JP2013125837A - 半導体装置の製造における熱処理方法 - Google Patents

半導体装置の製造における熱処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】SiC基板上に形成されたSiO2膜を、質量密度が2.24g/cm3以上で、酸素欠損が少ないSiO2膜に改質するための熱処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る熱処理方法は、SiC基板上に形成されたSiO2膜の熱処理方法であって、H2Oガス雰囲気において、SiO2膜を851℃以上867℃以下で一定時間保持する工程を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、SiC基板上に形成されたSiO2膜の熱処理方法に関し、特に、H2Oガス雰囲気において熱処理を行う、半導体装置の製造における熱処理方法に関する。
代表的な半導体装置である、金属−酸化物−半導体−電界効果トランジスタ(MOSFET)は、様々な半導体デバイスに用いられているが、高電圧大電流のスイッチング用途に用いられるものは、パワーデバイスと呼ばれる。
パワーデバイスは従来シリコン基板上に作製されてきたが、近年は、耐圧などの特性を向上するためSiC基板上に作られるようになってきている。本明細書において、SiC基板上に作製されたMOSFETを、以後、SiC−MOSFETと呼ぶ。
SiC−MOSFETの特性向上や信頼性向上には、トランジスタのゲート絶縁膜の絶縁特性向上が極めて重要な課題である。ゲート絶縁膜の形成には、一般に、SiC基板をO2ガスやH2Oガスを用いて熱酸化することで、SiC基板上にSiO2膜を形成する方法や、化学気相成長法(CVD法)などの堆積法を用いてSiC基板上にSiO2膜を形成する方法が用いられる。本明細書では、前者を熱酸化膜、後者をCVD酸化膜と呼ぶ。
また、SiO2膜の絶縁特性向上、信頼性向上、トランジスタの移動度向上のため、SiO2膜中にNを導入したSiON膜もよく用いられる。SiON膜の形成方法としては、SiO2膜形成後にNO、N2O、もしくはNH3ガスなどを用いて熱窒化する方法がある。また、NOもしくはN2Oガスを用いてSiC基板を直接、熱酸窒化する方法もある。
SiCはSiよりも酸化されにくいため、熱酸化膜の形成温度は通常900℃以上の高温が用いられる。また、CVD酸化膜は、低温で形成可能なプラズマCVD法よりも、700℃以上が必要な熱CVD法を用いて形成されることが多い。これは、プラズマCVD法で形成されたSiO2膜よりも熱CVD法で形成されたSiO2膜の方が絶縁特性に優れていると一般的に考えられているからである。また、熱窒化や熱酸窒化も一般には900℃以上の高温が用いられる。
このような高温下で形成されたSiO2膜、もしくはSiON膜は、処理装置から外部に取り出されるまでに、必ず冷却工程を経ることになる。冷却工程の雰囲気として、通常はN2ガスやArガスなどの不活性ガス雰囲気や、不活性ガスの減圧雰囲気、真空が用いられる。
絶縁特性向上や信頼性向上のため、様々なSiO2膜形成方法もしくは形成条件が検討されているが、より絶縁特性や信頼性に優れたSiC−MOSFETを開発するには、SiO2膜の緻密化、即ち質量密度の増加と、SiO2膜中に存在する酸素欠損などの欠陥の低減が重要である。
質量密度の増加は、SiO2膜の禁制帯幅を増加させるため、絶縁特性を向上させる効果がある。また、質量密度の増加は、原子の数密度も増加させるため、電子の移動を妨げる効果が強まり、リーク電流を抑制するなど絶縁特性を向上させる効果がある。
一方、酸素欠損は、リーク電流や絶縁破壊の起点もしくは中継点になると考えられているため、酸素欠損の低減は、絶縁特性向上や信頼性向上に効果がある。また、SiO2/Si界面近傍に存在する酸素欠損は、界面準位の形成要因となるため、トランジスタの移動度を低下させる。従って、酸素欠損の低減はトランジスタの移動度向上にも効果がある。
質量密度を増加させる方法として、例えば、特許文献1では、SiO2膜を高圧で熱処理する方法が提案されている。この文献には、高圧熱処理によりSiO2膜の粘度が低下することにより、酸化膜の構造が再配列され、質量密度が増加すると記載されている。また、H2Oガスを含んだ雰囲気での高圧熱処理では、SiO2膜の粘度をより低下させることができると記載されている。また、記載されてはいないが、H2Oガスを含んだ雰囲気での処理には、酸素欠損を低減する効果があると考えられる。
