JP2000094468A - 軽量成形品、被覆軽量成形品およびその製造方法 - Google Patents

軽量成形品、被覆軽量成形品およびその製造方法

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JP2000094468A
JP2000094468A JP10269220A JP26922098A JP2000094468A JP 2000094468 A JP2000094468 A JP 2000094468A JP 10269220 A JP10269220 A JP 10269220A JP 26922098 A JP26922098 A JP 26922098A JP 2000094468 A JP2000094468 A JP 2000094468A
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molten resin
resin
cavity
mold
molded product
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Yasumasa Shibata
康雅 柴田
Nariyasu Harada
成康 原田
Yasuo Nishimura
恭夫 西村
Mitsuo Irisawa
三男 入沢
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Shigeru Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Shigeru Co Ltd
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1704Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles

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Abstract

(57)【要約】 【課題】外観が損なわれることがなく、軽量化および高
強度・高剛性が確保されるようになる軽量成形品、被覆
軽量成形品およびその製造方法の提供。 【解決手段】発泡剤を含んだ溶融樹脂10を金型1のキャ
ビティ2に射出充満させ、溶融樹脂10の射出圧で、発泡
を抑制するとともに、溶融樹脂10の表面部分を金型1の
成形面に押圧して転写させる。この後、溶融樹脂10の一
部を加圧ガスの注入でキャビティ2から排出し、中空部
11を形成した後、中空部11内の加圧ガスの圧力を下げ、
溶融樹脂10を部分的に発泡させる。これにより、溶融樹
脂10の表面部分を冷却し、良好な外観を維持し、かつ、
内部の発泡により軽量化を行い、表面のスキン層11A お
よび内部の発泡部11B により高強度・高剛性も確保す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡剤を含んだ溶
融樹脂を金型のキャビティに射出充満させるとともに、
当該溶融樹脂の一部を発泡させることにより得られる軽
量成形品、および、この軽量成形品を芯材として用い、
当該軽量成形品の表面部分に被覆用樹脂層を形成した被
覆軽量成形品、ならびに、前述の軽量成形品を製造する
ための軽量成形品の製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、自動車のドアハンドルやアシス
トグリップ等の把手類として、充分な剛性を有する硬い
芯部分と、感触の良好な軟らかい表皮部分とを備えたも
のが利用されている。このような把手類を製造するにあ
たり、芯部分となる芯材を合成樹脂で射出成形した後、
この芯材を別の金型に設置し、この金型の内部に表皮部
分となる被覆用樹脂を射出し、芯材の表面を被覆するこ
とが行われている。なお、芯材となる合成樹脂をポリプ
ロピレン(以下、PPと略す)とし、被覆用樹脂をポリ
プロピレン系熱可塑性エラストマとすれば、オールオレ
フィン化され、成形品のリサイクルが可能となる。ここ
で、内部を中空にする、あるいは、表面部分は通常の樹
脂で形成し、内部を発泡樹脂で形成することにより、充
分な剛性を確保しつつ、軽量化を図った成形品を得るこ
とができる。
【0003】このような剛性および軽量化の両方を確保
した成形品を製造するために、以下に示すA)〜C)のよう
な製造方法が提案されている。 A)金型のキャビティに射出した溶融樹脂の内部にガスを
注入するにあたり、金型に複数のガス注入口を設け、こ
れらのガス注入口から同時にガス注入を行い、溶融樹脂
の内部に複数の中空部を形成し、これらの中空部の境界
に形成される樹脂の壁をリブとして利用し、成形品の剛
性が向上するようにした製造方法(特開平4-279313号公
報および特開平7-256679号公報)。 B)被覆成形品の芯材を成形するにあたり、金型に射出し
た溶融樹脂の内部にガスを注入することにより、中空の
芯材を成形し、成形時に形成される芯材のガス注入口を
塞いだ後、芯材を被覆成形用の金型に設置し、この状態
で被覆用樹脂を金型内に射出し、ガス注入口からの被覆
用樹脂の浸入を防止するようにした製造方法(特開平8-
57887 号公報および特開平8-142100号公報)。 C)二色射出成形機等を利用し、金型のキャビティに対し
