JP5760763B2 - 熱転写シート - Google Patents
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Description
本発明の熱転写シートは、基材と、前記基材の一方の面に背面層が形成され、前記基材の他方の面に染料層が形成され、前記基材と前記背面層の間、及び/又は前記基材と前記染料層との間に、染料層と重ねて検知層が形成されてなるものである。
本発明における基材は、染料層などを保持する機能を有するものである。また、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。この様な基材としては、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであればいずれも用いることができる。基材の材質は、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルムを用いることができる。基材の厚みは、0.5〜50μm程度、好ましくは3〜10μm程度のものを用いることができる。
耐熱滑性層は、印画時のサーマルヘッドの走行性、耐熱性等を向上する機能を有するものである。このような背面層は、樹脂と滑材を含むことが好ましく、さらに硬化剤やその他の添加剤を含むものであっても良い。
(樹脂)
背面層に含まれる樹脂は、耐熱性を有するものであり、滑材やその他の添加剤を保持する機能を有するものである。この様な樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂などを用いることができる。
(滑材)
背面層に含まれる滑材は、サーマルヘッドとの滑性を高める機能を有するものである。この様な材料として、例えば、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル、高級脂肪酸アミド、燐酸エステル、アルキルリン酸エステルの多価金属塩、アルキルカルボン酸の金属塩、などを使用することができる。アルキルリン酸エステルの多価金属塩やアルキルカルボン酸の金属塩としては、ステアリル燐酸亜鉛やステアリン酸亜鉛を好適に使用できる。ポリエチレンワックスとしては、高密度および低密度ポリエチレンワックスがあり、低密度ポリエチレンは構造上、エチレン重合体で分岐が存在しているのが多く含まれ、これに対し、高密度ポリエチレンは比較的、ポリエチレンの直鎖状構造を主体に構成されているものである。例えば、密度が0.94〜0.97のポリエチレンワックス粒子(ポリエチレンワックスを粒状に微粉末化したもの)を好適に使用できる。
(硬化剤)
背面層に含まれる硬化剤は、樹脂や滑材と反応するものであり、これによって背面層の耐熱性をさらに高める機能を有するものである。この様な硬化剤としては、特に制限なく従来公知のものを使用できるが、例えば、ポリイソシアネート樹脂を好適に使用することができる。それらの中でも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。このような芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。
い。この膜厚が0.05μmよりも薄い場合は、背面層としての効果が十分ではなく、また1μmよりも厚いと熱転写性色材層へのサーマルヘッドからの熱伝達が悪くなり、印字濃度が低くなるという欠点を生じる。
色材層は、サーマルヘッドからの加熱量に応じて、受容層に染料を転写する機能を有するものである。本発明では、基材上に1色のみの色材層を形成したものであっても良く、2色以上の染料層を面順次に繰り返し形成したものであっても良い。また、本発明の色材層は、樹脂と染料を含むものであり、その他の添加剤をさらに含むものであっても良い。
(樹脂)
色材層に含まれる樹脂は、染料やその他の添加剤を保持する機能を有するものであり、一般に、耐熱性を有し、染料と適度の親和性があるものを使用することができる。このような樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;等が挙げられる。上記した樹脂のなかでも、耐熱性、染料の移行性等が優れる観点から、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が好ましく、ビニル系樹脂がより好ましく、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等が特に好ましい。
色材層に用いられる昇華型の染料としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。このようなものとして、例えば、ジアリールメタン系染料;トリアリールメタン系染料;チアゾール系染料;メロシアニン染料;ピラゾロン染料;メチン系染料;インドアニリン系染料;アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料;キサンテン系染料;オキサジン系染料;ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料;チアジン系染料;アジン系染料;アクリジン系染料;ベンゼンアゾ系染料;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料;スピロピラン系染料;インドリノスピロピラン系染料;フルオラン系染料;ローダミンラクタム系染料;ナフトキノン系染料;アントラキノン系染料;キノフタロン系染料;等が挙げられ、更に具体的には、特開平7−149062号公報に例示列挙された化合物等が挙げられる。
よい。上記離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル等が挙げられる。無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられる。また、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
