JP2013209196A - 電気的装置及び設定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学センサを用いて搬送物の移動量を高精度に計測可能とする。
【解決手段】画像形成装置は、記録ヘッドを搭載するキャリッジに光学センサを備え、記録ヘッドによるインク吐出動作により画像が形成される用紙の副走査方向への移動量であって規定単位系(メートル単位系等)での移動量Myを、光学センサにより検出された用紙変位量ΔDx,ΔDyの累積値Dx,Dyを変換パラメータA,K(θ)を用いて変換することにより算出する。変換パラメータAは、主に光学センサと用紙との距離に依存し、変換パラメータK(θ)は、副走査方向に対する光学センサの検出方向の傾きに依存する。変換パラメータA,K(θ)については、用紙を搬送する搬送ローラを整数回転させたときの用紙移動量に対応するローラ回転量Gyを、ロータリエンコーダを用いて計測し、この回転量Gyと該当期間の累積値Dx,Dyとを用いて算出する(S280,S285)。
【選択図】図7

Description

本発明は、搬送物の移動量を計測する電気的装置及びこの計測に用いられるパラメータを電気的装置に設定する方法に関する。
従来、用紙を所定量搬送しては記録ヘッドを通じて用紙に画像を形成することにより、用紙に一連の画像を形成するインクジェットプリンタ等の画像形成装置が知られている。また、原稿を搬送しつつ、読取ヘッドと対向する原稿の領域を読取ヘッドに読み取らせることにより、原稿の読取画像を表す画像データを生成する読取装置が知られている。
この他、画像形成装置としては、記録ヘッドを搭載するキャリッジに光学センサを備え、光学センサを通じて用紙の移動量を検出するものが知られている(特許文献1参照)。光学センサは、例えば、光電変換素子(CCDやCMOS等)が一次元又は二次元に配列された受光部を備えた構成にされ、用紙からの反射光を受光部にて受光することにより、用紙の移動量を検出する。
特開2010−131780号公報
ところで、キャリッジに光学センサを取り付ける際には、誤差が生じる。また、光学センサにおいては、レンズと受光部との位置関係の誤差等により個体間で検出値のばらつきが生じる。従って、従来技術によれば、光学センサの検出値を用いても、高精度に用紙の移動量を計測することが難しい。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、光学センサを用いて搬送物の移動量を高精度に計測可能な技術を提供することを目的とする。
本発明の電気的装置は、搬送機構によって搬送される搬送対象の搬送方向への移動量を計測する電気的装置である。この電気的装置は、エンコーダと、第一計測手段と、光学センサと、算出手段と、第二計測手段と、を備える。
第一計測手段は、搬送機構に設けられたエンコーダの出力信号に基づき、搬送対象の搬送方向への移動量を計測する。一方、光学センサは、搬送対象を撮影して、上記搬送方向に直交しない特定の検出方向における搬送対象の変位量を検出する。算出手段は、同一期間における光学センサによる変位量の検出値と第一計測手段による移動量の計測値とに基づき、変位量の検出値を搬送対象の搬送方向への移動量に変換する変換パラメータの値として、光学センサと搬送対象との間の撮影方向の距離に応じたスケール比を算出する。そして、第二計測手段は、算出手段により算出されたスケール比を用いて、光学センサによる変位量の検出値を変換することにより、搬送対象の搬送方向への移動量を計測する。
光学センサの取付誤差によっては、光学センサと搬送対象との位置関係が、電気的装置間でばらつく。また、光学センサの個体差によっては、光学センサの内部構成要素と搬送対象との位置関係がばらつく。このため、電気的装置間においては、光学センサの検出値
にばらつきが生じる。そこで、本発明では、エンコーダから得られる搬送対象の搬送方向への移動量に基づき、光学センサの検出値に適用する変換パラメータとして、光学センサと搬送対象との間の距離に応じたスケール比を算出する。
本発明によれば、電気的装置が変換パラメータを算出する機能を有しているので、取付誤差や光学センサの個体差による上記検出値のばらつきを抑え、光学センサの検出値から高精度に搬送対象の移動量を計測することができる。
ところで、上記搬送対象として厚みの異なる複数種類のシートを搬送する搬送機構によるシートの移動量を計測する場合、算出手段及び第二計測手段は、次のように構成することができる。即ち、算出手段は、厚みの異なるシートの種類毎に、当該種類のシートが搬送対象として搬送機構により搬送される際の光学センサによる変位量の検出値と第一計測手段による移動量の計測値とに基づき、スケール比を算出する構成にすることができる。また、第二計測手段は、搬送対象のシートの種類に対応したスケール比を用いて、搬送対象の搬送方向への移動量を計測する構成にすることができる。
光学センサと搬送対象との位置関係の変化は、シートの厚みによっても生じる。従って、厚みの異なるシートの種類の夫々に対してスケール比を算出し、搬送対象とされるシートの種類に応じて使用するスケール比を切り替えて、搬送対象の移動量を計測するように電気的装置を構成すれば、シートの厚みによる誤差を抑えて、高精度に移動量を計測することができる。
また、搬送機構がローラの回転によって搬送対象を搬送し、エンコーダが、ローラの回転に応じた信号を出力する場合には、エンコーダを用いて搬送対象の移動量を計測するに際して偏心等を原因とする周期的な誤差が生じる。そこで、このような環境において、算出手段は、ローラが整数回転したときの光学センサによる変位量の検出値と第一計測手段による移動量の計測値とに基づき、スケール比を算出する構成にされるとよい。
この他、搬送機構が、搬送方向の上流及び下流の夫々にローラを備え、上流及び下流のローラの回転により搬送対象を搬送方向に搬送するものである場合、算出手段は、搬送対象が上流及び下流のローラの両者から力の作用を受けて搬送される期間での光学センサによる変位量の検出値と第一計測手段による移動量の計測値と基づき、スケール比を算出する構成にすることができる。
搬送対象が上下流のローラの両者から力の作用を受けて搬送される期間では、ローラに対する搬送対象の滑りによって、エンコーダを用いた移動量の計測値に誤差が生じる可能性が、上下流のローラのいずれか一方だけからの力の作用により搬送対象が搬送される期間よりも小さい。従って、本発明によれば、一層高精度にスケール比を算出することができる。
また、光学センサとしては、搬送方向に直交しない第一の検出方向、及び、第一の検出方向とは異なる第二の検出方向における搬送対象の変位量を検出するものを一例に挙げることができる。そして、この光学センサを用いる場合の算出手段は、光学センサによる第一及び第二の検出方向についての変位量の検出値と第一計測手段による移動量の計測値とに基づき、スケール比に加え、搬送方向に対する第一又は第二の検出方向の傾きを表す値を算出する構成にすることができる。併せて、第二計測手段は、算出手段により算出されたスケール比及び傾きを表す値を用いて、光学センサによる変位量の検出値を、搬送対象の搬送方向への移動量に変換する構成にすることができる。
光学センサの取付誤差によっては、検出方向の搬送方向に対する傾きにもばらつきが生
じる可能性がある。そして、傾きのばらつきは、光学センサを用いた移動量の計測精度に影響を与える。従って、上述したように傾きを考慮して、光学センサによる変位量の検出値を、搬送対象の移動量に変換すれば、一層高精度に移動量を計測することができる。