て、発泡剤を含んだ溶融樹脂を内側に射出すると同時
に、発泡剤を含まない溶融樹脂を外側に射出し、外観を
通常の射出成形品と同様にするとともに、剛性および軽
量化が達成された成形品を得るようにした製造方法(特
開平4-339616号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の製造方法A)で
は、成形品のリブが形成された部分は肉厚が厚いので、
ガスを注入しても、ヒケが発生し、成形品の外観が損な
われるおそれがある。また、リブで全体的な剛性は確保
されているが、成形品は中空であり、周囲から大きな圧
力が加わると、リブのない部分が潰れることがあるの
で、製造方法A)で得た成形品を被覆成形品の芯材として
利用しようとすると、被覆用樹脂を射出する際に、金型
内に設置した芯材が潰れ、被覆成形品の外観品質が損な
われることがあるという問題がある。製造方法B)では、
芯材のガス注入口が塞がれているので、ガス注入口から
の被覆用樹脂の浸入は防止されるが、芯材そのものが中
空なので、周囲から大きな圧力が加わると、リブのない
部分が潰れやすく、被覆用樹脂を射出する際に、金型内
に設置した芯材が潰れ、被覆成形品の外観品質が損なわ
れやすいという問題がある。製造方法C)では、構造が複
雑で高価な二色射出成形機を利用する必要があるので、
通常の射出成形機を利用する場合よりも、設備投資がか
さむ。また、厚肉部分および薄肉部分の両方を有する成
形品を成形するにあたり、溶融樹脂の流動方向に沿って
薄肉部分が長く延び、この薄肉部分には発泡部分を形成
したくない場合でも、発泡剤を含んだ溶融樹脂と、発泡
剤を含まない溶融樹脂との射出タイミングが同時なの
で、薄肉部分にも発泡部が形成され、所望の構造の成形
品が得られないことがあるという問題がある。
【0005】この製造方法C)における問題は、発泡剤を
含んだ溶融樹脂を金型内に射出した後、溶融樹脂の内部
に高圧ガスを注入して中空部を形成するとともに、高圧
ガスの圧力で発泡剤の発泡を抑制し、この状態で、溶融
樹脂の表面部分がある程度固化したら、溶融樹脂内のガ
スを抜いて発泡剤を発泡させ、薄肉部分の発泡を抑制す
る製造方法(特開平10-15983号公報)により解決するこ
とができる。しかしながら、この製造方法では、溶融樹
脂を金型のキャビティに射出充満させた場合には、高圧
ガスを圧入しても、形成できる中空部には限界があり、
軽量化およびヒケの防止効果が充分でない場合がある。
他方、射出する樹脂量を少なくしてショートショットに
すると、軽量化およびヒケの防止は達成されるが、発泡
の抑制が困難となり、成形品の表面近くも発泡層となり
やすく、また、射出樹脂圧が金型の成形面まで作用せ
ず、細いリブやシボ面等の転写が不十分となり、良好な
外観の軽量成形品が得られない場合があるという問題が
ある。
【0006】本発明の目的は、外観が損なわれることが
なく、軽量化および高強度・高剛性が確保されるように
なる軽量成形品、被覆軽量成形品およびその製造方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、発
泡剤を含んだ溶融樹脂を金型のキャビティに射出充満さ
せた後、前記溶融樹脂の一部を加圧ガスの注入で前記キ
ャビティから排出し、前記溶融樹脂の内部に中空部を形
成した後、前記中空部内の加圧ガスの圧力を下げ、発泡
させることを特徴とする。このような本発明では、溶融
樹脂を金型のキャビティに充満させるので、溶融樹脂の
射出圧により、発泡剤の発泡が抑制されるうえ、当該溶
融樹脂の表面部分に金型の成形面が充分転写されるよう
になり、良好な外観が確保される。しかも、金型に充満
した溶融樹脂の一部を排出するにあたり、溶融樹脂が排
出される際の通路等に、溶融樹脂の流動を抑制する流動
抵抗を設けておけば、溶融樹脂の排出速度が抑えられ、
発泡を抑制しながら、中空部の形成時における中空部の
形状を成形品の形状に近づけることができ、軽量化が充
分に図られるようになるうえ、ガス圧により良好な外観
も維持される。また、内部の樹脂は充分発泡するが、表
面部分の樹脂は殆ど発泡しないので、得られる成形品
は、軽量化および高強度・高剛性のすべてが確保される
ようになる。
【0008】以上において、前記金型には、前記キャビ
ティから前記溶融樹脂を排出するための樹脂排出路と、
この樹脂排出路を開閉する開閉弁とが設けられており、
前記溶融樹脂の射出開始時には、前記開閉弁が閉鎖さ
れ、前記溶融樹脂で前記キャビティを充満させた後、前
記開閉弁が開放され、前記加圧ガスの注入が開始される
ことが好ましい。このようにすれば、樹脂排出路の断面
積を適宜設定することで、溶融樹脂の一部を排出するに
あたり必要となる、溶融樹脂の流動抵抗が適切に確保さ
れるようになるうえ、加圧ガスの注入が開始されるま
で、開放弁を閉鎖しておけば、溶融樹脂の射出圧により
得られた金型内の内圧が維持されるようになる。このた
め、発泡剤の不必要な発泡が抑制され、細いリブやシボ
面等の転写性が充分得られるようになり、良好な外観が
確実に確保されるようになる。
【0009】また、前記金型には、前記キャビティから
排出された前記溶融樹脂を受けるスピルオーバー・キャ
ビティが前記キャビティとは別に設けられ、前記樹脂排
出路は、前記キャビティにおける前記溶融樹脂の流動末
