JP2013159649A - 溶剤組成物および銀鏡被膜積層体 - Google Patents

溶剤組成物および銀鏡被膜積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】銀鏡被膜上にトップコート層を設けた場合に生じる膨れ欠陥を改善することが可能な溶剤組成物、および銀鏡被膜の接着性低下を改善することが可能な銀鏡被膜積層体を提供する。
【解決手段】銀鏡被膜上にトップコート層を形成する塗料に含有せしめる溶剤組成物であって、沸点が133〜180℃のケトン系溶剤を7.5〜50質量%含有する溶剤組成物。および該溶剤組成物を含有せしめた塗料を塗布して形成したトップコート層を有する銀鏡被膜積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、銀鏡被膜上にトップコート層を形成する塗料に含有せしめる溶剤組成物、および銀鏡被膜積層体に関する。詳しくは膨れ故障のない銀鏡被膜積層体が得られる溶剤組成物、および銀鏡被膜の接着性に優れた銀鏡被膜積層体に関する。
銀鏡反応により得られる銀薄膜(以下、銀鏡被膜と記載)を有する積層体は、優れた金属光沢を持つため、金属、あるいはプラスチック表面に加工され、意匠性材料・反射材料等として利用されている。また銀鏡被膜が有する導電性を利用して、例えば電磁波シールド材として利用される。銀鏡被膜はその表面が傷つきやすいこと、空気中で変質しやすいことなどから、被膜表面にハードコート材をトップコート層として設ける場合が多い。
銀鏡被膜を保護するトップコート層として熱硬化型樹脂を利用することが従来から知られており、例えば特開2000−129448号公報には液状エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂及びシリコン樹脂等を使用することが開示され、特開2003−155580号公報にはシリコンアクリル系樹脂を使用することが開示され、特開2002−256445号公報には2液硬化型ポリウレタン樹脂またはアクリル変性シリコン樹脂を用いることが開示されている。また銀鏡被膜を保護するトップコート層として紫外線硬化型樹脂を用いることも知られており、例えば特開2008−110101号公報、特開2008−176050号公報には、銀薄膜層を保護するトップコート層として紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂を用いても良い旨記載される。
しかしながら銀鏡被膜上に、上記した各種硬化型トップコート層を設けた場合、銀鏡被膜に微細な穴が生じ、またこの部分全体が膨れ上がったように見える欠陥(以下、膨れ欠陥と記載)が生じ、意匠性や反射性等を著しく低下させるという問題があった。また銀鏡被膜上に、上記した各種硬化型トップコート層を設けた銀鏡被膜積層体を長期間保存した場合、銀鏡被膜の接着性が低下するという問題があった。
特開2004−190061号公報、特開2008−192431号公報、特開2007−169685号公報等の実施例には、市販のトップコート剤と硬化剤、及びシンナーを混合してトップコート層を形成する塗料を作製し、この塗料を銀鏡被膜上にスプレー塗布しトップコート層を設けることが記載されるが、シンナーの組成に関しては記載されていない。
特開2007−23087号公報(特許文献1)には、銀鏡被膜上にトップコート層を設ける際、市販の硬化樹脂とレベリング剤、及び希釈溶剤(トルエン/酢酸ブチル/メトキシプロピルアセテート=10/20/70)を混合してトップコート層を設けることが記載される。また特開2005−1193号公報(特許文献2)には、銀鏡被膜上に用いるトップコート層形成用塗料が含有する有機溶剤として、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、酢酸セロソルブ等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;これらの混合液等が記載されている。
一方、熱硬化型水性塗料においては、塗料が含有する溶媒の主成分が水であり、この水の沸点が低いわりに蒸発潜熱が大きいことに起因する加熱硬化中の発泡によって膨れ欠陥が発生しやすいことが知られている。そしてこの膨れ欠陥防止剤として例えば特公平02−390号公報(特許文献3)や特開平04−93374号公報(特許文献4)には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾイン−iso−プロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾイン−iso−ブチルエーテルのようなベンゾインの炭素数1〜4のアルキルエーテル化物が知られている。
しかし上記した膨れ欠陥、及び長期間保存した場合の銀鏡被膜の接着性低下の改善は極めて困難であり、解決が求められていた。
