JP2013150707A - 脈波測定装置及び信号処理装置 - Google Patents

脈波測定装置及び信号処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013150707A
JP2013150707A JP2012013188A JP2012013188A JP2013150707A JP 2013150707 A JP2013150707 A JP 2013150707A JP 2012013188 A JP2012013188 A JP 2012013188A JP 2012013188 A JP2012013188 A JP 2012013188A JP 2013150707 A JP2013150707 A JP 2013150707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
light
unit
component
pulse wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012013188A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013150707A5 (ja
JP6102055B2 (ja
Inventor
Masaki Morita
雅紀 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2012013188A priority Critical patent/JP6102055B2/ja
Publication of JP2013150707A publication Critical patent/JP2013150707A/ja
Publication of JP2013150707A5 publication Critical patent/JP2013150707A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6102055B2 publication Critical patent/JP6102055B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)

Abstract

【課題】複数の光を用いて脈派を測定する場合において、それらの光が生体内の深さの異なる部位に照射されることによって生じる誤差を減らす。
【解決手段】第1の発光部は、生体内の第1の測定部位に緑色光を照射する。第2の発光部は、生体内の第1の測定部位よりも深い第2の測定部位に赤色光を照射する。第1の受光部は、第1の測定部位で反射した緑色光を受光し、受光した緑色光を第1のアナログ信号(G信号)に変換する。第2の受光部は、第2の測定部位で反射した赤色光を受光し、受光した赤色光を第2のアナログ信号(R信号)に変換する。除去部41は、R信号からG信号と相関のない信号成分を除去し、この信号成分が除去されたR信号を出力する。
【選択図】図5

Description

本発明は、生体の脈波を測定する技術に関する。
光を用いて生体の脈派を測定する技術が知られている。例えば、特許文献1には、パルスフォトメータにおいて、同一の媒体から抽出される2つの測定信号から、脈波信号とアーチフェクト信号とを分離する信号処理方法が記載されている。
特開2009−261458号公報
生体に光を照射した場合、波長により光の到達する深さが異なることが知られている。例えば二波長の光を用いて脈派を測定する場合には、波長が異なるため、それらの光の到達する深さに差が生じる。このように光の到達する深さに差があると、それらの光により観測される2つの信号において、一方の信号に他方の信号には含まれない信号成分が重畳されてしまう。この場合、2つの信号の相関が低くなり、例えば特許文献1に記載されたような信号分離に悪影響を与える恐れがある。
本発明は、複数の光を用いて脈派を測定する場合において、それらの光が生体内の深さの異なる部位に照射されることによって生じる誤差を減らすことを目的の1つとする。
本発明に係る脈波想定装置は、生体内の第1の部位に第1の光を照射する第1の照射部と、前記生体内の前記第1の部位よりも深い第2の部位に第2の光を照射する第2の照射部と、前記第1の部位で反射した前記第1の光を受光し、当該受光した第1の光を第1の信号に変換する第1の受光部と、前記第2の部位で反射した前記第2の光を受光し、当該受光した第2の光を第2の信号に変換する第2の受光部と、前記第2の信号から前記第1の信号と相関が閾値よりも低い信号成分を除去し、当該信号成分が除去された第2の信号を出力する除去部とを備えることを特徴とする。この構成によれば、複数の光を用いて脈派を測定する場合において、それらの光が生体内の深さの異なる部位に照射されることによって生じる誤差を減らすことができる。