端位置に開口され、前記スピルオーバー・キャビティ
は、前記樹脂排出路を介して前記キャビティに連通され
ることが望ましい。このようにすれば、流動末端位置か
ら溶融樹脂が排出されるようになるので、溶融樹脂をキ
ャビティへ導くゲートから溶融樹脂の流動末端まで延び
る、所定容積の中空部が確実に形成されるようになり、
発泡させるべき溶融樹脂の発泡倍率が確保されるように
なり、所期の軽量化が確実に図れるようになる。また、
キャビティから排出された溶融樹脂は、スピルオーバー
・キャビティに収納されるので、成形品とならなかった
樹脂の回収が容易に行え、再利用が可能となって成形材
料の無駄がなくなる。
【0010】さらに、本発明においては、前記溶融樹脂
の内部に形成した中空部内に注入された加圧ガスの圧力
を所定時間保持した後、前記中空部内の加圧ガスの圧力
を下げることが好ましい。このようにすれば、加圧ガス
の圧力でも溶融樹脂の表面部分の成形を行うことが可能
となり、射出圧およびガス圧の一方のみで溶融樹脂の表
面部分の成形が完了するのを待つ必要がなくなる。この
ため、キャビティに溶融樹脂が充満した状態、あるい
は、中空部のガス圧が高圧となった状態が著しく長く継
続することがなくなり、これらの状態が長く継続したた
めに、溶融樹脂内部の温度が過度に低下し、発泡が不完
全となることが防止される。従って、溶融樹脂が充満し
た時点から加圧ガスの圧力を低下させるまでの期間を充
分とって、表面部分の成形を完了させて、良好な外観を
確保しても、内部の溶融樹脂が充分発泡するようにな
り、軽量化が確実に行われるようになる。また、加圧ガ
スの保持時間を加減することにより、スキン層の厚み、
および、内部発泡部の密度を、成形品の用途および樹脂
の種類に応じて適宜調整することが可能となるうえ、加
圧ガスの保持時間を適宜制御することにより、スキン層
の厚みの均一化が図れ、かつ、ヒケの発生が防止される
ようになる。
【0011】本発明の第2発明は、前述の製造方法によ
り製造された軽量成形品であって、表面部分の実質非発
泡層と、その内部に形成された発泡部とを備えているこ
とを特徴とする。このような本発明では、表面部分の実
質非発泡層により良好な外観が確保可能となり、かつ、
内部の発泡部で軽量化が達成されるとともに、非発泡層
および発泡部の二重構造により、高い強度および剛性が
確保されるようになる。このような軽量成形品は、大量
生産が容易なので、当該軽量成形品を自動車に適用すれ
ば、自動車のコストダウンが図れるとともに、自動車の
軽量化が図れ、燃費の向上にも貢献できる。
【0012】本発明の第3発明は、被覆軽量成形品の製
造方法であって、前述の軽量成形品を芯材として金型の
キャビティに設置した後、前記キャビティへ被覆用溶融
樹脂を射出し、前記芯材を被覆することを特徴とする。
このような本発明では、軽量成形品が高い剛性を備えて
いるので、被覆成形用の金型の内部に芯材として設置さ
れて、被覆用樹脂が射出されても、当該軽量成形品の表
面が凹むことがなく、外観品質を確保することが可能と
なり、軽量成形品が下地となるので、被覆用樹脂の層は
薄くでき、軽量成形品の軽量性および強度・剛性はその
まま維持されるうえ、高価な被覆用樹脂を採用しても、
その使用量が抑えられるので、コストダウンが可能とな
る。
【0013】本発明の第4発明は、前述の製造方法によ
り製造された被覆軽量成形品であって、表面部分の被覆
用樹脂層と、この被覆用樹脂層の内側に設けられた実質
非発泡層と、この実質非発泡層の内部に形成された発泡
部とを備えていることを特徴とする。このような本発明
では、被覆用樹脂として、芯材となる軽量成形品と同じ
ものを採用する必要がないうえ、芯材が下地となるの
で、それ自体で形状を維持できない軟らかい樹脂等、様
々な樹脂が採用できるようになり、用途に応じた特性、
例えば、耐薬品性、耐摩耗性、硬さおよび軟らかさのい
ずれかに優れたもの、あるいは、添加剤による特殊処理
を施されたもの、特定の色に着色されたもの等が適宜選
択でき、各種の用途に最適な成形品が得られるようにな
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。図1には、本実施形態に係る金
型1が示されている。この金型1は、自動車部品である
アシストグリップの芯材となる軽量成形品を成形するも
のである。なお、金型1は、図示しない射出成形機に設
置され、その内部に当該射出成形機が射出する溶融樹脂
が充填されるようになっている。金型1には、溶融樹脂
を賦形するためのキャビティ2と、前述の射出成形機の
ノズルに直接接続されるスプル3と、このスプル3から
キャビティ2まで延びるランナ4と、キャビティ2に充
填された溶融樹脂の内部に加圧ガスを注入するためのガ
ス注入ピン5とが設けられている。このうち、ガス注入
ピン5は、溶融樹脂のキャビティ2への入口であるゲー
ト6の近傍に設けられている。また、金型1には、キャ
ビティ2に充填された溶融樹脂の一部を排出するための
樹脂排出路7と、キャビティ2から排出された溶融樹脂
を受けるスピルオーバー・キャビティ8とが設けられて
いる。
【0015】樹脂排出路7は、キャビティ2における溶
融樹脂の流動末端位置に開口されたものである。樹脂排
出路7の断面積は、溶融樹脂の一部を排出するにあた
り、溶融樹脂の流動抵抗が適切に確保されるように、ラ
