JP2013203060A - 化粧シート及びこれを用いた化粧金属板 - Google Patents

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Abstract

【課題】折り曲げ加工性と、耐候性と、耐火性とをともに向上でき、さらに、化粧シートの最外層を形成する表面保護層と表面保護層の下側に配置される層との良好な密着性が得られる化粧シート、及び化粧シートを有する化粧金属板の提供すること。
【解決手段】化粧シート1は、基材2、着色インキ層3、プライマー層4及び表面保護層5をこの順に有し、基材2がポリエステル系フィルムからなり、基材2の厚みが20μm以上95μm以下であり、表面保護層5が電離放射線硬化型樹脂と熱硬化型樹脂とを質量比で95:5〜50:50の割合で含む樹脂組成物の硬化物からなり、硬化物のJIS K6732に準拠して測定した伸びが1%以上であり、化粧シート1のJIS K6732に準拠して測定した伸びが30%以上180%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、基材、着色インキ層、プライマー層、及び表面保護層をこの順に有する化粧シート、及び、この化粧シートを用いた化粧金属板に関する。
従来、金属板に柄、模様などの意匠を付与するために、化粧シートが用いられている。化粧シートには、柄、模様などの意匠が印刷などにより形成されており、金属板に貼着して用いられる。金属板に化粧シートが貼着されたものを化粧金属板という。
化粧シートの一例として、ポリ塩化ビニル樹脂からなる基材上に、塩化酢酸ビニル・アクリル系樹脂をバインダーとする絵柄層を介して、ポリ塩化ビニル樹脂からなる表面保護層を熱ラミネートしたものが挙げられる。
また、ポリ塩化ビニル樹脂のほかに、塩化物を含まないポリオレフィン樹脂から形成された化粧シートが提案されている(特許文献1参照)。ポリ塩化ビニル樹脂は、安価で汎用性が高いという利点があるものの、環境負荷が高いことや、紫外線により劣化しやすく耐候性に課題があることなどから、塩化物を含まないポリオレフィン樹脂などを用いた化粧シートが重宝されるようになってきている。
化粧金属板は、通常、折り曲げ加工などが施されて、建造物や構造物などの内外装材として使用される。化粧金属板が折り曲げられると、折り曲げ部分では、化粧シートを構成する基材、表面保護層などに負荷がかかり、表面の意匠の割れや白化が発生する場合がある。この傾向は、上述のポリオレフィン樹脂のなかでもポリプロピレン樹脂を主材料とした化粧シートに顕著であった。これに対して、ポリエステル樹脂を主材料とした化粧シートが提案されている(特許文献2参照)。
ところで、近年、化粧シートの適用分野の拡大に伴い、化粧シートには、更なる意匠性の向上、適用分野に応じた加工性、及び適用分野に応じた特性の向上が要求されている。例えば、化粧金属板を構造物及び建造物の外装材に適用した場合、折り曲げ加工性はもちろん、内装材として使用される場合に比べて、特に高いレベルの耐候性及び耐火性が求められる。
ポリプロピレン樹脂を主材料とした化粧シートは、ポリエステル樹脂を主材料とした化粧シートに比べて耐候性がある。しかし、上述したように、ポリプロピレン樹脂を主材料とした化粧シートは、生産時のたるみや乾燥による熱収縮や熱皺を防ぐために、ある程度の厚みが必要である。化粧シートの厚みが増すと有機分が増えるため、耐火性が劣ることがあった。
また、ポリエステル樹脂を主材料とした化粧シートは、ポリプロピレン樹脂を主材料とした化粧シートに比べて、薄くても折り曲げ加工性が良好であるため、耐火性の観点では、ポリプロピレン樹脂を主材料とした化粧シートよりも優位である。しかし、ポリエステル樹脂を主材料とした化粧シートは、ポリプロピレン樹脂を主材料とした化粧シートよりも耐候性が劣るため、所望の耐候性を満足するためには、コーティング層などを設ける必要があり、製造コストの増大を招く要因にもなっていた。
このように、化粧シートの折り曲げ加工性、耐候性、耐火性という、相反する3つの性能を同時に高いレベルで満足するには、更なる改良の余地があった。
また、化粧シートを外装材に適用した場合には、温度変化、湿度変化、水分接触等において、内装材に適用した場合よりも過酷な環境に曝されるため、使用期間の経過に伴って、化粧シートの最外層を形成する表面保護層と表面保護層の下側に配置される層との密着性が低下することも問題となっていた。
特開2000−326443号公報 特開2007−290382号公報
本発明は、折り曲げ加工性と、耐候性と、耐火性とをともに向上でき、さらに、化粧シートの最外層を形成する表面保護層と表面保護層の下側に配置される層との良好な密着性が得られる化粧シート、及び化粧シートを有する化粧金属板の提供を目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、基材の厚みと、表面保護層を構成する樹脂組成物の配合及び表面保護層の伸びと、化粧シートの伸びとを特定の値に設定することにより、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、
[1]基材、着色インキ層、プライマー層及び表面保護層をこの順に有する化粧シートであって、該基材がポリエステル系フィルムからなり、該基材の厚みが20μm以上95μm以下であり、該表面保護層が電離放射線硬化型樹脂と熱硬化型樹脂とを質量比で95:5〜50:50の割合で含む樹脂組成物の硬化物からなり、該硬化物のJIS K6732に準拠して測定した伸びが1%以上であり、該化粧シートのJIS K6732に準拠して測定した伸びが30%以上180%以下である化粧シート、
[2]前記熱硬化型樹脂がヒドロキシ基を有する樹脂及び前記プライマー層を構成する樹脂と同一の樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む上記[1]の化粧シート、
[3]前記基材が2軸延伸されたポリエチレンテレフタレートからなる上記[1]又は[2]の化粧シート、
[4]前記電離放射線硬化型樹脂がウレタン(メタ)アクリレートを含む上記[1]〜[3]の化粧シート、
[5]前記電離放射線硬化型樹脂がトリアジン系紫外線吸収剤及び光安定剤の少なくともいずれか一方を含む上記[1]〜[4]のいずれかの化粧シート、
[6]前記プライマー層を構成する樹脂がトリアジン系紫外線吸収剤及び光安定剤の少なくともいずれか一方を含む上記[1]〜[5]のいずれかの化粧シート、
[7]前記プライマー層を構成する樹脂がポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体を含む上記[1]〜[6]のいずれかの化粧シート、
[8]金属板と、上記[1]〜[7]のいずれかの化粧シートの基材とが接着剤層を介して貼着してなる化粧金属板、
を提供する。
本発明によれば、折り曲げ加工性と、耐候性と、耐火性とをともに向上でき、さらに、化粧シートの最外層を形成する表面保護層と表面保護層の下側に配置される層との良好な密着性が得られる化粧シート、及び化粧シートを有する化粧金属板を提供できる。
本発明の実施形態として示す化粧シートを説明する断面図である。