前記除去部は、適応フィルターを用いて前記信号成分の除去を行ってもよい。この構成によれば、簡易な構成で上述した誤差を減らすことができる。
前記脈波測定装置は、前記第1の受光部により変換された第1の信号及び前記除去部から出力された第2の信号から、前記生体の脈派を示す脈動成分とノイズ成分とを分離する分離部を備えてもよい。この構成によれば、脈動成分とノイズ成分とを分離する精度を向上させることができる。
前記第2の光は、前記第1の光よりも波長が大きくてもよい。この構成によれば、二波長の光を用いて脈波を測定する構成において、それらの光が生体内の深さの異なる部位に照射されることによって生じる誤差を減らすことができる。
前記第2の照射部と前記第2の受光部の間の距離は、前記第1の照射部と前記第1の受光部との間の距離よりも大きくてもよい。この構成によれば、一波長の複数の光を用いて脈派を測定する構成において、それらの光が生体内の深さの異なる部位に照射されることによって生じる誤差を減らすことができる。
本発明に係る信号処理装置は、第1の照射部により生体内の第1の部位に第1の光が照射され、第1の受光部により前記第1の部位で反射した前記第1の光が第1の信号に変換され、第2の照射部により前記生体内の前記第1の部位よりも深い第2の部位に第2の光が照射され、第2の受光部により前記第2の部位で反射した前記第2の光が第2の信号に変換されると、前記第2の信号から前記第1の信号と相関が閾値よりも低い信号成分を除去し、当該信号成分が除去された第2の信号を出力する除去部を備えることを特徴とする。この構成によれば、複数の光を用いて脈派を測定する場合において、それらの光が生体内の深さの異なる部位に照射されることによって生じる誤差を減らすことができる。
脈波測定装置の外観を示す図 脈波測定装置の構成を示すブロック図 生体に対する光の浸透度を示す図 生体内における緑色光及び赤色光の経路を示す図 CPUの機能構成を示すブロック図 適応フィルターの概念図 G信号及びR信号の信号観測モデルを示す図 変形例に係る生体内における緑色光の経路を示す図
図1は、本実施形態に係る脈波測定装置1の外観を示す図である。脈波測定装置1は、人間の手2に装着される。脈波測定装置1は、人間の手首に装着される装置本体3(信号処理装置の一例)と、脈波センサー4とで構成されている。この装置本体3と脈波センサー4とは、ケーブル5を介して接続されている。脈波センサー4は、図1(b)に示すように、人差指の根元の手のひら側にバンド6によって固定される。
図2は、脈波測定装置1の構成を示すブロック図である。脈波測定装置1は、二波長の光を用いて脈波を測定する。装置本体3は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、操作部15と、発振回路16と、計時回路17と、第1のフィルター部21a及び第2のフィルター部21bと、第1の増幅回路22a及び第2の増幅回路22bと、第1のA/D変換部23a及び第2のA/D変換部23bとを備える。脈波センサー4は、駆動回路18と、第1の発光部19a(第1の照射部の一例)及び第2の発光部19b(第2の照射部の一例)と、第1の受光部20a及び第2の受光部20bとを備える。
CPU11は、制御プログラムを実行して脈波測定装置1の各部を制御する。ROM12は、読み出し専用の不揮発性メモリーである。ROM12には、例えばCPU11により実行される基本的なシステムプログラムが記憶される。RAM13は、CPU11のワークエリアとして使用される揮発性メモリーである。RAM13には、例えばCPU11による制御プログラムの実行中に発生する各種のデータが一時的に記憶される。表示部14は、例えば液晶ディスプレイである。表示部14は、CPU11による制御の下、脈波の測定結果や脈波の測定に関する各種の情報を表示する。操作部15は、例えば脈波測定装置1の操作に用いられる複数の操作ボタンを備える。操作部15は、利用者の操作に応じた操作信号をCPU11に供給する。発振回路16は、CPU11にクロック信号を供給する。計時回路17は、CPU11による制御の下、時間を計測する。
駆動回路18は、第1の発光部19a及び第2の発光部19bを駆動する。例えば、駆動回路18は、操作部15を用いて脈波の測定開始を指示する操作が行われると、第1の発光部19aと第2の発光部19bとを交互に駆動する。第1の発光部19aは、緑色光Lg(第1の光の一例)を照射する発光素子を備える。この緑色光Lgのピーク波長は、525nmである。第2の発光部19bは、赤色光Lr(第2の光の一例)を照射する発光素子を備える。この赤色光Lrのピーク波長は、620nmである。赤色光Lrのピーク波長は、緑色光Lgよりもピーク波長よりも大きい。第1の発光部19a及び第2の発光部19bは、駆動回路18により駆動されると、生体内の測定部位に光を照射する。