また、この光学センサを用いる場合、第二計測手段は、スケール比及び傾きを表す値を用いて、光学センサによる変位量の検出値を変換することにより、搬送対象の搬送方向への移動量に加えて、搬送対象の搬送方向とは直交する方向への移動量を計測する構成にすることができる。
また、本発明の電気的装置は、画像形成装置や画像読取装置に適用することができる。即ち、上記電気的装置には、搬送対象に主走査方向の画像を形成する、又は、搬送対象に形成された画像を主走査方向に読み取る処理機構を設けることができる。更には、搬送対象を搬送方向としての副走査方向に搬送する搬送機構を設けることができる。また、この電気的装置には、搬送機構及び処理機構を制御することによって、当該電気的装置を画像形成装置又は画像読取装置として機能させる制御手段を設けることができる。また、制御手段は、第二計測手段により計測された搬送対象の副走査方向への移動量に基づき、搬送機構を制御する構成にすることができる。
本発明の電気的装置によれば、搬送対象(例えばシート)の移動量を高精度に計測することができるので、搬送対象の副走査方向への搬送制御を高精度に行うことができる。従って、本発明を画像形成装置に適用すれば、搬送対象に高精度な画像を形成することができ、本発明を画像読取装置に適用すれば、高精度な画像読取を実現することができる。
この他、光学センサが第一及び第二の検出方向への変位量を検出するものである場合、第二計測手段は、算出手段により算出されたスケール比及び傾きを表す値を用いて、光学センサによる変位量の検出値を変換することにより、搬送対象の副走査方向への移動量及び主走査方向への移動量を計測する構成にすることができる。また、制御手段は、第二計測手段により計測された搬送対象の副走査方向及び主走査方向への移動量に基づき、搬送機構及び処理機構を制御する構成にすることができる。
例えば、処理機構により、インク液滴を吐出する処理ヘッドを主走査方向に搬送して、搬送対象に画像を形成する電気的装置において、制御手段は、第二計測手段により計測された搬送対象の主走査方向への移動量に基づき、処理ヘッドによるインク液滴の吐出タイミングを調整するように処理機構を制御する構成にすることができる。この調整によれば、搬送対象の斜行による画質の劣化を抑えることができる。
更に、搬送対象を副走査方向に所定量移動させては、処理ヘッドを主走査方向に搬送しつつ、処理ヘッドにインク液滴を吐出させて、搬送対象に画像を形成する環境において、制御手段は、第二計測手段により計測された搬送対象の主走査方向への移動量に対応する時間、処理ヘッドによるインク液滴の吐出開始タイミングをずらすように処理機構を制御する構成にすることができる。
また、本発明の設定方法は、第一及び第二の検出方向における搬送対象の変位量を、搬送対象を撮影して検出する光学センサを備え、この光学センサを用いて、搬送対象の搬送方向への移動量を計測する電気的装置に対し、次のように、変位量の検出値を搬送対象の搬送方向への移動量に変換するための変換パラメータの値を設定するものである。
まず、光学センサを電気的装置内に固定した状態で電気的装置に搬送対象を搬送させることによって、搬送対象の搬送方向への移動量を計測する計測装置による、搬送対象の搬送方向への移動量の計測値と、同一期間における光学センサによる第一及び第二の検出方
向についての変位量の検出値と、を取得する(取得手順)。
次に、取得手順により取得された計測装置による計測値と、光学センサによる第一及び第二の検出方向についての変位量の検出値と、に基づいて、変換パラメータとして、光学センサと搬送対象との撮影方向の距離に依存する第一のパラメータ、並びに、搬送方向に対する第一及び第二の検出方向の傾きに依存する第二のパラメータの各値を算出する(算出手順)。そして、算出手順により算出された第一及び第二のパラメータの値を電気的装置に設定する(設定手順)。
計測装置としては、この電気的装置に内蔵されたものを用いてもよいし、別の計測装置を用いてもよい。例えば、この電気的装置の製造工場に設けられた精密計測可能な計測装置を用いることができる。この設定方法を用いれば、高精度に搬送対象の移動量を計測可能な電気的装置を構成することができる。付言すると、本発明の電気的装置に関する種々の技術的思想は、この設定方法の発明にも適用することができる。
画像形成装置1の構成を表すブロック図である。 給紙機構10及び用紙搬送機構20の機械的構成を表す断面図である。 印字機構30の機械的構成を表す上面図である。 光学センサ37の詳細構成を表す画像形成装置1の断面図である。 制御ユニット50の詳細構成を表すブロック図である。 センサ信号処理部705が繰返し実行する処理を表すフローチャートである。 主制御部709が実行する登録処理を表すフローチャートである。 主制御部709が記憶する変換テーブルの構成を表す図である。 主制御部709が実行する印刷処理を表すフローチャートである。 インク液滴の吐出タイミングを示した図である。
以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。
本実施例の画像形成装置1は、所謂インクジェットプリンタであり、図1に示すように、給紙機構10と、用紙搬送機構20と、印字機構30と、制御ユニット50と、音出力ユニット60と、ASFモータM1と、モータドライバDR1と、LFモータM2と、モータドライバDR2と、CRモータM3と、モータドライバDR3と、ヘッド駆動回路DR4と、を備える。
ASFモータM1は、給紙機構10に動力を付与する直流モータであり、モータドライバDR1によって駆動される。LFモータM2は、用紙搬送機構20に動力を付与する直流モータであり、モータドライバDR2によって駆動される。また、CRモータM3は、印字機構30に動力を付与する直流モータであり、モータドライバDR3によって駆動される。この他、ヘッド駆動回路DR4は、記録ヘッド31を駆動するものである。
給紙機構10は、図2に示すように、給紙トレイ101に収容された用紙Qを1枚ずつ分離して用紙搬送機構20に供給するものである。この給紙機構10は、給紙トレイ101と、給紙ローラ103と、アーム104と、ロータリエンコーダ105(図1参照)と、を備える。給紙トレイ101には、複数枚の用紙Qが積層される。アーム104は、給紙ローラ103を回転可能な状態で保持し、給紙ローラ103は、ASFモータM1の動力を受けて回転する。ロータリエンコーダ105は、給紙ローラ103の回転に伴ってエンコーダ信号を出力する。
給紙機構10では、給紙ローラ103が用紙Qに押し当てられた状態でASFモータM
1の動力を受けて回転することによって、用紙Qが用紙搬送機構20に繋がる用紙搬送路に送り出される。給紙トレイ101から送り出される用紙Qは、U字形状の上記用紙搬送路であるUターンパス111により移動を規制されて、用紙搬送機構20が有する搬送ローラ201とピンチローラ202との間に搬送される。
用紙搬送機構20は、搬送ローラ201と、ピンチローラ202と、ロータリエンコーダ205(図1参照)と、排紙ローラ211と、拍車ローラ212と、を備える。ピンチローラ202は、搬送ローラ201に対向配置され、拍車ローラ212は、排紙ローラ211に対向配置される。
ロータリエンコーダ205は、搬送ローラ201の回転軸上に取り付けられる回転板(図示せず)を備え、回転板に形成されたスリットを読み取って、読取結果に応じたエンコーダ信号を出力する周知のインクリメンタル型のロータリエンコーダである。ロータリエンコーダ205は、エンコーダ信号として、搬送ローラ201の回転に応じたパルス信号を出力する。
