JP6545626B2 - 銀メッキ塗装体 - Google Patents

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Description

本発明は銀メッキ塗装体に関し、詳しくは長期間使用した際に生じる塗装の劣化が改善された銀メッキ塗装体に関する。
基材上に銀メッキ層を有する銀メッキ塗装体は、銀が金属の中で最も高い反射光沢を有するため、金属、あるいはプラスチック表面に加工され、意匠性材料や反射材料等として利用されている。また銀が有する高い導電性を利用して、例えば電磁波シールド材としても有効に利用できる素材である。
銀メッキ層は薄膜であっても高い反射光沢や高い導電性を示す有用な材料であるが、薄くて柔らかいため力学的強度が弱い。そのような欠点を補うために、様々なハードコート材を利用して表面にトップコート層を設けることが知られている。例えば特開2000−129448号公報には、液状エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂及びシリコン樹脂等をトップコート層に使用できることが記載され、特開2003−155580号公報、特開2004−203014号公報(特許文献1)等には、特定のガラス転移温度を有するシリコンアクリル系塗料を使用することが記載されている。また特開2008−110101号公報、特開2008−176050号公報等には紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂を用いても良い旨、記載されている。
しかし、このようなトップコート層を有する銀メッキ塗装体を長期間使用した場合、銀メッキ層の変色やトップコート層が銀メッキ層から剥離するという問題があった。銀メッキ塗装体の劣化は様々な外的要因によって促進されるが、特に、熱による変色、塩分による腐食、水分による変色あるいは腐食が塗装体の劣化を引き起こす要因となる。
これまでにも、銀メッキ塗装体の劣化を防止する試みがなされてきており、例えば、特開2004−169157号公報(特許文献2)には銀メッキ層を銀と反応するもしくは銀と親和性のある有機化合物で処理する方法が開示され、特開2011−128501号公報(特許文献3)にも同様の化合物を含有する変色防止剤層を設けることが記載されている。また、特定の化合物を含有するトップコート層を設けることで銀メッキ塗装体の劣化を防止することも試みられている。例えば特開2003−238901号公報にはベンゾチアゾール系金属不活性化剤を含有するトップコート層が開示され、特開2007−169685号公報にはベンゾトリアゾール化合物を含有するトップコート層が開示されている。しかし、これらの方法でも長期間の保存の間に様々に変化する外的要因に対応することは難しく、特に、銀メッキ層の熱による変色と塩分による腐食を両立して防止することが難しかった。
上記問題を両立して解決する方法として、特開2013−202818号公報(特許文献4)にはチオ尿素類及びチオール有機酸誘導体を含有するトップコート層が開示されている。同公報には、熱による変色と塩分による腐食の両方を防止することが可能であることが示されている。ところが、詳細に検討を進めると、この方法では耐水性がかえって低下することが判明した。即ち、塩分をほとんど含まない普通の水に対しては塗装の劣化が進行することが判明し、その解決が求められている。
一方、上記のような銀メッキ層の変色やトップコート層の剥離の問題は、紫外線によって加速されるとの考えから、例えば前述の特許文献1にはトップコート層に特定の紫外線吸収剤を含有させる方法が記載されている。しかしながら、これらの方法でも塗装の劣化に対して満足のできる改善効果は得られていない。
特開2004−203014号公報 特開2004−169157号公報 特開2011−128501号公報 特開2013−202818号公報
本発明は、長期間使用した際に生じる塗装の劣化が改善された銀メッキ塗装体を提供することを目的とし、特に、熱による変色及び塩分による腐食を防止しつつ、十分な耐水性を有する銀メッキ塗装体を提供することである。
本発明の上記目的は、下記に記載の発明により達成される。
基材上に、少なくとも銀メッキ層と、それに隣接して熱硬化型樹脂または紫外線硬化樹脂を含有するトップコート層を有する銀メッキ塗装体において、該トップコート層が下記一般式(1)で表されるチオ尿素誘導体を、トップコートの固形分量に対して0.1〜1質量%の添加量で含有し、下記一般式(2)で表されるトリアジン誘導体を、トップコートの固形分量に対して1〜20質量%の添加量で含有し、熱硬化型樹脂を含有する場合のトップコート層の厚さが10μm以上であり、紫外線硬化型樹脂を含有する場合のトップコート層の厚さが3μm以上であることを特徴とする銀メッキ塗装体。
