JP2013173233A - 中空射出成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の水アシスト成形法によれば、曲がり部や分岐部を有する複雑な3次元形状の中空射出成形体の成形において、注水過程時に高い水の注入圧力が必要であり、また、成形体の肉厚が厚くなるため、外形の寸法精度が低下するという問題があった。
【解決手段】 射出成形機を用いて熱可塑性樹脂に超臨界流体を混合した状態の混合樹脂をキャビティに充填した後、水注入バルブを介してキャビティの一端から水をキャビティ内に圧入させることで、金型の内面近傍に樹脂表層部を薄く残存させ、肉厚が薄く外形の寸法精度の高い中空射出成形体の成形を可能とする。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、中空射出成形体を射出成形によって製造する製造方法の発明に関する。
従来、自動車のラジエーターに用いられる冷却水配管、給湯器等に用いられる配管、風呂のお湯周りの複雑形状配管、さらに自動車の排ガス等の曲がり部や分岐部を有するパイプ部材の製造には金属管を加工して製造していた。曲がり部を有するパイプ部材の製造には金属パイプの曲げ加工が必要であり、また、パイプ部材に分岐部を形成するためには溶接が必要であった。このため製造に高度な技術と煩雑な工程が必要であった。
一方、中空の射出成形体の製造方法として、金型キャビティに充填された樹脂に対して、水を圧入して、水圧により溶融樹脂を金型内面に向かって押付けて圧接させつつ冷却することにより樹脂を固化させ、所定の形状を有する中空の射出成形体を製造する、所謂水アシスト成形法が知られている。このため、水アシスト成形法を利用して熱可塑性樹脂による中空射出成形体を成形し、これを金属製パイプ部材に置き換えようとする試みがなされている。
特許文献1には水アシスト成形法の改良方法として微量のガスを水に先行させ樹脂中空を形成させ、かつ金型温度を樹脂射出時は急速加熱で高くしておき、樹脂固化促進のためタイミングよく急冷する方法が示され、既存の水アシスト成形法に比べて製品固化速度を高くすることができると開示されている。
特許第4777667号公報
従来の抜きコア等を使用する射出成形法は樹脂を金型に射出して一体成形することができ、量産に適しているものの、曲がり部や分岐部を有する複雑な3次元形状の中空射出成形体を成形することはできない。また、直線の組み合わせからなるパイプ配管形状でも割金型と抜きコアの組み合わせからなる複雑金型となる。このため製造時の金型の不測の事故による製品欠陥や変形を生じるという問題がある。
また、従来の水アシスト成形法では、金型キャビティ内への樹脂を充填するため高い射出圧力が必要となるだけでなく、この高い射出圧力の樹脂の内部に水を注入するので、必然的に水の注入圧力も高い圧力が必要となる。このため、3次元形状の複雑化やパイプ部の全長に制約を生じたり、排除する樹脂の量が少なくパイプ肉厚の薄い成形品は成形しにくい欠点を有したりしていた。さらに、従来の水アシスト成形法ではキャビティ内への樹脂の充填時および、その後の樹脂内部に圧入した水の圧力でも、さらに樹脂を金型内面に押付けて成形品の外形をキャビティ内面形状に沿って成形する。このため、複雑な3次元形状中空成形体の外寸法精度の高い要求をされる成形品では、成形品の厚肉傾向のため金型面への押付け転写圧力伝達も弱く成形品外形状精度に寄与するには不十分で限界があった。
そこで、上記課題を解決する手段として本願発明に係る中空射出成形体の製造方法は、中空射出成形体を射出成形によって製造する製造方法であって、攪拌シリンダー内で、溶融した熱可塑性樹脂中に超臨界流体を攪拌混合して混合樹脂を生成する混合樹脂生成過程と、攪拌シリンダーから混合樹脂を射出すると共に、混合樹脂を金型の内面が形成するキャビティに充填する充填過程と、金型外部からキャビティに貫通する注水孔に設置された水注入バルブを介して、混合樹脂が充填されたキャビティに水を圧入する注水過程と、キャビティに圧入された水によって、キャビティに充填された混合樹脂のうち、キャビティの軸線に沿った樹脂中心部を金型に設けられた抜き取り孔からキャビティ外へ押し出すと共に、金型の内面に圧接されてなる樹脂表層部を残存させる中空部形成過程と、前記樹脂表層部を冷却して固化させる冷却過程とを有することを特徴とする。
