JP2013012614A - エッチング方法及びこれに用いられるシリコンエッチング液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アモルファスシリコン又は多結晶シリコン膜を的確かつ効率よく除去して半導体基板に凹凸を形成するに当たり、ウエハの中央部から端部に至るまでバランスよくエッチングするシリコンエッチング液及びこれを用いたエッチング方法を提供する。
【選択図】なし
Description
そこで、本発明は、アモルファスシリコン又は多結晶シリコン膜を的確かつ効率よく除去して半導体基板に凹凸を形成するに当たり、ウエハの中央部から端部に至るまでバランスよくエッチングするシリコンエッチング液及びこれを用いたエッチング方法の提供を目的とする。
(1)少なくとも無機アルカリ化合物、ヒドロキシルアミン化合物、及びアニオン性化合物を含むシリコンエッチング液を、多結晶シリコン膜またはアモルファスシリコン膜に適用して、該膜の少なくとも一部を除去するエッチング方法。
(2)前記アニオン界面活性剤がスルホン酸もしくはスルホン酸塩である(1)に記載のエッチング方法。
(3)前記アニオン界面活性剤がアルキルスルホン酸もしくはアルキルスルホン酸塩である(1)又は(2)に記載のエッチング方法。
(4)前記アニオン界面活性剤が炭素数8〜12のアルキルスルホン酸もしくはアルキルスルホン酸塩である(1)〜(3)のいずれか1項に記載のエッチング方法。
(5)前記シリコンエッチング液を適用する前に、前記シリコン膜の酸化膜を除去する工程を含む(1)〜(4)のいずれか1項に記載のエッチング方法。
(6)前記多結晶シリコン膜またはアモルファスシリコン膜の一部または全てを除去することにより、キャパシタとなる凹凸形状を形成する(1)〜(5)のいずれか1項に記載のエッチング方法。
(7)前記キャパシタ構造を構成する凹凸形状部がTi化合物を含んでなる(6)に記載の形成方法。
(8)前記凹凸形状として、アスペクト比(開口幅/深さ)15〜100のシリンダ構造を形成する(6)又は(7)に記載の形成方法。
(9)多結晶シリコン膜又はアモルファスシリコン膜をエッチングするためのエッチング液であって、少なくとも無機アルカリ化合物、ヒドロキシルアミン化合物、及びアニオン性化合物を含むことを特徴とするシリコンエッチング液。
(10)前記アニオン界面活性剤がアルキルスルホン酸もしくはアルキルスルホン酸塩である(9)に記載のシリコンエッチング液。
(11)前記アニオン界面活性剤が炭素数8〜12のアルキルスルホン酸もしくはアルキルスルホン酸塩である(9)又は(10)に記載のシリコンエッチング液。
(12)前記無機アルカリ化合物がアンモニア及び水酸化カリウムの少なくとも1つを含む(9)〜(11)のいずれか1項に記載のシリコンエッチング液。
(13)前記無機アルカリ化合物がアンモニアである(9)〜(12)のいずれか1項に記載のシリコンエッチング液。
(14)前記無機アルカリ化合物を3〜25質量%含有し、前記ヒドロキシルアミン化合物を0.1〜20質量%含有することを特徴とする(9)〜(13)のいずれか1項に記載のシリコンエッチング液。
(15)前記アニオン性化合物を0.0001〜0.1質量%含有することを特徴とする(9)〜(14)のいずれか1項に記載のシリコンエッチング液。
まず、本発明に係るエッチング液について説明する前に、本発明において好適に採用することができるキャパシタ構造の製造例について図1〜5に基づき説明する。なお、下記詳細な説明ではキャパシタ構造の形成について主に説明するが、本発明がこれに限定して解釈されるものではない。
本実施形態の製造例においては、シリコンウエハ3の上に第1の成形膜1と第2の成形膜2が形成されている。第1の成形膜1はシリンダ孔の開孔時のエッチングストッパー膜であり、第2の成形膜2と異方性ドライエッチングプロセスでエッチングレート比を有する膜である。第1の成形膜1としては、例えばLP−CVDプロセスで形成した窒化膜等が挙げられる。一方、第2の成形膜2には多結晶シリコンもしくはアモルファスシリコンの膜が挙げられる。さらに図示していないが保護膜を設けてもよい。
なお、シリコンウエハ3は大幅に簡略化して単層のものとして示しているが、通常はここに所定の回路構造が形成されている。たとえば、分離絶縁膜、ゲート酸化膜、ゲート電極、拡散層領域、ポリシリコンプラグ、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、ビット線、金属プラグ、窒化膜、プラズマ酸化膜、BPSG膜などを用いたものが挙げられる(例えば前記特許文献1参照)。また、図1〜5においては、特にハッチングを付して示していないが、各部材の断面を示している(図3(f)の下図は平面図である)。
次に、フォトリソグラフィー工程を用いてフォトレジスト4をパターンニングした後、異方性ドライエッチングにて開孔する(凹部Ka)。このときのフォトレジスト4及びドライエッチングの手法については、この種の製品に適用される通常の物あるいは方法を適用すればよい。
