JP2012527646A - 面外運動可能なスペックル低減素子を有するレーザ光投射機 - Google Patents

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Abstract

成像サブシステム(12)、中継サブシステム(18)、スペックル低減素子(40)及び投射サブシステム(20)を備えるコヒーレント光投射機にて、中継サブシステムのFナンバたる第1Fナンバを投射サブシステムのFナンバたる第2Fナンバ以上とする。中継サブシステムの作動距離たる第1作動距離を投射サブシステムの作動距離たる第2作動距離以上とする。成像サブシステムで生じる第1サイズの初期像を発生させ、更にその第1サイズ以上の第2サイズを有する中間像(22)を発生させる。スペックル低減素子に曲面を設け、その曲面越しに中間像を捉える。スペックル低減素子の表面にレンズレット配列を形成する。スペックル低減素子を、その素子の光軸に対し平行な方向に沿い運動させる。

Description

本発明はディジタル画像投射、特にスペックル補償型コヒーレント光投射機に関する。
従来から、スクリーン向け画像投射用の投射レンズは割合に高速な光学部品で構成されている。映写機用のものではことにそうである。旧来型のフィルム式映写機ならF1.8程度、新来型のディジタル映写機ならF2.5程度であろう。このようにFナンバが小さく光受入可能角が広いのは、専ら、超高輝度アークランプやそれに類する光源等、そのエタンデュが大きな光源が使用されるからである。光源からの光をできるだけ多く集光して利用したい、という要望も反映している。
その投射光に画像コンテンツを載せる処理は、ディジタル映写機ではLCD(液晶)変調器、LCOS変調器、DMD(ディジタルマイクロミラー)変調器等の多画素型空間光変調器で行われることが多い。最たるものは米国テキサス州ダラス在Texas Instruments,Inc.製のDLP(ディジタル光プロセッサ;登録商標;以下注記省略)変調器である。これらはその画素を個別指定可能な電子式の空間光変調器、即ち個々の画素を通過中の光ビームをその画素に係る画像データに従い変調可能な変調器である。大型のものでは活性領域が400〜600mm2にも達するので、映写機向けキセノンアークランプ等の大エタンデュ光源と併用すれば、高い光利用効率を実現することができる。とはいえ、大エタンデュ光源が投射機の構成に及ぼす悪影響、例えば諸光学部品のサイズ及びコスト、諸光学部品に加わる熱負荷及び熱ストレス、諸光学部品で実現される成像性能及び画質等に関わる諸問題を見逃すことはできない。例えば、光源から空間光変調器及びそれに付随する偏向用光学部品に急角で入射する光があるため、ピークコントラスト及びコントラスト均一性の損逸といった投射画質損逸が生じることである。
より細かくなるが、ディジタル投射機では、旧来のフィルム式投射機に比べ照明サブシステムや投射サブシステムが複雑な構成になりがちである。特に、旧来のフィルム式投射機では課されなかった条件が、ディジタル投射機の投射サブシステムには課されがちである。例えば、ディジタル投射機用投射レンズに対しては、そのレンズで最も上流にある面から空間光変調器に至る後方焦点距離、即ち作動距離の長さが求められがちである。同じ投射レンズの前方焦点距離に比し2倍以上の作動距離が求められることも珍しくない。これは、様々な光学部品が投射レンズより上流に収まるようにするためである。例えば、空間光変調器に発する色別光路を共通の光軸へと結合させる部品である。使用される空間光変調器の種類によっては、光に偏向、フィルタリングその他の条件調整を施す部品や、光を案内する部品等も収める必要がある。光学分野で習熟を積まれた方々(いわゆる当業者)には自明な通り、長作動距離条件に加え高速性条件即ち小Fナンバ条件を満たす光学系は、大きな部品を用いた複雑なレンズ構成を有する光学系となろう。そのため、大映画館向けやディジタル映写機向けの投射レンズは、従来からフィルム式投射機で使用されているもの等と比べかなり高価になってしまう。
この問題を軽減する試みとして、本願出願人を譲受人とする特許文献15(名称:空間光変調器を用いた投射機(Projection Apparatus Using Spatial Light Modulator),発明者:Cobb)では、中継レンズで像を発生させるタイプの投射機が提案されている。この投射機では、中継レンズが各変調器の像を発生させる。発生する中間像は空間実像、発生する位置は結合用プリズムの出射面付近である。発生する中間像が拡大像であるため、各変調器の表面におけるNA(数値開口)は例えば1/2倍に小さくなり、それに応じFナンバが2倍化する。次いで、色毎に都合三通り生じる中間像を結合用プリズムで相互結合させ、共通の投射レンズでスクリーン上に投射する。中継レンズを用いた成像系が三系統あるため装置構成が複雑化するが、Fナンバが大きく作動距離条件が課されない簡略な投射レンズを使用することが可能になる。この利点は、構成の複雑化やコスト上昇を補ってあまりある。
他の策としては、旧来の光源に比べエタンデュが小さい可視光レーザ光源を使用する一方、例えば投射レンズの複雑さをフィルム式投射機向けのそれと同程度に抑える手段を講じ、システム内光学部品を簡略する余地を作り出す策がある。可視光レーザ光源は、近年その価格、複雑さ及び性能が改善され、投射例えば映写に使用できるようになった光源であり、色域の広さを初め画像投射に役立つ様々な長所を有している。それらの長所のうちエタンデュが小さいという長所は、LCD、DLP等の光変調器を使用するディジタル投射機で特に有益である。即ち、レーザ光源を小型、低速且つ安価なレンズ素子、例えばそのFナンバがF8以上の低速なレンズ素子と併用すれば、強力な可視光束で投射乃至映写を行うことができよう。更に、レーザ光源は、画像データに基づき光を回折させるリニアアレイ型のGEMS(回折格子電子機械システム)変調器を初め、小エタンデュ光源が必要なタイプの変調器を使用する投射機でも好適に使用できるはずである。
レーザ光源には、このように、色域の更なる拡張、光源寿命の延長、光学的構成の簡略化等、投射機に相応しい多様且つ多大な長所が潜んでいる。しかしながら、レーザ光源を使用すると、スクリーン上の散光要素による局所反射光とのコヒーレント干渉でスペックルが発生する恐れがある。スペックルは高コントラストな粒状ノイズであり、その発生でひどい画質低下がもたらされるため、画像投射分野では、多数の未補正スペックルパターンを重畳させる、周波数や偏向にばらつきを持たせる等、様々なスペックル低減策が提案されている。非特許文献2にはそうした策が数多く掲載されている。なかでも投射に関連しているのは、光軸を中心とする小さな円又は楕円に沿いスクリーンを迅速に振動させ、それを通じスペックルを低減する、というものである。この策では、スクリーン振動で散光要素・レーザ光間局所相互作用、ひいてはスペックル状態が変動することが利用されている。即ち、振動速度が十分に高いと時間的な均しや空間的な均しでスペックルが目立たなくなり、観客の気にとまらなくなることが利用されている。同様に、投射レンズより上流に位置するよう投射機内に中間像面を発生させ、そこに配置した散光器を振動させる策でも、目立つスペックルを抑えることができる。