特開2007−23087号公報 特開2005−1193号公報 特公平02−390号公報 特開平04−93374号公報
本発明の課題は、銀鏡被膜上にトップコート層を設けた場合に生じる膨れ欠陥を改善することが可能な溶剤組成物を提供することにある。また銀鏡被膜上にトップコート層を設けた銀鏡被膜積層体を長期間保存した場合に発生する銀鏡被膜の接着性低下を改善することが可能な銀鏡被膜積層体を提供することにある。
上記の課題を解決するために種々検討を加えた結果、以下の発明によって上記課題を解決できることを見出した。
(1)銀鏡被膜上にトップコート層を形成する塗料に含有せしめる溶剤組成物であって、沸点が133〜180℃のケトン系溶剤を7.5〜50質量%含有する溶剤組成物。
(2)基材上に設けられた銀鏡被膜上に、沸点が133〜180℃のケトン系溶剤を7.5〜50質量%含有する溶剤組成物を含有せしめた塗料を塗布して形成したトップコート層を有する銀鏡被膜積層体。
本発明により、銀鏡被膜上にトップコート層を設けた場合に生じる膨れ欠陥を改善することが可能な溶剤組成物を提供することができる。また銀鏡被膜上にトップコート層を設けた銀鏡被膜積層体を長期間保存した場合に発生する銀鏡被膜の接着性低下を改善することが可能な銀鏡被膜積層体を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の、銀鏡被膜上にトップコート層を形成する塗料に含有せしめる溶剤組成物は、沸点が133〜180℃のケトン系溶剤を溶剤組成物100質量%に対して7.5〜50質量%含有する。ケトン系溶剤のより好ましい沸点は150〜170℃であり、ケトン系溶剤のより好ましい含有量は10〜40質量%である。これにより膨れ欠陥の改善効果がより顕著となる。
本発明の溶剤組成物が含有する、沸点が133〜180℃のケトン系溶剤としては、メチル−n−アミルケトン(沸点150.2℃)、メチル−n−ヘキシルケトン(沸点172.9〜173.5℃)、エチル−n−ブチルケトン(沸点147.8℃)、ジイソブチルケトン(沸点168.1℃)、ジアセトンアルコール(沸点167.9℃)、シクロヘキサノン(沸点155.7℃)、メチルシクロヘキサノン(沸点169.0〜170.5℃)等が挙げられ、これらは単独で含有せしめても良いし、組み合わせて用いることもできる。ただしシクロヘキサノンやメチルシクロヘキサノン等の環状ケトン類を多量に用いると、膨れ欠陥の改善効果が低下する場合があるので、溶剤組成物中の環状ケトン類は10質量%以下とすることが望ましい。またジアセトンアルコールは多量に用いるとトップコート層が変色する場合があるので、20質量%以下で用いることが好ましい。
本発明の溶剤組成物が含有する他の有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサン、ソルベッソ100(商品名、エクソン化学社製)、ノルマルヘプタン等の炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、ジエチルカルビトール等のエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ターシャルブタノール、n−ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、イソブチルイソブチレート等のエステル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のエーテル類等が挙げられるが、本発明は限定されるものではない。
上記した他の有機溶剤は、トップコート層を形成する塗料が含有する樹脂成分や硬化剤等の各種成分の溶解性によって適宜選択されるが、形成したトップコート層の面質の観点から、他の有機溶剤として2種以上併用して用いることが望ましく、更に沸点が125℃以上の溶剤と沸点が125℃未満の溶剤を併用して用いることが好ましい。またその際には、他の溶剤中に占める沸点が125℃未満の溶剤の割合が、50質量%以上であることが好ましい。
次に本発明の銀鏡被膜積層体について説明する。
本発明の銀鏡被膜積層体が有する基材としては、各種のプラスチック類、金属類、ガラス類、ゴム類等が用いられる。プラスチック類としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、及びこれらを複合化した樹脂、またナイロン繊維、パルプ繊維等の有機繊維で強化した繊維強化プラスチック(FRP)等が挙げられるが特に限定されるものではない。金属としては、鉄、アルミ、ステンレススチール、銅、真鍮等が挙げられるが特に限定されるものではない。ガラスも無機ガラスまたはプラスチックガラス等、特に限定されるものではない。
