JP2013176972A - インクジェット記録用後処理液及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)ウレタン樹脂、フッ素系界面活性剤、水溶性有機溶剤及び水を含有するインクジェット記録用後処理液。
(2)インクを用いて記録媒体に画像を形成した後、画像形成部に(1)記載の後処理液を吐出して被覆するインクジェット記録による画像形成方法。
(3)前記記録媒体が、脂肪族系有機酸塩又は無機金属塩、水溶性有機溶剤及び水を含有する前処理液により前処理したものである(2)記載の画像形成方法。
【選択図】なし
Description
また、インクジェット記録法によりカラー画像を記録する場合には、色の異なるカラーインクが次々と重ねられるため、色境界部分でカラーインクが滲んだり混ざり合いが発生し(以下、カラーブリードという)、画像品質が大きく低下するという問題がある。
更に、インクによる印刷の後工程で用いる処理液に関しては、前処理工程、印刷工程、後処理工程のプロセスを持ち、特に後処理工程でUVニスを噴霧するもの(特許文献1参照)、印刷後に樹脂を含有するオーバーコート液を画像形成部にコーティングすることにより、画像耐擦性を付与するものが考えられている(特許文献2、3参照)。
オフセット印刷用紙に対しては一般に油性インクが使用されているが、近年の省資源、安全性の観点から使用制約が多い。また省エネルギーの観点からも、水性インクを用いた印刷にシフトしつつあり、特に小部数ロット印刷などにおいては、IJプロセスを用いたオンデマンド印刷に市場が推移する傾向がみられる。汎用のオフセット印刷用紙は油性インクに仕様を合わせており、水性インクを使用すると吸収性が極めて悪いため、インクが均一に濡れ拡がらず、滲みがひどく、高速1パス印字において、特にビーディング品質の劣化、印字直後の画像乾燥性、定着性に大きな問題がある。
そこで本発明は、記録媒体にインクジェット記録する際、更には水性インクを用いてオフセット印刷用紙に記録する際に、高速1パス印字においてもビーディング品質に優れ、かつ耐擦性に優れた画像を得ることができるインクジェット記録用後処理液の提供を目的とする。
1) ウレタン樹脂、フッ素系界面活性剤、水溶性有機溶剤及び水を含有することを特徴とするインクジェット記録用後処理液。
2) 前記ウレタン樹脂が、アニオン性自己乳化型のエーテル系ウレタン樹脂であることを特徴とする1)記載のインクジェット記録用後処理液。
3) インクジェット記録による画像形成方法であって、インクを用いて記録媒体に画像を形成した後、画像形成部に、1)又は2)記載の後処理液を吐出して被覆することを特徴とする画像形成方法。
4) 前記インクが水性インクであり、前記記録媒体がオフセット印刷用紙であることを特徴とする3)記載の画像形成方法。
5) 前記記録媒体が、脂肪族系有機酸塩又は無機金属塩、水溶性有機溶剤及び水を含有する前処理液により前処理したものであることを特徴とする3)又は4)記載の画像形成方法。
6) 1)又は2)記載のインクジェット記録用後処理液を収容したカートリッジ。
7) 6)記載のカートリッジを装着した画像形成装置。
〔インクジェット記録用後処理液〕
本発明のインクジェット記録用後処理液(以下、後処理液と略称することもある)は、少なくとも、ウレタン樹脂、フッ素系界面活性剤、水溶性有機溶剤及び水を含有する。
ウレタン樹脂は、画像形成部に画像耐擦性を付与するための必須成分である。その配合割合は後処理液全体の10〜90質量%が好ましい。この範囲であれば十分な画像耐擦性を付与できる。また、ウレタン樹脂の粒子径、成膜時平滑性を制御することにより、画像光沢性をコントロールすることもできる。
ウレタン樹脂の中でも、分散安定性に優れたアニオン性自己乳化型のウレタン樹脂が好ましく、特に、後処理液を画像形成部に付与した際の成膜性、強度、折り曲げ性等の観点から、アニオン性自己乳化型のエーテル系ウレタン樹脂が好ましい。
また、前記エーテル系ウレタン樹脂のガラス転移点は、−50〜150℃が好ましく、より好ましくは−10〜30℃である。150℃以下であれば、十分な耐擦性が得られる。しかし、−50℃未満になると膜が柔らかすぎて耐擦性が低下するので好ましくない。なお、上記ガラス転移点は、DSC(示差走査熱量計)又はTMA(熱機械分析)により測定できる。
前記エーテル系ウレタン樹脂の例としては、特開2009−67907号公報、特開2009−173805号公報、特開2009−161726号公報に記載されているものなどが挙げられる。また、市販品としては、三井化学社製のW5661、XW−75−W932、日本ユニカー社製のSF460Sなどが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16であるものが好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16であるものがより好ましい。フッ素置換した炭素数が2未満のものでは、フッ素の効果が得られないことがあり、フッ素置換した炭素数が16を超えると、インク保存性などの問題が生じることがある。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩などが挙げられるが、特に下記一般式(1)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3などが挙げられる。
(1)アニオン系フッ素系界面活性剤
本発明の後処理液による処理の対象となる記録媒体は特に限定されず、例えば塗工層を持たない、一般的にコピー用紙として用いているサイズ度10s以上、透気度5〜50sの普通紙が挙げられる。しかし、本発明の後処理液は、水性インクを用いてオフセット印刷用紙にインクジェット記録する際に特に有効である。
