JP2013146644A - 塗工装置及び電極の製造方法 - Google Patents

塗工装置及び電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構造で、且つ良好な塗工材料を塗工することが可能な塗工装置及び電極の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
ペーストを塗工部へ流通させる接続パイプ34Aにフィルター装置20を配置して前記ペーストを濾過するように構成された塗工装置において、
前記フィルター装置20は、最大目開き部分X3から最小目開き部分X4までの助走距離L1が、前記最小目開き部分X4における幅B3の1/2の寸法よりも長くなるような断面を有する線材20Aを網目状に配置して形成されていることを特徴する。
【選択図】図4

Description

この発明は、塗工材料を塗工するための塗工装置及び電極の製造方法に関するものである。
近年、環境保護、省エネルギーの観点から、エンジンとモータを動力源として併用したハイブリッド自動車やモータを動力源とした電気自動車が開発、製品化されている。このハイブリッド自動車や電気自動車のエネルギー源として、電気を繰り返し充電放電可能な二次電池は必須の技術である。
なかでも、リチウム二次電池は、その動作電圧が高く、高い出力を得やすいので有力な電池であり、ハイブリッド自動車や電気自動車の電源としてますます重要性が増してきている電池である。
ハイブリッド自動車や電気自動車用として用いられるリチウム二次電池としては、信頼性が最も重要であるが、リチウム二次電池の製造時に信頼性に影響を与える項目としては、スラリー中の粗大異物などがある。したがって、リチウム二次電池の製造時には、信頼性向上のために、スラリー中の粗大異物などをフィルターなどによって取り除くことが行われている。
このようなフィルターを備えたリチウム二次電池の製造方法としては、例えば、特許文献1に記載されたリチウム二次電池およびその製造方法が知られている。
特開2009−301942号公報
しかし、この特許文献1に記載されたリチウム二次電池およびその製造方法においては、スラリーに高圧力(100〜200MPa)を付加した状態でフィルターを通過させており、したがって、このようなものにおいては、スラリーに高圧力を付加するための装置や圧力隔壁が別途必要となって装置の構造が複雑なものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、簡単な構造で、且つ良好な塗工材料を塗工することが可能な塗工装置及び電極の製造方法を提供することを目的とする。
上記の問題点を解決するために、本発明の塗工装置は、次の構成を有している。
(1)塗工材料を塗工部へ流通させる配管部にフィルター部材を配置して前記塗工材料を濾過するように構成された塗工装置において、前記フィルター部材は、最大目開き部分から最小目開き部分までの寸法が、前記最小目開き部分における幅の1/2の寸法よりも長くなるような断面を有する線材を網目状に配置して形成されていることを特徴する。
(2)(1)に記載する塗工装置において、前記線材は、断面楕円形状を成すことを特徴とする。
(3)塗工材料を塗工部へ流通させる配管部にフィルター部材を配置して前記塗工材料を濾過するように構成された塗工装置において、前記フィルター部材は、最大目開き部分での目開きをX1、線幅をB1、最小目開き部分での目開きをX2、線幅をB2、最大目開き部分から最小目開き部分までの長さをLとしたときに、(X2/(X2+B2))/(X1/(X1+B1))/L<0.91/50の条件、望ましくは、(X2/(X2+B2))/(X1/(X1+B1))/L<0.83/50の条件を満たすことを特徴とする。
(4)(3)に記載する塗工装置において、前記フィルター部材は、板材に多数の孔を穿設して構成されていることを特徴とする。
また、上記の問題点を解決するために、本発明の電極の製造方法は、次の構成を有している。
(5)(1)乃至(4)のいずれかに記載する塗工装置を用いて支持体に塗工材料を塗工して電極を製造したことを特徴とする。
上記構成を有する本発明の塗工装置の作用・効果について説明する。
(1)塗工材料を塗工部へ流通させる配管部にフィルター部材を配置して前記塗工材料を濾過するように構成された塗工装置において、前記フィルター部材は、最大目開き部分から最小目開き部分までの寸法が、前記最小目開き部分における幅の1/2の寸法よりも長くなるような断面を有する線材を網目状に配置して形成されているので、塗工材料は、従来のような高圧力に加圧されなくても良好にフィルター部材を通過して濾過され、したがって簡単な構造でもって品質的に良好な塗工材料を塗工することができるなど優れた作用効果を奏する。
(2)(1)に記載する塗工装置において、前記線材は、断面楕円形状を成すので、塗工材料は、従来のような高圧力に加圧されなくても良好にフィルター部材を通過して濾過され、したがって簡単な構造でもって品質的に良好な塗工材料を塗工することができる。
