JP2013051828A - 車両走行制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両走行制御システムにおいて、昇圧切替線と降圧切替線の間に動作点がある場合に、適切に降圧して損失を低減することである。
【解決手段】車両走行制御システム10は、回転電機14、蓄電装置20、電圧変換器24、インバータ回路28等と、制御装置30を含む。制御装置30は、回転電機14の動作点を取得する動作点取得部40と、取得した動作点が、昇圧状態に適した領域にあるか、降圧状態に適した領域にあるかを区別する動作点領域判定部42と、動作点が昇圧切替線側から降圧切替線に近づいて予め定めた降圧機会増加線の領域にあるかどうかを判断する降圧機会増加領域判定部44と、降圧機会増加領域にあるときに、車両走行状態を変更することで電圧変換器24の動作点を移動させて降圧状態に変更する降圧状態変更部46を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両走行制御システムに係り、特に、回転電機と、その駆動のために電圧変換器を用いて昇降圧を行う車両走行制御システムに関する。
車両に搭載される回転電機を駆動するために、電圧変換器を用いて蓄電装置の電圧を駆動に適した電圧に昇圧してインバータ回路に供給することが行われる。そして、制御モードとしては、制御応答性のよいPWM(Pulse Wide Modulation)制御モードと、電圧利用効率の高い矩形波制御モードを使い分けることが知られている。
このように、電圧変換器を用いて昇圧を行うと、直接的に蓄電装置の電圧を供給する場合に比較し、電圧変換器における損失が発生する。また、PWM制御モードでは、高速スイッチングを行うので、スイッチング損失が発生する。これらのことから、損失を抑制しながら回転電機に対する要求に応えるように、回転電機の駆動制御が行われる。
例えば、特許文献1,2には、モータ駆動制御装置として、矩形波交流電圧とPWM波交流電圧のいずれでも駆動可能なモータの運転領域では、矩形波交流電圧でモータを駆動した場合の損失とPWM交流電圧でモータを駆動した場合の損失とを比較し、損失が少ない制御に切替えることが開示されている。
引用文献3には、電動機制御装置として、交流電動機の各相の電圧指令値の絶対値がバッテリ電圧と等価な値Aの1/2を超えるまではPWM波形電圧による制御を行い、A/2以上で矩形波電圧による制御を行うことが述べられている。ここでは、矩形波電圧をフーリエ逆変換して得られる基本波がPWM波形電圧と一致するような変換が行われ、これによってPWM波形電圧による制御と矩形波電圧による制御との間の切替が生じてもモータのトルクに影響する基本波の実効値が変化せず、モータにショックが発生しないと述べられている。さらに、各相の電圧指令値のうちのいずれかが、インバータで生成可能な最大電圧値を超えたときには、トルク指令値を引き下げて、電圧指令値の算出を再度行うことが開示されている。
特開2004−72954号公報 特開2004−166415号公報 特開2000−358393号公報
上記のように、回転電機の駆動に際し、昇降圧のための電圧変換器を用いると、電圧変換器の変換損失が発生する。その観点から、できるだけ蓄電装置の電圧を直接用いる降圧駆動状態で回転電機の駆動を行うことがよいが、車両の走行においては他の損失も発生し、昇圧駆動状態の方が全体の損失が少なくなることがある。
そこで、車両走行制御において全体の損失を最小にするように、降圧駆動状態と昇圧駆動状態を使い分けることがよい。そのために、トルクと回転数の2次元平面において、電圧変換器の動作点を示し、その2次元平面上で、降圧状態から昇圧状態に切り替える昇圧切替線を設定し、動作点がパワー増加の方向に移動するときは、この昇圧切替線を越えるときに昇圧状態とすることが行われる。
この場合、一旦昇圧された状態から動作点がパワー減少の方向に移動するときに、昇圧切替線を越えるときに昇圧状態から降圧状態に戻すものとすると、切替時にチャタリングを生じることがある。そこで、昇圧切替線とは別に、降圧切替線を設け、動作点がパワー減少の方向に移動するとき、この降圧切替線を越えるときに降圧状態とすることが行われる。