ここで、オフセット印刷用紙とは、いわゆるアート紙(A0、A1)、A2コート紙、A3コート紙、B2コート紙、軽量コート紙、微塗工紙といった商業印刷に用いられている塗工紙のことであり、オフセット印刷やグラビア印刷に使用する用紙を指す。
アート紙の例としては、OK金藤N、OK金藤−R40N、SA金藤N、サテン金藤N、サテン金藤−R40N、ウルトラサテン金藤N、ウルトラOK金藤N、金藤片面(王子製紙)、NPi特アート、NPiスーパーアート、NPiスーパーダル、NPiダルアート(日本製紙)、ユトリロスーパーアート、ユトリロスーパーダル、ユトリロプレミアム(大王製紙)、高級アートA、特菱アート、スーパーマットアートA、高級ダルアートA(三菱製紙)、雷鳥スーパーアートN、雷鳥スーパーアートMN、雷鳥特アート、雷鳥ダルアートN(中越パルプ)等が挙げられる。
B2コート(中質コート)紙の例としては、OK中質コート、(F)MCOP、OKアストログロス、OKアストロダル、OKアストロマット(王子製紙)、キングO(日本製紙)等が挙げられる。
前処理液としては、脂肪族系有機酸塩又は無機金属塩、水溶性有機溶剤及び水を含有し、必要に応じてその他の添加剤を含有するものを用いる。その他の添加剤としては、湿潤剤、浸透剤、及び後述するインクでも用いられる防腐剤、防錆剤等が挙げられる。なお、水溶性有機溶剤が湿潤剤を兼ねる場合もあるが、別の湿潤剤を加えてもよい。また湿潤剤として固体湿潤剤を用いることもできる。
前記脂肪族系有機酸塩としては、例えば、L−アスパラギン酸ナトリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、琥珀酸ナトリウム、琥珀酸二ナトリウム、琥珀酸二アンモニウム、クエン酸アルミニウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸三アンモニウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸二アンモニウム、クエン酸二ナトリウム、乳酸亜鉛、乳酸アルミニウム、乳酸アンモニウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、乳酸マグネシウム、酒石酸カリウム、酒石酸カルシウム、DL−酒石酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムカリウム等が挙げられる。
前記多価アルコール類としては、例えば、ジプロピレングリコール(bp232℃)、1,5−ペンタンジオール(bp242℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(bp203℃)、プロピレングリコール(bp187℃)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(bp197℃)、エチレングリコール(bp196〜198℃)、トリプロピレングリコール(bp267℃)、ヘキシレングリコール(bp197℃)、ポリエチレングリコール(粘調液体〜固体)、ポリプロピレングリコール(bp187℃)、1,6−ヘキサンジオール(bp253〜260℃)、1,2,6−ヘキサントリオール(bp178℃)、トリメチロールエタン(固体、mp199〜201℃)、トリメチロールプロパン(固体、mp61℃)などが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル(bp237℃)、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド(bp210℃)、N−メチルホルムアミド(bp199−201℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(bp153℃)、N,N−ジエチルホルムアミド(bp176−177℃)などが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン(bp170℃)、ジエタノールアミン(bp268℃)、トリエタノールアミン(bp360℃)、N,N−ジメチルモノエタノールアミン(bp139℃)、N−メチルジエタノールアミン(bp243℃)、N−メチルエタノールアミン(bp159℃)、N−フェニルエタノールアミン(bp282−287℃)、3−アミノプロピルジエチルアミン(bp169℃)などが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド(bp139℃)、スルホラン(bp285℃)、チオジグリコール(bp282℃)などが挙げられる。
該糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースなどが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖{例えば、糖アルコール〔一般式:HOCH2(CHOH)nCH2OH(ただし、nは2〜5の整数を表す)〕、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など}、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
その他の非湿潤剤性ポリオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどが挙げられる。
浸透剤の前処理液中の含有量は、0.1〜5.0質量%が好ましい。含有量が0.1質量%未満では、前処理液を浸透させる効果がなくなることがあり、5.0質量%を超えると、溶剤への溶解性が低いため溶剤から分離し、浸透性を向上させる効果が飽和してしまうことがある。
