JP6248546B2 - 昇華型熱転写シート - Google Patents
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(特定方法)
所定の溶媒に、目的とする色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とする色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とする色材は、所定の溶媒に分散可能な色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
(特定方法)
所定の溶媒に、目的とする昇華性染料を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする昇華性染料の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする昇華性染料の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする昇華性染料は、所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料であると特定する。一方、目的とする昇華性染料の析出を目視で確認できた場合には、目的とする昇華性染料は、所定の溶媒に分散可能な昇華性染料であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
(特定方法)
第1の溶媒に、目的とする昇華性染料を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする昇華性染料の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする昇華性染料の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする昇華性染料は、第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料であると特定する。一方、目的とする昇華性染料の析出を目視で確認できた場合には、目的とする昇華性染料は、第1の溶媒に分散可能な昇華性染料であると特定する。第1の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
第2の溶媒に、目的とする色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする色材は、第2の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とする色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とする色材は、第2の溶媒に分散可能な色材であると特定する。第2の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
第1実施形態の昇華型熱転写シート100(以下、第1実施形態の熱転写シートと言う場合がある。)は、図1に示すように、基材1の一方の面上に、染料プライマー層3、色材層2がこの順で設けられた構成をとる。基材1、染料プライマー層3、色材層2は、本発明の熱転写シート100における必須の構成である。第1実施形態の昇華型熱転写シートは、サーマルヘッド等の加熱手段を用いて、背面層側に熱を印加することで色材層中の色材を被転写体上に移行して画像を形成する昇華型記録方法に用いられる熱転写シートである。第2実施形態、及び第3実施形態の昇華型熱転写シートについても同様である。図1は、第1実施形態の熱転写シート100の部分概略断面図である。なお、以下で説明する各図では、色材層に含有される色材、或いは昇華性染料を誇張して示している。
基材1は、ある程度の耐熱性と強度を有するものであれば特に限定されることはなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。このような基材1として、例えば、0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。更に、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
第1実施形態の熱転写シート100では、基材1の一方の面に設けられる色材層2に、バインダー樹脂、所定の溶媒、及び当該所定の溶媒に分散可能な色材が含有されている。
色材層2に含有されているバインダー樹脂について限定はなく、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が、耐熱性、色材の熱移行性等の点において好ましい。バインダー樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いることもできる。
色材層2には、後述する色材10xを分散可能な溶媒が含有されている。色材層2に含まれる所定の溶媒とは、色材10xを分散させることができる溶媒を意味する。つまり、所定の溶媒について特に限定はなく、色材層2中に含有される色材10xとの関係に応じて適宜選択することができる。溶媒の一例としては、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、エタノール等の有機溶剤や、水等を挙げることができる。所定の溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いることもできる。