本発明の銀鏡被膜積層体は、上記基材上にアンダーコート層を有することが好ましいが、基材とアンダーコート層との密着性を向上させるため、基材には前処理を施してもよい。前処理法としては、洗剤、溶剤洗浄や超音波洗浄での洗浄処理等の湿式法による前処理、コロナ処理、紫外線照射、電子線照射処理等の乾式法による前処理が挙げられる。
アンダーコート層は、基材との密着性が良く、且つアンダーコート層上に設ける銀鏡被膜との密着性に優れることが要求される。また平滑な表面を形成することも要求される。アンダーコート材としては例えば、アルキッドポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等、末端水酸基を持つポリマーまたはオリゴマーと硬化剤としてイソシアナート化合物を混合したポリオール系塗料、エポキシ樹脂に硬化剤としてアミン化合物を混合したエポキシ系塗料等が、基材また塗装体として要求される特性に基づき選択される。アンダーコート層の膜厚は5〜30μmが好ましいが特に限定されるものではない。
基材の種類により、例えばポリプロピレン、鉄、アルミには防錆や接着性のためにプライマー層を基材とアンダーコート層の間に設ける場合がある。また基材の変形および収縮により100℃以上の高温乾燥できない場合はアンダーコート層に硬化促進剤を添加したり、表面の面質を改善するためにレベリング剤を使用してもよい。硬化促進剤としては株式会社ナガシマのウレタン硬化促進剤、三精塗料工業株式会社の乾燥促進剤A、日東物産株式会社、サンアプロ株式会社、日本化学産業株式会社、三菱化学株式会社等よりウレタンの硬化促進剤として1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7や1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン−5のフェノール塩、オレイン酸塩、オクチル酸塩、エポキシ樹脂の硬化促進剤として各種アミン類を入手できる。レベリング剤としては東振化学株式会社、DIC株式会社、BYK株式会社よりシリコン系レベリング剤、フッ素系レベリング剤が入手できるが必要以上のレベリング剤を使用するとアンダーコート層と銀鏡めっき層との接着が低下する原因となるので注意が必要である。硬化促進剤の使用量はアンダーコート塗料全体の0.1〜2質量%、好ましくは0.3〜1質量%であり、レベリング剤の使用量はアンダーコート塗料全体の0.001〜1質量%で好ましくは0.005〜0.05質量%である。
上記アンダーコート層を設けるために用いる有機溶剤としては、例えば上記したトップコート層を形成する塗料に含有せしめる沸点が133〜180℃のケトン系溶剤や、これと併用することができる他の有機溶剤等が挙げられるがこれに限定されるものではない。これらの有機溶剤はアンダーコート層が含有する成分の溶解性や、アンダーコート層の面質等の観点から選択され、単独でも用いることも可能であるが、2種以上混合して使用することが好ましい。
アンダーコート層上に銀鏡被膜を形成するために基材の表面を、好ましくは基材表面に設けられたアンダーコート層を塩化第一スズを含有する銀鏡用第一活性処理液で処理する。これにより第一スズイオンを基材の表面に、好ましくはアンダーコート層の表面に担持させる。その方法としては、基材を銀鏡用第一活性処理液中に浸漬する方法、アンダーコート層表面に銀鏡用第一活性処理液を塗布する方法等がある。基材の形状等によって任意に選択することができるが、塗布方法としては、特に基材の形状を選ばないスプレー塗布が好適である。更にアンダーコート層表面に余分に付着した活性化処理液を脱イオン水または精製蒸留水で洗浄してもよい。
塩化第一スズを含有する銀鏡用第一活性処理液としては、例えば特開2007−197743号公報、特開2006−274400号公報に記載の活性化処理液等が挙げられる。
銀鏡用第一活性処理液で処理する工程に続き銀イオン処理を行う工程を設けても良い。銀イオンによる処理は例えば硝酸銀を含有する処理液での処理が簡便で好ましい。この工程で用いる硝酸銀水溶液の硝酸銀濃度としては0.1mol/kg以下の溶液としたうえで、塩化第一スズで処理されたアンダーコート層に接触させることが好ましい。
更に、前記塩化第一スズ及び硝酸銀を含有する処理液で処理されたアンダーコート層を重金属の硫化物を0.001〜0.3ミリモル/kg含有する銀鏡用第二活性処理液で処理してもよい。
銀鏡用第二活性処理液が含有する重金属の硫化物としては、銀、アンチモン、ビスマス、カドミウム、コバルト、鉛、ニッケル、パラジウム、ロジウム、金、白金等の硫化物、多硫化物、またはそれらの混合物、混晶等が挙げられる。中でも硫化パラジウム、及び硫化パラジウムと銀との混晶が優れた接着性が得られるため好ましく、特に硫化パラジウムと銀との混晶が好ましい。これら活性化処理には常に新液が供給されるスプレー塗布が好適である。