塗布方法には特に制限はなく、記録媒体表面に均一に塗工する方法を用いればよい。このような塗工方法として、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
記録媒体への前処理液のウエット付着量は、0.1〜30.0g/m2が好ましく、より好ましくは0.2〜10.0g/m2である。付着量が0.1g/m2未満では画像品質(画像濃度、彩度、カラーブリード、文字滲み及び白ポチ)の向上が殆ど見られないことがあり、30.0g/m2を超えると用紙としての風合いが損なわれたり、カールが発生することがある。
本発明の後処理液の効果は水性インクを用いたときに顕著に現れる。
水性インクは、水分散性着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤及び水を含有する。
水分散性着色剤としては、耐候性の面から主に顔料が用いられるが、色調調整のため、耐候性を劣化させない範囲内で染料を併用しても構わない。
顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用及びカラー用の無機顔料や有機顔料などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。
これらの中でも、特に、水と親和性の良いものが好ましい。
・第1形態では、ポリマー微粒子に水不溶乃至水難溶性の顔料を含有させたポリマーエマルジョン(顔料を含有させたポリマー微粒子の水分散物)を含有する。
・第2形態では、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料(以下、「自己分散性顔料」と称することもある)を含有する。
なお、第2形態の場合は、後述する水分散性樹脂を含むことが好ましい。
ポリマーエマルジョンを形成するポリマーとしてはビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー等が挙げられるが、特に好ましいのはビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーであり、例えば、特開2000−53897号公報、特開2001−139849号公報に開示されているポリマーを使用することができる。
また、この第2形態の自己分散性顔料を含有する水性インクは乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドノズル付近のインク水分が蒸発した場合も目詰まりを起こさず、簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行なえる。
前記自己分散性顔料の体積平均粒径(D50)は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
アニオン性親水基としては、例えば、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2、−SO2NH2、−SO2NHCOR(ただし、Mは、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わす。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表わす。)等が挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SO3Mがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。
また、前記親水基中における「M」のアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。
前記親水基は、他の原子団を介して顔料の表面に結合していてもよい。他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基等が挙げられる。
上記親水基が他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合する場合の具体例としては、例えば、−C2H4COOM(ただし、Mは、アルカリ金属、又は第4級アンモニウムを表わす)、−PhSO3M(ただし、Phはフェニル基を表わす。Mは、アルカリ金属、又は第4級アンモニウムを表わす)等が挙げられる。
水分散性着色剤と水溶性有機溶剤の質量比は、ヘッドからのインク吐出安定性に影響を与える。例えば、水分散性着色剤の固形分が多いのに水溶性有機溶剤の配合量が少ないと、ノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み、吐出不良をもたらすことがある。
水溶性有機溶剤の水性インク中の含有量は、20〜50質量%が好ましく、20〜45質量%がより好ましい。含有量が20質量%未満では、吐出安定性が低下したりインクジェット記録装置の維持装置で廃インクが固着したりする可能性がある。また、50質量%を超えると、紙面上での乾燥性に劣り、更に普通紙上の文字品位が低下することがある。
界面活性剤の水性インク中の含有量は、0.01〜3.0質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。含有量が0.01質量%未満では、界面活性剤を添加した効果が無くなることがあり、3.0質量%を超えると、記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、普通紙においては特に、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
