JPH11186255A - シリコン酸化膜の形成方法 - Google Patents

シリコン酸化膜の形成方法

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JPH11186255A
JPH11186255A JP32360297A JP32360297A JPH11186255A JP H11186255 A JPH11186255 A JP H11186255A JP 32360297 A JP32360297 A JP 32360297A JP 32360297 A JP32360297 A JP 32360297A JP H11186255 A JPH11186255 A JP H11186255A
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oxide film
silicon oxide
silicon
forming
atmosphere
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JP32360297A
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Akihide Kashiwagi
章秀 柏木
Kazuhiko Tokunaga
和彦 徳永
Toshihiko Suzuki
利彦 鈴木
Hideki Kimura
秀樹 木村
Toyotaka Kataoka
豊隆 片岡
Atsushi Suzuki
篤 鈴木
Nobufumi Tanaka
伸史 田中
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成する
際のシリコン層の表面に荒れ(凹凸)が発生することを
防止でき、且つ、シリコン層の表面にドライ酸化膜を形
成することなく、特性の優れたシリコン酸化膜を形成す
る方法を提供する。 【解決手段】シリコン酸化膜の形成方法は、シリコン層
の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度にて、
湿式ガスを用いた酸化法によって該シリコン層の表面に
シリコン酸化膜の形成を開始し、湿式ガスを用いた酸化
法によって、所望の厚さになるまでシリコン酸化膜を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体装置
の製造におけるシリコン酸化膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばMOS型半導体装置の製造におい
ては、シリコン酸化膜から成るゲート酸化膜をシリコン
半導体基板の表面に形成する必要がある。また、薄膜ト
ランジスタ(TFT)の製造においても、絶縁性基板の
上に設けられたシリコン層の表面にシリコン酸化膜から
成るゲート酸化膜を形成する必要がある。このようなシ
リコン酸化膜は、半導体装置の信頼性を担っているとい
っても過言ではない。従って、シリコン酸化膜には、常
に、高い絶縁破壊耐圧及び長期信頼性が要求される。
【0003】例えばMOS型半導体装置を製造する場
合、従来、ゲート酸化膜を成膜する前に、NH4OH/
22水溶液で洗浄し更にHCl/H22水溶液で洗浄
するというRCA洗浄によりシリコン半導体基板の表面
を洗浄し、その表面から微粒子や金属不純物を除去す
る。ところで、RCA洗浄を行うと、シリコン半導体基
板の表面は洗浄液と反応し、厚さ0.5〜1nm程度の
シリコン酸化膜(以下、かかるシリコン酸化膜を単に酸
化膜と呼ぶ)が形成される。かかる酸化膜の膜厚は不均
一であり、しかも、酸化膜中には洗浄液成分が残留す
る。そこで、フッ化水素酸水溶液にシリコン半導体基板
を浸漬して、かかる酸化膜を除去し、更に純水で薬液成
分を除去する。これによって、大部分が水素で終端さ
れ、極一部がフッ素で終端されたシリコン半導体基板の
表面を得ることができる。尚、このような工程によっ
て、大部分が水素で終端され、極一部がフッ素で終端さ
れたシリコン半導体基板の表面を得ることを、本明細書
では、シリコン半導体基板の表面を露出させると表現す
る。その後、かかるシリコン半導体基板をシリコン酸化
膜形成装置の処理室(酸化炉)に搬入して、シリコン半
導体基板の表面にシリコン酸化膜を形成する。
【0004】シリコン酸化膜形成装置としては、ゲート
酸化膜の薄膜化及び基板の大口径化に伴い、石英製の処
理室(酸化炉)を水平に保持した横型方式から垂直に保
持した縦型方式のシリコン酸化膜形成装置への移行が進
んでいる。これは、縦型方式のシリコン酸化膜形成装置
の方が、横型方式のシリコン酸化膜形成装置よりも、基
板の大口径化に対処し易いばかりか、シリコン半導体基
板を処理室に搬入する際の大気の巻き込みによって生成
するシリコン酸化膜(以下、かかるシリコン酸化膜を自
然酸化膜と呼ぶ)を低減することができるからである。
しかしながら、縦型方式のシリコン酸化膜形成装置を用
いる場合であっても、2nm厚程度の自然酸化膜がシリ
コン半導体基板の表面に形成されてしまう。自然酸化膜
には大気中の不純物が多く含まれており、ゲート酸化膜
の薄膜化においては自然酸化膜の存在を無視することが
できない。そのため、(1)シリコン酸化膜形成装置に
配設された基板搬入出部に大量の窒素ガスを流して窒素
ガス雰囲気とする方法(窒素ガスパージ方式)、(2)
一旦、基板搬入出部内を真空とした後、窒素ガス等の不
活性ガスで基板搬入出部内を置換して大気を排除する方
法(真空ロードロック方式)等を採用し、出来る限り自
然酸化膜の形成を抑制する方法が提案されている。
【0005】そして、処理室(酸化炉)内を不活性ガス
雰囲気とした状態で、シリコン半導体基板を処理室(酸
化炉)に搬入し、次いで、処理室(酸化炉)内を酸化性
雰囲気に切り替え、シリコン半導体基板を熱処理するこ
とでゲート酸化膜を形成する。ゲート酸化膜の形成に
は、高温に保持された処理室内に高純度の水蒸気を導入
することによってシリコン半導体基板の表面を熱酸化す
る方法(湿式酸化法)が採用されており、高純度の乾燥
酸素ガスによってシリコン半導体基板表面を酸化する方
法(乾式酸化法)よりも、電気的信頼性の高いゲート酸
化膜を形成することができる。この湿式酸化法の1つ
に、水素ガスを酸素ガスと高温で混合し、燃焼させるこ
とによって生成した水蒸気をシリコン酸化膜の形成に用
いるパイロジェニック酸化法(水素ガス燃焼酸化法とも
呼ばれる)があり、多く採用されている。通常、このパ
イロジェニック酸化法においては、処理室(酸化炉)の
外部に設けられ、そして700〜900゜Cに保持され
た燃焼室内に酸素ガスを供給し、その後、燃焼室内に水
素ガスを供給して、高温中で水素ガスを燃焼させる。こ
れによって得られた水蒸気を酸化種として用いる。
【0006】パイロジェニック酸化法に基づきシリコン
酸化膜を形成するための縦型方式のシリコン酸化膜形成
装置の概念図を図13に示す。この縦型方式のシリコン
酸化膜形成装置は、垂直方向に保持された石英製の二重
管構造の処理室10と、処理室10へ水蒸気及び/ガス
を導入するためのガス導入部12と、処理室10から水
蒸気及び/ガスを排気するガス排気部13と、SiCか
ら成る円筒状の均熱管16を介して処理室10内を所定
の雰囲気温度に保持するためのヒータ14と、基板搬入
出部20と、基板搬入出部20へ窒素ガス等の不活性ガ
スを導入するためのガス導入部21と、基板搬入出部2
0からガスを排気するガス排気部22と、処理室10と
基板搬入出部20とを仕切るシャッター15と、シリコ
ン半導体基板を処理室10内に搬入出するためのエレベ
ータ機構23から構成されている。エレベータ機構23
には、シリコン半導体基板を載置するための石英ボート
24が取り付けられている。また、燃焼室30に供給さ
れた水素ガスを酸素ガスと、燃焼室30内で高温にて混
合し、燃焼させることによって、水蒸気を生成させる。
かかる水蒸気は、配管31、ガス流路11及びガス導入
部12を介して処理室10内に導入される。尚、ガス流
路11は、二重管構造の処理室10の内壁及び外壁の間
の空間に相当する。
【0007】図13に示した縦型方式のシリコン酸化膜
形成装置を使用した、パイロジェニック酸化法に基づく
従来のシリコン酸化膜の形成方法の概要を、図13、図
67〜図69を参照して、以下、説明する。
【0008】[工程−10]配管32、燃焼室30、配
管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して処理
室10へ窒素ガスを導入し、処理室10内を窒素ガス雰
囲気とし、且つ、均熱管16を介してヒータ14によっ
て処理室10内の雰囲気温度を700〜800゜Cに保
持する。尚、この状態においては、シャッター15は閉
じておく(図67の(A)参照)。基板搬入出部20は
大気に解放された状態である。
【0009】[工程−20]そして、基板搬入出部20
にシリコン半導体基板40を搬入し、石英ボート24に
シリコン半導体基板40を載置する。基板搬入出部20
へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図示
しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21か
ら窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基板
搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とする(図67の
(B)参照)。
【0010】[工程−30]基板搬入出部20内が十分
に窒素ガス雰囲気となった時点で、シャッター15を開
き(図68の(B)参照)、エレベータ機構23を作動
させて石英ボート24を上昇させ、シリコン半導体基板
40を処理室10内に搬入する(図69の(A)参
照)。エレベータ機構23が最上昇位置に辿り着くと、
石英ボート24の基部によって処理室10と基板搬入出
部20との間は連通しなくなる。
【0011】シャッター15を開く前に、処理室10内
を窒素ガス雰囲気のままにしておくと、以下の問題が生
じる。即ち、フッ化水素酸水溶液及び純水による洗浄に
よって表面を露出させたシリコン半導体基板を高温の窒
素ガス雰囲気中に搬入すると、シリコン半導体基板40
の表面に荒れが生じる。この現象は、フッ化水素酸水溶
液及び純水での洗浄によってシリコン半導体基板40の
表面に形成されたSi−H結合の一部やSi−F結合の
一部が、水素やフッ素の昇温脱離によって失われ、シリ
コン半導体基板40の表面にエッチング現象が生じるこ
とに起因すると考えられている。例えば、アルゴンガス
中でシリコン半導体基板を600゜C以上に昇温すると
シリコン半導体基板の表面に激しい凹凸が生じること
が、培風館発行、大見忠弘著「ウルトラクリーンULS
I技術」、第21頁に記載されている。このような現象
を抑制するために、シャッター15を開く前に、例え
ば、0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガスをガ
ス導入部12から処理室10内に導入し、処理室10内
を0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガス雰囲気
とする(図68の(A)参照)。
【0012】[工程−40]その後、処理室10内の雰
囲気温度を800〜900゜Cとする。そして、配管3
2,33を介して燃焼室30内に酸素ガス及び水素ガス
を供給し、水素ガスを酸素ガスと燃焼室30内で高温に
て混合し、燃焼させることによって生成した水蒸気を、
配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して処
理室10へ導入し、ガス排気部13から排気する(図6
9の(B)参照)。これによって、シリコン半導体基板
40の表面にシリコン酸化膜が形成される。尚、水蒸気
を処理室10へ導入する前に不完全燃焼した水素ガスが
処理室10内に流入することによって爆鳴気反応が生じ
ることを防止するために、配管33から燃焼室30に水
素ガスを供給する前に、配管32を介して燃焼室30に
酸素ガスを供給する。この結果、配管31、ガス流路1
1及びガス導入部12を介して酸素ガスが処理室10内
に流入する。尚、燃焼室30内の温度を、例えばヒータ
(図示せず)によって700〜900゜Cに保持する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】シャッター15を開く
前に、0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガスを
ガス導入部12から処理室10内に導入し、処理室10
内を0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガス雰囲
気とすることによって(図68の(A)参照)、シリコ
ン半導体基板の表面に凹凸が形成される現象を抑制する
ことができる。あるいは又、培風館発行、大見忠弘著
「ウルトラクリーンULSI技術」、第21頁には、水
素終端したシリコン半導体基板を、終端水素が安定に存
在する300゜Cで乾式酸化を行い、これによって形成
されたシリコン酸化膜を保護膜とすれば、シリコン半導
体基板の表面に凹凸が形成される問題を回避できると報
告されている。
【0014】しかしながら、シリコン半導体基板の表面
に凹凸が形成される現象を抑制するために処理室10内
に酸素ガスを含んだ窒素ガスが導入されるが故に、処理
室10内に搬入されたシリコン半導体基板の表面にシリ
コン酸化膜が形成される。かかるシリコン酸化膜は、本
質的には、所謂、乾式酸化によって形成されたシリコン
酸化膜(ドライ酸化膜と呼ぶ)であり、湿式酸化法にて
形成されたシリコン酸化膜(ウェット酸化膜と呼ぶ)よ
りも特性が劣る。例えば、処理室10内を800゜Cに
保持し、0.5容量%の酸素ガスを含んだ窒素ガスをガ
ス導入部12から処理室10内に導入した状態でシリコ
ン半導体基板を処理室10内に搬入すると、シリコン半
導体基板の表面には2nm以上のドライ酸化膜が形成さ
れる。ゲート長0.18〜0.13μmの半導体装置に
おいては、4〜3nm厚さのゲート酸化膜が用いられる
ことが予想されている。このように、例えば4nm厚さ
のゲート酸化膜を形成しようとした場合、厚さの5割以
上がドライ酸化膜で占められることになる。
【0015】このような問題を解決する手段が、特開平
6−291112号公報に開示されている。即ち、フッ
化水素酸水溶液でシリコン半導体基板を洗浄した後、過
酸化水素水にシリコン半導体基板を浸漬することによっ
てシリコン半導体基板の表面に保護膜としてのシリコン
酸化膜を形成する技術が、この特許公開公報には開示さ
れている。しかしながら、この方法では、過酸化水素水
の濃度制御等によってシリコン半導体基板の表面に均一
なシリコン酸化膜を再現性良く形成することは困難であ
る。また、過酸化水素水中の不純物がシリコン酸化膜中
に取り込まれるという問題もある。
【0016】長期安定性に優れ、絶縁耐圧が高く、且つ
膜厚の薄いシリコン酸化膜を形成する方法が、例えば、
特開平6−318588号公報に開示されている。この
方法は、シリコン半導体の表面に熱酸化法により極薄熱
酸化シリコン膜を形成した後、この極薄熱酸化シリコン
膜上に気相成長法(CVD法)によりシリコン酸化膜を
堆積させ、次いで、酸化雰囲気中で熱処理を行う方法で
ある。この方法は、気相成長法(CVD法)によりシリ
コン酸化膜を堆積させるので、シリコン酸化膜の形成プ
ロセスが複雑になるという問題を有する。
【0017】尚、以上の問題は、シリコン半導体基板の
表面において生じるだけでなく、絶縁性基板や絶縁層等
の上に設けられたシリコン層の表面においても生じる問
題である。
【0018】MOS型半導体装置の製造においては、ゲ
ート酸化膜を形成する前に、シリコン半導体基板にシリ
コン酸化膜を形成する必要がある。このようなシリコン
酸化膜は、LOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)
構造やトレンチ構造の素子分離領域形成工程において、
シリコン窒化膜を堆積させるための下地としての酸化膜
(以下、下地酸化膜と呼ぶ場合がある)であり、あるい
は又、ゲート酸化膜形成前の犠牲酸化膜である。これら
の下地酸化膜あるいは犠牲酸化膜もシリコン半導体基板
の表面に形成されるが、これらの酸化膜にはゲート酸化
膜と同等の電気的信頼性は要求されない。そのため、こ
れらの酸化膜の形成においては、通常、自然酸化膜の形
成、あるいはシリコン半導体基板の表面荒れは考慮され
ない。それ故、これらの酸化膜の形成時、酸化膜には自
然酸化膜が含まれ、あるいは又、これらの酸化膜とシリ
コン半導体基板との界面は凹凸が生じる。ところで、こ
れらの酸化膜は、ゲート酸化膜の形成前に、フッ酸洗浄
によって除去される。従って、酸化膜に含まれたかかる
自然酸化膜も除去されるので、自然酸化膜に依るゲート
酸化膜の信頼性低下に関する問題は生じない。然るに、
これらの酸化膜がフッ酸洗浄によって除去された後のシ
リコン半導体基板の表面には、凹凸が残される。このよ
うな、シリコン半導体基板の表面に残された凹凸は、次
に形成されるゲート酸化膜の電気的信頼性を低下させる
原因となり得る。それ故、ゲート酸化膜形成前のシリコ
ン半導体基板の表面は出来る限り平坦であることが要求
される。言い換えれば、素子分離領域形成後のシリコン
半導体基板の表面や、犠牲酸化膜を形成し、次いで犠牲
酸化膜を除去した後のシリコン半導体基板の表面を、出
来る限り平坦とする必要がある。
【0019】従って、本発明の目的は、シリコン層の表
面にシリコン酸化膜を形成する際のシリコン層の表面に
荒れ(凹凸)が発生することを防止でき、且つ、シリコ
ン層の表面にドライ酸化膜を形成することなく、特性の
優れたシリコン酸化膜を形成する方法を提供することに
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜の形成方
法は、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない
雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によって該シ
リコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始し、湿式
ガスを用いた酸化法によって、所望の厚さになるまでシ
リコン酸化膜を形成することを特徴とする。
【0021】本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜
の形成方法においては、シリコン層の表面からシリコン
原子が脱離しない雰囲気温度は、シリコン層表面を終端
している原子とシリコン原子との結合が切断されない温
度であることが好ましい。この場合、シリコン層の表面
からシリコン原子が脱離しない温度は、シリコン層表面
のSi−H結合が切断されない温度、若しくは、シリコ
ン層表面のSi−F結合が切断されない温度であること
が望ましい。面方位が(100)のシリコン半導体基板
を用いる場合、シリコン半導体基板の表面における水素
原子の大半がシリコン原子の2本の結合手のそれぞれに
1つずつ結合しており、H−Si−Hの終端構造を有す
る。然るに、シリコン半導体基板の表面状態が崩れた部
分(例えばステップ形成箇所)には、シリコン原子の1
本の結合手のみに水素原子が結合した状態の終端構造、
あるいは、シリコン原子の3本の結合手のそれぞれに水
素原子が結合した状態の終端構造が存在する。尚、通
常、シリコン原子の残りの結合手は結晶内部のシリコン
原子と結合している。本明細書における「Si−H結
合」という表現には、シリコン原子の2本の結合手のそ
れぞれに水素原子が結合した状態の終端構造、シリコン
原子の1本の結合手のみに水素原子が結合した状態の終
端構造、あるいは、シリコン原子の3本の結合手のそれ
ぞれに水素原子が結合した状態の終端構造の全てが包含
される。シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開
始するときの雰囲気温度は、より具体的には、湿式ガス
がシリコン層表面で結露しない温度以上、好ましくは2
00゜C以上、より好ましくは300゜C以上とするこ
とが、スループットの面から望ましい。
【0022】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法は、湿式ガスが
シリコン層表面で結露しない温度以上、500゜C以
下、好ましくは450゜C以下、より好ましくは400
゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法に
よってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始
し、湿式ガスを用いた酸化法によって、所望の厚さにな
るまでシリコン酸化膜を形成することを特徴とする。
【0023】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法においては、湿式ガスを用いた
酸化法は、パイロジェニック酸化法、純水の加熱により
発生した水蒸気による酸化法、並びに、酸素ガス又は不
活性ガスによって加熱純水をバブリングすることで発生
した水蒸気による酸化法の内の少なくとも1種の酸化法
であることが好ましい。湿式ガスを用いた酸化法によっ
てシリコン酸化膜を形成するので、優れた経時絶縁破壊
(TDDB)特性を有するシリコン酸化膜を得ることが
できる。尚、湿式ガスを用いた酸化法において、窒素ガ
ス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスで湿式
ガスを希釈してもよい。
【0024】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法においては、所望の厚さのシリ
コン酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度を、シリ
コン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する際の雰
囲気温度よりも高くしてもよい。尚、所望の厚さのシリ
コン酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度は、60
0乃至1200゜C、好ましくは700乃至1000゜
C、更に好ましくは750乃至900゜Cとすることが
できるが、このような値に限定するものではない。
【0025】形成されたシリコン酸化膜の特性を一層向
上させるために、本発明の第1若しくは第2の態様に係
るシリコン酸化膜の形成方法においては、所望の厚さの
シリコン酸化膜の形成が完了した後、形成されたシリコ
ン酸化膜に熱処理を施すことが好ましい。
【0026】この場合、熱処理の雰囲気を、ハロゲン元
素を含有する不活性ガス雰囲気とすることが望ましい。
ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気中でシリコン
酸化膜を熱処理することによって、タイムゼロ絶縁破壊
(TZDB)特性及び経時絶縁破壊(TDDB)特性に
優れたシリコン酸化膜を得ることができる。熱処理にお
ける不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘ
リウムガスを例示することができる。また、ハロゲン元
素として、塩素、臭素、フッ素を挙げることができる
が、なかでも塩素であることが望ましい。不活性ガス中
に含有されるハロゲン元素の形態としては、例えば、塩
化水素(HCl)、CCl4、C2HCl3、Cl2、HB
r、NF3を挙げることができる。不活性ガス中のハロ
ゲン元素の含有率は、分子又は化合物の形態を基準とし
て、0.001〜10容量%、好ましくは0.005〜
10容量%、更に好ましくは0.02〜10容量%であ
る。例えば塩化水素ガスを用いる場合、不活性ガス中の
塩化水素ガス含有率は0.02〜10容量%であること
が望ましい。
【0027】尚、本発明の第1若しくは第2の態様に係
るシリコン酸化膜の形成方法においては、熱処理を、枚
葉処理とすることもできるが、炉アニール処理とするこ
とが好ましい。熱処理の雰囲気温度は、700〜120
0゜C、好ましくは700〜1000゜C、更に好まし
くは700〜950゜Cである。また、熱処理を炉アニ
ール処理とする場合の熱処理の時間は、5〜60分、好
ましくは10〜40分、更に好ましくは20〜30分で
ある。一方、熱処理を枚葉処理とする場合の熱処理の時
間は、1〜10分とすることが好ましい。
【0028】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法においては、形成されたシリコ
ン酸化膜に熱処理を施す際の雰囲気温度を、所望の厚さ
のシリコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度よ
りも高くすることが望ましい。この場合、所望の厚さの
シリコン酸化膜の形成が完了した後、雰囲気を不活性ガ
ス雰囲気に切り替えた後、熱処理を施すための雰囲気温
度まで昇温してもよいが、雰囲気をハロゲン元素を含有
する不活性ガス雰囲気に切り替えた後、熱処理を施すた
めの雰囲気温度まで昇温することが好ましい。ここで、
不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウ
ムガスを例示することができる。また、不活性ガス中に
含有されるハロゲン元素の形態としては、例えば、塩化
水素(HCl)、CCl4、C2HCl3、Cl2、HB
r、NF3を挙げることができる。不活性ガス中のハロ
ゲン元素の含有率は、分子又は化合物の形態を基準とし
て、0.001〜10容量%、好ましくは0.005〜
10容量%、更に好ましくは0.02〜10容量%であ
る。例えば塩化水素ガスを用いる場合、不活性ガス中の
塩化水素ガス含有率は0.02〜10容量%であること
が望ましい。
【0029】熱処理を、ハロゲン元素を含有する不活性
ガス雰囲気を大気圧よりも減圧した状態で行ってもよ
い。
【0030】尚、熱処理後、シリコン酸化膜を窒化処理
してもよい。この場合、窒化処理を、N2Oガス、NO
ガス、NO2ガス雰囲気中で行うことが望ましいが、中
でもN2Oガス雰囲気中で行うことが望ましい。あるい
は又、窒化処理をNH3ガス、N24、ヒドラジン誘導
体雰囲気中で行い、その後、N2Oガス、O2雰囲気中で
アニール処理を行うことが望ましい。窒化処理を700
乃至1200゜C、好ましくは800乃至1150゜
C、更に好ましくは900乃至1100゜Cの温度で行
うことが望ましく、この場合、シリコン層の加熱を赤外
線照射や炉アニールによって行うことが好ましい。
【0031】あるいは又、熱処理の雰囲気を、窒素系ガ
ス雰囲気としてもよい。ここで窒素系ガスとして、
2、NH3、N2O、NO2、NOを例示することができ
る。
【0032】本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜
の形成方法の好ましい実施態様においては、シリコン層
の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度にて、
湿式ガスを用いた酸化法によって該シリコン層の表面に
シリコン酸化膜の形成を開始した後、所定の期間、シリ
コン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度
範囲に雰囲気を保持してシリコン酸化膜を形成する第1
のシリコン酸化膜形成工程と、シリコン層の表面からシ
リコン原子が脱離しない雰囲気温度範囲よりも高い雰囲
気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によって、所望の
厚さになるまでシリコン酸化膜を更に形成する第2のシ
リコン酸化膜形成工程を含むことができる。
【0033】この本発明の好ましい実施態様において
も、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰
囲気温度は、シリコン層表面を終端している原子とシリ
コン原子との結合が切断されない温度であることが好ま
しい。この場合、シリコン層の表面からシリコン原子が
脱離しない温度は、シリコン層表面のSi−H結合が切
断されない温度、若しくは、シリコン層表面のSi−F
結合が切断されない温度であることが好ましい。シリコ
ン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始するときの雰
囲気温度は、より具体的には、湿式ガスがシリコン層表
面で結露しない温度以上、好ましくは200゜C以上、
より好ましくは300゜C以上とすることが、スループ
ットの面から望ましい。また、第1のシリコン酸化膜形
成工程、第2のシリコン酸化膜形成工程、又は、第1の
シリコン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成
工程における湿式ガスを用いた酸化法は、パイロジェニ
ック酸化法、純水の加熱により発生した水蒸気による酸
化法、並びに、酸素ガス又は不活性ガスによって加熱純
水をバブリングすることにより発生した水蒸気による酸
化法の内の少なくとも1種の酸化法であることが好まし
い。湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン酸化膜を
形成するので、優れた経時絶縁破壊(TDDB)特性を
有するシリコン酸化膜を得ることができる。ここで、第
1のシリコン酸化膜形成工程と第2のシリコン酸化膜形
成工程とで、同じ酸化法を採用してもよいし、異なる酸
化法を採用してもよい。第1のシリコン酸化膜形成工
程、第2のシリコン酸化膜形成工程、又は、第1のシリ
コン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程
における湿式ガスを、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウ
ムガス等の不活性ガスで希釈してもよい。
【0034】尚、第1のシリコン酸化膜形成工程、第2
のシリコン酸化膜形成工程、又は、第1のシリコン酸化
膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程における
湿式ガスにはハロゲン元素が含有されていてもよい。こ
れによって、タイムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性及び
経時絶縁破壊(TDDB)特性に優れたシリコン酸化膜
を得ることができる。尚、ハロゲン元素として、塩素、
臭素、フッ素を挙げることができるが、なかでも塩素で
あることが望ましい。湿式ガス中に含有されるハロゲン
元素の形態としては、例えば、塩化水素(HCl)、C
Cl4、C2HCl3、Cl2、HBr、NF3を挙げるこ
とができる。湿式ガス中のハロゲン元素の含有率は、分
子又は化合物の形態を基準として、0.001〜10容
量%、好ましくは0.005〜10容量%、更に好まし
くは0.02〜10容量%である。例えば塩化水素ガス
を用いる場合、湿式ガス中の塩化水素ガス含有率は0.
