JP2008243919A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】SiC基板上にSiO2膜を有する半導体装置の製造に際して、そのSiO2/SiC界面近傍の界面準位密度が低減するとともに、SiO2膜の密度を高めてそのSiO2膜の厚みを20〜100nm程度とすることが容易である半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明における半導体装置の製造方法は、(a)SiC基板上に珪素および酸素の原料ガスを供給してSiO2膜を堆積する堆積工程と、(b)前記SiO2膜を堆積した前記SiC基板を200℃以上かつ700℃未満の温度に設定し、酸素ラジカルを発生してラジカル酸化する酸化工程とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、SiC基板を用いた半導体装置の製造方法に関するものである。
高耐圧化、小型化への強い要求があるパワーデバイスは、現在、主にSi基板を用いて製造されているが、Siの物性に起因する性能限界に近づいている。そこで期待されているのが、SiC基板を用いたパワーデバイスである。SiCはSiの約3倍の大きな禁制帯幅を持つため、絶縁破壊電界が1桁大きい。つまり1/10の厚さで同じ耐圧を得ることができる。また、扱える電流密度も大きくなるため、全体的に小型化することができる。パワーデバイスがMOSFETである場合、SiC基板を用いると電力変換時の損失は、Siよりも2桁以上小さくできる。また、熱伝導率がSiの約3倍大きいため、熱放散が良好で、機器の冷却が簡易化できる。すなわち、Si基板に代わりSiC基板を用いることにより小型、低損失、高効率、簡易冷却などの大きなメリットがある。
MOSFETなどのトランジスタのゲート絶縁膜には、高い絶縁特性が求められるため、Siパワーデバイスでは熱酸化膜が用いられている。熱酸化膜は、Si基板をO2、H2O、N2O、NOなどの酸化性ガス雰囲気中で高温アニールすることにより、Si基板を熱的に酸化し、その表面にSiO2膜を形成する方法である。一般には、700〜1200℃程度の高温が必要であり、絶縁特性に優れ、SiO2膜/Si界面準位密度が非常に小さい。また、100nm以上の厚い膜も形成可能である。
しかし、SiCパワーデバイスのゲート絶縁膜に熱酸化を適用した場合、Siパワーデバイスにはなかった問題が発生する。SiC基板を熱酸化すると、SiCが酸化されSiO2膜を形成すると同時に、Cも酸化されてCO2、COなどを生成する。生成されたCO2、COはSiO2膜の外に排出されるが、一部のCが酸化されずに、SiO2膜/SiC界面近傍のSiO2膜中に残留したC起因欠陥となり、界面準位密度を増加させる。このため、キャリア移動度を十分高くすることができない問題や、チャネル抵抗の増大による電力ロスが生じる。また、ゲート絶縁膜に必要な20〜100nmの厚い膜を得るのに十分な酸化レートを得るためには、900〜1200℃の非常に高い温度が必要になる。よってSiパワーデバイスよりも生産にかかるコストが高くなる問題があり、酸化温度の低温下も要求の一つである。
この対策として、熱酸化後にNO、N2O、NH3ガスなどを用いて熱窒化する方法が検討されている。熱窒化によりSiO2膜/SiC界面近傍にNを導入することで、C起因欠陥を不活性化し、界面準位密度が低減される(例えば下記非特許文献1参照)。
また、熱酸化以外にも様々な方法でSiO2膜を形成することができるが、以下のような制約条件を満たす必要がある。(1)C起因欠陥が少ないSiO2膜を形成できること。(2)未酸化欠陥(酸素欠損欠陥)が少ないSiO2膜を形成できること。(3)20〜100nmの厚い膜が形成できること。(4)SiO2膜に新たに欠陥を形成しない方法であること。
熱酸化以外の酸化方法として代表的な方法には、オゾンの分解、プラズマの分解等によって発生した酸素ラジカルを用いたラジカル酸化法や、CVD法やスパッタ法によりSiO2膜を堆積させる堆積法がある。