このように、電圧変換器の動作特性について、降圧状態から昇圧状態に切り替える昇圧切替線と、昇圧状態から降圧状態に切り替える降圧切替線とを予め設定し、車両の走行状態に応じて、電圧変換器の動作を制御することが行われる。例えば、車両の走行テストに用いられる各種モード走行においては、各種モードにおいて、トルクと回転数で定まる動作点が明確に移動するので、昇圧と降圧の切替が問題なく行われ、損失が最小となる。
ところで、実際の走行状態では、高速道路の安定走行時のように、動作点がほとんど動かないか、かなりの時間をかけてゆっくりと動作点が移動することがある。この場合、動作点が昇圧切替線を越えて降圧切替線に向かいながら、降圧切替線になかなか到達しないことがあると、本来は降圧することで損失低減を図れるにもかかわらず、チャタリング防止のために降圧切替線を設定したために降圧できず、損失の大きいままの状態となる。
本発明の目的は、昇圧切替線と降圧切替線の間に動作点がある場合に、適切に降圧して損失を低減できる車両走行制御システムを提供することである。
本発明に係る車両走行制御システムは、電源部の電圧を昇降圧して回転電機の駆動回路に供給する電圧変換器と、電圧変換器の動作特性について、降圧状態から昇圧状態に切り替える昇圧切替線と、昇圧状態から降圧状態に切り替える降圧切替線とを予め設定し、車両の走行状態に応じて、電圧変換器の動作を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、車両の走行状態に対応する電圧変換器の動作点が、昇圧状態のままで降圧切替線に近づき、降圧切替線と予め定めた切替余裕度を隔てて設定される降圧機会増加線に達したときに、切替余裕度に対応して車両の走行状態を変更し電圧変換器の動作点を移動させて降圧状態とすることを特徴とする。
また、本発明に係る車両走行制御システムにおいて、切替余裕度は、車両のトルク指令値に対応するトルク低下値で設定されることが好ましい。
また、本発明に係る車両走行制御システムにおいて、車両のアクセル操作によるトルク指令変更、または予め定める他の要因によるトルク指令変更が行われたときには、これらのトルク指令変更を優先し、電圧変換器の動作点が降圧機会増加線に達しても降圧しないことが好ましい。
また、本発明に係る車両走行制御システムにおいて、車両のブレーキ操作によるトルク指令低減変更、または予め定める他の要因によるトルク指令低減変更が行われたときに、これらのトルク指令低減変更によるトルク指令低減値が、切替余裕度に対応するトルク低下値よりも低減幅が大きい場合は、これらのトルク指令低減変更を優先することが好ましい。
また、本発明に係る車両走行制御システムにおいて、電圧変換器の動作特性は、車両駆動用の回転電機についてのトルクと回転数に基づいて、昇圧切替線と降圧切替線と降圧機会増加線とが設定されることが好ましい。
上記構成により、車両走行制御システムは、車両の走行状態に対応する電圧変換器の動作点が、昇圧状態のままで降圧切替線に近づいて、降圧機会増加線に達したときに、車両の走行状態を変更し電圧変換器の動作点を移動させて降圧状態とする。つまり、電圧変換器の動作点が降圧切替線よりも降圧状態側の動作点に移動させる。これによって、昇圧切替線と降圧切替線の間に動作点がある場合に、適切に降圧して損失を低減できる。
また、車両走行制御システムにおいて、切替余裕度は、車両のトルク指令値に対応するトルク低下値で設定される。これにより、トルク指令値を変更するだけで、適切に降圧して損失を低減できる。
また、車両走行制御システムにおいて、車両のアクセル操作によるトルク指令変更、または予め定める他の要因によるトルク指令変更が行われたときには、これらのトルク指令変更を優先する。これによって、車両の走行性を維持できユーザの満足を得ることができる。