上記の活性処理液で処理された基材上に、好ましくはアンダーコート層上に、銀鏡被膜を形成する。銀鏡被膜は、硝酸銀及びアンモニアを含むアンモニア性硝酸銀溶液と、還元剤及び強アルカリ成分を含む還元剤溶液の2液を、上記処理を施した表面上で混合されるように塗布し酸化還元反応が生じることにより金属銀が析出して銀鏡被膜となる。
前記還元剤溶液としては、グルコース、グリオキサール等のアルデヒド化合物、硫酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジンまたはヒドラジン水和物等のヒドラジン化合物等の有機化合物、亜硫酸ナトリウムまたはチオ硫酸ナトリウム等の水溶液が好適に使用される。
前記銀水溶液には、良好な銀を生成させるためにいくつかの添加剤を加えることもできる。例えば、モノエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアミノアルコール化合物、グリシン、アラニン、グリシンナトリウム等のアミノ酸またはその塩等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
前記アンモニア性硝酸銀溶液と還元剤溶液の2液をアンダーコート層表面上で混合されるように塗布する方法としては、2種の水溶液を予め混合し、この混合液をスプレーガン等を用いてアンダーコート層表面に吹き付ける方法、スプレーガンのヘッド内で2種の水溶液を混合して直ちに吐出する構造を有する同芯スプレーガンを用いて吹き付ける方法、2種の水溶液を2つのスプレーノズルを持つ双頭スプレーガンから各々吐出させ吹き付ける方法、2種の水溶液を2つの別々のスプレーガンを用いて、同時に吹き付ける方法等がある。これらは状況に応じて任意に選ぶことができる。
続いて、脱イオン水または精製蒸留水を用いて銀鏡被膜の表面を水洗し、その表面上に残留する銀鏡反応後の溶液等を取り除くことが好ましい。また銀鏡被膜上にトップコート層を設ける前に、析出した金属銀を安定化させる目的で、銀と反応もしくは親和性を有する有機化合物を含む溶液に浸漬または該溶液を塗布する等の処理を行うことができる。
該有機化合物としてはメルカプト基もしくはチオン基を有する含窒素複素環化合物が有効に用いられる。該含窒素複素環化合物の複素環といえば、イミダゾール、イミダゾリン、チアゾール、チアゾリン、オキサゾール、オキサゾリン、ピラゾリン、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン等があり、中でもイミダゾール、トリアゾール、テトラゾールが好ましい。具体例としては2−メルカプト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−ベンズイミダゾール、1−エチル−2−メルカプト−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル−ベンズイミダゾール、1,3−ジエチル−ベンゾイミダゾリン−2−チオン、1,3−ジベンジル−イミダゾリジン−2−チオン、2,2′−ジメルカプト−1,1′−デカメチレン−ジイミダゾリン、2−メルカプト−4−フェニルチアゾール、2−メルカプト−ベンゾチアゾール、2−メルカプト−ナフトチアゾール、3−エチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、2−メルカプト−ベンゾオキサゾール、3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタデシル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メルカプト−1−フェニル−テトラゾール、2−メルカプト−5−ニトロピリジン、1−メチル−キノリン−2(1H)−チオン、3−メルカプト−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メルカプト−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−トリアジン、1,5−ジメルカプト−3,7−ジフェニル−s−トリアゾリノ[1,2−a]−s−トリアゾリン等が挙げられる。
このようにして形成された金属銀は傷つきやすいため、更に銀鏡被膜の表面にトップコート層を設ける。トップコート層を構成する樹脂組成物としては熱硬化型樹脂が一般的であるが、紫外線硬化樹脂を用いることもできる。紫外線硬化樹脂を用いた場合は製造工程時間が短いため特に好適である。紫外線硬化型樹脂には、光重合開始剤が必要に応じて使用される。これらトップコート層には、必要に応じて色材や添加剤を併用しても良い。