さらに、開孔後に凹部Kaの壁面Waと成形膜(シリコン膜)2の上面Wbに沿って、TiNからなる導電膜5を形成する。そして、さらに導電膜5を保護するための埋設膜6(例えば多結晶シリコンもしくはアモルファスシリコンの膜)を凹部に充填するように順次成膜する。このとき中間的に(導電膜5形成後に)形成される凹部をKbとして示している。
埋設膜6の成膜後はCMPにてウエハ表面の埋設膜6及び導電膜5(図2,3)の一部を除去し、エッチバックラインEまで露出させる。ここで、第2の絶縁膜2及び埋設膜6をウエットエッチングにより除去する。本発明においてはこの工程が重要であり、後述する本発明に係るエッチング液が高い効果を発揮する。この工程を経て、シリンダ孔Kcを有するキャパシタの下部電極(シリンダ壁)50(図3)が形成される。シリンダ孔壁の深さh2は特に限定されないが、この種のデバイスの通常の構造を考慮すると、300〜2000nmであることが実際的である。なお、本発明のエッチング液は上記のようにエッチバック等により平滑にされた面に適用することが好ましく、そこから埋設膜を除去して、トレンチ構造を形成することが好ましい。
上記のようにして形成したキャパシタの下部電極50形成後に、容量絶縁膜9を形成し、次いでプレート電極(上部電極)(図示せず)の形成を順次行うことでキャパシタ構造10が形成できる。なお、本明細書においてキャパシタ構造とは、キャパシタそのものであっても、キャパシタの一部を構成する構造部であってもよく、図4に示した例では、下部電極50と容量絶縁膜9とから構成されるものとしてキャパシタ構造10を示している。なお、図示したものでは下部電極50とウエハ3とを成形膜1で隔てた構成として示しているが、必要により同図の断面もしくは別の位置で両者が電気的に接続された構成であるものとして解してよい。例えば、成形膜1の部分にプラグ構造やダマシン構造を形成して導通を確保する構造であったり、下部電極50を成形膜1を貫通する形で形成したものであったりしてもよい。また、容量絶縁膜は下部電極50のみではなく、その他の基板表面に形成されていてもよい。
半導体基板の上下は特に定めなくてもよいが、本明細書において、図示したものに基づいて言えば、ウエハ3の側を下部(底部)の方向とし、導電膜5の側を上部(天部)の方向とする。
本変形例においては、シリンダ孔Kcからの埋設膜の除去が困難なことはもとより、保護部7があるため、電極50間の間隙(凹状部)Kdからの成形膜2の除去も難しくなる。むしろ、外方に突出する保護部7が堰のように機能し、その下方にある成形膜の除去放出を著しく困難にすることがある。本発明のエッチング液は、このような除去が困難な態様において特に高い効果を発揮するため、その適用が好ましい。
次に、上記工程eにおいて説明したウエットエッチングに極めて効果的に用いることができる本発明のシリコンエッチング液の好ましい実施形態について説明する。本実施形態のエッチング液においては、無機アルカリ化合物、ヒドロキシルアミン化合物及びアニオン性化合物を組み合わせて適用することにより、電極等の部材を傷めずに、上述のような凹凸形状のあるキャパシタ構造の形成に係る多結晶シリコン膜またはアモルファスシリコン膜の除去を的確に行うことを可能にした。その詳細な理由は未解明の点を含むが、以下のように推定される。
ヒドロキシルアミン化合物はシリコンと錯体を作ると解される。また、アルカリ化合物はシリコンをシラノール化しながら、溶解する。これに対し、本発明のエッチング液においては特定のアルカリ化合物とヒドロキシルアミン化合物を併用し、上記どちらかの反応が優先的に起こるのではなく、これら2つの反応を同時に進行させることで、エッチング速度を大きくすることができると考えている。一方、エッチング速度が高まると、そのばらつきも大きくなることは避けがたい。これに対し、その理由は十分に解明されていないが、上記エッチング液にアニオン性化合物を共存させることで、特定のアルカリ化合物とヒドロキシルアミン化合物とを併用した特有の系において、上記の高いエッチング速度を十分に維持しつつ、前記アニオン性化合物が作用し、ウエハの中央部から端部に至るまでバランスの良いエッチングを可能にしたものと解される。以下、本発明についてその好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本実施形態のエッチング液はヒドロキシルアミン化合物を含有する。ここでヒドロキシルアミン化合物とは、当該化合物そのものに加え、その塩、そのイオン等を含む意味に用いる。典型的には、当該化合物及び/又はその塩を意味する。したがって、上記ヒドロキシルアミン化合物というときには、ヒドロキシルアンモニウムイオン、ヒドロキシルアミン、及び/又はその塩を含む意味であり、典型的には、ヒドロキシルアミン及び/又はその塩を意味する。