一般式(1)中R及びRは水素原子または炭素数10以下の炭化水素基を表す。ただし、RとRは同時に水素原子であることはなく、同一であっても異なっていても良い。また、RとRは連結して環を形成しても良い。
一般式(2)中R及びRはアリール基を表し、Rは炭素数4以上のアルキル基または下記一般式(3)で表される炭素数4以上の置換基を表す。
一般式(3)中Rはアルキレン基を表し、連結基Lは−O−、−COO−もしくは−OCO−を表し、Rはアルキル基を表す。
本発明により、熱による変色及び塩分による腐食を防止しつつ、十分な耐水性を有する銀メッキ塗装体を提供することができる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の銀メッキ塗装体は、基材上に、銀メッキ層、およびトップコート層を少なくともこの順に有する銀メッキ塗装体であり、該トップコート層が前記した一般式(1)で表されるチオ尿素誘導体及び前記した一般式(2)で表されるトリアジン誘導体を含有する。
銀メッキ塗装体の熱による変色と塩分による腐食の両方を防止する方法としては、チオ尿素類及びチオール有機酸誘導体をトップコート層に含有する銀メッキ塗装体が従来から知られていた(特許文献4)。しかしこの方法では、耐水性、即ち塩分をほとんど含まない水に対する耐性はかえって低下することが判明した。本発明者らが鋭意検討した結果、一般式(1)で表されるチオ尿素誘導体及び一般式(2)で表されるトリアジン誘導体を併用することで、耐水性を低下させることなく熱による変色と塩分による腐食の両方を防止しできる銀メッキ塗装体を得ることができることが判った。本発明に用いられるトリアジン誘導体は一般には紫外線吸収剤として市販されているが、一般式(1)で表されるチオ尿素誘導体と併用することでこのような効果が得られることは今まで知られていなかった。
本発明のトップコート層は下記一般式(1)で表されるチオ尿素誘導体を含有する。
一般式(1)中R及びRは水素原子または炭素数10以下の炭化水素基を表す。ただし、RとRは同時に水素原子であることはなく、同一であっても異なっていても良い。また、RとRは連結して環を形成しても良い。
炭素数10以下の炭化水素基としてはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基を挙げることができる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘプチル基、デシル基等を挙げることができ、シクロアルキル基としてはシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等を挙げることができ、アルケニル基としてはエテニル基、プロペニル基、ペンテニル基、ヘプテニル基、ノネニル基等を挙げることができ、アリール基としてはフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基等を挙げることができる。さらにこれらの基はアルコキシ基、フェニル基、ヒドロキシ基等の置換基を有していても良い。また、RとRが連結して環を形成する例としては、例えばエチレン基で連結してイミダゾリン環を形成する例を挙げることができる。
本発明に用いられるチオ尿素誘導体は単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。本発明に用いられるチオ尿素誘導体のトップコート層への添加量は、トップコートの固形分量に対して0.1〜1質量%であることが好ましい。添加量が少なすぎると十分な効果が得られず、添加量が多すぎると塗膜強度が低下する。2種類以上を組み合わせて添加する場合は、総量で上記の添加量にすることが好ましい。以下に本発明に用いられるチオ尿素誘導体の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明はトップコート層に下記一般式(2)で表されるトリアジン誘導体を含有する。
一般式(2)中R及びRはアリール基を表し、Rは炭素数4以上のアルキル基または下記一般式(3)で表される炭素数4以上の置換基を表す。
一般式(3)中Rはアルキレン基を表し、連結基Lは−O−、−COO−もしくは−OCO−を表し、Rはアルキル基を表す。