トップコート層を構成する熱硬化型樹脂としては、例えば特開2000−129448号公報に記載される液状エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂及びシリコン樹脂、特開2003−155580号公報に記載されるシリコンアクリル系樹脂、特開2002−256445号公報に記載される2液硬化型ポリウレタン樹脂またはアクリル変性シリコン樹脂等が挙げられる。
紫外線硬化型樹脂としては、電子硬化型樹脂を含み、紫外線で硬化する樹脂で、主としてエチレン性不飽和基を有するモノマー及びオリゴマー化合物が好ましく用いられる。具体的には、アミド系モノマー、(メタ)アクリレートモノマー、ウレタンアクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレート、アクリルシリコン系オリゴマー等が挙げられる。アミド系モノマーとしては、N―ビニルピロリドン、N―ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン等のアミド化合物がある。(メタ)アクリレートモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のフェノールのアルキレンオキシド付加物のアクリレート類及びそのハロゲン核置換体;エチレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート等の、グリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオール及びそのアルキレンオキサイドの(メタ)アクリル酸エステル化物、イソシアヌール酸EO変成ジまたはトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリオールと有機ポリイソシアネート反応物に対して、更にヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させた反応物等が挙げられる。ここで、ポリオールとしては、低分子量ポリオール、ポリエチレングリコール及びポリエステルポリオール等があり、低分子量ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられ、ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等が挙げられ、ポリエステルポリオールとしては、これら低分子量ポリオールまたは/及びポリエーテルポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸またはその無水物等の酸成分との反応物が挙げられる。有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合物が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール及びトリメチロールプロパン等の低分子量ポリオール、並びにこれらのアルキレンオキシド付加物等のポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸またはその無水物等の酸成分とからの反応物等が挙げられる。エポキシアクリレートは、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸を付加反応させたもので、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート、フェノールあるいはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテルのジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加反応体等が挙げられる。
アクリルシリコン系オリゴマーは主剤をなすアクリルオリゴマーと硬化剤をなすシランカップリング剤とから構成される。
光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン等のアントラキノン;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2,4−ジイソピルチオキサントン等のチオキサントン;アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等のケタール;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のモノアシルホスフィンオキシドあるいはビスアシルホスフィンオキシド;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;並びにキサントン類等が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で使用することも、安息香酸系、アミン系等の光重合開始促進剤と組み合わせて使用することもできる。