02〜10容量%であることが望ましい。
【0035】本発明の好ましい実施態様において、第2
のシリコン酸化膜形成工程におけるシリコン酸化膜の形
成温度は、600乃至1200゜C、好ましくは700
乃至1000゜C、更に好ましくは750乃至900゜
Cであることが望ましい。
【0036】本発明の好ましい実施態様に係るシリコン
酸化膜の形成方法においては、シリコン酸化膜を形成す
るための1つの処理室を備えたシリコン酸化膜形成装置
を用い、第1のシリコン酸化膜形成工程及び第2のシリ
コン酸化膜形成工程を該処理室内で行うことができる。
尚、このような実施態様を本発明の好ましい第1の実施
態様と呼ぶ。この場合、第1のシリコン酸化膜形成工程
及び第2のシリコン酸化膜形成工程をバッチ式にて行う
ことが好ましく、このような実施態様を本発明の好まし
い第1Aの実施態様と呼ぶ。
【0037】あるいは又、本発明の好ましい第1の実施
態様においては、処理室には、その外側に配設され、且
つ、シリコン層の表面と略平行に配設された、シリコン
層を加熱するための加熱手段が備えられ、第1のシリコ
ン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程を
枚葉式にて行うことができる。尚、このような実施態様
を本発明の好ましい第1Bの実施態様と呼ぶ。
【0038】本発明の好ましい第1の実施態様において
は、第1のシリコン酸化膜形成工程と第2のシリコン酸
化膜形成工程との間に昇温工程を含むことが好ましい。
この場合、昇温工程における雰囲気を、不活性ガス雰囲
気若しくは減圧雰囲気とするか、あるいは又、湿式ガス
を含む酸化雰囲気とすることが望ましい。ここで、不活
性ガスとして、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス
を例示することができる。尚、昇温工程における雰囲気
中の不活性ガス若しくは湿式ガスには、ハロゲン元素が
含有されていてもよい。これによって、第1のシリコン
酸化膜形成工程にて形成されたシリコン酸化膜の特性の
一層の向上を図ることができる。即ち、第1のシリコン
酸化膜形成工程において生じ得る欠陥であるシリコンダ
ングリングボンド(Si・)やSiOHが昇温工程にお
いてハロゲン元素と反応し、シリコンダングリングボン
ドが終端しあるいは脱水反応を生じる結果、信頼性劣化
因子であるこれらの欠陥が排除される。特に、これらの
欠陥の排除は、第1のシリコン酸化膜形成工程において
形成された初期のシリコン酸化膜に対して効果的であ
る。ハロゲン元素として、塩素、臭素、フッ素を挙げる
ことができるが、なかでも塩素であることが望ましい。
不活性ガス若しくは湿式ガス中に含有されるハロゲン元
素の形態としては、例えば、塩化水素(HCl)、CC
4、C2HCl3、Cl2、HBr、NF3を挙げること
ができる。不活性ガス若しくは湿式ガス中のハロゲン元
素の含有率は、分子又は化合物の形態を基準として、
0.001〜10容量%、好ましくは0.005〜10
容量%、更に好ましくは0.02〜10容量%である。
例えば塩化水素ガスを用いる場合、不活性ガス若しくは
湿式ガス中の塩化水素ガス含有率は0.02〜10容量
%であることが望ましい。尚、昇温工程における雰囲気
を、不活性ガスで希釈された湿式ガスを含む酸化雰囲気
とすることもできる。
【0039】あるいは又、本発明の好ましい実施態様に
おいては、シリコン酸化膜を形成するための第1の処理
室及び第2の処理室、並びに、第1の処理室と第2の処
理室とを結ぶ搬送路を備えたシリコン酸化膜形成装置を
用い、第1のシリコン酸化膜形成工程を第1の処理室内
にて行い、その後、シリコン層を第1の処理室から搬送
路を介して第2の処理室に搬入し、次いで、第2のシリ
コン酸化膜形成工程を第2の処理室にて行うこともでき
る。尚、このような実施態様を本発明の好ましい第2の
実施態様と呼ぶ。
【0040】本発明の好ましい第2の実施態様において
は、シリコン層を第1の処理室から大気に曝すことなく
搬送路を介して第2の処理室に搬送することが、形成さ
れたシリコン酸化膜の表面の汚染発生を防止する観点か
ら、好ましい。尚、具体的には、シリコン層の搬送中に
おける搬送路内の雰囲気を、不活性ガス雰囲気若しくは
減圧雰囲気とすることが好ましい。ここで、不活性ガス
として、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスを例示
することができる。この場合、シリコン層を第1の処理
室から搬送路を介して第2の処理室に搬入する際の搬送
路内の雰囲気温度を、例えば室温(常温)としてもよい
が、シリコン層表面にシリコン酸化膜を形成するときの
第1の処理室内の雰囲気温度と略等しくすることが、ス
ループットの向上の観点から、好ましい。
【0041】本発明の好ましい第2の実施態様において
は、第1のシリコン酸化膜形成工程及び第2のシリコン
酸化膜形成工程をバッチ式にて行うことができる。ある
いは又、第1のシリコン酸化膜形成工程を枚葉式にて行
い、第2のシリコン酸化膜形成工程をバッチ式にて行う
ことができる。更には、第1のシリコン酸化膜形成工程
及び第2のシリコン酸化膜形成工程を枚葉式にて行うこ
とができる。
【0042】本発明の好ましい第2の実施態様において
は、第1の処理室に連通する搬送路の部分と第2の処理
室に連通する搬送路の部分との間にシャッターが配設さ
れたシリコン酸化膜形成装置を用いることができる。
【0043】本発明の好ましい実施態様においては、第
2のシリコン酸化膜形成工程の完了後、形成されたシリ
コン酸化膜に熱処理を施すことが望ましい。この熱処理
は、本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコン酸
化膜の形成方法にて説明した熱処理と同様とすることが
できるので、詳細な説明は省略する。尚、第2のシリコ
ン酸化膜形成工程と熱処理とを、同じ処理室内で実行し
てもよいし、異なる処理室内で実行してもよい。第1の
シリコン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成
工程における好ましい処理方式、並びに熱処理の方式の
組み合わせを以下の表1に例示するが、これらに限定す
るものではない。
【0044】
【表1】 第1のシリコン 第2のシリコン 熱処理 酸化膜形成工程 酸化膜形成工程 バッチ式 バッチ式 バッチ式 枚葉式 バッチ式 バッチ式 枚葉式 枚葉式 枚葉式 枚葉式 枚葉式 バッチ式
【0045】本発明の好ましい実施態様においては、第
2のシリコン酸化膜形成工程を経た後の最終的なシリコ
ン酸化膜の膜厚は、半導体装置に要求される所定の厚さ
とすればよい。一方、第1のシリコン酸化膜形成工程を
経た後のシリコン酸化膜の膜厚は、出来る限り薄いこと
が好ましい。但し、現在、半導体装置の製造に用いられ
ているシリコン半導体基板の面方位は殆どの場合(10
0)であり、如何にシリコン半導体基板の表面を平滑化
しても(100)シリコン半導体基板の表面には必ずス
テップと呼ばれる段差が形成される。このステップは通
常シリコン原子1層分であるが、場合によっては2〜3
層分の段差が形成されることがある。従って、第1のシ
リコン酸化膜形成工程を経た後のシリコン酸化膜の膜厚
は、シリコン層として(100)シリコン半導体基板を
用いる場合、1nm以上とすることが好ましいが、これ
に限定するものではない。
【0046】本発明の好ましい実施態様を含む本発明の
第1の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法、あるいは
又、本発明の第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方
法においては、シリコン酸化膜を形成する前の雰囲気
を、湿式ガスに基づくシリコン酸化膜の形成の前の不所
望のシリコン酸化膜の形成を抑制するために、窒素ガ
ス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガス雰囲
気、あるいは減圧雰囲気とすることが望ましい。
【0047】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法においては、所望の厚さのシリ
コン酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度を、シリ
コン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度
範囲内とし、あるいは又、500゜C以下、好ましくは
450゜C以下とする実施態様としてもよい。尚、この
ような実施態様を本発明の好ましい第3の実施態様と呼
ぶ。この本発明の好ましい第3の実施態様におけるシリ
コン酸化膜の形成方法においては、シリコン層の表面に
シリコン酸化膜の形成を開始する際の雰囲気温度と、所
望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲
気温度とを同じとしてもよいし、所望の厚さのシリコン
酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度をシリコン層
の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する際の雰囲気温
度よりも高い温度としてもよい。後者の場合、雰囲気温
度を段階的に上昇させてもよいし、連続的に上昇させて
もよい。
【0048】この本発明の好ましい第3の実施態様にお
けるシリコン酸化膜の形成方法においても、所望の厚さ
のシリコン酸化膜の形成が完了した後、形成されたシリ
コン酸化膜に熱処理を施すことが好ましい。熱処理の雰
囲気は、ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気であ
ることが好ましく、更には、ハロゲン元素は塩素である
ことが好ましく、塩素は塩化水素(HCl)の形態であ
り、不活性ガス中に含有される塩化水素の濃度は0.0
2乃至10容量%であることが一層好ましい。また、熱
処理は700乃至950゜Cの温度で行われることが好
ましく、更には、熱処理は炉アニール処理であることが
好ましい。尚、この熱処理は、先に説明した本発明の第
1若しくは第2の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法
にて説明した熱処理と同様とすることができるので、詳
細な説明は省略する。
【0049】通常、シリコン層にシリコン酸化膜を形成
する前に、NH4OH/H22水溶液で洗浄し更にHC
l/H22水溶液で洗浄するというRCA洗浄によりシ
リコン層の表面を洗浄し、その表面から微粒子や金属不
純物を除去した後、フッ化水素酸水溶液及び純水による
シリコン層の表面洗浄を行う。ところが、その後、シリ
コン層が大気に曝されると、シリコン層の表面が汚染さ
れ、水分や有機物がシリコン層の表面に付着し、あるい
は又、シリコン層表面のSi原子が水酸基(OH)と結
合する虞がある(例えば、文献 "Highly-reliable Gate
Oxide Formation for Giga-Scale LSIs by using Clos
ed Wet Cleaning System and Wet Oxidation with Ultr
a-Dry Unloading", J. Yugami, et al., International
Electron Device Meeting Technical Digest 95, pp 8
55-858 参照)。このような場合、そのままの状態でシ
リコン酸化膜の形成を開始すると、形成されたシリコン
酸化膜中に水分や有機物、あるいは又、Si−OHが取
り込まれ、形成されたシリコン酸化膜の特性低下あるい
は欠陥部分の発生の原因となり得る。尚、欠陥部分と
は、シリコンダングリングボンド(Si・)やSi−H
結合といった欠陥が含まれるシリコン酸化膜の部分、あ
るいは又、Si−O−Si結合が応力によって圧縮され
若しくはSi−O−Si結合の角度が厚い若しくはバル
クのシリコン酸化膜中のSi−O−Si結合の角度と異
なるといったSi−O−Si結合が含まれたシリコン酸
化膜の部分を意味する。それ故、このような問題の発生
を回避するために、本発明の好ましい実施態様において
は、第1のシリコン酸化膜形成工程の前にシリコン層表
面を洗浄する工程を含み、表面洗浄後のシリコン層を大
気に曝すことなく(即ち、例えば、シリコン層表面の洗
浄から第1のシリコン酸化膜形成工程の開始までの雰囲
気を不活性ガス雰囲気若しくは真空雰囲気とし)、第1
のシリコン酸化膜形成工程を実行することが好ましい。
あるいは又、本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法においては、シリコン酸化膜を
形成する前に、シリコン層表面を洗浄する工程を含み、
表面洗浄後のシリコン層を大気に曝すことなく(即ち、
例えば、シリコン層表面の洗浄からシリコン酸化膜の形
成開始までの雰囲気を不活性ガス雰囲気若しくは真空雰
囲気とし)、シリコン酸化膜の形成を行うことが好まし
い。これによって、大部分が水素で終端され、極一部が
フッ素で終端された表面を有するシリコン層にシリコン
酸化膜を形成することができ、形成されたシリコン酸化
膜の特性低下あるいは欠陥部分の発生を防止することが
できる。
【0050】本発明のシリコン酸化膜の形成方法におけ
る雰囲気温度プロファイルを、図1〜図11に模式的に
例示する。尚、図中、シリコン層の表面にシリコン酸化
膜の形成を開始する時の雰囲気温度の下限値をT1で示
し、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰
囲気温度の上限値をT2で示す。また、所望の厚さのシ
リコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度あるい
は第2のシリコン酸化膜形成工程における雰囲気温度を
3で示し、熱処理における雰囲気温度をT4で示す。図
中、実線はシリコン酸化膜が形成されている状態を表
し、一点鎖線は、シリコン層の表面にシリコン酸化膜の
形成を開始する雰囲気温度まで雰囲気温度を昇温する過
程、あるいは又、シリコン酸化膜の形成完了後、室温ま
で雰囲気温度を降温させる過程、あるいは又、搬送工程
から第2のシリコン酸化膜形成工程における雰囲気温度
まで雰囲気温度を昇温する過程を表す。また、点線は搬
送路における搬送工程を示し、二重線は熱処理工程を表
す。昇温工程を実線にて示した雰囲気温度プロファイル
においては、昇温工程においてもシリコン酸化膜の形成
が行われることを示し、昇温工程を鎖線にて示した雰囲
気温度プロファイルにおいては、昇温工程においてシリ
コン酸化膜の形成が行われないことを示す。また、図
中、「RT」は室温(常温)を意味する。
【0051】図1の(A)及び(B)に示した雰囲気温
度プロファイルの例においては、シリコン層の表面から
シリコン原子が脱離しない雰囲気温度にて、あるいは
又、湿式ガスがシリコン層表面で結露しない温度以上5
00゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化
法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を
開始する。そして、湿式ガスを用いた酸化法によって、
所望の厚さになるまでシリコン酸化膜を形成するが、所
望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲
気温度は、シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を
開始する際の雰囲気温度と同じであるか(図1の(A)
参照)、あるいは、シリコン層の表面にシリコン酸化膜
の形成を開始する際の雰囲気温度よりも高いがシリコン
層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度の範
囲内、あるいは又、500゜C以下の雰囲気温度にある
(図1の(B)参照)。
【0052】図2の(A)及び(B)に示した雰囲気温
度プロファイルの例においては、シリコン層の表面から
シリコン原子が脱離しない雰囲気温度にて、あるいは
又、湿式ガスがシリコン層表面で結露しない温度以上5
00゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化
法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を
開始する。そして、湿式ガスを用いた酸化法によって、
所望の厚さになるまでシリコン酸化膜を形成するが、所
望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲
気温度(T3)は、シリコン層の表面にシリコン酸化膜
の形成を開始する際の雰囲気温度(T1〜T2)よりも高
く、しかも、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
しない雰囲気温度の範囲を越えている。尚、図2の
(A)に示した雰囲気温度プロファイルの例において
は、昇温速度は一定である。一方、図2の(B)に示し
た雰囲気温度プロファイルの例においては、昇温速度を
変化させている。尚、昇温速度の変化パターンは例示で
あり、図2の(B)に限定するものではない。
【0053】図3〜図7に示した雰囲気温度プロファイ
ルの例は本発明の好ましい第1の実施態様に関し、第1
のシリコン酸化膜形成工程と、昇温工程と、第2のシリ
コン酸化膜形成工程を経て、シリコン酸化膜が形成され
る。図3の(A)及び(B)に示した例においては、第
1のシリコン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜
形成工程における雰囲気温度は一定である。図4の
(A)及び(B)に示した例においては、第1のシリコ
ン酸化膜形成工程における雰囲気温度を変化させている
が、第2のシリコン酸化膜形成工程における雰囲気温度
は一定である。図5の(A)及び(B)に示した例にお
いては、第1のシリコン酸化膜形成工程における雰囲気
温度は一定であるが、第2のシリコン酸化膜形成工程に
おける雰囲気温度を変化させている。図6の(A)及び
(B)に示した例においては、第1のシリコン酸化膜形
成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程における雰囲
気温度を変化させている。尚、昇温工程における昇温速
度は一定であってもよいし、変化させてもよい。また、
第1のシリコン酸化膜形成工程及び/又は第2のシリコ
ン酸化膜形成工程における雰囲気温度を変化させる場
合、変化率を一定としてもよいし、変化率を異ならせて
もよい。あるいは又、図7に示すような雰囲気温度プロ
ファイルとすることもできる。尚、図7の(A)に示し
た雰囲気温度プロファイルの例においては、昇温速度は
一定である。一方、図7の(B)に示した雰囲気温度プ
ロファイルの例においては、昇温速度を変化させてい
る。尚、図3の(A)、図4の(A)、図5の(A)及
び図6の(A)に示した例においては、昇温工程を不活
性ガス雰囲気とし、昇温工程においてシリコン酸化膜の
形成を行っていない。一方、図3の(B)、図4の
(B)、図5の(B)及び図6の(B)に示した例にお
いては、昇温工程を湿式ガスを含む酸化雰囲気とし、昇
温工程においてもシリコン酸化膜の形成を行っている。
【0054】図8〜図11に示した雰囲気温度プロファ
イルの例は、本発明の好ましい第2の実施態様に関し、
第1のシリコン酸化膜形成工程と、第2のシリコン酸化
膜形成工程にて、シリコン酸化膜が形成される。図8の
(A)及び(B)に示した例においては、第1のシリコ
ン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程に
おける雰囲気温度は一定である。図9の(A)及び
(B)に示した例においては、第1のシリコン酸化膜形
成工程における雰囲気温度を変化させているが、第2の
シリコン酸化膜形成工程における雰囲気温度は一定であ
る。図10の(A)及び(B)に示した例においては、
第1のシリコン酸化膜形成工程における雰囲気温度は一
定であるが、第2のシリコン酸化膜形成工程における雰
囲気温度を変化させている。図11の(A)及び(B)
に示した例においては、第1のシリコン酸化膜形成工程
及び第2のシリコン酸化膜形成工程における雰囲気温度
を変化させている。尚、図8の(A)、図9の(A)、
図10の(A)及び図11の(A)に示した例において
は、搬送工程における搬送路内の雰囲気温度は、例えば
室温(常温)である。一方、図8の(B)、図9の
(B)、図10の(B)及び図11の(B)に示した例
においては、搬送工程における搬送路内の雰囲気温度
は、例えば、第1のシリコン酸化膜形成工程における第
1の処理室内の雰囲気温度と略等しい。
【0055】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシ
リコン酸化膜の形成方法において、シリコン層とは、シ
リコン半導体基板等の基板そのものだけでなく、基板の