図3は、生体に対する光の浸透度を示す図である。図3に示す縦軸は、光のピーク波長[nm]を示す。図3に示す横軸は、生体に対する光の浸透度を示す。この浸透度とは、生体内において光が到達する深さをいう。この深さとは、生体の表面からの距離をいう。図3に示すように、波長により生体に対する光の浸透度が異なる。例えば、緑色光Lgのピーク波長は525nmであり、赤色光Lrのピーク波長は620nmである。この場合、赤色光Lrの浸透度は、緑色光Lgの浸透度よりも大きくなる。
図4は、生体内における緑色光Lg及び赤色光Lrの経路を示す図である。図4には、生体の皮膚の断面が示されている。生体の皮膚は、表皮31と、表皮31の下にある真皮32と、真皮32の下にある皮下組織33とを有する。真皮32の浅い部分には、毛細血管34が存在する。真皮32の深い部分には、細動脈と細静脈とを含む細動静脈35が存在する。上述したように、赤色光Lrの浸透度は、緑色光Lgの浸透度よりも大きい。したがって、赤色光Lrは緑色光Lgよりも生体内の深い部分を通過する。
具体的には、緑色光Lgは、図4(a)に示すように、表皮31及び真皮32の浅い部分を通って測定部位T1(第1の部位の一例)に照射される。一方、赤色光Lrは、図4(b)に示すように、表皮31及び真皮32の深い部分を通って、測定部位T1よりも深い測定部位T2(第2の部位の一例)に照射される。この場合、緑色光Lgは、真皮32の浅い部分に存在する毛細血管34の脈動による影響を受けるのに対し、赤色光Lrは、この毛細血管34の脈動による影響に加えて、真皮32の深い部分に存在する細動静脈35の脈動による影響も受けることとなる。
第1の発光部19a、第2の発光部19b、第1の受光部20a及び第2の受光部20bは、第1の発光部19aと第1の受光部20aとの間の距離D1と、第2の発光部19bと第2の受光部20bとの間の距離D2とが等しくなるように配置される。第1の発光部19aから照射された緑色光Lgは、測定部位T1で反射され第1の受光部20aにより受光される。第1の受光部20aは、緑色光Lgを受光すると、受光した緑色光Lgを第1のアナログ信号(第1の信号の一例)に変換して出力する。この第1のアナログ信号には、真皮32の浅い部分に存在する毛細血管34の脈動を示す第1の信号成分が含まれる。第2の発光部19bから照射された赤色光Lrは、測定部位T2で反射され第2の受光部20bにより受光される。第2の受光部20bは、赤色光Lrを受光すると、受光した赤色光Lrを第2のアナログ信号(第2の信号の一例)に変換して出力する。この第2のアナログ信号には、上述した第1の信号成分に加えて、真皮32の深い部分に存在する細動静脈35の脈動を示す第2の信号成分が含まれる。
第1の受光部20aから出力された第1のアナログ信号は、図2に示す第1のフィルター部21aに入力される。第1のフィルター部21aは、AC(Alternating Current)フィルターとDC(Direct Current)フィルター(いずれも図示せず)とを備える。ACフィルターは、第1のアナログ信号が入力されると、入力された第1のアナログ信号から脈動を示す脈動成分(AC成分)を除去して第1のアナログ信号のDC成分を出力する。DCフィルターは、第1のアナログ信号が入力されると、入力された第1のアナログ信号から脈波の基線のゆらぎ成分(DC成分)を除去して第1のアナログ信号のAC成分を出力する。
第2の受光部20bから出力された第2のアナログ信号は、第2のフィルター部21bに入力される。第2のフィルター部21bは、第1のフィルター部21aと同様に、ACフィルターとDCフィルター(図示せず)とを備える。ACフィルターは、第2のアナログ信号が入力されると、入力された第2のアナログ信号から脈動を示す脈動成分(AC成分)を除去して第2のアナログ信号のDC成分を出力する。DCフィルターは、第2のアナログ信号が入力されると、入力された第2のアナログ信号から脈波の基線のゆらぎ成分(DC成分)を除去して第2のアナログ信号のAC成分を出力する。
第1のフィルター部21aから出力された第1のアナログ信号のAC成分は、第1の増幅回路22aに入力される。第1の増幅回路22aは、第1のアナログ信号のAC成分が入力されると、入力された第1のアナログ信号のAC成分を増幅して出力する。第2のフィルター部21bから出力された第2のアナログ信号のAC成分は、第2の増幅回路22bに入力される。第2の増幅回路22bは、第2のアナログ信号のAC成分が入力されると、入力された第2のアナログ信号のAC成分を増幅して出力する。第1の増幅回路22a及び第2の増幅回路22bのゲインは、CPU11により設定される。