また、排紙ローラ211は、搬送ローラ201よりも用紙搬送路下流に設けられる。搬送ローラ201及び排紙ローラ211は、これらをベルト等で連結する動力伝達機構220(図1参照)を通じてLFモータM2からの動力を受け、互いに連動するように回転する。具体的には、互いに周方向に同量回転する。搬送ローラ201及び排紙ローラ211は、この回転により協働して、給紙機構10から供給された用紙Qを、排紙ローラ211下流の図示しない排紙トレイまで搬送する。
尚、ピンチローラ202は、搬送ローラ201との間に用紙Qを挟んだ状態で、搬送ローラ201に従動するように回転し、拍車ローラ212は、排紙ローラ211との間に用紙Qを挟んだ状態で、排紙ローラ211に従動するように回転する。用紙Qは、このように搬送ローラ201とピンチローラ202との間で挟持され、更には、排紙ローラ211と拍車ローラ212との間で挟持された状態で、搬送ローラ201及び排紙ローラ211の回転により下流に搬送される。
また、搬送ローラ201と排紙ローラ211との間には、プラテン240が設けられている。プラテン240は、搬送ローラ201から搬送される用紙Qを下方から支持して排紙ローラ211へ導く。搬送ローラ201から排紙ローラ211へと搬送される用紙Qに対しては、このプラテン240上で、印字機構30を構成する記録ヘッド31から吐出されるインク液滴により画像が形成される。
印字機構30は、図1に示すように、記録ヘッド31と、記録ヘッド31を搭載するキャリッジ32と、リニアエンコーダ36と、光学センサ37とを備える。記録ヘッド31は、ヘッド駆動回路DR4から入力される駆動信号に応じたインク液滴を、プラテン240に対向するノズル面から吐出する。
また、印字機構30は、CRモータM3からの動力を受けてキャリッジ32を主走査方向(図2紙面の法線方向)に搬送するキャリッジ搬送機構として、図3に示すように、CRモータM3に駆動される駆動プーリ331と、従動プーリ332と、ベルト333と、主走査方向に延びるガイドレール34aを備えるフレーム34と、主走査方向に延びるガイドレール35aを備えるフレーム35と、を備える。駆動プーリ331、及び、従動プーリ332は、副走査方向の上流側のフレーム34に配置され、ベルト333は、フレーム34に配置される駆動プーリ331と従動プーリ332との間に巻回されている。
キャリッジ32は、このキャリッジ搬送機構を構成するガイドレール34a,35aに
設けられる。図2に示すように、キャリッジ32は、下面において主走査方向に平行に形成された溝部32a,32bにガイドレール34a,35aが挿入されるようにしてガイドレール34a,35aに設置される。この状態でガイドレール34a,35aは、キャリッジ32の溝部32a,32bの上面と接触し、キャリッジ32を下方から支持する。
また、キャリッジ32は、ガイドレール34a,35aに併設されたベルト333に固定され、ベルト333を通じてCRモータM3からの動力を間接的に受けて、主走査方向に移動する。駆動プーリ331(図3参照)には、CRモータM3がギヤを介して接続されており、駆動プーリ331は、CRモータM3から発生する動力を、ギヤを介して受けて回転する。駆動プーリ331の回転によって、駆動プーリ331と従動プーリ332との間に巻回されたベルト333は、回転する。一方、キャリッジ32は、ガイドレール34a,35aによって、その移動が主走査方向に規制されている。従って、CRモータM3が回転すると、ベルト333の回転に連動して、キャリッジ32は、主走査方向に移動する。本実施例では、この構成によって、キャリッジ32が主走査方向に搬送される。
また、リニアエンコーダ36は、キャリッジ32の主走査方向への移動に応じたパルス信号をエンコーダ信号として制御ユニット50(図1参照)に出力するものである。リニアエンコーダ36は、エンコーダスケール36aと、センサ部36bとを備える。エンコーダスケール36aは、図3に示すように、主走査方向に沿って延設されており、キャリッジ32の上面において主走査方向に平行に設けられた溝部32c(図2参照)に挿入されている。一方、センサ部36bは、キャリッジ32の溝部32cに設けられている。即ち、リニアエンコーダ36によれば、キャリッジ32の移動に伴って、センサ部36bがエンコーダスケール36aを読み取る。これによりリニアエンコーダ36は、センサ部36bからキャリッジ32の主走査方向への移動に対応したパルス信号をエンコーダ信号として制御ユニット50に出力する。
また、光学センサ37は、プラテン240と対向するようにキャリッジ32に固定される。この光学センサ37は、図4に示すように、レンズ37aと、受光部37bと、レンズマウント部37cと、を備える。レンズマウント部37cは、レンズ37aを受光部37bから離した状態で受光部37bに固定するものである。キャリッジ32には、光学センサ37を支持して固定するセンサ固定材32dが設けられており、光学センサ37は、このセンサ固定材32dに上方から載置されてキャリッジ32に固定される。
この光学センサ37は、周知の光学センサと同様に、プラテン240上の用紙Qを撮影し、その撮影画像を解析することにより、光学センサ37に対する相対的な用紙Qの変位量を検出する。具体的に、光学センサ37は、予め定められた微小時間毎に、この微小時間におけるプラテン240の表面に沿う第一の方向への用紙変位量ΔDy、及び、この微小時間におけるプラテン240に沿う上記第一の方向とは直交する第二の方向への用紙変位量ΔDxを検出する(図3参照)。以下では、光学センサ37が用紙変位量ΔDyを検出する方向を第一検出方向と表現し、光学センサ37が用紙変位量ΔDxを検出する方向を第二検出方向と表現する。この光学センサ37としては、光電変換素子が第一検出方向及び第二検出方向に沿って二次元配列された光学センサを一例に挙げることができる。
但し、光学センサ37により検出される用紙変位量は、光学センサ37が採用する単位系及び座標系での変位量である。光学センサ37により検出される変位量としては、二次元配列された画素(光電変換素子)単位での変位量を一例に挙げることができる。この場合には、第一検出方向にy画素変位、第二検出方向にx画素変位といった具合で、用紙変位量ΔDy及び用紙変位量ΔDxが検出される。従って、一般単位系(メートル単位系やインチ単位系等)での用紙変位量は、用紙Qとレンズ37aと受光部37bとの位置関係に応じて、光学センサ37により検出された用紙変位量ΔDx及び用紙変位量ΔDyを変
換して求める必要がある。
そして、用紙Qとレンズ37aと受光部37bとの位置関係は、取付誤差や、レンズマウント部37cの形状誤差、センサ固定材32dの形状誤差の影響を受けて、画像形成装置1の製品個体毎に異なる。このため、本実施例の画像形成装置1では、光学センサ37により検出される用紙変位量ΔDy,ΔDxを、規定単位系(メートル単位系又はインチ単位系)での用紙Qの副走査方向移動量及び用紙Qの主走査方向移動量に変換するための変換パラメータを求める。そして、この変換パラメータを用いて、光学センサ37により検出される用紙変位量ΔDy,ΔDxを、規定単位系に変換する。変換先の単位系として、メートル単位系及びインチ単位系のいずれを規定するかは、設計者の自由である。他の単位系を規定してもよいことは言うまでもない。
また、光学センサ37の取付時には、第一検出方向(図3参照)を副走査方向に対して平行に設置するのが理想的であるが、取付誤差によって、実際には第一検出方向と副走査方向との間に傾きθが生じてしまう。本実施例では、この傾きθについても考慮して変換パラメータを求める(詳細後述)。