散光器を使用しレーザ光投射時のスペックル低減を図る場合、その散光器としては、磨りガラス散光器、ボリューム散光器、ホログラフィック散光器、レンズレット散光器等、様々なものを使用することができる。例えば、特許文献14(名称:レーザスペックルを低減するための方法、装置及び散光器(Method, Apparatus, and Diffuser for Reducing Laser Speckle),発明者:Trisnadi)に記載の装置では、GLV(回折性リニアアレイ;登録商標;以下注記省略)変調器で変調された光を、アダマール行列に従いパターニングされた散光器で散光させることで、その光で形成されるライン走査性中間像を経時的に位相変動させるようにしている。使用される散光器は散光性の位相変動セル複数個で形成されたアレイ、特にアダマール行列計算で決まるパターンに従い各セル内がN個のセル内区画に細分されたものである。個々のセルは例えば一辺24μmの正方形とし、その中に例えばN=64個のセル内区画を形成する。個々のセル内区画は例えば一辺3μmの正方形とし、例えば、基部構造の一角又はメサ状***部(πハイ)の一画をなすよう形成する。こうした構成では、適切なセル内パターンを有する散光器を動かし適切な経時的位相変動を発生させることで、出射されるレーザビームにランダムな位相変動を付帯させてスペックルを低減することができる。ただ、散光された輝線をスクリーン上に投射するには、割合に複雑な構成を有する投射用光学部品や走査用光学部品が必要になろう。ライン走査型の装置であるので、投射レンズのFナンバは一般に2.5程度となる。更に、特許文献14によって投射時のスペックル発生を効果的に低減できるとはいえ、スペックル低減はレーザ光投射機に対する要請の一つに過ぎない。投射機内の中間像面上に配置された散光器を動かすことでスペックル低減を図りながら、その像をスクリーンに向け投射するのでは、解像力やMTFの面で画質が低下する、拡散例えば散光や回折で光損失が生じる、散乱光を集める成像用光学部品に高速性が求められる等、様々な問題が新たに発生してしまう。
欧州特許出願公開第2194722号明細書(A1) 特開2008ー224760号公報(A) 米国特許第5597222号明細書 米国特許第6094181号明細書 米国特許出願公開第2003/0133079号明細書(A1) 米国特許出願公開第2006/0033009号明細書(A1) 米国特許出願公開第2008/0198334号明細書(A1) 米国特許出願公開第2009/0040467号明細書(A1) 欧州特許出願公開第1536263号明細書(A1) 欧州特許出願公開第2196844号明細書(A1) 特開2008ー134269号公報(A) 欧州特許出願公開第1292134号明細書(A2) 国際公開第WO2006/095855号パンフレット(A1) 米国特許第6747781号明細書 米国特許第6808269号明細書
Kenichi Kasazumi, Yasuo Kitaoka, Kiminori Mizuuchi, Kazuhisa Yamamoto: "A Practical Laser Projection With New Illumination Optics for Reduction of Speckle Noise," Japanese Journal of Applied Physics, Volume 43, No.8B, 25 August 2004 (2004-08-25), Pages 5904-5906, XP002598033, Page 5905, left-hand column; figures 1,5 Goodman, Joseph W., "Speckle Phenomena in Optics: Theory and Application," 2007, pp.203-223
このように、本件技術分野では、上掲のものを含め数多くある従来型のスペックル低減方法に比べ、投射された像に視認可能なスペックルが現れにくくなるスペックル低減方法を提供すると共に、より優れた構成を有し優れたシステム性能を呈するレーザ光投射機を提供することが、引き続き求められている。
上述の諸問題に対する技術的解決策を提供すべく、本発明の諸実施形態に係るコヒーレント光投射機及び方法では、コヒーレント光源サブシステムがコヒーレント光を発生させ、成像サブシステムがそのコヒーレント光を画像データに従い操作し、中継サブシステムが成像サブシステムを経たコヒーレント光から中間像たる空間実像を発生させ、その中間像が現れる中間像面又はその付近に配置されたスペックル低減素子を駆動サブシステムが運動させ、そのスペックル低減素子越しに投射サブシステムが中間像を捉えて投射する。
本発明を実施する際には、中継サブシステムのFナンバ(第1Fナンバ)を投射サブシステムのFナンバ(第2Fナンバ)以上にするのが望ましい。第2Fナンバは第1Fナンバの1/2倍以上にするのが望ましい。第1Fナンバを例えばF6以上、第2Fナンバを例えばF3以下にするとよい。
本発明を実施する際には、中継サブシステムの作動距離(第1作動距離)を投射サブシステムの作動距離(第2作動距離)以上にするのが望ましい。第2作動距離は第1作動距離の1/2以上にするのが望ましい。第1作動距離を例えば100mm以上、第2作動距離を例えば50mm以下にするとよい。
本発明を実施する際には、成像サブシステムで発生させる初期像のサイズ(第1サイズ)を中間像面における中間像のサイズ(第2サイズ)未満とするのが望ましい。第2サイズは16mm、35mm又は70mmのフィルムフォーマットに揃えるのが望ましい。フィルムバックル補正機能がある投射サブシステムを使用してもよい。
本発明を実施する際には、スペックル低減素子に設けた曲面越しに中間像が捕捉又は投射される形態にするのが望ましい。フィルムバックル補正機能がある投射サブシステムをこの形態で使用する場合、投射サブシステムによるフィルムバックル補正分をスペックル低減素子の曲面で補償する構成にすることもできる。その曲面を介しスペックル低減素子が中間像を捕捉する形態でも投射する形態でもよい。曲面形成は、スペックル低減素子の表面にエッチングや研磨を施すことで行える。その面上に、ランダム又はほぼランダムな分布でレンズレット等の面状構造を設けることもできる。
本発明を実施する際には、個別にレンズレット開口を呈するレンズレット複数個でスペックル低減素子表面にレンズレット配列が形成される形態、例えばレンズレット開口の全て又はほぼ全てが中間像面における中間像画素以上のサイズを呈する形態にするのが望ましい。レンズレット配列におけるレンズレットの分布はランダム又はほぼランダムにするとよい。レンズレット配列内でそのレンズレットが六角パターン、対角パターン、それに類するパターン等をなすようにしてもよい。レンズレットは間隙無しでも間隙付でも配置可能である。間隙付で配置する場合、その間隙即ちレンズレット間間隙は、その間隙で生じた散乱光が投射サブシステム入射開口に入射するよう、十分又はほぼ十分に大きくするのが望ましい。レンズレット間間隙は、中間像面における中間像画素のサイズ以上の大きさにするとよい。駆動サブシステムは、例えば、そのスペックル低減素子をレンズレットの繰返し周期以上の距離に亘り面内運動させる。投射サブシステム入射開口例えば投射レンズ入射開口に入射するのは、例えば、レンズレット間間隙で生じた散乱光や、間隙無しで配置されたレンズレット間の谷間で生じた散乱光である。投射サブシステム内レンズは、その入射開口内に、例えば、スペックル低減素子を経た像の4次以下のエネルギ成分を捕捉する。例えば、スペックル低減素子を経た像のうち4次以下のエネルギ成分をレンズレット配列が通過させ、その成分が投射サブシステム入射開口に入射する。
本発明を実施する際には、その素子の光軸に対し平行な方向に沿い、駆動サブシステムでスペックル低減素子を運動させる形態にするのが望ましい。この運動は、投射サブシステムのDOF(焦点奥行き)内、或いは中継サブシステムのDOF内に収めるのが望ましい。その運動に加え、スペックル低減素子の光軸に対し垂直な方向に沿う運動を発生させてもよい。
本発明の諸実施形態によれば、コヒーレントな高輝度光源例えばレーザ光源に発する光をDLPデバイス等の空間光変調器で変調する構成を、好適に実現することができる。即ち、本発明の諸実施形態によれば、従来型投射レンズ素子を使用しつつ、レーザ光を使用し光学系の高輝度化を図ることができる。
本発明の諸実施形態で共通に使用される諸部材を示す図である。 本発明の一実施形態に係るスペックル低減素子付ディジタル画像投射機を示す図である。 本発明の一実施形態に係る投射機におけるFナンバ及び入射開口の概略関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る曲面式スペックル低減素子付投射機を示す図である。 投射機内で生じる中間像を示す図である。 投射機内で生じる散光像を示す図である。 従来のフィルム式投射機で投射中に生じるフィルムバックルを示す図である。 スペックル低減素子の一例たる間隙付マイクロレンズ配列を示す図である。 本発明の一実施形態に係るスペックル低減素子を用い投射レンズ向け出射光に角度ダイバーシティを付与する手法を示す図である。