第1の増幅回路22aから出力された第1のアナログ信号のAC成分及び第1のフィルター部21aから出力された第1のアナログ信号のDC成分は、第1のA/D(analog to digital)変換部に入力される。第1のA/D変換部23aは、第1のA/D変換回路と第2のA/D変換回路(いずれも図示せず)とを備える。第1のA/D変換回路は、第1のアナログ信号のAC成分が入力されると、入力された第1のアナログ信号のAC成分をアナログ信号からデジタル信号に変換して出力する。具体的には、第1のA/D変換回路は、予め設定されたサンプリング周波数で第1のアナログ信号のAC成分をサンプリングして量子化する。このサンプリング周波数は、例えば100Hzである。量子化は、例えば10ビットで行われる。第2のA/D変換回路は、第1のアナログ信号のDC成分が入力されると、第1のA/D変換回路と同様に、入力された第1のアナログ信号のDC成分をアナログ信号からデジタル信号に変換して出力する。
第2の増幅回路22bから出力された第2のアナログ信号のAC成分及び第2のフィルター部21bから出力された第2のアナログ信号のDC成分は、第2のA/D変換部23bに入力される。第2のA/D変換部23bは、第3のA/D変換回路と第4のA/D変換回路(図示せず)とを備える。第3のA/D変換回路は、第2のアナログ信号のAC成分が入力されると、第1のA/D変換回路と同様に、入力された第2のアナログ信号のAC成分をアナログ信号からデジタル信号に変換して出力する。第4のA/D変換回路は、第2のアナログ信号のDC成分が入力されると、第1のA/D変換回路と同様に、入力された第2のアナログ信号のDC成分をアナログ信号からデジタル信号に変換して出力する。
第1のA/D変換部23a及び第2のA/D変換部23bのサンプリングにより得られるサンプリングデータは、CPU11に供給され、第1の増幅回路22a及び第2の増幅回路22bのゲインを設定するときの判断材料として用いられる。なお、以下の説明では、第1のA/D変換部23aから出力される第1のアナログ信号のAC成分とDC成分をまとめて「G信号」という。また、第2のA/D変換部23bから出力される第2のアナログ信号のAC成分とDC成分をまとめて「R信号」という。
図5は、CPU11の機能構成を示すブロック図である。CPU11は、除去部41と分離部42とを備える。第1のA/D変換部23aから出力されたG信号及び第2のA/D変換部23bから出力されたR信号は、除去部41に入力される。除去部41は、G信号及びR信号が入力されると、適応フィルターを用いて、入力されたR信号からR信号と相関のない信号成分を除去する。この「相関がない」とは、厳密にはG信号との相関が閾値よりも低いことをいう。また、「除去」とは、相関のない信号成分を完全に取り除くことだけではなく、相関のない信号成分を減衰させることをも含む概念である。
図6は、適応フィルターの概念図である。第1のA/D変換部23aから出力されたG信号は、遅延器51に入力される。遅延器51は、G信号が入力されると、入力されたG信号を遅延させて出力する。遅延器51から出力されたG信号は、加算器52に入力される。また、第2のA/D変換部23bから出力されたR信号は、FIR(finite impulse response)フィルター53に入力される。FIRフィルター53は、R信号が入力されると、入力されたR信号に対して係数を用いてフィルター処理を施して出力する。FIRフィルター53から出力されたR信号は、加算器52に入力される。加算器52は、G信号及びR信号が入力されると、入力されたG信号とR信号との差を誤差信号εとして出力する。FIRフィルター53の係数は、LMS(Least Mean Square)アルゴリズム等のアルゴリズムを利用して、加算器52から出力された誤差信号εの2乗の期待値がもっとも小さくなるように更新される。
上述したように、R信号には、G信号には含まれていない第2の信号成分が含まれている。この場合、FIRフィルター53により、R信号からG信号と相関のない第2の信号成分が除去される。これにより、第2の信号成分が除去されたR信号がFIRフィルター53から出力される。このR信号は、G信号と同様に第1の信号成分だけを含むため、G信号と高い相関を有する。