第1実施形態の色材層2には、上記所定の溶媒に分散可能な色材10xが含有されている。本願明細書で言う色材とは、昇華性染料、及び顔料を含む概念である。所定の溶媒に分散可能な色材10xについても特に限定はなく、上記所定の溶媒の種別に応じて適宜選択することができる。具体的には、色材層2に含まれている上記所定の溶媒に分散可能な色材10xであれば、いかなる色材であってもよい。なお、ここで言う分散可能な色材とは、所定の溶媒に溶解不能な色材を意味し、色材の分散性能について特に限定はない。例えば、色材層2を形成するための色材層用塗工液として、溶媒、色材とともに、当該色材の分散性能を向上させるための分散剤を含有する塗工液を用いて、色材層2中における、色材の分散性を向上させることもできる。つまり、結果として、色材層2中に色材10xが分散された状態で存在していればよい。
メチルエチルケトン/トルエンの混合溶媒に分散可能な色材としては、例えば、上記で例示した顔料や、上記で例示した昇華性染料、例えば、ディスパースイエロー54等を使用することができる。
色材層2中に含まれている色材が、所定の溶媒に分散可能である否かは、以下の方法により判断することができる。所定の溶媒に、目的とする色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると判断することができる。一方、目的とする色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とする色材は、所定の溶媒に溶解不能、換言すれば分散可能な色材であると判断することができる。昇華性染料についても同様の方法により、判断することができる。
対象とする熱転写シート(以下、対象熱転写シートという)が、第1実施形態の熱転写シートの発明特定事項を充足するものであるか否かは、例えば、以下の方法により判別可能である。まず、対象熱転写シートの色材層を分析して当該色材層に含まれている色材成分を特定する。色材成分の特定方法としては、核磁気共鳴分光法、IRスペクトル法等の従来公知の分析方法を用いて特定することができる。
図1に示すように、基材1と色材層2との間には、染料プライマー層3が設けられている。染料プライマー層3は、第1実施形態、及び後述する第2実施形態、及び第3実施形態の熱転写シート100における必須の構成である。
図1に示すように基材1の他方の面上には、任意の背面層5が設けられていてもよい。背面層5を構成するバインダー樹脂について特に限定はなく、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。
また、基材1と背面層5との間に背面プライマー層(図示しない)が設けられていてもよい。背面プライマー層は、基材1と、背面層5との密着性を向上させるために設けられる層であり、任意の層である。背面プライマー層としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。また、適宜導電性を付与するための導電材を含有させてもよい。例えば、スルホン化ポリアニリン、カーボン粒子、銀粒子、金粒子等が挙げられる。
次に、第2実施形態の熱転写シートについて説明する。第2実施形態の熱転写シート100は、図2に示すように、基材1の一方の面上に、染料プライマー層3、色材層2がこの順で設けられた構成をとり、色材層2が、所定の溶媒、当該所定の溶媒に分散可能な色材10xとともに、所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料10yを含有し、染料プライマー層3が無機顔料微粒子を含有している点を特徴とする。つまり、第2実施形態の熱転写シートは、色材層2が、所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料10yをさらに含有している点においてのみ上記第1実施形態の熱転写シートと相違する。以下、相違点を中心に説明する。また、特に断りがない限り、第2実施形態の熱転写シートの各構成は、上記第1実施形態の熱転写シートで説明したものをそのまま用いることができ、詳細な説明は省略する。図2は、第2実施形態の熱転写シートの一例を示す部分概略断面図である。
第2実施形態の熱転写シートでは、基材1の一方の面に設けられる色材層2に、バインダー樹脂、所定の溶媒、当該所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料、及び当該所定の溶媒に分散可能な色材が含有されている。換言すれば、第2実施形態の熱転写シートは、基材1の一方の面上に、バインダー樹脂、所定の溶媒、当該所定の溶媒に分散可能な色材10x、当該所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料10yを含む色材層用塗工液を用いて形成された色材層2が設けられている。
所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料について特に限定はなく、第2実施形態の色材層に含有されている所定の溶媒の種別に応じて適宜選択することができる。具体的には、第2実施形態の色材層2に含有されている溶媒に溶解可能な昇華性染料であれば、いかなる昇華性染料であってもよい。例えば、第2実施形態の色材層2に含有されている溶媒に応じて、第1実施形態の熱転写シートで説明した昇華性染料を適宜選択して用いることができる。第2実施形態の色材層2に含有されている昇華性染料が、所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料であるか否かは、上記第1実施形態の熱転写シートの「所定の溶媒に対する色材の分散性の特定方法」により判断することができる。以下、所定の溶媒が、メチルエチルケトン/トルエンの混合溶媒である場合を例に挙げ、当該所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料の一例について説明する。