また、前記注水過程において、不活性ガスを水に先行させて注入しても好ましい。
本願発明に用いられる熱可塑性樹脂にはポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を用いることが好ましいが、生分解性プラスチックであるポリ乳酸、ポリオレフィン、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、含フッソ樹脂等で例示される汎用の熱可塑性樹脂はもとよりポリアミド、飽和ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアセタール、ポリスルホン、変性ポリエチレンエ−テル等で例示されるいわゆるエンジニアリングプラスチックスをも使用することができる。なお、PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂では、特にポリアミド(PA)樹脂を用いることが好適である。
超臨界流体と熱可塑性樹脂との混合による混合樹脂生成過程では、攪拌シリンダーの中間部に、超臨界流体発生部で生成した超臨界流体を注入孔から溶融した熱可塑性樹脂に注入されることが好ましい。超臨界流体はスクリューによって熱可塑性樹脂と攪拌混合される。超臨界流体を混合した溶融樹脂(以下混合樹脂と略記)は、超臨界流体を含まない単なる溶融樹脂に比べ流動粘度を低くすることができ、キャビティへの充填時に必要な射出圧力を抑えることができる。溶融した熱可塑性樹脂に注入する超臨界流体は窒素、二酸化炭素などの不活性物質が良く使用されるが、これに限られることはない。これらの超臨界点は窒素:−147.0℃ 3.4MPa、二酸化炭素:31.1℃ 7.38MPaである。
次に充填過程では、攪拌シリンダーの射出口から混合樹脂が射出されスプルー、ランナー、ゲートを介してキャビティへ充填されることが好ましい。
キャビティに混合樹脂を充填させると、超臨界流体が混合樹脂中において発泡し、微小な気泡が多数発生する。気泡は金型の内面近傍に比べてキャビティの軸心及び軸心周囲の部分に多く分布して発生する。
ここで、キャビティの軸心及び軸心周囲の部分に分布する混合樹脂を樹脂中心部とする。樹脂中心部は軸心に沿って分布する。また、注水過程によって金型の内面近傍に残存する樹脂層部分は樹脂表層部とする。樹脂表層部は樹脂中心部よりも外側部分に分布する。樹脂中心部には、前述のように金型の内面近傍に比べて多くの気泡が存在するため、樹脂中心部の樹脂の粘度は超臨界流体が混合されていない樹脂よりも粘度が低く、さらにまた、混合樹脂からなる樹脂表層部よりも低い粘度とすることができる。
混合樹脂がキャビティ内に充填され、混合樹脂内に気泡が発生した状態となった後、水注入バルブから混合樹脂に水が圧入される注水過程を行う。水は20MPa程度の圧力で圧入することができる。
中空部形成過程では、水注入バルブから圧入された水は、粘度の低い樹脂中心部を押し流しながら、キャビティ内で径方向外側方向へも金型の内面近傍まで押広がるが、樹脂中心部よりも粘度の高い金型の内面近傍に樹脂表層部は残存させる。このとき、混合樹脂は超臨界流体が混合されていない樹脂よりも粘度が低いため、圧入された水は樹脂に超臨界流体が混合されていない場合よりもキャビティ内で径方向外側方向により一層押広がることができる。さらに、樹脂表層部の粘度は樹脂中心部の粘度よりも高いため、圧入された水が際限なく押し広げられることはなく、樹脂表層部を全て除去してしまうこともない。そのため、樹脂表層部の肉厚を、混合樹脂を使用しない従来の水アシスト成形法よりも薄く残存させることができる。
押し流された樹脂中心部は抜き取り孔から樹脂貯留部に貯留することが好ましい。その後、水の水圧を一定に保持して樹脂表層部を金型の内面に押付けて圧接させながら冷却・固化させて、中空射出成形体を得る。さらにまた、金型温度については所謂急温急冷法を併用することも好ましい。すなわち成形品の光沢性や金型の転写性、樹脂の流動性の向上を考慮して、金型を高温に設定した後、混合樹脂射出後に、樹脂中心部に水を注入して樹脂中心部の当該樹脂を除去後、表層形成後金型冷却し、注入した水を除去する過程とすることも好ましい。
なお、注入される水は、冷水、温水、熱水、又は水蒸気を成形の条件に応じて使い分けて用いることが好ましい。