及びRのアリール基としてはフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ビフェニル基を挙げることができる。Rの炭素数4以上のアルキル基としてはヘキシル基、ノニル基等を挙げることができる。Rのアルキレン基は炭素数が3以下であることが好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基を挙げることができる。さらにRのアルキレン基はメチル基、ヒドロキシ基等の置換基を有していても良い。Rのアルキル基は炭素数が1〜15のものが好ましく、直鎖アルキル基としてはメチル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基等を挙げることができ、分岐アルキル基としてはエチルペンチル基、エチルヘキシル基等を挙げることができる。
本発明に用いられるトリアジン誘導体は単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。本発明に用いられるトリアジン誘導体のトップコート層への添加量は、トップコートの固形分量に対して1〜20質量%であることが好ましく、さらに好ましくは2〜10質量%である。添加量が少なすぎると十分な効果が得られず、添加量が多すぎると塗膜強度が低下する。2種類以上を組み合わせて添加する場合は、総量で上記の添加量にすることが好ましい。以下に本発明で用いられるトリアジン誘導体の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の銀メッキ塗装体が有するトップコート層を塗設するために用いられる塗料組成物としては、熱硬化型樹脂を含有する塗料組成物が一般的である。熱硬化型樹脂としては、例えば特開2000−129448号公報、特開2002−256454号公報及び特開2003−155580号公報等に記載されるエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂及びアクリルシリコン樹脂等を挙げることができる。これらの中でも塗布が容易であることから、メラミン樹脂、ウレタン樹脂及びアクリルシリコン樹脂を含有する塗料組成物が好適に使用される。
ウレタン樹脂を含有する塗料組成物としては、アルキッドポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等のポリマーまたはオリゴマーと硬化剤としてイソシアネート化合物を混合した2液硬化型ウレタン系塗料組成物が好ましい。アクリルシリコン樹脂を含有する塗料組成物としては、アクリル樹脂と硬化剤としてアルコキシシラン化合物(シリコン系硬化剤)を混合したアクリルシリコン系塗料が好ましい。
一般に市販されている熱硬化型塗料としては、例えばオリジン電気株式会社製の「オリジツーク#100」(アクリルシリコン系塗料)、大橋化学工業株式会社製の「ハイポリナールNo.800S」(アクリルシリコン系塗料)、「オーマックNo.100(E)クリアFV」(アクリルシリコン系塗料)、または「ネオハードクリアH」(メラミン系塗料)等が好適に使用される。
熱硬化型樹脂からなるトップコート層を設けるための方法としては、上記した塗料組成物を有機溶媒に溶解あるいは希釈して塗設することが一般的である。かかる有機溶媒としては、例えば、シクロヘキサン、ソルベッソ100(商品名、エクソン化学社製)等の炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、ジエチルカルビトール等のエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等のエステル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類が挙げられる。
これらの有機溶剤は塗料組成物の溶解性によって、また塗布面の面質改善等の観点から適宜選択され、単独でも用いられるが、2種以上混合して使用されることが多い。またアンダーコート層およびトップコート層を塗設するために用いられる塗料組成物の塗布方法としては従来公知の塗布方法によればよく、例えばグラビヤロール方式、リバースロール方式、ディップロール方式、バーコーター方式、ナイフコーター方式、エアースプレー方式、エアレススプレー方式、ディップ方式等いずれの手法も使用できる。
トップコート層を塗設するために、紫外線硬化樹脂を含有する塗料組成物を用いることもできる。好ましく用いられる紫外線硬化型樹脂としては、電子硬化型樹脂を含み、紫外線で硬化する樹脂で、主としてエチレン性不飽和基を有するモノマー及びオリゴマー化合物が好ましく用いられる。具体的には、アミド系モノマー、(メタ)アクリレートモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートおよびエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。アミド系モノマーとしては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン等のアミド化合物がある。