第1のA/D変換部23aから出力されたG信号及びFIRフィルター53から出力されたR信号は、分離部42に入力される。分離部42は、G信号及びR信号が入力されると、入力されたG信号及びR信号から、脈波成分と体動ノイズ成分とを分離する。この体動ノイズとは、体が動いたときの振動により生じる誤差をいう。分離部42により脈波成分と体動ノイズ成分とが分離されると、この脈動成分に基づき脈波が求められる。
図7は、G信号及びR信号の信号観測モデルを示す図である。図7において、pは、時刻tnにおける脈動を示す脈動信号であり、nは、時刻tnにおけるノイズを示すノイズ信号である。また、Gは、第1の受光部20a、つまり緑色光Lgの端子であり、Rは、第2の受光部20b、つまり赤色光Lrの端子である。脈動信号pは、伝達係数1でG端子に伝達され、伝達係数φsでR端子に伝達される。ノイズ信号nは、伝達係数1でG端子に伝達され、伝達係数φnでR端子に伝達される。
図7に示す信号観測モデルでは、以下の式(1)により脈動信号pとノイズ信号nとを混合すると、G端子で観測されるG信号とR端子で観測されるR信号とが得られる。つまり、脈動信号pとノイズ信号nを分離するためには以下の式(2)で示す逆行列演算を行えばよい。この式(2)における逆行列が分離マトリクスである。
式(2)に示す分離マトリクスを用いて、脈動信号pとノイズ信号nとを分離するには、φsとφnの推定が必要である。このφsは、体動の影響を殆ど受けていない安定期間におけるG信号に対するR信号のベクトルのノルム比である。また、φnは、体動による影響を受けているノイズ期間におけるG信号に対するR信号のベクトルのノルム比である。
分離部42は、以下の式(3)により安定期間のノルム比を算出する。式(3)において、‖RACpulse2は、安定期間におけるR信号のAC成分のノルムであり、‖GACpulse2は、安定期間におけるG信号のAC成分のノルムであり、‖RDCpulse2は、安定期間におけるR信号のDC成分のノルムであり、‖GDCpulse2は、安定期間におけるG信号のDC成分のノルムである。また、分離部42は、以下の式(4)によりノイズ期間のノルム比を算出する。式(4)において、‖RACnoise2は、ノイズ期間におけるR信号のAC成分のノルムであり、‖GACnoise2は、ノイズ期間におけるG信号のAC成分のノルムであり、‖RDCnoise2は、ノイズ期間におけるR信号のDC成分のノルムであり、‖GDCnoise2は、ノイズ期間におけるG信号のDC成分のノルムである。
分離部42は、式(3)によって求められたノルム比をφs、式(4)によって求められたノルム比をφnとして式(2)の分離マトリクスに代入し、ノイズ期間で測定されたG信号、R信号のAC成分の値を式(2)のG、Rに代入して演算することにより、ノイズ期間における脈動成分とノイズ成分とを分離する。
上述したように、赤色光Lrは緑色光Lgよりも生体内の深い部位に照射されるため、R信号には、G信号と相関のない信号成分が重畳されてしまう。しかし、上述した実施形態では、除去部41においてR信号からG信号との相関の低い信号成分が除去されるため、赤色光Lrと緑色光Lgが生体内の深さの異なる部位に照射されることによって生じる誤差を減らすことができる。また、R信号とG信号との相関が高くなると、G信号とR信号との間の相関が低い場合に比べて、分離部42においてG信号及びR信号から脈動成分とノイズ成分とを分離する精度を向上させることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、以下のように変形してもよい。また、以下の変形例を相互に組み合わせてもよい。
(1)変形例1
上述した実施形態では、第1の発光部19aから照射される光の波長と第2の発光部19bから照射される光の波長とが異なることにより、これらの光が生体内の深さの異なる部位に照射されていた。しかし、第1の発光部19aから照射される光の波長と第2の発光部19bから照射される光の波長とが同じであっても、第1の発光部19aと第1の受光部20aとの間の距離と、第2の発光部19bと第2の受光部20bとの間の距離とが異なる場合には、これらの光が生体内の深さの異なる部位に照射されることになる。
この変形例では、脈波測定装置1は、一波長の光を用いて脈波の測定を行う。この場合、第1の発光部19aと第2の発光部19bとは、同じ波長の光を照射する。例えば、第1の発光部19aと第2の発光部19bとはいずれも緑色光を照射する。また、第1の発光部19a、第2の発光部19b、第1の受光部20a及び第2の受光部20bは、第2の発光部19bと第2の受光部20bとの間の距離D4が、第1の発光部19aと第1の受光部20aとの間の距離D3よりも大きくなるように配置される。
