JP2013099038A - 電動機用ロータおよびブラシレスモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のスリット44が形成されたロータコア41と、スリット44内に設けられたマグネット13と、を備えた電動機用ロータにおいて、ロータコア41の軸方向端に固定され、ロータコア41の軸方向端面を覆う端部プレート部材50が設けられ、端部プレート部材50のロータコア41が配置される側の主面には、マグネット13を周方向両側から挟持し、スリット44内でのマグネット13の移動を規制する一対の周方向規制片56,56が設けられ、周方向規制片56,56は、非磁性材料により形成されていることを特徴としている。
【選択図】図6
Description
マグネットをロータに配置する方式としては、ロータコアにスリットを複数形成し、スリット内にマグネットを配置する埋込方式(IPM:Interior Permanent Magnet)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、大幅部内規制片を有するプレートは、リベットによりロータに固定されているため、磁石の位置決めに必要な部品点数が多くなり、磁石の位置決め構造が複雑となる。
また、周方向規制片でマグネットを挟持して位置決めしているので、周方向に面するスリットの内側面と、マグネットの周方向の端面との間に磁束の漏洩を防止するフラックスバリアを形成できる。さらに、周方向規制片は非磁性材料で形成されているので、フラックスバリア領域に周方向規制片が介在しても、フラックスバリアの機能に影響を与えることがない。したがって、マグネットの周方向にフラックスバリアを形成しつつ、簡単にマグネットを位置決めできる。
また、周方向規制片でマグネットを挟持して位置決めしているので、周方向に面するスリットの内側面と、マグネットの周方向の端面との間に磁束の漏洩を防止するフラックスバリアを形成できる。さらに、周方向規制片は非磁性材料で形成されているので、フラックスバリア領域に周方向規制片が介在しても、フラックスバリアの機能に影響を与えることがない。したがって、マグネットの周方向にフラックスバリアを形成しつつ、簡単にマグネットを位置決めできる。
以下に、図面を用いて、第一実施形態の電動機用ロータおよびこの電動機用ロータを備えたブラシレスモータの説明をする。
図1は、ブラシレスモータ1の中心軸Oを含む断面図である。
図1に示すように、電動機としてのブラシレスモータ1は、例えば、不図示の電動パワーステアリング装置(EPS;Electric Power Steering)に用いられるものであって、ステータハウジング2に圧入されたステータ3と、ステータ3に対して回転自在に設けられたロータ4とを有している。
ステータ3は、略円筒状のステータコア10を有している。ステータコア10の外周面は、ステータハウジング2の内周面に、例えば圧入等によって固定されている。ステータコア10には、径方向内側に向かって複数のティース(不図示)が周方向に等間隔で突設されている。ティースには、インシュレータ11を介してコイル12が巻装されている。なお、ステータコア10は複数枚の鋼板材を積層状に重ねて構成されている。
バスバーユニット22は、外部からの電力をコイル12に供給するためのものであって、略円環状の樹脂モールド体22aに金属製の複数のバスバー22bが埋設されている。そして、各バスバー22bに、それぞれ所定のコイル12の端末部が接続されている。
ブラケット7は略円盤状に形成されており、中央部には軸受固定孔20が形成されている。軸受固定孔20には軸受21が圧入固定されている。
また、ブラケット7の外周部には、ボルト孔24が設けられている。ボルト孔24にはボルト(不図示)が挿通されて、ブラシレスモータ1が被取付体(不図示)に締結固定される。
図1に示すように、電動機用のロータ4は、回転シャフト6を有している。回転シャフト6は、ブラケット7に設けられた軸受21と、ステータハウジング2の底部2aに設けられた軸受5とにより、ブラシレスモータ1の中心軸Oと一致するように回転自在に支持されている。
また、ロータ4は、第一ロータコア41aの一方側および第三ロータコア41cの他方側に、それぞれ端部プレート部材(請求項の「プレート部材」に相当。)50(50a,50b)を備え、第一ロータコア41aと第二ロータコア41bとの間、および第二ロータコア41bと第三ロータコア41cとの間に、それぞれ中間プレート部材(請求項の「プレート部材」に相当。)60(60a,60b)を備えている。
図2はロータ4の斜視図、図3は電動機用のロータ4の分解斜視図である。なお、図2および図3では、分かりやすくするために、回転シャフト6の図示を省略している。