ンナ4よりも充分小さく設定されている。樹脂排出路7
の中間部分には、シャットオフ・ピン9が樹脂排出路7
に対して突没可能に設けられている。このシャットオフ
・ピン9は、樹脂排出路7を開閉する開閉弁となってい
る。キャビティ2とスピルオーバー・キャビティ8と
は、金型1の内部に別個に設けられた空洞であり、樹脂
排出路7により相互に連通可能となっている。キャビテ
ィ2は、最終的な成形品である自動車のアシストグリッ
プよりも表面に被覆される樹脂の厚みだけ小さく形成さ
れたものである。キャビティ2の断面形状は、図2に示
されるように、全体的に厚さがあり、かつ、先端部2Aが
基端部2Bよりも細くされ、かつ、中間部分がL字形に折
れ曲がったものである。
【0016】なお、本実施形態では、金型1の他に、図
示していない前述の射出成形機、ガス注入ピンに加圧ガ
スを供給するガス供給装置、および、金型1で成形した
芯材に被覆用樹脂を被覆するための被覆成形用金型が用
いられる。これらの射出成形機、ガス供給装置および被
覆成形用金型について、以下に簡単に説明する。射出成
形機は、熱可塑性樹脂の射出成形を行う標準的な射出成
形機である。ここで、成形用の樹脂としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、ポリカ
ーボネートおよびポリアミド等が採用できるが、ガス注
入射出成形を行うという観点から、成形の材料となる基
材は、ポリプロピレンおよびポリスチレンを採用するの
が好ましい。また、樹脂には、タルクや補強繊維等の添
加剤を混入してもよい。さらに、樹脂に含ませる発泡剤
としては、発泡開始温度が160〜200℃の範囲にあ
るものが好ましく、特に、165〜180℃の範囲にあ
るものが好ましい。発泡剤の含有量は、成形用樹脂の
0.2〜3.0重量%、好ましくは、0.3〜2.0重
量%の範囲に設定するのが望ましい。具体的には、アド
ジカルボンアミド、2−2−アゾイソブチロニトリル、
アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、および、ジアゾアミ
ノベンゼン等のアゾ化合物、ベンゼンスルホヒドラジ
ド、および、ベンゼン−1,3−ジスルホヒドラジド等
のスルホヒドラジド化合物、ならびに、N,N−ジニト
ロソペンタメチレンテトラミン等のニトロ化合物等が、
発泡剤として採用できる。
【0017】ガス供給装置は、窒素等の不活性ガスおよ
び圧縮空気等の加圧ガスを発生する加圧ガス供給源と、
金型1へ注入された加圧ガスの圧力を制御する制御手段
と、加圧ガスを金型1へ導く供給ラインと、金型1に注
入した加圧ガスを排出する脱圧ラインとを備えたもので
ある。具体的には、加圧ガス供給源としては、窒素発生
装置および昇圧機を備えた装置、または、高圧窒素ボン
ベが採用できる。制御手段としては、金型1内に注入さ
れる加圧ガスの圧力を約4〜40MPa の範囲となるよう
に調節する圧力調節弁と、射出成形機が起動した後、ガ
ス注入を自動的に開始するための時限装置(タイマー)
と、ガス注入が完了した後、脱圧を自動的に開始するた
めの時限装置と、供給ラインおよび脱圧ラインの各ライ
ンに設けられ、当該ラインを開閉する電磁弁等の自動開
閉弁とを有するものが採用できる。被覆成形用金型は、
自動車部品であるアシストグリップの表皮となる、軟質
ポリ塩化ビニル樹脂やTPO等の軟質樹脂を、金型1で
成形した芯材の表面に被覆成形するためのものである。
この被覆成形用金型には、当該被覆成形用金型の内部に
設置した芯材を固定するための固定手段が設けられてい
る。内部に芯材を固定した被覆成形用金型を、被覆用樹
脂である軟質樹脂を射出する射出成形機に設置し、被覆
成形用金型の内部に軟質樹脂を射出することで、アシス
トグリップの成形が完了するようになっている。
【0018】次に、本実施形態における軽量成形品およ
び被覆軽量成形品の成形手順について説明する。まず、
金型1を取付けた射出成形機に型締動作させ、シャット
オフ・ピン9が樹脂排出路7を閉鎖した状態で、射出成
形機から発泡剤を含んだ溶融樹脂を射出し、図3(A)
に示されるように、金型1のキャビティ2を溶融樹脂10
で充満させる。この際、射出成形機による溶融樹脂10の
射出速度が遅く、キャビティ2が充満するまでの時間が
長引くと、発泡剤を含んだ溶融樹脂が発泡し、軽量成形
品の表面に凹凸が形成され、軽量成形品の外観が損なわ
れるおそれがある。これを防止するために、射出成形機
による溶融樹脂10の射出速度は、ヤケ等の不具合を発生
させない程度に、なるべく高速にし、軽量成形品の表面
部分の発泡が僅かなうちに、キャビティ2の充満を完了
させる。また、溶融樹脂10をキャビティ2に充満させる
ことにより、キャビティ2内の溶融樹脂10には、射出圧
による内部圧力が残り、この内部圧力が発泡剤の発泡を
抑制するうえ、溶融樹脂10の表面部分を金型1の成形面
に押圧して当該成形面に倣わせ、細いリブやシボ面等を
確実に転写し、優れた外観の成形品とする。
【0019】次に、キャビティ2が溶融樹脂10で充満し
てから所定時間が経過すると、供給ラインの自動開閉弁
が自動的に開き、加圧ガスの注入が開始される。加圧ガ
スの注入開始の直後、あるいは、注入開始後5秒以内
に、シャットオフ・ピン9が後退し、樹脂排出路7が開