以下、上述のものを含め本発明の目的、構成及び効果がより明瞭に理解されうるよう、別紙特許請求の範囲及び別紙図面の記載を参照し本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。別紙図面と併せ以下の詳細な説明を参照することで、本発明の諸実施形態に関しより速やかに理解することができよう。また、以下の詳細な説明中に具体的な記述や示唆が見られない部材・要素については、いわゆる当業者にとり周知の諸形態を採りうるものと解されたい。本願明細書や別紙図面での記述は、対応する光路に沿った諸部材の関係がどのような関係であるかを、本発明の諸実施形態に関し例示的に説明するためのものであるので、実際のサイズやその比率に対し忠実でない場合がある。基本的な構造連関乃至動作原理をはっきり示す必要上、幾分強調した個所もある。投射器内光学系の動作をわかりやすく説明することを狙い、通常なら投射機内光路に存するはずの部材を省略した個所もある。
本発明には、本願記載の実施形態同士を組み合わせた構成も包含される。ある実施形態で使用されている部材を他の実施形態で使用することもできる。ある個所でいう「一実施形態」「諸実施形態」等が指すものと、他の個所でいう「一実施形態」「諸実施形態」等が指すものとが、同じ場合もあれば異なる場合もある。その点の解釈は本願中での明示やいわゆる当業者の常識に従われたい。「方法」「諸方法」等といった単複表現は要旨限定的な趣旨を含むものではない。本願では、「Fナンバ」なる語を、従来通り、焦点距離の入射開口直径に対する比率、という意味で使用している。更に、明示がある場合や文脈上当然な場合を除き、「又は」なる語は非排除的な意味で使用されているものと解されたい。
図1に、本発明の諸実施形態に係るコヒーレント光投射機で共通に使用される諸部材の概要を模式的に示す。他使用部材については後掲の諸図面を参照し別途説明する。まず、図中のコヒーレント光投射機10はコヒーレント光源サブシステムを備えている。これは、高度にコヒーレントな光を輻射するサブシステムであり、順に赤、緑、青各色成分光を輻射するコヒーレント光源16r,16g,16bを備えている(以下添え字r,g,bを省略)。成分光として他色の成分光を使用することもできる。また、そのコヒーレント光源16としてはレーザ光源を使用している。使用できるレーザ光源としては、直接輻射ダイオードレーザアレイ、ファイバレーザ、IRポンプ高調波変換レーザ等がある。レーザ光源に代え、その輝度及びビーム品質が十分に高い他種コヒーレント光源乃至他種部分コヒーレント光源、例えば可視光SLED(高輝度発光ダイオード)を使用することもできる。
コヒーレント光源16からの出射光は成像サブシステムに入射する。このサブシステムは、DLP型の空間光変調器12r,12g,12b(以下添え字r,g,bを省略)、並びにダイクロイック結合器14を備えている。変調器12は、投射サブシステム20内の成像レンズ20aにとり物面となる面5r,5g,5b(以下添え字r,g,bを省略)上に配置されており、スクリーン30上の表示像面7に対し像共役となっている。DLP型の光変調器12に代え、他種類空間光変調器、例えばLCD型のそれを同様の構成下で使用することもできる。
本投射機10を稼働させると、コヒーレント光源16からの出射光が、映画のコマ内画像等を表す画像データに従い光変調器12にて変調される。図示しないが、その際には、データ処理システム乃至制御システムが、既知の諸手法・諸装置を用い且つ画像データに従い、制御信号を発生させて光変調器12に供給する。光変調器12内に二次元アレイ配置されている画素では、その制御信号に従い光が変調される。なお、光変調器12としては様々な仕組みのもの、例えばDLP内マイクロミラー傾斜による光転向、LCOS乃至LCDにおける偏向面回転、光散乱、光吸収、光回折等によるものを使用することができる。
光変調器12で変調された光は、ダイクロイック結合器14による結合で共通の光軸O上に集まっていく。結合後の光は、対をなすレンズ20a,20b等を備えた投射サブシステム20に達する。最終的には、そのサブシステム20によって、画像コンテンツを示す像としてスクリーン30上に投射されていく。
こうした模式的且つ概略的な図示・説明からも、光学系設計者が直面している問題のうち幾つかを窺い知ることができよう。まず、本投射機10では、個々の光変調器12で変調され結合器14で相互結合された光が、投射サブシステム20によってスクリーン30に向け出射されていく。そのため、投射サブシステム20の作動距離を長くする必要がある。簡便且つ低コストに長作動距離を実現するには、投射サブシステム20の物空間側Fナンバを例えばF6以上にするのが望ましい。更に、近隣の表面構造による散乱で生じた漏洩光による悪影響を抑える上で、投射サブシステム20に光が急角度で入射しないようにすることも望まれる。そうしないと、DLP変調器内MEMS構造、レンズ素子に備わる縁や欠陥等、成像サブシステム内諸部材に備わる諸構造で散乱した光即ちフレア光が、投射レンズからスクリーン30へと出射されてしまうからである。これは、ANSIコントラスト等の広域画像コントラストや、狭域画像コントラスト/画像細部コントラスト、ひいてはスクリーン30の外見的ブラックネス及び細部解像力の低下につながる。他方、投射サブシステム20におけるスペックル発生を抑えるには、収束光を大きな角度的拡がり即ち大NAにて、スクリーン30に向け出射させるのが望ましい。投射サブシステム20の倍率が一定ならば、これは、変調器出射光の角度的拡がりを増しFナンバを例えばF3以下に抑えるのが望ましい、ということである。このように、スペックル発生を抑えたいとの願いは、レンズの複雑さ及びコストを低減し内部散乱光の集光を抑えよとの要請と抵触、矛盾している。
図2に、本発明の一実施形態に係るコヒーレント光投射機50のブロック構成を模式的に示す。これは、図1に示した基本構成にスペックル低減のための改良を施したものであり、結合器14を経た光を中継サブシステム、具体的には中継レンズ18を構成する中継レンズ素子L1を介し伝搬させている。ここでは中継レンズ素子L1が1個だが、複数個の中継レンズ素子L1で中継レンズ18を構成することもできる。各光変調器12はそこから見て物側にあり、中継レンズ18を挟み中間像面21に対し像共役になっている。中間像面21は、中継レンズ素子L1やその上流にある光学系の作用で空間実像たる中間像22が生じる面である。空間実像とは、対応する像面の位置にスクリーンその他の表示部材があればその空間に見えるはずの像のことである。本実施形態で面21上に生じる中間像22は、図5aに示すように、変調器側画素配置に倣い一群の画素23がアレイ状に並ぶ像である。その中間像画素23は、それぞれ、対応する赤、緑、青各色光変調器12で生じる画素の像を重ね合わせたものに相当している。各色光変調器間画素重複の誤差は、面21上の中間像22全体を通じ1/4画素未満に抑えられている。その中間像面21は、スペックル低減サブシステム内又はその付近にある。本実施形態では、スペックル低減サブシステムがスペックル低減素子40、それを運動させる駆動サブシステムがアクチュエータ49で実現されている。発生した中間像22はそのスペックル低減素子40越しに投射サブシステム20で捕捉され、その投射サブシステム20によって投射される。なお、中継レンズ18としては、図3に示す作動距離Waが150mm程度と長く、速度がF6程度と低く、また光変調器12側がテレセントリックなレンズが使用されている。