(メタ)アクリレートモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のフェノールのアルキレンオキシド付加物のアクリレート類及びそのハロゲン核置換体、エチレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート等の、グリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールおよびそのアルキレンオキサイドの(メタ)アクリル酸エステル化物、イソシアヌール酸EO変成ジまたはトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリオールと有機ポリイソシアネート反応物に対して、さらにヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させた反応物等が挙げられる。ここで、ポリオールとしては、低分子量ポリオール、ポリエチレングリコール及びポリエステルポリオール等があり、低分子量ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられ、ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等が挙げられ、ポリエステルポリオールとしては、これら低分子量ポリオールまたは/及びポリエーテルポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸またはその無水物等の酸成分との反応物が挙げられる。有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合物が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール及びトリメチロールプロパン等の低分子量ポリオール、並びにこれらのアルキレンオキシド付加物等のポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸またはその無水物等の酸成分とからの反応物等が挙げられる。エポキシアクリレートは、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸を付加反応させたもので、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート、フェノールあるいはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテルのジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加反応体等が挙げられる。
光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン等のアントラキノン;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2,4−ジイソピルチオキサントン等のチオキサントン;アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等のケタール;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のモノアシルホスフィンオキシドあるいはビスアシルホスフィンオキシド;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;並びにキサントン類等が挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で使用することも、安息香酸系、アミン系等の光重合開始促進剤と組み合わせて使用することもできる。
上記光重合開始剤の含有量は紫外線硬化型樹脂に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.5〜7質量%が特に好ましい。
上記トップコート層を塗設するために用いる塗料組成物を硬化させるためには、熱硬化型樹脂の場合には加熱を、紫外線硬化型樹脂の場合には電子線、紫外線等を照射すれば良い。電子線、紫外線を照射する手段としては、例えばキセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。
熱硬化型樹脂からなるトップコート層の厚さは10〜25μmの範囲が好ましく、紫外線硬化型樹脂からなるトップコートは3〜10μmの範囲が好ましい。トップコート層が薄すぎると銀メッキ層を保護する役割としての機能が得られず、均一の塗装膜が形成されない。逆に厚すぎると、周辺部分が局所的に更に厚塗りとなる。更に光の透過距離が長くなり光のロスが増加するため銀メッキ層の反射率を低下させ好ましくない。
