上に絵柄層を転写する工程を備える、加飾成形品の製造方法。
項9. 前記高艶調成形品は、表面のグロス値(60°)が70以上である、項8に記載の加飾成形品の製造方法。
項10. 前記高艶調成形品は、基材層と、高艶樹脂層との積層体であり、
前記高艶樹脂層が前記絵柄層側に積層されている、項8または9に記載の加飾成形品の製造方法。
本発明によれば、高い立体感と、観察する角度によって意匠性が変化するような独特の意匠を有しており、さらには、転写加工性の低い意匠層を設ける必要が無いため、生産コストを低減することもできる加飾成形品を提供することができる。さらに、本発明によれば、当該加飾成形品の好適な製造方法を提供することもできる。
本発明の加飾成形品の構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の加飾成形品の構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の加飾成形品の構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の加飾成形品の製造に用いる水圧転写フィルムの構成の一例を示す概略断面図である。
本発明の加飾成形品は、高艶調成形品と、前記高艶調成形品表面の一部に設けられた絵柄層とを有することを特徴とする。本発明加飾成形品においては、このような構成を備えているため、高い立体感と、観察する角度によって意匠性が変化するような独特の意匠を有しており、さらには、転写加工性の低い意匠層を設ける必要が無いため、生産コストを低減することもできる。本発明の加飾成形品は、後述の水圧転写法によって好適に製造することができる。なお、本発明において、「高艶調成形品表面の一部に設けられた絵柄層」には、高艶調成形品の全面に、絵柄層が設けられた部分と設けられていない部分とがパターン状または非パターン状に形成されている態様が含まれる。
前述の通り、従来の加飾成形品(特に、水圧転写法によって製造される加飾成形品)においては、成形品上に、絵柄層と、低艶部分と高艶部分とを有する意匠層とを形成することにより、高い立体感を表出した意匠が付与されている。そのような意匠は、例えば、水溶性フィルム上に、上記低艶部分と高艶部分とを有する意匠層と、上記絵柄層とを順に有する水圧転写フィルムを用いた水圧転写法により形成される。しかしながら、このような水圧転写フィルムによる加飾は、意匠層においてアクリルポリマーポリオールが使用されるため、転写加工性が十分ではない。さらに、この方法においては、低艶部分と高艶部分の2層を設ける必要がある。このため、従来の方法によって、加飾成形品に高い立体感を表出させるためには、生産コストが増大するという問題がある。
これに対して、本発明の加飾成形品においては、加飾前の成形品の表面を、高艶調(すなわち、成形品表面自体を高艶調とする)とし、その高艶調成形品の表面の一部に絵柄層2を設けることにより、高い立体感と、観察する角度によって意匠性が変化するような独特の意匠を有しており、かつ、転写加工性の低い意匠層を設ける必要が無いため、生産コストを低減することもできる。以下、本発明の加飾成形品について、図1〜3を参照しながら詳述する。
[加飾成形品]
図1〜3は、本発明の加飾成形品の構成の一例を示す概略断面図である。図1に示されるように、本発明の加飾成形品10は、高艶調成形品1及び絵柄層2を有する。高艶調成形品1は、少なくとも絵柄層2側の表面が高艶調である。
絵柄層2は、高艶調成形品1の高艶調表面の一部に設けられている。すなわち、高艶調成形品1の表面は、絵柄層2が設けられた部分と、絵柄層2が設けられていない部分とからなる。このため、本発明の加飾成形品10を絵柄層2側から見た場合、絵柄層2が設けられた部分と、絵柄層2が設けられていない、高艶調成形品1の高艶調表面とが視認される。本発明の加飾成形品10は、このような構成を備えるため、絵柄層2と絵柄層2が設けられていない高艶調成形品1の高艶調表面の艶のコントラストにより、高い立体感と、観察する角度によって意匠性が変化するような独特の意匠を有する。
また、図2に示されるように、本発明の加飾成形品10において、高艶調成形品1は、基材層1aと、高艶樹脂層1bとの積層体であり、当該高艶樹脂層1bが絵柄層2側に積層されたものであってもよい。
さらに、図3に示されるように、本発明の加飾成形品10は、必要に応じて、絵柄層2上にトップコート層3をさらに有していてもよい。以下、本発明の加飾成形品10を構成する各層について詳述する。
<高艶調成形品1>