本実施形態のエッチング液は、無機アルカリ化合物を含む。無機アルカリ化合物としては、強アルカリ性を示す化合物であれば使用可能であり、所望のエッチング特性が得られる通常の無機アルカリ化合物を使用すればよいが、なかでもアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ヒドラジンが好ましく、アンモニア、水酸化カリウムがより好ましく、アンモニアが特に好ましい。
無機アルカリ化合物は2種以上を組合せて用いてもよい。
本実施形態のエッチング液は、アニオン性化合物含み、アニオン界面活性剤であることが好ましい。その理由は定かではないが、特定のアルカリ化合物とヒドロキシルアミン化合物とを併用した特有の系において、高いエッチング速度と良好な面内均一性とを両立することができる。また、アニオン性化合物をエッチング液に添加することで、その粘度が好適化され、これがエッチングの面内均一性をさらに向上させることを期待することができる。本明細書においてアニオン性化合物とは、親水基と親油基とを分子内に有し、親水基の部分が水溶液中で解離して、アニオンとなる化合物を意味する。典型的にはアニオン界面活性剤であるが、それ以外のものを含む。
また、本発明の好ましい実施形態においてアニオン界面活性剤は、無機アルカリ化合物及びヒドロキシルアミンの洗浄力を適切にかつ選択的に抑制する作用を発揮する。この作用を効果的に引き出すために、無機アルカリ化合物及びヒドロキシルアミンの合計量100質量部に対して、アニオン界面活性剤を0.001〜0.1質量部配合することが好ましく、0.01〜0.08質量部配合することがより好ましい。
(置換基T)
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリール基、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、シアノ基、又はハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はシアノ基が挙げられる。
本実施形態においては、さらにシリコン基板表面に自然に形成される酸化膜除去処理を組み合わせて適用することが好ましく、前記エッチング液を適用する前に適用しておくことが好ましい。表面処理の方法は、形成される酸化膜が除去できる限り限定されないが、例えばフッ素原子を含有する酸性水溶液で処理することが挙げられる。フッ素原子を含有する酸性水溶液として、好ましくはフッ化水素酸であり、フッ化水素酸の含有量は、本実施形態の液の全質量に対して、約0.1〜約5質量%であることが好ましく、0.5〜1.5質量%であることがより好ましい。上記上限値以下とすることで、部材へのダメージを十分に抑制することができ好ましい。上記下限値以上とすることで、酸化膜の除去性を十分に発揮させることができるため好ましい。なお、上記フッ化水素酸は塩の形で存在していてもよい。
本発明のシリコンエッチング液はアルカリ性であり、pH9以上に調整されていることが好ましい。この調整は上記アルカリ化合物とヒドロキシルアミン化合物の添加量を調整することで行うことができる。ただし、本発明の効果を損なわない限りにおいて、他のpH調整剤を用いて上記範囲のpHとしてもよい。シリコンエッチング液のpHは、9以上であることが好ましく、11以上であることがより好ましい。このpHが上記下限値以上であることで、十分なエッチング速度を得るとすることができる。上記pHに特に上限はないが、14以下であることが実際的である。なお、本発明においてpHは特に断らない限り室温(25℃)においてHORIBA社製、F−51(商品名)で測定した値である。
・有機溶剤の添加
本発明のシリコンエッチング液においては、さらに水溶性有機溶剤を添加してもよい。これにより、ウエハの面内における均一なエッチング性を更に向上しうる点で有効である。水溶性有機溶剤は、アルコール類(例えば、エチレングリコール、グリセリン、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、フルフリルアルコール、2−メチルー2,4−ペンタンジオール)、グリコール類(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピレングリコール)、ジメチルスルホキシド、エーテル類(例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル)が好ましい。添加量はエッチング液全量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。この量が上記下限値以上であることで、上記のエッチングの均一性の向上を効果的に実現することができる。一方、上記上限値以下であることで、多結晶シリコン膜またはアモルファスシリコン膜、その他金属膜に対しての濡れ性を確保することができる。