また、例えば、特許文献2では、SiO2/Si界面の界面準位の形成を抑制する方法として、異なる温度で酸素を含む雰囲気での2段階の熱処理を行う方法が提案されている。1回目の熱処理温度は900℃で、2回目の熱処理温度は850℃以下が良いと記載されている。
特開平11−3936号公報 特開2003−209251号公報
しかし、特許文献1に記載の方法を、SiC−MOSFETのゲート絶縁膜に適用するには大きな問題がある。H2Oガスを含んだ雰囲気で高圧熱処理を行うと、SiC基板が酸化され、新たにSiO2膜が形成されるため、結果的にSiO2膜の厚みが増加することになる。SiC基板に直接高圧熱処理を行うことにより、SiO2膜の形成も同時に行うことで、所望の膜厚のSiO2膜を形成することは可能であるが、所望の膜厚に達するまでの短い時間しか高圧熱処理を行うことができない。従って、質量密度を充分に増加させることができない。数100nm以上の厚い絶縁膜においては大きな問題とならなくても、数nm以下の極めて薄いゲート絶縁膜においては、SiC基板の酸化は深刻な問題となる。
一方、H2OガスやO2ガスなどの酸化性ガスを含まない、不活性ガス雰囲気で高圧熱処理を行った場合、SiO2膜の膜厚の増加は避けることができるが、Oを供給しないため、酸素欠損を充分低減することができない。従って、特許文献1の方法をSiC−MOSFETのゲート絶縁膜に適用して、質量密度の増加と酸素欠損の低減の両立を図ることは不可能である。
また、SiO2の密度の上限は圧力と温度で決定され、例えば特許文献1が想定している1000℃では、2.24g/cm3が上限となる。特許文献1では、SiO2膜として、CVD酸化膜を想定しており、この膜の質量密度は一般に2.0〜2.15g/cm3程度の密度であるため、2.24g/cm3まで密度が増加することにより改善効果が見込まれる。しかし、熱酸化膜は一般に、2.20〜2.24g/cm3程度の密度であるため、上限が2.24g/cm3であると、高圧熱処理による密度増加の効果はほとんどない。
特許文献2に記載の方法を適用する場合にも問題がある。1回目の熱処理が900℃以上であるため、質量密度の上限は2.24g/cm3である。上述した様に、熱酸化膜は一般に、2.20〜2.24g/cm3程度の密度であるため、上限が2.24g/cm3であると、熱処理による密度増加の効果はほとんどない。また、900℃以上の酸素を含む熱処理では、下地のSiC基板の酸化による膜厚の増加が起き、上述した、特許文献1と同様の問題が生じる。さらに、2回目の熱処理がH2Oガス雰囲気において、850℃以下で行われるが、850℃以下の熱処理では、H2OがSiO2膜中に残留し、トランジスタ動作時に閾値の変動を引き起こす問題がある。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、SiC基板上に形成されたSiO2膜を、質量密度が2.24g/cm3以上で、酸素欠損が少なく、残留H2Oが少ない、SiO2膜に改質するための半導体装置の製造における熱処理方法を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体装置の製造における熱処理方法は、SiC基板上に形成されたSiO2膜の熱処理方法であって、H2Oガス雰囲気において、SiO2膜を851℃以上867℃以下で一定時間保持する工程を備える。
本発明によれば、SiC基板上に形成されたSiO2膜を、H2Oガス雰囲気において、851℃以上867℃以下で一定時間保持することにより、SiO2膜の結晶構造が相転移を起こすことによって変化する。これにより、SiO2膜の質量密度が2.5g/cm3まで増加するとともに、膜中の酸素欠損も低減されるので、SiO2膜の絶縁特性が向上する。
実施の形態1に係るSiO2膜の変化を示す図である。 実施の形態1に係るSiO2膜の熱処理における処理時間に対する温度と雰囲気を示す図である。 SiO2の相図である。 SiO2のSi−O−Si結合角と質量密度の関係を示す図である。 融剤の存在しない場合の冷却過程での質量密度変化を示す図である。 融剤が存在する場合の冷却過程での質量密度変化を示す図である。 CVD酸化膜から放出されるH2Oの温度特性を示す図である。 実施の形態2に係るSiO2膜の熱処理における処理時間に対する温度と雰囲気を示す図である。 実施の形態3に係るSiO2膜の熱処理における処理時間に対する温度と雰囲気を示す図である。 実施の形態4に係るSiO2膜の熱処理における処理時間に対する温度と雰囲気を示す図である。 実施の形態5に係るSiO2膜の熱処理における処理時間に対する温度と雰囲気を示す図である。 実施の形態7に係るSiO2膜の熱処理における処理時間に対する温度と雰囲気を示す図である。
<概論>