高艶調成形品1は、少なくとも絵柄層2側の表面が、高艶調である。前述の通り、本発明の加飾成形品10においては、高艶調成形品1の高艶調表面の一部が、絵柄層2によって覆われているため、加飾成形品10を絵柄層2側から見た場合に、絵柄層2と絵柄層2が設けられていない高艶調成形品1の高艶調表面の艶のコントラストにより、高い立体感と、観察する角度によって意匠性が変化するような独特の意匠を表出する。
本発明の加飾成形品10が奏する意匠性をより一層高める観点からは、高艶調成形品1の絵柄層2側の表面のグロス値(60°)としては、好ましくは70以上、より好ましくは90以上が挙げられる。なお、グロス値(60°)の上限値としては、95程度が好ましい。当該本発明において、当該グロス値(60°)は、市販のグロスメーターを用いて、艶消調成形品の表面に対する光の入射角60°の条件として測定されたグロス値であり、任意の3点を測定した平均値である。
高艶調成形品1の表面を高艶調にする方法としては、特に制限されないが、基材層1aと高艶樹脂層1bとの積層体とすること好ましい。当該積層体からなる高艶調成形品1において、高艶樹脂層1bを絵柄層1a側に積層することにより、高艶調成形品1の表面を高艶調にすることができる。
高艶樹脂層1bを構成する素材としては、高艶調成形品1の表面を高艶調にできる素材であれば、特に制限されないが、本発明の加飾成形品10が奏する意匠性をより一層高める観点からは、好ましくはアクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物の硬化物が挙げられる。当該硬化物は完全硬化されたものであってもよいし、半硬化状態であってもよい。また、アクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物と該樹脂組成物の硬化物が混合された状態であってもよい。また、高艶調成形品1を形成する樹脂組成物には、アクリルポリマーポリオールに加えて、さらにイソシアネートを含有させることもできる。イソシアネートはアクリルポリマーポリオールの硬化剤であって、イソシアネートを含有させることで、当該樹脂組成物の少なくとも一部を硬化状態又は半硬化状態とする。
(アクリルポリマーポリオール)
上記アクリルポリマーポリオールは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求められる、標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量が1,000〜100,000であることが好ましく、5,000〜80,000であることがより好ましく、20,000〜50,000であることが特に好ましい。
また、アクリルポリマーポリオールとしては、水酸基価が30〜130mgKOH/gのものが好ましく、50〜130mgKOH/gのものがより好ましく、60〜120mgKOH/gのものがさらに好ましい。
(イソシアネート)
イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートであればよく、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートなどのポリイソシアネートが用いられる。
また、必要に応じて、イソシアネート基を適当なブロック剤により保護して不活性化し、加熱によりイソシアネート基が再生するブロックイソシアネートを使用してもよい。ブロック剤としては、例えばフェノール、アルコール、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル等の活性メチレン、オキシム等、公知のブロック剤を用いてもよい。
ブロックイソシアネートを使用することにより、高艶樹脂層1bにより高い成形性を付与することができ、所望形状に成形した後に成形品を加熱処理し、イソシアネート基を再生、ポリオールと反応、硬化することにより、絵柄層2と良好な密着性を発現できる。
上記高艶樹脂層1bを構成する樹脂組成物には、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル・ウレタン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどを含有させてもよい。これらのうち、特にウレタン樹脂はアクリルポリマーポリオールとの相溶性が高く、好ましい。
また、上記高艶樹脂層1bには、本発明の効果を阻害しない範囲内で着色剤を添加してもよい。着色剤としては、後述する絵柄層で用いられるものと同様のものを用いることができる。
(ウレタン樹脂)