本実施形態のエッチング液は、水性媒体を媒体とする水系の液組成物であることが好ましい。水性媒体とは、水及び水に可溶な溶質を溶解した水溶液を言う。溶質としては、例えば、アルコールや無機化合物の塩が挙げられる。ただし、溶質を適用する場合でもその量は所望の効果が奏する範囲に抑えられていることが好ましい。また、上記水系の組成物とは、水性媒体が主たる媒体となっていることをいい、固形分以外の媒体の過半が水性媒体であることが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
本実施形態のエッチング液を適用することによりエッチングされる材料はどのようなものでもよいが、一般的なキャパシタの製造に用いられる基板材料として多結晶シリコン又はアモルファスシリコンが挙げられる。一方、キャパシタ構造の中核をなす電極材料としては窒化チタン(TiN)などのTi化合物が挙げられる(ただし、本発明は電極材料に限らずTiNを含む基板構成部材の一部を残すエッチング形態としてもよい。)。すなわち、本実施形態のエッチング液は、上記基板材料のエッチングレート(ERs)と電極材料等の構成部材のエッチングレート(ERe)との比率(ERs/ERe)が大きいことが好ましい。具体的な比率の値は材料の種類や構造にもよるので特に限定されないが、ERs/EReが100以上であることが好ましく、200以上であることが好ましい。なお、本明細書においては、シリコン基板をエッチングするようエッチング液を用いることを「適用」と称するが、その実施態様は特に限定されない。例えば、バッチ式のもので浸漬してエッチングしても、枚葉式のもので吐出によりエッチングしてもよい。なお、Ti化合物とはTiそのもの及びこれを含む化合物を含む意味である。TiNのほか、Ti、Ti,N,Cの複合化合物などが挙げられる。なかでもTiNが好ましい。
さらに、上記の観点から、本発明においては、TiNを含んでなるキャパシタ構成部材を少なくとも前記凹凸構造の壁面に残しつつ、前記多結晶シリコン膜またはアモルファスシリコン膜についてエッチングを行うことが好ましい。この構成部材は、TiN以外に、HfOx、SiN、SiO2等を含んでいてもよい。なお、TiNは典型的には電極膜をなしている。また、前記多結晶シリコン膜またはアモルファスシリコン膜を有する実質的に平らな面をもつ半導体基板を準備し、該半導体基板の表面に前記エッチング液を適用し、前記多結晶シリコン膜またはアモルファスシリコン膜を除去して、その除去された部分を凹部とし、基板内に残された凸部をキャパシタとすることが好ましい。このとき、前記凹部の壁面には、TiN膜が残存していることが好ましい。すなわち、本発明の好ましい実施形態のエッチング液によれば、必要により、シリンダ構造をもつ電極で構成されたキャパシタ構造にも対応することができ、シリンダ孔内部等(シリンダ構造が密集した部分の孔外も含む)の多結晶シリコン膜またはアモルファスシリコン膜を選択的に除去することができる。
(1)多結晶シリコン膜又はアモルファスシリコン膜からなるシリコン膜を有する半導体基板を準備する工程、及び前記半導体基板に特定のエッチング液を適用し、前記シリコン膜の少なくとも一部をエッチングする工程を有する。
(2)前記半導体基板を準備する工程において、前記シリコン膜を含む多層膜構造を形成し、かつ前記半導体基板に凹凸を形成しておき、その後、
前記凹凸表面の少なくとも上面と凹部壁面とに導電膜を形成する工程と、
前記導電膜上に埋設膜を付与して前記凹部を該埋設膜で充填する工程と、
前記上面に付与された導電膜部分および前記埋設膜の一部を除去して、前記半導体基板のシリコン膜を露出させる工程とを有し、次いで、
前記シリコン膜のエッチング工程において、前記半導体基板に前記エッチング液を付与して、前記凹部壁面の導電膜は残しつつ、前記露出したシリコン膜と前記埋設膜とを除去する。
(3)半導体基板として実質的に平らな面をもつものを準備し、該半導体基板の表面に前記エッチング液を適用し、前記シリコン膜と前記埋設膜とを除去して、その除去された部分を凹部とし、基板内に残された前記導電膜を含む凸部をキャパシタの電極とする。
以下の表1に示す成分及び下記処方に示した組成(質量%)で含有させてエッチング液を調液した。なお、試験No.101〜113のエッチング液はいずれもpH9以上であった。
試験ウエハ:単結晶<100>シリコン上に製膜された500nmの膜厚の多結晶シリコンもしくは500nmの膜厚のアモルファスシリコンのウエハを準備した。これに対して、枚葉式装置(SPS−Europe B.V.社製、POLOS(商品名)))にて下記の条件でエッチングを行い、評価試験を実施した。なお、ウエハには直径300mmのものを用い、その平均エッチング速度(Ave)とともに、最大エッチング速度(Max)と、最小エッチング速度(Min)とを対比して評価した。測定は、ウエハの中央から端部まで均等に5点を設定し、この5点の結果から評価した。
・薬液温度:80℃
・吐出量:1L/min.