図2および図3に示すように、各ロータコア41a〜41cは同一形状に形成されている。したがって、以下では、第一ロータコア41aについて説明をし、第二ロータコア41bおよび第三ロータコア41cについては説明を省略する。
第一ロータコア41aは、略円盤状に形成された複数の電磁鋼板を中心軸Oに沿って積層することで形成される。第一ロータコア41aの軸方向の長さは、ステータコア10(図1参照)の軸方向の長さの約1/3となるように設定されている。
図4に示すように、第一ロータコア41aの外周面には、径方向外側に向かって膨出する膨出部42が形成されている。膨出部42は、所定の一定曲率で軸方向視略円弧形状に形成されている。膨出部42は、ロータ4(図1参照)の磁極数に対応して複数(本実施形態では6個)形成されている。膨出部42は、最も径方向外側に位置する頂部42aが、軸方向から見て周方向に等ピッチ(本実施形態では60°ピッチ)となるように形成されている。
圧入孔43の内周面の一部には、平面部43aが形成されている。平面部43aは、回転シャフト6に第一ロータコア41aを圧入固定したとき、回転シャフト6に形成された平面部(不図示)と面接触するようになっている。これにより、第一ロータコア41aと回転シャフト6との周方向の相対移動を規制している。
また、内側壁45aおよび外側壁45bは、軸方向視で膨出部42の頂部42aと中心軸Oとを結ぶ直線Qと略直交するように形成されている。また、内側壁45aおよび外側壁45bの直線Qと直交する方向の長さは、略同一に形成されている。
後述するようにマグネット挿入部45にマグネット13を挿入したとき、マグネット13の周方向両側にはフラックスバリア46,47による空隙が形成されて磁束の漏洩が抑制される。
図3に示すように、マグネット13は、ブロック状に形成されたセグメント型のネオジム等からなる永久磁石であって、周方向に磁極が順番に変わるようにスリット44内に配置されている。マグネット13の軸方向の長さは、第一ロータコア41aの軸方向の長さと略一致するように設定されている。
また、マグネット13の直線Qと直交する方向の長さは、マグネット挿入部45の内側壁45aおよび外側壁45bの直線Qと直交する方向の長さと略同一になるように設定されている。これにより、マグネット挿入部45内にマグネット13を配置したとき、フラックスバリア46,47を形成する第三側壁46d,47dと、マグネット13の周方向端面13c,13dとが略面一になっている。
図5は、端部プレート部材50(50a,50b)の斜視図である。なお、第一ロータコア41aの一方側(図3における上側)に配置される端部プレート部材50aと、第三ロータコア41cの他方側(図3における下側)に配置される端部プレート部材50bとは、同一に形成されている。したがって、以下の説明では、一方側の端部プレート部材50aについて説明をし、他方側の端部プレート部材50bについては説明を省略する。
端部プレート部材50aの中央には、シャフト挿通孔53が形成されている。シャフト挿通孔53は、第一ロータコア41a側に面する第一主面51と反対側に面する第二主面52とを貫通しており、直径が回転シャフト6(図1参照)よりも大径に形成されている。
端部プレート部材50aには、固定突起54の径方向外側に、マグネット規制部55が形成されている。マグネット規制部55は、軸方向から見て周方向に等ピッチ(本実施形態では60°ピッチ)に6箇所形成されている。マグネット規制部55には、第一主面51から第一ロータコア41a側に向かって、第一主面51に対して略垂直に立設された一対の周方向規制片56,56が形成されている。
一対の周方向規制片56,56の離間距離は、マグネット13(図4参照)の直線Qと直交する方向の長さよりも若干狭く設定されている。したがって、一対の周方向規制片56,56は、マグネット13を挟持可能となっている。
図6に示すように、端部プレート部材50aが第一ロータコア41aに取り付けられると、一対の周方向規制片56,56は、スリット44内においてマグネット挿入部45を挟んで両側に配置される。換言すれば、マグネット挿入部45の周方向両側に形成されたフラックスバリア46,47内に配置される。ここで、一対の周方向規制片56,56は樹脂等の非磁性材料により形成されているので、フラックスバリア46,47の機能に影響を与えることなく、一対の周方向規制片56,56を配置できる。
図7は、中間プレート部材60(60a,60b)の斜視図である。なお、第一ロータコア41aと第二ロータコア41bとの間(図3参照)に介装される中間プレート部材60aと、第二ロータコア41bと第三ロータコア41cとの間(図3参照)に介装される中間プレート部材60bとは、同一形状に形成されている。したがって、以下の説明では、一方側の中間プレート部材60aについて説明をし、他方側の中間プレート部材60bについては説明を省略する。