いた状態となる。注入された加圧ガスは、溶融樹脂10の
一部を、すなわち、溶融樹脂10のうち、内側にあるため
に冷却が進んでいない低粘度の高流動性部分をキャビテ
ィ2からスピルオーバー・キャビティ8へ排出する。こ
れにより、図3(B)に示されるように、溶融樹脂10の
内部にスピルオーバー・キャビティ8まで到達する中空
部11が形成される。ここで、金型1に充満した溶融樹脂
10の一部を排出するにあたり、溶融樹脂10の流動抵抗を
確保するために、樹脂排出路7の断面積は小さくしてあ
るので、溶融樹脂10の排出速度が抑えられ、中空部11の
形成時に、当該中空部11の形状を成形品の形状に近づけ
ることができるうえ、ガス圧により、発泡剤の発泡が抑
制されるとともに、溶融樹脂10の表面部分が金型1の成
形面に押圧され、成形品の優れた外観が維持される。ま
た、軽量成形品は、加圧ガスの注入タイミングを加減す
ることにより、実質的に発泡しない実質非発泡層である
スキン層11A の厚さを調節することができる。具体的に
は、スキン層11A を厚くしたい場合には、加圧ガスの注
入タイミングを遅らせ、逆に、スキン層11A を薄くした
い場合には、加圧ガスの注入タイミングを早めればよ
い。なお、成形材料としてタルク入りPPを採用してア
シストグリップの芯材を成形する場合には、加圧ガスの
圧力を5〜20MPa の範囲、好ましくは、8〜15MPa
の範囲に設定し、キャビティ2が溶融樹脂10で充満して
から、3〜10秒後に、ガス注入を開始することが望ま
しい。
【0020】続いて、溶融樹脂10の内部に形成した中空
部11内に注入された加圧ガスの圧力を所定時間保持した
後、脱圧ラインの自動開閉弁が自動的に開き、中空部11
内の加圧ガスの圧力を大気圧まで下げる。すると、図3
(C)に示されるように、中空部11の周囲の溶融樹脂10
が発泡し、スキン層11A の内部に発泡部11B が形成され
る。ここで、加圧ガスの保持時間が長いほど、軽量成形
品の表面の賦形はより優れたものとなるが、保持時間が
過度に長いと、溶融樹脂10の発泡が不十分となるので、
保持時間は、短めに設定する必要がある。なお、タルク
入りPPからなる溶融樹脂10に、前述のような条件で、
加圧ガスを注入する場合、保持時間を5〜20秒の範囲
に設定するのが好ましい。溶融樹脂10が充分発泡し、発
泡部11B の形成が完了したら、溶融樹脂10を冷却し、溶
融樹脂10が充分冷却したとみなせる冷却時間が経過した
後、金型1を開いて軽量成形品を取り出す。
【0021】なお、軽量成形品としてアシストグリップ
を成形するためには、上記で述べたもの以外にも様々な
成形条件が設定されているが、ここで説明が必要と思わ
れるものを以下に示す。 樹脂温度;射出成形機のシリンダ内での発泡を抑え
るため、射出成形としては、比較的低い温度に設定す
る。具体的には、190〜210℃の範囲で設定するの
が好ましい。 金型温度;軽量成形品の内部に形成される発泡部11
B は、冷えるのが遅いので、射出成形としては、比較的
低い温度に設定する。具体的には、10〜20℃の範囲
で設定するのが好ましい。 冷却時間;と同様に、発泡部11B の冷却には時間
がかかるので、射出成形としては、比較的長く設定す
る。具体的には、50〜90秒の範囲で設定するのが好
ましい。
【0022】上述のような手順で得られた軽量成形品
は、それ自体が優れた表面特性を備えた外観品質のよい
成形品であり、把手等の用途に使用できる。次に、下地
の樹脂では得られない表面特性を付与するために、この
軽量成形品を芯材として用いて被覆成形を行う。すなわ
ち、軽量成形品を芯材として被覆成形用金型のキャビテ
ィに設置した後、キャビティへ被覆用樹脂である軟質樹
脂を射出し、芯材を被覆し、充分冷却した後、被覆成形
用金型から取り出すと、図4に示されるように、発泡部
11B を包み込むスキン層11A の表面に、軟らかく感触の
良い被覆層12が形成されたアシストグリップ13が完成す
る。ここで、金型1で成形した軽量成形品には、スピル
オーバー・キャビティ8および樹脂排出路7に収納され
た樹脂部分が付着しているが、この樹脂部分は、芯材を
金型1から取り出した後に切断される。この樹脂部分を
切断しても、芯材の内部には、発泡部11B が形成されて
おり、切断面が塞がれているので、被覆成形を行うにあ
たり、射出時に被覆用樹脂が芯材の内部に浸入するおそ
れがなく、通常のガス注入成形のように切断部分が開口
され、この開口を予め塞いでおく作業が不要となってい
る。また、射出する軟質樹脂としては、環境安全性およ
びリサイクル性を考慮すると、非架橋タイプのTPOを
採用するのが好ましい。
【0023】前述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。すなわち、発泡剤を含んだ溶融樹脂10
を金型1のキャビティ2に射出充満させた後、溶融樹脂
10の一部を加圧ガスの注入でキャビティ2から排出し、
溶融樹脂10の内部に中空部11を形成した後、中空部11内
の加圧ガスの圧力を下げ、溶融樹脂10を発泡させたの
で、溶融樹脂10の射出圧により、発泡剤の発泡を抑制さ
れるうえ、溶融樹脂10の表面部分が金型1の成形面に倣
うようになり、細いリブやシボ面等の転写性が向上し、
外観品質に優れた軽量成形品を得ることができる。しか
も、溶融樹脂10の流動抵抗が適切に確保されるように、