本発明における、SiO2膜を改質するための半導体装置の製造における熱処理方法は、以下の絶縁膜に対して行われる。すなわち、SiC基板上に熱酸化により形成されたSiO2熱酸化膜(以後、これを熱酸化膜と呼ぶ。)、SiC基板上にCVD法により形成されたCVD−SiO2膜(以後、これをCVD酸化膜と呼ぶ。)、熱酸化膜を熱窒化したSiON膜、CVD酸化膜を熱窒化したSiON膜、もしくは、SiC基板を直接熱酸窒化することにより形成したSiON膜に対して行われる。なお、SiON膜に関しては、実施の形態5及び実施の形態6で後述する。
本発明における熱処理方法は、SiO2膜を形成する処理温度から、室温まで冷却する過程において、温度と雰囲気を制御することにより、SiO2膜を改質する熱処理方法である。ただし、一旦冷却した後、再び温度を上昇させて、温度と雰囲気を制御することによりSiO2膜を改質する方法も含まれる。熱処理方法の概要は以下の通りである。
冷却工程の初期は、不活性ガス雰囲気で冷却し、867℃以下でH2Oガス雰囲気に切り替える。次に、851℃以上867℃以下の温度範囲に、H2Oガス雰囲気で一定時間保持することにより、SiO2膜の質量密度を、2.24g/cm3〜2.5g/cm3まで増加させる。
次に、851℃以上867℃以下の温度範囲で、不活性ガス雰囲気で一定時間保持する。ここでの不活性ガス雰囲気は、不活性ガスの減圧雰囲気や真空を含む。
次に、不活性ガス雰囲気のまま再度冷却を開始し、550℃以上573℃以下の温度範囲に、不活性ガス雰囲気で一定時間保持することにより、SiO2膜の質量密度を2.74g/cm3まで、さらに増加させる。その後、不活性ガス雰囲気のまま、室温から100℃程度の温度範囲まで冷却を行い、処理炉の外に取り出す。以上の工程が、本発明における熱処理方法の特徴である。
なお、本発明では、特許文献1及び特許文献2と同様、H2Oガス雰囲気において高温処理するが、特許文献1及び特許文献2では、900℃以上で熱処理を行うために、SiC基板がH2Oガスにより酸化されてSiO2膜の膜厚が増加するが、本発明では、867℃以下で熱処理を行うため、SiC基板がH2Oガスにより酸化されることがなく、同時にこのH2Oによって、SiO2膜中の酸素欠損が低減される点が異なる。
また、本発明では、特許文献1と同様、H2Oガス雰囲気により高温処理することによりSiO2膜の質量密度を向上させるが、本発明では、867℃以下で処理する点が異なる。また、特許文献1では、SiO2膜全体の粘度を低下させることにより原子配列を再構成させるため、高圧処理を必要とするが、本発明では、相転移により原子配列を再構成させるため、高圧処理を必要としない点が異なる。
また、特許文献1及び特許文献2による熱処理方法では、SiO2膜の質量密度増加の上限は、2.24g/cm3であるが、本発明の熱処理方法の上限は2.7g/cm3である点が異なる。
また、本発明では、特許文献2と同様、2回目の熱処理が行われるが、特許文献2では850℃以下でO2もしくはH2Oを含む雰囲気で処理を行うのに対して、本発明では、550℃以上573℃以下の温度範囲で不活性ガス雰囲気において処理が行われる点が異なり、本発明では、2回目の熱処理によってSiO2膜の質量密度をさらに増加させる。また、特許文献2の方法で2回目の熱処理を行った場合、SiO2膜中にH2Oが残留するが、本発明は、H2Oガス雰囲気中で熱処理を行った後、851℃以上の不活性ガス雰囲気で熱処理を行うため、SiO2膜中にH2Oが残留しない点が異なる。
以上で述べたように、本発明では、質量密度が2.24g/cm3を超え、酸素欠損が少なく、界面準位の発生が少なく、H2Oの残留が少ないSiO2膜を、高い膜厚制御性で製造することができるので、MOS−FETのゲート絶縁膜の絶縁特性や信頼性、及びMOS−FETの移動度を向上させることができる。
<実施の形態1>
本実施の形態においては、SiC基板上に形成する絶縁膜として、SiO2膜を考える。また、全ての工程において、不活性ガスとして、N2ガスを用いる。
図1は本実施の形態に係る、熱処理の各工程におけるSiO2膜の状態を示す図である。また、図2は本実施の形態に係るSiO2膜の製造方法の処理時間に対する温度と雰囲気のプロファイルを示す図である。
本実施の形態に係るSiO2膜の熱処理方法は、全部で4つの工程を経て実施される。第1の工程は、SiC基板1を熱酸化処理することにより、SiC基板1上にSiO2膜2aを形成する工程である。第2の工程は、SiO2膜2aに、H2Oガス雰囲気において851℃以上867℃以下の温度範囲で熱処理を行うことにより、SiO2膜2aよりも質量密度の高いSiO2膜2bに改質する工程である。第3の工程は、第2の工程でSiO2膜2b中に残留したH2Oを除去する工程である。第4の工程は、SiO2膜2cに対して不活性ガス雰囲気で550℃以上573℃以下の温度範囲で熱処理を行うことにより、SiO2膜2bよりも質量密度の高いSiO2膜2dに改質する工程である。本明細書では、上記第1〜4の工程を、それぞれ、SiO2膜形成工程、1回目の熱処理工程、融剤除去工程、2回目の熱処理工程と呼ぶ。