図8は、この変形例に係る生体内における緑色光の経路を示す図である。上述したように、第2の発光部19bと第2の受光部20bとの間の距離D4は、第1の発光部19aと第1の受光部20aとの間の距離D3よりも大きい。この場合、第2の発光部19bから照射される第2の緑色光Lg2(第2の光の一例)は、生体内の深い部分の散乱光の割合が大きくなるため、生体内の平均浸透度が大きくなる。つまり、第2の発光部19bから照射される第2の緑色光Lg2は、第1の発光部19aから照射される第1の緑色光Lg1(第1の光の一例)よりも、生体内の深い部分を通過することになる。具体的には、第1の緑色光Lg1は、図8(a)に示すように、表皮31及び真皮32の浅い部分を通って測定部位T3(第1の部位の一例)に照射される。一方、第2の緑色光Lg2は、図8(b)に示すように、表皮31及び真皮32の深い部分を通って、測定部位T3よりも深い測定部位T4(第2の部位の一例)に照射される。
このような構成であっても、上述した実施形態と同様の処理を行うことにより、第1の緑色光Lg1と第2の緑色光Lg2が生体内の深さの異なる部位に照射されることによって生じる誤差を減らすことができる。
(2)変形例2
分離部42で行われる信号分離の方法は実施形態で説明した方法に限定されない。例えば、特開2009−261458号公報に記載された方法を適用して、2つの信号から脈動成分とノイズ成分とを分離してもよい。
(3)変形例3
上述した適応フィルターでは、係数可変フィルターとしてFIRフィルター53が用いられていた。しかし、適応フィルターにおいて用いられる係数可変フィルターは、FIRフィルター53に限定されない。例えば、FIRフィルター53に代えて、IIR(Infinite impulse response)フィルターが用いられてもよい。
(4)変形例4
上述した実施形態では、除去部41がデジタルフィルターにより実現されていた。しかし、除去部41は、アナログフィルターにより実現されてもよい。この場合、除去部41は、アナログフィルターを用いて、入力されたR信号からG信号と相関のない第2の信号成分を除去する。
(5)変形例5
第1の発光部19a、第2の発光部19bが照射する光は、緑色光、赤色光に限定されない。例えば、青色光、赤外光等、他の波長の光であってもよい。
(6)変形例6
上移した実施形態では、緑色光を受光する第1の受光部20aと、赤色光を受光する第2の受光部20bとが別々に設けられていた。しかし、第1の受光部20a及び第2の受光部20bに代えて、2分割フォトダイオードが用いられてもよい。
(7)変形例7
装置本体3と脈波センサー4とは、無線通信で接続されていてもよい。また、装置本体3と脈波センサー4とが一体に構成されてもよい。また、脈波センサー4が装着される部位は、指に限定されない。例えば、手の甲、手首、上腕、足の甲、耳朶等、生体の他の部位であってもよい。
(8)変形例8
CPU11において実行されるプログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリーなどの記録媒体に記録した状態で提供され、脈波測定装置1にインストールされてもよい。また、このプログラムは、インターネット等の通信回線を介して脈波測定装置1にダウンロードされてもよい。
1…脈波測定装置、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…表示部、15…操作部、16…発振回路、17…計時回路、18…駆動回路、19a…第1の発光部、19b…第2の発光部、20a…第1の受光部、20b…第2の受光部、21a…第1のフィルター部、21b…第2のフィルター部、22a…第1の増幅回路、22b…第2の増幅回路、23a…第1のA/D変換部、23b…第2のA/D変換部、41…除去部、42…分離部

Claims (6)

  1. 生体内の第1の部位に第1の光を照射する第1の照射部と、
    前記生体内の前記第1の部位よりも深い第2の部位に第2の光を照射する第2の照射部と、
    前記第1の部位で反射した前記第1の光を受光し、当該受光した第1の光を第1の信号に変換する第1の受光部と、
    前記第2の部位で反射した前記第2の光を受光し、当該受光した第2の光を第2の信号に変換する第2の受光部と、
    前記第2の信号から前記第1の信号と相関が閾値よりも低い信号成分を除去し、当該信号成分が除去された第2の信号を出力する除去部と
    を備えることを特徴とする脈波測定装置。
  2. 前記除去部は、適応フィルターを用いて前記信号成分の除去を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の脈波測定装置。
  3. 前記第1の受光部により変換された第1の信号及び前記除去部から出力された第2の信号から、前記生体の脈派を示す脈動成分とノイズ成分とを分離する分離部を備える