本願発明で得られた中空射出成形体は、従来の水アシスト成形法で成形される中空射出成形体よりも肉厚を薄く成形させることができると共に、残存させた樹脂表層部を金型の内面に強力に圧接させることができるため、成形後の樹脂表層部の外面形状はキャビティの形状を正確に再現し、従来よりも高い外形の寸法精度を有する中空射出成形体を得ることが可能となる。
また、従来の水アシスト成形法で成形される中空射出成形体よりも肉厚を薄く成形させることができる本願発明によれば、複雑な3次元形状のパイプ部材の末端形状まで忠実に中空部分を形成できる。さらに、従来の水アシスト成形法で成形される中空射出成形体では成形することができなかった複雑な3次元形状中空成形体であって外寸法精度の高い要求をされる成形品であっても、成形品の肉厚を薄くできることにより金型面への押付け転写圧力伝達も増強され、成形品外形状精度の向上にも寄与することができる。
本願発明により得られた中空射出成形体は、0.2mm〜3.0mmの肉厚に成形することができ、従来技術の水アシスト成形法で成形される中空射出成形体の肉厚より最大10分の1程度までの薄肉化を実現することができる。
また、本願発明によれば一度の成形で多数の分岐を有する中空射出成形体を成形することが可能であり、従来技術で成形できる分岐数の約2倍の分岐を一体成形することができた。
残存した樹脂表層部を冷却した後、中空射出成形体の中空部内の水を排出する。水の排出は、回収水槽へ回収して再利用することが好ましい。
尚、樹脂貯留部へ押し出された混合樹脂は、回収して再利用することで原料の無駄をなくすことができる。
本願発明によれば、従来の水アシスト成形法と比較して高い圧力をかけなくてもキャビティ内に充填された樹脂に水を圧入させることができ、複雑な3次元形状を有する管状の中空射出成形体の一体成形を可能とした。
さらに、従来の水アシスト成形法では得られなかった肉厚の薄い中空射出成形体を実現するばかりでなく、従来よりも外形の寸法精度が高い中空射出成形体を成形することができる。
本願発明によれば、曲がり部や分岐部を有する複雑な3次元形状のパイプ部材を一体成形することができるため、製造コストの低減を図ることができる。
従来は樹脂成形体では置き換えられなかった部材を置き換えることが可能となるため、車などの完成品の軽量化、小型化を図ることができる。
本願発明に係る製造方法を使用するための装置において、充填過程によりキャビティ13に混合樹脂R2を充填した状態の概要を示す図である。 本願発明に係る製造方法を使用するための装置において、注水過程により混合樹脂R2中に水Wが圧入された時の概要を示す図である。 本願発明に係る充填過程によって混合樹脂R2がキャビティ13に充填された状態の拡大部分縦断面図である。 本願発明に係る注水過程において水Wが混合樹脂R2を押し出しながら注水されている過程を示すキャビティ13の拡大部分縦断面図である。 従来の水アシスト成形法において水Wがキャビティ中に充填された熱可塑性樹脂水を押し出しながら注水されている過程を示すキャビティ13の拡大部分縦断面図である。
以下、本願発明に係る実施の形態を、図を参照しながら詳しく説明する。
はじめに、本願発明に係る製造方法を使用するために用いられる装置の概略を説明する。図1に示す射出成形機1は、攪拌シリンダー3壁面に加熱ヒーター2が取り付けられると共に内部にスクリュー4を備え、攪拌シリンダー3内部で熱可塑性樹脂の攪拌・溶融を行うことができる射出成形機である。また、攪拌シリンダー3の後部にはホッパー5が設置されており、ホッパー5から攪拌シリンダー3に投入された熱可塑性樹脂R1のペレットを、スクリュー4による攪拌、及び加熱ヒーター2を用いた加熱により熱可塑性樹脂R1を溶融させることができる。なお、本実施の形態においては熱可塑性樹脂R1にポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を用いている。