また、車両走行制御システムにおいて、車両のブレーキ操作によるトルク指令低減変更、または予め定める他の要因によるトルク指令低減変更が行われたときに、これらのトルク指令低減変更によるトルク指令低減値が、切替余裕度に対応するトルク低下値よりも低減幅が大きい場合は、これらのトルク指令低減変更を優先する。この場合は、他の要因によって、降圧状態になるので、改めて特別な処理を行う必要がない。
また、車両走行制御システムにおいて、電圧変換器の動作特性は、車両駆動用の回転電機についてのトルクと回転数に基づいて、昇圧切替線と降圧切替線と降圧機会増加線とが設定される。これにより、車両の走行状態に対応する回転電機の駆動状態に基づいて、適切に降圧状態に変更することができる。
本発明に係る実施の形態の車両走行制御システムの構成図である。 電圧変換器の動作点と、昇圧切替線、降圧切替線、降圧機会増加線を説明する動作特性図である。 本発明に係る実施の形態において、昇圧状態から降圧状態に切り替える手順を示すフローチャートである。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、車両として、回転電機と共にエンジンを搭載するハイブリッド車両を述べるが、これは説明のための例示であって、回転電機のみで車両を駆動する電気自動車であってもよい。
また、以下では、車両に搭載される回転電機を1台として説明するが、これも例示であって、複数の回転電機が車両に搭載される場合であってもよい。例えば、1台の回転電機を駆動用に、もう1台の回転電機を発電用に用いる構成としてもよく、前輪駆動用と後輪駆動用で別々の回転電機としてもよい。
また、回転電機に接続されるものとして、蓄電装置、電圧変換器、平滑コンデンサ、インバータ回路を含むものとして説明するが、これは主たる構成要素を述べたもので、これ以外の構成要素を含むものとしてもよい。例えば、低電圧インバータ回路、システムメインリレー、DC/DCコンバータ等を含むものとしてもよい。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、車両走行制御システム10の全体の構成を示す図である。この車両走行制御システム10は、ハイブリッド車両の走行状態に応じて、車両に搭載される回転電機14の動作を制御するシステムである。
車両走行制御システム10は、ハイブリッド車両の駆動源12として、回転電機14とエンジン16を含み、回転電機14に接続される駆動回路として、蓄電装置20、電圧変換器24、インバータ回路28、平滑コンデンサ22,26を含み、これらの動作を全体として制御する制御装置30と、制御装置30に接続される記憶装置34を含んで構成される。図1では、制御装置30に入力される入力データ32として、トルクTと回転角速度ωが示されている。
ハイブリッド車両の駆動源12を構成するエンジンは、内燃機関である。また、回転電機14は、ハイブリッド車両に搭載されるモータ・ジェネレータ(M/G)であって、インバータ回路28を含む駆動回路から電力が供給されるときはモータとして機能し、エンジン16による駆動時、あるいはハイブリッド車両の制動時には発電機として機能する3相同期型回転電機である。回転電機14の動作状態は、電流検出手段によって検出される駆動電流と、電気角検出手段であるレゾルバによって検出されるロータ回転角度から、トルクTと回転角速度に変換され、適当な信号線によって、入力データ32として制御装置30に伝送される。
駆動回路を構成する蓄電装置20は、充放電可能な高電圧用2次電池である。具体的には、約200Vから約300Vの端子電圧を有するリチウムイオン組電池である。組電池は、単電池または電池セルと呼ばれる端子電圧が1Vから数Vの電池を複数個組み合わせて、上記の所定の端子電圧を得るようにしたものである。平滑コンデンサ22は、蓄電装置20の側の電圧、電流を平滑化するコンデンサである。
電圧変換器24は、蓄電装置20とインバータ回路28の間に配置され、直流電圧変換機能を有する回路である。電圧変換器24は、リアクトルと、スイッチング素子を含んで構成される。電圧変換機能としては、蓄電装置20側の電圧をリアクトルのエネルギ蓄積作用を利用して昇圧しインバータ回路28側に供給する昇圧機能と、インバータ回路28側からの電力を蓄電装置20側に降圧して充電電力として供給する降圧機能とを有する。