トップコート層には意匠性を向上させるために顔料、染料等の色材を添加しても良い。顔料としては、例えばカーボンブラック、キナクリドン、ナフトールレッド、シアニンブルー、シアニングリーン、ハンザイエロー等の有機顔料;酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、弁柄、複合金属酸化物等の無機顔料が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの顔料から選ばれる1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。顔料の分散は、特に限定はされず、通常の方法、例えば、ダイノーミール、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、ニーダー、ロール、ディゾルバー、ホモジナイザー、超音波振動、攪拌子等により顔料粉を直接分散させる方法等が用いられる。その際、分散剤、分散助剤、増粘剤、カップリング剤等の使用が可能である。顔料の添加量は、顔料の種類により隠蔽性が異なるので特に限定はされないが、通常は、各組成物全量中での硬化樹脂成分の固形分に対して0.1〜5質量%である。
染料としては、例えばアゾ系、アントラキノン系、インジコイド系、硫化物系、トリフェニルメタン系、キサンテン系、アリザリン系、アクリジン系、キノンイミン系、チアゾール系、メチン系、ニトロ系、ニトロソ系等の染料が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの染料から選ばれる1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。染料の添加量は、染料の種類により隠蔽性が異なるので特に限定はされないが、通常は、各組成物全量中での硬化樹脂成分の固形分に対して0.1〜5質量%である。
トップコート層には、更に添加剤としてレベリング剤、金属粉、ガラス粉、抗菌剤、酸化防止剤、光安定化剤等が含まれていてもよい。
本発明の銀メッキ塗装体が有する基材としては、各種のプラスチック類、金属類、ガラス類、ゴム類等が用いられる。プラスチック類としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、及びこれらを複合化した樹脂、またナイロン繊維、パルプ繊維等の有機繊維で強化した繊維強化プラスチック(FRP)等が挙げられるが特に限定されるものではない。金属としては、鉄、アルミ、ステンレススチール、銅、真鍮等が挙げられるが特に限定されるものではない。ガラスも無機ガラスまたはプラスチックガラス等、特に限定されるものではない。
本発明の銀メッキ塗装体は基材上に銀メッキ層を有するが、基材の種類によっては銀メッキ層と基材との接着が十分でない場合がある。そのような場合には、基材と銀メッキ層との間にアンダーコート層を設けて銀メッキ層と基材の接着性を向上させることができる。さらに基材とアンダーコート層との密着性向上を目的に基材に前処理を施してもよい。前処理法としては、洗剤、溶剤洗浄や超音波洗浄での洗浄処理等の湿式法、コロナ処理、紫外線照射、電子線照射処理等の乾式処理が挙げられる。また基材の種類により、例えばポリプロピレンでは接着性改善のために、鉄、アルミでは防錆のために、プライマー層を基材とアンダーコート層の間に設けることもできる。
上記アンダーコート層は、アンダーコート層上に設ける銀メッキ層との密着性に優れることが要求される。また平滑な表面を形成することも要求される。アンダーコート層としては、例えば特開平10−309774号公報、および特開2002−256455号公報に記載されるアンダーコート層の他、アルキッドポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等のポリマーまたはオリゴマーと硬化剤としてイソシアネート化合物を混合したウレタン系塗料組成物や、エポキシ樹脂に硬化剤としてアミン化合物を混合したエポキシ系塗料組成物等を塗布して得られたアンダーコート層を用いることができる。これらは基材、また塗装体として要求される特性に基づき適宜選択して利用することができる。アンダーコート層の膜厚は5〜30μmが好ましいが特に限定されるものではない。
アンダーコート層を設けるための方法としては、上記した塗料組成物を有機溶媒に溶解あるいは希釈して塗設することが一般的である。有機溶媒の選択や塗設方法はトップコートの場合と同様である。
本発明の銀メッキ塗装体は、基材上または基材上に設けたアンダーコート層上に銀メッキ層を有する。銀メッキ層を形成させる好ましい方法は、銀メッキ層を形成させる表面を塩化第一スズを含有する銀鏡用活性処理液で処理して第一スズイオンをアンダーコート層の表面に担持させ、この活性化処理したアンダーコート層上に銀鏡反応により銀メッキ層を形成させることである。