<第1の工程:SiO2膜形成工程>
まず、SiO2膜形成工程について説明する。SiC基板1上にSiO2膜2aを形成する方法として、熱酸化法もしくはCVD法が用いられる。
本実施の形態では、熱酸化法として、H2Oガスを用いたウエット酸化法を用いるが、O2ガスを用いたドライ酸化法やパイロジェニック法など、O原子を含んだガス雰囲気中で処理する方法であれば、他の方法を用いても構わない。
なお、SiO2膜2a形成後に、NO、N2OもしくはNH3ガスなどの雰囲気中で処理する熱窒化を行って、SiON膜を形成してもよい。また、SiC基板上に直接、NOもしくはN2Oガスなどの雰囲気中で熱酸窒化を行って、SiON膜を形成してもよい。SiON膜に関しては、実施の形態5及び実施の形態6で後述する。
SiC基板1を炉内に導入したあと、N2ガス雰囲気で熱酸化処理温度、例えば1200℃まで、毎分100℃の速度で昇温する。1200℃に達した後、N2ガスからH2Oガスに切り替え、熱酸化を行う。一定時間をかけて所望の膜厚、例えば20nmまで熱酸化膜を形成する。
<第2の工程:1回目の熱処理工程>
851℃の高温でSiO2膜を形成した場合、次のプロセスに進む前に、酸化膜形成装置や熱窒化装置、もしくは熱酸窒化装置から取り出すためには、室温から100℃程度の温度範囲まで冷却する工程が必要である。第2〜第4の工程、即ち、1回目の熱処理工程、融剤除去工程、および2回目の熱処理工程は、この冷却工程に関するものである。
1回目の熱処理工程として、SiO2膜形成工程終了後、ガス雰囲気を不活性ガス雰囲気に切り替える。ここでは、N2ガスを用いるが、N2ガスの他に、Ar、He、Kr、若しくはXeガス、又はこれらの混合ガスを用いてもよい。また、上記不活性ガスの減圧雰囲気や真空でもよい。
上記不活性ガス雰囲気の状態で冷却を開始する。本実施の形態では、例えば毎分100℃で冷却し、温度が867℃に達したところで、H2Oガス雰囲気に切り替える。ここで、851℃以上867℃以下の温度範囲に一定時間保持する。本実施の形態では、図2に示すように、860℃で20分間保持する。ここで、H2Oの融剤としての働きにより、SiO2膜2aの質量密度が増加する。上記温度範囲に保持する時間をかける程、質量密度は上限の2.5g/cm3まで近づく。なお、900℃以下でH2Oガス雰囲気に曝露された際のSiCの熱酸化は非常に小さいため、酸化膜の膜厚の増加はほとんど無視できる。
<第3の工程:融剤除去工程>
次に、融剤除去工程として、SiO2膜2b中に残留するH2Oを取り除くために、炉内雰囲気を不活性ガス雰囲気に切り替える。本工程では、不活性ガスとして、N2ガスを用いるが、N2ガスの他に、Ar、He、Kr、若しくはXeガス、又はこれらの混合ガスを用いてもよい。また、前記不活性ガスの減圧雰囲気や真空でもよい。なお、温度範囲は、851℃以上867℃以下であればよい。
<第4の工程:2回目の熱処理工程>
次に、2回目の熱処理工程について説明する。融剤除去工程終了後、毎分100℃の速度で冷却を再開する。573℃以下では、質量密度の上限が2.7g/cm3となるため、550℃以上573℃以下の温度範囲を通過する際、質量密度が増加する。なお、このときに時間をかける程、質量密度は2.7g/cm3に近づく。本実施の形態では、生産性の観点から、毎分100℃の速度で冷却を行ったが、550℃以上573℃以下の温度範囲では、冷却速度を毎分100℃よりも小さく、例えば、毎分15℃まで小さくすることで、質量密度を2.7g/cmにより近づけることができる。SiO2膜2dの温度が室温から100℃程度になれば装置の外に取り出す。
なお、1回目の熱処理工程の温度範囲の下限値、即ち851℃よりも低い温度でSiO2膜2aを形成した場合は、1回目の熱処理工程を行うために、851℃以上867℃以下の温度範囲まで、一旦温度を上昇させればよい。こうすることで、851℃よりも低い温度で形成されたSiO2膜に対しても同様の効果が得られる。
また、第1の工程から第2の工程への移行の際、何らかの制約で同一炉や同一装置内で行えない場合や、一旦850℃以下に冷却しなければならない場合は、再度851℃以上867℃以下の温度範囲に昇温してから以降の工程を再開してもよい。この場合でも同様の効果が得られる。