上に形成されたエピタキシャルシリコン層(選択エピタ
キシャル成長法にて形成されたエピタキシャルシリコン
層を含む)、多結晶シリコン層、あるいは非晶質シリコ
ン層、所謂張り合わせ法やSIMOX法に基づき製造さ
れたSOI構造におけるシリコン層、更には、基板やこ
れらの層に半導体素子や半導体素子の構成要素が形成さ
れたもの等、シリコン酸化膜を形成すべきシリコン層を
意味する。シリコン半導体基板の作製方法は、CZ法、
MCZ法、DLCZ法、FZ法等、如何なる方法であっ
てもよいし、また、予め高温の水素アニール処理を行い
結晶欠陥を除去したものでもよい。
【0056】本発明のシリコン酸化膜の形成方法は、例
えばMOS型トランジスタのゲート酸化膜、層間絶縁膜
や素子分離領域の形成、トップゲート型若しくはボトム
ゲート型薄膜トランジスタのゲート酸化膜の形成、フラ
ッシュメモリのトンネル酸化膜の形成等、各種半導体装
置におけるシリコン酸化膜の形成に適用することができ
る。
【0057】あるいは又、本発明のシリコン酸化膜の形
成方法においては、シリコン酸化膜はゲート酸化膜であ
る態様だけでなく、シリコン層はシリコン半導体基板か
ら構成され、シリコン酸化膜は、シリコン半導体基板の
表面にゲート酸化膜形成以前にシリコン半導体基板に形
成される酸化膜である態様とすることもできる。後者の
場合、シリコン半導体基板の表面にゲート酸化膜形成以
前にシリコン半導体基板に形成される酸化膜を、素子分
離領域を形成するための酸化膜(即ち、LOCOS構造
やトレンチ構造の素子分離領域形成工程において、シリ
コン窒化膜を堆積させるための下地としての酸化膜)と
することができ、あるいは又、犠牲酸化膜とすることが
できる。尚、素子分離領域は、LOCOS構造を有し、
あるいは、トレンチ構造を有し、あるいは又、LOCO
S構造及びトレンチ構造を有する形態とすることができ
る。
【0058】本発明の第1の態様に係るシリコン酸化膜
の形成方法においては、シリコン層の表面からシリコン
原子が脱離しない温度に雰囲気を保持した状態にて、湿
式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリ
コン酸化膜の形成を開始する。また、本発明の第2の態
様に係るシリコン酸化膜の形成方法は、湿式ガスがシリ
コン層表面で結露しない温度以上、500゜C以下の雰
囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコ
ン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始する。シリコ
ン酸化膜の形成開始時の雰囲気温度をこのような温度と
することによって、シリコン層の表面に凹凸(荒れ)が
生じることを防止し得る。また、シリコン原子の酸化
は、シリコン層の最表面からではなく、1層内部のシリ
コン原子から始まる。即ち、所謂バックボンドから始ま
り、所謂レイヤー・バイ・レイヤー(Layer-By-Layer)
酸化となる。従って、シリコン層とシリコン酸化膜との
間の界面の平滑性が原子レベルで保たれるので、最終的
に形成されるシリコン酸化膜の特性は優れたものとな
る。しかも、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン
層の表面にシリコン酸化膜を形成するので、最終的に形
成されるシリコン酸化膜中にドライ酸化膜が含まれず、
優れた特性を有するシリコン酸化膜を形成することがで
きる。
【0059】尚、本発明の第1若しくは第2の態様に係
るシリコン酸化膜の形成方法において、例えばゲート酸
化膜として要求される特性を十分満たすシリコン酸化膜
を形成するために、長時間を要する場合がある。このよ
うな場合には、本発明の好ましい実施態様を採用すれば
よい。本発明の好ましい実施態様においては、シリコン
層の表面に既に保護膜としても機能するシリコン酸化膜
が形成された状態で第2のシリコン酸化膜形成工程を実
行するので、例えば昇温工程や搬送路内が非酸化性雰囲
気の場合においてもシリコン層の表面に凹凸(荒れ)が
生じることがない。また、ゲート酸化膜として要求され
る特性を十分に満足し得る、優れた特性を有するシリコ
ン酸化膜を短い期間で形成することができる。
【0060】本発明の好ましい第1Aの実施態様に係る
シリコン酸化膜の形成方法においては、従来の石英製の
処理室(酸化炉)を垂直に保持した抵抗加熱の縦型方式
のシリコン酸化膜形成装置を用いることができる。とこ
ろで、縦型方式のシリコン酸化膜形成装置を用いた場
合、例えばシリコン半導体基板の外周方向の外側にヒー
タ14が配設されているため、昇温中、常に、シリコン
半導体基板の周辺部の方が中心部よりも温度が高くな
る。その結果、昇温中にもシリコン酸化膜が形成される
と、シリコン半導体基板の周辺部の方が中心部よりもシ
リコン酸化膜の膜厚が厚くなる傾向にある。本発明の好
ましい第1Bの実施態様に係るシリコン酸化膜の形成方
法においては、シリコン層の表面と略平行に配設された
加熱手段によってシリコン層を加熱するため、シリコン
層の面内の温度ばらつきを少なくすることができる。そ
の結果、昇温中にシリコン酸化膜が形成される場合であ
っても、形成されるシリコン酸化膜の面内膜厚ばらつき
発生を抑制することができる。
【0061】2段階のシリコン酸化膜の形成を1つの処
理室内で行う場合には、処理室内の雰囲気温度制御を広
い範囲に亙って行わなければならず、処理室内の雰囲気
温度を正確に制御することが困難となる場合がある。ま
た、処理室内の雰囲気温度を昇温させる必要があるた
め、スループットの低下を招き易い。本発明の好ましい
第2の実施態様においては、第1の処理室及び第2の処
理室においてシリコン酸化膜を形成するので、各処理室
内の雰囲気温度を所定の狭い範囲の一定温度に保持すれ
ばよく、各処理室内の雰囲気温度制御を一層正確に行う
ことができるばかりか、処置室内の温度安定性に優れ
る。従って、シリコン酸化膜の膜厚制御性に優れる。し
かも、2段階のシリコン酸化膜の形成を1つの処理室内
で行う場合のように第1のシリコン酸化膜形成工程にお
ける雰囲気温度から第2のシリコン酸化膜形成工程にお
ける雰囲気温度まで広い温度範囲に亙って雰囲気温度を
変化させる必要がないため、スループットの低下を招く
こともない。
【0062】本発明の好ましい第3の実施態様における
シリコン酸化膜の形成方法においては、所望の厚さのシ
リコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度を、5
00゜C以下とするので、シリコン酸化膜形成装置にお
ける雰囲気温度の制御範囲を狭くすることができ、高い
精度で雰囲気温度の制御を行うことができるばかりか、
高温から低温まで処理室を冷却する必要がなくなり、シ
リコン酸化膜の形成に要する時間の短縮化を図ることが
できる。尚、シリコン酸化膜の形成レートは低下する
が、デザインルールが0.13μm以降のMOS型LS
Iに用いられる膜厚3nm以下のゲート酸化膜の形成に
対しては、生産上、問題は殆ど生じない。尚、処理室の
雰囲気温度が従来よりも低い温度であるが故に、処理室
内へのシリコン層の搬入出速度を上げることができる。
従って、シリコン酸化膜の形成全体に要する時間は、従
来技術によるシリコン酸化膜の形成に要する時間と殆ど
変わらない。
【0063】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明を説明する。
【0064】(実施例1)実施例1は、本発明の第1の
態様に係るシリコン酸化膜の形成方法における好ましい
第1Aの実施態様に関し、更には、本発明の第2の態様
に係るシリコン酸化膜の形成方法に関する。実施例1に
おいては、シリコン酸化膜を形成するための1つの処理
室を備えたシリコン酸化膜形成装置を用い、第1のシリ
コン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程
をこの処理室内で行う。更には、第1のシリコン酸化膜
形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程をバッチ式
にて行う。また、第1のシリコン酸化膜形成工程と第2
のシリコン酸化膜形成工程との間に昇温工程を含む。具
体的には、実施例1においては、図13に示した縦型方
式のシリコン酸化膜形成装置を用いた。また、実施例1
においては、シリコン層をシリコン半導体基板から構成
した。形成されたシリコン酸化膜はゲート酸化膜として
機能する。実施例1においては、第1のシリコン酸化膜
形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程における湿
式ガスを用いた酸化法として、パイロジェニック酸化法
を採用した。更には、昇温工程の雰囲気を不活性ガス雰
囲気とした。尚、第2のシリコン酸化膜形成工程におい
て所望の厚さになるまで更にシリコン酸化膜を形成した
後、形成されたシリコン酸化膜に対して、ハロゲン元素
を含有する不活性ガス雰囲気(塩化水素ガスを含む窒素
ガス雰囲気)中で熱処理(炉アニール処理)を施した。
以下、図12〜図17を参照して、実施例1のシリコン
酸化膜の形成方法を説明する。また、実施例1における
雰囲気温度プロファイルを模式的に図14に示す。
【0065】[工程−100]先ず、リンをドープした
直径8インチのN型シリコンウエハ(CZ法にて作製)
であるシリコン半導体基板40に、公知の方法でLOC
OS構造を有する素子分離領域41を形成し、次いでウ
エルイオン注入、チャネルストップイオン注入、閾値調
整イオン注入を行った。尚、素子分離領域はトレンチ構
造を有していてもよいし、LOCOS構造とトレンチ構
造の組み合わせであってもよい。その後、RCA洗浄に
よりシリコン半導体基板40の表面の微粒子や金属不純
物を除去し、次いで、0.1%フッ化水素酸水溶液及び
純水によりシリコン半導体基板40の表面洗浄を行い、
シリコン半導体基板40の表面を露出させた(図12の
(A)参照)。尚、シリコン半導体基板40の表面は大
半が水素で終端しており、極一部がフッ素で終端されて
いる。
【0066】[工程−110]次に、複数のシリコン半
導体基板40を、図13に示したシリコン酸化膜形成装
置の基板搬入出部20に図示しない扉から搬入し、石英
ボート24に載置した(図15の(A)参照)。尚、処
理室10へガス導入部12から窒素ガスを導入し、処理
室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし(減圧雰
囲気であってもよい)、且つ、均熱管16を介してヒー
タ14によって処理室10内の雰囲気温度を400゜C
に保持した。尚、この状態においては、シャッター15
は閉じておく。
【0067】[工程−120]そして、基板搬入出部2
0へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図
示しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21
から窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基
板搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とした。尚、基板搬
入出部20内の酸素ガス濃度をモニターし、酸素ガス濃
度が例えば100ppm以下となったならば、基板搬入
出部20内が十分に窒素ガス雰囲気となったと判断す
る。その後、シャッター15を開き(図15の(B)参
照)、エレベータ機構23を作動させて石英ボート24
を上昇させ(上昇速度:250mm/分)、シリコン半
導体基板40を石英製の二重管構造の処理室10内に搬
入した(図16の(A)参照)。エレベータ機構23が
最上昇位置に辿り着くと、石英ボート24の基部によっ
て処理室10と基板搬入出部20との間は連通しなくな
る。処理室10内の雰囲気温度はヒータ14によって4
00゜Cに保持されているので、即ち、シリコン層の表
面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度に処理室1
0内が保持されているので、シリコン半導体基板40の
表面に荒れが発生することを抑制することができる。
【0068】[工程−130]次いで、シリコン層の表
面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度にて、湿式
ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコ
ン酸化膜の形成を開始した。あるいは又、湿式ガスがシ
リコン層表面で結露しない温度以上、500゜C以下の
雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリ
コン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始した。そし
て、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰
囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコ
ン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始した後、所定
の期間、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しな
い雰囲気温度範囲に雰囲気を保持してシリコン酸化膜を
形成する第1のシリコン酸化膜形成工程を実行した。具
体的には、シリコン層(実施例1においては、シリコン
半導体基板40)の表面からシリコン原子が脱離しない
温度に雰囲気温度を保持した状態で(実施例1において
は、具体的には、雰囲気温度を400゜Cに設定)、湿
式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリ
コン酸化膜42を形成した。実施例1においては、配管
32,33を介して燃焼室30内に酸素ガス及び水素ガ
スを供給し、燃焼室30内で生成した水蒸気を配管3
1、ガス流路11及びガス導入部12を介して処理室1
0内に導入し、パイロジェニック酸化法によってシリコ
ン半導体基板40の表面に厚さ1.2nmのシリコン酸
化膜42を形成した(図16の(B)参照)。このシリ
コン酸化膜の厚さはSiO2の数分子層に相当する厚さ
であり、シリコン半導体基板の表面のステップを考慮し
ても、保護膜として機能するのに十分な厚さである。
【0069】[工程−140]その後、処理室10内へ
の湿式ガスの導入を中止し、不活性ガス(窒素ガス)
を、配管32、燃焼室30、配管31、ガス流路11及
びガス導入部12を介して処理室10内に導入しなが
ら、シリコン酸化膜形成装置の処理室10内の雰囲気温
度を、均熱管16を介してヒータ14によって800゜
Cまで昇温した(図17の(A)参照)。尚、昇温速度
を10゜C/分とした。[工程−130]にてシリコン
層の表面には保護膜としても機能するシリコン酸化膜が
既に形成されているので、この[工程−140]におい
て、シリコン層(シリコン半導体基板40)の表面に荒
れが発生することはない。
【0070】[工程−150]シリコン層の表面からシ
リコン原子が脱離しない雰囲気温度範囲よりも高い雰囲
気温度(実施例1においては800゜C)に処理室10
内の雰囲気温度が達した後、この温度に雰囲気を保持し
た状態にて、湿式ガスを用いた酸化法によって、更にシ
リコン酸化膜を形成する第2のシリコン酸化膜形成工程
を実行した。具体的には、再び、配管32,33を介し
て燃焼室30内に酸素ガス及び水素ガスを供給し、燃焼
室30内で生成した水蒸気を配管31、ガス流路11及
びガス導入部12を介して処理室10内に導入し、パイ
ロジェニック酸化法によってシリコン半導体基板40の
表面に総厚4.0nmのシリコン酸化膜42を形成した
(図17の(B)参照)。尚、所望の厚さのシリコン酸
化膜の形成が完了したときの雰囲気温度(実施例1にお
いては800゜C)は、シリコン層の表面にシリコン酸
化膜の形成を開始する際の雰囲気温度(実施例1におい
ては400゜C)よりも高い。
【0071】以上により、シリコン半導体基板40の表
面におけるシリコン酸化膜42の形成が完了するので、
以降、処理室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気と
し、エレベータ機構23を動作させて石英ボート24を
下降させ、次いで、図示しない扉を開き、シリコン半導
体基板40を搬出してもよいが、一層高い特性を有する
シリコン酸化膜の形成を意図する場合には、以下に説明
する熱処理をシリコン酸化膜に施すことが好ましい。
【0072】[工程−160]即ち、その後、処理室1
0への湿式ガスの導入を中止し、窒素ガスをガス導入部
12から処理室10内に導入しつつ、処理室10の雰囲
気温度をヒータ14によって850゜Cまで昇温した。
その後、塩化水素ガスを0.1容量%含有する窒素ガス
をガス導入部12から処理室10内に導入し、30分
間、熱処理を行った。
【0073】[工程−170]以上により、シリコン半
導体基板40の表面におけるシリコン酸化膜42の形成
が完了する(図12の(B)参照)。以降、処理室10
内を窒素ガス雰囲気とし、エレベータ機構23を動作さ
せて石英ボート24を下降させ、次いで、基板搬入出部
20からシリコン半導体基板40を搬出した。
【0074】[工程−180]実施例1においては、こ
うしてシリコン酸化膜が形成されたシリコン半導体基板
を用いて、公知のCVD技術、フォトリソグラフィ技術
及びドライエッチング技術に基づき、シリコン酸化膜4
2の上にポリシリコン及びタングステンシリサイドから
成るポリサイド構造のゲート電極43を形成し、MOS
キャパシタを作製した(図12の(C)参照)。
【0075】(実施例2)実施例2は実施例1に変形で
ある。実施例2においては、実施例1の[工程−14
0]の代わりに、処理室10内への湿式ガスの導入を中
止することなく、シリコン酸化膜形成装置の処理室10
内の雰囲気温度を、均熱管16を介してヒータ14によ
って800゜Cまで昇温した。実施例2においては、昇
温工程においてもシリコン酸化膜の形成が行われる。
尚、[工程−130]と同様の工程においては、厚さ
1.0nmのシリコン酸化膜を形成した。その他の工程
は実施例1と同様とした。実施例2における雰囲気温度
プロファイルを模式的に図18に示す。
【0076】(実施例3)実施例3も実施例1の変形で
ある。実施例3においては、シリコン半導体基板の上に
厚さ10μmのエピタキシャルシリコン層を公知の方法
で成膜した。そして、かかるエピタキシャルシリコン層
の表面に、実施例1の[工程−110]〜[工程−18
0]と同様の工程に基づき、シリコン酸化膜を形成し、
更にはMOSキャパシタを作製した。尚、シリコン酸化
膜の総厚を4.0nmとした。尚、[工程−130]と
同様の工程においては、厚さ1.2nmのシリコン酸化
膜を形成した。
【0077】(比較例1)比較例1においては、従来の
シリコン酸化膜の形成方法に基づき、シリコン半導体基
板の表面に厚さ4.0nmのシリコン酸化膜を形成し
た。即ち、[工程−10]〜[工程−40]に基づき、
シリコン酸化膜を形成した。尚、[工程−20]におい
て、シャッター15を開く前に、0.5容量%の酸素ガ
スを含んだ窒素ガスをガス導入部12から処理室10内
に導入し、処理室10内を0.5容量%の酸素ガスを含
んだ窒素ガス雰囲気(雰囲気温度:800゜C)とし
た。また、処理室10内の雰囲気温度を800゜Cと
し、パイロジェニック酸化法にて、シリコン半導体基板
の表面にシリコン酸化膜を形成した。こうしてシリコン
酸化膜が形成されたシリコン半導体基板から、実施例1
と同様に、MOSキャパシタを作製した。尚、パイロジ
ェニック酸化法にてシリコン半導体基板の表面にシリコ
ン酸化膜を形成する前に、0.5容量%の酸素ガスを含
んだ窒素ガス雰囲気の処理室10内にシリコン半導体基
板を搬入した結果、シリコン半導体基板の表面には厚さ
2.3nmのドライ酸化膜が形成されていた。
【0078】(比較例2)比較例2においては、実施例
1の[工程−130]と同様の工程において、シリコン
半導体基板の表面からシリコン原子が脱離しない温度に
雰囲気を保持した状態で(比較例2においては、具体的
には、雰囲気温度を400゜Cに設定)、湿式ガスを用
いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜
を形成する代わりに、0.5容量%の酸素を含む窒素ガ
ス雰囲気で厚さ1.2nmのドライ酸化膜を成膜した。
その他の工程は実施例1と同様とした。
【0079】実施例1、実施例2、実施例3、比較例1
及び比較例2により作製されたMOSキャパシタに対し
て、シリコン酸化膜の長期信頼性を評価するために、経
時絶縁破壊(Time Dependent Dielectric Breakdown、
TDDB)特性の測定を行った。この経時絶縁破壊は、
電流ストレス又は電圧ストレスを印加した瞬間には破壊
しないが、ストレス印加後或る時間が経過してからシリ
コン酸化膜に絶縁破壊が生じる現象である。
【0080】経時絶縁破壊(TDDB)特性を以下の方