なお、中間プレート部材60aは、第一主面61と第二主面62との両面に周方向規制片66a,66a,66b,66bおよび固定突起64a,64bが形成されている以外は、端部プレート部材50と基本構成が同一である。したがって、以下では、第一の周方向規制片66a,66a、第二の周方向規制片66b,66bおよび固定突起64a,64bの詳細な説明については省略する。
本実施形態によれば、端部プレート部材50(50a,50b)に形成された周方向規制片56,56、および中間プレート部材60(60a,60b)に形成された周方向規制片66a,66a,66b,66bでマグネット13を挟持することにより、従来のように接着剤を用いることなくマグネット13の周方向における位置決めをできる。したがって、煩雑な工程を行うことなく作業時間を短縮でき、簡単にマグネット13の位置決めができる。
また、端部プレート部材50(50a,50b)の周方向規制片56,56、および中間プレート部材60(60a,60b)の周方向規制片66a,66a,66b,66bでマグネット13を挟持して位置決めしているので、周方向に面するスリット44の内側面と、マグネット13の周方向端面13c,13dとの間に磁束の漏洩を防止するフラックスバリア46,47を形成できる。さらに、周方向規制片56,56および周方向規制片66a,66a,66b,66bは非磁性材料で形成されているので、フラックスバリア領域に周方向規制片56,56および周方向規制片66a,66a,66b,66bが介在しても、フラックスバリア46,47の機能に影響を与えることがない。したがって、マグネット13の周方向にフラックスバリア46,47を形成しつつ、簡単にマグネットを位置決めできる。
図8は、第二実施形態のロータコア41の平面図である。
図9は、第二実施形態の端部プレート部材50の斜視図である。
図10は、周方向規制片156および径方向規制片157の説明図である。なお、図10は、ロータコア41を軸方向の他方側(図8における紙面裏側)から見た図を示している。
続いて、第二実施形態の電動機用のロータ4について、図8から図10を用いて説明をする。
第一実施形態のロータ4では、端部プレート部材50のマグネット規制部55に、非磁性材料からなる周方向規制片56が形成されていた。これに対して、第二実施形態のロータ4では、端部プレート部材50のマグネット規制部155に、非磁性材料からなる周方向規制片156に加えて、磁性材料からなる径方向規制片157が形成されている点で第一実施形態と異なっている。また、第一実施形態のロータ4では、端部プレート部材50がロータコア41に直接固定されていた。これに対して、第二実施形態のロータ4では、端部プレート部材50が回転シャフト6に固定されている点で第一実施形態と異なっている。なお、第一実施形態と同様の構成の部分については、詳細な説明を省略する。
図8に示すように、ロータコア41には、圧入孔43の径方向外側であって膨出部42に対応した位置に、6個のスリット44が周方向に沿うように軸方向に貫通して略等間隔に形成されている。
スリット44は、マグネット挿入部45と、マグネット挿入部45の周方向両側に形成されたフラックスバリア46,47と、マグネット挿入部45の径方向内側に形成された溝部49とにより形成されている。
また、マグネット挿入部45の径方向内側には、内側壁45aの一部を径方向内側に切り欠くことで溝部49が形成されている。本実施形態では、溝部49は、内側壁45aのうち、軸方向から見て直線Qに対応する位置を略U字状に切り欠くことで形成されている。
図9に示すように、端部プレート部材50は、外形がロータコア41の外形と略同一に形成された平板状の部材である。
端部プレート部材50の中央には、シャフト圧入孔153(請求項の「挿入孔」に相当。)が形成されている。シャフト圧入孔153は、直径が回転シャフト6(図1参照)よりも小径に形成されており、回転シャフト6に対して圧入固定可能に形成されている。ロータコア41の軸方向外側から回転シャフト6に端部プレート部材50のシャフト圧入孔153を圧入することで、端部プレート部材50が回転シャフト6に外嵌されてロータコア41の軸方向外側に取り付けられる。
図9に示すように、一対の周方向規制片156,156は、端部プレート部材50の第一主面51および第二主面52が形成された本体部とともに、樹脂等の非磁性材料により形成される。
図10に示すように、一対の周方向規制片156,156は、フラックスバリア46,47の外周壁146a,147aに沿った第一壁部156aと、フラックスバリア46,47の側壁146b,147bに沿った第二壁部156bと、マグネット13の周方向端面13c,13dに沿った規制壁156cとにより、フラックスバリア46,47に対応して軸方向視略三角形状に形成されている。