樹脂排出路7の断面積を比較的小さく設定したので、溶
融樹脂10の一部を排出するにあたり、溶融樹脂10の排出
速度が抑えられ、中空部11の形成時に当該中空部11の形
状が安定するうえ、発泡が抑制され、この点からも、表
面にヒケ等がない外観品質に優れた軽量成形品を得るこ
とができる。また、溶融樹脂10のキャビティ2への入口
であるゲート6の近傍にガス注入ピン5を設け、キャビ
ティ2における溶融樹脂10の流動末端位置に樹脂排出路
7を開口したので、ゲート6の近傍からスピルオーバー
・キャビティ8まで到達する、所定容積の中空部11が確
実に形成されるようになり、溶融樹脂10の射出圧および
中空部11内のガス圧で表面部分の樹脂が殆ど発泡しない
状態で固化させることが可能となり、優れた転写性が達
成され、この優れた転写性により、得られる軽量成形品
の外観品質を優れたものとできる。そのうえ、所定容積
の中空部11が確実に形成されることから、中空部11内の
ガス圧を脱圧することにより、発泡させるべき溶融樹脂
10の発泡倍率が確保されるようになり、所期の軽量化を
確実に図れることができる。しかも、外側には、殆ど発
泡していないスキン層11A が形成され、このスキン層11
A の内部に発泡層11B が形成された二重構造となるの
で、軽量化および高強度・高剛性のすべてを確保するこ
とができる。
【0024】さらに、樹脂排出路7を開閉する開閉弁と
してのシャットオフ・ピン9を設け、溶融樹脂10の射出
開始時に、シャットオフ・ピン9で樹脂排出路7を閉鎖
し、溶融樹脂10でキャビティ2を充満させた後、樹脂排
出路7を開放し、加圧ガスの注入を開始するようにした
ので、溶融樹脂10の射出圧により得られた金型1内の内
圧が維持され、発泡剤を含む溶融樹脂10の不必要な発泡
が抑制され、この点からも、外観品質に優れた軽量成形
品を得ることができる。
【0025】また、キャビティ2から排出された溶融樹
脂10を受けるスピルオーバー・キャビティ8をキャビテ
ィ2とは別に設け、キャビティ2から排出された溶融樹
脂10がスピルオーバー・キャビティ8に収納されるよう
にしたので、成形品とならなかった樹脂の回収が容易に
行え、当該樹脂の再利用を図ることができ、成形材料の
無駄をなくすことができる。
【0026】さらに、溶融樹脂10の内部に形成した中空
部11内に注入された加圧ガスの圧力を所定時間保持した
後、中空部11内の加圧ガスの圧力を脱圧するようにし、
加圧ガスの圧力でも溶融樹脂10の表面部分の成形を行う
ようにしたので、射出圧およびガス圧の一方だけで溶融
樹脂10の表面部分の成形が完了するのを待つ必要がな
く、キャビティ2に溶融樹脂10が充満した状態、あるい
は、中空部11内のガス圧を高く維持した状態が著しく長
くなることがなくなり、これらの状態が長引いたため
に、溶融樹脂10の内部温度が低下し、発泡が不完全とな
ることを未然に防止できる。従って、溶融樹脂が充満し
た時点から加圧ガスの圧力を低下させるまでの期間で、
表面部分の成形を完了させることができ、成形サイクル
全体から見て、表面部分の成形完了までの時間が短くな
り、良好な外観を確保しても、内部の溶融樹脂10が充分
発泡するようになり、軽量化が確実に行われるようにな
る。
【0027】また、表面部分のスキン層11A により良好
な外観を確保し、かつ、その内部の発泡部11B で軽量化
を達成した二重構造の軽量成形品は、大量生産が容易な
ので、当該軽量成形品を自動車に適用すれば、自動車の
コストダウンが図れるとともに、自動車の軽量化が図
れ、燃費の向上にも貢献できる。
【0028】さらに、前述のような成形手順で得た軽量
成形品を芯材として被覆成型用金型のキャビティに設置
した後、このキャビティへ被覆用溶融樹脂を射出し、芯
材を被覆するようにしたので、軽量成形品が高い強度お
よび剛性を備え、被覆用樹脂が射出されても、当該軽量
成形品の表面が凹むことがなく、被覆軽量成形品の外観
品質を優れたものとできる。そのうえ、高強度・高剛性
の軽量成形品が下地となるので、被覆用樹脂の被覆層は
薄くても、軽量成形品の軽量性および強度・剛性はその
まま維持できるうえ、高価ではあるが優れた特性を有す
る被覆用樹脂を採用しても、その使用量が抑えられるの
で、被覆層の優れた特性を確保するとともにコストダウ
ンを行うことができる。
【0029】また、前述の手順で被覆軽量成形品を成形
すれば、被覆用樹脂として、芯材となる軽量成形品と同
じものを採用する必要がないうえ、芯材が下地となるの
で、それ自体で形状を維持できない軟らかい樹脂等、様
々な樹脂が採用できるようになり、用途に応じた特性、
例えば、耐薬品性、耐摩耗性、硬さおよび軟らかさのい
ずれかに優れたもの、あるいは、添加剤による特殊処理
を施されたもの、特定の色に着色されたもの等が適宜選
択でき、各種の用途に最適な成形品を得ることができ
る。
【0030】また、軽量成形品のスキン層11A の厚さ
は、加圧ガスの注入タイミング、加圧ガス保持時間を加
減することにより、調節可能なので、必要となる強度・
剛性などに応じた厚さのスキン層11A が得られるように
なり、この点からも、各種の用途に最適な成形品を得る
ことができる。さらに、外側のスキン層11A の内部に発
泡層11B が形成された二重構造の軽量成形品を芯材とし
たので、被覆成形を行うにあたり、芯材の表面に開口が
