JP2013198994A - 熱転写シート - Google Patents

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都明 小高
Kazuya Yoshida
和哉 吉田
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Abstract

【課題】染料保存性と染料転写効率の双方に優れた熱転写シートを提供する。
【解決手段】基材1の一方の面に、昇華性染料とバインダー樹脂を含有する染料層2が設けられ、基材の他方の面に背面層5が設けられた熱転写シート10であって、前記バインダー樹脂がニトロセルロースであり、前記染料層の塗工量が、乾燥時で0.50g/m2以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は熱転写シートに関する。
熱転写を利用した画像の形成方法として、昇華性染料をプラスチックフィルム等の基材上に担持させた昇華型の熱転写シートと、紙やプラスチックフィルム等の別の基材上に染料受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせてフルカラー画像を形成する昇華型熱転写方法が知られている。この方法は昇華性染料を色材としているため中間色の再現性や階調性に優れており、原稿通りのフルカラー画像を熱転写受像シート上に鮮明に表現することができるので、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
このような昇華型の熱転写シートの染料層には、熱転写シートの保存時に、染料層に含有される昇華性染料がバインダー樹脂に良好に保持され、かつ熱転写時に、昇華性染料がバインダー樹脂から良好に放出されること、すなわち高い保存安定性と染料転写効率が求められている。
保存安定性を主眼とするバインダー樹脂として、ブチラール系や、アセタール系の樹脂が知られている(特許文献1参照)。ブチラール系や、アセタール系の樹脂をバインダー樹脂として含有する染料層は、保存安定性に優れる一方で、染料転写効率が低く印画濃度が低いといった問題がある。したがって、これらのバインダー樹脂を用いる場合には、(i)染料層の塗工量を多くして染料層中に含まれる昇華性染料の含有量を多くするか、あるいは(ii)熱転写シートの染料層における昇華性染料/バインダー樹脂の質量比率(D/B比)を大きくする等の方法によって、印画濃度を向上させる必要がある。
しかしながら、上記(i)染料層の塗工量を多くした場合には、染料層中に熱転写受像シート側に移行しない昇華性染料が多く残存することとなり、コスト面的には好ましいとはいえない。また、十分な印画濃度となるまで(ii)D/B比を大きくした場合には、ブチラール系やアセタール系のバインダー樹脂では、昇華性染料を保持することができず、保存安定性が著しく低下する。保存安定性が低下した場合には、熱転写シート製造時に巻き取り状態で保管した際、染料層と基材の反対側面に設けられた背面層とが接することにより、染料層から背面層へ昇華性染料が移行(キック)し、シートの搬送性の低下や、背面層の機能低下を引き起こす。さらに、さらに製品とするためボビン等に巻き返した時に、この背面層に移行した染料が保護層に再転写(バック)し、得られた画像が汚染された状態になる。また、高温高湿環境下で保存を行ったときに、染料が染料層の表面に析出し、印画時にこの析出した染料が未印画部と接触して未印画部を汚染する地汚れが発生する等の種々の問題がある。
染料転写効率の向上を主眼とするバインダー樹脂としてはセルロース系樹脂、例えば、セルロースアセテートプロピオネートやエチルセルロース等が知られている。しかしながら、染料転写効率の向上を主眼とするこれらのバインダー樹脂は染料転写効率には優れるものの、保存安定性が低く、特に、染料層の塗工量を少なくした場合や、D/B比を大きくした場合には、保存安定性が低下し、上記の問題を引き起こすこととなる。
つまり、保存安定性と染料転写効率とはトレードオフの関係にあり、保存安定性の高い材料を選定した場合には、染料転写効率が低下する傾向となり、一方、染料転写効率の高い材料を選定した場合には、保存安定性が低下する傾向となる。現在のところ、保存安定性と染料転写効率の双方をみたすバインダーは存在していない。
特開2009−286060号公報
本発明はこのような状況においてなされたものであり、染料転写効率が高く、印画濃度を向上させるべくバインダー樹脂に対する昇華性染料の比率を大きくした場合であっても、保存安定性に優れる熱転写シートを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面に、昇華性染料とバインダー樹脂を含有する染料層が設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートであって、前記バインダー樹脂がニトロセルロースであり、前記染料層の塗工量が、乾燥時で0.50g/m2以下であることを特徴とする。
また、前記染料層中における前記昇華性染料と前記バインダー樹脂の質量比率(D/B比(昇華性染料/バインダー樹脂))が2.0以上3.5以下であってもよい。
本発明の熱転写シートによれば、染料転写効率が高く印画濃度の高い画像形成が可能であり、かつ保存安定性に優れることから地汚れやキック及びバックの発生を防止することができる。また、本発明の一実施形態によれば、これとともに熱転写時に印画濃度の高い印画物を形成することができる。
本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
以下に、本発明の熱転写シートについて詳細に説明する。図1は、本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