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の脈波測定装置。
  4. 前記第2の光は、前記第1の光よりも波長が大きい
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の脈波測定装置。
  5. 前記第2の照射部と前記第2の受光部の間の距離は、前記第1の照射部と前記第1の受光部との間の距離よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の脈波測定装置。
  6. 第1の照射部により生体内の第1の部位に第1の光が照射され、第1の受光部により前記第1の部位で反射した前記第1の光が第1の信号に変換され、第2の照射部により前記生体内の前記第1の部位よりも深い第2の部位に第2の光が照射され、第2の受光部により前記第2の部位で反射した前記第2の光が第2の信号に変換されると、前記第2の信号から前記第1の信号と相関が閾値よりも低い信号成分を除去し、当該信号成分が除去された第2の信号を出力する除去部
    を備えることを特徴とする信号処理装置。
JP2012013188A 2012-01-25 2012-01-25 脈波測定装置及び信号処理装置 Active JP6102055B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012013188A JP6102055B2 (ja) 2012-01-25 2012-01-25 脈波測定装置及び信号処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012013188A JP6102055B2 (ja) 2012-01-25 2012-01-25 脈波測定装置及び信号処理装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013150707A true JP2013150707A (ja) 2013-08-08
JP2013150707A5 JP2013150707A5 (ja) 2015-03-12
JP6102055B2 JP6102055B2 (ja) 2017-03-29

Family

ID=49047633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012013188A Active JP6102055B2 (ja) 2012-01-25 2012-01-25 脈波測定装置及び信号処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6102055B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020130875A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 フクダ電子株式会社 生体信号解析装置およびその制御方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1992015955A1 (en) * 1991-03-07 1992-09-17 Vital Signals, Inc. Signal processing apparatus and method
JPH11128184A (ja) * 1997-10-30 1999-05-18 Nippon Colin Co Ltd 反射型光電脈波検出装置
JPH11276448A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Seiko Epson Corp 信号抽出装置および信号抽出方法
JP2005245574A (ja) * 2004-03-02 2005-09-15 Nippon Koden Corp 信号処理方法及びそれを用いたパルスフォトメータ
JP2009261458A (ja) * 2008-04-22 2009-11-12 Nippon Koden Corp 信号処理方法及びそれを用いたパルスフォトメータ
JP2009279384A (ja) * 2008-04-22 2009-12-03 Nippon Koden Corp 信号処理方法、信号処理装置及びそれを用いたパルスフォトメータ