ウレタン樹脂としては、非架橋型のもの、すなわち、3次元架橋して網目状の立体的分子構造を持ったものではなく、線状の分子構造を持った熱可塑性樹脂となったものを選択することが好ましい。このような非架橋型のウレタン樹脂としては、ポリオール成分として、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオールを主剤とし、イソシアネートと反応させてなる非架橋型ウレタン樹脂を使用でき、成形性、耐熱性、耐候性、絵柄層2との密着性等の観点から、ポリエステルポリオールと、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネートとの組合せにより合成されるものが特に好ましい。通常ポリオール1分子中の水酸基数及びイソシアネート1分子中のイソシアネート基はそれぞれ平均2である。
また、ウレタン樹脂としては、ポリオール成分、ポリアミン成分及びイソシアネートの組合せより合成されるウレタンウレア樹脂が好ましく用いられ、ポリオール成分やイソシアネートとしては、前述したものを用いることができる。
ウレタン樹脂としては、ガラス転移点が100℃以下のものが好ましく、20〜100℃のものがより好ましい。ウレタン樹脂のガラス転移点が100℃以下であると、高艶部分2bの常温における柔軟性に優れ、20℃以上であると、加熱により凝集力が著しく低下したり、高艶樹脂層1bが水圧転写時に水に溶解することがなく、好ましい。
高艶樹脂層1bを構成する樹脂組成物におけるアクリルポリマーポリオール又はアクリルポリマーポリオールに必要に応じて添加されるイソシアネートの合計量とウレタン樹脂との比率は、通常質量比で99:1〜50:50であり、95:5〜50:50であることが好ましく、90:10〜60:40であるとより好ましく、80:20〜68:32であることが特に好ましい。
高艶樹脂層1bは、高艶樹脂層1bを構成する樹脂組成物(例えば、前述のアクリルポリマーポリオール、イソシアネート、ウレタン樹脂、及びその他の樹脂)を溶媒に溶解した塗工液を、公知の方法で塗布し、必要に応じて乾燥し、硬化して形成することができる。高艶樹脂層1bの厚みについては、好ましくは1〜25μm程度であり、より好ましくは、1〜15の範囲である。
基材層1aを構成する素材としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、繊維系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂、あるいはこれらを混合した樹脂のほか、鉄、アルミニウム、銅などの金属、陶磁器、ガラス、琺瑯などのセラミックス、木材などの材料からなる構造体を使用することができる。また、基材層1aの形状についても、特に制限されず、平面形状である二次元形状であってもよいし、凹凸形状や曲面形状などの三次元形状であってもよい。高艶調成形品1としては、樹脂製構造体が多用される。
また、本発明においては、高艶調成形品1を、前述の高艶樹脂層1aと同様にして、アクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物の硬化物により形成してもよい。この場合、高艶調成形品1の形状については、特に制限されず、平面形状である二次元形状であってもよいし、凹凸形状や曲面形状などの三次元形状であってもよい。高艶調成形品1としては、樹脂製構造体が多用される。高艶調成形品1は、例えば前述のような素材を用いて、公知の成形方法で作製することができる。
<絵柄層2>
絵柄層2は、加飾成形品10に装飾性を与える層である。絵柄層2によって形成される模様は、特に限定されず、例えば、木目模様、大理石模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様など挙げられ、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様も挙げられる。
本発明の加飾成形品10において、絵柄層2は、高艶調成形品1表面の一部に設けられ、絵柄層2が設けられていない抜けの部分を有している。例えば、木目模様においては、導管部分が絵柄の抜けになり、それ以外の部分に絵柄が設けられる。このような絵柄層の構成により、本発明の加飾成形品10は、絵柄層2が設けられていない抜けの部分である高艶調成形品1の高艶調表面と絵柄層2との艶のコントラストにより、高い立体感が表出された意匠を有する。さらに、観察する角度によって意匠性が変化するような独特の意匠を表出する。
なお、高艶調成形品1が、前述した基材層1aと高艶樹脂層1bとからなる場合は、図2に示すように、絵柄層2は、高艶樹脂層1b表面の一部に設けられる。