図1に示すように、本発明の熱転写シート10は、基材1の一方の面に昇華性染料とバインダー樹脂を含有する染料層2が設けられ、基材の他方の面に背面層5が設けられた構成をとる。そして本発明では、染料層2に含有されるバインダー樹脂が、ニトロセルロースであり、染料層2の塗工量が、乾燥時で0.50g/m2以下であることを特徴とする。なお、図1では、基材1と染料層2との間にプライマー層3が設けられているが、プライマー層3は本発明の熱転写シート10における任意の構成である。
(基材)
本発明の熱転写シート10に用いられる基材1としては、ある程度の耐熱性と強度に加え、透明性を有するものであれば特に限定されることはなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。このような基材1として、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。更に、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
(染料層)
図1に示すように基材1上には染料層2が設けられている。染料層2には、昇華性染料とバインダー樹脂としてのニトロセルロースが含有されている。
<昇華性染料>
染料層2に含有される昇華性染料の材料は、従来公知の染料を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましく、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、ピラゾロンメチン、ピリドンメチン等のメチン系染料、インドアニリン系染料、インドナフトール系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、ピラゾロンアゾメチン、ピラゾロトリアゾールアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、チアゾールアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料、アミノピラゾール系染料、ピラゾロトリアゾール系染料、ジシアノスチリル、トリシアノスチリツ等のスチリル系染料等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等の黄色染料、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料が挙げられる。
<ニトロセルロース>
染料層2には、昇華性染料とともに、該昇華性染料を保持するためのバインダー樹脂としてニトロセルロースが含有されている。バインダー樹脂としてのニトロセルロースは昇華性染料の染料保持力が高いため、昇華性染料とニトロセルロースとの質量比率(D/B比(昇華性染料/バインダー樹脂))(以下D/B比という)が高くなっても、保存安定性を満足させることができ、地汚れや、キック及びバックの発生を防止できる。また、染料転写効率がよいため、転写効率を上げるために塗工量を少なくした場合であっても、高い印画濃度を得ることができる。
また、本発明では、染料層2の塗工量が乾燥時で0.50g/m2以下の範囲に規定されている。染料層2の塗工量をこの範囲内とすることで、転写時の染料転写効率を向上させることができ、染料層2に含まれる昇華性染料を無駄なく熱転写受像シート上に移行させることができる。なお、染料層2の塗工量が乾燥時で0.50g/m2を超えると染料転写効率が低下する。染料層2の下限値について特に限定はないが、染料層の塗工量が乾燥時で0.13g/m2未満である場合には、ニトロセルロースに対する昇華性染料の配合比率を多くしても十分な印画濃度を得られない場合がある。したがって、この点を考慮すると、染料層の塗工量は、乾燥時で0.13g/m2以上0.50g/m2以下であることが好ましい。
なお、バインダー樹脂として従来公知の材料の中には、保存安定性に優れた物質や、染料転写効率に優れた物質も存在するが、前者の物質を用いた場合には、昇華性染料の転写効率を上げるために染料層の塗工量を少なくした場合、具体的には、染料層の塗工量を0.50g/m2以下とした場合には、染料層中に含まれる染料絶対量が不足し十分な濃度が得られない。この場合において、十分な濃度を得るためにD/B比を上げると、保存安定性が著しく低下する。また、後者の物質を用いた場合には、保存安定性を満足させるために、染料層中に含有される昇華性染料の含有量を少なくする必要があるが、昇華性染料の含有量を少なくした場合には、十分な印画濃度を得ることができない。
本発明では、上述したように、バインダー樹脂としてニトロセルロースを採用するとともに、染料層2の塗工量を乾燥時で、0.50g/m2以下とすることで、染料転写効率と保存安定性の双方の要求を満足させているが、染料層2に含まれる昇華性染料の含有量が少ない場合には十分な印画濃度を得ることができない場合がある。この点を考慮すると、染料層2中に含まれる昇華性染料とニトロセルロースとの質量比率(D/B比(昇華性染料/バインダー樹脂))は2.0以上であることが好ましい。D/B比を2.0以上とすることで、十分な印画濃度の印画物を得ることができる。
なお、通常D/B比が2.0以上である場合には、これまで用いられてきた従来公知のバインダー樹脂では昇華性染料を保持することができないが、本発明では、染料層2にニトロセルロースが含まれることからD/B比が2.0以上であっても昇華性染料を十分に保持することができ、保存安定性に優れる。D/B比の好ましい上限値について特に限定はないが、D/B比が3.5を超える場合には、バインダー樹脂に対する昇華性染料の染料量が多くなりすぎ、バインダーが昇華性染料を保持しきれず保存安定性が低下する場合がある。したがって、この点を考慮すると、D/B比は2.0以上3.5以下の範囲内であることが好ましい。