ラジカル酸化法に用いられる酸素ラジカルは極めて強い酸化力を有しているため、SiCを酸化する際にCの除去効果が極めて高く、C起因欠陥を熱酸化よりも大幅に低減することができる。また、熱酸化と同様に未酸化欠陥の少ない良質な酸化膜を形成できる。
また、堆積法は、熱酸化法やラジカル酸化法とは異なりSiO2膜中のSiとOをSiC基板外からSiC基板表面に供給する方法である。SiとOの供給形態によって種々の方法があり、例えば、CVD法、スパッタ法、PVD法、蒸着法などがある。堆積法の中では特にCVD法が最も欠陥の少ないSiO2膜を形成することができ、また量産にも適した方法である。
また、他の方法として、SiC上にCVD-SiO2膜を形成した後、700℃以上かつ900℃以下でSiC基板表面のSi原子1層のみを熱酸化する方法が提案されている。O2やH2Oによる熱酸化の酸化レートの温度依存性がSiとSiCで異なることを利用してSiCの酸化を抑制し、Si原子1層のみを熱酸化させる。実用的な酸化レートが得られる温度は、Siの場合約700℃以上であるが、SiCの場合約900℃以上である。したがって、700〜900℃の温度範囲内では、SiCの酸化を抑制し、Siを熱酸化させることができる(例えば下記特許文献1参照)。
特開2003−124208号公報 N.Kimizuka,K.Yamaguchi,K.Imai,T.Iisuka,C.T.Liu,R.C.Keller and T.Horiuchi、Symp.VLSI Technology、2000、p.92.
SiO2膜/SiC界面近傍の界面準位密度の低減に際して、熱酸化法は、上記の(2)〜(4)については満たしているが、上記の(1)が問題となっている。
また、熱酸化後に熱窒化する方法では、Nが導入されると、逆にN起因の欠陥を生成して上記(4)が問題となり、窒化による界面準位低減効果には限界がある。
また、ラジカル酸化法においては、酸素ラジカルは不対電子を持ち、極めて活性であるため、SiO2膜中を通過する際に、Si-Oネットワークの散乱を受けてすぐに失活してしまう。また、別の酸素ラジカルと衝突して再結合し、O2分子となるため、寿命が非常に短い。したがってSiO2膜中での拡散長が非常に短く、5nm以上の厚い膜を形成するのは困難であり、上記(3)が問題となる。SiCパワーデバイスでは扱う電圧が高いため、20〜100nm程度の膜厚が必要であり、このままでは適用できない。
一方、代表的な堆積法であるCVD法は、20〜100nm以上の厚い膜を形成するのは容易である。しかし、熱酸化やオゾン酸化では、密度の高いSiC中にOが導入され、密度の高いSiO2膜が形成されるのに対して、堆積法では、SiとOが外部から供給され基板上に堆積されたSiO2膜の密度は、熱酸化膜やオゾン酸化膜と比較して明らかに低い。隙間が広く、リングサイズの大きいSi-O結合ネットワークには大気中のH2Oが吸蔵され、Si-HやSi-OHなどの欠陥を生成する問題や、Si-O-Si結合角が通常より大きく歪んだSi-O結合や、Siダングリングボンドが存在する。このため、欠陥密度が高く、絶縁耐圧やリーク電流などの絶縁特性は、熱酸化膜やラジカル酸化膜より1桁以上悪い。特に成膜の初期段階ではSiソースガスとOソースガスの流量比が安定しないため、Si-Si結合、Siダングリングボンド、Si-H、Si-OHなどの未酸化欠陥が多く生成し、上記(2)が問題となり、SiO2膜/Si界面準位密度が非常に高くなる。堆積酸化膜の中でもCVD法により形成されたSiO2膜は、比較的絶縁特性に優れているが、熱酸化膜やオゾン酸化膜とは比較にならないほど劣る。
また、特許文献1に記載の方法によれば、C起因欠陥および未酸化欠陥が少なく、新たな欠陥生成もない1層のSiO2膜をSiO2膜/SiC界面に持ち、かつ、20〜100nmの厚い膜が形成することが可能になる。しかし、この方法ではC起因欠陥や未酸化欠陥などの欠陥が少ないのはSiO2膜/SiC界面近傍の1層のみであり、界面から1層以上離れた部分には、多量に未酸化欠陥が存在して上記(2)が問題となる。これらの欠陥によるキャリアのクーロン散乱の影響が無視できないため、十分な対策とは言えない。