本発明に係る化粧シートは、基材、着色インキ層、プライマー層及び表面保護層をこの順に有する化粧シートであって、該基材がポリエステル系フィルムからなり、該基材の厚みが20μm以上95μm以下であり、該表面保護層が電離放射線硬化型樹脂と熱硬化型樹脂とを質量比で95:5〜50:50の割合で含む樹脂組成物の硬化物からなり、該硬化物のJIS K6732に準拠して測定した伸びが1%以上であり、該化粧シートのJIS K6732に準拠して測定した伸びが30%以上180%以下である。
[化粧シート]
本発明の実施形態として示す化粧シート1の典型的な構造について、図1を用いて説明する。図1は、化粧シート1の好ましい態様の一例を説明する断面図である。
化粧シート1は、図1に示すように、基材2、着色インキ層3、プライマー層4、表面保護層5をこの順に有する。
化粧シート1のJIS K6732に準拠して測定した伸びが30%以上180%以下であり、好ましくは、40%以上170%以下である。
化粧シート1の伸びが30%未満であると、剛性が高すぎて、化粧シート1の折り曲げ部分において、基材2或いは表面保護層5にクラックや白化が発生する。化粧シート1の伸びが180%を超えると、基材2は伸び易くなるが、着色インキ層3、プライマー層4、及び表面保護層5が基材2の変形に追従できず、クラックや白化が発生する。
伸びには、化粧シート1の製造時における流れ方向(MD方向という)の伸び、及び流れ方向(MD方向)に交差する方向(CD方向という)の伸びの両方が含まれる。本発明の化粧シート1は、MD方向の伸び及びCD方向の伸びの少なくともいずれか一方が30%以上180%以下を満足することを要し、MD方向の伸び及びCD方向の伸びの両方ともが30%以上180%以下を満足することがより好ましい。
[基材]
基材2は、耐候性、耐火性、及び折り曲げ加工性、及び汎用性の点では、ポリエステル樹脂フィルムからなることを要する。ポリエステル樹脂フィルムとしては、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。
ポリエステル樹脂フィルムに用いられるポリエステル樹脂とは、多価カルボン酸と、多価アルコールとから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーをいう。多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。
また、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカンジオール、2−エチル−ブチル−1−プロパンジオール、ビスフェノールAなどが挙げられる。さらに本発明で用いるポリエステル樹脂は、3種類以上の多価カルボン酸や多価アルコールの共重合体であってもよく、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのモノマーやポリマーとの共重合体であってもよい。
ポリエステル樹脂フィルムに用いられるポリエステル樹脂の一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などを好ましく挙げることができる。また、製造コストを考慮すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
基材2は、上記ポリエステル樹脂から選ばれる1種から形成された単層フィルムであってもよいし、上記ポリエステル樹脂から選ばれる1種から形成された単層フィルムが複数重ねられた複層フィルムであってもよい。さらには、上記ポリエステル樹脂から選ばれる1種から形成された単層フィルムと、上記樹脂から選ばれる他の樹脂から形成された単層フィルムとが複数重ねられた複層フィルムであってもよい。ポリエステル樹脂は、ホモポリマーでもよく、コポリマーでもよく、また第三成分を共重合させたものであってもよい。
ポリエステル樹脂は、各種ホモポリマーの他、樹脂の柔軟化等の目的で各種の共重合成分又は改質成分を添加した共重合ポリエステル系樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が使用できる。例えば、PETであれば、テレフタル酸とエチレングリコールとの縮合重合反応において、ジカルボン酸成分として、例えば、セバシン酸、エイコ酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の長鎖脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂環式ジカルボン酸を導入することができる。また、ジオール成分としてポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の両末端にヒドロキシ基を有するポリエーテル系ジオールを導入することができる。
本発明において、基材2として用いるポリエステル樹脂フィルムは、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等によりフィルム化することができる。また、基材2として用いるポリエステル樹脂フィルムは、1軸方向又は2軸方向に延伸加工された延伸フィルムであることが好ましく、2軸延伸フィルムであることがより好ましい。延伸方法は、逐次2軸延伸でも同時2軸延伸でもよい。また、熱固定を施す前又は後に、必要に応じて、縦及び/又は横方向に再び延伸してもよい。
ポリエステル樹脂フィルムの延伸倍率は、面積倍率として10倍以下であることが好ましく、6倍以下であることがより好ましい。さらには、3倍以上4倍以下であることが好ましい。この範囲内であれば、得られるポリエステル樹脂フィルムを基材2として用いた場合、良好な折り曲げ加工性及び寸法安定性が得られる。
基材2の厚みは、20μm以上95μm以下であり、好ましくは、25〜80μmであることが好ましく、より好ましくは、30〜50μmである。基材の厚みが20μm未満であると、基材2の破断を招き、基材2の厚みが95μmを超えると、所定の耐火性が得られない。
本発明における耐火性とは、ASTM E−84に準拠したスタイナートンネル燃焼試験により得られた炎拡散指数(FSI)及び煙発生指数(SDI)の数値に基づく、CLASS A、CLASS B、CLASS Cで表される。具体的には、FSI≦25、SDI≦450であれば、CLASS Aである。また、26≦FSI≦75、SDI≦450であれば、CLASS Bである。76≦FSI≦200、SDI≦450であれば、CLASS Cである。なお、本発明で「耐火性がある」とは、CLASS Aに該当することを意味する。
本発明では特に、基材2は、2軸延伸されたポリエチレンテレフタレートからなることが好ましい。2軸延伸されたポリエチレンテレフタレートが用いられることにより、基材2の機械的強度が向上する。
基材2に用いられるポリエステル樹脂には、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、充填剤、難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。紫外線吸収剤及び光安定剤は、後に詳述する表面保護層5を構成する樹脂に添加し得るものと同様のものを使用することができる。基材2は、着色されていてもよい。着色剤は、特に限定されず、顔料、染料等の公知の着色剤を使用できる。