以下では、電圧変換器24の機能として、インバータ回路28に電力を供給する昇圧機能について述べるので、電圧変換器24が動作するときは、蓄電装置20の電圧を昇圧してインバータ回路28に供給する昇圧状態であるとする。昇圧状態のときは、電圧変換器24を構成するスイッチング素子が動作するので、その動作による損失が電圧変換損失として生じる。
なお、電圧変換器24の動作を止めた状態では、インバータ回路28に供給される電圧は蓄電装置20の電圧であるが、この状態を昇圧状態と対比させる意味で、降圧状態と呼ぶことにする。このように、ここでいう降圧状態とは、蓄電装置20の電圧を降圧した状態をさすものではない。
降圧状態では、蓄電装置20の電圧がそのままインバータ回路28に供給されるので、電圧変換損失が発生しない。しかしながら、インバータ回路28に昇圧されていない降圧状態の電圧が供給されるので、車両の走行状態によっては、インバータ回路28、回転電機14における損失が発生することがあるので、車両走行制御システム10の全体の損失としては必ずしも最小とはならないことがある。したがって、車両走行制御システム10の全体の損失を考えるときは、トルクTと回転角速度ωで示される動作点に応じて、昇圧状態にするか、降圧状態にするかを選択する必要がある。その内容の詳細については後述する。
平滑コンデンサ26は、インバータ回路28側の電圧、電流を平滑化するコンデンサである。
インバータ回路28は、回転電機14に接続される回路で、複数のスイッチング素子と逆接続ダイオード等を含んで構成され、交流電力と直流電力との間の電力変換を行う機能を有する。すなわち、インバータ回路28は、回転電機14を発電機として機能させるときは、回転電機14からの交流3相回生電力を直流電力に変換し、蓄電装置20側に充電電流として供給する交直変換機能を有する。また、回転電機14をモータとして機能させるときは、蓄電装置20側からの直流電力を交流3相駆動電力に変換し、回転電機14に交流駆動電力として供給する直交変換機能を有する。以下では電圧変換器24の昇圧機能について述べるので、インバータ回路28としては、直交変換機能が用いられる。
制御装置30は、駆動源12、電圧変換器24、インバータ回路28の動作を全体として制御して、ハイブリッド車両の走行を適切なものとする機能を有する。特にここでは、車両走行制御システム10の全体についての損失を最小にするように、車両の走行状態に応じて電圧変換器24の動作を昇圧状態と降圧状態の間で切り替える制御を適切に行う機能を有する。かかる制御装置30としては、車両の搭載に適したコンピュータを用いることができる。
制御装置30は、電圧変換器24の動作を適切に制御するため、回転電機14のトルクTと回転角速度ωを動作点として取得する動作点取得部40を含んで構成される。また、取得した動作点が、昇圧状態に適した領域にあるか、降圧状態に適した領域にあるかを区別する動作点領域判定部42を含む。また、回転電機14の動作点が昇圧切替線側から降圧切替線に近づき、予め定めた降圧機会増加線の領域にあるかどうかを判断する降圧機会増加領域判定部44を含む。そして、降圧機会増加領域にあるときに、車両走行状態を変更することで電圧変換器24の動作点を移動させて降圧状態に変更する降圧状態変更部46を含む。
かかる機能は、ソフトウェアを実行することで実現でき、具体的には、車両走行制御プログラムの中の昇圧降圧切替プログラムを実行することで実現できる。上記機能の一部をハードウェアで実現するものとしてもよい。
制御装置30に接続される記憶装置34は、プログラム等を記憶する機能を有する。また、昇圧降圧切替プログラムを実行するために用いられるデータ、ファイル等を記憶する機能を有する。図1には、記憶装置34に記憶されるファイルとして、電圧変換器24の動作特性において、昇圧切替線と降圧切替線と降圧機会増加線の関係を示す関係ファイル36が示されている。