そこで本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、SiC基板上にSiO2膜を有する半導体装置の製造に際して、そのSiO2膜/SiC界面近傍の界面準位密度を低減するとともにSiO2膜の密度を高め、かつ、そのSiO2膜の厚みを20〜100nm程度とすることが容易である半導体装置の製造方法を提供することを目的としている。
本発明における半導体装置の製造方法は、(a)SiC基板上に珪素および酸素の原料ガスを供給してSiO2膜を堆積する堆積工程と、(b)前記SiO2膜を堆積した前記SiC基板を200℃以上かつ700℃未満の温度に設定し、酸素ラジカルを発生してラジカル酸化する酸化工程とを備える。
請求項1に記載のように、珪素および酸素の原料ガスを供給してSiC基板上にSiO2膜を堆積するので、膜厚を20〜100nm程度と大きくすることが容易である。また、200℃以上700℃未満の温度で酸化するので、酸素分子によるSiCの熱酸化がほとんどなく、かつオゾンの熱分解による酸素ラジカルの生成効率が高い。よって、SiO2膜とSiCとの界面が、酸素ラジカルのみによって酸化されてSiO2膜となるので、C欠陥の少ないSiO2膜とSiCとの界面となる。また、同時に珪素および酸素の原料ガスを供給して堆積したSiO2膜も酸素ラジカルによって高密度化される。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1によるSiO2膜の形成方法を示す図であり、以下に説明する。まず、図1(a)に示す洗浄後のSiC基板1上に珪素および酸素の原料ガスを供給してSiO2膜を堆積する堆積工程を行う(図1(b))。この堆積する工程はCVD法、PVD法、スパッタ法、蒸着法などを用いることができるが、最も欠陥が少なく、量産にも適した方法はCVD法であり、CVD-SiO2膜3(未改質のCVD-SiO2膜)を堆積することが好ましい。
Siソースガスには、Cを含まないシラン系ガス、例えばSiCl2H2(ジクロロシラン),SiH4(シラン),SiCl3H(トリクロロシラン),SiCl4(テトラクロロシラン),Si2H6(ジシラン)などを用いる。これによりCVD-SiO2膜3中にC起因欠陥が生成するのを避けることができる。Oソースガスには、N20,O2オゾンなどの酸化性ガスを用いる。ジクロロシランとN2Oを用いたCVD-SiO2膜3は特に未酸化欠陥が少ない膜を形成できるため好ましい。
CVD法には、熱CVD,プラズマCVD、cat-CVDなどいろいろな方法を用いることができるが、プラズマダメージなどの影響のない熱CVD法が好ましい。処理温度は室温から900℃以下で行うが、SiC表面上にクリーンルーム大気から吸着した有機物汚染を燃焼し除去するため、400℃以上が好ましい。また、CVD-SiO2成膜時の雰囲気によりSiCが熱酸化するのを防ぐため、700℃未満にするのが好ましい。
このようにしてCVD-SiO2膜3を形成した後、SiC基板1を200℃以上かつ700℃未満の温度に設定し、酸素ラジカルを発生してCVD-SiO2膜3越しにSiC基板1をラジカル酸化する酸化工程を行う(図1(c))。酸素ラジカルの発生方法としては、プラズマにより酸素分子やオゾンを分解させる方法、UV照射により酸素分子やオゾンを分解させる方法、オゾンの熱分解を用いる方法などがあるが、プラズマダメージやUV照射によるSi-O結合の切断、すなわち新たな未酸化欠陥4の生成を防ぐために、オゾンの熱分解を用いるのが好ましい。