上記光重合開始剤の含有量は紫外線硬化型樹脂100質量%に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.5〜7質量%が特に好ましい。
上記トップコート組成物を硬化させるためには、電子線、紫外線等を照射すれば良く、価格的な面からも紫外線照射により硬化せしめることが好ましい。紫外線照射に用いる光源は、波長420nm以下に発光分布を有するものが好ましく、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。紫外線照射量は必要に応じて適宜選択される。
熱硬化型樹脂トップコート層の厚さは10〜25μmの範囲が好ましく、紫外線硬化型樹脂トップコートは3〜20μmの範囲が好ましい。該層が薄すぎると銀鏡被膜を保護する役割としての機能が得られず、均一の塗装膜が形成されない。逆に厚すぎると、周辺部分が局所的に更に厚塗りとなる。更に光の透過距離が長くなり光のロスが増加するため銀鏡めっき層の反射率を低下させ好ましくない。
トップコート層には、顔料、染料等の着色剤を更に含むことにより、調色可能である。色材の吸収波長が光重合開始剤の吸収波長を含まないことが光重合開始剤の活性を妨げないことからより好ましい。顔料としては、例えばカーボンブラック、キナクリドン、ナフトールレッド、シアニンブルー、シアニングリーン、ハンザイエロー等の有機顔料;酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、弁柄、複合金属酸化物等の無機顔料が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの顔料から選ばれる1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。顔料の分散は、特に限定はされず、通常の方法、例えば、ダイノーミル、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、ニーダー、ロール、ディゾルバー、ホモジナイザー、超音波振動、攪拌子等により顔料粉を直接分散させる方法等が用いられる。その際、分散剤、分散助剤、増粘剤、カップリング剤等の使用が可能である。顔料の添加量は、顔料の種類により隠蔽性が異なるので特に限定はされないが、例えば、トップコート層の全固形分量に対して、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜2質量%である。顔料の添加量が0.01質量%未満の場合は着色性がほとんどなく、5質量%を超えると銀鏡めっき層の輝きが低下することがある。
染料としては、例えばアゾ系、アントラキノン系、インジコイド系、硫化物系、トリフェニルメタン系、キサンテン系、アリザリン系、アクリジン系、キノンイミン系、チアゾール系、メチン系、ニトロ系、ニトロソ系等の染料が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの染料から選ばれる1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。染料の添加量は、染料の種類により隠蔽性が異なるので特に限定はされないが、例えばトップコート層の全固形分量に対して、好ましくは0.005〜4質量%、より好ましくは0.01〜2質量%である。染料の添加量が0.005質量%未満の場合は着色性がほとんどなく、4質量%を超えると銀鏡めっき層の輝きが低下することがある。
トップコート層には、更に添加剤としてレベリング剤、金属粉、ガラス粉、抗菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等が含まれていてもよい。
本発明において、銀鏡被膜上にトップコート層を設けるための方法としては、トップコート層を形成する塗料に沸点が133〜180℃のケトン系溶剤を7.5〜50質量%含有する溶剤組成物を含有せしめ、該塗料を該銀鏡被膜上に塗布してトップコート層を設けることが好ましい。塗布方法としては従来公知の塗布方法によればよく、例えばグラビヤロール方式、リバースロール方式、ディップロール方式、バーコーター方式、ナイフコーター方式、エアースプレー方式、エアレススプレー方式、ディップ方式等いずれの手法も使用できる。また前述したアンダーコート層もこれら塗布方法にて塗布することができる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、%は質量基準である。
(実施例1)
透明ポリカーボネート板の表面を脱脂、水洗、乾燥した。市販のアンダーコート塗料(大橋化学工業製のアンダークリヤーNo.0128)にイソシアネート系硬化剤(大橋化学工業製のアンダークリヤー用硬化剤−N)とシンナー(メチルエチルケトンとブチルセルソルブを1:1の割合で混合)を、それぞれ10:2:10の割合(質量比)で混合して得た塗料を、前記透明ポリカーボネート板表面にスプレーガンを用いてスプレー塗布した。その後80℃で1時間加熱乾燥して厚さ20μmのアンダーコート層を形成した。