図3に、本実施形態におけるFナンバ間の関係を示す。図示の通り、中継レンズ18のFナンバ(第1Fナンバ)19は、投射サブシステム20のFナンバ(第2Fナンバ)24を上回っている。具体的には、中継レンズ出射光の角度的拡がりが投射サブシステム入射可能角の約1/2になるよう、第1Fナンバ19がF6、第2Fナンバ24がF3とされている。第1Fナンバ19をF6以上にすることや第2Fナンバ24をF3以下にすることもできる。また、各色光ビーム同士を前掲の如く結合するスペースを確保するため、中継レンズ18の作動距離(第1作動距離)Waは長めに設定されている。言い換えれば、サブシステム20の作動距離(第2作動距離)Wbが第1作動距離Waに比しかなり短めで、第1作動距離Waが150mm程度、第2作動距離Wbが50mmとなっている。第1作動距離Waを150mm以上にすることや第2作動距離Wbを50mm以下にすることもできる。投射サブシステム20のFナンバ24は、そのサブシステム20でスペックル低減素子40や視野レンズを捉えうるような大きさにしなければならないが、結合器14を捉えるのに必要な大きさよりは大分小さくすることができる。また、光学的に高速でその作動距離が短い投射サブシステム20は、高速でその作動距離が長いレンズ、即ちディジタル映写機で常用されるレンズに比べ、かなり容易に設計、製造することができる。
中継レンズ18にも同様の長所がある。1〜2倍といった低倍率で稼働するためである。まず、上述の通りこのレンズ18は作動距離Waが長いけれども、従来のディジタル映写機用投射レンズに比べその光学的な速度が低いので、容易に設計、製造することができる。更に、結合器14が光路のうち比較的低速な部分にあり、結合対象となる光の角度的な拡がりが狭いので、その結合器14用の光学被覆をかなり容易に設計、形成することができる。特に、MEMS型の空間光変調器を使用しその入射光・出射光間に角度差を付ける形態で本発明を実施する場合はコントラスト比も高まる。このように、Fナンバや作動距離を上掲の関係にすることで、その実効成像性能をより適切なものとすることができる。即ち、光学系の低コスト簡略構成化、光学被覆形成の容易化、更には後述の角度ダイバーシティによるスペックル低減及びコントラスト比向上を初めとする画質向上を実現することができる。
中継レンズ18は、図2に示す如く自レンズ18発の光円錐によって面21上に中間像22を発生させる。その中間像面21のそばにはスペックル低減サブシステム、具体的にはスペックル低減素子40が配置されている。この素子40は、アクチュエータ49によって動かされつつ位相、角度等を変動させることで、中間像22乃至その像光を修飾する。この修飾は、スクリーン30からの反射光に対するコヒーレント干渉に経時変動をもたらし、投射像のスペックルを低減させる。
図中のアクチュエータ49は一種の駆動サブシステムであり、本実施形態ではスペックル低減サブシステムに組み込まれている。その役目は、スペックル低減素子40を介し中間像が投射される際、スペックルが低減されるようその素子40を反復的又は乱数的に振動又は回動させることである。
本実施形態でスペックル低減素子40として使用されているのは散光器である。使用できる散光器としては、ボリューム散光器、面レリーフ散光器、その一例であるホログラフィック散光器等がある。駆動サブシステムたるアクチュエータ49は既知技術を用い構成することができる。スペックル低減素子40を、中間像面21又はその付近で並進的又は回動的に運動させることができればよい。このように、アクチュエータ49は、図2に示す光軸Oに対し垂直な方向に沿うスペックル低減素子40の運動、即ちスペックル低減素子40の面内運動を発生させるのに使用されている。
本実施形態では、スペックル低減素子40たる散光器の働きで、個々の中間像画素23に係る光位相がランダムに変動し、図5bに示す如き散光像画素23’が発生する。従って、駆動サブシステムを適宜動作させることで、スペックルを低減することができる。その度合いは諸要因、即ち散光器構成要素乃至構造に備わるサイズ、形状、分布といった属性、散光器の運動に現れる速度、範囲といった特性、投射レンズでスクリーン30上に投射される画像の構成要素数たる画素数、スクリーン30上に存する散光要素の特性等、様々な要因に左右される。スペックルが低減されるのは、スペックル低減素子40たる散光器を運動させると、中間像画素に係る光位相構造が変動し、その変動につれスクリーン30への光入射位相及び光入射位置が微変し、その微変が原因で、スクリーン30上の微細構造との作用によるスペックル干渉性反射に変動が生じるからである。なお、スペックルの目立ちやすさはその観客の実効視認解像力にも左右される。即ち、その観客とスクリーン30の間の距離や、その観客の持っている視力、例えば米国にて20/20ビジョン等と表される数値にも左右される。スペックルは、散光構造の個数やスクリーン30側画素数が増えると低減されるものの、全く生じなくなることはない。
スペックル低減素子40たる散光器は、このほか、本投射機50における光伝搬に様々な影響を及ぼしうる。まず、散光器の位置が中間像面21の上又はその付近であるため、図5bに示す散光像22’、即ち新たな「物」(オブジェクト)が本投射機50内で発生する。光の角度的拡がり乃至NAが増すからである。光の角度的拡がりは、散光プロファイルと、中継レンズFナンバ19における入射光分布とのコンボリューションとして、モデル表現することができる。無論、投射レンズ内に収めねばならない実効エタンデュも同様に増大する。第2の影響としては、散光器及びその構成要素が運動するにつれ、散光像22’を構成する画素23’がぼやけてそのコントラストが低下する点がある。即ち、面21上の中間像画素23に比し大きな外見の散光像画素23’が生じる点がある。そうした画素23’で形成される散光像22’が新たな「物」となり、その「物」の像が投射サブシステム20によってスクリーン30上に投射されるので、得られる投射像はその解像力乃至MTFの割りに画質が低い像となる。
光軸Oに沿いそのスペックル低減素子40の隣には、図2に示す如く他のレンズを介さず視野レンズ素子L2が配置されている。中間像22は、中継レンズ素子L1と共に中継レンズ18を構成するこの素子L2を介し、スペックル低減素子40によって捕捉される。その素子40は、中間像22に対する散光で散光像22’を生成する。散光像22’は、投射サブシステム20の入射開口によって捕捉される。投射サブシステム20は、スペックル低減素子40から光を受け取って出射し、図2では省略されているスクリーン30上に位相変動付の投射像を発生させる。なお、視野レンズ素子L2の位置は、スペックル低減素子40より下流で投射サブシステム20より上流の位置にすることもできる。
面21上に生じる中間像22のサイズは、光変調器12の面積未満とすることも可能だが、ここでは当該面積以上になるよう設定してある。サブシステム20内投射レンズの集光側NAを抑えるためである。また、成像サブシステム、具体的には光変調器12及び結合器14によって生成され中継レンズ18で捉えられる三色合成初期像は光変調器12のそれに相当するサイズ(第1サイズ)を有する像、中継サブシステムたる中継レンズ18で生成される中間像22は第1サイズ以上のサイズ(第2サイズ)を有する像となる。
第2サイズ、即ち面21上に生じる中間像22のサイズは、本実施形態の場合、映画フィルムでのコマサイズに揃っている。即ち、中継サブシステムたる中継レンズ18での拡大を通じ、映画フィルムフォーマットにおけるコマサイズに揃えられている。映画フィルムフォーマットとしては16mm、35mm又は70mmのフィルムフォーマット、即ちコマの対角長が順に13.73mm、25.81mm又は52.80mmとなるフォーマットが知られている。中間像22のサイズがこうしたコマサイズに揃っているので、16mm、35mm又は70mmフィルム式映写機に代表されるフィルム式映写機向けの既存投射レンズを投射サブシステム20にて使用し、低コスト化、構成簡略化を図ることができる。