なお、SiC基板1上に形成されたSiO2膜2aは、SiC基板1を熱酸化して形成されるSiO2膜に限定されるものではなく、CVD酸化膜などのSiO2膜であってもよい。また、SiC基板1を直接熱酸窒化して形成したSiON膜などのSiON膜であってもよい。
なお、SiO2膜の質量密度は、例えば、放射光を利用したX線反射率法などを用いて測定される。また、SiO2膜中の酸素欠損密度は、例えば、X線光電子分光時間依存測定などによって調べることができる。
<質量密度の増加>
1回目の熱処理工程及び2回目の熱処理工程により、SiO2膜の質量密度が増加する理由を説明する。図3は、SiO2の結晶形の相図である。図3によると、大気圧下において、1713℃を境に溶融SiO2からβ−Cristobaliteへの転移が起こる。また、1470℃を境にβ−Cristobaliteからβ−Tridymiteへの転移が起こる。また、867℃を境にβ−Tridymiteからβ−Quartzへの転移が起こる。また、573度を境にβ−Quartzからα−Quartzへの転移が起こる。
表1に、SiO2の質量密度と、Si−O−Siの結合角の関係を示す。表1をグラフ化したのが図4である。表1及び図4より、上述した転移に伴ってSiO2の質量密度が増加していることがわかる。また、質量密度の増加とともに、Si−O−Si結合角が低下していることもわかる。
Figure 2013125837
図3、図4及び表1から、SiO2膜の温度及び圧力を制御すれば、Si−O−Siの結合角、即ち結晶形を制御できることがわかる。従って、結合角を制御することにより、SiO2膜の質量密度を高めることができる。
ところで、地中に存在する天然の結晶、即ちα−Quartzは、マグマ中の溶融SiO2が冷える過程で、熱水が融剤として作用して形成されたものである。
図5は、溶剤が存在しない状態で溶融SiO2が冷却された場合の変化を示す図である。溶剤が存在しない状態で溶融SiO2が冷却された場合は、SiO2は結晶化せず、Glass即ち、アモルファスSiO2となる。
また、図4及び表1に示すように、SiO2はSi−O−Si結合角が小さくなることにより、緻密なSi−Oネットワーク構造を形成し、密度の高い結晶形に転移していく。溶融SiO2は、Si−O共有結合が切れたり再結合したり、Si及びO原子が不規則に移動しているため、SiとOの配列に周期性は無い。このため、Si−O−Si結合角は様々な角度が存在している。溶融SiO2が溶剤の存在しない状態で冷却されると、次第にSi−Oの共有結合が強くなり、Si及びO原子は自由に移動できなくなる。このため、1713℃以下では、Si−O−Si結合角は様々な角度を持ったまま固定される。従って、SiとOの配列に周期性のない固体である、アモルファスSiO2、即ちGlassとなる。このとき、質量密度の増加はほとんど起こらない。
一方、溶融SiO2が融剤の存在下で冷却された場合は、1713℃以下でも、Si−O共有結合は融剤の効果により切断されるため、安定な位置に移動することができる。融剤の存在下において温度が1713℃以下となるまで冷却すると、融剤の作用によって生じた未結合Siと未結合Oとが熱運動することにより、その温度で安定な位置に移動する。この結果として、β−Cristobalite結晶が形成される。このとき、Si−O−Si結合角は180°に揃う。ただし、SiO2の質量密度は溶融SiO2からあまり変化せず、2.2g/cm3である。
また、融剤の存在下において、温度が1470℃以下となるまで冷却すると、融剤の作用によって生じた未結合Siと未結合Oとが熱運動することにより、その温度で安定な位置に移動する。この結果として、SiO2の結晶形は、β−Cristobaliteから、β−Tridymiteへ転移する。この転移においても、Si−O−Si結合角は180°のままであり、SiO2の質量密度も変化せず、2.2g/cm3のままである。
また、融剤の存在下において温度が867℃以下となるまでSiO2を冷却すると、融剤の作用によって生じた未結合Siと未結合Oとが熱運動することにより、その温度で安定な位置に移動する。この結果として、SiO2の結晶形は、β−Tridymiteからβ−Quartzへ転移する。この転移において、Si−O−Si結合角は180°から155°に低下し、これによってSiO2の質量密度は、2.2g/cm3から、2.5g/cm3まで大幅に増加する。本実施の形態の第2の工程において、SiO2膜の加熱温度の上限を867℃としたのはこのためである。
さらに、温度が573℃以下となるまでSiO2を冷却すると、SiO2の結晶形は、β−Quartzからα−Quartzへ転移する。この転移において、Si−O−Si結合角は155°から146.5°に低下し、これによってSiO2の質量密度は2.7g/cm3に増加する。この転移に関しては、Si−O共有結合が切断される必要はなく、Si−O−Si結合角が低下するだけで実現される。つまり、融剤が存在しない状態でもβ−Quartzからα−Quartzへの転移が可能である。