オゾンの分解効率を高めるためには、処理温度を200℃以上とし、オゾンの熱分解を促進させるのが好ましい。オゾンの分解効率やSiO2膜中での拡散長は、処理温度が高い方が大きくなるが、オゾンの熱分解や酸素ラジカルの再結合により、必ず02分子が生成するので、O2によるSiC基板1の熱酸化を防止するため700℃未満で行う。また、SiC基板1および基板ステージのみを加熱するコールドウォール方式の炉を用いる。炉内壁の温度は少なくとも200℃以下好ましくは室温に近い温度にする。これはオゾン分子がSiC基板1上で初めて熱を得て熱分解するようにし、SiC基板1上に供給される酸素ラジカルの濃度をできるだけ高くするためである。
CVD-SiO2膜3表面で生成した酸素ラジカルは、CVD-SiO2膜3表面の有機物汚染を容易に酸化し分解し除去する。また、CVD-SiO2膜3中を拡散し、CVD-SiO2膜3中の未酸化欠陥4を酸化し、消滅させる。酸素ラジカルはさらに深くまで拡散し、CVD-SiO2膜3/SiC界面近傍に存在する未酸化欠陥5の一つである成膜初期欠陥を酸化し、消滅させてCVD-SiO2膜6(改質されたCVD-SiO2膜)を形成する。また、CVD-SiO2膜3成膜時の温度を700℃以上で実施した場合、CVDのOソースガスによりSiCが一部熱酸化し、C起因欠陥を生成しているが、酸素ラジカルはこのC起因欠陥も消滅させる。
酸素ラジカルはさらにSiC基板1もラジカル酸化し、ラジカル酸化膜(オゾン酸化SiO2膜2)をCVD-SiO2膜6/SiC界面に形成する。このラジカル酸化膜(オゾン酸化SiO2膜2)はC起因欠陥や未酸化欠陥4が極めて少ない。酸素ラジカルの生成はオゾンの熱分解を利用しており、UV光照射やプラズマを用いていないため、これらによるダメージが無く、新たな欠陥生成はない。ただし、膜厚は約5nm程度である。しかし、オゾン酸化後にCVD-SiO2膜3を積み足した場合と異なり、CVD-SiO2膜6/オゾン酸化SiO2膜2界面の成膜初期欠陥は大幅に低減されている。有機物汚染による欠陥もなく、CVD-SiO2膜3中の未酸化欠陥4も低減されている。このため、欠陥によるキャリアのクーロン散乱の影響はほとんどない。
オゾン処理によりSiC基板1が酸化され新たにオゾン酸化SiO2膜2が形成されるが、その厚さは少なくとも2原子層以上、すなわち0.8nm以上できるだけ厚く実施するとよい。SiC基板1が酸化されてオゾン酸化SiO2膜2となる厚さを調整するには、オゾン酸化によるオゾン酸化SiO2膜2形成速度から処理時間を制御することにより調整する。このオゾン酸化SiO2膜2形成速度はあらかじめCVD膜の厚みを測定後に、一定時間のオゾン酸化後に再度膜厚を測定することによって求めることができる。膜厚はX線反射率法を用いることにより正確に求めることができる。オゾン酸化によるオゾン酸化SiO2膜2を0.8nm以上とすることにより、C起因欠陥を充分に低減することが可能となる。
以上のように、オゾン酸化後にCVD-SiO2膜3を積み足すのではなく、CVD-SiO2膜3堆積後にCVD-SiO2膜3越しにSiCを酸化することにより、大きな改善効果が得られる。すなわち、C起因欠陥、未酸化欠陥4(UVやプラズマによるダメージ含む)、成膜初期欠陥などの欠陥が少なく、20〜100nmの充分厚いSiO2膜を生産性よく形成することが可能になり、SiCパワーデバイスのロスを低減することができる。
なお、本発明は、オゾン処理によりSiO2膜中の未酸化欠陥4や成膜初期欠陥を酸化により消滅させているが、CVD-SiO2膜3形成時のOソースガスにオゾンを用いて酸化力を高めた場合について説明する。CVD-SiO2膜3形成時のOソースガスにオゾンを用いて酸化力を高めれば、本発明のように2段階の処理が不要になり、初めから欠陥の少ないCVD-SiO2膜3が作成できると想像できる。また、実際にオゾンを数%含んだ酸素とオゾンの混合ガスがOソースガスとして用いられている。