形成されず、射出時に被覆用樹脂が芯材の内部に浸入す
るおそれがなく、通常のガス注入成形のように、ガス注
入により形成される開口を予め塞いでおく作業が不要と
なり、被覆成形の工程を簡略化できる。
【0031】
【実施例】次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づ
いて説明する。 〔実施例〕本実施例は、前述の成形手順により、被覆軽
量成形品である自動車用のアシストグリップを成形する
実験である。本実施例では、前記実施形態の金型1で軽
量成形品を成形し、この軽量成形品を芯材として被覆成
形用金型の内部に設置し、この被覆成形用金型に被覆用
樹脂を射出することで、アシストグリップを得るもので
ある。なお、軽量成形品を成形するにあたり、金型1内
に発泡剤を含む溶融樹脂10を射出し、溶融樹脂10でキャ
ビティ2を充満し、溶融樹脂10の内部に加圧ガスを注入
して中空部11を形成した後、中空部11のガス圧を低下さ
せて溶融樹脂10を発泡させ、これにより、高強度・高剛
性かつ軽量な成形品が得られるようにする。
【0032】本実施例の金型1は、図1で示したもので
あり、キャビティ2のゲート6近傍に設けられたガス注
入ピン5と、溶融樹脂10の流動末端位置に開口された樹
脂排出路7を介してキャビティ2と連通するスピルオー
バー・キャビティ8とを備えている。なお、図1には示
されていないが、金型1は、成形品を形成するキャビテ
ィ2を左右に二つ有する、いわゆる左右二個取りとされ
たものである。本実施例の被覆成形用金型は、金型1で
成形した芯材をキャビティ内に固定する構造を有するも
のであり、金型1と同様に、成形品を形成するキャビテ
ィを左右に二つ有する、いわゆる左右二個取りとなって
いる。本実施例の芯材を成形する材料としては、PP
(出光石油化学株式会社製 商品名:IDEMITSU PP 、MI
=24g/10分;230℃,2.16kg荷重)を採用する。また、
被覆用樹脂としては、軟質ポリ塩化ビニル樹脂(電気化
学工業株式会社製 品名:MK-57353)を採用する。発泡
剤としては、温度が170℃になると発泡を開始する発
泡剤(永和化成工業株式会社製 商品名:ポリスレン、
EV−306G)を採用するとともに、この発泡剤をP
Pに0.7重量%混合する。
【0033】〔比較例〕本比較例は、発泡剤を含まない
溶融樹脂を金型に射出し、金型内の溶融樹脂にガスを注
入することで、前記実施例と同様の外観を有する軽量成
形品を得る。そして、この軽量成形品を芯材として被覆
成形を行って、前記実施例と同様のアシストグリップを
得ようとする実験である。なお、本比較例では、前記実
施例と同一の金型1および被覆成形用金型ならびに前記
実施例と同様の成形手順を採用する。ただし、芯材とな
る軽量成形品を成形するにあたり、その重量が前記実施
例と同一となるように中空部の容積を加減する。
【0034】〔共通射出条件〕実施例および比較例で
は、成形機として、射出成形機(三菱重工株式会社製:
650MGW、型締力650t)を採用する。また、軽
量成形品の成形条件としては、以下のような数値を採用
する。 軽量成形品の成形条件 溶融樹脂温度 ; 190℃ 金型温度 ; 20℃ 射出時間 ; 3.0秒間 冷却時間 ; 75秒間 金型へのガス注入圧力 ; 12MPa ガス注入タイミング ;射出開始から 9秒後 ガス注入時間 ; 1.5秒間 ガス圧保持時間 ; 10秒間 被覆軽量成形品の成形条件としては、以下のような数値
を採用する。 被覆軽量成形品の成形条件 溶融樹脂温度 ; 180℃ 金型温度 ; 40℃ 射出時間 ; 6.0秒間 冷却時間 ; 50秒間
【0035】〔実験結果〕前記実施例では、ヒケによる
表面の凹み等の不具合が一切発生せず、外観品質に優
れ、かつ、重量が軽く高強度・高剛性のアシストグリッ
プが得られた。これに対し、前記比較例では、芯材が中
空であり、内部に発泡部がなく、剛性が確保できないこ
とから、被覆成形時に、被覆成形用金型に射出される被
覆用樹脂中空の圧力に抗しきれず、芯材内部に被覆用樹
脂が浸入しやすい。このため、図5に示されるように、
被覆用樹脂21が芯材20の中空部21に浸入するとともに芯
材20の一部分を潰し、これにより、表面に凹みが発生し
た不良品が発生し、不良率が著しく高かった。また、前
記比較例では、ガス注入射出成形により得られた芯材
は、スピルオーバー・キャビティに排出された部分を切
断すると、中空部に連通する開口が表面に露出するの
で、この開口を被覆成形前に塞ぐ作業が必要となり、ア
シストグリップの生産工程が増え、生産性を損なうこと
が判った。
【0036】以上、本発明について好適な実施形態を挙
げて説明したが、本発明は、この実施形態に限られるも
のでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の改良並びに設計の変更が可能である。例えば、成形品
としてのアシストグリップの形状は、前記実施形態で示
したものに限らず、特開平7-256679号公報に示されるよ
うに、U字形状に折れ曲がった鞄の把手に類似した形状
のものでもよい。また、軽量成形品の成形材料として
は、PPに限らず、ポリエチレン、ポリスチレン、AB
S、ポリカーボネートおよびポリアミド等の合成樹脂で