浸透剤の水性インク中の含有量は、0.1〜4.0質量%が好ましい。含有量が0.1質量%未満では、速乾性が得られず滲んだ画像となることがあり、4.0質量%を超えると、着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、記録媒体への浸透性が必要以上に高くなる等、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
その例としては、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
pHが7未満又は11を超えると、インクジェットヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きくなり、インクの変質や漏洩、吐出不良等の不具合が生じることがある。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。
前記ホスホニウム水酸化物としては、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
例えば水性インクの25℃での粘度は5〜20mPa・sが好ましい。インクの粘度を5mPa・s以上とすることにより、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、インクの粘度を20mPa・s以下に抑えることにより、吐出性を確保することができる。ここで、粘度は、例えば、粘度計(RE−550L、東機産業社製)を使用して25℃で測定することができる。
また、水性インクの静的表面張力は、25℃で20〜35mN/mが好ましく、20〜30mN/mがより好ましい。静的表面張力が20〜35mN/mの範囲にあると、浸透性が高くなりブリーディングの低減に効果が高く、普通紙印字での乾燥性が良好となるし、前処理層に濡れ易いので発色性が良くなり白ポチも改良される。しかし、静的表面張力が35mN/mを超えると、記録媒体上でのインクのレベリングが起こり難くなり、乾燥時間の長くなることがある。
水性インクは、水分散性着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤及び水、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行なうことができ、通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行なうことができる。
インク、前処理液、後処理液は、これらに刺激を印加して飛翔させ、記録媒体に画像を記録したり、画像形成部に前処理液や後処理液を付与したりする。飛翔手段としては特に制限はなく、例えばインク吐出用の各種のインクジェットノズルなどが挙げられる。
インクジェットヘッドは液室部、流体抵抗部、振動板及びノズル部材の少なくとも一部がシリコンやニッケルを含む材料から形成されているものが好ましい。また、インクジェットノズルのノズル径は30μm以下が好ましく、1〜20μmがより好ましい。
前記刺激は各種刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適である。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等などが挙げられる。
本発明の画像形成方法は、記録用メディアの塗工層を有する面に前処理液を付着させる前処理工程と、該前処理液を付着させた面上にインクを付着させて画像を形成する画像形成工程と、該インクを付着させた面上に、後処理液を付着させて透明な保護層を形成する後処理工程とを有する。この前処理工程では、前処理液を塗布又は飛翔(インクジェット吐出)により付着させることができる。なお、前処理工程は省略することもできる。
前処理工程の付着方法としては、印刷用紙表面に前処理液を均一に塗布する方法が好ましい。塗布方法の例としては、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本〜5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
前処理液の記録用メディアへのウエット付着量は、0.1〜30.0g/m2の範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜10.0g/m2である。付着量が0.1g/m2未満では、画像品質(画像濃度、彩度、ビーディング及びカラーブリード)の向上が殆ど見られないことがあり、30.0g/m2を超えると、前処理液の乾燥性が悪くなり、更にカールが発生することがある。
画像形成工程は、インクに刺激(エネルギー)を印加し、必要に応じて前処理液を付着させた記録用メディアに、インクを飛翔させて印刷用紙に画像を形成する工程である。この工程は公知の種々のインクジェット記録方法を適用でき、例えば、ヘッドを走査する方式のインクジェット記録方法や、ライン化されたヘッドを用い、ある枚葉の印刷用紙に画像記録を行うインクジェット記録方法が挙げられる。
画像形成工程におけるインク飛翔手段である記録ヘッドの駆動方式には特に限定はなく、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータ等を利用したオンディマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドで記録することもできる。
後処理工程は、画像形成工程で形成された画像表面に透明な樹脂を含む後処理液を付着させて保護層を形成する工程である。
後処理液は記録用メディアの画像表面の全体にわたって付着させても、画像表面の特定の部分のみに付着させても良い。後処理液の付着方法には特に制限はなく、後処理液の種類によって各種方法が適宜選択できるが、前記前処理液の塗布方法と同様の方法又は前記インクを飛翔させる方法と同様の方法が好適である。これらの中でも、装置構成や後処理液の保存安定性の点から、インクを飛翔させる方法と同様の方法が特に好ましい。