ニトロセルロースの粘度について特に限定はないが、染料層2に、JIS K−6703による粘度が1/16未満のニトロセルロースを含有させた場合には、保存安定性が低下する傾向にある。一方、染料層2にJIS K−6703による粘度が120を超えるニトロセルロースを含有させる場合には、染料層2の形成時にインキミスト等が発生するおそれが生じうる。
この点を考慮すると、染料層2には、JIS K−6703による粘度で、1/16以上120以下のニトロセルロースが含有されていることが好ましく、1/8以上120以下のニトロセルロースが含有されていることが更に好ましい。換言すれば、JIS K−6703による粘度(溶液濃度25%)が1.0秒〜14.9秒、JIS K−6703による粘度(溶液濃度20%)が6.0秒〜8.0秒、或いはJIS K−6703による粘度(溶液濃度12.2%)が4.0秒〜140.0秒のものが好ましい。JIS K−6703による粘度がこの範囲内のニトロセルロースを染料層2に含有させることで、保存安定性を更に向上させることができるとともに、染料層2の形成時にインキミスト等が発生することを防止することができる。
粘度が上記範囲内のニトロセルロースは市販品をそのまま用いることができる。粘度が上記範囲内のものとしては、例えば、太平化学製品(株)製のJIS K−6703で指定される種類及び粘度記号で、H1/16,H1/8,L1/8,H1/4,L1/4,H1/2,H1",H5",H20,H60,H120のものを挙げることができる。これ以外にも、稲畑産業(株)製のDHX3−5,DHX5−10,DHX8−13,DHX11−16,DHX30−50,DHX40−70,DHL25−45,DHL120−170,H20(160−210),DHM10−25,SL−1,DLX3−5,DLX5−8,DLX8−13,DLX30−50等も使用可能である。
また、ニトロセルロースは、窒素分(硝化度)が10%であることが好ましい。また、取り扱いの安全性を考慮すると窒素分は12.3%以下であることが好ましい。窒素分が10%以上のニトロセルロースを染料層2に含有させることで、転写効率の更なる向上が見込まれる。
また、染料層2には、昇華性染料やニトロセルロースのほか、無機微粒子、有機微粒子等の添加剤が含有されていてもよい。無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられ、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス等が挙げられる。また、染料層2には、本発明の趣旨を妨げない範囲内で、他の離型剤が含有されていてもよい。他の離型剤としては、従来公知のシリコーンやリン酸エステル等を挙げることができる。
染料層2の形成方法についても特に限定はなく、昇華性染料、ニトロセルロース更に必要に応じて添加剤、例えば、離型剤や無機微粒子などを加えて、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、エタノール、シクロヘキサノン、DMFなどの適当な有機溶剤に溶解、あるいは有機溶剤や水に分散した塗工液をグラビア印刷、ダイコート印刷、バーコート印刷、スクリーン印刷、又はグラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷等の手段により塗布、及び乾燥して形成することができる。
なお、図1に示す形態では、基材1上に単一の染料層2が設けられた構成をとっているが、異なる昇華性染料を含む染料層を同一基材の同一面に面順次に繰り返し設けることも可能である。また、同一面上に転写性保護層を設けることとしてもよい。
(プライマー層)
本発明においては、基材1と染料層2との間にプライマー層3が設けられていることが好ましい。プライマー層3を設けることで基材1と染料層2との密着性を向上させ、熱転写時に熱転写受像シートへの染料層2の異常転写を防止することができる。
プライマー層3を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。
また、プライマー層3をコロイド状無機顔料超微粒子から構成することもできる。これにより熱転写時の熱転写受像シートへ染料層2の異常転写を防止できるだけでなく、印画時の染料層2からプライマー層3への染料の移行を防止し、熱転写受像シートの受容層側への染料拡散を有効に行なうことができ、印画濃度を高めることができる。
コロイド状無機顔料超微粒子として、従来公知の化合物が使用できる。例えば、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナ或はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、疑ベーマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。特に、コロイダルシリカ、アルミナゾルが好ましく用いられる。これらのコロイド状無機顔料超微粒子の大きさは、一次平均粒径で100nm以下、好ましくは50nm以下で用いることが好ましい。
プライマー層3は、上記で例示した樹脂や、コロイド状無機顔料超微粒子を適当な溶媒に溶解或いは分散したプライマー層用塗工液をグラビアコーティング法、ロールコート法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の従来から公知の形成手段により、塗布・乾燥して形成することができる。プライマー層用塗工液の塗工量は、0.02〜1.0g/m2程度であることが好ましい。