しかし、オゾンをさらに高濃度化し、酸化力を高めることにより、初めから欠陥の少ないCVD-SiO2膜3を形成するのは極めて困難である。何故なら、CVD-SiO2膜3の成膜には、SiO2膜中の欠陥を低減するだけではなく、厚さを面内均一にすることや、パーティクルの発生を防ぐことなど非常に多くの要求があるからである。酸化性ガスの酸化力を高めたり、濃度を高くすると、SiソースガスとOソースガスの反応が促進されるため、基板に到達する前に反応し、基板上にSiO2のパーティクルを生じる可能性が高くなる。また、面内均一性の確保も難しくなる。したがって、本方法のように、2段階で処理することにより、パーティクルの生成がなく、膜厚面内均一性が高く、かつ未酸化欠陥4が少ないSiO2膜を形成することが可能になる。
また、未酸化欠陥4が酸素ラジカルにより低減されると、Si-Oネットワーク構造が緻密化し、膜の密度が増加することがわかっている。これは、X線反射率解析を行うことにより調べることができる。図3に異なる厚さのCVD-SiO2膜3のX線反射率スペクトルを示す。図4にオゾン処理されたCVD-SiO2膜6のX線反射率スペクトルを示す。図5に図3のスペクトルからフィッティング解析により求めたCVD-SiO2膜3の深さ方向密度分布を示す。図6に図4のスペクトルからフィッティング解析により求めたオゾン処理されたCVD-SiO2膜6の深さ方向密度分布を示す。
オゾン処理をする前のCVD-SiO2膜3の密度は2.0〜2.1g/cm3程度と低いが、オゾン処理後にはSiO2膜表面に密度2.1〜2.2g/cm3の高密度な層と、SiO2膜/基板界面に密度2.2〜2.3g/cm3の高密度な層が形成されている。SiO2膜表面の高密度層は明らかにCVD-SiO2膜3が高密度化したものである。解析には密度が急峻に変化する単純なモデルを用いたが、実際には、表面ほど高密度で深くなるにつれ低密度に連続的変化していると考えられる。すなわち表面側ほど、酸素ラジカルが通過する量が多いため、Si-Oネットワーク構造の再構成による高密度化が顕著であると考えられる。一方、界面の高密度層は、基板がラジカル酸化されて形成したオゾン酸化SiO2膜2と考えられることから、酸素ラジカルはCVD-SiO2膜3/SiC界面まで到達し、CVD-SiO2膜3全てに行き渡り、CVD-SiO2膜3中の未酸化欠陥4をラジカル酸化により低減していると考えられる。
また、図7はSiC基板1のO2分子による熱酸化の酸化レートの温度依存性と、オゾンの熱分解による酸素ラジカル生成効率の温度依存性を示すグラフである。700℃以上の温度では、O2分子による熱酸化の酸化レートが温度と共に増加する。O2分子による熱酸化では、数nm程度もしくは原子レベルの酸化でもC起因欠陥の形成が起きるため、温度はできるだけ低い方がよい。700℃未満であれば、1100℃と比較して2桁以上、O2分子による熱酸化の酸化レートが小さくなり、C起因欠陥の生成は充分防止することができる。
一方、酸素ラジカルの生成効率も温度と共に増加する。200℃では10sec以下の極めて短時間でほとんど全てのオゾン分子が熱分解し、酸素ラジカルを生成することができるので、200℃以上で実施するのが好ましい。600℃以上になると温度上昇に伴う酸素ラジカルの生成効率の増加率は低下し、700℃以上では飽和傾向が顕著になるため、700℃以上の高温にする必要性は低い。
したがって、O2分子による熱酸化をできるだけ防止し、酸素ラジカルによる酸化をできるだけ促進させるためには、200℃以上700℃未満の処理条件が最も良い。よって本発明では200℃以上700℃未満でオゾン処理を行うことにより、最も効果的に欠陥を低減することができる。
[実施の形態2]
図2は本発明の実施の形態2におけるSiO2膜の形成方法を示す図であり、以下に説明する。実施の形態1と同様に図2(a)に示す洗浄後のSiC基板1上にSiO2を堆積する工程(図2(b))と、オゾン酸化工程(図2(c))を行う。その後、所定の厚みのSiO2膜を堆積する工程(図2(d))、オゾン酸化工程(図2(e))を複数回繰り返す(図2(f),(g))。