後処理液の乾燥付着量は0.5〜10g/m2が好ましく、2〜8g/m2がより好ましい。付着量が0.5g/m2未満では、画像品質(画像濃度、彩度、光沢度及び定着性)の向上が殆ど見られず、10g/m2を超えると、保護層の乾燥性が低下し、画像品質向上効果も飽和するため経済的にも不利となる。
これらは、画像形成方法の全体構成を示す概略図であり、前処理工程で前処理液を記録用メディアに付着させ、画像形成工程でインクを吐出させて画像を形成し、後処理工程で画像形成部分に後処理液を付着させ、更に乾燥・定着工程を設けたものである。
具体的には、図1は自然乾燥の場合、図2は温風乾燥の場合、図3は温風乾燥に加えて熱定着ローラを用いた場合、図4はヒートローラ乾燥の場合、図5は赤外線照射乾燥の場合、図6はマイクロ波乾燥の場合である。
本発明の後処理液は、インクジェット記録方式による各種画像形成装置、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機などに好適に使用することができる。
以下、実施例でも用いたインクジェット記録装置について概要を説明する。
図7に示すインクジェット記録装置は、装置本体(101)と、装置本体(101)に装着した用紙を装填するための給紙トレイ(102)と、装置本体(101)に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ(103)と、インクカートリッジ装填部(104)とを有する。インクカートリッジ装填部(104)の上面には、操作キーや表示器などの操作部(105)が配置されている。インクカートリッジ装填部(104)は、インクカートリッジ(200)の脱着を行うための開閉可能な前カバー(115)を有している。(111)は上カバー、(112)は前カバーの前面である。このインクカートリッジ(200)に代えて、又はこれに加えて、後処理液を収容したカートリッジを装着すれば、後処理液を吐出することができる。
キャリッジ(133)には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド(134)の複数のインク吐出口を、主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド(134)を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどが使用できる。
また、キャリッジ(133)には、記録ヘッド(134)に各色のインクを供給するための各色のサブタンク(135)を搭載している。サブタンク(135)には、インク供給チューブ(不図示)を介して、インクカートリッジ装填部(104)に装填されたインクカートリッジ(200)からインクが供給されて補充される。
この給紙部から給紙された用紙(142)を記録ヘッド(134)の下方側で搬送するための搬送部として、用紙(142)を静電吸着して搬送するための搬送ベルト(151)と、給紙部からガイド(145)を介して送られる用紙(142)を搬送ベルト(151)との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ(152)と、略鉛直上方に送られる用紙(142)を略90°方向転換させて搬送ベルト(151)上に倣わせるための搬送ガイド(153)と、押さえ部材(154)で搬送ベルト(151)側に付勢された先端加圧コロ(155)とが備えられ、また、搬送ベルト(151)表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ(156)が備えられている。
装置本体(101)の背面部には、両面給紙ユニット(181)が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット(181)は、搬送ベルト(151)の逆方向回転で戻される用紙(142)を取り込んで反転させて再度、カウンタローラ(152)と搬送ベルト(151)との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット(181)の上面には手差し給紙部(182)が設けられている。
このとき、帯電ローラ(156)によって搬送ベルト(157)が帯電されており、用紙(142)は、搬送ベルト(151)に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ(133)を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド(134)を駆動することにより、停止している用紙(142)にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙(142)を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙(142)の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙(142)を排紙トレイ(103)に排紙する。
このインクジェット記録装置においては、インクカートリッジ(200)中のインクを使い切ったときには、インクカートリッジ(200)における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。また、インクカートリッジ(200)は、縦置きで前面装填構成としても、安定したインクの供給を行うことができる。したがって、装置本体(101)の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したり、あるいは装置本体(101)の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ(200)の交換を容易に行うことができる。