ことに、独国所在のSchneider Kreuznach等では多様なフィルム式映写機用投射レンズが販売されている。即ち、映画産業で使用されている様々なスクリーン距離、様々な対角長に対応できるよう、24mmから100mmまで約30通りの焦点距離に亘る多様なレンズが準備されている。映画館運営者等が、自館に相応しいレンズを選べるようにするためである。レンズのなかには、Variable Prime(商標)レンズのようにその比値が1:137から1:1.85に亘る様々なフィルムフォーマットを扱えるものもあれば、アナモルフィック光学系を用いたレンズのようにその比値が1:2.39とワイドなCinemascope(登録商標)フォーマットを扱えるものもある。このように多様性があり様々なフォーマットに対応できることは、かなり重要なことである。ディジタル映写機用投射レンズが高価で種類が少ないこと、例えばSchneider Kreuznachでディジタル映写機用に販売されている投射レンズが12種類の固定焦点レンズしかないことと対照的である。更に重要なのは、こうした汎用のフィルム式映写機用投射レンズにおけるFナンバが、一般にF1.7〜F2.8の範囲に収まることである。Fナンバがこのように小さいので、通常の散光器で生じるランダムな位相変動では無論、経時変動性角度ダイバーシティの均しでも、コヒーレント光源に由来するスペックルを好適に低減することができる。その作動距離が30〜57mmと短いが、ディジタル映写機で必須な三色ビーム間結合をその距離内で行う必要もない。更に、既存のフィルム式映写機用投射レンズであれば、フィルムサイズ変更にも容易に対応することができる。一般的なアナモルフィックレンズを用いることで、Scope(商標)等のフォーマットに随時切り替えうる構成にすることもできる。
既存のフィルム式映写機用投射レンズをディジタル映写機で用いる際に留意すべき点の一つは、そうしたレンズのうち高品質なものの多くが、図5cに示すフィルム湾曲即ちバックルを補償するよう構成されている点である。バックルとは、フィルム60を照明したとき、現像部位内のエマルジョンが画像コンテンツに従い吸光し、フィルム60を形成している弾性ポリマシート素材がその吸光で昇温する結果、フィルム60がある深さdに亘り撓むことである。この現象の誘因は、サウンドトラック、パーフォレーション、フレーミングバー等をはじめその周りにある定型部位に対し、開口プレート62を介し現像部位が不均等に照明され不均等に昇温することである。照明された部位は膨張するが照明されない部位は膨張しないので、現像部位が光軸に沿い照明用光源方向に張り出し、フィルム表面に深さd=150〜400μm程度の曲がり即ちバックルが発生する。従って、このままでは、投射サブシステム20からスクリーン30上に、湾曲物体たるフィルム60の像が投射されてしまう。
低価格なフィルム式映写機用投射レンズは、こうした像面湾曲を無視して設計されていることが多い。映写技師は一般にレンズ焦点をコマの中心で合わせるので、こうしたレンズを使用すると、現像部位外縁部で離焦が発生するのが通例である。ディジタル映写用の空間光変調器12を使用する場合、投射中に形成される像面が平坦であるため、この方が寧ろ都合よい。但し、性能的な特性が十分に限る。これに対し、高価格なフィルム式映写機用投射レンズは、像面湾曲の影響を補償しつつ高画質の像を投射する構成になっている。即ち、こうしたレンズは、照明サブシステムによる加熱でフィルム60が反り、例えば深さd=100〜200μm程度、範囲=1インチ程度のバックルが生じるものと想定し、そのバックル分が補償されるように構成されている(1インチ=約0.025m)。
本発明に係るディジタル画像投射機では、フィルム式映写機用投射レンズで想定している湾曲物面に並ぶ中間像面21に平坦な光変調器12の像を形成する、という突飛な組合せを、幾通りかの形態で実現することができる。例えば、中継レンズ18がサブシステム20内投射レンズよりも低速な図2の形態である。その中継レンズ素子L1のDOFが深いため、この形態では、100〜200μm程度の小さな像面湾曲を補償することがあまり意味を持たない。DOFとは、図5aに従い
DOF=±θ/[2*tan{arcsin(1/(2*Fナンバ))}]
なる式で定義される量である。この式中のθはブラースポット直径、DOFはそのブラースポット直径の肥大量が妥当な所定量となるZ方向距離である。ブラースポットは、様々な度合いの回折、収差、離焦等が様々に組み合わさることで、ぼやけ即ちブラーが生じたスポットのことである。画像システム分野では、例えばレイリーの1/4波長条件等がその指標として使用されている。その直径θは、中間像から分解しうる最小の画素寸法を表している。光変調器12が10μmサイズ画素アレイ、その画素の中間像面21上への投射倍率が1.2倍なら、面21上に生じる中間像からその画素23を分解するには、中間像画素23のサイズ=12μmが直径θと同程度以上であること、好ましくは2〜3倍であることが求められる。また、上式によれば、レンズ18のFナンバがF6の場合、面21におけるDOFが約120μm、即ち一般的なフィルム式映写機用投射レンズの湾曲と同程度の値になる。この値なら、湾曲のある像面を中継レンズ18のDOF内で概ね捉えることができる。大仰な補正は必要ない。中継レンズ18の光軸O沿い位置は、そのレンズ18で得られる画質例えばMTFが最良になる位置が投射レンズの最良物共役面位置と概ね重なり合うよう設定すればよい。中継レンズ18の工夫次第では、光変調器12の湾曲像を相応の曲率で発生させ、投射サブシステム20内のフィルム式映写機用投射レンズに投射する構成とすることもできる。
他方、湾曲物体の像を好適に生成できるよう構成された投射レンズのDOFは浅いので、そのレンズと、平坦な中間像との間のちぐはぐさは、そのまま正さずにおくことができない。例えば、中間像画素のサイズが12μm、使用する投射レンズのFナンバがF1.7なら、DOFは約36μmにしかならない。このようにDOFが浅いことから、フィルム式映写機用投射レンズで最適に捉えうる湾曲像面に揃うよう、中間像22及びスペックル低減素子40の表面を整える必要がある。
図4に、スペックル低減素子40に曲面43を設けた実施形態を示す。本実施形態ではスペックル低減素子40がその面43を介し中間像22を捉えているが、スペックル低減素子40が図示しない曲面を介し散光像22’又は中間像22を投射しそれをサブシステム20内投射レンズで捉えて投射する形態でも、本発明を実施することができる。設ける曲面が凹面になることも凸面になることもある。肝要なのは、その曲面の曲率を、市販のフィルム式映写機用投射レンズで補正可能なフィルムバックルの曲率に対し、一致又はほぼ一致させることである。曲面上に幾つかの表面構造を設けた形態で実施することもできる。その表面構造の配置パターンはランダムなパターンでも秩序だったパターンでもかまわない。その表面構造として、大きな湾曲面に重なるようレンズレット群を形成してもよいし、エッチング、研磨、成型等の手段で位相変動性の凹部を形成してもよい。エッチングや研磨であれば、スペックル低減素子40の曲面上に、割合容易に表面構造を形成することができる。対するに、リソグラフィは、そもそも平坦なウェハ向けの技術であるため、スペックル低減素子40の曲面上への表面構造形成には使用しづらい。寧ろ、平坦な基板上にリソグラフィで表面構造を形成し、その表面構造から作成した型から複製する方が、スペックル低減素子40への表面構造形成を容易に行える。具体的には、可撓性のある型を作成し、湾曲面及び平面を有する基材上に、或いは一方の面に屈折性がある平坦な基材上に、その型を用いスペックル低減素子40の表面構造を形成すればよい。この手法なら、像面湾曲に係る光学補正が施されたスペックル低減素子40を安価に複製することができる。
スペックル低減素子40に曲面を設けない実施形態もあり得る。市販のフィルム式映写機用投射レンズで想定されている像面湾曲の分が補正されるよう、その素子40とは別に補正レンズ系を設ける形態である。この補正レンズ系を実現するには、微弱な屈折力を有する補正レンズを1個、中継レンズ素子L1とサブシステム20内投射レンズとの間に配置すればよい。例えば、図2に示した視野レンズ素子L2を補正レンズ素子として機能させればよい。こうした補正レンズ系例えば素子L2は、スペックル低減素子40の上流に配置しても下流に配置してもかまわないが、他のレンズを挟まず光軸O沿いに素子40と隣り合うよう配置するのが望ましい。更に、補正レンズ系を構成するレンズ素子の片面のみを曲面にするのか、それとも両面を曲面にするのかや、その曲面を凹面にするのか、それとも凸面にするのかは、設計時に随意に選択することができる。また、他のレンズ系と同様、複数個のレンズ素子で構成することもできる。一般的なフィルム式映写機用投射レンズによる前述のフィルムバックル補正分を補償できる構成であればよく、その構成の子細で限定されるものではない。いわゆる当業者にはこのことをご理解頂けよう。加えて、こうした補正レンズ系を投射サブシステム20の標準搭載部材とするのか、それともオプション搭載部材とするのかは、選択した市販投射レンズに応じ決めればよい。