続いて、制御ユニット50の詳細構成を説明する。制御ユニット50は、図5に示すように、エンコーダ信号処理部701,702,703と、センサ信号処理部705と、主制御部709と、を備える。
エンコーダ信号処理部702は、ロータリエンコーダ205から入力されるエンコーダ信号に基づき、搬送ローラ201の回転量Gyを計測するものである。エンコーダ信号処理部702には、規定単位系でのロータリエンコーダ205から出力されるエンコーダ信号1パルス当たりの搬送ローラ201の回転量が予め登録されている。エンコーダ信号処理部702は、この値に基づき、規定単位系(メートル単位系又はインチ単位系)での搬送ローラ201の回転量Gyを計測する。
尚、搬送ローラ201及び排紙ローラ211は、同期回転するため、搬送ローラ201及び排紙ローラ211の少なくとも一方により用紙Qが搬送されているときの回転量Gyの変化分は、用紙Qの副走査方向への移動量に対応する。即ち、エンコーダ信号処理部702は、搬送ローラ201の回転量Gyを計測することにより、間接的には、用紙Qの副走査方向への移動量を計測する。
また、エンコーダ信号処理部701は、ロータリエンコーダ105から入力されるエンコーダ信号に基づき、給紙ローラ103の回転量を計測するものである。エンコーダ信号処理部701は、給紙ローラ103の回転量を計測することにより、間接的には、用紙Qが用紙搬送機構20に供給されるまでの用紙Qの移動量を計測する。この他、エンコーダ信号処理部703は、リニアエンコーダ36から入力されるエンコーダ信号に基づき、キャリッジ搬送路におけるキャリッジ32の位置Gx及び速度を計測する。
また、センサ信号処理部705は、光学センサ37により検出される微小時間毎の用紙変位量ΔDx,ΔDyの情報を逐次、光学センサ37から取得して、用紙変位量ΔDxの累積値Dx及び用紙変位量ΔDyの累積値Dyを算出するものである。このセンサ信号処理部705は、変換パラメータが設定されている場合、更に、この累積値Dx,Dyを、変換パラメータを用いて変換値Mx,Myに変換することにより、累積値Dx,Dyが得られた期間での主走査方向用紙移動量Mx及び副走査方向用紙移動量Myを、エンコーダ信号処理部702と同じ規定単位系で算出する。
即ち、センサ信号処理部705は、図6に示すように、光学センサ37から用紙変位量
ΔDx,ΔDyの情報を取得する(S110)。そして、これまでに算出した累積値Dxに、今回取得した用紙変位量ΔDxを加算して、累積値Dxを更新すると共に、これまでに算出した累積値Dyに、今回取得した用紙変位量ΔDyを加算して、累積値Dyを更新する(S120)。また、変換パラメータA,K(θ)={cosθ,sinθ}が設定されているか否かを判断し(S130)、設定されていると判断した場合には(S130でYes)、次の変換式に従って、累積値Dx,Dyに対応する変換値(主走査方向用紙移動量)Mx及び変換値(副走査方向用紙移動量)Myを算出する(S140)。
ここで用いられる変換パラメータAは、光学センサ37において検出される用紙変位量ΔDx,ΔDyを、規定単位系に変換するためのパラメータである。この変換パラメータAは、θ=0である場合、規定単位系と光学センサ37の単位系との間の1単位当たり長さの比(スケール比)を表す。この変換パラメータAの値は、主に、光学センサ37と用紙Qとの間の図4に示すZ方向の距離に応じて変化する。Z方向は、用紙Q法線方向に対応し、光学センサ37による用紙Qの撮影方向に対応する。具体的に変換パラメータAの値は、光学センサ37における内部構成要素(レンズ37a及び受光部37b)と用紙Qとの間の距離に応じて変化する。
また、パラメータθは、図3に示す用紙変位量ΔDyの検出方向である第一検出方向を基準とした副走査方向の傾きθに対応する。上述した第一検出方向と第二検出方向との間には直交関係があり、副走査方向と主走査方向との間には直交関係がある。従って、パラメータθは、用紙変位量ΔDxの検出方向である第二検出方向を基準とした主走査方向の傾きθを表すものとも言える。図3では、理解を簡単にするために傾きθを大きく表現したが、実際の傾きθは微小であることを念のため、ここで言及する。
この変換式(1)により算出される変換値Mxは、エンコーダ信号処理部703により計測されるキャリッジ32の位置Gxと同方向に正値を採り、変換値Myは、エンコーダ信号処理部702により計測されるローラ回転量Gyと同様に、副走査方向下流方向に正値を採るものとして定義される。
また、S140での処理を終えると、センサ信号処理部705は、算出した累積値Dx,Dy及び変換値Mx,Myを出力する(S150)。一方、変換パラメータA,K(θ)が設定されていないと判断すると(S130でNo)、センサ信号処理部705は、上記累積値Dx,Dyを出力する(S160)。
センサ信号処理部705は、このような処理(S110〜S160)を、光学センサ37による用紙変位量ΔDx,ΔDyの検出周期に合わせて繰返し実行することにより、逐次更新した累積値Dx,Dy(及び変換値Mx,My)を出力する。尚、検出周期は、LFモータM2の制御周期以下の周期に設定される。
また、主制御部709(図5参照)は、給紙制御機能と、用紙搬送制御機能と、キャリッジ搬送制御機能と、インク液滴吐出制御機能と、を有する。そして、これらの機能を用いて、外部装置(パーソナルコンピュータ等)3から印刷指令と共に入力された印刷対象の画像データに基づく画像を、用紙Qに形成する。
給紙制御機能は、ASFモータM1の駆動制御により給紙トレイ101から用紙搬送機構20への用紙Qの搬送を制御して、用紙搬送機構20に用紙Qを供給する機能である。主制御部709は、エンコーダ信号処理部701により計測される給紙ローラ103の回転量に基づき、モータドライバDR1からASFモータM1に印加する駆動電流又は電圧を調整することにより給紙制御機能を実現する。
また、用紙搬送制御機能は、LFモータM2の駆動制御により用紙搬送機構20に供給された用紙Qの搬送を制御し、この用紙Qを、副走査方向下流の目標とする位置まで搬送する機能である。主制御部709は、副走査方向の用紙移動量を表すエンコーダ信号処理部702から得られるローラ回転量Gy、又は、センサ信号処理部705から得られる変換値Myに基づき、用紙Qが副走査方向に所定量移動して停止するようにモータドライバDR2からLFモータM2に印加する駆動電流又は電圧を調整する。これによって用紙搬送制御機能を実現する。
また、キャリッジ搬送制御機能は、CRモータM3の駆動制御により、印字機構30が備えるキャリッジ32の主走査方向への搬送を制御して、キャリッジ32を折返し地点まで搬送する機能である。主制御部709は、エンコーダ信号処理部703から得られるキャリッジ32の位置Gx及び速度に基づき、モータドライバDR3からCRモータM3に印加する駆動電流又は電圧を調整する。これによってキャリッジ搬送制御機能を実現する。このキャリッジ搬送制御機能の繰返しにより、キャリッジ32及び記録ヘッド31は主走査方向に往復動し、折返し地点付近では加減速を伴いながらも、他の領域では定速搬送される。
また、インク液滴吐出制御機能は、記録ヘッド31の駆動制御により、記録ヘッド31によるインク液滴の吐出動作を制御する機能である。主制御部709は、記録ヘッド31を駆動制御することにより、記録ヘッド31に、外部装置3から入力された印刷対象の画像データに対応するインク液滴を吐出させて、インク液滴吐出制御機能を実現し、用紙Qに所定幅のライン画像を形成する。