(背面層)
図1に示すように、基材1の他方の面に、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層5が設けられている。
背面層5は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。
また、上記した樹脂に硬化剤を添加してもよい。硬化剤として機能するポリイソシアネート樹脂としては、特に制限なく従来公知のものを使用できるが、それらのなかでも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。このようなポリイソシアネート樹脂は、上記した水酸基含有熱可塑性樹脂をその水酸基を利用して架橋させ、背面層の塗膜強度や耐熱性を向上させる。
また、背面層5には、上記熱可塑性樹脂に加え、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加剤が含有されていることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。
背面層5は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加材を適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材1の染料層2の反対側の面上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗布し、乾燥することにより形成することができる。背面層5の塗工量は、耐熱性等の向上等の点から、乾燥後塗工量が3g/m2以下であることが好ましく、0.1〜2g/m2にすることがより好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明を説明する。なお、文中の「部」は特に断りの内限り質量基準である。
(実施例1)
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時1.0g/m2になるように塗布し、背面層を形成した。次いで、前記基材の背面層を設けた側とは反対の面に、下記のプライマー層用塗工液を乾燥時0.10g/m2になるように塗布し、プライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に下記組成のマゼンタ染料層用塗工液1を乾燥時0.35g/m2になるように塗布し80℃で2分間乾燥することでマゼンタ染料層を形成し、実施例1の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 6.0部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート硬化剤 22.0部
(バーノックD750−45、固形分45%、DIC(株)製)
・リン酸エステル 3.0部
(プライサーフA−208N、第一工業製薬(株)製)
・タルク 1.0部
(ミクロエース P−3、日本タルク工業(株)製)
・メチルエチルケトン 60.0部
・トルエン 60.0部
<プライマー層用塗工液>
・アルミナゾル(固形分10%) 50部
(アルミナゾル200(羽毛状形態) 日産化学工業(株)製)
・ポリビニルピロリドン樹脂(K−90 ISP社製) 5部
・水 25部
・イソプロピルアルコール 20部
<マゼンタ染料層用塗工液1(D/B比=2.5)>
・下記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H40相当) 4.0部(固形分2.8部)
(DHM10−25 稲畑産業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
Figure 2013198994
(実施例2)
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液2を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層用塗工液2(D/B比=2.5)>
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H5相当) 4.0部(固形分2.8部)
(DHL25−45 稲畑産業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
(実施例3)
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液3を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例3の熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層用塗工液3(D/B比=2.5)>
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H20相当) 4.0部(固形分2.8部)
(DHL120−170 稲畑産業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
(実施例4)
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液4を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例4の熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層用塗工液4(D/B比=2.5)>