径方向規制片157は、鉄等の磁性材料により、周方向に幅を有し径方向に厚みを有する平板形状に形成されており、第一主面51からロータコア41側に向かって立設されている。径方向規制片157は、例えば端部プレート部材50の本体部内にモールドされて成型される。径方向規制片157は、径方向外側に傾斜したバネ部157aと、径方向外側に面した当接面157bとを有している。当接面157bは、一対の周方向規制片156,156の内径側端部よりも径方向外側に配置される。
ここで、当接面157bは、一対の周方向規制片156,156の内径側端部よりも径方向外側に配置されている。このため、マグネット13が一対の周方向規制片156,156に配置されたとき、径方向規制片157のバネ部157a(図9参照)が撓んで、マグネット13が当接面157bにより径方向外側に付勢される。これにより、マグネット13は、スリット44内においてマグネット挿入部45の外側壁45bに押圧されるので、マグネット13の径方向の位置が規制され、マグネット13が位置決めされる。
さらに、径方向規制片157は磁性材料で形成されているので、マグネット13の磁束が径方向規制片157を透過できる。すなわち、ロータコア41の溝部49内に径方向規制片157を配置することにより、溝部49の形成により失われたロータコア41の磁路が径方向規制片157によって補完される。
本実施形態によれば、端部プレート部材50に径方向規制片157を形成することで、ロータコア41の径方向においても簡単にマグネット13の位置決めができる。これにより、第一実施形態の効果に加えて、磁気特性にばらつきの少ないロータ4を形成できる。
4 ロータ
6 回転シャフト
13 マグネット
41(41a,41b,41c) ロータコア
44 スリット
48 固定孔
50 端部プレート部材(プレート部材)
54,64a,64b 固定突起
56,156 周方向規制片
60 中間プレート部材(プレート部材)
66a 第一の周方向規制片
66b 第二の周方向規制片
153 シャフト圧入孔(挿入孔)
157 径方向規制片
Claims (7)
- 回転軸の周方向に沿うように軸方向に複数のスリットが形成されたロータコアと、前記スリット内に設けられたマグネットと、を備えた電動機用ロータにおいて、
前記ロータコアの軸方向の少なくとも一方側に固定され、前記ロータコアの軸方向の少なくとも一方側端面を覆うプレート部材が設けられ、
前記プレート部材の前記ロータコアが配置される側の主面には、前記マグネットを周方向両側から挟持し、前記スリット内での前記マグネットの移動を規制する一対の周方向規制片が設けられ、
前記周方向規制片は、非磁性材料により形成されていることを特徴とする電動機用ロータ。 - 前記プレート部材の前記ロータコアが配置される側の主面には、径方向内側および径方向外側のいずれか一方から他方に向かって前記マグネットを付勢し、前記スリット内における前記マグネットの径方向の位置を規制する径方向規制片が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動機用ロータ。
- 前記径方向規制片は、磁性材料により形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電動機用ロータ。
- 前記ロータコアには、軸方向に沿って固定孔が形成されている一方、
前記プレート部材の前記ロータコアが配置される側の主面には、前記固定孔に対応する位置に固定突起が形成され、
前記固定突起の外形は、前記固定孔に圧入可能に設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電動機用ロータ。 - 前記ロータコアは、回転シャフトの外周面に固定され、
前記プレート部材の挿入孔の直径は、前記回転シャフトに圧入可能に設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電動機用ロータ。 - 複数の前記ロータコアを軸方向に複数積層し、前記複数のロータコアの間に前記プレート部材を介装し、
隣接する前記複数のロータコアは、互いに周方向に所定角度ずれて配置され、
前記プレート部材の軸方向における一方側主面には第一の前記周方向規制片が形成され、
前記プレート部材の軸方向における他方側主面には第二の前記周方向規制片が形成され、
前記第一の周方向規制片と、前記第二の周方向規制片とは、周方向に前記所定角度ずれて形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電動機用ロータ。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の電動機用ロータを備えていることを特徴とするブラシレスモータ。
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