即ち、主制御部709は、給紙制御機能により、用紙搬送機構20に用紙Qを1枚ずつ供給する。また、用紙搬送制御機能により、用紙搬送機構20に供給された用紙Qをプラテン240上の画像形成地点に所定量ずつ送り出す。そして、当該送り出し毎の用紙Qの停止時には、キャリッジ搬送制御機能により、キャリッジ32を主走査方向に定速搬送する。更にキャリッジ32の搬送中に、インク液滴吐出制御機能により、用紙Qに、上記送り出し量に対応した所定幅のライン画像を形成する。この動作によって外部装置3から入力された印刷対象の画像データに基づく画像を、用紙Qに形成する。
また、主制御部709は、外部装置3から変換パラメータの登録命令が入力されると、図7に示すパラメータ登録処理を実行することにより、変換パラメータA,K(θ)を算出し、これを用紙Qの種類を表す情報と関連付けてメモリ709a内にある変換テーブル(図8参照)に登録する。メモリ709aは、電気的に書き換え可能なフラッシュメモリやEEPROM等により構成される。
この登録命令は、例えば、画像形成装置1の製造時に、製造会社の担当者が外部装置3を画像形成装置1に接続して操作することにより入力される。担当者は、予め定められた用紙Qの種類毎に、この登録命令を外部装置3の操作により画像形成装置1に入力する。併せて、対応する種類の用紙Qを画像形成装置1に供給することにより、画像形成装置1において、用紙Qの種類毎の変換パラメータA,K(θ)が変換テーブルに登録されるようにする。
更に言えば、この登録命令の入力機能は、画像形成装置1をユーザ所有の外部装置3(パーソナルコンピュータ等)から利用可能とするためのプリンタドライバにも含ませることができる。このようにプリンタドライバに登録命令の入力機能を含ませれば、画像形成装置1を購入したユーザは、自己所有の外部装置3を操作することにより、変換パラメータの登録作業を行って、画像形成装置1による印刷画質を改善することができる。以下では、この登録命令に、給紙機構10及び用紙搬送機構20により搬送される用紙Qの種類を特定可能な情報が含まれるものとして話を進める。
図7に示す登録処理を開始すると、主制御部709は、登録命令に含まれる情報から給紙機構10及び用紙搬送機構20により搬送される用紙Qの種類を特定する。これにより、変換パラメータA,K(θ)を登録する対象の用紙Qの種類を特定する(S210)。
次に、主制御部709は、給紙制御機能により、用紙Qを給紙トレイ101から用紙搬送機構20に供給する。更に、用紙搬送制御機能により、用紙Qを、その用紙Qの先頭が排紙ローラ211よりも一定量下流に到達するまで搬送する(S220)。ここでは、エンコーダ信号処理部702から得られるローラ回転量Gyに基づき、用紙Qの搬送を制御することができる。
この用紙搬送が完了すると、主制御部709は、エンコーダ信号処理部702から得られるローラ回転量Gyを基準値Gy0として記憶し、更にセンサ信号処理部705の保持値(累積値Dx,Dy及び変換値Mx,My)をゼロにリセットする(S230)。ここで、基準値Gy0は、図示しない主制御部709内のワークメモリ(RAM)に記憶される。
その後、主制御部709は、キャリッジ32を搬送せずに停止させた状態のまま、用紙Qの搬送制御を開始する(S240)。この開始後には、ローラ回転量Gyをエンコーダ信号処理部702から逐次取得し、搬送ローラ201が搬送制御の開始時点からN回転したか否かの判断を肯定判断するまで繰り返す(S245)。尚、搬送ローラ201がN回転したか否かの判断は、ローラ回転量Gyと基準値Gy0との差分(Gy−Gy0)に基づいて判断することができる。また、Nは、設計段階で予め定められる1以上の整数である。
そして、搬送ローラ201がN回転したと判断すると(S245でYes)、主制御部709は、この判断時点でエンコーダ信号処理部702が保持するローラ回転量Gy=Gynの情報と、この時点でセンサ信号処理部705が保持する累積値Dx=Dxn,Dy=Dynの情報と、をワークメモリに記憶する(S250)。また、S240で開始した用紙Qの搬送制御を終了する(S260)。
その後、主制御部709は、S240の処理による用紙Qの搬送制御開始時点からS250の処理実行時点までの搬送ローラ201の回転量Ey=Gyn−Gy0を算出する(S270)。次に、この算出値EyとS250で記憶した累積値Dxn,Dynとを用いて、上述した変換パラメータAを、次式に従って算出する(S280)。
A={Ey2/(Dxn2+Dyn2)}1/2 …(2)
更に、変換パラメータK(θ)={cosθ,sinθ}を、次式に従って算出する(S285)。
cosθ=Dyn/Ey …(3)
sinθ=Dxn/Ey …(4)
これらの変換パラメータA,K(θ)の算出式(2)(3)(4)は、式(1)の連立
方程式を解くことにより求めることができる。
この処理を終えると、主制御部709は、算出した変換パラメータA,K(θ)を、メモリ709aが記憶する変換テーブルにおけるS210で特定した用紙Qの種類に対応するフィールドに登録する。これにより、算出した変換パラメータA,K(θ)を、対応する用紙Qの種類を表す情報と対応付けてメモリ709aに記憶する(S290)。その後、当該登録処理を終了する。
図8に示すように変換テーブルは、予め定められた厚みの異なる用紙Qの種類毎に、変換パラメータA,K(θ)を記憶するためのフィードを有する。用紙Qの種類としては、普通紙、光沢紙及びはがき等を一例に挙げることができる。一般的に、光沢紙は、普通紙より厚く、はがきは、光沢紙より厚い。本実施例では、登録命令の入力操作をする際に、対応する種類の用紙Qを給紙トレイ101に供給するといったユーザの作業を伴って、用紙Qの種類毎に、上記登録処理を実行し、用紙Qの種類毎の変換パラメータA,K(θ)を算出して、これを変換テーブルに登録する。
続いて、変換テーブルに登録された用紙Qの種類毎の変換パラメータA,K(θ)に基づいて、主制御部709が実行する印刷処理の内容を、図9及び図10を用いて説明する。主制御部709は、外部装置3から印刷指令が入力されて、印刷対象の画像データに基づく画像を、用紙Qに形成する際、頁毎に次の印刷処理を実行する。
印刷処理を開始すると、主制御部709は、印刷指令に含まれる情報から、給紙機構10及び用紙搬送機構20によって搬送される用紙Qの種類を特定し、当該特定した用紙Qの種類に対応する変換パラメータA,K(θ)を変換テーブルから読み出して、センサ信号処理部705に設定する(S310)。尚、印刷指令には、用紙Qの種類を表す情報が含まれる。この変換パラメータA,K(θ)の設定時には、併せて、センサ信号処理部705が保持する累積値Dx,Dy及び変換値Mx,Myをゼロにリセットする。
次に、主制御部709は、給紙制御機能により、用紙Qを給紙トレイ101から用紙搬送機構20に供給する。更に、用紙搬送制御機能により、用紙Qを頭出しする(S320)。ここで言う「頭出し」とは、周知のように、用紙Qにおける画像形成開始ラインを、記録ヘッド31による画像形成地点まで搬送する処理のことである。用紙Qを頭出しする際、主制御部709は、エンコーダ信号処理部702から得られるローラ回転量Gyに基づいて、用紙Qの搬送制御を行う。このとき、主制御部709は、センサ信号処理部705から得られる変換値Myを用いない。但し、用紙Qの先頭が光学センサ37により用紙変位量ΔDx,ΔDyを検出可能な位置まで到達した後には、センサ信号処理部705から得られる変換値Myを用いて用紙Qの搬送制御を行い、用紙Qの頭出しを行ってもよい。
その後、主制御部709は、斜行量Lx=0に設定して(S330)、S340に移行する。ここで言う斜行量Lxは、斜行による用紙Qの初期状態からの主走査方向へのずれ量を表すものである。