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H1/2相当) 4.0部(固形分2.8部)
(DHX40−70 稲畑産業(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
(実施例5)
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液5を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例5の熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層用塗工液5(D/B比=2.5)>
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H1/8相当) 4.0部(固形分2.8部)
(H1/8 太平化学製品(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
(実施例6)
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液6を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例6の熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層用塗工液6(D/B比=2.5)>
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H1/4相当) 4.0部(固形分2.8部)
(H1/4 太平化学製品(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
(実施例7)
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液7を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例7の熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層用塗工液7(D/B比=2.5)>
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H60相当) 4.0部(固形分2.8部)
(H60 太平化学製品(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
(実施例8)
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液8を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例8の熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層用塗工液8(D/B比=2.5)>
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% H120相当) 4.0部(固形分2.8部)
(H120 太平化学製品(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
(実施例9)
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液9を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例9の熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層用塗工液9(D/B比=2.5)>
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% L1/4相当) 4.0部(固形分2.8部)
(L1/4 太平化学製品(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
(実施例10)
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液10を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例10の熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層用塗工液10(D/B比=2.5)>
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ニトロセルロース樹脂(固形分70% L1/2相当) 4.0部(固形分2.8部)
(L1/2 太平化学製品(株)製)
溶剤(トルエン/MEK=1:1)を添加し100部とした。
(実施例11)
マゼンタ染料層用塗工液1におけるニトロセルロース樹脂の添加量のみを5.0部(固形分3.5部)に変更したマゼンタ染料層用塗工液11(D/B比=2.0)を、乾燥時0.39g/m2になるように塗布した以外は全て実施例1と同様にして実施例11の熱転写シートを得た。
(実施例12)
マゼンタ染料層用塗工液1におけるニトロセルロース樹脂の添加量のみを3.3部(固形分2.3部)に変更したマゼンタ染料層用塗工液12(D/B比=3.0)を乾燥時0.33g/m2になるように塗布した以外は全て実施例1と同様にして実施例12の熱転写シートを得た。
(実施例13)
マゼンタ染料層用塗工液1におけるニトロセルロース樹脂の添加量のみを2.9部(固形分2.03部)に変更したマゼンタ染料層用塗工液13(D/B比=3.5)を乾燥時0.31g/m2になるように塗布した以外は全て実施例1と同様にして実施例13の熱転写シートを得た。
(実施例14)