着色剤の一例としては、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。基材2の着色には、透明着色と不透明着色(隠蔽着色)があり、これらは任意に選択できる。例えば、被着体(化粧シートを接着する金属板)の地色を着色隠蔽する場合には、不透明着色を選択すればよい。一方、被着体の地模様を目視できるようにする場合には、透明着色を選択すればよい。
基材2は、他の層との密着性を向上させるために、所望により、片面または両面に酸化法や凹凸化法などの物理的または化学的表面処理を施すことができる(以下、易接着処理という)。本発明の実施形態においては、基材2の少なくとも一方の面には、易接着処理が施されていることが好ましい。
本発明においては、化学的表面処理として易接着コート処理を好適に用いることができる。易接着コート処理とは、基材2上に樹脂層などをコーティングすることで、接着性を向上させるものであり、これに用いられる樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びウレタン樹脂からから選択される一種、又は複数を組み合わせて適宜選択できる。
酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられる。凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材2の種類に応じて適宜選択される。
[着色インキ層]
着色インキ層3は、基材2とプライマー層4との間に形成される。着色インキ層4は、絵柄層と着色隠蔽層の少なくとも一方からなる。
<絵柄層>
絵柄層は、化粧シート及び化粧金属板に所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は特に制限はない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄層は、種々の模様をインキと印刷機とを使用して印刷することにより形成される。通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成されるほか、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷などによっても形成される。絵柄層に用いるインキとしては、バインダーに顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。
バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂などの樹脂が好ましく挙げられ、これらを単独で、或いは2種以上を混合して用いることができる。
着色剤としては、化粧シートの用途や着色隠蔽層との色の相性などから適宜選択すればよいが、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルーなどの有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。
<着色隠蔽層>
着色隠蔽層は、化粧シート1の意匠性を高め、基材2と絵柄層との層間密着性を向上させる目的で、任意に設けられる。
着色隠蔽層は、化粧金属板を形成する金属板表面が着色されている場合や、金属板表面に色斑がある場合などに設けられ、金属板表面の色を整えて、意図した色彩を表出することができる。着色隠蔽層は、通常、金属板や、下地を隠蔽する目的で、不透明色により形成されることが多いが、着色透明色で形成し、基板や下地が持っている模様を生かすことができる。着色隠蔽層の形成に用いられるインキとしては、上述の絵柄層と同一のものが使用できる。着色隠蔽層の厚みは、0.5〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましく、1〜6μmがさらに好ましい。厚みが上記範囲内であると、着色隠蔽層を設ける効果が十分に得られる。
[プライマー層]
プライマー層4は、任意に設けられる。通常、化粧シートのプライマー層として用いられる樹脂材料を使用できる。プライマー層4を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂が挙げられる。熱硬化型樹脂の具体例としては、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体やポリエステル系ウレタンアクリル共重合体、あるいはポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体とアクリルポリオールとからなる樹脂を用いることが好ましく、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体がより好ましい。
これらの樹脂を用いてプライマー層4を形成することにより、応力緩和性が付与され、耐候性に優れたものが得られる。
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、ポリカーボネートジオールとジイソシアネートとを反応させて得られるポリカーボネート系ポリウレタン高分子をラジカル重合開始剤として使用し、アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる樹脂である。
硬化剤として用いられるジイソシアネートとしては、ポリウレタン分野にて従来公知の脂肪族(乃至は脂環式)又は芳香族の各種ジイソシアネートが挙げられる。
ここで、ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族系イソシアネートや、イソホロンジイソシアネート、水素転化キシリレンジイソシアネートなどの脂環式系イソシアネートが好ましく挙げられる。アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸やアルキル基の炭素数が1〜6程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
硬化剤として用いられるジイソシアネートは、上述した熱硬化型樹脂100質量部に対して、1〜30質量部含有されることが好ましい。
また、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体におけるウレタン成分とアクリル成分の質量比は、90/10〜50/50であることが好ましい。
プライマー層4は、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては特に限定されず、基材2の着色に用いることのできるものと同様のもの、またカーボンブラックなどを挙げることができる。これらの着色剤うち、チタン白(酸化チタン)などの無機顔料が好ましい。これらの無機顔料は下地の隠蔽効果が高く、また紫外線をカットする効果もある。さらには化粧シートの生産過程において、ブロッキングを防止する効果もある。