(3)塗工材料を塗工部へ流通させる配管部にフィルター部材を配置して前記塗工材料を濾過するように構成された塗工装置において、前記フィルター部材は、最大目開き部分での目開きをX1、線幅をB1、最小目開き部分での目開きをX2、線幅をB2、最大目開き部分から最小目開き部分までの長さをLとしたときに、(X2/(X2+B2))/(X1/(X1+B1))/L<0.91/50の条件、望ましくは、(X2/(X2+B2))/(X1/(X1+B1))/L<0.83/50の条件を満たすので、塗工材料は、従来のような高圧力に加圧されなくても良好にフィルター部材を通過して濾過され、したがって簡単な構造でもって品質的に良好な塗工材料を塗工することができるなど優れた作用効果を奏する。
(4)(3)に記載する塗工装置において、前記フィルター部材は、板材に多数の孔を穿設して構成されているので、前記フィルター部材の製作が簡単である。
また、上記構成を有する本発明の電極の製造方法の作用・効果について説明する。
(5)(1)乃至(4)のいずれかに記載する塗工装置を用いて支持体に塗工材料を塗工して電極を製造したので、品質的に良好な塗工材料を塗工することができ、したがって、電池の信頼性および特性が向上すると共に、品質が安定する。
本発明のペースト塗工装置及び電極の製造方法を実施する実施形態1に係る電極の製造装置を概略的に示す図である。 フィルター装置付近における接続パイプの断面図である。 フィルター装置の一部を拡大して示す図である。 フィルター装置の一部拡大端面図である。 実施形態2に係るフィルター装置を示す図である。 フィルター装置の一部拡大断面図である。 フィルター装置の試験装置を示す図である。 実験結果を示す図である。 従来のフィルターの一部断面図である。
(実施形態1)
以下、本発明に係る塗工装置及び電極の製造方法について、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は、適宜簡略化或いは変形誇張されて描画されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも実施例と同一ではない。
図1は、本発明の塗工装置及び電極の製造方法を実施する実施形態1に係る電極の製造装置を概略的に示す図である。
図1に示すリチウム二次電池の電極の製造装置10について、以下に図1を参照してその詳細を説明する。
すなわち、電極の製造装置10は、ペースト塗工装置12と、塗工ローラ14とから構成され、前記ペースト塗工装置12は、前記塗工ローラ14に支持される支持体16の片側面に負電極ペースト38(本発明の塗工材料に相当する)を塗工することができ、それにより、リチウム二次電池の負電極が製造される。
前記ペースト塗工装置12は、混練された負電極ペーストを貯蔵するタンク18と、前記支持体16に負電極ペースト38を塗工するコーティングダイ(塗工部)30と、前記負電極ペースト38中から粗大異物を除去するためのフィルター装置20と、前記タンク18に貯蔵された負電極ペースト38を、前記フィルター装置20を介してコーティングダイ30に移送するポンプ22とを備える。前記ポンプ22は、無脈動・定量移送を実現可能なモーノポンプにより構成されている。なお、前記フィルター装置20が本発明のフィルター部材に相当する。また、ポンプ22は、100kPa〜700KPaの吐出圧で負電極ペースト38を吐出することが可能である。
前記ポンプ22の吸入側は、前記タンク18の底部に接続パイプ34Aを介して接続され、また、前記ポンプ22の吐出側は、前記フィルター装置20を介してコーティングダイ30に接続パイプ34Aによって接続されている。
前記コーティングダイ30は、エクストルージョン型のダイであり、前記フィルター装置20からの接続パイプ34Aが接続される供給口とは導入路30Aを介して接続されるスリット状の吐出口30Bを備える。前記塗工ローラ14は、吐出口30Bと近接して配置されており、従って、前記ポンプ22によってコーティングダイ30に供給された負電極ペースト38は、吐出口30Bから流出して前記塗工ローラ14上に支持された前記支持体16の片側面に均一の厚さで塗工される。
したがって、前記ペースト塗工装置12は、前記タンク18から前記コーティングダイ30の吐出口30Bに至る塗工流路34を有し、前記フィルター装置20は、前記塗工流路34中の前記コーティングダイ30に近接した位置に配置されている。なお、前記塗工流路34は、接続パイプ34A(本発明の配管部に相当する)によって形成されている。
前記タンク18の容量は、半日もしくは1日の作業に必要な前記負電極ペースト38の量によって決定され、通常100リットル〜300リットル程度の容量のものが用いられる。
前記負電極ペースト38は、負極活性物質、負極導電材及び分散剤を溶媒に分散させながら混練して製造したものである。さらに前記負電極ペースト38には、結着剤を含有させることが好ましい。