マゼンタ染料層用塗工液1を乾燥時0.45g/m2になるように塗布した以外は全て実施例1と同様にして実施例14の熱転写シートを得た。
(実施例15)
マゼンタ染料層用塗工液1を乾燥時0.13g/m2になるように塗布した以外は全て実施例1と同様にして実施例15の熱転写シートを得た。
(実施例16)
マゼンタ染料層用塗工液1におけるニトロセルロース樹脂の添加量のみを2.5部(固形分1.75部)に変更したマゼンタ染料層用塗工液14(D/B比=4.0)を、乾燥時0.29g/m2になるように塗布した以外は全て実施例1と同様にして実施例16の熱転写シートを得た。
(実施例17)
マゼンタ染料層用塗工液1におけるニトロセルロース樹脂の添加量のみを6.6部(固形分4.7部)に変更したマゼンタ染料層用塗工液15(D/B比=1.5)を使用した以外全て実施例1と同様にして実施例17の熱転写シートを得た。
(実施例18)
マゼンタ染料層用塗工液1を乾燥時0.46g/m2になるように塗布した以外は全て実施例1と同様にして実施例18の熱転写シートを得た。
(比較例1)
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液Aを使用し、このマゼンタ染料層用塗工液Aを、乾燥時0.28g/m2になるように塗布した以外は全て実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層用塗工液A(D/B比=2.0)>
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(KS−5 積水化学工業(株)製)
(比較例2)
上記組成のマゼンタ染料層用塗工液Aを、乾燥時0.58g/m2になるように塗布した以外は全て実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを得た。
(比較例3)
上記組成のマゼンタ染料層用塗工液Aのポリビニルアセタール樹脂の添加量のみを2.3部に変更したマゼンタ染料層用塗工液B(D/B比=3.0)を、乾燥時0.28g/m2になるように塗布した以外は全て実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを得た。
(比較例4)
上記組成のマゼンタ染料層用塗工液Bを、乾燥時0.58g/m2になるように塗布した以外は全て実施例1と同様にして比較例4の熱転写シートを得た。
(比較例5)
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液Cを使用した以外は全て実施例1と同様にして比較例5の熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層用塗工液C(D/B比=2.5)>
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・ポリビニルブチラール樹脂 3.5部
(BM−5 積水化学工業(株)製)
(比較例6)
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液Dを使用した以外は全て実施例1と同様にして比較例6の熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層用塗工液D(D/B比=2.5)>
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・フェノキシ樹脂 2.8部
(PKFE 巴工業(株)製)
(比較例7)
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液Eを使用した以外は全て実施例1と同様にして比較例7の熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層用塗工液E(D/B比=2.5)>
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・セルロースアセテートプロピオネート樹脂 2.8部
(CAP482−20 イーストマンケミカル社製)
(比較例8)
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液Fを使用した以外は全て実施例1と同様にして比較例8の熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層用塗工液F(D/B比=2.5)>
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・セルロースアセテートブチレート樹脂 2.8部
(CAB381−20 イーストマンケミカル社製)
(比較例9)
マゼンタ染料層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液Gを使用した以外は全て実施例1と同様にして比較例9の熱転写シートを得た。
<マゼンタ染料層用塗工液G(D/B比=2.5)>
・上記(M−1)に示される化合物 2.0部
・Disperse Red 60 2.0部
・Disperse Violet 26 3.0部
・エチルセルロース樹脂 2.8部
(STD−10 日進化成(株)製)
(印画物の濃度評価)
上記で得られた実施例1の熱転写シートを用い、テストプリンタ(ヘッド抵抗値;5058Ω,印画条件;25.5V 2ms パルスデューティ比85%)にて、以下の熱転写受像シートA、熱転写受像シートB上にマゼンタのMax階調印画を行うことで画像を形成した。次いで、この画像上に、それぞれのメディアセットの保護層を転写し実施例1A,実施例1Bの印画物を形成した。実施例1Aの印画物は、熱転写受像シートA上に画像が形成された印画物であり、実施例1Bの印画物は、熱転写受像シートB上に画像が形成された印画物である。同様にして実施例2〜18の印画物、及び比較例1〜9の印画物を形成した。なお、実施例2〜18、比較例1〜9では、熱転写受像シートA上にのみ画像形成を行った。