なお、ここでは、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
インクは、容器に収容してインクカートリッジとして用いることができ、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を付設してもよい。
容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを有するものなどが好適に挙げられる。
上記インクカートリッジについて、図9及び図10を参照して説明する。ここで図3はインクカートリッジのインク袋241の一例を示す概略図であり、図10は図9のインク袋241をカートリッジケース244内に収容したインクカートリッジ200を示す概略図である。図9に示すように、インク注入口242からインクをインク袋241内に充填し、該インク袋中に残った空気を排気した後、該インク注入口242を融着により閉じる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給する。インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成する。そして図10に示すように、通常、プラスチック製のカートリッジケース244内に収容し、インクカートリッジ200として各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いる。
インクカートリッジは、前述の本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることが特に好ましい。
上記インクカートリッジのインクを、前処理液又は後処理液に替えれば、前処理液又は後処理液カートリッジとして用いることができる。
前処理液又は後処理液カートリッジも、インクカートリッジと同様に、前述の本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることが好ましい。
更に、インク、前処理液及び後処理液を、容量の大きいカートリッジ(例えば、レクテナー)内で保管してもよい。
下記インクジェット記録用後処理液1に示す処方の材料を1時間混合攪拌し均一な混合物とした。次いで、平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、実施例1のインクジェット記録用後処理液を得た。
〔インクジェット記録用後処理液1〕
・アニオン性自己乳化型のエーテル系ウレタン樹脂 WLS−210
(DIC社製 有効成分35質量%) 28.6質量%
・1,3−ブタンジオール 15質量%
・グリセリン 15質量%
・ゾニールFS−300(デュポン社製) 1質量%
・純水 40.4質量%
下記前処理液調製例1、2に示す処方の材料を1時間混合攪拌し均一な混合物とした。次いで、平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して各前処理液を得た。
・乳酸 10質量%
・1,3−ブタンジオール 10質量%
・グリセリン 10質量%
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1質量%
・純水 69質量%
・硫酸マグネシウム 10質量%
・1,3−ブタンジオール 10質量%
・グリセリン 10質量%
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1質量%
・純水 69質量%
―ポリマー溶液Aの調製―
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18.0gの混合溶液を、2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加して、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364.0gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
ポリマー溶液Aを28g、C.I.ピグメントレッド122を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20.0g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。
得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くために平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、顔料15質量%含有、固形分20質量%のマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。
この分散液におけるポリマー微粒子の平均粒子径(D50)を測定したところ82.7nmであった。なお、平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装社製、ナノトラックUPA−EX150)で行った。
調製例aにおけるC.I.ピグメントレッド122を、フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)に変えた点以外は、調製例aと同様にして、顔料15質量%含有、固形分20質量%の、シアン顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。