法で評価した。1枚のシリコン半導体基板40に50個
のMOSキャパシタを作製した。また、MOSキャパシ
タのゲート面積を0.1mm2とした。そして、評価に
は2枚のシリコン半導体基板を使用した。図19に模式
的に図示する回路を作り、ゲート電極43に定電流(J
=0.1A/cm2)ストレスを印加する定電流ストレ
ス法により所謂クーロンブレイクダウン(QBD)を測定
した。ここで、QBDは、J(A/cm2)と、絶縁破壊
に至るまでの時間tBDの積で表される。図20、図21
及び図22は、累積不良率PとQBDの関係のワイブル確
率分布を示した図である。尚、図20中、白丸印は実施
例1にて得られたシリコン酸化膜の評価結果を示し、黒
三角印は比較例1にて得られたシリコン酸化膜の評価結
果を示し、白四角印は比較例2にて得られたシリコン酸
化膜の評価結果を示す。また、図21の黒丸印は実施例
2にて得られたシリコン酸化膜の評価結果を示し、
「×」印は比較例1と同様の方法にて得られたシリコン
酸化膜の評価結果を示す。更に、図22の黒三角印は実
施例3にて得られたシリコン酸化膜の評価結果を示し、
「×」印は比較例1と同様の方法にて得られたシリコン
酸化膜の評価結果を示す。図20から明らかなように、
実施例1にて得られたシリコン酸化膜においては、絶縁
破壊に至るまでの注入電荷量が比較例1の2倍以上多
く、長期信頼性が向上していることが判る。また、実施
例3にて得られたシリコン酸化膜の長期信頼性は、即
ち、エピタキシャルシリコン層に形成されたシリコン酸
化膜の長期信頼性は、実施例1にて得られたシリコン酸
化膜よりも、一層向上している。
【0081】(実施例4)実施例4も実施例1の変形で
ある。実施例1と同様の方法で、但し、第1のシリコン
酸化膜形成工程におけるシリコン層の表面からシリコン
原子が脱離しない雰囲気温度を350゜C、450゜C
として第1のシリコン酸化膜形成工程を実行した。ま
た、比較のために、第1のシリコン酸化膜形成工程にお
ける雰囲気温度を550゜Cとしてシリコン酸化膜の形
成を行った。その他の工程は実施例1と同様とした。そ
して、実施例1と同様に、1枚のシリコン半導体基板4
0に50個のMOSキャパシタを作製した。実施例1及
び実施例4にて作製されたMOSキャパシタの累積不良
率50%におけるQBDの値と、第1のシリコン酸化膜形
成工程における雰囲気温度の関係を図23に黒四角で示
す。図23には、併せて、シリコン半導体基板の表面か
らの水素原子の脱離量(単位は任意)と、第1のシリコ
ン酸化膜形成工程における雰囲気温度の関係を白丸で示
す。図23から、第1のシリコン酸化膜形成工程におけ
る雰囲気温度が500゜Cを越えると、水素原子の脱離
量が急激に増加し、しかも、MOSキャパシタの累積不
良率50%におけるQBDの値が従来の技術にて作製され
たMOSキャパシタ程度に低下することが判る。例え
ば、実施例1にて得られたMOSキャパタの累積不良率
50%におけるQBDは、比較例1と比べて、2倍程度向
上している。第1のシリコン酸化膜形成工程における雰
囲気温度が350゜Cの場合、MOSキャパタの累積不
良率50%におけるQBDは、一層向上している。
【0082】(実施例5)実施例5も実施例1の変形で
ある。実施例5が実施例1と相違する点は、第1のシリ
コン酸化膜形成工程、昇温工程、第2のシリコン酸化膜
形成工程における雰囲気温度プロファイルにある。実施
例5における雰囲気温度プロファイルを模式的に図24
に示す。以下、実施例5のシリコン酸化膜の形成方法を
説明する。
【0083】[工程−500]先ず、シリコン半導体基
板に、実施例1と同様の方法で、素子分離領域等を形成
した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表面の
微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フッ化
水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の表面
洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させた。
【0084】[工程−510]次に、複数のシリコン半
導体基板を、図13に示したシリコン酸化膜形成装置の
基板搬入出部20に図示しない扉から搬入し、石英ボー
ト24に載置した(図25の(A)参照)。尚、処理室
10へガス導入部12から窒素ガスを導入し、処理室1
0内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とした(減圧雰囲
気であってもよい)。尚、実施例5においては、処理室
10内の雰囲気温度を室温とした。
【0085】[工程−520]そして、基板搬入出部2
0へのシリコン半導体基板の搬入が完了した後、図示し
ない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21から
窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基板搬
入出部20内を窒素ガス雰囲気とした。尚、基板搬入出
部20内の酸素ガス濃度をモニターし、酸素ガス濃度が
例えば100ppm以下となったならば、基板搬入出部
20内が十分に窒素ガス雰囲気となったと判断する。そ
の後、シャッター15を開き、エレベータ機構23を作
動させて石英ボート24を上昇させ、シリコン半導体基
板を石英製の二重管構造の処理室10内に搬入した(図
25の(B)参照)。エレベータ機構23の上昇速度を
500mm/分とした。
【0086】[工程−530]次いで、均熱管16を介
してヒータ14によって処理室10内の雰囲気温度を2
00゜Cまで上昇させた(図26の(A)参照)。処理
室10内の雰囲気温度が200゜Cにて安定した後、即
ち、雰囲気温度をシリコン層(実施例5においては、シ
リコン半導体基板)の表面からシリコン原子が脱離しな
い温度(実施例5においては、具体的には、雰囲気温度
を200゜Cに設定)とした後、湿式ガスを用いた酸化
法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜42を形
成を開始した。尚、湿式ガス中には、濃度0.1容量%
の塩化水素ガスが含有されていてもよい。具体的には、
燃焼室30内で生成した水蒸気、及び、所望に応じて塩
化水素ガスを、配管31、ガス流路11及びガス導入部
12を介して処理室10内に導入し、パイロジェニック
酸化法によってシリコン半導体基板の表面におけるシリ
コン酸化膜の形成を開始した。その後、シリコン酸化膜
を形成しながら、均熱管16を介してヒータ14によっ
て処理室10内の雰囲気温度を400゜Cまで上昇させ
た(図26の(B)参照)。これによって、厚さ1nm
程度のシリコン酸化膜を形成した。
【0087】[工程−540]その後、処理室10内へ
の湿式ガスの導入を中止し、不活性ガス(ハロゲン元素
が含有されていてもいなくともよい)をガス導入部12
から処理室10内に導入しながら、シリコン酸化膜形成
装置の処理室10内の雰囲気温度を、均熱管16を介し
てヒータ14によって600゜Cまで昇温した(図27
の(A)参照)。尚、[工程−530]にてシリコン層
の表面には保護膜としても機能するシリコン酸化膜が既
に形成されているので、この[工程−540]におい
て、シリコン層(シリコン半導体基板)の表面に荒れが
発生することはない。処理室10内への湿式ガス(ハロ
ゲン元素が含有されていてもいなくともよい)の導入を
継続しながら、シリコン酸化膜形成装置の処理室10内
の雰囲気温度を、均熱管16を介してヒータ14によっ
て、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰
囲気温度範囲よりも高い雰囲気温度(600゜C)まで
昇温してもよい。
【0088】[工程−550]600゜Cに処理室10
内の雰囲気温度が達した後、この温度に雰囲気を保持し
た状態にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン
層の表面にシリコン酸化膜42を更に形成した(図27
の(B)参照)。尚、湿式ガス中には、濃度0.1容量
%の塩化水素ガスが含有されていてもよい。具体的に
は、燃焼室30内で生成した水蒸気、及び、所望に応じ
て塩化水素ガスを、配管31、ガス流路11及びガス導
入部12を介して処理室10内に導入し、パイロジェニ
ック酸化法によってシリコン半導体基板の表面に総厚
3.5nmのシリコン酸化膜を形成した。
【0089】以上により、シリコン半導体基板40の表
面におけるシリコン酸化膜42の形成が完了するので、
以降、処理室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気と
し、エレベータ機構23を動作させて石英ボート24を
下降させ、次いで、図示しない扉を開き、シリコン半導
体基板40を搬出してもよいが、一層高い特性を有する
シリコン酸化膜の形成を意図する場合には、以下に説明
する熱処理をシリコン酸化膜に施すことが好ましい。
【0090】[工程−560]即ち、その後、処理室1
0への湿式ガスの導入を中止し、窒素ガスをガス導入部
12から処理室10内に導入しつつ、処理室10の雰囲
気温度をヒータ14によって850゜Cまで昇温した。
その後、塩化水素ガスを0.1容量%含有する窒素ガス
をガス導入部12から処理室10内に導入し、30分
間、熱処理を行った。
【0091】[工程−570]以上により、シリコン半
導体基板の表面におけるシリコン酸化膜の形成が完了す
る。以降、処理室10内を窒素ガス雰囲気とし、エレベ
ータ機構23を動作させて石英ボート24を下降させ、
扉を開き、次いで、基板搬入出部20からシリコン半導
体基板を搬出した。
【0092】(実施例6)実施例6も、実施例1の変形
である。実施例6が実施例1と相違する点は、第1のシ
リコン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工
程における湿式ガスにハロゲン元素(具体的には、塩
素)が含有されている点にある。尚、塩素は塩化水素の
形態であり、湿式ガス中に含有される塩化水素ガスの濃
度を0.1容量%とした。実施例6においても、図13
に示した縦型方式のシリコン酸化膜形成装置を用いた。
また、実施例6においても、シリコン層をシリコン半導
体基板から構成した。形成されたシリコン酸化膜はゲー
ト酸化膜として機能する。昇温工程の雰囲気を不活性ガ
ス雰囲気とした。第2のシリコン酸化膜形成工程にて更
にシリコン酸化膜を形成した後、形成されたシリコン酸
化膜に対して、ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲
気(塩化水素ガスを含む窒素ガス雰囲気)中で熱処理
(炉アニール処理)を施した。以下、図28〜図30を
参照して、実施例6のシリコン酸化膜の形成方法を説明
する。尚、実施例6における雰囲気温度プロファイルは
図14と同様とした。
【0093】[工程−600]先ず、シリコン半導体基
板に、実施例1と同様の方法で、素子分離領域等を形成
した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表面の
微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フッ化
水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の表面
洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させた。
【0094】[工程−610]次に、複数のシリコン半
導体基板を、図13に示したシリコン酸化膜形成装置の
基板搬入出部20に図示しない扉から搬入し、石英ボー
ト24に載置した(図28の(A)参照)。尚、処理室
10へガス導入部12から窒素ガスを導入し、処理室1
0内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気
であってもよい)、且つ、均熱管16を介してヒータ1
4によって処理室10内の雰囲気温度を400゜Cに保
持した。尚、この状態においては、シャッター15は閉
じておく。
【0095】[工程−620]そして、基板搬入出部2
0へのシリコン半導体基板の搬入が完了した後、図示し
ない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21から
窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基板搬
入出部20内を窒素ガス雰囲気とした。尚、基板搬入出
部20内の酸素ガス濃度をモニターし、酸素ガス濃度が
例えば100ppm以下となったならば、基板搬入出部
20内が十分に窒素ガス雰囲気となったと判断する。そ
の後、シャッター15を開き(図28の(B)参照)、
エレベータ機構23を作動させて石英ボート24を上昇
させ、シリコン半導体基板を石英製の二重管構造の処理
室10内に搬入した(図29の(A)参照)。エレベー
タ機構23が最上昇位置に辿り着くと、石英ボート24
の基部によって処理室10と基板搬入出部20との間は
連通しなくなる。処理室10内の雰囲気温度はヒータ1
4によって400゜Cに保持されているので、シリコン
半導体基板の表面に荒れが発生することを抑制すること
ができる。
【0096】[工程−630]次いで、シリコン層(実
施例6においては、シリコン半導体基板)の表面からシ
リコン原子が脱離しない温度に雰囲気を保持した状態で
(実施例6においては、具体的には、雰囲気温度を40
0゜Cに設定)、湿式ガスを用いた酸化法によってシリ
コン層の表面にシリコン酸化膜を形成した。尚、湿式ガ
ス中には、濃度0.1容量%の塩化水素ガスが含有され
ている。具体的には、燃焼室30内で生成した水蒸気、
及び塩化水素ガスを、配管31、ガス流路11及びガス
導入部12を介して処理室10内に導入し、パイロジェ
ニック酸化法によってシリコン半導体基板の表面に厚さ
1nm程度のシリコン酸化膜を形成した(図29の
(B)参照)。
【0097】[工程−640]その後、処理室10内へ
の湿式ガスの導入を中止し、例えば窒素ガスから成る不
活性ガス(ハロゲン元素が含有されていてもいなくとも
よい)をガス導入部12から処理室10内に導入しなが
ら、シリコン酸化膜形成装置の処理室10内の雰囲気温
度を、均熱管16を介してヒータ14によって800゜
Cまで昇温した(図30の(A)参照)。尚、[工程−
630]にてシリコン層の表面には保護膜としても機能
するシリコン酸化膜が既に形成されているので、この
[工程−640]において、シリコン層(シリコン半導
体基板)の表面に荒れが発生することはない。代替的に
処理室10内への湿式ガス(ハロゲン元素が含有されて
いてもいなくともよい)の導入を継続しながら、シリコ
ン酸化膜形成装置の処理室10内の雰囲気温度を、均熱
管16を介してヒータ14によって、シリコン層の表面
からシリコン原子が脱離しない雰囲気温度範囲よりも高
い雰囲気温度(例えば800゜C)まで昇温してもよ
い。
【0098】[工程−650]800゜Cに処理室10
内の雰囲気温度が達した後、この温度に雰囲気を保持し
た状態にて、例えば塩化水素ガスを0.1容量%含有す
る湿式ガスを用いた酸化法によって、更にシリコン酸化
膜を形成した。具体的には、燃焼室30内で生成した水
蒸気、及び塩化水素ガスを、配管31、ガス流路11及
びガス導入部12を介して処理室10内に導入し、パイ
ロジェニック酸化法によってシリコン半導体基板の表面
に総厚4.0nmのシリコン酸化膜を形成した(図30
の(B)参照)。
【0099】以上により、シリコン半導体基板の表面に
おけるシリコン酸化膜の形成が完了するので、以降、処
理室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、エレ
ベータ機構23を動作させて石英ボート24を下降さ
せ、次いで、図示しない扉を開き、シリコン半導体基板
を搬出してもよいが、一層高い特性を有するシリコン酸
化膜の形成を意図する場合には、以下に説明する熱処理
をシリコン酸化膜に施すことが好ましい。
【0100】[工程−660]その後、処理室10への
湿式ガスの導入を中止し、窒素ガスをガス導入部12か
ら処理室10内に導入しつつ、処理室10の雰囲気温度
をヒータ14によって850゜Cまで昇温した。その
後、塩化水素ガスを0.1容量%含有する窒素ガスをガ
ス導入部12から処理室10内に導入し、30分間、熱
処理を行った。
【0101】[工程−670]以上により、シリコン半
導体基板の表面におけるシリコン酸化膜の形成が完了す
る。以降、処理室10内を窒素ガス雰囲気とし、エレベ
ータ機構23を動作させて石英ボート24を下降させ、
図示しない扉を開き、次いで、基板搬入出部20からシ
リコン半導体基板を搬出した。
【0102】(実施例7)実施例7は、本発明の第1の
態様に係るシリコン酸化膜の形成方法における好ましい
第1Bの実施態様に関し、更には、本発明の第2の態様
に係るシリコン酸化膜の形成方法に関する。実施例7に
おいては、処理室には、その外側に配設され、且つ、シ
リコン層の表面と略平行に配設された、シリコン層を加
熱するための加熱手段が備えられている。第1のシリコ
ン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程を
枚葉式にて行う。
【0103】実施例7の実施に適した横型のシリコン酸
化膜形成装置の一例の模式図を、図31に示す。このシ
リコン酸化膜形成装置は、処理室50と、シリコン層を
加熱するための加熱手段である抵抗加熱ヒータ51とを
備えている。処理室50は石英炉心管から成り、シリコ
ン層にシリコン酸化膜を形成するためにその内部にシリ
コン層(具体的には、例えばシリコン半導体基板)を収
納する。加熱手段である抵抗加熱ヒータ51は、処理室
50の外側に配設されており、且つ、シリコン層の表面
と略平行に配設されている。シリコン層(例えばシリコ
ン半導体基板40)は、ウエハ台52に載置され、処理
室50の一端に設けられたゲートバルブ53を介して、
処理室50内に搬入出される。シリコン酸化膜形成装置
には、処理室50へ水蒸気及び/又はガスを導入するた
めのガス導入部54と、処理室50から水蒸気及び/又
はガスを排気するガス排気部55が更に備えられてい
る。シリコン層(具体的には、例えばシリコン半導体基
板)の温度は、図示しない熱電対によって測定すること
ができる。尚、実施例1と同様に、燃焼室に供給された
水素ガスを酸素ガスと、燃焼室内で高温にて混合し、燃
焼させることによって、水蒸気を生成させる。かかる水
蒸気は、配管及びガス導入部54を介して処理室50内
に導入される。燃焼室及び配管の図示は省略した。
【0104】あるいは又、図32に模式図を示す形式の
横型のシリコン酸化膜形成装置を用いることもできる。
この図32に示した横型のシリコン酸化膜形成装置にお
いては、加熱手段は、赤外線若しくは可視光を発する複
数のランプ51Aから構成されている。また、図示しな
いパイロメータによってシリコン半導体基板の温度を測
定する。その他の構造は、基本的には、図31に示した
シリコン酸化膜形成装置と同様とすることができるの
で、詳細な説明は省略する。
【0105】以下、実施例7のシリコン酸化膜の形成方
法を説明する。尚、実施例7における雰囲気温度プロフ
ァイルは図14と同様とした。
【0106】[工程−700]先ず、シリコン半導体基
板に、実施例1と同様の方法で、素子分離領域等を形成
した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表面の
微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フッ化
水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の表面
洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させた。
【0107】[工程−710]次に、ウエハ台52に載
置されたシリコン半導体基板40を、図31若しくは図
32に示したシリコン酸化膜形成装置のゲートバルブ5
3を開いて、処理室50内に搬入した後、ゲートバルブ
53を閉じた。このとき、処理室50内の雰囲気を、加
熱手段によって400゜C程度に加熱された不活性ガス
雰囲気としておいた。処理室50内の雰囲気をこのよう
な条件とすることによって、シリコン半導体基板40の
表面に荒れが発生することを抑制することができる。
【0108】[工程−720]次いで、シリコン層(実
施例7においては、シリコン半導体基板40)の表面か
らシリコン原子が脱離しない温度に雰囲気を保持した状
態で(実施例7においては、具体的には、雰囲気温度を
400゜Cに設定)、湿式ガスを用いた酸化法によって
シリコン層の表面にシリコン酸化膜42を形成した。実
施例7においては、具体的には、燃焼室(図示せず)内
で生成した水蒸気を配管(図示せず)及びガス導入部5
4を介して処理室50内に導入し、パイロジェニック酸
化法によってシリコン半導体基板40の表面に厚さ1.