メチルエチルケトン/トルエンの混合溶媒に溶解可能な昇華性染料としては、例えば、ディスパースイエロー201等を使用することができる。また、上記第1実施形態の熱転写シートで説明したように、メチルエチルケトン/トルエンの混合溶媒に分散可能な色材としては、例えば、上記で例示した顔料や、上記で例示した昇華性染料、例えば、ディスパースイエロー54等を挙げることができる。したがって、バインダー樹脂、メチルエチルケトン/トルエンの混合溶媒、溶解可能な昇華性染料として、ディスパースイエロー201、分散可能な色材として、顔料、或いはディスパースイエロー54を含む塗工液を調製し、当該塗工液を用いることで、所定の溶媒、当該所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料10y、当該溶媒に分散可能な色材を含む第2実施形態の色材層2を得ることができる。
次に、第3実施形態の熱転写シートについて説明する。第3実施形態の熱転写シート100は、図3に示すように基材1上に、色材層2が設けられた熱転写シートであって、当該色材層2は、基材側から、染料プライマー層3、第1の色材層2A、第2の色材層2Bがこの順で積層された積層構造を呈し、第1の色材層2Aは、第1の溶媒と、当該第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料10yを含有しており、第2の色材層2Bは、第2の溶媒と、当該第2の溶媒に分散可能な色材10xを含有していることを特徴とする。また、上記第1実施形態、第2実施形態の熱転写シートと同様、染料プライマー層3は、無機顔料微粒子を含有していることを特徴とする。
基材1の一方の面上に設けられる第1の色材層2Aは、バインダー樹脂と、第1の溶媒と、第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料10yとを含有している。
第1の色材層2Aに含有されている昇華性染料10yについて特に限定はなく、当該第1の色材層2Aに含有されている第1の溶媒に応じて適宜選択することができる。具体的には、第1の溶媒に溶解可能であるとの条件を満たす昇華性染料であればよい。このような、昇華性染料としては、例えば、第2実施形態の熱転写シートで説明した「所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料」を挙げることができる。第1の色材層中2Aには、所定の溶媒に溶解可能な2種以上の昇華性染料が含まれていてもよい。
第1の溶媒は、上記昇華性染料を溶解することができるものであれば特に限定はなく、従来公知の溶媒の中から適宜選択して用いることができる。第1の色材層2Aには、2種以上の溶媒が含まれていてもよいが、少なくとも1種の溶媒が、第1の色材層2Aに含有されている少なくとも1種の昇華性染料を溶解可能な溶媒であることを条件とする。
第1の色材層2A上に設けられる第2の色材層2Bは、バインダー樹脂と、第2の溶媒と、第2の溶媒に分散可能な色材10xとを含有している。
基材として、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、当該基材の一方の面に、下記組成の背面層用塗工液を、塗工量が固形分換算で0.5g/m2となるように塗工し、乾燥させることで背面層を形成した。次いで、基材の他方の面上に、下記組成の染料プライマー層用塗工液1を、塗工量が固形分換算で0.1g/m2となるように塗工し、乾燥させることでプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、下記の方法で作製した色材層用塗工液1を、塗工量が固形分換算で1.0g/m2となるように塗工し、乾燥させることで色材層を形成することで実施例1の熱転写シートを得た。
トルエン/メチルエチルケトン=1/1混合溶媒を用い、昇華性染料、或いは色材の濃度が2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌した。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、昇華性染料、或いは色材の析出の有無を目視で確認した。確認の結果、昇華性染料、或いは色材の析出がない場合は、溶解可能な昇華性染料、或いは色材と判断し、析出が見られた場合は分散可能な昇華性染料、或いは色材と判断した。
・ポリビニルアセタール樹脂 60.8部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート 4.2部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株))
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製 堺化学工業(株))
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・タルク 5部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・ポリエチレンワックス 10部
(ポリエチレンワックス3000 東洋アドレ(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 100部
・ポリビニルピロリドン樹脂 3部
(K−90 ISP社)
・アルミナゾル(平均1次粒子径10×100nm、固形分10%) 30部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・水 50部
・IPA(イソプロピルアルコール) 17部