図2は、記憶装置34に記憶される関係ファイル36の内容を説明する図である。この関係ファイルは、横軸に回転電機14の回転数Nをとり、縦軸に回転電機14が出力するトルクTをとり、回転電機14の動作範囲を示す特性線50と、昇圧切替線52、降圧切替線54、降圧機会増加線56を示すデータファイルである。
特性線50は、回転電機14の動作限界を示す線であり、パワーP=トルクT×回転数Nの関係から求められる双曲線特性の最大パワー限界線と、トルクTの最大限界線と、回転数Nの最大限界線から構成される。したがって、回転電機14の動作点は、この特性線50で囲まれた領域の中に設定されることになる。
昇圧切替線52は、車両走行制御システム10の全体の損失を最小とするために、電圧変換器24を降圧状態から昇圧状態に切り替える方がよい、とする限界の動作点を結んだ特性線である。回転電機14のパワーを増加させるとき、この昇圧切替線52に到達するまでは降圧状態とし、この昇圧切替線52以上となるときに昇圧状態に切り替える。図2では、降圧状態にある動作点Aから、動作点Bに移動したとき、昇圧切替線52を越えるので、動作点Bは昇圧状態に切り替えられる。
降圧切替線54は、電圧変換器24を昇圧状態から降圧状態に切り替える方がよい、とする限界の動作点を結んだ特性線である。既に昇圧状態にある回転電機14のパワーを減少させるとき、昇圧切替線52を越えても、この降圧切替線54に到達するまでは昇圧状態とし、この降圧切替線54以下となるときに初めて降圧状態に切り替える。
このように、既に昇圧状態にある回転電機14のパワーを減少させるときに、昇圧切替線52に達しても降圧状態とせずに、さらにパワーを下げて降圧切替線54に達したときに初めて降圧状態に戻す。その理由は、昇圧切替と降圧切替を同じ切替線で行うとすると、その切替線の前後で、切換えが頻繁に行われるチャタリングが生じ、動作が不安定になるためである。
図2の例で、既に昇圧状態にある動作点Bから、パワーを減少させていって動作点Cにきたときは、既に昇圧切替線52を越えて、本来では降圧する方が全体の損失を最小にできる領域に入っているが、切替動作の不安定を避けるため、まだ昇圧状態とされる。さらにパワーを減少して、降圧切替線54を越えたときに、初めて降圧状態とされる。
ところで、図2において、動作点Bから動作点Cに移動したときに、そのままあまり時間をおかずに、降圧切替線54を越えれば、昇圧状態から降圧状態とされて、車両走行制御システム10としては最小の損失とできる。ところが、回転電機14のパワー減少がゆっくり行われ、昇圧切替線52を越えてから降圧切替線54になかなか到達しないと、
動作点Cがいる領域は、本来は降圧状態とすべきところ、チャタリングによる動作不安定を避けるため、昇圧状態に留めてある領域である。したがって、その状態で滞留すると、その滞留の期間の間、損失が最小とならず、車両としての燃費が悪くなる。これが本発明によって解決しようとする課題である。
その課題を解決するため、制御装置30は、降圧切替線と予め定めた切替余裕度を隔てて降圧機会増加線56を設定する。そして、動作点が、降圧切替線54に達していないが降圧機会増加線56に達したときに、切替余裕度に対応して車両の走行状態を変更し電圧変換器24の動作点を移動させて降圧状態とする。図2の例では、動作点Cが降圧機会増加線56を越えているので、回転電機14に対するトルク指令値を小さくして、電圧変換器24の動作点Cを動作点Dに移動させる。トルク指令値は、降圧機会増加線56と降圧切替線54との間のトルク差である切替余裕度以上に小さくする。つまり、降圧切替線54を越えるように、トルク指令値を小さくする。
切替余裕度は、降圧機会増加線56に動作点が達したときに、その動作点を降圧切替線54以下の降圧状態に移動させるものであるので、あまり大きいと車両の乗客に違和感を与える。そこで、車両の乗客に違和感を与えない程度の大きさに切替余裕度を設定することがよい。この大きさは、車両の減速装置のギア比、車両の質量、停車中であるか否かの車両走行状態等によって異なる。これらを考慮して、切替余裕度として、例えば、1Nm程度の値を設定することができる。なお、図2から理解できるように、動作点Cを降圧状態の領域における動作点に移動させるには、回転数指令値を変更することでも可能である。また、トルク指令値の変更と回転数指令値の変更の組み合わせで動作点を移動させるものとしてもよい。