翻って、本発明では、フィルムバックル補正の有無や使用する中継レンズ及び投射レンズの種類によらず、スペックル低減素子40が中間像面21又はその付近に配置される。また、そのスペックル低減素子40として、散光器等の散光性素子に限らず、後述するレンズレット配列44を備えた素子40等、屈折性素子も使用することができる。フィルムバックル補正の有無や、使用する中継レンズ及び投射レンズの種類を問わない。
スペックル低減素子40として散光性素子を使用する実施形態では、中間像22がその素子40による散光を受ける際、上述したアクチュエータ49の働きで、その光位相が経時的に変動する。投射サブシステム20から出射され観客の目に入るのはこの位相変動付の像であり、目の働きで実効空間コヒーレンスが均されるため観客にスペックルが知覚されにくくなる。こうした素子40は、ガラス、熔融シリカ、プラスチック、エポキシ等の諸素材を用い回折性の素子として形成することができる。高輝度光偏向光学系であるので、光を吸収せず熱誘導性ストレス複屈折が生じにくい素材を使用するのが肝要である。同様に、こうした素子40は、エッチング、研磨、成型、リソグラフィ、ホログラフィ等の諸方法で形成することができる。偏向光学系であるので、やはり、ストレス複屈折が生じない方法を採ることが望まれる。そして、スペックル低減素子40には、スペックル低減に役立つランダムな又は周期的なパターンを付けるのが望ましい。
先にふれた通り、こうした散光性素子を使用すると、図5a及び図5bに示す如く像にブラーひいては解像度低下が発生する。これに加え、既存の散光器を使用することで光の角度的拡がりが増す。これは、スペックル現象を抑える上で有用な反面、系の実効的ラグランジュ不変量の増大、ひいては散乱光を漏れなく集光するのに必要な光円錐角即ちNAの増大につながる。これは、サブシステム20内投射レンズのFナンバを小さくすべきだということであるが、そうするとそのレンズの製造コスト及び成像難度が高まる。例えば、基本的にランベルト的な振る舞いを呈する一般的な磨りガラス散光器を使用すると、図3に示すように、投射レンズの集光側Fナンバが追いつかず多くの光55が外部に漏洩してしまう。より進んだホログラフィック散光器でも、角度的拡がりの増大、漏洩光量の増大、光損失の増加、投射レンズ開口の拡張、像のブラー等を余儀なくされる。
こうした散光即ち光の拡散は、ある二次元空間又は三次元空間に由来し屈折や回折の複合で生じる現象である。例えば、スペックル低減素子40で回折の発生元となるのはその素子40の表面である。素子表面での回折は、光に、低次(角度)成分及び高次(角度)成分を含む角度的拡がりを与える。他方、よく知られているように、円形開口による回折光エネルギのうち約99%は、その開口で形成されるエアリディスクパターンの4次暗環内に収まる。従って、散光構造を適宜形成することで、角度的拡がりのある回折光の大半を、サブシステム20内投射レンズの入射開口、即ちFナンバ24で表される範囲内に収めることができる。例えば、スペックル低減素子40として顕著に回折性なものを使用し、4次以下のエネルギ成分を投射サブシステム20の入射開口に入射させればよい。集まる光量が僅かに少なくなるが、Fナンバが小さな投射レンズを使用することができる。
こうした散光性のスペックル低減素子40であれば、その表面に何らかの処理で形成された表面構造による散光で、中間像22から散光像22’が生成されるため、知覚可能なスペックルがあまり生じなくなる。ただ、その表面構造による回折光のうち一部が投射サブシステム20から漏れてエネルギ損失が発生する。発生する散光像22’は、投射サブシステム20にとり、実質的に、新たな波頭パラメタ及び画質パラメタを伴う新たな「物」となる。スペックル低減素子40に入射する光の位相成分乃至波頭に関する情報はその素子40による散光で失われる。従って、中継レンズ18に起因する収差の影響が散光像22’の画素23’に備わる構造、サイズ又は形状に現れていても、それを投射サブシステム20で補正することはできない。
他方、スペックル低減素子40として散光性素子ではなく屈折性素子を利用しスペックルを低減する実施形態では、その素子40にて中間像22に付される変動が角度変動であるため、元々の光位相成分が少なくとも幾らかは保存される。屈折性を有するスペックル低減素子40は、前掲の諸実施形態に倣い面21又はその付近に配置される。この面21は、中継サブシステムたる中継レンズ18及びその上流にある光学部品の作用で、中間像22が発生する面である。中継レンズ18からの光の波頭に関する情報が幾ばくかであれ保たれるのは、散光性のスペックル低減素子22が散光像22’を発生させるのとは違い、面21又はその付近に配置された屈折性のスペックル低減素子40が中間像22を透過させるからである。
図3、図6a及び図6bに、スペックル低減素子40として屈折性素子、具体的にはレンズレット配列44付窓構造素子45を使用する諸実施形態を示す。これらの実施形態では、その素子45を、先に述べた散光性のスペックル低減素子40に倣い経時運動させるようにしている。ランダムな位相変動を発生させる散光性の素子40と異なり、この窓構造素子45は経時変動性の角度ダイバーシティを発生させる。それにより、スクリーン30の微細構造に対する入射光の相互作用、ひいては反射光干渉に変動が生じてスペックルが低減される。
図6aに示す実施形態では、この窓構造素子45が、基板46上に形成された開口径Aのレンズレット41複数個で構成されている。そのため、この窓構造素子45は、図6bに示す如く一種の小開口視野レンズとして振る舞う。即ち、アクチュエータ49によって動かされつつ像光を偏向させ、サブシステム20内投射レンズの入射開口付近に向かわせることで、その像光をそのレンズに送り込む。その際、レンズレット41は、中継レンズ18の働きで生じた中間像画素23のうち少なくとも1個を捉え、その画素23に係る光を投射レンズの入射開口に入射させる。駆動サブシステムたるアクチュエータ49の働きで窓構造素子45が運動するため、個々の中間像画素23に係る光の角度的拡がり即ち光円錐の立体角は、それに比べ広い投射レンズ入射開口立体角26の範囲内で、例えば立体角25から別の立体角25’へと経時的に変動する。これは、中間像22に係る光が窓構造素子45上のレンズレット配列から投射レンズ入射開口へと入射していく方向が、駆動サブシステムの動作で操作される、ということである。投射サブシステム20は、こうして窓構造素子45によりビーム方向が操作された像光を出射することで、中間像22に比べスペックルが少ない像を、反射性のあるスクリーン30上に発生させる。このように、視野内の対応する点即ち所定の中間像画素23に関し、レンズレット41が主として散光機構ではなくビーム操作機構として働くため、スクリーン30上では像が常に同じ位置に発現する。その時点で像光が上下どちらに偏向しているか、言い換えれば個々の中間像画素23の位置が最寄りのレンズレット41に対しどちら側にどれだけずれているのかにはよらない。即ち、レンズレット41の運動と投射サブシステム20との連携によるビーム操作を通じ画質損逸を抑えつつ、図1に示したスクリーン30の表面に像を投射することができる。画質損逸が残るとしたら、その一部は各レンズレット41で提供される屈折力の僅かな変動によるものであろう。中間像画素23からの集光に係る立体角が残留散光現象によって増して画質が低下することがあるかもしれない。
本実施形態では、こうした窓構造素子45を屈折性のスペックル低減素子40として使用するので、そのレンズレット41毎に、図6aに示す如く直径Aの開口が生じる。このレンズレット開口は、一般的な散光器、例えばエッチドガラスにおける表面構造に比べ大きな開口であり、円形、正方形等、様々な形状にすることができる。更に、中間像画素23のサイズに応じそのサイズや形状を設定することで、スペックルを低減することや、スクリーン30に向かう光量を増やすことができる。例えば、その形状が円形である場合、レンズレット開口の直径Aと4次暗環の角度的拡がりα(単位:ラジアン)との関係を示す回折式は
A=4.24*λ/α