以上のように、所定の時間が経過してから融剤の供給を停止して室温まで冷却すれば、質量密度が2.7g/cm3のSiO2膜が得られる。
また、上述した結晶構造の転移は、転移温度付近において最も促進されることを考慮して、1回目の熱処理工程の温度範囲を851℃以上867℃以下、2回目の熱処理工程の温度範囲を550度以上573度以下とした。
なお、SiO2の結晶形としては、上述の結晶形以外に、Coesite及びStishoviteなどが知られているが、図3に示すように、大気圧下において質量密度が最も大きな結晶形はα−Quartzである。
以上説明した理由から、SiO2膜の温度を867℃以下にして、かつそのSiO2膜に融剤として働くH2Oを供給し、一定時間保持すれば、質量密度が2.5g/cm3であるSiO2膜が製造される。さらにSiO2膜の温度を573℃にすれば、質量密度が2.7g/cm3であるSiO2膜が製造される。一般に、CVD法により形成されたSiO2膜の質量密度は2.0〜2.15g/cm3程度であり、熱酸化により形成されたSiO2膜の質量密度は、2.24g/cm3である。よって、これらSiO2膜に対して上記処理を行えば、質量密度を増大させることができる。密度の増加には、ある程度時間を要するため、プロセス上の制約から時間をかけることができない場合であっても、通常得られるSiO2膜の質量密度よりも充分高い密度が得られるため、明らかな改善効果を得ることができる。
<融剤の除去>
上述したように、β−Quartzからα−Quartzへの結晶構造の転移は、Si−O共有結合が保たれたまま起こるので、転移の際に融剤を必要としない。この転移の際に、SiO2中に融剤としてのH2Oが多量に残留していると、転移の妨げになるので好ましくない。
また、SiO2膜中に残留したH2Oは、トランジスタの動作時に、HやOHとなってSiO2膜中を移動し、トランジスタの閾値変動などの悪影響の原因となる。従って、β−Quartzからα−Quartzへの転移が起こる前の段階、即ち2回目の熱処理工程を行う前の段階で、H2OをSiO2膜2b中から除去する必要がある。融剤除去工程を行うのは、このためである。
図7は、H2Oを吸蔵するCVD酸化膜を、室温から徐々に加熱した場合に、CVD酸化膜から放出されるH2Oの温度特性を示す図である。この図によると、850℃付近を過ぎると、H2Oの放出がほとんど終わっていることがわかる。従って、不活性ガス中で851℃以上の状態にすることで、残留H2OをSiO2膜2b中からほぼ完全に除去できる。本実施の形態の融剤除去工程において、温度範囲の下限値を851℃としたのはこのためである。
<効果>
本実施の形態における熱処理方法は、SiC基板1上に形成されたSiO2膜2aの熱処理方法であって、H2Oガス雰囲気において、SiO2膜2aを851℃以上867℃以下で一定時間保持する工程を備える。この工程により、質量密度が2.5g/cm3のSiO2膜2bが得られる。従って、酸素欠損が少なく、従来技術1及び従来技術2よりも質量密度の高いSiO2膜が得られるので、従来技術1及び従来技術2よりもSiO2膜の絶縁特性が向上する。また、本実施の形態における熱処理方法は、高圧を必要としないので、従来技術1と比較して、実施が容易である。
また、本実施の形態におけるSiO2膜2aは、H2Oガス又はO2ガスによりSiC基板1を熱酸化して形成される膜である。従って、SiC基板1上にSiO2膜2aを形成する方法として、H2Oガス又はO2ガスを用いてSiC基板1を熱酸化する方法は一般的であるので、高い汎用性が期待できる。
<実施の形態2>
図8は本実施の形態に係るSiO2膜の熱処理方法の処理時間に対する温度と雰囲気のプロファイルを示す図である。
本実施の形態では、実施の形態1における融剤除去工程において、不活性ガスに切り替えた後、851℃以上867℃以下の温度で一定時間保持する点が、実施の形態1と異なる。それ以外の工程、即ち、SiO2膜形成工程、1回目の熱処理工程及び2回目の熱処理工程は実施の形態1と同じであるので、同じ部分については説明を省略する。
本実施の形態では、融剤除去工程、即ち、SiO2膜中に残留するH2Oを除去する工程において、炉内の雰囲気をH2Oガス雰囲気から、不活性ガスとしてのN2ガス雰囲気に切り替えた後、860℃で一定時間、例えば15分間保持する。
本実施の形態では、不活性ガスとして、N2ガスを用いるが、N2ガスの他に、Ar、He、Kr、若しくはXeガス、又はこれらの混合ガスを用いてもよい。また、前記不活性ガスの減圧雰囲気や真空でもよい。