2nmのシリコン酸化膜を形成した。
【0109】[工程−730]その後、処理室50内へ
の湿式ガスの導入を継続しながら、処理室50内の雰囲
気温度を、加熱手段によって800゜Cまで昇温した。
尚、実施例7においては、加熱手段がシリコン層の表面
と略平行に配設されているので、例えばシリコン半導体
基板の昇温時のシリコン半導体基板の面内温度ばらつき
の発生を抑制することができる結果、昇温中に形成され
るシリコン酸化膜の面内膜厚ばらつきの発生を効果的に
抑制することができる。
【0110】[工程−740]800゜Cに処理室50
内の雰囲気温度が達した後、この温度に雰囲気を保持し
た状態にて、湿式ガスを用いた酸化法によって、更にシ
リコン酸化膜を形成した。具体的には、燃焼室内で生成
した水蒸気を配管及びガス導入部54を介して処理室5
0内に導入し、パイロジェニック酸化法によってシリコ
ン半導体基板40の表面に総厚4.0nmのシリコン酸
化膜42を形成した。
【0111】以上により、シリコン半導体基板40の表
面におけるシリコン酸化膜42の形成が完了するので、
以降、処理室50内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気と
し、ゲートバルブ53を開き、ウエハ台52に載置され
たシリコン半導体基板40を処理室50から搬出しても
よいが、一層高い特性を有するシリコン酸化膜の形成を
意図する場合には、以下に説明する熱処理をシリコン酸
化膜に施すことが好ましい。
【0112】[工程−750]その後、処理室50への
湿式ガスの導入を中止し、窒素ガスをガス導入部54か
ら処理室50内に導入しつつ、処理室50の雰囲気温度
を加熱手段によって850゜Cまで昇温した。次いで、
塩化水素ガスを0.1容量%含有する窒素ガスをガス導
入部54から処理室50内に導入し、5分間、熱処理を
行った。
【0113】[工程−760]以上により、シリコン半
導体基板40の表面におけるシリコン酸化膜の形成が完
了する。以降、処理室50内を窒素ガス雰囲気とし、ゲ
ートバルブ53を開き、ウエハ台52に載置されたシリ
コン半導体基板40を処理室50から搬出した。
【0114】尚、実施例7にて説明した横型のシリコン
酸化膜形成装置を用いて、実施例1、実施例3〜実施例
6にて説明したシリコン酸化膜の形成を実施することも
できる。
【0115】(実施例8)実施例8は、本発明の第1の
態様に係るシリコン酸化膜の形成方法における好ましい
第2の実施態様に関し、更には、本発明の第2の態様に
係るシリコン酸化膜の形成方法に関する。実施例8にお
いては、シリコン酸化膜を形成するための第1の処理室
及び第2の処理室、並びに、第1の処理室と第2の処理
室とを結ぶ搬送路を備えたシリコン酸化膜形成装置を用
い、第1のシリコン酸化膜形成工程を第1の処理室内に
て行い、その後、シリコン層を第1の処理室から搬送路
を介して第2の処理室に搬入し、次いで、第2のシリコ
ン酸化膜形成工程を第2の処理室にて行う。また、実施
例8においては、シリコン層を、第1の処理室から大気
に曝すことなく搬送路を介して第2の処理室に搬送す
る。即ち、シリコン層を第1の処理室から第2の処理室
に搬入する際の搬送路の雰囲気を不活性ガス雰囲気とす
る。ここで、シリコン層を第1の処理室から第2の処理
室に搬送する際の搬送路の雰囲気温度を、第1のシリコ
ン酸化膜形成工程における第1の処理室内の雰囲気温度
と略等しくする。また、実施例8においては、第1のシ
リコン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工
程をバッチ式にて行う。
【0116】実施例8においては、図34に概念図を示
し、図35及び図36に模式図を示す縦型方式のシリコ
ン酸化膜形成装置を用いる。また、実施例8において
は、シリコン層はシリコン半導体基板それ自体である。
形成されたシリコン酸化膜はゲート酸化膜として機能す
る。実施例8においては、第1のシリコン酸化膜形成工
程及び第2のシリコン酸化膜形成工程における湿式ガス
を用いた酸化法として、パイロジェニック酸化法を採用
する。第2のシリコン酸化膜形成工程にてシリコン酸化
膜を形成した後、形成されたシリコン酸化膜に対して、
ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気(具体的に
は、塩化水素ガスを含む窒素ガス雰囲気)中で熱処理
(炉アニール処理)を施す。尚、熱処理を第2の処理室
内でバッチ式にて行う。以下、図33〜図36、及びシ
リコン酸化膜形成装置等の概念図である図38〜図46
を参照して、実施例8のシリコン酸化膜の形成方法を説
明する。尚、実施例8における雰囲気温度プロファイル
を図37に示す。
【0117】図34〜図36に示したシリコン酸化膜形
成装置は、第1の処理室110、第2の処理室210及
び搬送路120から構成されている。尚、図35は、図
34の矢印A−Aに沿った第1の処理室110を含む部
分の模式的な断面図であり、図36は、図34の矢印B
−Bに沿った第2の処理室210を含む部分の模式的な
断面図である。この縦型方式のシリコン酸化膜形成装置
は、石英製の二重管構造の処理室110,210と、処
理室110,210へ水蒸気及び/又はガスを導入する
ためのガス導入部112,212と、処理室110,2
10から水蒸気及び/又はガスを排気するガス排出部1
13,213と、SiCから成る円筒状の均熱管11
6,216を介して処理室110,210内を所定の雰
囲気温度に保持するためのヒータ114,214とから
構成されている。ヒータ114,214は温度制御装置
(図示せず)によって制御される。更には、第1の処理
室110及び第2の処理室210の下部に配置された搬
送路120と、搬送路120へ窒素ガス等の不活性ガス
を導入するためのガス導入部121と、搬送路120か
らガスを排気するガス排気部122と、第1の処理室1
10及び第2の処理室210と搬送路120とを仕切る
シャッター115,215と、シリコン半導体基板を第
1の処理室110及び第2の処理室210に搬入出する
ためのエレベータ機構123から構成されている。エレ
ベータ機構123には、複数のシリコン半導体基板を載
置するための石英ボート124が取り付けられている。
尚、エレベータ機構123は、図34の左右方向に移動
可能である。搬送路120にはシリコン半導体基板を搬
入出するための扉125が備えられている。また、燃焼
室130に供給された水素ガスを酸素ガスと燃焼室13
0内で高温にて混合し、燃焼させることによって、水蒸
気を生成させる。かかる水蒸気は、配管131、ガス流
路111,211及びガス導入部112,212を介し
て第1の処理室110内及び第2の処理室210内に導
入される。尚、ガス流路111,211は、二重管構造
の第1の処理室110及び第2の処理室210の内壁及
び外壁の間の空間に相当する。尚、燃焼室130及び配
管131は、第1の処理室110及び第2の処理室21
0のそれぞれに配設してもよいし、1つの燃焼室130
から分岐した配管131により第1の処理室110内あ
るいは第2の処理室210内に水蒸気を導入してもよ
い。
【0118】[工程−800]先ず、シリコン半導体基
板40に、実施例1と同様の方法で、素子分離領域41
等を形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板
40の表面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、
0.1%フッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半
導体基板40の表面洗浄を行い、シリコン半導体基板の
表面を露出させる(図33の(A)参照)。
【0119】[工程−810]次に、複数のシリコン半
導体基板40を、図34に示したシリコン酸化膜形成装
置の搬送路120に扉125から搬入し、石英ボート1
24に載置する。尚、第1の処理室110へガス導入部
112から窒素ガス等の不活性ガスを導入し、第1の処
理室110内を不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気であ
ってもよい)、且つ、均熱管116を介してヒータ11
4によって第1の処理室110内の雰囲気温度を400
゜Cに保持する。尚、この状態においては、シャッター
115は閉じておく。一方、第2の処理室210へガス
導入部212から窒素ガス等の不活性ガスを導入し、第
2の処理室210内を不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲
気であってもよい)、且つ、均熱管216を介してヒー
タ214によって第2の処理室210内の雰囲気温度を
800゜Cに保持する。尚、この状態においては、シャ
ッター215は閉じておく。
【0120】[工程−820]そして、搬送路120へ
のシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、扉12
5を閉め、搬送路120にガス導入部121から窒素ガ
ス等の不活性ガスを導入し、ガス排気部122から排出
し、搬送路120内を室温の不活性ガス雰囲気とする
(図38参照)。尚、搬送路120内の酸素ガス濃度を
モニターし、酸素ガス濃度が例えば100ppm以下と
なったならば、搬送路120内が十分に不活性ガス雰囲
気になったと判断する。その後、シャッター115を開
き、エレベータ機構123を作動させて石英ボート12
4を上昇させ、シリコン半導体基板40を石英製の二重
管構造の第1の処理室110に搬入する(図39参
照)。エレベータ機構123が最上昇位置に辿り着く
と、石英ボート124の基部によって第1の処理室11
0と搬送路120との間は連通しなくなる。第1の処理
室110内の不活性ガス雰囲気の温度はヒータ114に
よって400゜Cに保持されているので、シリコン半導
体基板40の表面に荒れが発生することを抑制すること
ができる。尚、第1の処理室110へのシリコン半導体
基板40の搬入後、不活性ガス雰囲気にある搬送路12
0内を図示しないヒータで400゜C前後に加熱してお
くことが好ましい。
【0121】[工程−830]次いで、シリコン層(実
施例8においては、シリコン半導体基板40)の表面か
らシリコン原子が脱離しない温度に第1の処理室110
の雰囲気を保持した状態で(実施例8においては、具体
的には、雰囲気温度を400゜Cに設定)、湿式ガスを
用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化
膜42を形成する(図33の(B)及び図40参照)。
実施例8においては、具体的には、750゜Cに保持さ
れた燃焼室130内に水素ガスと酸素ガスを供給して水
素ガスを燃焼させ、燃焼室130内で生成した水蒸気を
配管131、ガス流路111及びガス導入部112を介
して第1の処理室110内に導入し、パイロジェニック
酸化法によってシリコン半導体基板40の表面に厚さ
1.2nmのシリコン酸化膜42を形成する。尚、湿式
ガス中に、例えば濃度1.0容量%の塩化水素ガスを含
有させてもよい。
【0122】[工程−840]その後、シリコン層(具
体的にはシリコン半導体基板40)を、第1の処理室1
10から搬送路120を介して第2の処理室210に搬
入する。具体的には、第1の処理室110内への湿式ガ
スの導入を中止し、窒素ガス等の不活性ガスをガス導入
部112から第1の処理室110内に導入する。そし
て、第1の処理室110内を窒素ガス等の不活性ガスで
置換した後、エレベータ機構123を作動させて、シリ
コン半導体基板40を搬送路120内に搬入する(図4
1参照)。搬送路120内は不活性ガス雰囲気であり、
しかも、400゜C前後に保持されている。即ち、シリ
コン層(具体的にはシリコン半導体基板40)を第1の
処理室110から搬送路120を介して第2の処理室2
10に搬入する際の搬送路120内の温度は、シリコン
半導体基板40にシリコン酸化膜42を形成するときの
第1の処理室110の雰囲気温度と略等しくなってい
る。エレベータ機構123が最下降位置に位置したなら
ば、シャッター115を閉じ、エレベータ機構123を
第2の処理室210の下方に移動させる(図42参
照)。
【0123】[工程−850]次いで、シャッター21
5を開き、エレベータ機構123を作動させて石英ボー
ト124を上昇させ、シリコン半導体基板40を石英製
の二重管構造の第2の処理室210に搬入する(図43
参照)。エレベータ機構123が最上昇位置に辿り着く
と、石英ボート124の基部によって第2の処理室21
0と搬送路120との間は連通しなくなる。第2の処理
室210内の不活性ガス雰囲気の温度はヒータ214に
よって800゜Cに保持されているが、シリコン半導体
基板40の表面には既に保護膜としても機能するシリコ
ン酸化膜42が形成されているので、シリコン層(シリ
コン半導体基板40)の表面に荒れが発生することはな
い。尚、第2の処理室210へのシリコン半導体基板4
0の搬入後、不活性ガス雰囲気にある搬送路120内の
温度を室温とすることが好ましい。
【0124】[工程−860]その後、第2の処理室2
10内を800゜Cに保持した状態にて、湿式ガスを用
いた酸化法によって、更にシリコン酸化膜を形成する。
具体的には、750゜Cに保持された燃焼室130内に
水素ガスと酸素ガスを供給して水素ガスを燃焼させ、燃
焼室130内で生成した水蒸気を配管131、ガス流路
211及びガス導入部212を介して第2の処理室21
0内に導入し、パイロジェニック酸化法によってシリコ
ン半導体基板40の表面に総厚4.0nmのシリコン酸
化膜42を形成する(図33の(C)及び図44参
照)。尚、湿式ガス中に、例えば濃度1.0容量%の塩
化水素ガスを含有させてもよい。
【0125】以上により、シリコン半導体基板40の表
面におけるシリコン酸化膜42の形成が完了するので、
以降、第2の処理室210内を窒素ガス等の不活性ガス
雰囲気とし、エレベータ機構123を動作させて石英ボ
ート124を下降させ、次いで、扉125を開き、搬送
路120からシリコン半導体基板40を搬出してもよい
が、一層高い特性を有するシリコン酸化膜の形成を意図
する場合には、以下に説明する熱処理をシリコン酸化膜
に施すことが好ましい。
【0126】[工程−870]即ち、[工程−860]
に続き、第2の処理室210への湿式ガスの導入を中止
し、窒素ガス等の不活性ガスをガス導入部212から第
2の処理室210内に導入しつつ、第2の処理室210
の雰囲気温度をヒータ214によって850゜Cまで昇
温させる(図45参照)。その後、例えば塩化水素ガス
を0.1容量%含有する窒素ガスをガス導入部212か
ら第2の処理室210内に導入し、30分間、熱処理を
行う(図33の(D)及び図46参照)。以上により、
シリコン酸化膜42の熱処理が完了する。以降、第2の
処理室210内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、
エレベータ機構123を動作させて石英ボート124を
下降させ、次いで、扉125を開き、搬送路120から
シリコン半導体基板40を搬出する。
【0127】(実施例9)実施例9は実施例8の変形で
ある。実施例9においては、図35及び図36に模式図
を示し、図47に概念図を示すバッチ式の縦型方式シリ
コン酸化膜形成装置を用いる。実施例9にて使用した縦
型方式シリコン酸化膜形成装置が実施例8にて説明した
縦型方式シリコン酸化膜形成装置と相違する点は、第1
の処理室110に連通する搬送路120の部分120A
と第2の処理室210に連通する搬送路120の部分1
20Bとの間に、シャッター126が配設されている
点、及び搬送路120A,120Bのそれぞれに、窒素
ガス等の不活性ガスを導入するためのガス導入部と排気
するガス排気部(これらは図47には図示せず)が設け
られている点にある。このように、シャッター126に
よって搬送路120を2つの部分120A,120Bに
区分けすることで、第1の処理室110中でのシリコン
酸化膜の形成と、第2の処理室210中でのシリコン酸
化膜の形成を独立して、例えば同時に行うことが可能と
なり、シリコン酸化膜の形成におけるスループットの向
上を図ることができる。尚、燃焼室130及び配管13
1は、第1の処理室110及び第2の処理室210のそ
れぞれに独立して配設することが望ましい。以下、シリ
コン酸化膜形成装置等の概念図である図48〜図57を
参照して、実施例9のシリコン酸化膜の形成方法を説明
するが、実施例9のシリコン酸化膜の形成方法は基本的
には実施例8のシリコン酸化膜の形成方法と同じであ
る。また、実施例9における雰囲気温度プロファイルは
図37と同じである。
【0128】[工程−900]先ず、シリコン半導体基
板40に、実施例1と同様の方法で、素子分離領域41
等を形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板
40の表面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、
0.1%フッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半
導体基板40の表面洗浄を行い、シリコン半導体基板の
表面を露出させる。
【0129】[工程−910]次に、複数のシリコン半
導体基板40を、図47に示したシリコン酸化膜形成装
置の搬送路120Aに扉125Aから搬入し、石英ボー
ト124に載置する。尚、第1の処理室110へガス導
入部112から窒素ガス等の不活性ガスを導入し、第1
の処理室110内を不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気
であってもよい)、且つ、均熱管116(図35参照)
を介してヒータ114によって第1の処理室110内の
雰囲気温度を400゜Cに保持する。尚、この状態にお
いては、シャッター115は閉じておく。一方、第2の
処理室210へガス導入部212から窒素ガス等の不活
性ガスを導入し、第2の処理室210内を不活性ガス雰
囲気とし(減圧雰囲気であってもよい)、且つ、均熱管
216(図36参照)を介してヒータ214によって第
2の処理室210内の雰囲気温度を800゜Cに保持す
る。尚、この状態においては、シャッター215は閉じ
ておく。また、搬送路120Aと搬送路120Bの間に
配設されたシャッター126も閉じておく。
【0130】[工程−920]そして、搬送路120A
へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、扉1
25Aを閉め、搬送路120A,120Bのそれぞれに
ガス導入部から窒素ガス等の不活性ガスを導入し、ガス
排気部から排出し、搬送路120A,120B内を室温
の不活性ガス雰囲気とする(図48参照)。尚、搬送路
120A内の酸素ガス濃度をモニターし、酸素ガス濃度
が例えば100ppm以下となったならば、搬送路12
0A内が十分に不活性ガス雰囲気になったと判断する。
その後、シャッター115を開き、エレベータ機構12
3を作動させて石英ボート124を上昇させ、シリコン
半導体基板40を石英製の二重管構造の第1の処理室1
10に搬入する(図49参照)。第1の処理室110内
の不活性ガス雰囲気の温度はヒータ114によって40
0゜Cに保持されているので、シリコン半導体基板40
の表面に荒れが発生することを抑制することができる。
尚、第1の処理室110へのシリコン半導体基板40の
搬入後、不活性ガス雰囲気にある搬送路120A,12
0B内を図示しないヒータで400゜C前後に加熱して
おくことが好ましい。
【0131】[工程−930]次いで、実施例8の[工
程−830]と同様の方法で、シリコン層(実施例9に
おいては、シリコン半導体基板40)の表面からシリコ
ン原子が脱離しない温度に第1の処理室110の雰囲気
を保持した状態で(実施例9においても、具体的には、
雰囲気温度を400゜Cに設定)、湿式ガスを用いた酸
化法(パイロジェニック酸化法)によってシリコン層の
表面に厚さ1.2nmのシリコン酸化膜42を形成する
(図50参照)。尚、湿式ガス中に、例えば濃度1.0
容量%の塩化水素ガスを含有させてもよい。
【0132】[工程−940]その後、シリコン層(具
体的にはシリコン半導体基板40)を、第1の処理室1
10から搬送路120A,120Bを介して第2の処理
室210に搬入する。具体的には、第1の処理室110
内への湿式ガスの導入を中止し、窒素ガス等の不活性ガ
スをガス導入部112から第1の処理室110内に導入
する。そして、第1の処理室110内を窒素ガス等の不
活性ガスで置換した後、エレベータ機構123を作動さ
せて、シリコン半導体基板40を搬送路120A内に搬
入する。搬送路120A,120B内は不活性ガス雰囲
気であり、しかも、400゜C前後に保持されている。
即ち、シリコン層(具体的にはシリコン半導体基板4
0)を第1の処理室110から搬送路120A,120
Bを介して第2の処理室210に搬入する際の搬送路1
20A,120B内の温度は、シリコン半導体基板40
にシリコン酸化膜42を形成するときの第1の処理室1
10内の雰囲気温度と略等しくなっている。エレベータ
機構123が最下降位置に位置したならば、シャッター
115を閉じ、シャッター126を開き(図51参
照)、エレベータ機構123を第2の処理室210の下
方に移動させ、次いで、シャッター126を閉じる。そ
して、次のロットのシリコン半導体基板においてシリコ
ン酸化膜形成のために、扉125Aを開き、シリコン半
導体基板40を搬送路120A内に搬入する(図52参
照)。
【0133】[工程−950]次いで、シャッター21
5を開き、エレベータ機構123を作動させて石英ボー
ト124を上昇させ、シリコン半導体基板40を石英製
の二重管構造の第2の処理室210に搬入する(図53
参照)。第2の処理室210内の不活性ガス雰囲気の温
度はヒータ214によって800゜Cに保持されている
が、シリコン半導体基板40の表面には既に保護膜とし
ても機能するシリコン酸化膜42が形成されているの
で、シリコン層(シリコン半導体基板40)の表面に荒
れが発生することはない。尚、第2の処理室210への
シリコン半導体基板40の搬入後、不活性ガス雰囲気に
ある搬送路120B内の温度を室温とすることが好まし
い。搬送路120A及び第1の処理室110にあって
は、[工程−920]と同様に、扉125Aを閉め、搬
送路120Aにガス導入部121から窒素ガス等の不活
性ガスを導入し、ガス排気部122から排出し、搬送路
120A内を室温の不活性ガス雰囲気とする(図48の
左側の搬送路120Aの状態を参照)。
【0134】[工程−960]その後、実施例8の[工
程−860]と同様に、第2の処理室210内を800
゜Cに保持した状態にて、湿式ガスを用いた酸化法(パ
イロジェニック酸化法)によって、更にシリコン酸化膜
を形成する(図54参照)。ここで、湿式ガス中に、例
えば濃度1.0容量%の塩化水素ガスを含有させてもよ
い。尚、搬送路120A及び第1の処理室110にあっ
ては、[工程−920]と同様に、シャッター115を
開き、エレベータ機構123を作動させて石英ボート1
24を上昇させ、シリコン半導体基板40を石英製の二
重管構造の第1の処理室110に搬入する(図49の左
側の搬送路120Aの状態を参照)。
【0135】以上により、第2の処理室210におい
て、シリコン半導体基板40の表面におけるシリコン酸
化膜42の形成が完了するので、以降、第2の処理室2
10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、エレベー
タ機構123を動作させて石英ボート124を下降さ
せ、次いで、扉125Bを開き、搬送路120Bからシ
リコン半導体基板40を搬出すればよいが、一層高い特
性を有するシリコン酸化膜の形成を意図する場合には、
以下に説明する熱処理をシリコン酸化膜に施すことが好
ましい。尚、第1の処理室110に搬入されたシリコン
半導体基板に関しては、[工程−930]以降の処理を
行う。
【0136】[工程−970]即ち、実施例8の[工程
−870]と同様に、[工程−960]に続き、第2の
処理室210への湿式ガスの導入を中止し、窒素ガス等
の不活性ガスをガス導入部212から第2の処理室21
0内に導入しつつ、第2の処理室210の雰囲気温度を
ヒータ214によって850゜Cまで昇温させる(図5
5参照)。その後、例えば塩化水素ガスを0.1容量%
含有する窒素ガスをガス導入部212から第2の処理室
210内に導入し、30分間、熱処理を行う(図56参
照)。以上により、シリコン酸化膜42の熱処理が完了
する。以降、第2の処理室210内を窒素ガス等の不活
性ガス雰囲気とし、エレベータ機構123を動作させて
石英ボート124を下降させ、次いで、扉125Bを開
き、搬送路120Bからシリコン半導体基板40を搬出
する。次いで、扉125Bを閉じ、搬送路120Bに窒
素ガス等の不活性ガスを導入し、且つ、搬送路120B
内の雰囲気温度を400゜C前後にする(図57参
照)。
【0137】尚、以上に説明した実施例9において、次
のロットのシリコン半導体基板においてシリコン酸化膜
形成のタイミングは例示であり、適宜変更することがで
きる。
【0138】(実施例10)実施例10は実施例8の変
形である。実施例10が実施例8と相違する点は、第1
のシリコン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化膜形
成工程を、横型方式の枚葉式の処理室にて行う点にあ
る。即ち、第1及び第2の処理室において、1枚のシリ
コン半導体基板に対して枚葉式にてシリコン酸化膜を形
成する。尚、実施例10においては、熱処理を炉アニー
ル装置を用いてバッチ式にて行うが、枚葉式にて行って
もよい。
【0139】実施例10においては、図58に概念的な
平面図を示す酸化膜形成装置を用いる。この酸化膜形成
装置は、ローダー・アンローダー300と、搬送路30
1と、第1の処理装置302と第2の処理装置303
と、炉アニール装置304から構成されている。炉アニ
ール装置304は、図59に示すように、燃焼室が無い
ことを除き、図13に示した縦型方式シリコン酸化膜形
成装置と略同様の構造を有する。尚、炉アニール装置3
04において、図13に示したシリコン酸化膜形成装置
の構成要素と同じ構成要素には同じ参照番号を付した。
第1の処理装置302及び第2の処理装置303の構造
は、図31若しくは図32に示したシリコン酸化膜形成
装置と同様とすることができる。
【0140】実施例8及び実施例9においては、石英製
の処理室(酸化炉)を垂直に保持した縦型方式のシリコ
ン酸化膜形成装置を用いた。ところで、縦型方式のシリ
コン酸化膜形成装置を用いた場合、シリコン層(例えば
シリコン半導体基板)の外周方向の外側にヒータ11
4,214が配設されているため、シリコン層の昇温
中、常に、シリコン層(例えばシリコン半導体基板)の
周辺部の方が中心部よりも温度が高くなる。その結果、
シリコン層の昇温中にシリコン酸化膜が形成されると、
シリコン層(例えばシリコン半導体基板)の周辺部の方
が中心部よりもシリコン酸化膜の膜厚が厚くなる虞があ
る。実施例10においては、シリコン層の表面と略平行
に配設された加熱手段によってシリコン層を加熱するの
で、シリコン層の面内の温度ばらつきを少なくすること
ができる。その結果、形成されるシリコン酸化膜の面内
膜厚ばらつき発生を抑制することができる。
【0141】以下、図31及び図59を参照して、実施
例10のシリコン酸化膜の形成方法を説明する。
【0142】[工程−1000]先ず、シリコン半導体
基板に、実施例1と同様の方法で、素子分離領域等を形
成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表面
の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フッ
化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の表
面洗浄を行い、シリコン半導体基板40の表面を露出さ
せる。
【0143】[工程−1010]搬送路301内、第1
の処理装置302及び第2の処理装置303のそれぞれ
の処理室50内、並びに、炉アニール装置304の基板
搬入出部20及び処理室10内を窒素ガス等の不活性ガ
ス雰囲気としておく。尚、第1の処理装置302の処理
室50内の不活性ガス雰囲気温度を400゜Cとし、第
2の処理装置303の処理室50の不活性ガス雰囲気温
度を800゜Cとし、炉アニール装置304の処理室1
0内の不活性ガス雰囲気温度を850゜Cとしておくこ
とが好ましい。そして、シリコン層(具体的にはシリコ
ン半導体基板40)をローダー・アンローダー300か
ら搬送路301内に搬入し、更に、シリコン半導体基板
をウエハ台52に載置し、次いで、図31(若しくは図
32)に示した第1の処理装置302におけるゲートバ
ルブ53を開いて、第1の処理室に相当する処理室50
に搬入した後、ゲートバルブ53を閉じる。尚、処理室
50内の雰囲気温度は400゜C程度であるため、シリ
コン半導体基板40の表面に荒れが発生することを抑制
することができる。
【0144】[工程−1020]次いで、シリコン層
(実施例10においては、シリコン半導体基板40)の
表面からシリコン原子が脱離しない温度に雰囲気を保持
した状態で(実施例10においては、具体的には、雰囲
気温度を400゜Cに設定)、湿式ガスを用いた酸化法
(パイロジェニック酸化法)によってシリコン層の表面
にシリコン酸化膜を形成する。実施例10においては、
具体的には、実施例8と同様に、燃焼室(図示せず)内
で生成した水蒸気を配管(図示せず)及びガス導入部5
4を介して処理室50内に導入し、パイロジェニック酸
化法によってシリコン半導体基板40の表面に厚さ1.