下記色材層用塗工液1の組成のとおり、色材、分散剤、バインダー樹脂、ポリエチレンワックス、溶剤、及び粒径2.0mmジルコニアビーズ250質量部をガラス瓶に入れ密閉し、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて1時間振とうし、次いで前記ジルコニアビーズを取り除いてから、粒径0.1mmのジルコニアビーズ250質量部をガラス瓶に入れ、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて24時間分散を行い、色材層用塗工液1を作製した。
・ディスパースイエロー201 2.72部
・ディスパースイエロー54 2.3部
・下記一般式(3)で示される顔料 0.42部
(C.I.ピグメントイエロー138のスルホン化誘導体)
・アクリル系ブロック型ポリマー分散剤 1.7部
(BYK−LPN21116 重量平均分子量8000 ビックケミー社)
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 2.05部
(KS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス(粒径 5μm ) 0.09部
・トルエン 33部
・メチルエチルケトン 33部
染料プライマー層用塗工液1を下記組成の染料プライマー層用塗工液2に変更した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを得た。
・ウレタン樹脂(固形分35%) 10部
(F−2850D 第一工業製薬(株))
・アルミナゾル(平均1次粒子径10×100nm、固形分10%) 15部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・水 37.5部
・IPA(イソプロピルアルコール) 37.5部
色材層用塗工液1を下記組成の色材層用塗工液2に変更した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを得た。
・ディスパースイエロー54 3.31部
・上記一般式(3)で示される顔料 0.20部
(C.I.ピグメントイエロー138のスルホン化誘導体)
・アクリル系ブロック型ポリマー分散剤 1.19部
(BYK−LPN21116 重量平均分子量8000 ビックケミー社)
・ポリビニルアセタール樹脂 1.44部
(KS−5 積水化学工業(株))
・トルエン 33部
・メチルエチルケトン 33部
実施例1の色材層用塗工液1にかえて、下記の方法で作製した色材層用塗工液3を、塗工量が固形分換算で0.5g/m2となるように染料プライマー層上に塗工し、乾燥させることで第1の色材層を形成し、当該第1の色材層上に、上記組成の色材層用塗工液2を、塗工量が固形分換算で0.5g/m2となるように塗工し、乾燥させることで第2の色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、第1の色材層と第2の色材層とが積層されてなる色材層が設けられた実施例4の熱転写シートを得た。なお、色材層用塗工液2は、上記色材層用塗工液1と同様の作製方法により作製した。
下記色材層用塗工液3の組成のとおり、色材、バインダー樹脂、ポリエチレンワックス及び溶剤をガラス瓶に入れ密閉し、50℃で1時間加熱後、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて30分振とうし、色材層用塗工液3を作製した。
・ディスパースイエロー201 3.51部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 2.63部
(KS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.06部
(粒径 5μm )
・トルエン 33部
・メチルエチルケトン 33部
色材層用塗工液1のディスパースイエロー201(2.3部)を、下記一般式(4)で示される昇華性染料(2.3部)に変更した色材層用塗工液4を用いた以外は全て実施例1と同様にして、実施例5の熱転写シートを得た。
染料プライマー層用塗工液1を下記組成の染料プライマー層用塗工液3に変更した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例6の熱転写シートを得た。
・ポリビニルアルコール 3部
(PVA−203 株式会社クラレ)
・アルミナゾル(平均1次粒子径10×100nm、固形分10%) 15部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・水 37.5部
・メタノール 37.5部
染料プライマー層用塗工液1を、下記組成の染料プライマー層用塗工液Aに変更した以外は全て実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを得た。
・ポリビニルピロリドン樹脂 3部
(K−90 ISP社)
・水 50部
・イソプロピルアルコール 17部
色材層用塗工液1を、上記組成の色材層用塗工液3に変更した以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを得た。
テストプリンターを用いて、各実施例、及び比較例の各熱転写シートと、下記条件で作製した熱転写受像シートを組み合わせて、下記印画条件で、イエローの階調パターンを印画した。最高濃度の評価は、最大エネルギーをかけたときの濃度を測定し、以下の評価基準に基づいて行った。反射濃度は、分光測定器(グレタグマクベス社製 spectrolino)により測定した。評価結果を表1に示す。
・サーマルヘッド:F3598(東芝ホクト電子株式会社製)
・発熱体平均抵抗値:5176(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印画電力:0.12(W/dot)
・1ライン周期:2(msec.)