この分散液におけるポリマー微粒子の平均粒子径(D50)を、調製例1と同様にして測定したところ、110.6nmであった。
調製例aにおけるC.I.ピグメントレッド122を、モノアゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74)に変えた点以外は、調製例aと同様にして、顔料15質量%含有、固形分20質量%の、イエロー顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。
この分散液におけるポリマー微粒子の平均粒子径(D50)を、調製例1と同様にして測定したところ、105.4nmであった。
調製例aにおけるC.I.ピグメントレッド122を、カーボンブラック(デグサ社製、FW100)に変えた点以外は、調製例aと同様にして、顔料15質量%含有、固形分20質量%の、カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。
この分散液におけるポリマー微粒子の平均粒子径(D50)を、調製例1と同様にして測定したところ、75.2nmであった。
下記表1の各調製例の欄に示す水溶性有機溶剤、浸透剤、界面活性剤、防カビ剤、水及び調製例によっては水分散性樹脂を1時間混合攪拌して均一な混合液とした。次いで、顔料分散液、消泡剤、pH調整剤を添加し、1時間混合攪拌して分散液を得た。この分散液を、平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、調製例1〜8の各インクジェット記録用水性インクを得た。
・CAB−O−JET260:CABOT社製、顔料固形分11%、自己分散性マゼンタ顔料分散液
・CAB−O−JET250:CABOT社製、顔料固形分11%、自己分散性シアン顔料分散液
・CAB−O−JET270:CABOT社製、顔料固形分11%、自己分散性イエロー顔料分散液
・CAB−O−JET300:CABOT社製、顔料固形分15%、自己分散性ブラック顔料分散液
・フッ素樹脂エマルジョン:旭硝子社製、ルミフロンFE4500、固形分52質量%、
平均粒子径136nm、最低造膜温度(MFT)=28℃
・KF−640:ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤(信越化学工業社製、
成分100質量%)
・Proxel GXL:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンを主成分とした防カ
ビ剤(アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
・KM−72F:自己乳化型シリコーン消泡剤(信越シリコーン社製、成分100質量%
)の整数を表し、nは20〜200の整数を表す。)
上記前処理液、インク及び後処理液を表2の実施例1−1〜2−4及び比較例1−1〜2−4の欄に示すように組み合わせて用い、リコー社製インクジェットプリンタIPSiO GXe−5500で、オフセット印刷用紙(OKトップコート:王子製紙社製 グレードA2)に画像を形成した後、画像形成部に後処理液を吐出した。印刷は1200dpiの解像度で1パス印字を実施した。各実施例及び比較例では、記録媒体を前処理液で処理して用いた。
<スミア定着性>
Microsoft Word2000で作成した64pointのJIS X 0208(1997),2223の一般記号が記載されているチャートを形成画像とし、画像形成部に後処理液を吐出した。
次いで温度23±2℃、湿度50±15%RHで24時間乾燥させ、印字面の前記記号部を、CM−1型クロックメータに両面テープで取り付けたJIS L0803 綿3号を印字部位に当てるように10往復させた後、綿布に付着したインクの反射濃度をX−Rite939(X−Rite社製)で測定し、綿布の地肌色を差し引いて、汚れ部の反射濃度を下記評価基準により判定した。なお、JIS X 0208(1997),2223は、外形が正四方形であって、記号全面がインクにより塗りつぶされている記号である。
〔評価基準〕
◎:0.07未満
○:0.07以上、0.1未満
×:0.1以上
用紙に対し、前処理工程を実施した後、シアン、マゼンタ、グリーンのベタ画像を印字し温風乾燥した。そして、ベタ画像の濃度ムラ(ビーディング)を観察し、下記評価基準により判定した。
〔評価基準〕
◎:全くなし
○:僅かにあり
×:あり
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前カバーの前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジケース
Claims (7)
- ウレタン樹脂、フッ素系界面活性剤、水溶性有機溶剤及び水を含有することを特徴とするインクジェット記録用後処理液。
- 前記ウレタン樹脂が、アニオン性自己乳化型のエーテル系ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用後処理液。
- インクジェット記録による画像形成方法であって、インクを用いて記録媒体に画像を形成した後、画像形成部に、請求項1又は2記載の後処理液を吐出して被覆することを特徴とする画像形成方法。
- 前記インクが水性インクであり、前記記録媒体がオフセット印刷用紙であることを特徴とする請求項3記載の画像形成方法。
- 前記記録媒体が、脂肪族系有機酸塩又は無機金属塩、水溶性有機溶剤及び水を含有する前処理液により前処理したものであることを特徴とする請求項3又は4記載の画像形成方法。
- 請求項1又は2記載のインクジェット記録用後処理液を収容したカートリッジ。
- 請求項6記載のカートリッジを装着した画像形成装置。
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