で与えられる。但し、λは注目波長である。例えば、レンズ20aがF2.8、即ち上掲のαたる入射可能角が約0.18ラジアンであり、使用する波長λが0.000550mmである場合、その光に適する最小の径Aは約13μmとなる。これは、一般に5〜15μmである空間光変調器側画素、ひいてはその像である中間像画素のサイズと比肩するサイズである。径Aがこの値に比べ甚だしく小さいと光が多量に回折乃至散乱され損失になってしまうので、面21上で中間像22を形成している画素23を個々のレンズレット41で1個又は複数個ずつ捉える構成にした方がよい。言い換えれば、レンズレット開口のうち少なくとも一部の開口について、その開口径Aを、中間像面21における画素23のサイズ以上とするのが望ましい。例えば、面21上の中間像22における画素N2個の配列より大きなサイズになるよう、レンズレット開口の径Aを設定するのが望ましい。Nは例えば2〜4程度とする。中間像画素23のサイズに比べレンズレット開口の径Aの方が大きいので、画素23側からはそのレンズレット41があたかも窓のように見える。
レンズレット41間に生じる間隙42のパラメタを活用することもできる。この点との関連では、レンズレット41同士が直に接している場合、スリット開口回折モデルの適用で簡便に解析できることが重要である。スリット開口は上掲の円形開口に似た振る舞いを呈する開口であり、その開口長Agは次の式
Ag=1.22*λ/ α
で与えられる。この式は、1次暗環例えば約4μmの環の内側に83.8%のエネルギが収まることを表している。以下、個々の明環内に収まるエネルギの比率は次の表


表1

次数 円形開口 スリット開口
0次 83.8% 90.3%
1次 7.2% 4.7%
2次 2.8% 1.7%
3次 1.5% 0.8%
4次 1.0% 0.5%
に示す値になる。
従って、集まる光量が僅かに少なくなるが、Fナンバが小さな投射レンズを投射サブシステム20で使用すること、即ち0次ビーム由来の回折光が失われないよう散光性構造を減らすことができる。可視光の場合、レンズレット間間隙長Agを、拡大像における画素サイズに比肩する5〜20μm程度にするのが望ましい。全0次から全4次に至るエネルギを捉えうるよう間隙長Agを設定することで、光学系の顕著な簡略化やエネルギ捕捉量の顕著な増大を実現することができる。言い換えれば、スペックル低減素子を介し捉えた中間像のエネルギのうち、4次以下のエネルギ成分が投射サブシステム入射開口に伝搬するよう、レンズレット配列44を構成するのが望ましい。即ち、スペックル低減素子を介し捉えた中間像のエネルギのうち、4次以下のエネルギ成分を投射レンズ入射開口に伝搬させるのが望ましい。
また、図6bから読み取れるように、像光がスペックル低減素子40たる窓構造素子45を介し伝搬される構成では、中継レンズ18から中間像面21への入射に係るFナンバ19がほぼ保存される。即ち、残留散光をひとまず措けば、光が窓枠状のレンズレット間間隙42を過ぎるにせよ、大きな投射レンズ入射側Fナンバ24で示される範囲内に向かいレンズレット41で偏向されるにせよ、ラグランジュ不変量及び波頭情報/位相情報が概ね保存される。従って、像光が投射サブシステム20内で偏向光路を辿るにせよ、或いは非偏向光路を辿るにせよ、与えられる中間像画素23の拡大像を最低限の画質損逸でスクリーン30上に発生させることができる。
スペックル低減素子40として屈折性の素子、例えば窓構造素子45を使用する実施形態のなかには、図3に示すようにレンズレット配列44を素子40より下流側、即ち投射サブシステム20側に配置する実施形態や、素子40より上流側、即ち中継レンズ18側に配置する実施形態がある。また、投射サブシステム20におけるフィルムバックル補正分が補償されるようスペックル低減素子40に曲面を設け、その曲面上、或いはその裏側にある平坦面上に、レンズレット配列44を設ける実施形態も採りうる。こうして形成される窓構造素子45では、主として、レンズレット配列44が設けられている側の面が屈折性となる。レンズレット配列44におけるレンズレット41の配置は、図3に示す実施形態では、レンズレット41同士が完全に又はほぼ完全にぶつかる配置となっている。これに対し、図6a及び図6bに示す実施形態では、レンズレット41同士が全く又はほとんどぶつからず間隙42が生じる粗な配置となっている。間隙42はレンズレット41間に生じる隙間であり、ここでは基板46の表面と裏面とが互いにほぼ平行である。いずれの実施形態でも、幾ばくかの散光がそのレンズレット配列44にて発生する。散光をもたらすのは、レンズレット41同士がぶつかる実施形態ではレンズレット41間の谷間における残留回折及びエッジ効果、ぶつからない実施形態ではレンズレット41間の間隙42における回折又は散乱である。これら、レンズレット41間の谷間又は間隙42によって生じる散光は、いずれの実施形態でも、投射サブシステム20内レンズの入射開口、即ち捕捉立体角26で示される範囲内に入射していく。レンズレット41同士がぶつからない実施形態では、レンズレット間間隙42を十分又はほぼ十分に広くし、その間隙42に由来する散光が投射サブシステム20内レンズの入射開口を通るようにするのが望ましい。例えば、レンズレット間間隙42のを中間像面における中間像画素のサイズ以上にするのが望ましい。基本的には、先にふれたように、こうしてレンズレット間間隙開口長Agを拡げ、顕著な回折現象が生じないようにする。
スペックル低減素子40として複合的な素子、即ち散光と屈折の程度差が少ない素子や回折と屈折の程度差が少ない素子を使用する実施形態もあり得る。こうした実施形態では、経時変動性の角度ダイバーシティを発生させつつ、ランダムな位相変動を幾ばくか発生させることができる。例えば、レンズレット間間隙42を平坦にせず、ランダムに斑状配置された数μm大の凹凸及び僅かなうねりを伴う緩い表面構造付の面にすることで、緩慢な散光を発生させることができる。また、位相変動性の凹部がその表面に形成されたレンズレット乃至プリズムアレイを使用することで、屈折による角度変動に加え、固定的又は可変的な位相変動を発生させることができる。こうした構成では、スペックル低減素子40を動かすにつれ、投射レンズが捉える像に角度変動が生じると共に、そのコヒーレント光にランダムな位相変動が発生する。
スペックル低減素子40として屈折性の素子、例えばレンズレット配列44付窓構造素子45を使用する実施形態では、その形成先の面に沿った二軸のうちいずれかを基準に、レンズレット41を六角、対角、ランダム、線形又はそれらに類するパターンで配置する。こうした実施形態では、駆動サブシステムでスペックル低減素子40を面内運動させる距離を、レンズレット41による角度ダイバーシティの範囲が最大限に拡がるよう、レンズレット繰返し周期以上とするのが望ましい。レンズレット繰返し周期とは、レンズレット1個分の長さとレンズレット間隙1個分の長さを加算した長さ、例えば図6aにおける縦方向レンズレット周期38や横方向レンズレット周期39のことである。面内運動距離をこのように設定すると肉眼の時間応答が均される。また、スペックル低減素子40として散光性の素子を使用する前掲の実施形態と同じく、窓構造素子45も、様々な態様で面内運動させることができる。例えば、図5a中のX−Y平面に沿いリニアトランスデューサで並進させてもよいし、その面に沿いモータで回動させてもい。いわゆる当業者には自明な通り、そのためのアクチュエータ49は、圧電トランスレータを初めとする様々な手段で実現することができる。
スペックル低減素子40の面外運動、即ち図5a中のZ軸に沿った運動を発生させる実施形態もある。使用する素子40が回折性か屈折性かを問わないが、高速な投射サブシステム20のDOF内にその面外運動を収めることと、スクリーン上で許容される離焦の度合いに若干余裕があることが前提となる。中継レンズ18のDOFが十分に深く、投射レンズのDOFと概ね重複する構成の投射機50では、この前提が課されることによる画質の損逸はほとんどない。また、ここでいう「面外運動」とは、スペックル低減素子40の光軸、例えば図2中の光軸Oに対し平行又はほぼ平行な方向に沿った運動のことである。投射サブシステム20及び中継レンズ18のDOF内にこの面外運動を収めることで、画素分解能に対する大きな影響無しで角度ダイバーシティや位相変動性が高まり、更なるスペックル低減が実現される。スペックル低減素子40に面内運動,面外運動の双方を発生させる実施形態もあり得る。