絵柄層2は、通常、バインダー樹脂と着色剤とを含有する。絵柄層2のバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂が挙げられ、具体例としては、アクリル樹脂、アルキッドなどのポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂(例えばポリエステルウレタン系樹脂)、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール(ブチラール系樹脂)、硝化綿などのニトロセルロース系樹脂が挙げられる。バインダー樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルーなどの有機顔料または染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが用いられる。
絵柄層2の形成は、例えば、水圧転写法などの公知の方法で行うことができる。なかでも、高い立体感と、観察する角度によって意匠性が変化するような独特の意匠を表出した意匠を加飾成形品10に付与できる点で、絵柄層2は水圧転写法により形成されることが好ましい。
絵柄層2の厚みとしては、特に制限されないが、高い立体感と、観察する角度によって意匠性が変化するような独特の意匠を表出した意匠を加飾成形品10に付与する観点からは、好ましくは1〜25μm程度、より好ましくは1〜15μm程度が挙げられる。
水圧転写法は、水圧転写フィルム20を用いて成形品を加飾する方法である。水圧転写フィルム20は、水溶性フィルム4と、上記水溶性フィルム4上に絵柄層2が設けられているフィルムであることが好ましい。本発明の加飾成形品10の絵柄層2は、水圧転写フィルムの絵柄層2が、高艶調成形品1上に転写されて形成されたものであることが好ましい。
図4は、水圧転写フィルムの一例の概略断面図を示す。図4に示すように、水圧転写フィルム20は、水溶性フィルム4上に、絵柄層2を備えたものである。
水溶性フィルム4を構成する樹脂としては、例えばポリビニルアルコール樹脂、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白質、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸との共重合体、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどの各種水溶性ポリマーが挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が混合されて用いられてもよい。なお、水溶性フィルム4には、マンナン、キサンタンガム、グアーガムなどのゴム成分が添加されていてもよい。
水溶性フィルム4のうち、特に生産安定性と水に対する溶解性及び経済性の点から、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂フィルムが好ましい。なお、ポリビニルアルコール樹脂フィルムは、PVA以外に、澱粉やゴムなどの添加剤を含有していてもよい。
ポリビニルアルコール樹脂フィルムは、ポリビニルアルコールの重合度、ケン化度、及び澱粉やゴムなどの添加剤の配合量などを変えることにより、水溶性フィルム4に対して転写用の印刷層(絵柄層2)を形成する際に必要な機械的強度、取り扱い中の耐湿性、水面に浮かべてからの吸水による柔軟化の速度、水中での延展または拡散に要する時間、転写工程での変形のし易さなどを適宜調節することができる。
ポリビニルアルコール樹脂フィルムからなる水溶性フィルム4として好適なものは、特開昭54−92406号公報に説明されているようなものであり、例えば、PVA樹脂80質量%、高分子水溶性樹脂15質量%、澱粉5質量%の混合組成からなり、平衡水分3%程度のものが好適である。
また、ポリビニルアルコール樹脂フィルムは水溶性ではあるが、水に溶解する前段階では水に膨潤して軟化しつつもフィルムとして存続することが好ましい。フィルムとして存続している状態にあるときに水圧転写を行なうことにより、水圧転写時の転写用の印刷層の過度の流動、変形を防止することができるからである。
水溶性フィルム4の厚さとしては、10〜100μmが好ましい。10μm以上であると、フィルムの均一性が良好で、かつ生産安定性が高い。一方、100μm以下であると、水に対する溶解性が適度であり、かつ印刷適性に優れる。以上の観点から、水溶性フィルムの厚さは、20〜60μmの範囲がより好ましい。
なお、水溶性フィルム4は、例えば紙、不織布、布などの水浸透性を有する基材と積層して使用することもできるが、このような水浸透性を有する基材と水溶性または水膨潤性を有する水溶性フィルム4とを積層したときには、水圧転写フィルム20を水面に浮かべる前に、水浸透性を有する基材を水溶性または水膨潤性を有する水溶性フィルム4から分離させるか、または水面に浮かべた後の水の作用によって水溶性または水膨潤性を有する水溶性フィルム4から水浸透性を有する基材が分離するように構成しておくことが好ましい。