無機顔料としてシリカを使用することができる。シリカを使用する場合には、粒子形状が球形である球状シリカが好ましい。球状シリカの粒径は、1〜10μm程度であることが好ましく、透明性を向上させるためには、粒径は1〜4μm程度であることがより好ましい。このような球状シリカの種類は、処理/未処理問わず、従来公知のものが使用でき、これらを単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
また、球状シリカの配合量としては、プライマー層4を構成する樹脂分100質量部に対して、5〜25質量部であることが好ましい。このような粒径の球状シリカを上記配合量で配合することで、塗布性能を保持しつつ鏡面性、透明性を確保できる。
プライマー層4の厚さに制限はないが、折り曲げ加工時に表面保護層5にかかる応力を緩和する、或いは化粧シートの生産過程においてブロッキングを抑制するとともに十分な接着性を得るとの観点から、0.5〜10μmの範囲が好ましい。プライマー層4の厚さは、さらに1〜5μmの範囲が好ましい。また、プライマー層を形成する樹脂の塗布量は、0.5〜10g/m2の範囲であり、より好ましくは1〜5g/m2の範囲である。
<添加剤>
本発明の実施形態において、プライマー層4には、各種添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、揺変性(チキソ性)付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤などが挙げられる。
(耐候性改善剤)
耐候性改善剤として、プライマー層4は、紫外線吸収剤及び光安定剤の少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。
耐候性とは、プライマー層4が紫外線等で劣化剥離することに対する耐性と、着色インキ層3及び基材2が紫外線等で劣化変色することに対する耐性とを含む。耐候性改善剤は、この両者の効果を向上させる点で好適である。
紫外線吸収剤としては、無機系、有機系のいずれでもよく、無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5〜120nm程度の酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛などを好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、サリチレート系、アクリロニトリル系などが好ましく挙げることができる。なかでも、紫外線吸収能が高く、また紫外線などの高エネルギーに対しても劣化しにくいトリアジン系がより好ましい。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤である2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン(BASF社製、商品名「TINUVIN 479」)、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニル、とオキシラン{特に、[(C10―C16、主としてC12―C13アルキルオキシ)メチル]オキシラン}との反応生成物(BASF社製、商品名「TINUVIN 400」)、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物(BASF社製、商品名「TINUVIN 405」)、2,4−ビス[2−ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジン(BASF社製、商品名「TINUVIN 460」)などが挙げられる。また、紫外線吸収剤として、分子内に電子線反応性基を有する紫外線吸収剤を用いることもできる。
トリアゾール系紫外線吸収剤としては、具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3−[3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸エステルなどが挙げられる。
特に、トリアジン系紫外線吸収剤を使用する場合には、その含有量は、プライマー層4を形成する樹脂分100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは1〜40質量部、さらに好ましくは10〜35質量部である。
(光安定剤)
光安定剤としては、ヒンダードアミン系の光安定剤(HALS)などが好ましく挙げられる。また、分子内に電子線反応性基である(メタ)アクリロイル基を有する光安定剤を用いることもできる。
ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(BASF社製、商品名「TINUVIN 292」)、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物(BASF社製、商品名「TINUVIN 123」)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン)などのヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
また、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート(BASF社製、商品名「サノール LS−3410」)、ペンタメチルピペリジルメタクリレート(日立化成工業株式会社製、商品名「FA−71lMM」)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジエルメタクリレート(日立化成工業株式会社製、商品名「FA−712HMJ)などの電子線反応性ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤を使用する場合には、その含有量は、プライマー層4を形成する樹脂分100質量部に対して、0.05〜15質量部、より好ましくは0.5〜12質量部、さらに好ましくは1〜10質量部であり、特に好ましくは3〜10質量部である。
<プライマー層の形成方法>
プライマー層4は、プライマー層4を形成する樹脂を含む組成物をそのまま、又は溶媒に溶解若しくは分散させた状態のものを、公知の印刷方法、塗布方法などによって、着色インキ層3の表面に塗布した後、乾燥し硬化することによって形成できる。
[表面保護層]
表面保護層5は、電離放射線硬化型樹脂と熱硬化型樹脂とを質量比で95:5〜50:50の割合で含む樹脂組成物の硬化物からなる。
熱硬化型樹脂の質量比が5%未満であると、表面保護層5とプライマー層との耐環境試験後の密着性が低下するため好ましくない。また、熱硬化型樹脂の質量比が50%を超えると、電離放射線硬化型樹脂の架橋密度が低下することにより、耐傷性、耐溶剤性が低下するため好ましくない。電離放射線硬化型樹脂の質量比が95%を超えると耐環境試験後の密着性が低下し、電離放射線硬化型樹脂の質量比が50%未満であると、耐汚染性が低下する。
<電離放射線硬化型樹脂>