0.15モルの塩酸及び0.06モルの塩化第一スズを含む銀鏡用第一活性化処理液を水で1kgとし、アンダーコート層にスプレーガンで吹き付けて活性化処理を行い、その後、脱イオン水にて洗浄した。
上記した銀鏡用第一活性処理液で処理する工程に続き、銀イオン処理を行った。銀イオン処理には0.05mol/kgの硝酸銀水溶液を用い、かかる水溶液を銀鏡用第一活性化処理液で処理した面に、銀鏡用第一活性処理液と同様にしてスプレーガンで吹き付けた。
銀鏡めっき液は、次のようにして調製した。脱イオン水1000gに硝酸銀20gを溶解した硝酸銀溶液と、別に、脱イオン水1000gに28%アンモニア水溶液100g、モノエタノールアミン5gを溶解してアンモニア溶液を調液した。使用前に、これらの硝酸銀溶液とアンモニア溶液を1対1で混合してアンモニア性硝酸銀溶液とした。次に、脱イオン水1000gに硫酸ヒドラジン10g、モノエタノールアミン5g及び水酸化ナトリウム10gを溶解して還元剤溶液を調液した。
このようにして得られたアンモニア性硝酸銀溶液と還元剤溶液を、銀イオン処理した基材の表面に、双頭スプレーガンを使用して同時に吹き付けて銀鏡被膜を形成させ、脱イオン水にて洗浄した後、70℃30分間乾燥機中で乾燥させた。
次に、上記銀鏡被膜の上にトップコート層を設けた。大橋化学工業製2液硬化型アクリルシリコン系樹脂ベースのオーマックNo.100(E)に、表1に記載の本発明の溶剤組成物(A)と、オーマック硬化剤E(高硬度用)を、それぞれ4:4:1の割合(質量比)で混合して得た塗料をトップコート塗料とし、かかる塗料を銀鏡被膜上にスプレーガンを用いてスプレー塗布した。その後、80℃30分加熱乾燥して、厚さ15μmのトップコート層を有する銀鏡被膜積層体を得た。
(実施例2〜7)
実施例1において、トップコート塗料が含有する溶剤組成物(A)に代えて、表1に記載の溶剤組成物(B)〜(G)をそれぞれ使用すること以外は実施例1と同様にして、銀鏡被膜積層体を得た。
(比較例1〜9)
実施例1において、トップコート塗料が含有する溶剤組成物(A)に代えて、表1に記載の溶剤組成物(H)〜(P)をそれぞれ使用すること以外は実施例1と同様にして、銀鏡被膜積層体を得た。
Figure 2013159649
<評価試験方法>
実施例1〜7及び比較例1〜9で得られた銀鏡被膜積層体について、以下の評価試験を行った。この結果を表2に示す。
1)評価A(膨れ故障)
光学顕微鏡KEYENCE DIGITAL MICROSCOPE VHX−500Fを使用し、銀鏡被膜積層体のトップコート層を観察した。膨れ故障とゴミによる故障と判別するために銀鏡被膜に穴が開いた状態に見えるか否かを確認しながら観察した。また30μm以上の大きさのものは肉眼でも確認することができるので、次の基準に基づいて判定した。
○:肉眼でも光学顕微鏡でも膨れ故障がなく良好。
△:肉眼では膨れ故障は見えないが、光学顕微鏡では僅かに確認できる。
×:肉眼でも膨れが確認できる。
2)評価B(耐湿熱試験後の接着性)
アドバンテック製のCONSTANT LOW TEMPERATURE/HUMIDITY CHAMBER THN054PBを使用し、65℃95%RHの環境下で3日間保存した後、常温で2時間放置した後に銀鏡被膜積層体のオーバーコート層面から、透明ポリカーボネート板に達するようにTAIYU機材株式会社のスーパーカッターガイドを使用し2mm間隔にクロスカットを入れ、セロファンテープを強く押し当てた後、剥離し、次の基準に基づいて判定した。
○:銀鏡被膜の剥離なし。
△:僅かに銀鏡被膜の剥離が確認される。
×:銀鏡被膜の剥離が確認される。
3)評価C(塩水噴霧試験後の接着性)
スガ試験株式会社の塩水噴霧試験機、型式STP−90にて5%食塩水を35℃環境で噴霧し3日間の塩水噴霧試験を行い、水洗、乾燥後に、上記評価Bと同様に評価した。
Figure 2013159649
評価結果から明らかなように、本発明の溶剤組成物は銀鏡被膜上にトップコート層を形成した際に生じる膨れ故障を改善することが可能である。また本発明の銀鏡被膜積層体は、銀鏡被膜の接着性に優れることが判る。

Claims (2)

  1. 銀鏡被膜上にトップコート層を形成する塗料に含有せしめる溶剤組成物であって、沸点が133〜180℃のケトン系溶剤を7.5〜50質量%含有する溶剤組成物。
  2. 基材上に設けられた銀鏡被膜上に、沸点が133〜180℃のケトン系溶剤を7.5〜50質量%含有する溶剤組成物を含有せしめた塗料を塗布して形成したトップコート層を有する銀鏡被膜積層体。
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