負極活物質としては特に限定はされないが、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能な金属Li、またはその合金、スズ合金、シリコン合金負極、LiXFe23、LiXFe34、LiXWO2等の金属酸化物系、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン等の導電性高分子、ソフトカーボンやハードカーボンといった、アモルファス系炭素質材料や、高黒鉛化炭素材料等の人造黒鉛、あるいは天然黒鉛等の炭素質粉末、カーボンブラック、メソフェーズカーボンブラック、樹脂焼成炭素材料、気層成長炭素繊維、炭素繊維などの炭素系材料が用いられる。
また、負極導電材としては、炭素材料が最も好ましい。炭素材料としては、導電性を有する炭素材料であれば特に限定されるものではないが、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー、フラーレン等を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。導電性、入手の容易さ、およびコスト面から、カーボンブラックの使用が好ましい。
カーボンブラックとしては、気体もしくは液体の原料を反応炉中で連続的に熱分解し製造するファーネスブラック、特にエチレン重油を原料としたケッチェンブラック、原料ガスを燃焼させて、その炎をチャンネル鋼底面にあて急冷し析出させたチャンネルブラック、ガスを原料とし燃焼と熱分解を周期的に繰り返すことにより得られるサーマルブラック、特にアセチレンガスを原料とするアセチレンブラックなどの各種のものを単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。また、通常行われている酸化処理されたカーボンブラックや、中空カーボン等も使用できる。
また、分散剤としては、例えば、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体から選ばれる1種以上の分散剤を挙げられる。
また、溶媒としては、例えば、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、リン酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル類、水等が挙げられる。
また、結着剤としては、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルピロリドン等を構成単位として含む重合体または共重合体;ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂;カルボキシメチルセルロースのようなセルロース樹脂;スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴムのようなゴム類;ポリアニリン、ポリアセチレンのような導電性樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂の変性体や混合物、および共重合体でも良い。特に、耐性面から分子内にフッ素原子を含む高分子化合物、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン等の使用が好ましい。
また、支持体16としては、材質や形状は特に限定されず、材質としては、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、ステンレス等の金属や合金が用いられるが、特にアルミニウムの使用が好ましい。また、形状としては、一般的には平板上の箔が用いられるが、表面を粗面化したものや、穴あき箔状のもの、およびメッシュ状のものも使用できる。
また、支持体16上に電極下地層があらかじめ形成されていてもよく、電極下地ペーストを支持体16上に塗布、乾燥する方法が挙げられる。電極下地層の膜厚としては、導電性および密着性が保たれる範囲であれば特に制限されないが、一般的には0.05μm以上、20μm以下であり、好ましくは0.1マイクロμm以上、10μm以下である。
電極下地層を用いる場合は、塩基性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体、塩基性官能基を有するアクリドン誘導体、または塩基性官能基を有するトリアジン誘導体から選ばれる1種以上の分散剤と、導電助剤としての炭素材料、分散助剤としての酸、および溶剤とからなる分散体をそのまま使用しても良いが、上記バインダー成分を添加し、電極下地ペーストとして使用することが好ましい。
なお、負電極は、支持体16上に負電極ペーストを直接塗工したものでも良い。