上記の状態で、一定時間保持することにより、1回目の熱処理工程によりSiO2膜中に残留したH2Oがほとんど排出される。
本実施の形態における熱処理方法は、1回目の熱処理工程の後に、不活性ガス雰囲気、不活性ガスの減圧雰囲気、又は真空雰囲気において、SiO2膜を851℃以上867℃以下で一定時間保持する工程をさらに備える。従って、SiO2膜中に残留するH2Oがほとんど除去されるので、実施の形態1で述べた効果に加えて、不純物の少ないSiO2膜が得られる効果がある。
また、本実施の形態における熱処理方法における前記第3の工程において用いられる不活性ガスは、N2、Ar、He、Kr、又はXeガス、もしくはこれらの混合ガスである。従って、使用可能な不活性ガスの種類が複数存在するので、選択の自由度が広がる。
<実施の形態3>
図9は本実施の形態に係るSiO2膜の熱処理方法の処理時間に対する温度と雰囲気のプロファイルを示す図である。
本実施の形態では、実施の形態2における2回目の熱処理工程において、550℃以上573℃以下の温度で一定時間保持する点が、実施の形態2と異なる点である。それ以外の処理工程は実施の形態2と同じであるので、説明を省略する。
本実施の形態では、2回目の熱処理工程、即ちSiO2膜の結晶構造をβ−Quartzからα−Quartzへ転移させる工程において、550℃以上573℃以下の温度で一定時間、例えば20分間保持すれば、質量密度を充分に上限値の2.7g/cm3に近づけることができる。
本実施の形態における熱処理方法は、融剤除去工程の後に、不活性ガス雰囲気、不活性ガスの減圧雰囲気、又は真空雰囲気において、SiO2膜を550度以上573℃以下で一定時間保持する工程をさらに備える。従って、実施の形態2で述べた効果に加えて、SiO2の質量密度が上限値の2.7g/cm3により近づくので、SiO2の絶縁特性をより向上させる効果がある。
また、本実施の形態において、2回目の熱処理工程において用いられる不活性ガスは、N2、Ar、He、Kr、又はXeガス、もしくはこれらの混合ガスである。従って、使用可能な不活性ガスの種類が複数存在するので、選択の自由度が広がる。
<実施の形態4>
実施の形態1〜3では、H2Oガスを用いた熱酸化法によって、SiC基板上に熱酸化膜を形成したが、本実施の形態では、CVD法を用いて、SiC基板上にCVD酸化膜を形成する点で異なる。それ以外の工程は、実施の形態3と同じであるので、説明を省略する。
図10は本実施の形態に係るCVD酸化膜の熱処理方法の処理時間に対する温度と雰囲気のプロファイルを示す図である。まず、SiC基板をN2ガス雰囲気中で750℃まで昇温した後、SiH2Cl2(ジクロロシラン)ガス及び、N2Oガスを用いたCVD法により、SiC基板上にSiO2膜を形成する。次に、再びN2雰囲気に切り替えて、860℃まで昇温する。CVD酸化膜に対して、実施の形態3と同じ熱処理を行うことにより、1回目の熱処理による質量密度の増加、融剤除去工程による残留H2Oの排出、2回目の熱処理によるさらなる質量密度の増加が起こる。
本実施の形態のSiO2膜は、SiC基板にCVD法を用いることにより形成される膜である。従って、実施の形態3で述べた効果に加えて、CVD法は、SiC基板上にSiO2膜を形成するのに用いられる方法として一般的であるので、高い汎用性が期待できる。
<実施の形態5>
実施の形態1〜4では、SiO2膜に対して、各熱処理工程を行ったが、本実施の形態では、SiO2膜を熱窒化して、SiON膜を形成してから、各熱処理工程を行う。
図11は本実施の形態に係るSiO2膜の熱処理方法の処理時間に対する温度と雰囲気のプロファイルを示す図である。まず、実施の形態1〜3と同様の方法で、SiC基板上にSiO2膜(熱酸化膜)を形成する。なお、このSiO2膜は、CVD酸化膜であっても構わない。
次に、SiO2膜に対して、NOガスを用いて熱窒化を行うことにより、SiON膜を形成する。なお、NOガスの他に、N2Oガス又はNH3ガスを用いてもよい。以後の工程は、実施の形態3と同じであるので、説明を省略する。SiON膜に対して、SiO2膜と同様の熱処理を行うことで、1回目の熱処理による質量密度の増加、融剤除去工程による残留H2Oの排出、2回目の熱処理によるさらなる質量密度の増加が起こる。
本実施の形態における熱処理方法では、1回目の熱処理工程の前に、SiO2膜を、N2O、NO、又はNH3ガスにより熱窒化する工程をさらに備える。従って、SiO2膜を熱窒化したSiON膜に対しても、SiO2膜同様、質量密度の増加、酸素欠損の除去及び残留H2Oの除去の改質が行われるので、絶縁特性を向上させることが可能である。