・パルスDuty:85%
・印画開始温度:35.5(℃)
○:濃度が2.1以上である。
△:濃度が2.0以上2.1未満である。
×:濃度が2.0未満である。
テストプリンターを用いて、各実施例、及び比較例の各熱転写シートと、下記条件で作製した熱転写受像シートを組み合わせて、上記最高濃度の評価と同じ印画条件で、イエロー階調パターンを印画した。濃度安定性の評価は、60%エネルギーをかけたときのハイライト部の濃度を測定し、以下の評価基準に基づいて行った。反射濃度は、分光測定器(グレタグマクベス社製、spectrolino)により測定した。評価結果を表1に示す。
○:濃度が0.6未満である。
△:濃度が0.6以上0.8未満である。
×:濃度が0.8以上である。
多孔質ポリエチレンフィルム(トヨパール−SS P4255 東洋紡績(株)製 厚さ35μm)からなる多孔質フィルム層上に、下記組成の中間層用塗工液、受容層用塗工液をグラビアリバースコート方式で、順次塗布、乾燥して、中間層、受容層を形成した。その中間層、受容層の設けられた面と反対面の多孔質ポリエチレンフィルムに、下記組成の接着層用塗工液を用いて、グラビアリバースロールコート方式で塗布、乾燥して、接着層を形成し、RC原紙(155g/m2、厚さ151μm)(三菱製紙(株))と貼り合わせ熱転写受像シートを作製した。上記の各々の塗工量は、全て固形分で、中間層は1.5g/m2、受容層は5.0g/m2、接着層は5g/m2であった。
・ポリエステル樹脂 50部
(ポリエスターWR−905 日本合成化学工業(株))
・酸化チタン 20部
(TCA888 (株)トーケムプロダクツ)
・蛍光増白剤 1.2部
(ユビテックスBAC チバ・スペシャリティーケミカルズ(株))
・水/イソプロピルアルコール=1/1 28.8部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部
(ソルバインC 日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510 信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5部
・ウレタン樹脂 30部
(タケラックA−969V 三井武田ケミカル(株))
・イソシアネート 10部
(タケネートA−5 三井武田ケミカル(株))
・酢酸エチル 100部
熱転写シートの保存性を判断するために背面層へのキック(汚染性)を評価した。キックの評価は、各実施例、及び比較例の熱転写シートの色材層面と、背面層面とを重ね合わせて20kg/cm2の荷重を加え40℃90%RHの環境に98時間保存し、背面層面への色材の移行性を評価した。移行性の評価は、保存前後の背面層面を、分光測定器(グレタグマクベス社 spectrolino)により測定し、下記式で色差(ΔE*ab)を求めることにより行ない、下記の評価基準に基づいてキックの評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。なお、各実施例、及び比較例の熱転写シートの色材層と重ね合わせる背面層は、上記各実施例、及び比較例の熱転写シートで作製した背面層と同じものを使用した。
色差ΔE*ab=((Δa*)2+(Δb*)2)1/2
CIE1976 La*b*表色系(JIS Z8729(1980))参照
Δa*=a*(保存後)−a*(保存前)
Δb*=b*(保存後)−b*(保存前)
なお、a*及びb*は、CIE1976L*a*b*表色系に基づくものであり、a*及びb*は、知覚明度指数を表す。
また、ΔE*abの値が小さいほど、汚染性が少ない、換言すれば、キックの度合が少ないことを示す。
○・・・ΔE*abが10未満である。
△・・・ΔE*abが10以上15未満である。
×・・・ΔE*abが15以上である。
熱転写シートの保存性を判断するために印画物の地汚れを評価した。評価は、各実施例、及び比較例の熱転写シートを50℃80%RHの環境に60時間保存したものと、保存していないものを準備し、所定の受像紙で印画し、それぞれの印画物のエネルギーをかけていない白地の部分について、分光測定器(グレタグマクベス社 spectrolino)により測定し、下記式で色差(ΔE*ab)を求めることにより行ない、下記の評価基準に基づいて地汚れの評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
色差ΔE*ab=((Δa*)2+(Δb*)2)1/2
CIE1976 La*b*表色系(JIS Z8729(1980))参照
Δa*=a*(保存後)−a*(保存前)
Δb*=b*(保存後)−b*(保存前)
なお、a*及びb*は、CIE1976L*a*b*表色系に基づくものであり、a*及びb*は、知覚明度指数を表す。
また、ΔE*abの値が小さいほど、高温・高湿環境下における染料析出が少なく、保存性が高いことを示す。
○・・・ΔE*abが0.2未満である。
△・・・ΔE*abが0.2以上0.3未満である。
×・・・ΔE*abが0.3以上である。
2・・・色材層
2A・・・第1の色材層
2B・・・第2の色材層
5・・・背面層
10x・・・所定の溶媒に分散可能な色材
10y・・・所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料
100・・・熱転写シート
100X・・・比較の熱転写シート
Claims (3)
- 基材の一方の面に色材層が設けられた昇華型熱転写シートであって、