2nmのシリコン酸化膜を形成する。尚、湿式ガス中
に、例えば濃度1.0容量%の塩化水素ガスを含有させ
てもよい。また、搬送路301内の不活性ガスを加熱し
て、搬送路301内の不活性ガス雰囲気の温度を400
゜C前後としておくことが好ましい。
【0145】[工程−1030]その後、処理室50へ
の湿式ガスの導入を停止し、処理室50内を400゜C
の窒素ガス等の不活性雰囲気とし、ゲートバルブ53を
開き、ウエハ台52に載置されたシリコン半導体基板4
0を第1の処理室に相当する処理室50から搬送路30
1へ搬出し、次いで、図31(若しくは図32)に示し
た第2の処理装置303におけるゲートバルブ53を開
いて、第2の処理室に相当する処理室50に搬入した
後、ゲートバルブ53を閉じる。このとき、第2の処理
室に相当する処理室50内の雰囲気は加熱手段によって
800゜C程度に加熱された不活性ガス雰囲気となって
いる。しかしながら、シリコン層の表面に既に保護膜と
しても機能するシリコン酸化膜が形成された状態でシリ
コン層(例えばシリコン半導体基板40)を第1の処理
装置302から搬送路301を介して第2の処理装置3
03に搬入するので、搬送路301内や第2の処理室3
03内が非酸化性雰囲気であってもシリコン層の表面に
凹凸(荒れ)が生じることがない。
【0146】[工程−1040]次いで、第2の処理室
に相当する処理室50内の雰囲気温度を800゜Cに保
持した状態で、実施例8と同様に、湿式ガスを用いた酸
化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成
する。実施例10においては、具体的には、実施例8と
同様に、燃焼室(図示せず)内で生成した水蒸気を配管
(図示せず)及びガス導入部54を介して第2の処理室
に相当する処理室50内に導入し、パイロジェニック酸
化法によってシリコン半導体基板40の表面に総厚4.
0nmのシリコン酸化膜を形成する。尚、湿式ガス中
に、例えば濃度1.0容量%の塩化水素ガスを含有させ
てもよい。また、搬送路301内の不活性ガス雰囲気の
温度は室温としておいてもよい。
【0147】以上により、シリコン半導体基板の表面に
おけるシリコン酸化膜の形成が完了するので、以降、第
2の処理室内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、ゲ
ートバルブ53を開き、ウエハ台52に載置されたシリ
コン半導体基板40を処理室50から搬送路301へ搬
出し、ローダー・アンローダー300を経由して系外に
搬出してもよいが、一層高い特性を有するシリコン酸化
膜の形成を意図する場合には、以下に説明する熱処理を
シリコン酸化膜に施すことが好ましい。
【0148】[工程−1050]即ち、シリコン層(例
えばシリコン半導体基板40)を逐次、図59に図示し
た炉アニール装置304の基板搬入出部20に図示しな
い扉を介して搬入する。複数のシリコン半導体基板で石
英ボート24が満たされたならば、図示しない扉を閉
め、エレベータ機構23を作動させて石英ボート24を
上昇させ、シリコン半導体基板40を処理室10に搬入
する。そして、例えば塩化水素ガスを0.1容量%含有
する窒素ガスをガス導入部12から処理室310内に導
入し、雰囲気温度850゜Cにて30分間、熱処理を行
う。以上により、シリコン酸化膜の熱処理が完了する。
以降、処理室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気と
し、エレベータ機構23を動作させて石英ボート24を
下降させ、次いで、図示しない扉を開き、搬送路301
へ搬出し、ローダー・アンローダー300を経由して系
外に搬出する。
【0149】尚、図59に示した炉アニール装置を用い
る代わりに、第2の処理室に相当する処理室50内で、
若しくは、図31や図32に示したと略同様の構造を有
するアニール装置にシリコン半導体基板を搬入して、シ
リコン酸化膜の形成に引き続き、熱処理を施してもよ
い。例えば、第2の処理室に相当する処理室50内で熱
処理を行う場合には、[工程−1040]において、湿
式ガスの導入を中止し、不活性ガス(例えば窒素ガス)
をガス導入部54から処理室50内に導入しつつ、処理
室50の雰囲気温度を加熱手段によって850゜Cまで
昇温させる。その後、例えば塩化水素ガスを0.1容量
%含有する不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部
54から処理室50内に導入し、5分間、熱処理を行
う。
【0150】また、図58に示したシリコン酸化膜形成
装置において、第1の処理装置302に連通する搬送路
の部分と第2の処理装置303に連通する搬送路の部分
との間に、シャッターを配設してもよい。更には、シリ
コン層の表面からシリコン原子が脱離しない温度に第1
の処理室内の雰囲気を保持した状態にて、湿式ガスを用
いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜
を形成する第1のシリコン酸化膜形成工程を、図31や
図32に示した処理室50にて行い、湿式ガスを用いた
酸化法によって更にシリコン酸化膜を形成する第2のシ
リコン酸化膜形成工程は、図13に示したバッチ式の縦
型方式のシリコン酸化膜形成装置を用いて行うこともで
きる。
【0151】(実施例11)実施例11は、本発明の好
ましい第3の実施態様におけるシリコン酸化膜の形成方
法に関する。即ち、所望の厚さのシリコン酸化膜の形成
が完了したときの雰囲気温度を、シリコン層の表面から
シリコン原子が脱離しない雰囲気温度範囲内とし、ある
いは又、500゜C以下とした。実施例11において
は、シリコン酸化膜の形成をバッチ式にて行う。具体的
には、実施例11においても、図13に示した縦型方式
のシリコン酸化膜形成装置を用いた。また、実施例11
においては、シリコン層をシリコン半導体基板から構成
した。形成されたシリコン酸化膜はゲート酸化膜として
機能する。実施例11においても、シリコン酸化膜の形
成工程における湿式ガスを用いた酸化法として、パイロ
ジェニック酸化法を採用した。尚、所望の厚さになるま
で更にシリコン酸化膜を形成した後、形成されたシリコ
ン酸化膜に対して、ハロゲン元素を含有する不活性ガス
雰囲気(塩化水素ガスを含む窒素ガス雰囲気)中で熱処
理(炉アニール処理)を施した。以下、図61〜図63
を参照して、実施例11のシリコン酸化膜の形成方法を
説明する。また、実施例11における雰囲気温度プロフ
ァイルを模式的に図60の(A)に示す。
【0152】[工程−1100]先ず、シリコン半導体
基板に、実施例1と同様の方法で、素子分離領域等を形
成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表面
の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フッ
化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の表
面洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させ
る。
【0153】[工程−1110]次に、複数のシリコン
半導体基板40を、図13に示したシリコン酸化膜形成
装置の基板搬入出部20に図示しない扉から搬入し、石
英ボート24に載置した。尚、処理室10へガス導入部
12から窒素ガスを導入し、処理室10内を窒素ガス等
の不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気であってもよ
い)、且つ、均熱管16を介してヒータ14によって処
理室10内の雰囲気温度を250゜Cに保持した。尚、
この状態においては、シャッター15は閉じておく(図
61の(A)参照)。
【0154】[工程−1120]そして、基板搬入出部
20へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、
図示しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部2
1から窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、
基板搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とした。尚、基板
搬入出部20内の酸素ガス濃度をモニターし、酸素ガス
濃度が例えば100ppm以下となったならば、基板搬
入出部20内が十分に窒素ガス雰囲気となったと判断す
る。その後、シャッター15を開き(図61の(B)参
照)、エレベータ機構23を作動させて石英ボート24
を上昇させ(上昇速度:300mm/分)、シリコン半
導体基板40を石英製の二重管構造の処理室10内に搬
入した。エレベータ機構23が最上昇位置に辿り着く
と、石英ボート24の基部によって処理室10と基板搬
入出部20との間は連通しなくなる。処理室10内の雰
囲気温度はヒータ14によって250゜Cに保持されて
いるので、即ち、シリコン層の表面からシリコン原子が
脱離しない雰囲気温度に処理室10内が保持されている
ので、シリコン半導体基板40の表面に荒れが発生する
ことを抑制することができる。
【0155】[工程−1130]次いで、均熱管16を
介してヒータ14によって処理室10内の雰囲気温度を
300゜Cとした(図62の(A)参照)。その後、シ
リコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気温
度にて、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の
表面にシリコン酸化膜の形成を開始した(図62の
(B)参照)。あるいは又、湿式ガスがシリコン層表面
で結露しない温度以上、500゜C以下の雰囲気温度に
て、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面
にシリコン酸化膜の形成を開始した。具体的には、シリ
コン層(実施例11においても、シリコン半導体基板4
0)の表面からシリコン原子が脱離しない温度に雰囲気
温度を保持した状態で(実施例11においては、具体的
には、雰囲気温度を300゜Cとし)、湿式ガスを用い
た酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜を
形成した。即ち、実施例11においては、配管32,3
3を介して燃焼室30内に酸素ガス及び水素ガスを供給
し、燃焼室30内で生成した水蒸気を配管31、ガス流
路11及びガス導入部12を介して処理室10内に導入
し、パイロジェニック酸化法によってシリコン半導体基
板40の表面に厚さ1.2nmのシリコン酸化膜を形成
した。このシリコン酸化膜の厚さはSiO2の数分子層
に相当する厚さであり、シリコン半導体基板の表面のス
テップを考慮しても、保護膜として機能するのに十分な
厚さである。尚、例えば塩化水素ガスを0.1容量%含
有する湿式ガスを用いてシリコン酸化膜を形成してもよ
い。
【0156】[工程−1140]その後、処理室10内
への湿式ガスの導入を中止し、不活性ガス(窒素ガス)
を、配管32、燃焼室30、配管31、ガス流路11及
びガス導入部12を介して処理室10内に導入しなが
ら、シリコン酸化膜形成装置の処理室10内の雰囲気温
度を、均熱管16を介してヒータ14によって450゜
Cまで昇温した(図63の(A)参照)。尚、昇温速度
を10゜C/分とした。尚、450゜Cまで昇温して
も、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰
囲気温度範囲にあるので、シリコン層(シリコン半導体
基板40)の表面に荒れが発生することはない。
【0157】[工程−1150]処理室10の雰囲気温
度が450゜Cで安定した後、この温度に雰囲気を保持
した状態にて、湿式ガスを用いた酸化法によって、更に
シリコン酸化膜を形成した。具体的には、再び、配管3
2,33を介して燃焼室30内に酸素ガス及び水素ガス
を供給し、燃焼室30内で生成した水蒸気を配管31、
ガス流路11及びガス導入部12を介して処理室10内
に導入し、パイロジェニック酸化法によってシリコン半
導体基板40の表面に総厚3.7nmのシリコン酸化膜
を形成した(図63の(B)参照)。尚、所望の厚さの
シリコン酸化膜の形成が完了したときの雰囲気温度(実
施例11においては450゜C)は、500゜C以下で
ある。尚、例えば塩化水素ガスを0.1容量%含有する
湿式ガスを用いてシリコン酸化膜を形成してもよい。
【0158】以上により、シリコン半導体基板40の表
面におけるシリコン酸化膜の形成が完了するので、以
降、処理室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気と
し、エレベータ機構23を動作させて石英ボート24を
下降させ(下降速度:200mm/分)、次いで、図示
しない扉を開き、シリコン半導体基板40を搬出しても
よいが、一層高い特性を有するシリコン酸化膜の形成を
意図する場合には、以下に説明する熱処理をシリコン酸
化膜に施すことが好ましい。
【0159】[工程−1160]即ち、その後、シリコ
ン層(例えばシリコン半導体基板40)を逐次、図59
に図示した炉アニール装置の基板搬入出部20に図示し
ない扉を介して搬入する。複数のシリコン半導体基板で
石英ボート24が満たされたならば、図示しない扉を閉
め、エレベータ機構23を作動させて石英ボート24を
上昇させ(上昇速度:200mm/分)、シリコン半導
体基板40を処理室10に搬入する。尚、処理室10内
の雰囲気を850゜Cの窒素ガス雰囲気としておく。そ
して、シリコン半導体基板40の処理室10への搬入
後、例えば塩化水素ガスを0.1容量%含有する窒素ガ
スをガス導入部12から処理室10内に導入し、雰囲気
温度850゜Cにて30分間、熱処理を行う。以上によ
り、シリコン酸化膜の熱処理が完了する。以降、処理室
10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、エレベー
タ機構23を動作させて石英ボート24を下降させ、次
いで、図示しない扉を開き、炉アニール装置から搬出す
る。
【0160】[工程−1170]以上により、シリコン
半導体基板40の表面におけるシリコン酸化膜の形成が
完了する。実施例11においては、こうしてシリコン酸
化膜が形成されたシリコン半導体基板を用いて、実施例
1と同様に、公知のCVD技術、フォトリソグラフィ技
術及びドライエッチング技術に基づき、シリコン酸化膜
の上にポリシリコン及びタングステンシリサイドから成
るポリサイド構造のゲート電極を形成し、MOSキャパ
シタを作製した。
【0161】実施例11にて作製されたMOSキャパシ
タの累積不良率50%におけるQBDの値と、比較例1に
てMOSキャパシタの累積不良率50%におけるQBD
値とを比較した。その結果、実施例11におけるQBD
値が51C/cm2であったのに対して、比較例1にお
いては12C/cm2であった。即ち、実施例11にお
けるQBDの値は比較例1におけるQBDの値よりも約4倍
向上していた。
【0162】(実施例12)実施例12は実施例11の
変形である。実施例12が実施例11と相違する点は、
雰囲気温度プロファイルが相違している点にある。実施
例12における雰囲気温度プロファイルを模式的に図6
0の(B)に示す。以下、実施例12のシリコン酸化膜
の形成方法を説明する。
【0163】[工程−1200]先ず、シリコン半導体
基板に、実施例1と同様の方法で、素子分離領域等を形
成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表面
の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フッ
化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の表
面洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させ
る。
【0164】[工程−1210]次に、複数のシリコン
半導体基板40を、図13に示したシリコン酸化膜形成
装置の基板搬入出部20に図示しない扉から搬入し、石
英ボート24に載置した。尚、処理室10へガス導入部
12から窒素ガスを導入し、処理室10内を窒素ガス等
の不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気であってもよ
い)、且つ、室温に保持した。尚、この状態において
は、シャッター15は閉じておく。
【0165】[工程−1220]そして、基板搬入出部
20へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、
図示しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部2
1から窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、
基板搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とした。尚、基板
搬入出部20内の酸素ガス濃度をモニターし、酸素ガス
濃度が例えば100ppm以下となったならば、基板搬
入出部20内が十分に窒素ガス雰囲気となったと判断す
る。その後、シャッター15を開き、エレベータ機構2
3を作動させて石英ボート24を上昇させ(上昇速度:
500mm/分)、シリコン半導体基板40を石英製の
二重管構造の処理室10内に搬入した。その後、処理室
10内の雰囲気温度をヒータ14によって昇温させた。
処理室10内の雰囲気温度が150゜Cに達した時点
で、湿式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面
にシリコン酸化膜の形成を開始した。即ち、実施例12
においても、配管32,33を介して燃焼室30内に酸
素ガス及び水素ガスを供給し、燃焼室30内で生成した
水蒸気を配管31、ガス流路11及びガス導入部12を
介して処理室10内に導入し、パイロジェニック酸化法
によってシリコン半導体基板40の表面にシリコン酸化
膜の形成を開始した。処理室10への湿式ガスの導入、
及び、処理室10内の雰囲気温度の一定昇温速度による
昇温を継続した。処理室10内の雰囲気温度が500゜
Cになった時点で、厚さ3.5nmのシリコン酸化膜が
形成された。この時点で、処理室10への湿式ガスの導
入を中止した。即ち、所望の厚さのシリコン酸化膜の形
成が完了したときの雰囲気温度(実施例12においては
500゜C)を、500゜C以下とした。尚、例えば塩
化水素ガスを0.1容量%含有する湿式ガスを用いてシ
リコン酸化膜を形成してもよい。
【0166】[工程−1230]以上により、シリコン
半導体基板40の表面におけるシリコン酸化膜の形成が
完了するので、以降、処理室10内を窒素ガス等の不活
性ガス雰囲気とし、エレベータ機構23を動作させて石
英ボート24を下降させ、次いで、図示しない扉を開
き、シリコン半導体基板40を搬出してもよいが、一層
高い特性を有するシリコン酸化膜の形成を意図する場合
には、実施例11の[工程−1160]と同様の方法に
て熱処理をシリコン酸化膜に施すことが好ましい。
【0167】(実施例13)実施例13も実施例11の
変形である。実施例13においては、図31若しくは図
32に示したシリコン酸化膜形成装置を使用してシリコ
ン酸化膜を形成した。また、シリコン酸化膜の形成後、
バッチ方式にてシリコン酸化膜の熱処理を施した。以
下、実施例13のシリコン酸化膜の形成方法を説明す
る。尚、実施例13における雰囲気温度プロファイルを
図60の(C)に示す。
【0168】[工程−1300]先ず、シリコン半導体
基板に、実施例1と同様の方法で、素子分離領域等を形
成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表面
の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フッ
化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の表
面洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させ
た。
【0169】[工程−1310]次に、ウエハ台52に
載置されたシリコン半導体基板40を、図31若しくは
図32に示したシリコン酸化膜形成装置のゲートバルブ
53を開いて、処理室50内に搬入した後、ゲートバル
ブ53を閉じた。このとき、処理室50内の雰囲気を、
加熱手段によって250゜C程度に加熱された不活性ガ
ス雰囲気としておいた。処理室50内の雰囲気をこのよ
うな条件とすることによって、シリコン半導体基板40
の表面に荒れが発生することを抑制することができる。
【0170】[工程−1320]次いで、処理室50内
を加熱手段によって300゜Cとした後、シリコン層
(実施例13においても、シリコン半導体基板40)の
表面からシリコン原子が脱離しない温度に雰囲気を保持
した状態で(実施例13においては、具体的には、雰囲
気温度を300゜Cとし)、湿式ガスを用いた酸化法に
よってシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成した。
実施例13においては、具体的には、燃焼室(図示せ
ず)内で生成した水蒸気を配管(図示せず)及びガス導
入部54を介して処理室50内に導入し、パイロジェニ
ック酸化法によってシリコン半導体基板40の表面に厚
さ1.2nmのシリコン酸化膜を形成した。尚、例えば
塩化水素ガスを0.1容量%含有する湿式ガスを用いて
シリコン酸化膜を形成してもよい。
【0171】[工程−1330]その後、処理室50内
への湿式ガスの導入を継続しながら、処理室50内の雰
囲気温度を、加熱手段によって450゜Cまで昇温し
た。尚、実施例13においても、加熱手段がシリコン層
の表面と略平行に配設されているので、例えばシリコン
半導体基板の昇温時のシリコン半導体基板の面内温度ば
らつきの発生を抑制することができる結果、昇温中に形
成されるシリコン酸化膜の面内膜厚ばらつきの発生を効
果的に抑制することができる。
【0172】[工程−1340]450゜Cに処理室5
0内の雰囲気温度が達した後、この温度に雰囲気を保持
した状態にて、湿式ガスを用いた酸化法によって、更に
シリコン酸化膜を形成した。具体的には、燃焼室内で生
成した水蒸気を配管及びガス導入部54を介して処理室
50内に導入し、パイロジェニック酸化法によってシリ
コン半導体基板40の表面に総厚4.0nmのシリコン
酸化膜を形成した。尚、例えば塩化水素ガスを0.1容
量%含有する湿式ガスを用いてシリコン酸化膜を形成し
てもよい。
【0173】以上により、シリコン半導体基板40の表
面におけるシリコン酸化膜の形成が完了するので、以
降、処理室50内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気と
し、ゲートバルブ53を開き、ウエハ台52に載置され
たシリコン半導体基板40を処理室50から搬出しても
よいが、一層高い特性を有するシリコン酸化膜の形成を
意図する場合には、以下に説明する熱処理をシリコン酸
化膜に施すことが好ましい。
【0174】[工程−1350]その後、実施例11の
[工程−1160]と同様に、複数のシリコン半導体基
板40に対して炉アニール装置を用いて熱処理を行っ
た。
【0175】尚、処理室50からシリコン半導体基板4
0を搬出することなく、処理室50内への湿式ガスの導
入を中止し、窒素ガスをガス導入部54から処理室50
内に導入しつつ、処理室50の雰囲気温度を加熱手段に
よって850゜Cまで昇温し、次いで、塩化水素ガスを
0.1容量%含有する窒素ガスをガス導入部54から処
理室50内に導入し、5分間、熱処理を行ってもよい。
また、実施例12と同様の雰囲気温度プロファイルに基
づき、シリコン酸化膜を形成することもできる。
【0176】(実施例14)実施例14においては、本
発明のシリコン酸化膜の形成方法によって形成されるシ
リコン酸化膜は、シリコン半導体基板の表面にゲート酸
化膜形成以前にシリコン半導体基板に形成される酸化膜
である。尚、シリコン層はシリコン半導体基板から構成
されている。具体的には、シリコン半導体基板の表面に
ゲート酸化膜形成以前にシリコン半導体基板に形成され
る酸化膜を、素子分離領域を形成するための酸化膜(即
ち、LOCOS構造やトレンチ構造の素子分離領域形成
工程において、シリコン窒化膜を堆積させるための下地
酸化膜)とし、更には、犠牲酸化膜とした。以下、実施
例14のシリコン酸化膜の形成方法を説明する。
【0177】[工程−1400]先ず、リンをドープし
た直径8インチのN型シリコンウエハ(CZ法にて作
製)であるシリコン半導体基板に対してRCA洗浄を行
い、シリコン半導体基板の表面の微粒子や金属不純物を
除去し、次いで、0.1%フッ化水素酸水溶液及び純水
によりシリコン半導体基板の表面洗浄を行い、シリコン
半導体基板の表面を露出させる。尚、シリコン半導体基
板の表面は大半が水素で終端しており、極一部がフッ素
で終端されている。
【0178】[工程−1410]次に、シリコン半導体
基板に、基本的には公知の方法に基づきLOCOS構造
を有する素子分離領域を形成するが、この際、シリコン
窒化膜を堆積させるための下地酸化膜を本発明のシリコ
ン酸化膜の形成方法にて形成する。即ち、実施例1の
[工程−110]〜[工程−150]を実行し、シリコ
ン半導体基板の表面に最終的に8.0nmのシリコン酸
化膜を形成する。尚、素子分離領域をトレンチ構造を有
する構造とする場合には、最終的に10nmのシリコン
酸化膜(下地酸化膜)をシリコン半導体基板の表面に形
成すればよい。
【0179】[工程−1420]その後、公知の方法に
基づき、形成されたシリコン酸化膜を下地酸化膜とし
て、LOCOS構造あるいはトレンチ構造の素子分離領
域を形成する。即ち、下地酸化膜の上に、CVD法にて
シリコン窒化膜を成膜し、かかるシリコン窒化膜をパタ
ーニングして、素子分離領域を形成すべきシリコン半導
体基板の部分を露出させる。その後、LOCOS構造の
素子分離領域を形成するために、従来の熱酸化法に基づ
き、シリコン半導体基板の表面を酸化し、これによって
素子分離領域を形成する。尚、トレンチ構造の素子分離
領域を形成するためには、パターニングされたシリコン
窒化膜をマスクとして、シリコン半導体基板をエッチン
グしてトレンチを形成した後、全面に例えばSiO2
ら成る絶縁層をCVD法にて堆積させる。その後、シリ
コン半導体基板の上の絶縁層及びシリコン窒化膜を、エ
ッチバック法あるいは化学的機械的研磨法(CMP法)
にて除去する。これによって、シリコン半導体基板に設
けられたトレンチがSiO2で埋め込まれた素子分離領
域を形成することができる。
【0180】[工程−1430]素子分離領域の形成
後、シリコン半導体基板に導入されたホワイトリボン等
の欠陥を除去するために、シリコン半導体基板の表面を
再び酸化する。これによって得られる酸化膜は、犠牲酸
化膜と呼ばれる。実施例14においては、この犠牲酸化
膜も、本発明のシリコン酸化膜の形成方法に基づき形成
する。即ち、実施例1の[工程−110]〜[工程−1
50]を実行し(但し、厚いシリコン酸化膜を形成する
必要があるので、[工程−150]における雰囲気温度
を900゜C程度とすることが好ましい)、シリコン半
導体基板の表面に最終的に約10nmのシリコン酸化膜
を形成する。
【0181】[工程−1440]次に、シリコン半導体
基板に対して、ウエルイオン注入、チャネルストップイ
オン注入、閾値調整イオン注入を行った後、シリコン半
導体基板の表面のシリコン酸化膜(犠牲酸化膜)を0.