S340に移行すると、主制御部709は、キャリッジ搬送制御機能により、キャリッジ32を折返し地点まで搬送すると共に、その搬送時には、インク液滴吐出制御機能により、印刷対象の画像データに基づく今回形成すべきライン画像を、記録ヘッド31を通じて用紙Qに形成する。
但し、この際には、吐出開始位置Gxs0を基準に、インク液滴の吐出開始位置Gxsを、斜行量Lxに対応した量補正する。吐出開始位置Gxs0は、用紙Qの斜行がなく主
走査方向において用紙Qが正規の位置に正しく配置されていると仮定したときのインク液滴の吐出を開始すべきキャリッジ搬送路上の位置Gxである。また、吐出終了位置Gxe0を基準に、インク液滴の吐出終了位置Gxeを、斜行量Lxに対応した量補正する。吐出終了位置Gxe0は、用紙Qの斜行がなく主走査方向において用紙Qが正規の位置に正しく配置されていると仮定したときのインク液滴の吐出を終了すべきキャリッジ搬送路上の位置Gxである。
具体的には、吐出開始位置Gxsを、Gxs=Gxs0+Lxに補正し、吐出終了位置Gxeを、Gxeを、Gxe=Gxe0+Lxに補正する。但し、斜行量Lxは、センサ信号処理部705から得られる変換値(主走査方向用紙移動量)Mxに基づいて算出されるものであるため、位置Gxと同方向を正方向とする変数である。
そして、補正後の吐出開始位置Gxsをキャリッジ32が通過する時点から、記録ヘッド31によるインク液滴の吐出動作が開始されるように記録ヘッド31を制御する。また、補正後の吐出終了位置Gxeをキャリッジ32が通過する時点でインク液滴の吐出動作が終了されるように記録ヘッド31を制御する。つまり、吐出開始位置Gxsから吐出終了位置Gxeの領域において、対応するライン画像の形成が行われるように、記録ヘッド31によるインク液滴の吐出動作を制御する。これにより、吐出開始位置Gxsから吐出終了位置Gxeまでのキャリッジ32の搬送領域に対応する用紙Qの領域に、印刷対象の画像データに基づく今回形成すべきライン画像を形成する(S340)。
この処理を終了すると、主制御部709は、用紙Qに対する画像形成が最終ラインまで完了したか否かを判断する(S350)。そして、完了していないと判断すると(S350でNo)、センサ信号処理部705が保持する累積値Dx,Dy及び変換値Mx,Myをゼロにリセットした後(S360)、用紙搬送制御機能によって、用紙Qを所定量副走査方向に送り出す(S370)。
具体的には、副走査方向への用紙Qの目標搬送量を、S340によってライン画像が形成された副走査方向の幅に対応する搬送量に設定する。その後、センサ信号処理部705から得られる変換値(副走査方向用紙移動量)Myに基づくLFモータM2の駆動制御(フィードバック制御)を実行することにより、用紙Qが目標搬送量分副走査方向下流に移動して停止するように、用紙Qの搬送制御を行う。
但し、この送り出しに係る搬送制御の開始時点で、光学センサ37により用紙変位量ΔDx,ΔDyを検出することができない区間に用紙Qがある場合には、変換値Myに代えて、ローラ回転量Gyに基づくLFモータM2の駆動制御(フィードバック制御)を実行することにより、用紙Qが目標搬送量分移動するように、用紙Qの搬送制御を行う。
例えば、光学センサ37が、キャリッジ32における副走査方向上流に設置されている場合であって且つ、所謂「縁なし印刷」を実現する場合には、用紙Qの終端付近の画像形成を行う際、光学センサ37によって撮影可能な領域に用紙Qがない。つまり、用紙変位量ΔDx,ΔDyを実質検出することができない。このため、このような区間では、ローラ回転量Gyに基づくLFモータM2の駆動制御(フィードバック制御)を実行する。用紙Qが上記区間にあるか否かは、印刷指令に含まれる用紙サイズの情報や、用紙Qの送り出し量の合計などから判断することができる。
また、用紙Qの送り出しを完了すると、主制御部709は、S380に移行し、斜行量Lxを、センサ信号処理部705が示す変換値(主走査方向用紙移動量)Mx分加算した値に更新する(Lx←Lx+Mx)。その後、更新後の斜行量Lxの絶対値|Lx|が予め定められた異常判定用の閾値以下であるか否かを判断し(S390)、値|Lx|が閾
値以下であると判断すると(S390でYes)、S340に移行する。
また、再度のS340では、上述したように、キャリッジ32を折返し地点まで搬送する一方、そのキャリッジ32の搬送開始前に、インク液滴の吐出開始位置Gxs及び吐出終了位置Gxeを、最新の斜行量Lxに対応した量、基準位置Gxs0,Gxe0から補正する。そして、キャリッジ32の搬送中には、この補正後の吐出開始位置Gxsから吐出終了位置Gxeまでの領域において、インク液滴の吐出制御を行うことにより、斜行量Lxに対応した量(時間)、インク液滴の吐出開始タイミング及び終了タイミングを調整して、今回形成すべきライン画像を用紙Qに形成する。
このような調整により、印刷処理では、用紙Qの斜行に追従するように、インク液滴の吐出開始位置Gxs及び吐出終了位置Gxeを補正し(図10参照)、用紙Qに形成される画像についての、斜行による主走査方向のずれを抑える。
主制御部709は、このようなS340〜S390の処理を繰返し実行し、用紙Qに対する画像形成が最終ラインまで完了したと判断すると(S350でYes)、LFモータM2の駆動制御により排紙処理を実行して(S400)、印刷処理を終了する。
一方、S390において、斜行量Lxの絶対値|Lx|が閾値を超えていると判断すると(S390でNo)、主制御部709は、S395に移行してエラー処理を実行する。具体的に、このエラー処理では、スピーカを備える音出力ユニット60を制御することにより、用紙Qの搬送異常を報知する音を音出力ユニット60に出力させる。その後、主制御部709は、印刷処理を終了する。
以上、本実施例の画像形成装置1について説明したが、この画像形成装置1によれば、光学センサ37により検出される微小時間毎の用紙変位量ΔDx,ΔDyの累積値Dx,Dyを、変換パラメータを用いて変換することにより、規定単位系(メートル単位系又はインチ単位系)での主走査方向用紙移動量Mx及び副走査方向用紙移動量Myを計測する。この際には、変換パラメータとして、光学センサ37の用紙Qとの撮影方向(用紙Qの法線方向)の距離に依存する変換パラメータA、及び、副走査方向に対する光学センサ37の検出方向の傾きに依存する変換パラメータK(θ)を用いて、光学センサ37によって得られた用紙変位量の累積値Dx,Dyを主走査方向用紙移動量Mx及び副走査方向用紙移動量Myに変換する。
そして、本実施例によれば、画像形成装置1に光学センサ37が取り付けられた状態で、用紙Qを副走査方向に搬送することにより、光学センサ37の検出結果を得て、この検出結果Dx,Dyと、別の方法で計測した同一期間での用紙Qの副走査方向移動量と比較することにより、変換パラメータA,K(θ)を算出し、算出結果を、この画像形成装置1に登録する。即ち、本実施例によれば、装置毎に変換パラメータA,K(θ)の適値を求めて、その装置に変換パラメータA,K(θ)を登録する。
従って、本実施例の画像形成装置1によれば、光学センサ37の取付誤差や、光学センサ37の個体差による検出値のばらつきを変換パラメータA,K(θ)により適切に補正し、光学センサ37を用いて規定単位系での用紙移動量を正確に計測することができる。
特に、本実施例によれば、厚みの異なる用紙の種類毎に、用紙の種類毎の変換パラメータA,K(θ)の適値を算出して、この変換パラメータA,K(θ)を変換テーブルに登録する。そして、用紙Qの搬送時には、変換テーブルに登録された用紙の種類毎の変換パラメータA,K(θ)に基づき、搬送対象の用紙Qの種類に応じて変換パラメータA,K(θ)を切り替えて用いて、光学センサ37による検出値から主走査方向用紙移動量Mx