<実施の形態6>
実施の形態1〜5では、まず、SiC基板上にSiO2膜を形成してから、熱処理を行ったが、本実施の形態では、SiO2膜の替わりに、SiC基板上にSiON膜を直接形成してから、熱処理を行う。
まず、NOもしくはN2Oガスを用いてSiC基板を熱酸窒化することにより、SiC基板上にSiON膜を形成する。その後の熱処理工程は、実施の形態3の工程と同じであるので、説明を省略する。
本実施の形態における熱処理方法では、SiO2膜に替えてSiON膜を用いる。従って、実施の形態5で述べた効果と同様の効果が得られる。
<実施の形態7>
実施の形態1〜6では、SiO2膜又はSiON膜の形成温度から、直接851℃以上867℃以下の範囲に炉内温度を変更して、1回目の熱処理工程、融剤除去工程、および2回目の熱処理工程を行ったが、SiO2膜又はSiON膜の形成温度から、一旦851℃以下、例えば、100℃程度に温度を下げた後、再び851℃以上867℃以下の温度範囲に昇温した後に、各工程を行っても同様の改質効果が得られる。
本実施の形態は、同一装置内に設置された複数の炉、例えば2つの炉の間を不活性ガス雰囲気のまま移動し、SiO2膜形成工程と、1回目の熱処理工程以降の工程とを、別の炉で行う場合を例に説明する。
図12は本実施の形態に係る熱酸化膜の熱処理方法の処理時間に対する温度と雰囲気のプロファイルを示す図である。1つ目の炉内で、1200℃でSiC基板上にSiO2の熱酸化膜を形成した後、不活性ガス雰囲気に切り替えて一旦100℃程度まで冷却する。そして、不活性ガス雰囲気に保たれた搬送路を通って、1つ目の炉から2つ目の炉に処理基板を移動する。その後、2つ目の炉内で851℃以上867℃以下の温度範囲まで昇温してから、実施の形態3と同様に、1回目の熱処理工程、融剤除去工程、2回目の熱処理工程を行う。
本実施の形態における熱処理方法によっても、実施の形態3で述べた効果と同様の効果が得られる。
なお本実施の形態において、SiC基板上に形成されたSiO2膜は、SiC基板を熱酸化して形成されるSiO2膜に限定されるものではなく、CVD酸化膜などのSiO2膜であってもよい。また、SiC基板を直接熱酸窒化して形成したSiON膜などのSiON膜であってもよい。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 SiC基板、2a、2b、2c、2d SiO2膜。

Claims (8)

  1. SiC基板上に形成されたSiO2膜の熱処理方法であって、
    (a)H2Oガス雰囲気において、前記SiO2膜を851℃以上867℃以下で一定時間保持する工程を備える、
    半導体装置の製造における熱処理方法。
  2. 前記工程(a)の後に、
    (b)不活性ガス雰囲気、不活性ガスの減圧雰囲気、又は真空雰囲気において、前記SiO2膜を851℃以上867℃以下で一定時間保持する工程をさらに備える、
    請求項1に記載の半導体装置の製造における熱処理方法。
  3. 前記工程(b)の後に、
    (c)不活性ガス雰囲気、不活性ガスの減圧雰囲気、又は真空雰囲気において、前記SiO2膜を550度以上573℃以下で一定時間保持する工程をさらに備える、
    請求項2に記載の半導体装置の製造における熱処理方法。
  4. 前記SiO2膜は、
    2Oガス又はO2ガスにより前記SiC基板を熱酸化して形成される膜、
    もしくは、前記SiC基板に化学気相成長法を用いることにより形成される膜である、
    請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置の製造における熱処理方法。
  5. 前記工程(a)の前に、
    (d)前記SiO2膜を、N2O、NO、又はNH3ガスにより熱窒化する工程をさらに備える、
    請求項1に記載の半導体装置の製造における熱処理方法。
  6. 前記SiO2膜に替えてSiON膜を用いる、
    請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置の製造における熱処理方法。
  7. 前記工程(b)において、前記不活性ガスは、N2、Ar、He、Kr、又はXeガス、もしくはこれらの混合ガスである、
    請求項2に記載の半導体装置の製造における熱処理方法。
  8. 前記工程(c)において、前記不活性ガスは、N2、Ar、He、Kr、又はXeガス、もしくはこれらの混合ガスである、
    請求項3に記載の半導体装置の製造における熱処理方法。
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