水圧転写フィルム20の絵柄層2の構成は、本発明の加飾成形品10の絵柄層2と同様の構成であることが好ましい。
水圧転写フィルム20は、上記水溶性フィルム4上に、絵柄層2を構成する塗工液を用いて公知の塗布方法または印刷方法により、あるいは樹脂フィルムをラミネートすることにより絵柄層2を形成して、製造することができる。上記塗布方法としては、グラビアコート、リバースコート等が挙げられ、印刷方法としては、グラビア印刷等が挙げられる。
水圧転写フィルム20を用いた絵柄層2の具体的な形成方法については、後段の本発明の加飾成形品の製造方法の項において述べる。
<トップコート層3>
本発明の加飾成形品10は、絵柄層2上に、トップコート層3をさらに有していてもよい。トップコート層3を有することにより、絵柄層2を保護したり、表面強度を高めたり、表面の艶を調整することができる。
図3は、絵柄層2上にトップコート層3を有する、本発明の加飾成形品10の構成の一例を示す概略断面図である。
トップコート層3を形成する材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などが選択され、具体的には、ウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ケイ素系樹脂などが挙げられる。
トップコート層3の形成は、前述の樹脂を公知の有機溶剤に溶解して得た塗料を用いて、スプレー塗装、静電塗装、刷毛塗り、浸漬塗装、など公知の塗装方法により行うことができる。
トップコート層3は、艶消し調であってもよい。トップコート層3が艶消し調である場合、トップコート層3は、艶消し剤を含んでいることが好ましい。
艶消し剤としては、例えば、シリカ、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸塩、及びケイ酸微粉末から選択される無機フィラーや、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、または尿素系樹脂から選択される有機フィラーまたは樹脂ビーズが挙げられ、いずれか1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中でも、高い立体感と、観察する角度によって意匠性が変化するような独特の意匠を加飾成形品10に付与する観点からは、好ましくはシリカ、炭酸カルシウム、沈降性バリウムが挙げられ、より好ましくはシリカが挙げられる。
艶消し剤の体積平均粒径は、好ましくは0.5〜25μmであり、より好ましくは1〜15μm、さらに好ましくは1〜10μm、さらにより好ましくは1〜5μm、特に好ましくは1〜3μmである。艶消し剤の体積平均粒径が25μm以下であれば、界面積が増大することによって加工時の応力が拡散し、界面に発生したボイド等がエネルギーを吸収したり、粒子間距離が小さくなることによって粒子、またはボイド間で塑性変形が生じ、伸張時の白化を抑制することができる。また、艶消し剤の体積平均粒径が0.5μm以上であると、艶消し効果の観点から好ましい。なお、ここで言う体積平均粒径は、レーザー回折−散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径である。
艶消し剤のJIS K 5101−13−1:2004に準拠して測定した吸油量としては、230mL/100g以上、好ましくは230〜400mL/100gであり、230〜350mL/100gであることがより好ましく、230〜300mL/100gであることがさらに好ましい。吸油量が230mL/100g以上の艶消し剤を用いることが艶消し効果の観点から好ましく、また吸油量が400mL/100g以下の艶消し剤を用いることが、艶消し剤を塗工液に適用する場合、適度なチキソ性を維持して塗工適性を損なわないとの観点から好ましい。
なお、上記艶消し剤は、表面処理をしたものであってもよい。このような表面処理は成形加工時のクラックや白化を抑制できるため好ましい。処理の手法としては、上記効果を奏するものであれば特に制限はなく、有機材料による表面処理であっても、無機材料による表面処理であってもよい。特に、シランカップリング処理などが好適に挙げられる。
トップコート層3が艶消し剤を含む場合、トップコート層に4おける艶消し剤の含有量としては、好ましくは1〜40質量%程度、より好ましくは20〜40質量%程度が挙げられる。