このように、電圧変換器の特性線に関する関係ファイル36は、電圧変換器24の動作点と昇圧切替線52、降圧切替線54とともに、降圧機会増加線56の関係を示すファイルである。図2は、マップ形式であるが、これを、(T,N)で動作点を与えて、その動作点が降圧切替線54を越えていない動作点Aか、昇圧切替線52を越えた動作点Bか、昇圧切替線52と降圧切替線54の間にあり、降圧機会増加線56を越えた動作点Cかのいずれであるかを出力するルックアップ形式、またはROM形式等で記憶するものとしてもよい。
なお、降圧機会増加線56を用いて、車両の走行状態を変更し電圧変換器24の動作点を移動させる処理を実行しようとするとき、あるいは実行中に、アクセル操作、ブレーキ操作、あるいは他の要因によって車両の走行状態が変更されるときは、それらの変更の実行を優先する。このようにすることによって、車両の走行性を維持することができ、乗客の違和感を生じさせることがない。
例えば、車両のアクセル操作によるトルク指令変更、または予め定める他の要因によるトルク指令変更がおこなわれたときには、これらのトルク指令変更を優先し、電圧変換器24の動作点が降圧機会増加線56に達しても降圧しない。
また、車両のブレーキ操作によるトルク指令低減変更、または予め定める他の要因によるトルク指令低減変更が行われたときに、これらのトルク指令低減変更によるトルク指令低減値が、切替余裕度に対応するトルク低下値よりも低減幅が大きい場合は、これらのトルク指令低減変更を優先する。これらの場合には、その処理を実行することで、電圧変換器24の動作点が自然と降圧状態に移動するので、特に電圧変換器24の動作点を移動させる処理を行う必要がないからである。
上記構成の作用、特に、制御装置30の各機能の内容について、図3を用いて詳細に説明する。図3は、昇圧状態から降圧状態に切り替える手順を示すフローチャートである。各手順は、昇圧降圧切替プログラムの各処理手順に対応する。
車両走行制御プログラムが立ち上がると、その中の昇圧降圧切替プログラムにおいて、最初に、回転電機14の現在の動作点としてのトルクTと回転数Nの取得が行われる(S10)。この処理手順は、制御装置30の動作点取得部40の機能によって実行される。具体的には、回転電機14の駆動電流とロータ回転角等のデータに基づいて、現在のトルクTと回転数Nが推定され、その値が取得される。
次に、取得された動作点の領域が判定される。具体的には、S10で取得された動作点(T,N)が、図2で説明した関係ファイル36における動作点Aか動作点Bか動作点Cかが判定される。図3では、その判定が2つのステップに分けて行われることが示されている。すなわち、動作点が昇圧切替線52以上か否かが判定される(S12)。図2の例では、回転電機14の現在の動作点(T,N)が、動作点Bか否かが判定される。S12の判定が否定されると、次に、動作点が降圧切替線54以下か否かが判断される(S14)。図2の例では、回転電機14の現在の動作点(T,N)が、動作点Aか否かが判定される。S12,S14の処理手順は、制御装置30の動作点領域判定部42の機能によって実行される。
S12の判定が肯定されると、回転電機14の現在の動作点(T,N)は、図2の動作点Bに相当するので、昇圧状態とされる(S22)。S14の判定が肯定されると、回転電機14の現在の動作点(T,N)は、図2の動作点Aに相当するので、降圧状態とされる(S20)。S12の判定が否定され、S14の判定が否定されると、回転電機14の現在の動作点(T,N)は、図2の動作点Cに相当する。この場合は、S16に進む。