もよく、具体的な成形材料は実施に当たり適宜選択でき
る。
【0037】さらに、被覆用樹脂としては、軟質ポリ塩
化ビニル樹脂やTPOに限らず、用途に応じた特性、例
えば、耐薬品性、耐摩耗性、硬さおよび軟らかさのいず
れかに優れたもの、あるいは、添加剤による特殊処理を
施されたもの、特定の色に着色されたもの等が適宜採用
することができる。また、軽量成形品としては、被覆軽
量成形品の芯材に限らず、食器、家具、建築用資材およ
び家電製品のハウジング等、被覆成形を行わないで、そ
れ自体で製品や部品となる成形品でもよい。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、軽量化
および高強度・高剛性を確保しても、優れた外観品質を
も確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る金型を示す断面図で
ある。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】前記実施形態に係る成形手順を説明するための
図である。
【図4】前記実施形態に係る被覆軽量成形品を示す断面
図である。
【図5】本発明の比較例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 金型 2 キャビティ 7 樹脂排出路 8 スピルオーバー・キャビティ 9 開閉弁としてのシャットオフ・ピン 10 溶融樹脂 11 中空部 11A 実質非発泡層としてのスキン層 11B 発泡部 12 被覆用樹脂層としての被覆層 13 被覆軽量成形品であるアシストグリップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 恭夫 群馬県伊勢崎市今井町97 (72)発明者 入沢 三男 群馬県佐波郡赤堀町西久保478−3 Fターム(参考) 4F206 AA04 AA11 AA13 AA15 AA28 AA29 AA45 AB02 AB11 AB25 AD05 AD18 AG03 AG06 AG07 AG20 AG21 AH19 AM34 JA04 JB11 JB23 JB30 JF05 JL02 JM05 JM13 JN25 JN26 JN27 JP30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡剤を含んだ溶融樹脂を金型のキャビテ
    ィに射出充満させた後、前記溶融樹脂の一部を加圧ガス
    の注入で前記キャビティから排出し、前記溶融樹脂の内
    部に中空部を形成した後、前記中空部内の加圧ガスの圧
    力を下げ、発泡させることを特徴とする軽量成形品の製
    造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の軽量成形品の製造方法に
    おいて、前記金型には、前記キャビティから前記溶融樹
    脂を排出するための樹脂排出路と、この樹脂排出路を開
    閉する開閉弁とが設けられており、前記溶融樹脂の射出
    開始時には、前記開閉弁が閉鎖され、前記溶融樹脂で前
    記キャビティを充満させた後、前記開閉弁が開放され、
    前記加圧ガスの注入が開始されることを特徴とする軽量
    成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の軽量成形品の製造方法に
    おいて、前記金型には、前記キャビティから排出された
    前記溶融樹脂を受けるスピルオーバー・キャビティが前
    記キャビティとは別に設けられ、前記樹脂排出路は、前
    記キャビティにおける前記溶融樹脂の流動末端位置に開
    口され、前記スピルオーバー・キャビティは、前記樹脂
    排出路を介して前記キャビティに連通されることを特徴
    とする軽量成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の軽量成形品の製造方法において、前記溶融樹脂の内部
    に形成した中空部内に注入された加圧ガスの圧力を所定
    時間保持した後、前記中空部内の加圧ガスの圧力を下げ
    ることを特徴とする軽量成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の軽量成形品の製造方法により製造された、表面部分の
    実質非発泡層と、その内部に形成された発泡部とを備え
    ていることを特徴とする軽量成形品。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の軽量成形品を芯材として
    金型のキャビティに設置した後、前記キャビティへ被覆
    用溶融樹脂を射出し、前記芯材を被覆することを特徴と
    する被覆軽量成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の被覆軽量成形品の製造方
    法により製造された、表面部分の被覆用樹脂層と、この
    被覆用樹脂層の内側に設けられた実質非発泡層と、この
    実質非発泡層の内部に形成された発泡部とを備えている
    ことを特徴とする被覆軽量成形品。
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