1%フッ化水素酸水溶液を用いてエッチングし、除去す
る。その後、シリコン半導体基板に対してRCA洗浄を
行い、シリコン半導体基板の表面の微粒子や金属不純物
を除去し、次いで、0.1%フッ化水素酸水溶液及び純
水によりシリコン半導体基板の表面洗浄を行い、シリコ
ン半導体基板の表面を露出させる。以降、実施例1の
[工程−110]〜[工程−150]、更には、必要に
応じて[工程−160]〜[工程−170]を実行し、
シリコン半導体基板の表面にゲート酸化膜として機能す
るシリコン酸化膜を形成する。
【0182】実施例14においては、下地酸化膜あるい
は犠牲酸化膜を本発明のシリコン酸化膜の形成方法に基
づき形成することによって、下地酸化膜や犠牲酸化膜と
シリコン半導体基板との界面に凹凸が発生することを確
実に回避することができる結果、ゲート酸化膜形成前の
シリコン半導体基板表面を平坦な状態に保つことがで
き、[工程−1440]にて形成されるゲート酸化膜の
電気的信頼性が低下することを防止できる。
【0183】尚、実施例14においては、専ら、実施例
1にて説明したシリコン酸化膜の形成方法を適用した
が、下地酸化膜や犠牲酸化膜の形成方法は、実施例1に
て説明したシリコン酸化膜の形成方法に限定されず、他
の実施例にて説明したシリコン酸化膜の形成方法を適用
することができる。
【0184】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。実施例にて説明した各種の条件やシリコン酸化
膜形成装置の構造は例示であり、適宜変更することがで
きる。シリコン酸化膜の成膜は、パイロジェニック酸化
法だけでなく、純水の加熱により発生した水蒸気による
酸化法、酸素ガス又は不活性ガスによって加熱純水をバ
ブリングすることで発生した水蒸気による酸化法、ある
いはこれらの酸化法を併用した方法とすることができ
る。第1のシリコン酸化膜形成工程における酸化法と、
第2のシリコン酸化膜形成方法における酸化法とは、異
なる酸化法であってもよい。あるいは又、第1の処理室
内でのシリコン酸化膜の形成における酸化法と、第2の
処理室内でのシリコン酸化膜の形成における酸化法と
は、異なる酸化法であってもよい。
【0185】例えば、実施例1の[工程−140]にお
いて、不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部12
から処理室10内に導入しながら、シリコン酸化膜形成
装置の処理室10内の雰囲気温度をヒータ14によって
第2のシリコン酸化膜形成工程を実行するための雰囲気
温度まで昇温したが、その代わりに、例えば塩化水素ガ
スを0.1容量%含有する不活性ガス(例えば窒素ガ
ス)をガス導入部12から処理室10内に導入しなが
ら、シリコン酸化膜形成装置の処理室10内の雰囲気温
度をヒータ14によって第2のシリコン酸化膜形成工程
を実行するための雰囲気温度まで昇温してもよい。ま
た、実施例7の[工程−730]において、処理室50
内への湿式ガスの導入を継続しながら処理室50内の雰
囲気温度を加熱手段によって第2のシリコン酸化膜形成
工程を実行するための雰囲気温度まで昇温する代わり
に、例えば塩化水素ガスを0.1容量%含有する湿式ガ
スを処理室50内へ導入しながら処理室50内の雰囲気
温度を加熱手段によって第2のシリコン酸化膜形成工程
を実行するための雰囲気温度まで昇温してもよい。
【0186】また、実施例1〜実施例10において、不
活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部から処理室内
に導入しつつ処理室の雰囲気温度をヒータ等の加熱手段
によって850゜Cまで昇温したが、その代わりに、例
えば塩化水素ガスを0.1容量%含有する不活性ガス
(例えば窒素ガス)をガス導入部から処理室内に導入し
つつ、処理室の雰囲気温度をヒータ等の加熱手段よって
850゜Cまで昇温してもよい。
【0187】実施例においては、専らシリコン半導体基
板の表面にシリコン酸化膜を形成し、あるいは又、基板
の上に形成されたエピタキシャルシリコン層にシリコン
酸化膜を形成したが、半導体装置の製造工程においてシ
リコン半導体基板表面に形成された選択エピタキシャル
成長法にて形成されたエピタキシャルシリコン層、基板
の上に形成された絶縁層の上に成膜された多結晶シリコ
ン層あるいは非晶質シリコン層等の表面にシリコン酸化
膜を形成することもできる。あるいは又、SOI構造に
おけるシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成しても
よいし、半導体素子や半導体素子の構成要素が形成され
た基板やこれらの上に成膜されたシリコン層の表面にシ
リコン酸化膜を形成してもよい。更には、半導体素子や
半導体素子の構成要素が形成された基板やこれらの上に
成膜された下地絶縁層の上に形成されたシリコン層の表
面にシリコン酸化膜を形成してもよい。シリコン酸化膜
形成後の熱処理は必須ではなく、場合によっては省略す
ることができる。
【0188】あるいは又、実施例1〜実施例13におい
て0.1%フッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン
半導体基板40の表面洗浄を行った後、シリコン半導体
基板40をシリコン酸化膜形成装置に搬入したが、シリ
コン半導体基板40の表面洗浄からシリコン酸化膜形成
装置への搬入までの雰囲気を、不活性ガス(例えば窒素
ガス)雰囲気としてもよい。尚、このような雰囲気は、
例えば、シリコン半導体基板の表面洗浄装置の雰囲気を
不活性ガス雰囲気とし、且つ、不活性ガスが充填された
搬送用ボックス内にシリコン半導体基板40を納めてシ
リコン酸化膜形成装置の基板搬入出部20や処理室50
に搬入する方法や、図64に模式図を示すように、表面
洗浄装置、シリコン酸化膜形成装置、搬送路、ローダー
及びアンローダーから構成されたクラスターツール装置
を用い、シリコン半導体基板の表面洗浄装置からシリコ
ン酸化膜形成装置の基板搬入出部20あるいは処理室5
0までを搬送路で結び、かかる表面洗浄装置及び搬送路
の雰囲気を不活性ガス雰囲気とする方法によって達成す
ることができる。
【0189】あるいは又、0.1%フッ化水素酸水溶液
及び純水によりシリコン層の表面洗浄を行う代わりに、
表2に例示する条件にて、無水フッ化水素ガスを用いた
気相洗浄法によってシリコン層の表面洗浄を行ってもよ
い。尚、パーティクルの発生防止のためにメタノールを
添加する。あるいは又、表3に例示する条件にて、塩化
水素ガスを用いた気相洗浄法によってシリコン層の表面
洗浄を行ってもよい。尚、シリコン層の表面洗浄開始前
あるいは表面洗浄完了後における表面洗浄装置内の雰囲
気や搬送路等内の雰囲気は、不活性ガス雰囲気としても
よいし、例えば1.3×10-1Pa(10-3Torr)程度
の真空雰囲気としてもよい。尚、搬送路等内の雰囲気を
真空雰囲気とする場合には、シリコン層を搬入する際の
シリコン酸化膜形成装置の基板搬入出部20あるいは処
理室50の雰囲気を例えば1.3×10-1Pa(10-3
Torr)程度の真空雰囲気としておき、シリコン層の搬入
完了後、基板搬入出部20あるいは処理室50の雰囲気
を大気圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)雰囲気とすれ
ばよい。
【0190】
【表2】 無水フッ化水素ガス:300sccm メタノール蒸気 :80sccm 窒素ガス :1000sccm 圧力 :0.3Pa 温度 :60゜C
【0191】
【表3】 塩化水素ガス/窒素ガス:1容量% 温度 :800゜C
【0192】尚、これらの場合のシリコン酸化膜形成装
置としては、図13、図31、図32あるいは後述する
図65、図66に示すシリコン酸化膜形成装置を用いる
ことができる。これにより、シリコン酸化膜の形成前に
水素やフッ素で終端されたシリコン層の表面を汚染等の
無い状態に保つことができる結果、形成されたシリコン
酸化膜中に水分や有機物、あるいは又、Si−OHが取
り込まれ、形成されたシリコン酸化膜の特性が低下しあ
るいは欠陥部分が発生することを、効果的に防ぐことが
できる。
【0193】図13に示した縦型方式のシリコン酸化膜
形成装置とは若干形式の異なる縦型方式のシリコン酸化
膜形成装置の模式的な断面図を図65に示す。この縦型
方式のシリコン酸化膜形成装置の処理室10は、上方領
域10Aと下方領域10Bから構成され、下方領域10
Bの雰囲気温度はヒータ14によって制御される。一
方、上方領域10Aの外側には、赤外線若しくは可視光
を発する複数のランプ14Aが配設されている。そし
て、例えば、実施例1の[工程−130]と同様の工程
において、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離し
ない温度に雰囲気を保持した状態で湿式ガスを用いた酸
化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成
する第1のシリコン酸化膜形成工程を実行するが、この
シリコン酸化膜の形成は処理室10の下方領域10Bに
て行う。このとき、処理室10の上方領域10Aの雰囲
気温度は、ランプ14Aによって400゜Cに保持す
る。その後、実施例1の[工程−140]と同様の工程
において、処理室10内への湿式ガスの導入を中止し、
不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部12から処
理室10内に導入しながら、シリコン酸化膜形成装置の
処理室10の上方領域10Aの雰囲気温度をランプ14
Aによって第2のシリコン酸化膜形成工程における雰囲
気温度まで昇温させ、次いで、エレベータ機構23を作
動させて石英ボート24を上昇させ、シリコン半導体基
板40を処理室10の上方領域10Aに移す。そして、
実施例1の[工程−150]と同様の工程において、パ
イロジェニック酸化法によってシリコン半導体基板40
の表面にシリコン酸化膜42を形成する第2のシリコン
酸化膜形成工程を実行する。次いで、実施例1の[工程
−160]と同様の工程において、湿式ガスの導入を中
止し、不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部12
から処理室10内に導入しつつ、処理室10の上方領域
10Aの雰囲気温度をランプ14Aによって850゜C
まで昇温する。その後、塩化水素ガスを0.1容量%含
有する不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部12
から処理室10内に導入し、処理室10の上方領域10
Aにおいて、30分間、熱処理を行う。
【0194】あるいは又、図32に示した横型のシリコ
ン酸化膜形成装置とは若干形式の異なる横型のシリコン
酸化膜形成装置の模式的な断面図を図66に示す。この
横型のシリコン酸化膜形成装置の処理室50は、第1の
領域50Aと第2の領域50Bから構成され、第1の領
域50A及び第2の領域50Bのそれぞれの雰囲気温度
はランプ151A及びランプ151Bによって制御され
る。そして、例えば、実施例7の[工程−720]と同
様の工程において、シリコン層の表面からシリコン原子
が脱離しない温度に雰囲気を保持した状態で、湿式ガス
を用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸
化膜を形成する第1のシリコン酸化膜形成工程を実行す
るが、このシリコン酸化膜の形成は処理室50の第1の
領域50Aにて行う。尚、第1の領域50Aにおける雰
囲気温度の制御はランプ151Aによって行われる。こ
のとき、処理室50の第2の領域50Bの雰囲気温度
は、ランプ151Bによって400゜Cに保持する。そ
の後、実施例7の[工程−730]と同様の工程におい
て、処理室50内への湿式ガスの導入を継続しながら、
処理室50の第2の領域50Bの雰囲気温度を、ランプ
151Bによって第2のシリコン酸化膜形成工程におけ
る雰囲気温度まで昇温し、シリコン層(例えばシリコン
半導体基板)を第2の領域50Bに移す。その後、[工
程−740]と同様の工程において、処理室50の第2
の領域50Bの雰囲気温度をランプ151Bによってこ
の温度に保持した状態にて、湿式ガスを用いた酸化法に
て、更にシリコン酸化膜を形成する第2のシリコン酸化
膜形成工程を実行する。その後、[工程−750]と同
様の工程において、湿式ガスの導入を中止し、不活性ガ
ス(例えば窒素ガス)をガス導入部54から処理室50
内に導入しつつ、処理室50の第2の領域50Bの雰囲
気温度をランプ151Bによって850゜Cまで昇温す
る。次いで、塩化水素ガスを0.1容量%含有する不活
性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部54から処理室
50内に導入し、5分間、熱処理を行う。尚、図66の
シリコン酸化膜形成装置におけるランプの代わりに、図
31に示したと同様に抵抗加熱ヒータを用いることもで
きる。
【0195】表4に、本発明の好ましい第1の実施態様
に関して、第1のシリコン酸化膜形成工程(表4では第
1の酸化工程と表示した)における雰囲気、昇温工程に
おける雰囲気、第2のシリコン酸化膜形成工程(表4で
は第2の酸化工程と表記した)における雰囲気、並び
に、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施すために雰
囲気を昇温する工程(表4では第2の昇温工程と表記し
た)における雰囲気の組み合わせを示す。尚、本発明の
好ましい第2の実施態様に関しては、昇温工程を除き、
第1のシリコン酸化膜形成工程における雰囲気、第2の
シリコン酸化膜形成工程における雰囲気、並びに、形成
されたシリコン酸化膜に熱処理を施すために雰囲気を昇
温する工程における雰囲気の組み合わせを、表4と同様
とすることができる。表4中、湿式ガス雰囲気を「湿式
ガス」と表記し、ハロゲン元素を含有する湿式ガス雰囲
気を「*湿式ガス」と表記し、不活性ガス雰囲気を「不
活性ガス」と表記し、ハロゲン元素を含有する不活性ガ
ス雰囲気を「*不活性ガス」と表記した。ここで、表4
に示した各種の雰囲気の組み合わせは、図13や図65
に示したシリコン酸化膜形成装置、図31、図32や図
66に示したシリコン酸化膜形成装置、あるいは又、こ
れらの組み合わせ、更には、図58や図64に示したク
ラスターツール装置にて実現することができる。また、
湿式ガス雰囲気あるいはハロゲン元素を含有する湿式ガ
ス雰囲気を不活性ガスで希釈してもよい。
【0196】
【表4】 第1の酸化工程 昇温工程 第2の酸化工程 第2の昇温工程 湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス 湿式ガス 湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス 湿式ガス 湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス 湿式ガス *湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス 湿式ガス *湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス *湿式ガス 湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス *湿式ガス 湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス *湿式ガス *湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス *湿式ガス *湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス 湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス 湿式ガス 湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス 湿式ガス 湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス 湿式ガス *湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス 湿式ガス *湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス *湿式ガス 湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス *湿式ガス 湿式ガス *不活性ガス *湿式ガス *湿式ガス *湿式ガス 不活性ガス *湿式ガス *湿式ガス *湿式ガス *不活性ガス
【0197】
【発明の効果】本発明のシリコン酸化膜の形成方法にお
いては、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しな
い雰囲気温度にてシリコン層の表面にシリコン酸化膜の
形成を開始し、あるいは又、湿式ガスがシリコン層表面
で結露しない温度以上500゜C以下の雰囲気温度にて
シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始するの
で、シリコン層の表面に凹凸(荒れ)が生じることを防
止し得る。しかも、最終的に形成されるシリコン酸化膜
中には信頼性の劣るドライ酸化膜が含まれず、優れた特
性を有するシリコン酸化膜を形成することができる。そ
れ故、チャネル移動度の低下を防止でき、MOS型トラ
ンジスタ素子の駆動電流の劣化が生じ難く、また、フラ
ッシュメモリ等でデータリテンション特性の劣化を引き
起こすストレスリーク現象の発生を抑制することがで
き、長期信頼性に優れた極薄の例えばゲート酸化膜の形
成が可能となる。また、素子分離領域を形成するための
酸化膜や犠牲酸化膜を本発明のシリコン酸化膜の形成方
法に基づき形成することによって、これらの酸化膜とシ
リコン半導体基板との界面における凹凸の発生を抑制す
ることができる結果、ゲート酸化膜の電気的信頼性が低
下することを一層効果的に防止することができる。
【0198】また、本発明の好ましい第1Aの実施態様
によれば、シリコン層の表面に既に保護膜としても機能
するシリコン酸化膜が形成された状態で、雰囲気温度を
第2のシリコン酸化膜形成工程における雰囲気温度に昇
温した後、更に、湿式ガスを用いた酸化法によって更に
シリコン酸化膜を形成するので、昇温工程においてシリ
コン層の表面に凹凸(荒れ)が生じることがないし、優
れた特性を有するシリコン酸化膜を形成することができ
る。以上の結果として、長期信頼性に優れた極薄の例え
ばゲート酸化膜の形成が可能となる。あるいは又、本発
明の好ましい第1Bの実施態様によれば、シリコン層
(例えばシリコン半導体基板)の面内の温度ばらつきを
少なくすることができるので、昇温中にシリコン酸化膜
が形成される場合であっても、形成されるシリコン酸化
膜の面内膜厚ばらつき発生を抑制することができる。更
には、本発明の好ましい第2の実施態様によれば、第1
の処理室及び第2の処理室の雰囲気温度を所定の一定温
度に保持すればよく、各処理室内の温度制御を一層正確
に行うことができるばかりか、処置室内の温度安定性に
優れる。従って、シリコン酸化膜の膜厚制御性に優れ
る。しかも、シリコン酸化膜の形成時のスループットの
低下を招くこともない。本発明の好ましい第3実施態様
によれば、シリコン酸化膜形成装置における雰囲気温度
の制御範囲を狭くすることができる結果、高い精度で雰
囲気温度の制御を行うことができるばかりか、高温から
低温まで処理室を冷却する必要がなくなり、シリコン酸
化膜の形成に要する時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコ
ン酸化膜の形成方法における雰囲気温度プロファイルで
ある。
【図2】本発明の第1若しくは第2の態様に係るシリコ
ン酸化膜の形成方法における雰囲気温度プロファイルで
ある。
【図3】本発明の好ましい第1の実施態様における雰囲
気温度プロファイルである。
【図4】本発明の好ましい第1の実施態様における雰囲
気温度プロファイルである。
【図5】本発明の好ましい第1の実施態様における雰囲
気温度プロファイルである。
【図6】本発明の好ましい第1の実施態様における雰囲
気温度プロファイルである。
【図7】本発明の好ましい第1の実施態様における雰囲
気温度プロファイルである。
【図8】本発明の好ましい第2の実施態様における雰囲
気温度プロファイルである。
【図9】本発明の好ましい第2の実施態様における雰囲
気温度プロファイルである。
【図10】本発明の好ましい第2の実施態様における雰
囲気温度プロファイルである。
【図11】本発明の好ましい第2の実施態様における雰
囲気温度プロファイルである。
【図12】実施例1のシリコン酸化膜の形成方法を説明
するためのシリコン半導体基板等の模式的な一部断面図
である。
【図13】縦型方式のシリコン酸化膜形成装置(熱酸化
炉)の模式的な断面図である。
【図14】実施例1における雰囲気温度プロファイルで
ある。
【図15】実施例1におけるシリコン酸化膜の形成方法
を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な
断面図である。
【図16】図15に引き続き、実施例1におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図17】図16に引き続き、実施例1におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図18】実施例2における雰囲気温度プロファイルで
ある。
【図19】経時絶縁破壊(TDDB)特性を測定するた
めの回路の模式図である。
【図20】実施例1及び比較例にて説明した方法で形成
されたシリコン酸化膜の経時絶縁破壊(TDDB)特性
の評価結果を示すワイブル確率分布を示す図である。
【図21】実施例2及び比較例にて説明した方法で形成
されたシリコン酸化膜の経時絶縁破壊(TDDB)特性
の評価結果を示すワイブル確率分布を示す図である。
【図22】実施例3及び比較例にて説明した方法で形成
されたシリコン酸化膜の経時絶縁破壊(TDDB)特性
の評価結果を示すワイブル確率分布を示す図である。
【図23】実施例1及び実施例4にて作製されたMOS
キャパシタの累積不良率50%におけるQBDの値、及び
シリコン半導体基板の表面からの水素原子の脱離量と、
第1のシリコン酸化膜形成工程における雰囲気温度の関
係を示すグラフである。
【図24】実施例5における雰囲気温度プロファイルで
ある。
【図25】実施例5におけるシリコン酸化膜の形成方法
を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な
断面図である。
【図26】図25に引き続き、実施例5におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図27】図26に引き続き、実施例5におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図28】実施例6におけるシリコン酸化膜の形成方法
を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な
断面図である。
【図29】図28に引き続き、実施例6におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図30】図29に引き続き、実施例6におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図31】本発明の第2の態様に係るシリコン酸化膜の
形成方法の実施に適した横型のシリコン酸化膜形成装置
の模式的な断面図である。
【図32】図31とは若干構造が異なる、本発明の第2
の態様に係るシリコン酸化膜の形成方法の実施に適した
横型のシリコン酸化膜形成装置の模式的な断面図であ
る。
【図33】実施例8のシリコン酸化膜の形成方法を説明
するためのシリコン半導体基板等の模式的な一部断面図
である。
【図34】実施例8の実施に適したバッチ式の縦型方式
シリコン酸化膜形成装置の概念図である。
【図35】図34に示したバッチ式の縦型方式シリコン
酸化膜形成装置の第1の処理室を含む部分の模式的な断
面図である。
【図36】図34に示したバッチ式の縦型方式シリコン
酸化膜形成装置の第2の処理室を含む部分の模式的な断
面図である。
【図37】実施例8における雰囲気温度プロファイルで
ある。
【図38】実施例8におけるシリコン酸化膜の形成方法
を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な
断面図である。
【図39】図38に引き続き、実施例8におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図40】図39に引き続き、実施例8におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図41】図40に引き続き、実施例8におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図42】図41に引き続き、実施例8におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図43】図42に引き続き、実施例8におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図44】図43に引き続き、実施例8におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図45】図44に引き続き、実施例8におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図46】図45に引き続き、実施例8におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図47】実施例9の実施に適したバッチ式の縦型方式
シリコン酸化膜形成装置の概念図である。
【図48】実施例9におけるシリコン酸化膜の形成方法
を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な
断面図である。
【図49】図48に引き続き、実施例9におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図50】図49に引き続き、実施例9におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図51】図50に引き続き、実施例9におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図52】図51に引き続き、実施例9におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図53】図52に引き続き、実施例9におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図54】図53に引き続き、実施例9におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図55】図54に引き続き、実施例9におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図56】図55に引き続き、実施例9におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図57】図56に引き続き、実施例9におけるシリコ
ン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形
成装置等の模式的な断面図である。
【図58】実施例10の実施に適したシリコン酸化膜形
成装置の概念図である。
【図59】実施例10の実施に適したシリコン酸化膜形
成装置におけるバッチ式の炉アニール装置の模式的な断
面図である。
【図60】実施例11及び実施例12における雰囲気温
度プロファイルである。
【図61】実施例11におけるシリコン酸化膜の形成方
法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的
な断面図である。
【図62】図61に引き続き、実施例11におけるシリ
コン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜
形成装置等の模式的な断面図である。
【図63】図62に引き続き、実施例11におけるシリ
コン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜
形成装置等の模式的な断面図である。
【図64】クラスターツール装置の模式図である。
【図65】図13に示した縦型方式のシリコン酸化膜形
成装置とは若干形式の異なる縦型方式のシリコン酸化膜
形成装置の模式的な断面図である。
【図66】図32に示した横型のシリコン酸化膜形成装
置とは若干形式の異なる横型のシリコン酸化膜形成装置
の模式的な断面図である。
【図67】従来のシリコン酸化膜の形成方法を説明する
ためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な断面図であ
る。
【図68】図67に引き続き、従来のシリコン酸化膜の
形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の
模式的な断面図である。
【図69】図68に引き続き、従来のシリコン酸化膜の
形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の
模式的な断面図である。
【符号の説明】
10,110,210・・・処理室、11,111,2
11・・・ガス流路、12,112,212・・・ガス
導入部、13,113,213・・・ガス排気部、1
4,114,214・・・ヒータ、15,115,21
5・・・シャッター、16,116,216・・・均熱
管、20・・・基板搬入出部、21,121・・・ガス
導入部、22,122・・・ガス排気部、23,123
・・・エレベータ機構、24,124・・・石英ボー
ト、30,130・・・燃焼室、31,131・・・配
管、40・・・シリコン半導体基板、41・・・素子分
離領域、42・・・シリコン酸化膜、43・・・ゲート
電極、50・・・処理室、51・・・抵抗加熱ヒータ、
51A,151A,151B・・・ランプ、52・・・
ウエハ台、53・・・ゲートバルブ、54・・・ガス導
入部、55・・・ガス排気部、120,120A,12
0B,301・・・搬送路、125,125A,125
B・・・扉、126・・・シャッター、301・・・ロ
ーダー・アンローダー、302,303・・・処理装
置、304・・・炉アニール装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平9−90766 (32)優先日 平9(1997)4月9日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平9−112338 (32)優先日 平9(1997)4月30日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平9−278977 (32)優先日 平9(1997)10月13日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 木村 秀樹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 片岡 豊隆 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 鈴木 篤 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 田中 伸史 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (100)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
    しない雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によっ
    て該シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始
    し、 湿式ガスを用いた酸化法によって、所望の厚さになるま
    でシリコン酸化膜を形成することを特徴とするシリコン