トップコート層3の厚みとしては、特に制限されず、好ましくは1〜25μmであり、より好ましくは1〜15μmである。
[加飾成形品の製造方法]
本発明の加飾成形品を製造する方法としては、特に制限されないが、水溶性フィルムと、水溶性フィルム上の一部に設けられた絵柄層とを有する水圧転写フィルムを用いて、高艶調成形品上に絵柄層を転写する工程を有する水圧転写法が好適である。
水溶性フィルム4と、水溶性フィルム4上の一部に設けられた絵柄層2とを有する水圧転写フィルム20については、前述の通りである。
水圧転写フィルム20を用いて、高艶調成形品1上に絵柄層2を転写する工程は、具体的には、以下の工程(a)から工程(d)を含む。
すなわち、本発明の加飾成形品10は、具体的には、以下の工程(a)から工程(d)を含む方法により、好適に製造することができる。
工程(a)水圧転写フィルムを、水溶性フィルム側が下向きで水面側に向くように水面に浮遊させる工程
工程(b)上記水圧転写フィルムの絵柄層側に活性剤組成物を塗布する活性剤塗布工程
工程(c)該工程(a)及び(b)を経た、水面に浮遊している水圧転写フィルム上に高艶調成形品を押圧し、水圧によって上記絵柄層を高艶調成形品の高艶調表面に密着させる工程
工程(d)高艶調成形品の高艶調表面に密着した水溶性フィルムを除去する脱膜工程
また、上記工程(d)に次いで、下記の工程(e)を備えていてもよい。
工程(e):高艶調成形品上に形成された絵柄層の上に、トップコート層を形成する工程
<工程(a)>
工程(a)は、工程(b)の前または後に行うことができる。工程(a)では、水圧転写フィルム20を、水溶性フィルム4側が下向きで水面側に向くように水面上に浮遊させる。水圧転写フィルム20を水面に浮遊させるには、枚葉の印刷物を1枚ずつ浮遊させてもよく、また水を一方向に流し、その水面上に連続帯状の水圧転写フィルム20を、連続的に供給して浮遊させてもよい。
<工程(b)>
工程(b)は、工程(a)の前または後に行うことができ、水圧転写フィルム20の絵柄層2側に活性剤組成物を塗布する工程である。この工程で活性剤組成物を塗布することにより、絵柄層2の少なくとも一部が溶解乃至膨潤して軟化し(活性化し)、被転写体である高艶調成形品1と密着しやすくなる。
(活性剤組成物)
絵柄層2に塗布する活性剤組成物は、絵柄層2を活性化して、被転写体(すなわち、高艶調成形品1)の被転写面(すなわち、高艶調表面)に転写させる機能を有する組成物であれば特に制限はなく、また、被転写体の被転写面に各層を転写させるまで蒸発しないような性状を有することが好ましい。このような活性剤組成物としては、例えばエステル類、アセチレングリコール類、エーテル類、及び樹脂を含む組成物が好ましく挙げられる。
エステル類としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチル、シュウ酸ジブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソオクチルなどが好ましく挙げられる。アセチレングリコール類としては、メトキシブチルアセテート、エトキシブチルアセテート、エチルカルビトールアセテート、プロピルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどが好ましく挙げられる。エーテル類としては、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、イソアミルセロソルブなどが好ましく挙げられる。
また、樹脂としては、アクリレート系単量体の単独または共重合体などの熱可塑性樹脂や、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フタル酸アルキッド樹脂、フタル酸ジアリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂などが好ましく挙げられ、なかでも熱硬化性樹脂が好ましい。
本発明で用いられる活性剤組成物の好ましい各組成の含有量は、エステル類では5〜40質量%、アセチレングリコール類では40〜80質量%、エーテル類では5〜30質量%、及び樹脂では1〜20質量%程度である。
活性剤組成物の塗布は、グラビア印刷やスプレーコート法などにより行えばよく、その塗布量は通常1〜50g/m2であり、好ましくは3〜30g/m2であり、さらに好ましくは10〜20g/m2である。
<工程(c)>