検知層は、光学センサなどの検知手段によって識別できる機能を有するものである。本発明の検知層は、基材と色材層、及び/又は基材と背面層の間に、染料層と重ねて形成されるものである。また、本発明の検知層は、バインダ樹脂と蛍光色素を有するものであり、その他の添加剤をさらに含むものであっても良い。これによって、検知層との重なりの有無によって染料層の発色特性が異なる虞がない熱転写シートを提供することができる。これによって、検知層が形成された領域も熱転写に使用できるので、印画に使用できない領域を少なくすることができる。
検知層に含まれるバインダ樹脂は、蛍光染料やその他の添加剤を保持する機能を有するものであり、一般に、蛍光染料と適度の親和性があるものを使用することができる。このようなものとして、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;フッ素系樹脂、等が挙げられる。
検知層に含まれる蛍光色素は、光学センサによって検知できる機能を有するものである。このような機能を有するものであれば、従来公知の蛍光染料を特に制限無く用いることができるが、可視光に対して実質的に透明であることが好ましく、発光強度が強いものが好ましい。可視光に対して実質的に透明であることによって、検知層は形成された部分が目視で判別できないものとなる。これによって、検知層と染料層が重なった領域が目視で識別できないものとなる。ユーザーが熱転写シートを目視した場合に、もし検知層に起因する濃度ムラがあれば、発色特性差が生じる事に対して不安を抱く可能性がある。可視光に対して実質的に透明な蛍光染料を使用した検知層であれば、この様な不安が生ずることがない。
(実施例1)
基材の一方の面に、グラビアコーターを用い、下記の背面層塗工液1を、1.0g/m2(固形分換算)塗工し、乾燥することによって、背面層を形成した。基材としては、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと使用した。
<背面層用塗工液1>
・ポリビニルブチラール樹脂 4.55部(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 21.0部(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 3.0部(プライサーフA208N、第一製薬工業(株)製)
・タルク(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製) 0.7部
・メチルエチルケトン 100.0部
・トルエン 100.0部
背面層を形成した基材の他方の面の一部に、下記のようにして調製した検知層用塗工液1を、0.5g/m2(固形分換算)になる様にグラビアコーターにて塗布、乾燥し、検知層を形成した。
<検知層用塗工液1の調整>
まず、下記式に示す反応式に従って、希土類錯体を合成した。即ち、希土類金属化合物に、配位子としてトリフェニルホスフィンオキシドとトリオクチルホスフィンオキシドの2種類のホスフィンオキシドを作用させて、希土類錯体を得た。この希土類錯体をフッ素系溶媒であるバートレルXF(商品名:デュポン社製)に溶解し、そこに更に、フッ素系ポリマー(商品名:ダイニオンTHV、住友3M株式会社製)のペレットを2重量%溶解し、検知層用塗工液1とした。
<色材層用塗工液1>
・分散染料(ホロンブリリアントイエロー−S−6GL) 5.5部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂(エスレックKS−5、積水化学工業(株)製)
4.5部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
(実施例2)
検知層を、基材と背面層の間に形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを得た。得られた熱転写シートは、図3の層構成を有するものであった。
(実施例3)
検知層を、基材と色材層の間、及び基材と背面層の間に形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを得た。得られた熱転写シートは、図4の層構成を有するものであった。
<<検知適正評価>>
実施例1〜3の熱転写シートに、ブラックライト及び中心波長410nmのLEDを照射し、以下の基準で検知層に相当する蛍光を確認した。評価結果を表1に併せて示す。
○・・・検知層の蛍光発光が目視で確認できた。
×・・・検知層の蛍光発光が目視で確認できなかった。
<<視認性評価>>
実施例1〜3の熱転写シートを目視にて確認し、以下の基準で評価した。評価結果を表1に併せて示す。
○・・・検知層が視認できない。
×・・・検知層が視認できる。
<<発色特性評価>>
昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII
)にて、実施例1〜3の熱転写シートを使用して、RGB値が128階調の画像を印画した。熱転写受像シートは、MEGAPIXELIIIの専用の熱転写受像シートを使用した。得られた画像を、目視にて以下の基準で評価した。評価結果を表1に併せて示す。
○・・・検知層に相当する濃度ムラがない。
×・・・検知層に相当する濃度ムラがある。
11 基材
12 背面層
13 染料層
14 検知層
20 本発明の熱転写シート
21 基材
22 背面層
23 染料層
24 検知層
30 本発明の熱転写シート
31 基材
32 背面層
33 染料層
34 検知層
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