    酸化膜の形成方法。
  2. 【請求項2】シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
    しない雰囲気温度は、シリコン層表面を終端している原
    子とシリコン原子との結合が切断されない温度であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成
    方法。
  3. 【請求項3】シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
    しない雰囲気温度は、該シリコン層表面のSi−H結合
    が切断されない温度であることを特徴とする請求項2に
    記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  4. 【請求項4】シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
    しない雰囲気温度は、該シリコン層表面のSi−F結合
    が切断されない温度であることを特徴とする請求項2に
    記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  5. 【請求項5】湿式ガスを用いた酸化法は、パイロジェニ
    ック酸化法、純水の加熱により発生した水蒸気による酸
    化法、並びに、酸素ガス又は不活性ガスによって加熱純
    水をバブリングすることにより発生した水蒸気による酸
    化法の内の少なくとも1種の酸化法であることを特徴と
    する請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  6. 【請求項6】所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了
    したときの雰囲気温度は、シリコン層の表面にシリコン
    酸化膜の形成を開始する際の雰囲気温度よりも高いこと
    を特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  7. 【請求項7】所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完了
    した後、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施すこと
    を特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  8. 【請求項8】熱処理の雰囲気は、ハロゲン元素を含有す
    る不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項7に
    記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  9. 【請求項9】ハロゲン元素は塩素であることを特徴とす
    る請求項8に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  10. 【請求項10】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項9に記載のシリコン
    酸化膜の形成方法。
  11. 【請求項11】熱処理は700乃至950゜Cの温度で
    行われることを特徴とする請求項7に記載のシリコン酸
    化膜の形成方法。
  12. 【請求項12】熱処理は炉アニール処理であることを特
    徴とする請求項11に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  13. 【請求項13】形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施
    す際の雰囲気温度は、所望の厚さのシリコン酸化膜の形
    成が完了したときの雰囲気温度よりも高いことを特徴と
    する請求項7に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  14. 【請求項14】所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完
    了した後、雰囲気をハロゲン元素を含有する不活性ガス
    雰囲気に切り替えた後、熱処理を施すための雰囲気温度
    まで昇温することを特徴とする請求項13に記載のシリ
    コン酸化膜の形成方法。
  15. 【請求項15】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項14に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  16. 【請求項16】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項15に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  17. 【請求項17】シリコン酸化膜を形成する前の雰囲気
    は、不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項1
    に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  18. 【請求項18】シリコン酸化膜を形成する前に、シリコ
    ン層表面を洗浄する工程を含み、表面洗浄後のシリコン
    層を大気に曝すことなく、シリコン酸化膜の形成を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形
    成方法。
  19. 【請求項19】シリコン層の表面からシリコン原子が脱
    離しない雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた酸化法によ
    って該シリコン層の表面にシリコン酸化膜の形成を開始
    した後、所定の期間、シリコン層の表面からシリコン原
    子が脱離しない雰囲気温度範囲に雰囲気を保持してシリ
    コン酸化膜を形成する第1のシリコン酸化膜形成工程
    と、 シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない雰囲気
    温度範囲よりも高い雰囲気温度にて、湿式ガスを用いた
    酸化法によって、所望の厚さになるまでシリコン酸化膜
    を更に形成する第2のシリコン酸化膜形成工程を含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成
    方法。
  20. 【請求項20】シリコン層の表面からシリコン原子が脱
    離しない雰囲気温度は、シリコン層表面を終端している
    原子とシリコン原子との結合が切断されない温度である
    ことを特徴とする請求項19に記載のシリコン酸化膜の
    形成方法。
  21. 【請求項21】シリコン層の表面からシリコン原子が脱
    離しない雰囲気温度は、該シリコン層表面のSi−H結
    合が切断されない温度であることを特徴とする請求項2
    0に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  22. 【請求項22】シリコン層の表面からシリコン原子が脱
    離しない雰囲気温度は、該シリコン層表面のSi−F結
    合が切断されない温度であることを特徴とする請求項2
    0に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  23. 【請求項23】第1のシリコン酸化膜形成工程、第2の
    シリコン酸化膜形成工程、又は、第1のシリコン酸化膜
    形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程における湿
    式ガスを用いた酸化法は、パイロジェニック酸化法、純
    水の加熱により発生した水蒸気による酸化法、並びに、
    酸素ガス又は不活性ガスによって加熱純水をバブリング
    することにより発生した水蒸気による酸化法の内の少な
    くとも1種の酸化法であることを特徴とする請求項19
    に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  24. 【請求項24】第1のシリコン酸化膜形成工程、第2の
    シリコン酸化膜形成工程、又は、第1のシリコン酸化膜
    形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程における湿
    式ガスにはハロゲン元素が含有されていることを特徴と
    する請求項23に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  25. 【請求項25】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項24に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  26. 【請求項26】塩素は塩化水素の形態であり、湿式ガス
    中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容量
    %であることを特徴とする請求項25に記載のシリコン
    酸化膜の形成方法。
  27. 【請求項27】第1のシリコン酸化膜形成工程、第2の
    シリコン酸化膜形成工程、又は、第1のシリコン酸化膜
    形成工程及び第2のシリコン酸化膜形成工程における湿
    式ガスは不活性ガスで希釈されていることを特徴とする
    請求項19に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  28. 【請求項28】シリコン酸化膜を形成するための1つの
    処理室を備えたシリコン酸化膜形成装置を用い、 第1のシリコン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化
    膜形成工程を該処理室内で行うことを特徴とする請求項
    19に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  29. 【請求項29】第1のシリコン酸化膜形成工程及び第2
    のシリコン酸化膜形成工程をバッチ式にて行うことを特
    徴とする請求項28に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  30. 【請求項30】処理室には、その外側に配設され、且
    つ、シリコン層の表面と略平行に配設された、シリコン
    層を加熱するための加熱手段が備えられ、 第1のシリコン酸化膜形成工程及び第2のシリコン酸化
    膜形成工程を枚葉式にて行うことを特徴とする請求項2
    8に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  31. 【請求項31】第1のシリコン酸化膜形成工程と第2の
    シリコン酸化膜形成工程との間に昇温工程を含むことを
    特徴とする請求項28に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  32. 【請求項32】昇温工程における雰囲気は、不活性ガス
    雰囲気、又は、湿式ガスを含む酸化雰囲気であることを
    特徴とする請求項31に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  33. 【請求項33】昇温工程における雰囲気にはハロゲン元
    素が含有されていることを特徴とする請求項32に記載
    のシリコン酸化膜の形成方法。
  34. 【請求項34】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項33に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  35. 【請求項35】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中又は湿式ガス中に含有される塩化水素の濃度は0.
    02乃至10容量%であることを特徴とする請求項34
    に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  36. 【請求項36】昇温工程における雰囲気は、不活性ガス
    で希釈された湿式ガスを含む酸化雰囲気であることを特
    徴とする請求項31に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  37. 【請求項37】シリコン酸化膜を形成するための第1の
    処理室及び第2の処理室、並びに、第1の処理室と第2
    の処理室とを結ぶ搬送路を備えたシリコン酸化膜形成装
    置を用い、 第1のシリコン酸化膜形成工程を第1の処理室内にて行
    い、その後、シリコン層を第1の処理室から搬送路を介
    して第2の処理室に搬入し、次いで、第2のシリコン酸
    化膜形成工程を第2の処理室にて行うことを特徴とする
    請求項19に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  38. 【請求項38】シリコン層を、第1の処理室から大気に
    曝すことなく搬送路を介して第2の処理室に搬送するこ
    とを特徴とする請求項37に記載のシリコン酸化膜の形
    成方法。
  39. 【請求項39】シリコン層を第1の処理室から第2の処
    理室に搬送する際の搬送路の雰囲気温度を、第1のシリ
    コン酸化膜形成工程における第1の処理室内の雰囲気温
    度と略等しくすることを特徴とする請求項38に記載の
    シリコン酸化膜の形成方法。
  40. 【請求項40】第1のシリコン酸化膜形成工程及び第2
    のシリコン酸化膜形成工程をバッチ式にて行うことを特
    徴とする請求項37に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  41. 【請求項41】第1のシリコン酸化膜形成工程を枚葉式
    にて行い、第2のシリコン酸化膜形成工程をバッチ式に
    て行うことを特徴とする請求項37に記載のシリコン酸
    化膜の形成方法。
  42. 【請求項42】第1のシリコン酸化膜形成工程及び第2
    のシリコン酸化膜形成工程を枚葉式にて行うことを特徴
    とする請求項37に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  43. 【請求項43】第1の処理室に連通する搬送路の部分と
    第2の処理室に連通する搬送路の部分との間にシャッタ
    ーが配設されたシリコン酸化膜形成装置を用いることを
    特徴とする請求項37に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  44. 【請求項44】第2のシリコン酸化膜形成工程の完了
    後、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施すことを特
    徴とする請求項19に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  45. 【請求項45】熱処理の雰囲気は、ハロゲン元素を含有
    する不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項4
    4に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  46. 【請求項46】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項45に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  47. 【請求項47】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項46に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  48. 【請求項48】熱処理は700乃至950゜Cの温度で
    行われることを特徴とする請求項44に記載のシリコン
    酸化膜の形成方法。
  49. 【請求項49】熱処理は炉アニール処理であることを特
    徴とする請求項48に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  50. 【請求項50】形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施
    す際の雰囲気温度は、第2のシリコン酸化膜形成工程に
    おいてシリコン酸化膜を形成する際の雰囲気温度よりも
    高いことを特徴とする請求項44に記載のシリコン酸化
    膜の形成方法。
  51. 【請求項51】第2のシリコン酸化膜形成工程の形成完
    了後、雰囲気をハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲
    気に切り替えた後、熱処理を施すための雰囲気温度まで
    昇温することを特徴とする請求項50に記載のシリコン
    酸化膜の形成方法。
  52. 【請求項52】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項51に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  53. 【請求項53】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項52に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  54. 【請求項54】熱処理の雰囲気は、窒素系ガス雰囲気で
    あることを特徴とする請求項44に記載のシリコン酸化
    膜の形成方法。
  55. 【請求項55】第1のシリコン酸化膜形成工程におい
    て、シリコン酸化膜を形成する前の雰囲気は不活性ガス
    雰囲気であることを特徴とする請求項19に記載のシリ
    コン酸化膜の形成方法。
  56. 【請求項56】第1のシリコン酸化膜形成工程の前にシ
    リコン層表面を洗浄する工程を含み、表面洗浄後のシリ
    コン層を大気に曝すことなく、第1のシリコン酸化膜形
    成工程を実行することを特徴とする請求項19に記載の
    シリコン酸化膜の形成方法。
  57. 【請求項57】所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完
    了したときの雰囲気温度は、シリコン層の表面からシリ
    コン原子が脱離しない雰囲気温度範囲内であることを特
    徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  58. 【請求項58】所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完
    了した後、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施すこ
    とを特徴とする請求項57に記載のシリコン酸化膜の形
    成方法。
  59. 【請求項59】熱処理の雰囲気は、ハロゲン元素を含有
    する不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項5
    8に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  60. 【請求項60】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項59に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  61. 【請求項61】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項60に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  62. 【請求項62】熱処理は700乃至950゜Cの温度で
    行われることを特徴とする請求項58に記載のシリコン
    酸化膜の形成方法。
  63. 【請求項63】熱処理は炉アニール処理であることを特
    徴とする請求項62に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  64. 【請求項64】所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完
    了したときの雰囲気温度は500゜C以下であることを
    特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  65. 【請求項65】シリコン層は、基板上に形成されたエピ
    タキシャルシリコン層から成ることを特徴とする請求項
    1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  66. 【請求項66】シリコン酸化膜はゲート酸化膜であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成
    方法。
  67. 【請求項67】シリコン層はシリコン半導体基板から構
    成され、 シリコン酸化膜は、シリコン半導体基板の表面にゲート
    酸化膜形成以前にシリコン半導体基板に形成される酸化
    膜であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸
    化膜の形成方法。
  68. 【請求項68】シリコン半導体基板の表面にゲート酸化
    膜形成以前にシリコン半導体基板に形成される酸化膜
    は、素子分離領域を形成するための酸化膜であることを
    特徴とする請求項67に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  69. 【請求項69】素子分離領域は、LOCOS構造、トレ
    ンチ構造、又は、LOCOS構造及びトレンチ構造を有
    することを特徴とする請求項68に記載のシリコン酸化
    膜の形成方法。
  70. 【請求項70】シリコン半導体基板の表面にゲート酸化
    膜形成以前にシリコン半導体基板に形成される酸化膜
    は、犠牲酸化膜であることを特徴とする請求項67に記
    載のシリコン酸化膜の形成方法。
  71. 【請求項71】湿式ガスがシリコン層表面で結露しない
    温度以上、500゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガス
    を用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸
    化膜の形成を開始し、 湿式ガスを用いた酸化法によって、所望の厚さになるま
    でシリコン酸化膜を形成することを特徴とするシリコン
    酸化膜の形成方法。
  72. 【請求項72】湿式ガスがシリコン層表面で結露しない
    温度以上、450゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガス
    を用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸
    化膜の形成を開始することを特徴とする請求項71に記
    載のシリコン酸化膜の形成方法。
  73. 【請求項73】湿式ガスがシリコン層表面で結露しない
    温度以上、400゜C以下の雰囲気温度にて、湿式ガス
    を用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸
    化膜の形成を開始することを特徴とする請求項72に記
    載のシリコン酸化膜の形成方法。
  74. 【請求項74】湿式ガスを用いた酸化法は、パイロジェ
    ニック酸化法、純水の加熱により発生した水蒸気による
    酸化法、並びに、酸素ガス又は不活性ガスによって加熱
    純水をバブリングすることにより発生した水蒸気による
    酸化法の内の少なくとも1種の酸化法であることを特徴
    とする請求項71に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  75. 【請求項75】所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完
    了したときの雰囲気温度は、シリコン層の表面にシリコ
    ン酸化膜の形成を開始する際の雰囲気温度よりも高いこ
    とを特徴とする請求項71に記載のシリコン酸化膜の形
    成方法。
  76. 【請求項76】所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完
    了した後、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施すこ
    とを特徴とする請求項71に記載のシリコン酸化膜の形
    成方法。
  77. 【請求項77】熱処理の雰囲気は、ハロゲン元素を含有
    する不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項7
    6に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  78. 【請求項78】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項77に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  79. 【請求項79】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項78に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  80. 【請求項80】熱処理は700乃至950゜Cの温度で
    行われることを特徴とする請求項76に記載のシリコン
    酸化膜の形成方法。
  81. 【請求項81】熱処理は炉アニール処理であることを特
    徴とする請求項80に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  82. 【請求項82】形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施
    す際の雰囲気温度は、所望の厚さのシリコン酸化膜の形
    成が完了したときの雰囲気温度よりも高いことを特徴と
    する請求項76に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  83. 【請求項83】所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完
    了した後、雰囲気をハロゲン元素を含有する不活性ガス
    雰囲気に切り替えた後、熱処理を施すための雰囲気温度
    まで昇温することを特徴とする請求項82に記載のシリ
    コン酸化膜の形成方法。
  84. 【請求項84】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項83に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  85. 【請求項85】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項84に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  86. 【請求項86】所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完
    了したときの雰囲気温度は500゜C以下であることを
    特徴とする請求項71に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  87. 【請求項87】所望の厚さのシリコン酸化膜の形成が完
    了した後、形成されたシリコン酸化膜に熱処理を施すこ
    とを特徴とする請求項86に記載のシリコン酸化膜の形
    成方法。
  88. 【請求項88】熱処理の雰囲気は、ハロゲン元素を含有
    する不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項8
    7に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  89. 【請求項89】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項88に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  90. 【請求項90】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項89に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  91. 【請求項91】熱処理は700乃至950゜Cの温度で
    行われることを特徴とする請求項87に記載のシリコン
    酸化膜の形成方法。
  92. 【請求項92】熱処理は炉アニール処理であることを特
    徴とする請求項91に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  93. 【請求項93】シリコン酸化膜を形成する前の雰囲気
    は、不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項7
    1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  94. 【請求項94】シリコン酸化膜を形成する前に、シリコ
    ン層表面を洗浄する工程を含み、表面洗浄後のシリコン
    層を大気に曝すことなく、シリコン酸化膜の形成を行う
    ことを特徴とする請求項71に記載のシリコン酸化膜の
    形成方法。
  95. 【請求項95】シリコン層は、基板上に形成されたエピ
    タキシャルシリコン層から成ることを特徴とする請求項
    71に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  96. 【請求項96】シリコン酸化膜はゲート酸化膜であるこ
    とを特徴とする請求項71に記載のシリコン酸化膜の形
    成方法。
  97. 【請求項97】シリコン層はシリコン半導体基板から構
    成され、 シリコン酸化膜は、シリコン半導体基板の表面にゲート
    酸化膜形成以前にシリコン半導体基板に形成される酸化
    膜であることを特徴とする請求項71に記載のシリコン
    酸化膜の形成方法。
  98. 【請求項98】シリコン半導体基板の表面にゲート酸化
    膜形成以前にシリコン半導体基板に形成される酸化膜
    は、素子分離領域を形成するための酸化膜であることを
    特徴とする請求項97に記載のシリコン酸化膜の形成方
    法。
  99. 【請求項99】素子分離領域は、LOCOS構造、トレ
    ンチ構造、又は、LOCOS構造及びトレンチ構造を有
    することを特徴とする請求項98に記載のシリコン酸化
    膜の形成方法。
  100. 【請求項100】シリコン半導体基板の表面にゲート酸
    化膜形成以前にシリコン半導体基板に形成される酸化膜
    は、犠牲酸化膜であることを特徴とする請求項97に記
    載のシリコン酸化膜の形成方法。
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