図2は、前記フィルター装置20付近における接続パイプ34Aの断面図である。図2において、接続パイプ34Aの一部には、左側膨径部34Bと右側膨径部34Cが形成されている。
前記左側膨径部34Bは、右側端が開放され、その開放部にはフランジ34Dが形成されている。また、前記右側膨径部34Cは、左側端が開放され、その開放部にはフランジ34Eが形成されている。前記フィルター装置20は、前記左側膨径部34Bのフランジ34Dと右側膨径部34Cのフランジ34Eとの間に狭持された状態で複数組みのボルト35とナット36により固定されている。
前記左側膨径部34Bのフランジ34Dと前記フィルター装置20との間、前記右側膨径部34Cのフランジ34Eと前記フィルター装置20との間には、O(オー)リング37がそれぞれ配置されており、それによってその間のシールが確保されている。
次に、以上のように構成された電極の製造装置10において、以下にその動作を説明する。
まず、負極活性物質、負極導電材、分散剤及び結着剤などの原材料を溶媒に分散させながら混練して負電極ペースト38を製造して、それをタンク18に投入する。この際、負電極ペースト38は、異物や原材料の凝縮或いは未分散などによる粗大粉末などが混入する可能性がある。
次に、ポンプ22を起動してタンク18内の負電極ペースト38を、フィルター装置20を介してコーティングダイ30に供給すると共に、塗工ローラ14を回転させて塗工ローラ14上に支持された支持体16を移動させると、支持体16の片側面に、吐出口30Bから吐出する負電極ペースト38が一定の厚みで塗工され、その後、乾燥などの所定の工程を経て電池の負電極が製造できる。そして、このようにして製造された負電極は、周知の正電極や電解質と組み合わされてリチウム二次電池として組み立てられる。
このとき、負電極ペースト38は、ポンプ22の吐出圧(100kPa〜700KPa)で容易にフィルター装置20を通過し、また、フィルター装置20部分で目詰まりを起こすこともない。したがって、フィルター装置20は、接続パイプ34A内を流通する負電極ペースト38に含まれる異物や原材料の凝縮或いは未分散などによる粗大粉末を取り除くことができ、その結果、品質的に良好な負電極ペースト38をコーティングダイ30によって支持体16に塗工することができる。
したがって、このようにして製造された電池は、信頼性および性能が向上し、品質も安定する。
次に、前記フィルター装置20の詳細を説明する。図3は、フィルター装置20の一部を拡大して示す図であり、図4は、その端面図である。
前記フィルター装置20は、断面形状楕円形を成す線材20Aを網目状に組んで形成されている。前記線材20Aは、ステンレスなどの金属材料で形成されており、合成樹脂材料など他の材料により形成しても差し支えない。
前記フィルター装置20の一つの編み目について注目すると、図4に示すように、線材20Aの断面形状を楕円形状にすることによって、入口側の最大目開きX3とそれより下流側の最小目開きX4との距離、すなわち助走距離L1は、最小目開きX4部分における線材20Aの幅B3の1/2の寸法よりも大きくなるように構成されている。
したがって、フィルター装置20部分において、線材20Aの存在によって流路の断面積が減少するが、本実施例の場合には、入口側の最大目開きX3と最小目開きX4の寸法は同じであるが、助走距離L1が長いので、開口率の減少(変化)が穏やかなものとなり、開口率の減少に伴って溶剤などの液体の流速の増加も穏やかになり、それに伴って原材料の粒子群の流速も十分に増加する。したがって、従来のように、高圧力をペーストに付与しなくても、通常のポンプ22の吐出圧(輸送圧)によってフィルター装置20により負電極ペースト38を良好に濾過することができ、その部分において、滞留・密集などが発生することがない。
すなわち、図9に示すように、断面円形の針金21を網目状に組んでフィルターを構成すると、図9において上側から流れてきたスラリーは、フィルター部分において針金21の存在により、助走距離L2は針金21の幅B4の1/2となるため、フィルターの開口率が急速に減少し、それに伴って流路の断面積が急速に減少する。その結果、液体成分は流路の断面積が急速に減少に伴って流速を急速に早めて通過し得るが、スラリー中の粉末成分はその速度変化に追従できず、フィルターの上流側に滞留し、やがてフィルターの目詰まりが発生する。つまり、液体成分はフィルターを通過するので、フィルターの上流側においてスラリーの粉末成分の比率が高くなり、フィルターの目詰まりを加速させる結果となる。
特に近年、リチウム二次電池の原材料の多表面積化(微粒子化)、ペーストの高NV(Non Volatile)化が進み、その結果、フィルターが目詰まりし易くなっていた。
それに対して、本実施例においては、上述したように、フィルター装置20部分において、助走距離L1が長いので、線材20Aの存在による開口率の減少が穏やかなものとなり、したがって、溶剤などの液体の流速の増加も穏やかとなり、それに伴って原材料の粒子群の流速も十分に追従して増加し、その結果、滞留・密集などが発生せず、フィルター装置20部分における目詰まりの発生を防止することができる。つまり、負電極ペースト38を良好に濾過することができる。