電離放射線硬化型樹脂とは、電磁波または荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有する、紫外線または電子線などを照射することにより、架橋され硬化する樹脂である。具体的には、従来、電離放射線硬化型樹脂として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマー乃至はプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。
本発明においては、多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、本発明の目的を損なわない範囲で単官能性(メタ)アクリレートを適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系、カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオール系ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。折り曲げ加工性を高めるという観点から、これらのなかでもウレタン(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオール系ウレタン(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。
ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端にヒドロキシ基を有するポリエステルオリゴマーのヒドロキシ基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端のヒドロキシ基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールのヒドロキシ基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
カプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートは、カプロラクトン系ポリオールと有機イソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応により得ることができるものである。カプロラクトン系ポリオールとしては、市販品を使用でき、好ましくは2個のヒドロキシ基を有し、数平均分子量が好ましくは500〜3000、より好ましくは750〜2000のものが挙げられる。また、カプロラクトン系以外のポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのポリオールを1種又は複数種を任意の割合で混合して使用することもできる。
有機ポリイソシアネートとしては、2個のイソシアネート基を有するジイソシアネートが好ましく、黄変を抑制する観点から、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが好ましく挙げられる。また、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが好ましく挙げられる。
カプロラクトン系ウレタンアクリレートは、これらのポリカプロラクトン系ポリオールと有機ポリイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応で合成することができる。合成法としては、ポリカプロラクトン系ポリオールと有機ポリイソシアネートとを反応させて、両末端に−NCO基(イソシアナート基)を含有するポリウレタンプレポリマーを生成させた後に、ヒドロキシ(メタ)アクリレートと反応させる方法が好ましい。反応の条件などは常法に従えばよい。
カプロラクトンジオール系ウレタンアクリレートとしては、カプロラクトン系ポリオールとしてポリカプロラクトンとジエチレングリコールとを併用し、有機ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとして2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレーを用いて得られるものが特に好ましい。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。
電離放射線硬化型樹脂として、紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、ベンゾイン系、アセトフェノン系、フェニルケトン系、ベンゾフェノン系、アントラキノン系などの光重合開始剤が好ましく挙げられる。
また、光増感剤として、例えば、p−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いてもよい。
<熱硬化型樹脂>
熱硬化型樹脂は、加熱により、単独で、又は後述する硬化剤と併用することで架橋され、硬化する樹脂である。
熱硬化型樹脂としては、ヒドロキシ基を有する樹脂、及びプライマー層を構成する樹脂と同一の樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ヒドロキシ基を有する樹脂は、プライマー層に含まれる硬化剤と反応するものと考えられる。このため、表面保護層5を形成する樹脂が熱硬化型樹脂としてヒドロキシ基を有する樹脂を含むことにより、隣接するプライマー層4との密着性を高めることができる。また、表面保護層5を形成する樹脂がプライマー層4を構成する樹脂と同一の樹脂を含むことにより、表面保護層5を形成する樹脂とプライマー層4を形成する樹脂との馴染みがよくなるため、表面保護層5とプライマー層4との密着性が高められる。
ヒドロキシ基を有する樹脂としては、ポリオール化合物が好ましい。ポリオール化合物は、分子中に2個以上のヒドロキシ基を有するものであり、例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、アクリルポリオール、ポリエステルポリオールが好ましく、アクリルポリオールがより好ましい。
また、カルボキシ基を有する樹脂を用いることもできる。カルボキシ基を有する樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
熱硬化型樹脂の硬化促進の観点から、硬化剤を含有していてもよい。硬化剤としては、熱硬化型樹脂との反応により、該熱硬化型樹脂を硬化させ得る化合物であればよく、熱硬化型樹脂の種類に応じて、公知の硬化剤を適宜選択して用いることができる。
例えば、ヒドロキシ基を有する樹脂として、ポリオール化合物を用いた場合には、反応性の観点から、硬化剤としてポリイソシアネート化合物を用いることが好ましい。
ポリイソシアネート化合物は、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)ビシクロヘプタン等の脂肪族ポリイソシアネートや、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香環を有するポリイソシアネートが挙げられる。これらのうち、耐汚染性及び耐候性の観点から、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートが好ましい。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、プライマー層を構成する樹脂と同一の樹脂として、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体を使用することができる。