CVD-SiO2膜3が厚いほど、オゾン処理時間を長くしなければならず、生産性をより向上できる方法が望まれる。CVD-SiO2膜3の密度はオゾン酸化膜や熱酸化膜よりも低く、Si-Oネットワークの隙間が広く、酸素ラジカルの拡散長が長い。しかし、図6に示したように厚い膜になるほど、CVD-SiO2膜6中での酸素ラジカル濃度が低下してくる。そこで、CVD-SiO2膜3の堆積とオゾン処理を複数回繰り返し、最終的に20〜100nmのSiO2膜を形成する方法が有効である。すなわち一度に20〜100nmのSiO2膜を堆積するのではなく、50nm以下で例えば15nmのCVD-SiO2膜3を堆積した後、一定時間オゾン処理を行い、再度CVD-SiO2膜3を15nm堆積し、再度オゾン処理を実施する。これを複数回繰り返し、最終的に20〜100nmのSiO2膜を形成する。オゾン処理の時間は、SiC表面に直接オゾン酸化した場合に1〜5nmの酸化膜が形成する程度の時間でよい。
この方法は、CVD-SiO2膜3の堆積とオゾン処理を同一の炉で連続的に切り替えて行うことにより、充分な生産性を確保することができる。以上により、C起因欠陥、未酸化欠陥4が非常に少ない20〜100nmの厚さのSiO2膜を形成することができる。よって、トランジスタのチャネルにおける電子の移動を妨げる欠陥がないため電力ロスが非常に小さく、かつ充分な耐圧を確保することができる。
また、実施の形態1,2に記載のSiC基板1はバルク単結晶のSiC基板1だけでなく、バルク単結晶のSiC基板1や異種材料の基板表面の少なくとも一部にSiC膜を形成したようなSiC基板1を用いても同様な効果が得られる。
本発明の実施の形態1におけるSiO2膜の形成方法を示す図である。 本発明の実施の形態2におけるSiO2膜の形成方法を示す図である。 CVD-SiO2膜のX線反射率スペクトルを示す図である。 オゾン処理されたCVD-SiO2膜のX線反射率スペクトルを示す図である。 CVD-SiO2膜の深さ方向密度分布を示す図である。 オゾン処理されたCVD-SiO2膜の深さ方向密度分布を示す図である。 SiC基板のO2分子による熱酸化の酸化レートの温度依存性と、オゾンの熱分解による酸素ラジカル生成効率の温度依存性を示す図である。
符号の説明
1 SiC基板、2 オゾン酸化SiO2膜、3 CVD-SiO2膜(未改質)、4 未酸化欠陥(膜中)、5 未酸化欠陥(成膜初期)、6,7,8 CVD-SiO2膜(改質)。

Claims (5)

  1. (a)SiC基板上に珪素および酸素の原料ガスを供給してSiO2膜を堆積する堆積工程と、
    (b)200℃以上かつ700℃未満の温度で、前記SiO2膜及び前記SiO2膜を堆積した前記SiC基板に酸素ラジカルを供給し、ラジカル酸化する酸化工程と、を備える半導体装置の製造方法。
  2. 前記(a)工程と、前記(b)工程とを複数回繰り返す請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記(a)工程はCVD法で実行され、
    前記CVD法で使用する珪素の原料ガスは、SiCl2H2(ジクロロシラン),SiH4(シラン),SiCl3H(トリクロロシラン),SiCl4(テトラクロロシラン),Si2H6(ジシラン)のうち少なくともいずれかである請求項1または2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記酸素ラジカルは、オゾンの自己分解、オゾンの熱分解、オゾンのプラズマによる分解、オゾンのUV照射による分解、酸素分子のプラズマによる分解、酸素分子のUV照射による分解、のうち少なくともいずれか1つ以上により発生させたものである請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記(b)工程は、内壁の温度が200℃以下であるコールドウォール方式の炉を用いて実行される請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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