塩化第一スズを含有する銀鏡用活性処理液で処理する処理方法としては、銀メッキ層を形成させる表面を銀鏡用活性処理液中に浸漬する方法、銀メッキ層を形成させる表面に塩化第一スズ等を含む銀鏡用活性処理液を塗布する方法等がある。基材の形状等によって任意に選択することができるが、塗布方法としては、特に基材の形状を選ばないスプレー塗布が好適である。更に表面に余分に付着した活性化処理液を脱イオン水または精製蒸留水で洗浄することが好ましい。
塩化第一スズを含有する銀鏡用活性処理液としては、例えば特開2007−197743号公報、特開2006−274400号公報等に記載の活性化処理液等が挙げられる。
銀鏡用活性処理液で処理する工程の後には、銀イオンによる活性化処理を行う工程を設けても良い。銀イオンによる活性化処理は例えば硝酸銀を含有する処理液での処理が簡便で好ましい。この工程で用いる硝酸銀水溶液の濃度は0.1mol/L以下の希薄な溶液が好ましく、この液を塩化第一スズで処理されたアンダーコート層に接触させる。この銀イオン処理を行う場合、銀イオン処理後に脱イオン水で洗浄しておくことが好ましい。これら活性化処理には常に新液が供給されるスプレー塗布が好適である。
銀鏡反応による銀メッキ層の形成は、硝酸銀及びアンモニアを含むアンモニア性硝酸銀溶液と、還元剤及び強アルカリ成分を含む還元剤溶液の2液を、上記活性化処理を施したアンダーコート層表面上で混合されるように塗布する。これにより酸化還元反応が生じることで金属銀が析出し、銀被膜が形成され銀メッキ層となる。
前記還元剤溶液としては、グルコース、グリオキサール等のアルデヒド化合物の水溶液、硫酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジンまたはヒドラジン水和物等のヒドラジン化合物の水溶液、亜硫酸ナトリウムまたはチオ硫酸ナトリウム等の水溶液を挙げることができる。
アンモニア性硝酸銀水溶液には、良好な銀を生成させるためにいくつかの添加剤を加えることもできる。例えば、モノエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアミノアルコール化合物、グリシン、アラニン、グリシンナトリウム等のアミノ酸またはその塩等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
前記アンモニア性硝酸銀溶液と還元剤溶液の2液を銀メッキ層を形成させる表面上で混合されるように塗布する方法としては、2種の水溶液を予め混合し、この混合液をスプレーガン等を用いてアンダーコート層表面に吹き付ける方法、スプレーガンのヘッド内で2種の水溶液を混合して直ちに吐出する構造を有する同芯スプレーガンを用いて吹き付ける方法、2種の水溶液を2つのスプレーノズルを持つ双頭スプレーガンから各々吐出させ吹き付ける方法、2種の水溶液を2つの別々のスプレーガンを用いて、同時に吹き付ける方法等がある。これらは状況に応じて任意に選ぶことができる。
続いて、脱イオン水または精製蒸留水を用いて銀メッキ層の表面を水洗し、その表面上に残留する銀鏡反応後の溶液等を取り除くことが好ましい。また銀メッキ層上に前述したトップコート層を設ける前に、析出した金属銀を安定化させる目的で、銀と反応もしくは親和性を有する有機化合物を含む溶液に浸漬または該溶液を塗布する等の表面処理を行うことができる。
該有機化合物としてはチオール基もしくはチオン基を有する含窒素複素環化合物が有効に用いられ、また前述した本発明の化合物も有効に用いることができる。該含窒素複素環化合物が有する複素環としては、イミダゾール環、イミダゾリン環、チアゾール環、チアゾリン環、オキサゾール環、オキサゾリン環、ピラゾリン環、トリアゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環等があり、中でもイミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環が好ましい。