このような観点から、熱硬化型樹脂としては、ポリカーボネート系ウレタンアクリルを使用することが好ましい。
<添加剤>
本発明における電離放射線硬化型樹脂には、形成する表面保護層に望まれる物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、揺変性(チキソ性)付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤などが挙げられる。
耐候性改善剤としては、紫外線吸収剤及び光安定剤の少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。紫外線吸収剤及び光安定剤は、プライマー層4において説明したものと同一のものを使用できる。光安定剤は、反応性を有する反応性光安定剤であってもよい。
紫外線吸収剤の含有量は、表面保護層を形成する樹脂分100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部、さらに好ましくは1〜5質量部である。また、光安定剤の含有量は、表面保護層を形成する樹脂分100質量部に対して、好ましくは0.05〜20質量部、より好ましくは0.1〜10質量部、さらに好ましくは0.5〜5質量部である。
耐候性改善剤として紫外線吸収剤及び光安定剤の少なくともいずれか一方が上記配合量で配合されることにより、着色インキ層3及び基材2が紫外線等で劣化変色することに対する耐性とを向上させることができる。
<表面保護層の形成方法>
表面保護層を形成する際には、電離放射線硬化型樹脂と熱硬化型樹脂とを所定の割合で混合した樹脂組成物を調製し、電子線硬化成分である重合性モノマー、重合性オリゴマー、及び各種添加剤を、樹脂組成物中にそれぞれ所定の割合で均質に混合して塗布剤を調製する。塗布剤の粘度は、後述の塗布方式により、基材の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はない。
このように調製された塗布剤を、プライマー層の上に、硬化後の厚みが1〜20μmになるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗布し、未硬化樹脂層を形成させる。
硬化後の好ましい膜厚は、表面保護層を形成する樹脂の種類に応じて、1〜20μmの範囲で適宜決定される。
上述のようにして形成された未硬化樹脂層に、電子線を照射して、該未硬化樹脂層を硬化させる。その加速電圧については、表面保護層を形成する樹脂の種類又は厚みに応じて適宜選定し得るが、加速電圧70〜300kV程度とすることが好ましい。
電子線照射では、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、電子線により劣化する基材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することが好ましい。これにより、基材に余分な電子線が照射されることを防ぎ、過剰電子線による基材の劣化を最小限に留めることができる。電子線の照射量は、表面保護層を形成する未硬化樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGyの範囲で選定される。
電子線源に制限はなく、例えば、コックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの電子線加速器を用いることができる。
また、電子線を照射した後、熱硬化型樹脂を硬化させるために加熱する。加熱条件としては、使用する熱硬化型樹脂の硬化温度に併せて適宜設定が可能である。例えば、60〜80℃とすることができる。
このようにして形成された表面保護層には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能などを付与することもできる。
本発明では、このようにして形成された表面保護層を形成する電離放射線硬化型樹脂の硬化物のJIS K6732に準拠して測定した伸びは、1%以上であることを要する。JIS K6732は、通常、農業用ポリ塩化ビニルフィルムの測定試験を規定するものであるが、本実施例では、表面保護層5を形成する電離放射線硬化型樹脂の硬化物の伸びを、JIS K6732に規定される方法に従って計測した値により規定する。
伸びが1%未満であると、折り曲げ加工性が低下し、折り曲げ部分に割れや白化が生じる。また、伸びが400%を超えると表面保護層の剛性が低下する。
[化粧金属板]
化粧シートは、単独で、ラミネート材、ラッピング材として使用することができるほか、鉄、アルミニウム、銅等の金属材料からなる金属板に貼着されて化粧金属板を構成する。金属材料と化粧シートとを貼着する接着剤又は粘着剤に限定はなく、化粧シートの分野で公知の接着剤又は粘着剤であれば使用できる。
すなわち、化粧金属板は、金属板、該金属板の表面に配置される接着層、及び該接着層を介して該金属板に貼着された化粧シートをこの順に有する。
金属材料は、溶融亜鉛メッキ処理や電気亜鉛メッキ処理などの表面処理が施されていてもよい。また、被着体の形状は特に限定されず、例えば、平板、曲面板、多角柱等の形状であってもよい。金属板の厚さに制限はないが、0.2〜2mmであることが好ましい。なお、被着体である金属板に隠蔽性を付与するために、金属板は、直接着色されていてもよいし、色や絵柄などが形成されたコーティング層が設けられていてもよい。
上述した化粧金属板は、例えば、壁、天井等の建築物内装材、構造物や建造物の外装材、扉、扉枠、窓枠等の建具の表面材、回縁、幅木等の造作部材の表面材、箪笥、キャビネット等の家具の表面材などに使用できる。
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、実施例に限定されない。
[評価方法]
<表面保護層の伸び>
実施例1〜9、及び比較例1〜10のそれぞれの化粧シートの表面保護層を形成する電離放射線硬化型樹脂の硬化物の伸びをJIS K6732に従って測定した。すなわち、実施例1〜9、及び比較例1〜10のそれぞれの化粧シートの表面保護層を形成する電離放射線硬化型樹脂の硬化物をJIS K6732に準拠してダンベル型に打ち抜いて試験用シートを用意した。この試験用シートの伸びを、引張圧縮試験機(オリエンテック株式会社製 テンシロンRTC−1250A)を用い、25℃の温度環境下にて、引張速度50mm/分、チャック間距離100mmの条件で測定した。
<化粧シートの伸び>
実施例1〜9、及び比較例1〜10のそれぞれの化粧シートの伸びを次のように測定した。すなわち、実施例1〜9、及び比較例1〜10のそれぞれの化粧シートをJIS K6732に準拠してダンベル型に打ち抜いて試験用シートを用意した。この試験用シートの伸びを、上記引張圧縮試験機を用い、同一の条件にて測定した。
<密着性>