JP2011104124A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Seiko Epson Corp 脈測定装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1992015955A1 (en) * 1991-03-07 1992-09-17 Vital Signals, Inc. Signal processing apparatus and method
JPH11128184A (ja) * 1997-10-30 1999-05-18 Nippon Colin Co Ltd 反射型光電脈波検出装置
JPH11276448A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Seiko Epson Corp 信号抽出装置および信号抽出方法
JP2005245574A (ja) * 2004-03-02 2005-09-15 Nippon Koden Corp 信号処理方法及びそれを用いたパルスフォトメータ
JP2009261458A (ja) * 2008-04-22 2009-11-12 Nippon Koden Corp 信号処理方法及びそれを用いたパルスフォトメータ
JP2009279384A (ja) * 2008-04-22 2009-12-03 Nippon Koden Corp 信号処理方法、信号処理装置及びそれを用いたパルスフォトメータ
JP2011104124A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Seiko Epson Corp 脈測定装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020130875A (ja) * 2019-02-25 2020-08-31 フクダ電子株式会社 生体信号解析装置およびその制御方法
JP7278102B2 (ja) 2019-02-25 2023-05-19 フクダ電子株式会社 生体信号解析装置およびその制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6102055B2 (ja) 2017-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103153198B (zh) 生物体光测量装置和使用它的生物体光测量方法
US10542920B2 (en) Measurement device, measurement method, program, and recording medium
JP5382666B2 (ja) 濃度測定装置及び濃度測定方法
JP5658993B2 (ja) 生体計測装置
JP5244988B1 (ja) 濃度測定装置および濃度測定方法
JP2005518238A (ja) ケプストラム領域パルスオキシメータ
JP2007083021A (ja) 酸素飽和度測定装置及び測定方法
JP2011104124A (ja) 脈測定装置
JP2013056082A (ja) 信号処理装置、脈波計測装置及び信号処理方法
CN107233089B (zh) 活体信息测量装置
JP2015039421A (ja) 脈波測定装置
JP6102055B2 (ja) 脈波測定装置及び信号処理装置
JP6179064B2 (ja) 脈波測定装置及び信号処理装置
EP3360467A1 (en) Object information acquiring apparatus and display method
JP2006006897A (ja) 血圧測定方法及び装置
JP5817362B2 (ja) 信号処理装置、脈波計測装置及び信号処理方法
JP7278102B2 (ja) 生体信号解析装置およびその制御方法
JP2012157423A (ja) 脈波信号計測装置、およびプログラム
JP6098261B2 (ja) 信号処理装置、脈波測定装置および信号処理方法
JP6399528B2 (ja) 濃度測定装置及び濃度測定装置の作動方法
JP6016145B2 (ja) 濃度測定装置及び濃度測定装置の作動方法
CN117337164A (zh) 胸骨压迫的评价装置及评价方法
JP2013162820A (ja) 脈波測定装置及びプログラム
JP6124371B2 (ja) 濃度測定装置及び濃度測定装置の作動方法
JP7106893B2 (ja) 生体情報測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150122

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6102055

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150