工程(c)は、工程(a)及び工程(b)を経た、水面に浮遊している水圧転写フィルム20上に被転写体である高艶調成形品1を押圧し、水圧によって水圧転写フィルム20の絵柄層2を高艶調成形品1の高艶調表面に密着させる工程である。なお、高艶調成形品1が高艶樹脂層1bを有する場合は、被転写面は高艶樹脂層1bの表面となる。水圧転写フィルム20を浮かべ水圧を印加するための水は、該水圧転写フィルム20の水溶性フィルム4の種類などに応じ、適宣水温を調整するのがよく、好ましくは25〜50℃程度、より好ましくは25〜35℃である。
また、本発明の水圧転写フィルム20と高艶調成形品1との転写時間は、20〜120秒程度が好ましく、より好ましくは30〜60秒程度である。
工程(c)において、絵柄層2に塗布した活性剤組成物は高艶調成形品1と接し、該高艶調成形品1の表面を溶解させることで、水圧転写フィルム20と高艶調成形品1との密着性をさらに良好なものとすることができる。
<工程(d)>
工程(d)は、工程(c)の後に行われ、高艶調成形品1の被転写面(高艶調表面)に密着した水溶性フィルム4を除去する工程である。高艶調成形品1の被転写面上に付着している水溶性フィルム4の除去は、例えば、水を用いてシャワー洗浄することで行うことができる。なお、シャワー洗浄の条件は、水溶性フィルム4を形成する材料などにより異なるが、通常は水温15〜60℃程度、洗浄時間10秒〜5分程度が好ましい。そして、工程(d)の後、被転写体を十分乾燥し水分を蒸発させる。
以上の工程(a)〜(d)により、本発明の加飾成形品10を製造することができる。
<工程(e)>
工程(e)は、高艶調成形品1上に形成された絵柄層2上に、必要に応じトップコート層3を形成する工程である。工程(e)を行う場合、当該工程(e)においては、絵柄層2に対し、表面強度の向上、表面保護、表面の艶調整などのために必要に応じ塗装を施し、透明ないし半透明のトップコート層3を形成する。
このトップコート層3を形成する材料としては、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などが選択され、具体的にはウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ケイ素系樹脂などが用いられる。トップコート層3の形成は、上記の樹脂を公知の有機溶剤に溶解して得た塗料を用いて、スプレー塗装、静電塗装、刷毛塗り、浸漬塗装、など公知の塗装方法により行うことができる。また、トップコート層の厚みは、好ましくは1〜25μmであり、より好ましくは1〜10μmである。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において測定したグロス値(60°)は、市販のグロスメーターを用いて、艶消調成形品の表面に対する光の入射角60°の条件として測定されたグロス値であり、任意の3点を測定した平均値である。
<水圧転写フィルムの製造例>
水溶性フィルムとして、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム(厚さ40μm)を用い、その片面に、硝化綿とアルキッド樹脂とを80:20の質量比で含む下記のインキを用いて、グラビア印刷により、導管部分が抜けであり、それ以外の部分が絵柄である木目模様を有する絵柄層(厚さ3μm)を形成し、水溶性フィルム/絵柄層が積層された水圧転写フィルムを得た。
(絵柄層を形成するインキ)
硝化綿とアルキド樹脂とを80:20の質量比で含み、着色剤として弁柄及びカーボンブラックを所定の配合比率で使用した着色インキ。
<高艶調成形品Aの製造>
基材層としてのABS樹脂板(厚み2mm、表面のグロス値(60°)は60)の上に、アクリルポリマーポリオール(重量平均分子量:30,000、水酸基価:80mgKOH/g)とウレタンウレア樹脂(ガラス転移点:40℃、水酸基価:1mgKOH/g未満)との質量比8:2の混合樹脂を含むインキを塗工し、厚さ15μmの高艶樹脂層を形成した。得られた高艶調成形品Aの表面のグロス値(60°)は、90であった。
<高艶調成形品Bの製造>
高艶調成形品Aの製造において、高艶樹脂層の厚さを10μmとした以外は、高艶調成形品Aの製造と同様にして、高艶調成形品Bを調製した。得られた高艶調成形品Bの表面のグロス値(60°)は、80であった。
<高艶調成形品Cの製造>
高艶調成形品Aの製造において、高艶樹脂層の厚さを5μmとした以外は、高艶調成形品Aの製造と同様にして、高艶調成形品Cを調製した。得られた高艶調成形品Cの表面のグロス値(60°)は、70であった。
<成形品D>
成形品Dとして、上記のABS樹脂板(厚み2mm、表面のグロス値(60°)は60)をそのまま用いた。
<実施例1> 加飾成形品Aの製造