攪拌シリンダー3に設けられた注入孔6には、超臨界流体注入機構7が接続されている。超臨界流体注入機構7は、超臨界流体発生部8及び注入手段9とから構成されている。超臨界流体発生部8は、窒素又は二酸化炭素等の不活性ガスを充填した不活性気体ボンベ10と、不活性ガスを昇圧させるブースター11と、不活性ガスを計量する計量器12とからなるものであることが好ましい。また注入手段9に設けられたバルブ9Bは注入孔6に接続されており、超臨界流体発生部8によって発生させた超臨界流体を、予め設定された所定の時間バルブ9Bの弁を開いて、注入孔6を介して攪拌シリンダー3内の溶融した熱可塑性樹脂R1に所定の圧力で注入させることができる。
金型14,14は、それぞれ成形機固定盤15と成形機可動盤16とに固定されている。キャビティ13は、図1に示すように型閉めされた金型14、14の内面によって形成された金型内部の空間であって、中空の射出成形体の外観形状を構成する。固定盤15にはスプルー27が設けられ、シリンダー3の先端部から当該スプルー27内を通じてキャビティ13に混合樹脂R2が充填される。
キャビティ13の一端側には注水孔21が設けられており、その外部には水注入機構18が備えられている。水注入機構18は、水を加圧減圧するポンプユニット19を備えており、このポンプユニット19によって水注入バルブ20を介して圧入口17から加圧水圧入ができるよう構成されていることが好ましい。
前記水注入機構18には、水Wを導くための水ライン26と、ポンプユニット19は水減圧も可能となし、中空成形体の冷却後成形品取り出し直前に内部の水Wを中空射出成形体34内部より抜き取ることも行う。
また、本実施例においては水注孔21に接続されてなる不活性ガス注入機構30が設置されている。不活性ガス注入機構30は、注水孔21に対して周面方向からバルブ22が連通して接続されており、最終的に水注入機構18が水Wを圧入させる圧入口17を共有してキャビティ内に不活性ガスを注入することができるものである。不活性ガス注入機構30は、不活性気体格納部24からブースター23を介してバルブ22へ不活性ガスを送り出すことができる。
そして、当該不活性ガス注入機構30を用いて加圧水注入の直前に加圧された不活性ガス少量を注水孔21より注入し、その後本格的に水Wを圧入させることでキャビティ13中央部に存在する混合樹脂の除去が容易となる。加圧水注入の直前に加圧された少量の不活性ガスによって圧入口17近傍の混合樹脂R2が予め除去され、ポンプユニット19への圧入初期の負荷を軽減することができるからである。
キャビティ13の他端側には樹脂貯留部31が設けられており、当該樹脂貯留部31には、図2に示すように中空射出成形体34の中空部33を形成する際に加圧された水注入によりキャビティ13から排出除去された中空成形体中央部の混合樹脂が抜き取り孔32を介して貯留される。
次に、本願発明に係る製造方法について説明する。
ホッパー5から攪拌シリンダー3の後部に投入された熱可塑性樹脂R1のペレットは、加熱ヒーター2によって加熱され、スクリュー4によって攪拌されながら溶融され、攪拌シリンダー3の先端方向へ搬送される。
そして、混合樹脂生成過程では、攪拌シリンダー3の中間部分において、超臨界流体発生部8で生成した主として窒素からなる超臨界流体が注入手段9から注入孔6を介して溶融した熱可塑性樹脂R1に注入される。超臨界流体はスクリュー4によって熱可塑性樹脂R1と攪拌されながら混合され、混合樹脂R2が形成される。ここで、溶融した熱可塑性樹脂R1に注入する超臨界流体の圧力は、使用する熱可塑性樹脂の種類等によっても相違するが、通常10〜20MPa程度であることが好ましい。
次に充填過程では、攪拌シリンダー3の射出口から混合樹脂R2が射出されスプルー27、ランナー28、ゲート29を介してキャビティ13へ充填される。
混合樹脂R2がキャビティ13内に充填されると、一定時間経過後に水注入機構18のポンプユニット19を作動させ、図2に示すように水注入バルブ20から充填された混合樹脂R2に水Wが圧入される注水過程を行う。圧入される水Wの圧力は20MPa程度であることが好ましい。
キャビティ13に混合樹脂R2を充填させると、超臨界流体が混合樹脂R2中において発泡し、微小な気泡Bを多数発生させることができる。気泡Bは図3に示すように金型14の内面近傍に比べてキャビティ13の軸心及び軸心周囲の部分に多く分布して発生する。
ここで、キャビティ13の軸心及び軸心周囲の部分に分布する混合樹脂を樹脂中心部Cとする。樹脂中心部Cは軸心に沿って分布する。また、注水過程によって金型14の内面近傍には樹脂層からなる樹脂表層部Sが残存する。樹脂表層部Sは樹脂中心部Cよりも外側部分に分布する。樹脂中心部Cには、前述のように金型14の内面近傍に比べて多くの気泡Bが存在するため、樹脂中心部Cの樹脂の粘度を樹脂表層部Sよりも低い粘度とすることができる。