先に説明した特許文献1に記載されたリチウム二次電池およびその製造方法は、スラリーを高圧力に加圧することによりフィルターを通過させてフィルターの目詰まりを防止するものであるが、このようなものにおいては、スラリーを加圧するための装置が別途必要となって装置の構造が複雑なものとなっていたが、本実施例においては、通常のポンプ22の吐出圧(輸送圧)によってフィルター装置20により負電極ペースト38を良好に濾過することができ、ペースト塗工装置12の構造も複雑にならず、装置のコストを低減できる。
(実施形態2)
図5は、フィルター装置200を示す図であり、図6は、その要部断面図である。
本実施例は、前述した実施例とは、フィルター装置200の構成が異なるのみで、その他は、上述の実施例と同様である。すなわち、前述の実施例のフィルター装置20は、入口側の最大目開きX3と最小目開きX4の寸法は同じで助走距離L1を変化させたものであるが、本実施例のフィルター装置200は、下流側の目開きX2の寸法と助走距離Lとが一定で、上流側の目開きX1を変化させたものである。なお、前述した実施例と同様の作用効果を奏するものには同様の符号を付して説明する。
すなわち、フィルター装置200は、ステンレス製のフィルター板201に孔202を千鳥状に多数形成してフィルターとしてものである。前記孔202の形成領域は、左側膨径部34B(右側膨径部34C)の開口部の大きさと一致しており、そのフィルター板201の外周部が左側膨径部34Bのフランジ34Dと右側膨径部34Cのフランジ34Eとの間に狭持された状態で複数組みのボルト35とナット36により固定される。なお、フィルター板201が本発明の板材に相当する。
図6に示すように、前記孔202は、下流側に向かうに従って開口率が小さくなるようにテーパ状になるようにしてフィルター板201に穿設されている。
すなわち、上流側の幅B1、上流側の目開きX1、下流側の幅B2、下流側の目開きX2とすると、B1<B2、X1>X2となるように前記孔202が形成されている。
前記孔202は、レーザー加工によりフィルター板201に穿設されているが、その他、エッチング加工を用いることも可能である。フィルター装置200は、フィルター板201にレーザー加工により多数の孔202を穿設して形成したので、安価に製作可能である。
次に、以上のように構成された電極の製造装置10において、以下にその動作を説明する。
まず、負極活性物質、負極導電材、分散剤及び結着剤などの原材料を溶媒に分散させながら混練して負電極ペースト38を製造して、それをタンク18に投入する。この際、負電極ペースト38は、異物や原材料の凝縮或いは未分散などによる粗大粉末などが混入する可能性がある。
次に、ポンプ22を起動してタンク18内の負電極ペースト38を、フィルター装置200を介してコーティングダイ30に供給すると共に、塗工ローラ14を回転させて塗工ローラ14上に支持された支持体16を移動させると、支持体16の片側面に、吐出口30Bから吐出する負電極ペースト38が一定の厚みで塗工され、その後、乾燥などの所定の工程を経て電池の負電極が製造できる。そして、このようにして製造された負電極は、周知の正電極や電解質と組み合わされてリチウム二次電池として組み立てられる。
このとき、負電極ペースト38は、ポンプ22の吐出圧(100kPa〜700KPa)で容易にフィルター装置200を通過し、また、フィルター装置200部分で目詰まりを起こすこともない。したがって、フィルター装置200は、接続パイプ34A内を流通する負電極ペースト38に含まれる異物や原材料の凝縮或いは未分散などによる粗大粉末を取り除くことができ、その結果、品質的に良好な負電極ペースト38をコーティングダイ30によって支持体16に塗工することができる。
したがって、このようにして製造された電池は、信頼性および性能が向上し、品質も安定する。
つまり、本実施例においては、上述したように、孔202は、下流側に向かうに従って開口率が小さくなるようにテーパ状になるようにしてフィルター板201に穿設されているので、フィルター板201の存在による開口率の減少が穏やかなものとなり、したがって、溶剤などの液体の流速の増加も穏やかとなり、それに伴って原材料の粒子群の流速も十分に追従して増加し、その結果、滞留・密集などが発生せず、フィルター装置200部分における目詰まりの発生を防止することができる。つまり、負電極ペースト38を良好に濾過することができる。
(実験例)
フィルター装置200(20)の性能をテスト・比較するために、図7に示すようなフィルター装置の試験装置40を用いて実験をした。
前記試験装置40は、ペーストを貯蔵するための直径100mmの円筒形タンク42と、下部タンク44と、前記円筒形タンク42と前記下部タンク44との間に配置される試験用フィルター装置46とから構成され、前記下部タンク44は、真空ポンプ48により吸引されるように構成されている。