実施例1〜9、及び比較例1〜10のそれぞれの化粧シートから、さらに下記3種類の状態の化粧シートについて、剥離試験を行い、密着性を評価した。
耐候性試験前及び耐水性試験前:状態A
光劣化処理後(「アイスーパーUVテスター」、60mW/cm2の照射条件で紫外線を300時間照射した):状態B
水分劣化処理後(80℃温水中に1ヶ月載置後):状態C
実施例1〜9、及び比較例1〜10のそれぞれの化粧シートから得られた状態A〜Cの化粧シートのそれぞれにカッターナイフで1mm×1mmの碁盤目状の切り傷を入れ、100マスの碁盤目を作製した。碁盤目部分に粘着テープを付着させて、斜め45°の角度から粘着テープを一気に引き剥がした。剥離したシート片の割合により、下記の基準で評価した。1,2を合格とした。
0〜5%:1
6〜10%:2
11%以上:3
<加工性>
実施例1〜9、及び比較例1〜10のそれぞれの化粧シートを厚み0.8mm、40×40mmのアルミ板に貼付した試験用の化粧金属板に対して、JIS Z2248に規定された金属材料曲げ試験を試験温度25±5℃にて行った。試験方法は、次のとおりである。試験用の化粧金属板をVブロック法により90°折り曲げた後、アルミ板と同一厚みの板を介在させて、押し曲げ法により180°折り曲げる加工を行った。なお、JIS Z2248は、金属板の曲げ試験を規定するものであるが、本実施例では、化粧シートが貼付された金属板について、JIS Z2248に従って試験を行った。
このとき、折り曲げ部分における、基材、着色インキ層、プライマー層、表面保護層それぞれの割れや白化を目視観察し、下記の基準で評価した。1,2を合格とした。
割れや白化はほとんど確認されない:1
軽微な割れや白化が確認されたが、実用上問題なし:2
著しい割れや白化が確認された:3
<耐候性>
実施例1〜9、及び比較例1〜10のそれぞれの化粧シートに、耐候性試験装置(岩崎電気株式会社製、「アイスーパーUVテスター」)を用いて、60mW/cm2の照射条件で紫外線を照射し、化粧シートの表面にクラックや白化などの外観変化が生じるまでの時間(hour)を測定し、下記の基準で評価した。1,2を合格とした。
500時間以上:1
150時間以上500時間未満:2
150時間未満:3
<耐火性>
実施例1〜9、及び比較例1〜10のそれぞれの化粧シートをアルミ板に貼付した試験用の化粧金属板を、ASTM E−84に準拠したスタイナートンネル燃焼試験を実施し、炎拡散指数(FSI)と、煙発生指数(SDI)の数値に基づいて、CLASS A、CLASS B、それ以外に分類した。1を合格とした。
CLASS A(FSI≦25、SDI≦450):1
CLASS B(26≦FSI≦75、SDI≦450):2
それ以外(FSI≧76):3
<耐擦傷性>
耐擦傷性は、実施例1〜9、及び比較例1〜10のそれぞれの化粧シートにスチールウール(♯0000)を当接し、1.5kgの荷重をかけて10往復擦った後、化粧シートの表面を目視観察し、下記の基準で評価した。1,2を合格とした。
外観にほとんど変化がなかった:1
外観に若干の傷つき、又は色変化があった:2
外観に著しい傷つき、又は色変化があった:3
<耐溶剤性>
耐溶剤性は、次のように評価した。メチルエチルケトンを染込ませたガーゼを輪ゴムで取り付けた1.5kgの錘を、実施例1〜9、及び比較例1〜10のそれぞれの化粧シートの表面において50往復させた後、化粧シートの表面を目視観察し、下記の基準で評価した。1,2を合格とした。
シート表面の外観変化はほとんどなかった:1
シート表面の外観変化は若干見られたが、実用上問題なかった:2
シート表面の外観変化が著しかった:3
<耐汚染性>
実施例1〜9、及び比較例1〜10のそれぞれの化粧シートの表面に、NEMA LD3に準拠した汚染物を塗布し、24時間後に以下の方法で拭き取った。汚染物として、蒸留水、エタノール水、アセトン、アンモニア、10%クエン酸水溶液、ベジタブルクッキング油、コーヒー、紅茶、ケチャップ、マスタード、10%ヨウ素水溶液、スタンプインク(紫)、#2鉛筆、クレヨン、及び靴墨を選択した。下記拭き取り方法によって拭き取ることができた場合、その点数を加算し、合計点を下記の基準で評価した。合計点が高いほど、耐汚染性が悪いことを示す。1,2,3(合格点が0〜50)を合格とした。
(拭き取り方法)
水、又は乾拭きで拭き取ることができた:0点
荷重(1kg)をかけて、水又は乾拭きで拭き取ることができた:1点
一般クリーナーで拭き取ることができた:2点
除光液で拭き取ることができた:3点
次亜塩素酸漂白液で拭き取ることができた:4点
上記では除去できない:5点
(耐汚染性評価)
合計点が0〜15点:1
合計点が16〜25点:2
合計点が26〜50点:3
合計点が51点以上:4
<電子線照射後の色変化>
実施例1〜9、及び比較例1〜10のそれぞれの化粧シートに、電子線を放射し、放射後の色変化の有無を下記の基準で目視により判断した。1,2を合格とした。
変色なし:1
軽微な変色があったが、実用上問題なし:2
著しい変色あり:3
[実施例]
<実施例1>
基材2として、厚さ45μmのフィルムA1を用いた。このフィルムA1の片面に、着色隠蔽層及び絵柄層を有する着色インキ層を印刷した後、絵柄層の上に、硬化後の厚みが3μmになるように、後述する樹脂組成物を塗布し、プライマー層を形成した。続いて、プライマー層の上に、更に、硬化後の厚みが5μmになるように、電離放射線硬化型樹脂と熱硬化型樹脂B1とを含む樹脂組成物をグラビアダイレクトコータ法により塗布した。塗布した後、加速電圧90kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電離放射線硬化型樹脂を硬化させた。その後、70℃24時間養生して、熱硬化型樹脂を硬化させた。これにより、表面保護層5を形成した。
(基材)
フィルムA1とは、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「Z210E45」)であり、易接着コート処理済みのものである。
(プライマー層)
プライマー層を形成する樹脂は、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体におけるウレタン成分とアクリル成分の質量比が70/30であるポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体を100質量部、及び硬化剤としてヘキサンメチレンジインシアネートを7質量部配合したものである。このほかに、プライマー層を形成する樹脂に、紫外線吸収剤としてトリアジン系紫外線吸収剤、光安定剤としてヒンダードアミン系光安定剤を適量配合した。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニル、とオキシラン{[(C10−C16、主としてCl2−C13アルキルオキシ)メチル]オキシラン}との反応生成物(BASF社製、商品名「TINUVIN 400」)、及び2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン(BASF社製、商品名「TINUVIN 479」)を用いた。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、デカンニ酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキン)−4−ピペリジエル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物(BASF社製、商品名「TINUVIN 123」)を用いた。