前記基材と前記色材層との間には、染料プライマー層が設けられ、
前記色材層は、所定の溶媒と、昇華性染料と、下記の特定方法により、当該所定の溶媒に分散可能であると特定される色材を含有しており、
前記所定の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記所定の溶媒が複数である場合、前記色材は、当該複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定される色材であり、
前記色材が、下記一般式(2)で示される色材であり、
前記染料プライマー層は、無機顔料微粒子を含有していることを特徴とする昇華型熱転写シート。
(特定方法)
所定の溶媒に、目的とする色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とする色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とする色材は、所定の溶媒に分散可能な色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
- 前記昇華性染料が、下記の特定方法により、前記所定の溶媒に溶解可能であると特定される昇華性染料であり、
前記所定の溶媒が複数である場合、前記昇華性染料は、当該複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定される昇華性染料であることを特徴とする請求項1に記載の昇華型熱転写シート。
(特定方法)
所定の溶媒に、目的とする昇華性染料を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする昇華性染料の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする昇華性染料の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする昇華性染料は、所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料であると特定する。一方、目的とする昇華性染料の析出を目視で確認できた場合には、目的とする昇華性染料は、所定の溶媒に分散可能な昇華性染料であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。 - 基材の一方の面に色材層が設けられた昇華型熱転写シートであって、
前記色材層は、基材側から、第1の色材層、第2の色材層がこの順で積層された積層構造を呈し、
前記基材と前記色材層との間には、染料プライマー層が設けられ、
前記第1の色材層は、第1の溶媒と、下記の特定方法により、当該第1の溶媒に溶解可能であると特定される昇華性染料を含有しており、
前記第1の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記第1の溶媒に前記複数の溶媒が含まれる場合、前記昇華性染料は、当該複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定される昇華性染料であり、
前記第2の色材層は、第2の溶媒と、下記の特定方法により、当該第2の溶媒に分散可能であると特定される色材を含有しており、
前記第2の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記第2の溶媒に前記複数の溶媒が含まれる場合、前記色材は、当該複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定される色材であり、
前記色材が、下記一般式(2)で示される色材であり、
前記染料プライマー層は、無機顔料微粒子を含有していることを特徴とする昇華型熱転写シート。
(特定方法)
第1の溶媒に、目的とする昇華性染料を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする昇華性染料の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする昇華性染料の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする昇華性染料は、第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料であると特定する。一方、目的とする昇華性染料の析出を目視で確認できた場合には、目的とする昇華性染料は、第1の溶媒に分散可能な昇華性染料であると特定する。第1の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
第2の溶媒に、目的とする色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする色材は、第2の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とする色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とする色材は、第2の溶媒に分散可能な色材であると特定する。第2の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
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