具体例としては2−メルカプト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−ベンズイミダゾール、1−エチル−2−メルカプト−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル−ベンズイミダゾール、1,3−ジエチル−ベンゾイミダゾリン−2−チオン、1,3−ジベンジル−イミダゾリジン−2−チオン、2,2′−ジメルカプト−1,1′−デカメチレン−ジイミダゾリン、2−メルカプト−4−フェニルチアゾール、2−メルカプト−ベンゾチアゾール、2−メルカプトナフトチアゾール、3−エチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェニル−3−メチルピラゾリン−5−チオン、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アセタミド−5−ヘプチル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサジアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−ヘプタデシル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メルカプト−1−フェニル−テトラゾール、2−メルカプト−5−ニトロピリジン、1−メチル−キノリン−2(1H)−チオン、3−メルカプト−4−メチル−6−フェニル−ピリダジン、2−メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メルカプト−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−トリアジン、1,5−ジメルカプト−3,7−ジフェニル−s−トリアゾリノ[1,2−a]−s−トリアゾリン等が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、無論この記述により本発明が限定されるものではない。なお、以下の記述の中における単位として%や部は、特に記載がない限り質量基準である。
アクリルポリオール樹脂(大橋化学工業製のミラーシャインアンダーコートクリアD−1)にイソシアナート系硬化剤(大橋化学工業製のミラーシャインアンダーコート用硬化剤N)とシンナー(メチルエチルケトンとブチルセルソルブを1:1の割合で混合)をそれぞれ質量比10:2:10の割合で混合してアンダーコート層用のウレタン系塗料組成物を得た。表面をイソプロパノールで洗浄、乾燥したABS樹脂板に、上記塗料組成物をスプレーガンで塗装した後、80℃で1時間加熱乾燥して、厚さ20μmのアンダーコート層を形成した。
0.1モルの塩酸および0.1モルの塩化第一スズを含む銀鏡用活性化処理液を水で1000gとし、上記アンダーコート層にスプレーガンで吹き付けて活性化処理を行い、その後、脱イオン水にて洗浄した。引き続き、0.05モルの硝酸銀を水に溶解して1000gとし、この液をスプレーガンで吹き付けて銀イオンによる活性化処理を行い、その後、脱イオン水にて洗浄した。
銀鏡めっき液は、次のようにして調製した。脱イオン水に硝酸銀20gを溶解して1000gとした硝酸銀溶液と、別に、脱イオン水に28%アンモニア水溶液を100g、モノエタノールアミンを5g溶解して1000gとしたアンモニア溶液を調液した。使用前に、これらの硝酸銀溶液とアンモニア溶液を1対1で混合してアンモニア性硝酸銀溶液とした。次に、脱イオン水に硫酸ヒドラジンを10g、モノエタノールアミンを5g及び水酸化ナトリウムを10g溶解して1000gとした還元剤溶液を調液した。
このようにして得られたアンモニア性硝酸銀溶液と還元剤溶液を、双頭スプレーガンを使用して同時に吹き付けて銀メッキ層を形成させ、脱イオン水にて洗浄し、表面の水を十分取り除いた後に、45℃で30分間乾燥させた。
(比較例1)
上記銀メッキ層の上にトップコート層を設けた。アクリルシリコン系塗料の主剤樹脂(大橋化学工業製オーマックNo.100(E)クリアFV)に、シリコン系硬化剤(大橋化学工業製オーマックNo.100用硬化剤W)、シンナー(メチルエチルケトンとブチルセロソルブを1:1の割合で混合)を質量比6:1:6の割合で混合してトップコート層用のアクリルシリコン系塗料組成物とし、上記銀メッキ層上にスプレーガンでスプレー塗布した。80℃30分加熱乾燥して厚さ15μmのトップコート層を形成させた。このようにしてABS樹脂に銀鏡メッキを施した銀メッキ塗装体を得た。
(比較例2)
比較例1のトップコート層用の塗料組成物に、チオ尿素誘導体T−1をトップコート層用の塗料組成物が含有する樹脂固形分に対して0.3%になるように含有させた以外は比較例1と同様にして、銀メッキ塗装体を得た。
(比較例3)
比較例1のトップコート層用の塗料組成物に、トリアジン誘導体P−7をトップコート層用の塗料組成物が含有する樹脂固形分に対して5%になるように含有させた以外は比較例1と同様にして、銀メッキ塗装体を得た。
(実施例1〜7)
比較例1のトップコート層用の塗料組成物に、表1に示した組み合わせでチオ尿素誘導体及びトリアジン誘導体を、トップコート層用の塗料組成物が含有する樹脂固形分に対してそれぞれ0.3%及び5%となるように含有させた以外は比較例1と同様にして、銀メッキ塗装体を得た。