及び副走査方向用紙移動量Myを算出する。
従って、本実施例によれば、取付誤差だけでなく、用紙Qの厚みによって生じる光学センサ37と用紙Qとの位置関係の変化によって生じる光学センサ37による用紙移動量Mx,Myの計測誤差を抑えることができ、用紙Qの厚みの影響を抑えて用紙移動量を高精度に計測することができる。従って、本実施例によれば、高精度に用紙Qを所定量ずつ送り出して、良好な画像を用紙Qに形成することができる。
また、本実施例によれば、光学センサ37を通じて得られた主走査方向用紙移動量Mxから斜行量Lxを特定し、この斜行量Lxに基づき、インク液滴の吐出タイミングを調整する。従って、本実施例によれば、斜行によって用紙Qに形成される画像の品質が劣化するのを抑えることができ、用紙Qに高精度な画像を形成することができる。
また、本実施例によれば、搬送ローラ201を用いて用紙Qを搬送し、搬送ローラ201の回転に応じたエンコーダ信号を出力するロータリエンコーダ205の出力信号から特定される搬送ローラ201の回転量Eyを、用紙Qの副走査方向移動量とみなして、変換パラメータA,K(θ)を算出する。このため、用紙Qの搬送ローラ201に対する滑りが発生すると、変換パラメータA,K(θ)の算出に用いる回転量Eyを用紙Qの副走査方向移動量とみなしたときの誤差が大きくなる。
そこで、本実施例では、変換パラメータA,K(θ)の算出に際しては、用紙Qが搬送ローラ201と、その下流にある排紙ローラ211との両者から力の作用を受けて搬送されるような、用紙Qの搬送ローラ201に対する滑りの発生率の低い環境下で、用紙Qを搬送するようにした。
更に言えば、ロータリエンコーダ205の出力信号から用紙Qの副走査方向移動量を計測する際には偏心等の理由により周期的な外乱が生じるため、本実施例では、搬送ローラ201が整数回転したときの累積値Dx,Dyと、その際にロータリエンコーダ205を用いて計測された搬送ローラ201の回転量Eyと、に基づいて変換パラメータA,K(θ)を求めるようにした。従って、本実施例によれば、正確な変換パラメータA,K(θ)を算出することができる。
また、本実施例によれば、光学センサ37を用いて用紙Qの斜行量Lxを算出し、斜行量の絶対値|Lx|が閾値を超えた場合には、印刷処理を止めて、搬送異常を報知する動作を含むエラー処理を実行するようにした(S395)。従って、本実施例によれば、斜行が著しいのにも拘わらず印刷処理を実行することの不都合を抑制することができる。例えば、紙詰まりの発生によるユーザの不満を抑えることができる。
ところで、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、上記実施例では、用紙Qの種類毎に変換パラメータA,K(θ)を算出するようにしたが、変換パラメータK(θ)については、用紙Qの厚みが異なっていても原則変化するものではないので、変換パラメータA,K(θ)の内、用紙Qの種類毎に記憶するのは、変換パラメータAだけにしてもよい。
また、上記実施例では、光学センサ37の傾きによる誤差の影響を抑えるために、変換パラメータK(θ)を用いて変換値(用紙移動量)Mx,Myを算出するようにしたが、この傾きを極小に抑えられる場合には、傾きについてはないものとみなし(換言すればθ=0であるものとみなし)、変換パラメータA,K(θ)の内、変換パラメータAだけを用いて、変換値(用紙移動量)Mx,Myを算出してもよい。
この他、上記実施例によれば、本発明を画像形成装置に適用した例を説明したが、本発明は、画像読取装置等の、画像形成装置1以外の各種の電気的装置にも適用することができる。例えば、画像形成装置1における印字機構30を、用紙搬送機構20により搬送される原稿に形成された画像を主走査方向に読み取る読取機構に変更し、ヘッド駆動回路DR4を読取機構が備える読取ヘッドを駆動するための構成に変更し、記録ヘッド21によるインク液滴の吐出動作に代えて、読取ヘッドによる主走査方向への読取動作を制御するように制御ユニット50を構成することで、本発明を適用した画像読取装置を構成することができる。読取ヘッドとしては、主走査方向に広がりを持つラインセンサが知られており、ラインセンサを用いる場合には、読取ヘッドを主走査方向に搬送する必要はない。また、原稿については間欠的ではなく連続的に副走査方向に搬送することができる。
また、上記実施例では、変換パラメータA,K(θ)の適値を算出及び登録する際、画像形成装置1に設けられたロータリエンコーダ205を用いて用紙Qの移動量を計測するようにしたが、用紙Qの移動量は、画像形成装置1とは別個の専用の計測装置を用いて計測されてもよい。画像形成装置1の製造ラインにおいて変換パラメータA,K(θ)の算出及び登録を行う場合には、高価ではあるが高精度に用紙移動量を計測可能な計測装置を用いることで、一層正確な変換パラメータA,K(θ)の値を算出することができる。
最後に、用語間の対応関係について説明する。エンコーダ信号処理部702は、第一計測手段の一例に対応し、センサ信号処理部705は、第二計測手段の一例に対応する。また、主制御部709が実行する登録処理は、算出手段によって実現される処理の一例に対応し、S250は、取得手順に対応し、S280,S285は、算出手順に対応し、S290は、設定手順に対応する。この他、変換パラメータAは、スケール比又は第一の変換パラメータに対応し、変換パラメータK(θ)は、搬送方向に対する第一又は第二検出方向の傾きを表し、第二の変換パラメータに対応する。この他、印字機構30は、処理機構に対応し、主制御部709が実行する印刷処理は、制御手段によって実現される処理の一例に対応し、S395の処理及び音出力ユニット60による処理は、報知手段によって実現される処理の一例に対応する。
1…画像形成装置、3…外部装置、10…給紙機構、20…用紙搬送機構、30…印字機構、31…記録ヘッド、32…キャリッジ、32d…センサ固定材、34a,35a…ガイドレール、36…リニアエンコーダ、37…光学センサ、37a…レンズ、37b…受光部、37c…レンズマウント部、50…制御ユニット、60…音出力ユニット、101…給紙トレイ、103…給紙ローラ、105,205…ロータリエンコーダ、201…搬送ローラ、202…ピンチローラ、211…排紙ローラ、212…拍車ローラ、220…動力伝達機構、240…プラテン、331…駆動プーリ、332…従動プーリ、333…ベルト、701,702,703…エンコーダ信号処理部、705…センサ信号処理部、709…主制御部、709a…メモリ、DR1,DR2,DR3…モータドライバ、DR4…ヘッド駆動回路、M1…ASFモータ、M2…LFモータ、M3…CRモータ、Q…用紙

Claims (12)

  1. 搬送機構によって搬送される搬送対象の搬送方向への移動量を計測する電気的装置であって、
    前記搬送機構に設けられたエンコーダと、
    前記エンコーダの出力信号に基づき、前記搬送対象の前記搬送方向への移動量を計測する第一計測手段と、
    前記搬送対象を撮影して、前記搬送方向に直交しない特定の検出方向における前記搬送対象の変位量を検出する光学センサと、
    同一期間における前記光学センサによる前記変位量の検出値と前記第一計測手段による前記移動量の計測値とに基づき、前記変位量の検出値を前記搬送対象の前記搬送方向への移動量に変換するパラメータの値として、前記光学センサと前記搬送対象との間の撮影方向の距離に応じたスケール比を算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された前記スケール比を用いて、前記光学センサによる前記変位量の検出値を変換することにより、前記搬送対象の前記搬送方向への移動量を計測する第二計測手段と、