・ウエハ回転数500rpm
[シリコンエッチング平均速度]
Ave について、以下のように区分して表中に示した。
C: 400nm/min 未満
B: 400nm/min 以上 600nm/min 未満
A: 600nm/min 以上 1000nm/min 未満
AA:1000nm/min 以上
[シリコンエッチング速度差の割合]
(Max−Min)/Ave を算出し、以下のように区分して表中に示した。
C: 0.15を超える
B: 0.15以下 0.1超
A: 0.1以下 0.05超
AA: 0.05以下
一方、比較例のものでは、ウエハの中央部と端部とでエッチング速度のバランスをとることが難しく、特に端部の速度が大幅に低下してしまう傾向があった。あるいは、平均して、エッチング速度が劣った。
2 第2の絶縁膜
3 シリコンウエハ
4 フォトレジスト
5 導電膜
6 埋設膜
7 保護部材
9 容量絶縁膜
10 キャパシタ構造
50 下部電極(シリンダ壁)
Claims (15)
- 少なくとも無機アルカリ化合物、ヒドロキシルアミン化合物、及びアニオン性化合物を含むシリコンエッチング液を、多結晶シリコン膜またはアモルファスシリコン膜に適用して、該膜の少なくとも一部を除去するエッチング方法。
- 前記アニオン界面活性剤がスルホン酸もしくはスルホン酸塩である請求項1に記載のエッチング方法。
- 前記アニオン界面活性剤がアルキルスルホン酸もしくはアルキルスルホン酸塩である請求項1又は2に記載のエッチング方法。
- 前記アニオン界面活性剤が炭素数8〜12のアルキルスルホン酸もしくはアルキルスルホン酸塩である請求項1〜3のいずれか1項に記載のエッチング方法。
- 前記シリコンエッチング液を適用する前に、前記シリコン膜の酸化膜を除去する工程を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のエッチング方法。
- 前記多結晶シリコン膜またはアモルファスシリコン膜の一部または全てを除去することにより、キャパシタとなる凹凸形状を形成する請求項1〜5のいずれか1項に記載のエッチング方法。
- 前記キャパシタ構造を構成する凹凸形状部がTi化合物を含んでなる請求項6に記載の形成方法。
- 前記凹凸形状として、アスペクト比(開口幅/深さ)15〜100のシリンダ構造を形成する請求項6又は7に記載の形成方法。
- 多結晶シリコン膜又はアモルファスシリコン膜をエッチングするためのエッチング液であって、少なくとも無機アルカリ化合物、ヒドロキシルアミン化合物、及びアニオン性化合物を含むことを特徴とするシリコンエッチング液。
- 前記アニオン界面活性剤がアルキルスルホン酸もしくはアルキルスルホン酸塩である請求項9に記載のシリコンエッチング液。
- 前記アニオン界面活性剤が炭素数8〜12のアルキルスルホン酸もしくはアルキルスルホン酸塩である請求項9又は10に記載のシリコンエッチング液。
- 前記無機アルカリ化合物がアンモニア及び水酸化カリウムの少なくとも1つを含む請求項9〜11のいずれか1項に記載のシリコンエッチング液。
- 前記無機アルカリ化合物がアンモニアである請求項9〜12のいずれか1項に記載のシリコンエッチング液。
- 前記無機アルカリ化合物を3〜25質量%含有し、前記ヒドロキシルアミン化合物を0.1〜20質量%含有することを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載のシリコンエッチング液。
- 前記アニオン性化合物を0.0001〜0.1質量%含有することを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載のシリコンエッチング液。
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