(比較例4)
比較例1のトップコート層用の塗料組成物に、チオ尿素をトップコート層用の塗料組成物が含有する樹脂固形分に対し0.3%になるように含有させ、さらにトリアジン誘導体P−7をトップコート層用の塗料組成物が含有する樹脂固形分に対し5%になるように含有させた以外は比較例1と同様にして、銀メッキ塗装体を得た。
(比較例5)
比較例1のトップコート層用の塗料組成物に、グアニルチオ尿素をトップコート層用の塗料組成物が含有する樹脂固形分に対し0.3%になるように含有させ、さらにトリアジン誘導体P−7をトップコート層用の塗料組成物が含有する樹脂固形分に対し5%になるように含有させた以外は比較例1と同様にして、銀メッキ塗装体を得た。
(比較例6)
比較例2のトップコート層用の塗料組成物に、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート(PEMP)をトップコート層用の塗料組成物が含有する樹脂固形分に対して5%となるように含有させた以外は比較例2と同様にして、銀メッキ塗装体を得た。
(比較例7)
比較例6のトップコート層用の塗料組成物に、3−アミノプロピルトリエトキシシランをトップコート層用の塗料組成物が含有する樹脂固形分に対し5%になるように含有させた以外は比較例6と同様にして、銀メッキ塗装体を得た。
<評価方法>
(耐熱性試験)
上記した各実施例及び比較例で得られた銀メッキ塗装体を、80℃の環境下で10日間保存した。その後、常温で2時間放熱した後に変色を色差(ΔE)で評価し、次の基準に基づいて判定した。
○;ΔE(色差)≦2.0
△;2.0<ΔE≦5.0
×;5.0<ΔE
(耐塩水性試験)
実施例及び比較例で得られた銀メッキ塗装体に対して、トップコート層面からABS基材に達するようにカッターで十字に傷を入れた。これらのサンプルをスガ試験株式会社の塩水噴霧試験機(型式STP−90)にて5%食塩水を35℃の環境で10日間噴霧した。塩水噴霧したサンプルを水洗、乾燥し、十字に傷を入れた部分の上からセロファンテープを強く貼り付けた後にそのテープを剥離し、塗装の剥離状況から次の基準に基づいて判定した。
○;塗装の剥離の最も広い部分の幅が、カット線の中心から2mm未満
△;塗装の剥離の最も広い部分の幅が、カット線の中心から2mm以上4mm未満
×;塗装の剥離の最も広い部分の幅が、カット線の中心から4mm以上
(耐湿性試験)
塩水噴霧試験と同様にカッターで十字に傷を入れたサンプルを、温度65℃湿度95%の環境で10日間保存した。その後、サンプルを水洗、乾燥し、十字に傷を入れた部分の上からセロファンテープを強く貼り付けた後にそのテープを剥離し、塗装の剥離状況から次の基準に基づいて判定した。
○;塗装の剥離の最も広い部分の幅が、カット線の中心から2mm未満
△;塗装の剥離の最も広い部分の幅が、カット線の中心から2mm以上4mm未満
×;塗装の剥離の最も広い部分の幅が、カット線の中心から4mm以上
(耐水性試験)
実施例及び比較例で得られた銀メッキ塗装体を40℃の温水に10日間浸漬した後に、水洗、乾燥した後に変色を色差(ΔE)で評価し、次の基準に基づいて判定した。
○;ΔE≦2.0
△;2.0<ΔE≦5.0
×;5.0<ΔE
表1から明らかなように、本発明により、熱による変色及び塩分による腐食を防止しつつ、十分な耐水性を有する銀メッキ塗装体を提供することができる。

Claims (1)

  1. 基材上に、少なくとも銀メッキ層と、それに隣接して熱硬化型樹脂または紫外線硬化樹脂を含有するトップコート層を有する銀メッキ塗装体において、該トップコート層が下記一般式(1)で表されるチオ尿素誘導体を、トップコートの固形分量に対して0.1〜1質量%の添加量で含有し、下記一般式(2)で表されるトリアジン誘導体を、トップコートの固形分量に対して1〜20質量%の添加量で含有し、熱硬化型樹脂を含有する場合のトップコート層の厚さが10μm以上であり、紫外線硬化型樹脂を含有する場合のトップコート層の厚さが3μm以上であることを特徴とする銀メッキ塗装体。
    (一般式(1)中R及びRは水素原子または炭素数10以下の炭化水素基を表す。ただし、RとRは同時に水素原子であることはなく、同一であっても異なっていても良い。また、RとRは連結して環を形成しても良い。)
    (一般式(2)中R及びRはアリール基を表し、Rは炭素数4以上のアルキル基または下記一般式(3)で表される炭素数4以上の置換基を表す。)
    (一般式(3)中Rは、炭素数2または3のアルキレン基を表し、連結基Lは−O−、−COO−もしくは−OCO−を表し、Rはアルキル基を表す。)
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