上記で得られた水圧転写フィルムの絵柄層表面に、下記組成の活性剤組成物を10g/m2塗布し、スムージングロールで上記活性剤組成物を均一にした後、水溶性フィルム側が下向きで水面側を向くように水圧転写フィルムを水面に浮遊させた。次いで、浮遊した水圧転写フィルムに、上記の高艶調成形品Aを、高艶樹脂層が水面側になるようにして押圧し、水圧によって絵柄層を高艶調成形品1の高艶樹脂層面に密着させる工程、及び、水洗により水溶性フィルムを除去する脱膜工程を経た。次に、絵柄層上に2液硬化タイプのウレタン樹脂の塗料(シリカ20質量%含有)をスプレー塗装することにより、厚み15μmのトップコート層を形成し、加飾成形品Aを得た。
(活性剤組成物の組成)
フタル酸系アルキッド樹脂 6質量部
マイクロシリカ(顔料) 2質量部
フタル酸ジブチル 17質量部
溶剤(ブチルカルビトールアセテート) 60質量部
溶剤(ブチルセロソルブ) 15質量部
<実施例2> 加飾成形品Bの製造
実施例1において、高艶調成形品Aの代わりに高艶調成形品Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、加飾成形品Bを得た。
<実施例3> 加飾成形品Cの製造
実施例1において、高艶調成形品Aの代わりに高艶調成形品Cを用いた以外は、実施例1と同様にして、加飾成形品Cを得た。
<比較例1> 加飾成形品Dの製造
実施例1において、高艶調成形品Aの代わりに成形品Dを用いた以外は、実施例1と同様にして、加飾成形品Dを得た。
意匠性評価1
上記で得られた加飾成形品を目視により観察し、その意匠性について以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:全体に艶消し調で抜け導管部分が絵柄部分よりも艶が高いことによる高い立体感と深みのある意匠がかなり強く表現されている。
○:全体に艶消し調で抜け導管部分が絵柄部分よりも艶が高いことによる高い立体感と深みのある意匠が強く表現されている。
△:全体に艶消し調で抜け導管部分が絵柄部分よりも艶が高いことによる高い立体感と深みのある意匠がやや表現されている。
×:全体に艶消し調で抜け導管部分が絵柄部分よりも艶が高いことによる高い立体感と深みのある意匠が表現されていない。
意匠性評価2
上記で得られた加飾成形品を目視により観察し、その意匠性について以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:加飾成形品を水平方向、45度方向、垂直方向から観察した場合に、それぞれの角度における意匠に変化がある。
〇:加飾成形品を水平方向から観察した場合のみ、45度方向及び垂直方向から観察した場合と意匠に変化がある。
△:加飾成形品を水平方向から観察した場合のみ、45度方向及び垂直方向から観察した場合と意匠に若干の変化がある。
×:加飾成形品を水平方向、45度方向、垂直方向から観察した場合に、それぞれの角度における意匠に変化がない。
1 高艶調成形品
1a 基材層
1b 高艶樹脂層
2 絵柄層
10 加飾成形品
3 トップコート層
20 水圧転写フィルム
4 水溶性フィルム

Claims (10)

  1. 高艶調成形品と、前記高艶調成形品表面の一部に設けられた絵柄層とを有する、加飾成形品。
  2. 前記高艶調成形品は、前記絵柄層側の表面のグロス値(60°)が70以上である、請求項1に記載の加飾成形品。
  3. 前記高艶調成形品は、基材層と、高艶樹脂層との積層体であり、
    前記高艶樹脂層が前記絵柄層側に積層されている、請求項1または2に記載の加飾成形品。
  4. 前記高艶樹脂層は、アクリルポリマーポリオールを含む樹脂組成物の硬化物により形成されている、請求項3に記載の加飾成形品。
  5. 前記絵柄層は、水圧転写法により形成された、請求項1〜4のいずれかに記載の加飾成形品。
  6. 前記絵柄層上にトップコート層をさらに有する、請求項1〜5のいずれかに記載の加飾成形品。
  7. 前記トップコート層は、艶消し調である、請求項6に記載の加飾成形品。
  8. 高艶調成形品と、前記高艶調成形品表面の一部に設けられた絵柄層とを有する、加飾成形品の製造方法であって、
    水溶性フィルムと、前記水溶性フィルム上の一部に設けられた絵柄層とを有する水圧転写フィルムを用いて、高艶調成形品上に絵柄層を転写する工程を備える、加飾成形品の製造方法。
  9. 前記高艶調成形品は、表面のグロス値(60°)が70以上である、請求項8に記載の加飾成形品の製造方法。
  10. 前記高艶調成形品は、基材層と、高艶樹脂層との積層体であり、
    前記高艶樹脂層が前記絵柄層側に積層されている、請求項8または9に記載の加飾成形品の製造方法。
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