前記試験用フィルター装置46は、フィルター板の中心部の直径5mmの領域に、多数の孔が千鳥状に穿設されて構成されている。
前記試験用フィルター装置46は、図8に示すように、孔のテーパ形状の異なる3種類のフィルターA乃至フィルターCを準備した。すなわち、3種類のフィルターA乃至フィルターCの下流側の幅B2、下流側の目開きX2は同じとし、上流側の目開きX1、下流側の幅B2を図8に示すように変化させた。下流側の目開きX2は、50μmとした。また、フィルターA乃至フィルターCの助走距離Lは、フィルター板の厚さである50μmである。
この際の円筒形タンク42に投入されるペーストの条件は、下記の通りである。
粘度:500mPa・s〜6000mPa・s(E型、1rpm)
NV:40%〜70%
粒子の平均粒径:2〜20μm
また、真空ポンプ48の真空圧は、−80kPaである。
実験結果を図8に示す。
フィルターAは、上流側の目開きX1と下流側の目開きX2とが、同じであるので、試験用フィルター装置46の存在によって、急速に流路の断面積が減少する。それに伴って、液体成分は、急速に流速を増加させるが、粉末成分は、液体成分の流速の変化に追従できずに試験用フィルター装置46の上流側に滞りがちとなり、やがてフィルターの目詰まりが発生したものと推測される。つまり、液体成分はフィルターを通過するが、粉末成分が通過できず、その結果、粉末成分の比率が高くなってフィルターの目詰まりを加速させる結果となったものと推測する。
それに対してフィルターCは、下流側の目開きX2に対して上流側の目開きX1が大きくなるように設定されているため、試験用フィルター装置46の存在によって、急速に流路の断面積が徐々に減少する。それに伴って、液体成分は、徐々に流速を増加させるために、粉末成分も液体成分の流速の変化に伴って徐々に流速を増加させて良好に試験用フィルター装置46を通過し、その結果、フィルターの目詰まりが発生しなかったものと推測される。
また、フィルターBは、目詰まりが発生したが、実用上は差し支えないものと推測する。つまり、この実験結果からすれば、(X2/(X2+B2))/(X1/(X1+B1))/L<0.83/50の条件を満たせば、目詰まりが発生せず、ペーストを良好に濾過することが可能であることが判明した。また、この実験結果から推測して、(X2/(X2+B2))/(X1/(X1+B1))/L<0.91/50の条件を満たせば、目詰まりがあまり発生せず、ペーストを良好に濾過することが可能で、実用上使用可能であることも判明した。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。例えば、上述した実施例では、電極の製造装置10は、負電極ペーストを塗工してリチウム二次電池の負電極を製作するものであったが、正電極ペーストを塗工してリチウム二次電池の正電極を製作するものであっても良い。
10・・・電極の製造装置
12・・・ペースト塗工装置
18・・・タンク
20(200)・・・フィルター装置
20A・・・線材
201・・・フィルター板
202・・・孔
34A・・・接続パイプ
38・・・負電極ペースト
30・・・コーティングダイ

Claims (5)

  1. 塗工材料を塗工部へ流通させる配管部にフィルター部材を配置して前記塗工材料を濾過するように構成された塗工装置において、
    前記フィルター部材は、最大目開き部分から最小目開き部分までの寸法が、前記最小目開き部分における幅の1/2の寸法によりも長くなるような断面を有する線材を網目状に配置して形成されていることを特徴する塗工装置。
  2. 請求項1に記載する塗工装置において、
    前記線材は、断面楕円形状を成すことを特徴とする塗工装置。
  3. 塗工材料を塗工部へ流通させる配管部にフィルター部材を配置して前記塗工材料を濾過するように構成された塗工装置において、
    前記フィルター部材は、最大目開き部分での目開きをX1、線幅をB1、最小目開き部分での目開きをX2、線幅をB2、最大目開き部分から最小目開き部分までの長さをLとしたときに、(X2/(X2+B2))/(X1/(X1+B1))/L<0.91/50の条件、望ましくは、(X2/(X2+B2))/(X1/(X1+B1))/L<0.83/50の条件を満たすことを特徴とする塗工装置。
  4. 請求項1に記載する塗工装置において、
    前記フィルター部材は、板材に多数の孔を穿設して構成されていることを特徴とする塗工装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載する塗工装置を用いて支持体に塗工材料を塗工して電極を製造したことを特徴とする電極の製造方法。
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