    を備えることを特徴とする電気的装置。
  2. 前記算出手段は、厚みの異なるシートの種類毎に、当該種類の前記シートが前記搬送対象として前記搬送機構により搬送される際の前記光学センサによる前記変位量の検出値と前記第一計測手段による前記移動量の計測値とに基づき、前記スケール比を算出し、
    前記第二計測手段は、前記搬送対象の前記シートの種類に対応した前記スケール比を用いて、前記搬送対象の前記搬送方向への移動量を計測すること
    を特徴とする請求項1記載の電気的装置。
  3. 前記搬送機構は、ローラの回転によって前記搬送対象を前記搬送方向に搬送するものであり、
    前記エンコーダは、前記ローラの回転に応じた信号を出力するものであり、
    前記算出手段は、前記ローラが整数回転したときの前記光学センサによる前記変位量の検出値と前記第一計測手段による前記移動量の計測値とに基づき、前記スケール比を算出すること
    を特徴とする請求項1記載の電気的装置。
  4. 前記搬送機構は、前記搬送方向の上流及び下流の夫々にローラを備え、前記上流及び下流のローラの回転により前記搬送対象を前記搬送方向に搬送するものであり、
    前記エンコーダは、前記ローラの回転に応じた信号を出力するものであり、
    前記算出手段は、前記搬送対象が前記上流及び下流のローラの両者から力の作用を受けて搬送される期間での前記光学センサによる前記変位量の検出値と前記第一計測手段による前記移動量の計測値と基づき、前記スケール比を算出すること
    を特徴とする請求項1又は請求項3記載の電気的装置。
  5. 前記光学センサは、前記検出方向としての、前記搬送方向に直交しない第一の検出方向、及び、前記第一の検出方向とは異なる第二の検出方向における前記搬送対象の変位量を検出するものであり、
    前記算出手段は、前記光学センサによる前記第一及び第二の検出方向についての前記変位量の検出値と前記第一計測手段による前記移動量の計測値とに基づき、前記スケール比に加え、前記搬送方向に対する前記第一又は前記第二の検出方向の傾きを表す値を算出し、
    前記第二計測手段は、前記算出手段により算出された前記スケール比及び前記傾きを表す値を用いて、前記光学センサによる前記変位量の検出値を、前記搬送対象の前記搬送方
    向への移動量に変換すること
    を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項記載の電気的装置。
  6. 前記第二計測手段は、前記スケール比及び前記傾きを表す値を用いて、前記光学センサによる前記変位量の検出値を変換することにより、前記搬送対象の前記搬送方向への移動量に加えて、前記搬送対象の前記搬送方向とは直交する方向への移動量を計測すること
    を特徴とする請求項5記載の電気的装置。
  7. 前記搬送対象に主走査方向の画像を形成する、又は、前記搬送対象に形成された画像を前記主走査方向に読み取る処理機構と、
    前記搬送対象を前記搬送方向としての副走査方向に搬送する前記搬送機構と、
    前記搬送機構及び前記処理機構を制御することによって、当該電気的装置を画像形成装置又は画像読取装置として機能させる制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記第二計測手段により計測された前記搬送対象の前記副走査方向への移動量に基づき、前記搬送機構を制御すること
    を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項記載の電気的装置。
  8. 前記搬送対象に主走査方向の画像を形成する、又は、前記搬送対象に形成された画像を主走査方向に読み取る処理機構と、
    前記搬送対象を前記搬送方向としての副走査方向に搬送する前記搬送機構と、
    前記搬送機構及び前記処理機構を制御することによって、当該電気的装置を画像形成装置又は画像読取装置として機能させる制御手段と、を備え、
    前記第二計測手段は、前記算出手段により算出された前記スケール比及び前記傾きを表す値を用いて、前記光学センサによる前記変位量の検出値を変換することにより、前記搬送対象の前記副走査方向への移動量及び前記主走査方向への移動量を計測し、
    前記制御手段は、前記第二計測手段により計測された前記搬送対象の前記副走査方向及び前記主走査方向への移動量に基づき、前記搬送機構及び前記処理機構を制御すること
    を特徴とする請求項6記載の電気的装置。
  9. 前記処理機構は、インク液滴を吐出する処理ヘッドを前記主走査方向に搬送して、前記搬送対象に画像を形成するものであり、
    前記制御手段は、前記第二計測手段により計測された前記搬送対象の前記主走査方向への移動量に基づき、前記処理ヘッドによる前記インク液滴の吐出タイミングを調整するように前記処理機構を制御すること
    を特徴とする請求項7又は請求項8記載の電気的装置。
  10. 前記制御手段は、前記搬送機構を制御して、前記搬送対象を前記副走査方向に所定量移動させては、前記処理機構を制御することにより、前記処理ヘッドを前記主走査方向に搬送しつつ、前記処理ヘッドにインク液滴を吐出させて、前記搬送対象に画像を形成するものであり、前記第二計測手段により計測された前記搬送対象の前記主走査方向への移動量に対応する時間、前記処理ヘッドによるインク液滴の吐出開始タイミングをずらすように前記処理機構を制御すること
    を特徴とする請求項9記載の電気的装置。
  11. 前記第二計測手段により計測された前記搬送対象の前記搬送方向とは直交する方向への移動量が予め定められた閾値を超えると、搬送異常を報知する報知手段
    を備えることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項記載の電気的装置。
  12. 搬送対象を特定の搬送方向に搬送する電気的装置であって、前記搬送方向に直交しない第一の検出方向及び前記第一の検出方向とは異なる第二の検出方向における前記搬送対象
    の変位量を、前記搬送対象を撮影して検出する光学センサを備え、この光学センサを用いて、前記搬送対象の前記搬送方向への移動量を計測する電気的装置
    に対し、前記変位量の検出値を前記搬送対象の前記搬送方向への移動量に変換するための変換パラメータの値を設定する方法であって、
    前記光学センサを前記電気的装置内に固定した状態で前記電気的装置に前記搬送対象を搬送させることによって、前記搬送対象の前記搬送方向への移動量を計測する計測装置による、前記搬送対象の前記搬送方向への移動量の計測値と、同一期間における前記光学センサによる前記第一及び前記第二の検出方向についての前記変位量の検出値と、を取得する取得手順と、
    前記取得手順により取得された前記計測装置による前記計測値と、前記光学センサによる前記第一及び前記第二の検出方向についての前記変位量の検出値と、に基づいて、前記変換パラメータとして、前記光学センサと前記搬送対象との撮影方向の距離に依存する第一のパラメータ、並びに、前記搬送方向に対する前記第一及び前記第二の検出方向の傾きに依存する第二のパラメータの各値を算出する算出手順と、
    前記算出手順により算出された前記第一及び第二のパラメータの値を前記電気的装置に設定する設定手順と、
    を含むことを特徴とする設定方法。
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