S16では、昇圧切替線52と降圧切替線54の間の領域にある動作点(T,N)について、一旦昇圧して昇圧状態のままであるか否かが判断される(S16)。これは、図2において、動作点Bから、回転電機14のパワーを減少させて、動作点Cとなった状態であるか、あるいは、動作点Aから、回転電機14のパワーを増加させて動作点Cとなった状態であるかを判断するものである。後者の場合は、降圧状態のままでまだ昇圧切替線52に到達するまえであるので、その降圧状態のままとされる。このようにしても、車両走行制御システム10としては、全体の損失が最小の状態を維持できる。前者の場合は、本来は降圧すべきところ、降圧切替線54に到達する前の状態であるので、S18に進む。
S18では、回転電機14のパワーを減少して、昇圧切替線52を越え、降圧切替線54に至っていないが、その手前に設定された降圧機会増加線56に達したかどうかについて判定が行われる。すなわち、動作点が、予め定めた降圧機会増加線56以下の領域にあるか否かが判定される。この処理手順は、制御装置30の降圧機会増加領域判定部44の機能によって実行される。降圧機会増加線56は、降圧切替線54に比べ、トルク値で1Nm程度大き目に設定した特性線とすることができる。
S18の判定が肯定されると、回転電機14の動作点(T,N)が図2の動作点Cから動作点Dに移動されて降圧状態とされる(S20)。この処理手順は、制御装置30の降圧状態変更部46の機能によって実行される。
これによって、昇圧切替線52を越えてから降圧切替線54に到達する前に、降圧機会増加線56に到達すれば、すぐ降圧状態とされるので、車両走行制御システム10としては、損失最小でない期間を短縮でき、燃費の悪化を抑制することができる。
本発明に係る車両走行制御システムは、ハイブリッド車両、電気自動車の走行制御に利用できる。
10 車両走行制御システム、12 駆動源、14 回転電機、16 エンジン、20 蓄電装置、22,26 平滑コンデンサ、24 電圧変換器、28 インバータ回路、30 制御装置、32 入力データ、34 記憶装置、36 関係ファイル、40 動作点取得部、42 動作点領域判定部、44 降圧機会増加領域判定部、46 降圧状態変更部、50 特性線、52 昇圧切替線、54 降圧切替線、56 降圧機会増加線。

Claims (5)

  1. 電源部の電圧を昇降圧して回転電機の駆動回路に供給する電圧変換器と、
    電圧変換器の動作特性について、降圧状態から昇圧状態に切り替える昇圧切替線と、昇圧状態から降圧状態に切り替える降圧切替線とを予め設定し、車両の走行状態に応じて、電圧変換器の動作を制御する制御装置と、
    を備え、
    制御装置は、
    車両の走行状態に対応する電圧変換器の動作点が、昇圧状態のままで降圧切替線に近づき、降圧切替線と予め定めた切替余裕度を隔てて設定される降圧機会増加線に達したときに、切替余裕度に対応して車両の走行状態を変更し電圧変換器の動作点を移動させて降圧状態とすることを特徴とする車両走行制御システム。
  2. 請求項1に記載の車両走行制御システムにおいて、
    切替余裕度は、車両のトルク指令値に対応するトルク低下値で設定されることを特徴とする車両走行制御システム。
  3. 請求項2に記載の車両走行制御システムにおいて、
    車両のアクセル操作によるトルク指令変更、または予め定める他の要因によるトルク指令変更がおこなわれたときには、これらのトルク指令変更を優先し、電圧変換器の動作点が降圧機会増加線に達しても降圧しないことを特徴とする車両走行制御システム。
  4. 請求項2に記載の車両走行制御システムにおいて、
    車両のブレーキ操作によるトルク指令低減変更、または予め定める他の要因によるトルク指令低減変更が行われたときに、これらのトルク指令低減変更によるトルク指令低減値が、切替余裕度に対応するトルク低下値よりも低減幅が大きい場合は、これらのトルク指令低減変更を優先することを特徴とする車両走行制御システム。
  5. 請求項1に記載の車両走行制御システムにおいて、
    電圧変換器の動作特性は、車両駆動用の回転電機についてのトルクと回転数に基づいて、昇圧切替線と降圧切替線と降圧機会増加線とが設定されることを特徴とする車両走行制御システム。
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