次に中空部形成過程では、水注入バルブ20から圧入された水Wは、図4に示すように水圧によって樹脂中心部Cを押し流しながら金型14の内面近傍まで押広がり、さらに金型14の内面近傍に樹脂表層部Sを薄く残存させる。押し流された樹脂中心部Cは抜き取り孔32から樹脂貯留部31に貯留される。その後、水Wの水圧を一定に保圧して樹脂表層部Sを金型14の内面に押付けて圧接させながら冷却・固化させて、中空射出成形体34を得る。また、当該中空部形成過程において、水注入バルブ20から水Wを圧入指せる直前に、加圧された不活性ガス少量を注水孔21より注入し、その後本格的に水Wを圧入させることとしてもより好ましい。
残存した樹脂表層部Sを冷却した後、中空射出成形体34の中空部33内の水Wを排出する。水Wの排出は、回収水槽(図示されていない)へ回収して再利用する。
尚、樹脂貯留部31へ押し出された混合樹脂R2は、回収して再利用することで原料の無駄をなくすことができる。
従来の水アシスト成形法によれば、キャビティ14内には超臨界流体を含まない熱可塑性樹脂R1が充填されている状態で水Wを圧入して中空構造を成形させるが、この方法では圧入された水のキャビティ内での押広がりが十分ではなく、図5に示すように中空射出成形体35の肉厚は厚く残存する。
これに対し、本願発明で得られた中空射出成形体34の肉厚は、図5の従来の水アシスト成形法で成形される中空射出成形体35よりも薄く成形させることができると共に、残存した樹脂表層部Sを金型14の内面に強力に圧接するため、成形後の樹脂表層部Sの外面形状はキャビティ13の形状を正確に再現し、従来よりも高い外形の寸法精度を有する中空射出成形体34を得ることが可能となる。
本願発明により得られた中空射出成形体34は、0.2mm〜3.0mmの肉厚に成形することができ、従来技術で成形される中空射出成形体35の肉厚より最大10分の1程度の薄肉化を実現することができる。
また、本願発明によれば一度の成形で多数の分岐を有する中空射出成形体を成形することが可能であり、従来技術で成形できる分岐数の約2倍の分岐を一体成形することができた。
本願発明により製造された中空射出成形体34は、特にトイレタリー、洗面、台所、若しくは風呂等の水回りの複雑形状配管、若しくは自動車用のラジエーターに用いられる配管、又はエコ給湯器に用いられる配管等の製造に好適である。さらにディ−ゼル車等の金属腐食性排気ガス配管などにも好適である。
1 射出成形機
2 加熱ヒーター
3 攪拌シリンダー
4 スクリュー
6 注入孔
7 超臨界流体注入機構
8 超臨界流体発生部
9 注入バルブ
13 キャビティ
14 金型
18 水注入機構
20 水注入バルブ
21 注水孔
31 樹脂貯留部
32 抜き取り孔
33 中空部
34 中空射出成形体
R1 熱可塑性樹脂
R2 混合樹脂
B 気泡
C 樹脂中心部
S 樹脂表層部

Claims (2)

  1. 中空射出成形体を射出成形によって製造する製造方法であって、
    攪拌シリンダー内で、溶融した熱可塑性樹脂中に超臨界流体を攪拌混合して混合樹脂を生成する混合樹脂生成過程と、
    攪拌シリンダーから混合樹脂を射出すると共に、混合樹脂を金型の内面が形成するキャビティに充填する充填過程と、
    金型外部からキャビティに貫通する注水孔に設置された水注入バルブを介して、混合樹脂が充填されたキャビティに水を圧入する注水過程と、
    キャビティに圧入された水によって、キャビティに充填された混合樹脂のうち、キャビティの軸線に沿った樹脂中心部を金型に設けられた抜き取り孔からキャビティ外へ押し出すと共に、金型の内面に圧接されてなる樹脂表層部を残存させる中空部形成過程と、
    前記樹脂表層部を冷却して固化させる冷却過程とを有する
    ことを特徴とする中空射出成形体の製造方法。
  2. 前記注水過程において、不活性ガスを水に先行させて注入する
    ことを特徴とする請求項1に記載の中空射出成形体の製造方法。
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