「TINUVIN 400」を13質量部、「TINUVIN 479」を17質量部、「TINUVIN 123」を8質量部配合した。
(表面保護層)
表面保護層を形成する樹脂組成物は、電離放射線硬化型樹脂として、3官能カプロラクトン系ウレタンアクリレート(固型樹脂分65%、伸び17%)を90質量部、熱硬化型樹脂B1としてアクリルポリオール系樹脂を10質量部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)を1質量部含む。
上述した樹脂組成物100質量部に対して、耐候剤として、トリアジン系紫外線吸収剤3質量部、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)3質量部、及び酸化防止剤1質量部を添加した。トリアジン系紫外線吸収剤として、トリアジン系紫外線吸収剤は「TINUVIN 479」を用い、電子線反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤として、1,2,2,6,6−ペンタメチルー4−ピペリジニルメタクリレート(BASF社製、商品名「サノール LS−3410」)を用いた。
<実施例2〜7>
表面保護層を形成する樹脂の組成と配合量を、第1表に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。なお、熱硬化型樹脂B2は、ポリエステルポリオール系樹脂であり、熱硬化型樹脂B3は、ポリカーボネート系ウレタンアクリル樹脂である。
<実施例8>
基材2として、厚さ25μmのフィルムA2を用いたこと以外は、実施例7と同様にして化粧シートを作製した。
フィルムA2は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名「E5007」)の表面及び裏面に、着色インキ層を印刷する前に、コロナ放電処理を施したものである。
<実施例9>
基材2として、厚さ38μmのフィルムA3を用いたこと以外は、実施例7と同様にして化粧シートを作製した。
フィルムA3は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「G900E38」)であり、易接着コート処理済みのものである。
[比較例]
<比較例1>
表面保護層を形成する樹脂に熱硬化型樹脂を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。
<比較例2〜7>
表面保護層を形成する樹脂に電離放射線硬化型樹脂を用いず、熱硬化型樹脂の種類を第2表のように変更したこと以外は、実施例1と同様に化粧シートを作製した。
<比較例8>
基材2として、厚さ12μmのフィルムA4を用いたこと以外は、実施例7と同様にして化粧シートを作製した。フィルムA4は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名「E5100」)の表面及び裏面に、着色インキ層を印刷する前に、コロナ放電処理を施したものである。
<比較例9>
基材2として、厚さ80μmのフィルムA5を用いたこと以外は、実施例7と同様にして化粧シートを作製した。フィルムA5とは、ポリプロピレン樹脂フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「アートプライ」)であり、易接着コート処理済みのものである。
<比較例10>
基材2として、厚さ170μmのフィルムA6を用いたこと以外は、実施例7と同様にして化粧シートを作製した。フィルムA6とは、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム(バンドー化学株式会社製、商品名「SHF BW−201」)であり、易接着コート処理済みのものである。
[評価結果]
上述した評価方法に基づく評価結果を第1表及び第2表に示す。
第1表及び第2表に示すように、基材として2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いるとともに、基材の厚みを25,38,45μmに設定し、表面保護層を電離放射線硬化型樹脂と熱硬化型樹脂とを質量比で95:5〜50:50の割合で含む樹脂組成物の硬化物とし、さらに、硬化物のJIS K6732に準拠して測定した伸びが1%以上であり、化粧シートのJIS K6732に準拠して測定した伸びが30%以上180%以下を満たす化粧シートは、加工性、耐候性、及び耐火性に優れるとともに、密着性が良好であることが判った。
1…化粧シート、 2…基材、 3…着色インキ層、 4…プライマー層、 5…表面保護層

Claims (8)

  1. 基材、着色インキ層、プライマー層及び表面保護層をこの順に有する化粧シートであって、
    該基材がポリエステル系フィルムからなり、
    該基材の厚みが20μm以上95μm以下であり、
    該表面保護層が電離放射線硬化型樹脂と熱硬化型樹脂とを質量比で95:5〜50:50の割合で含む樹脂組成物の硬化物からなり、
    該硬化物のJIS K6732に準拠して測定した伸びが1%以上であり、
    該化粧シートのJIS K6732に準拠して測定した伸びが30%以上180%以下である化粧シート。
  2. 前記熱硬化型樹脂は、ヒドロキシ基を有する樹脂、及び前記プライマー層を構成する樹脂と同一の樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記基材が2軸延伸されたポリエチレンテレフタレートからなる請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 前記電離放射線硬化型樹脂がウレタン(メタ)アクリレートを含む請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
  5. 前記電離放射線硬化型樹脂がトリアジン系紫外線吸収剤及び光安定剤の少なくともいずれか一方を含む請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
  6. 前記プライマー層を構成する樹脂がトリアジン系紫外線吸収剤及び光安定剤の少なくともいずれか一方を含む請求項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
  7. 前記プライマー層を構成する樹脂がポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体を含む請求項1〜6のいずれかに記載の化粧シート。
  8. 金属板と、請求項1〜7のいずれかに記載の化粧シートの基材とが接着剤層を介して貼着してなる化粧金属板。
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