熱転写受像シートA;DNPフォトルシオ製プリンタDS40用メディアセットDS40PC(DM4640)
熱転写受像シートB;株式会社KODAK社製 PhotoPrinter6850用メディアセット(PhotoPrintKit6800/6R CAT 101 0867)
各実施例、及び比較例の印画物の濃度を、以下の条件で測色し、以下の評価基準に基づいて印画濃度の評価を行った。評価結果を、印画濃度の実測値とともに表1に示す。実施例2〜18、比較例1〜9についても上記と同様にして評価を行った。
(濃度測色条件)
・測色器:分光測定器SpectroLino(Gretag Macbeth社製)
・濃度測定用フィルター:ANSI Status A
(濃度評価基準)
○・・・濃度が2.0以上である。
×・・・濃度が2.0未満である。
(染料転写効率の評価)
マゼンタのMax階調印画後の各実施例、及び比較例の熱転写シート、及び未印画の各実施例及び比較例の熱転写シートを5cm×5cmの大きさに切断し、これを5cm×5cmの大きさに切断し、高速液体クロマトグラフィ(島津製作所(株)製)を用い、印画部、未印画部の染料量の測定を行った。このとき、未印画部の染料量と印画部残存染料量との差を熱転写受像シートに転写された転写染料量とし、転写染料量を未印画部の染料量で除した値を染料転写効率とした。表1に、染料転写効率の実測値とともに、以下の評価基準により染料転写効率の評価結果を示す。
「評価基準」
○・・・染料転写効率が80%以上である。
△・・・染料転写効率が75%以上80%未満である。
×・・・染料転写効率が75%未満である。
(保存性評価1(キック評価))
実施例1〜18、及び比較例1〜9の熱転写シートのマゼンタ染料層と、上記濃度評価で使用した熱転写受像シートの耐熱滑性層が対向するように重ね合わせ、1.5Kg/cm2の荷重をかけて、40℃、湿度90%環境下で96時間保管し、耐熱滑性層側へのマゼンタ染料層の染料の転写(キック)度合いの確認を行った。染料の転写度合いは、色彩色差計(CR321 コニカミノルタ(株)製)を用い、転写部の耐熱滑性層の色相、及び未転写部の耐熱滑性層の色相を測定し、その色差(ΔE*)を下記式にて算出した。
ΔE*=((荷重前後のL*値の差)2+(荷重前後のa*値の差)2+(荷重前後のb*値の差)21/2
表1に色差の算出結果を示すとともに、以下の評価基準により評価した保存性の評価結果を示す。なお、荷重前後の色差が小さいほど、キックの度合いが少ないことを示す。
「評価基準」
○・・・荷重前後の耐熱滑性層の色差(ΔE*)が5未満である。
△・・・荷重前後の耐熱滑性層の色差(ΔE*)が5以上7未満である。
×・・・荷重前後の耐熱滑性層の色差(ΔE*)が7以上である。
(保存性評価2(地汚れ評価))
実施例1〜18、及び比較例1〜9の熱転写シートのマゼンタ染料層と、上記染料転写効率評価で使用した熱転写受像シートの耐熱滑性層が対向するように重ね合わせ、27Kg/cm2の荷重をかけて、40℃、湿度90%環境下で48時間保存を行った。保存後の各実施例及び比較例の熱転写シートを、上記染料転写効率で使用したテストプリンタを用いて印画を行い、保存後の熱転写シートを用いた印画物を得た。保存後の熱転写シートを用いた印画物と、未保存の熱転写シートを用いた印画物の色相を、Spectrolino(X−Light社製)を用いて測定し、その色差(ΔE*)を下記式にて算出した。
ΔE*=((保存前後のL*値の差)2+(保存前後のa*値の差)2+(保存前後のb*値の差)2)1/2
表1に色差の算出結果を示すとともに、以下の評価基準により評価した保存性の評価結果を示す。なお、保存前後の色差が小さいほど、高温・高湿環境下における染料析出が少なく保存性が高いことを示す。
「評価基準」
○・・・保存前後の印画物の色差(ΔE*)が0.25未満である。
△・・・保存前後の印画物の色差(ΔE*)が0.25以上0.3未満である。
×・・・保存前後の印画物の色差(ΔE*)が0.3以上である。
Figure 2013198994
表1からも明らかなように、バインダー樹脂がニトロセルロースであるとともに、染料層の塗工量が0.50g/m2以下である実施例の熱転写シートは、染料転写効率に優れるとともに、保存安定性も高いことがわかる。一方、バインダー樹脂としてニトロセルロース以外のバインダー樹脂を用いた比較例の熱転写シートでは、染料転写効率と保存性の双方、あるいは何れか一方の要求を満たすことができていないことがわかる。
10…熱転写シート
1…基材
2…染料層
3…プライマー層
5…背面層

Claims (2)

  1. 基材の一方の面に、昇華性染料とバインダー樹脂を含有する染料層が設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた熱転写シートであって、
    前記バインダー樹脂がニトロセルロースであり、
    前記染料層の塗工量が、乾燥時で0.50g/m2以下であることを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記染料層中における前記昇華性染料と前記バインダー樹脂の質量比率(D/B比(昇華性染料/バインダー樹脂))が2.0以上3.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
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