スペックル低減素子40を通った光の損失を抑えるため、中継レンズ18からの像光がFナンバ19で示される範囲内で結合される角度と、屈折性の素子40を例に図6bに示した如く素子40にて生じる偏向及び散乱の角度との和が、図3に示した投射サブシステム20の入射側Fナンバ24乃至捕捉立体角26と同等又はほぼ同等になるよう、その素子40を構成する実施形態もあり得る。使用するスペックル低減素子40が回折性か屈折性かを問わない。使用する素子40が屈折性の場合、例えばそのFナンバが約F2.5の投射レンズに対し素子40のFナンバが約F5超なら、角度ダイバーシティが欠如しスペックル低減効果が弱くなる。使用する素子40が屈折性の場合、例えばその素子40のFナンバが投射サブシステム20のFナンバ未満なら、投射サブシステム20で収集できない光が生じ光学的スループットが低下する。
レーザ光源を照明に使用する実施形態では、コヒーレント光投射機10の内部構成部品を小エタンデュ部品、例えば約F6相当の部品とすることができる。こうしたエタンデュの小ささは光学系設計上有益なことである。個々の色成分に係る光変調器やレンズ素子として、小型、低速且つ安価なものを使用できるからである。
DLP等のDMDが最も効率的に作動するのは、そのDMDによって変調されDMD内ミラー素子によって反射された光が、概ねテレセントリックなかたちで光軸とほぼ平行に出射される場合である。レーザ光源等の小エタンデュ光源は、テレセントリックシステムにおける照明に好適に使用することができ、従ってDLPとの併用に適している。
このように、本発明の諸実施形態によれば、中間像に対する補正によりスペックルを補償することができる。その中間像を既存のフィルムフォーマットを模すサイズやフォーマットにすることができるため、在庫が豊富な投射レンズを従来同様に使用しスクリーン上に画像を投射することができる。即ち、本発明の諸実施形態によれば、そのコヒーレンスが高く輝度特性やスペクトル特性が秀逸なレーザ光源を、多大なスペックルの発生無しで、ディジタル画像投射機用光変調器と併用することができる。
以上、本発明に関し幾つかの実施形態を参照して詳細に説明したが、それとは異なる構成やそれを改良した構成も本発明の技術的範囲に包含されるので、その点を了解されたい。例えば、諸レンズ素子を形成する素材としては、各種ガラスを含め様々な素材を使用することができる。レンズの実装には様々な手段を使用することができる。光源としては、レーザアレイを初めとするレーザ光源等、様々な光源を使用することができる。光変調器としては、DMD、LCD、電気機械格子デバイス、その一例たるGEMSデバイスやGLVデバイス等、多画素型のアレイデバイスを初め、様々なものを使用することができる。赤、緑及び青の三原色を用いる実施形態について説明したが、本発明は、光源や変調器の個数が2個以上又は4個以下の形態でも実施することができる。また、本願にて「システム」「サブシステム」等の語を多用したのは、いわゆる当業者にはご理解頂けるように、本願にて特定のレンズ、特定の部材を例に説明されている構成を、本願で述べたものと同様の機能を有する他の1個又は複数個の部材で置き換えうるからである。例えば、本願では中継サブシステムが主に中継レンズ18で構成される例を示したが、レンズ18を複数個のレンズで置き換えることもできる。面21に中間像22を発生させることができればよい。同様の理屈は、投射サブシステム20を初め、本願記載の諸サブシステムに当てはまる。本願にて「システム」「サブシステム」等の語を多用したのは、更に、本願中に図示や説明のない部材を使用してもよいことを示すためでもある。例えば、中継レンズ18内には、中継レンズ素子L1以外にも、レンズ実装用ハードウェアや、所要種類の光学被覆等を設けることができる。
5r,5g,5b 物面、7 表示像面、10,50 コヒーレント光投射機、12r,12g,12b 光変調器、14 結合器、16r,16g,16b 光源、18 中継レンズ、19 中継レンズFナンバ、20 投射サブシステム、20a,20b 投射サブシステム内レンズ、21 中間像面、22 中間像、22’ 散光像、23 中間像画素、23’ 散光像画素、24 投射サブシステム入射Fナンバ、25 立体角、25’ 偏向した立体角、26 捕捉立体角、30 スクリーン、38 縦方向レンズレット周期、39 横方向レンズレット周期、40 スペックル低減素子、41 レンズレット、42 レンズレット間間隙、43 散光器曲面、44 レンズレット配列、45 窓構造素子、46 基板、49 アクチュエータ、55 漏洩光、60 フィルム、62 開口プレート、A レンズレット開口径、Ag レンズレット間間隙開口長、d フィルムバックル、L1 中継レンズ素子、L2 視野レンズ素子乃至補正レンズ素子、O 光軸、Wa,Wb 作動距離、θ ブラースポット直径。

Claims (23)

  1. コヒーレント光を輻射するコヒーレント光源サブシステムと、
    上記コヒーレント光を画像データに従い操作する成像サブシステムと、
    上記成像サブシステムを経たコヒーレント光から中間像たる空間実像を発生させる中継サブシステムと、
    上記中間像が現れる中間像面又はその近傍に配置されたスペックル低減素子と、
    上記スペックル低減素子をその素子の光軸に対し平行な方向に沿い運動させる駆動サブシステムと、
    上記スペックル低減素子越しに上記中間像を捉えて投射する投射サブシステムと、
    を備えるコヒーレント光投射機。
  2. 請求項1記載のコヒーレント光投射機であって、上記運動が、上記投射サブシステムの焦点奥行き内に収まるコヒーレント光投射機。
  3. 請求項1記載のコヒーレント光投射機であって、上記運動が、上記中継サブシステムの焦点奥行き内に収まるコヒーレント光投射機。
  4. 請求項1記載のコヒーレント光投射機であって、上記運動が、上記スペックル低減素子の光軸に対し垂直な方向に沿った運動を伴うコヒーレント光投射機。
  5. 請求項1記載のコヒーレント光投射機であって、上記成像サブシステムが、複数個の光変調器と、上記コヒーレント光源サブシステムから来る都合複数通りの色成分を共通の光軸上に集めるダイクロイック結合器と、を有するコヒーレント光投射機。
  6. 請求項1記載のコヒーレント光投射機であって、上記スペックル低減素子が、個別にレンズレット開口を呈するレンズレット複数個で自素子の表面に形成されたレンズレット配列を有し、それらレンズレット開口の全て又はほとんどが、上記中間像面上にある中間像画素以上のサイズを有するコヒーレント光投射機。
  7. 請求項6記載のコヒーレント光投射機であって、上記レンズレット配列における上記レンズレットの分布がランダム又はほぼランダムなコヒーレント光投射機。
  8. 請求項6記載のコヒーレント光投射機であって、上記レンズレット配列における上記レンズレットの配列が六角パターン、対角パターン又はそれに近いパターンをなすコヒーレント光投射機。
  9. 請求項6記載のコヒーレント光投射機であって、上記レンズレット配列の全体又はほぼ全体に亘り上記レンズレットが間隙無しで分布するコヒーレント光投射機。
  10. 請求項6記載のコヒーレント光投射機であって、上記レンズレット配列の全体又はほぼ全体に亘り上記レンズレットが間隙を介し分布するコヒーレント光投射機。
  11. 請求項6記載のコヒーレント光投射機であって、上記駆動サブシステムが、上記レンズレットの繰返し周期以上の距離に亘り上記スペックル低減素子を面内運動させるコヒーレント光投射機。
  12. 請求項6記載のコヒーレント光投射機であって、上記レンズレット配列が、上記スペックル低減素子で捕捉した中間像の4次以下のエネルギ成分を上記投射サブシステムの入射開口内に伝搬させるコヒーレント光投射機。
  13. 請求項1記載のコヒーレント光投射機であって、上記成像サブシステムで発生させる初期像のサイズたる第1サイズが、上記中間像のサイズたる第2サイズ未満のコヒーレント光投射機。
  14. 請求項13記載のコヒーレント光投射機であって、上記第2サイズが、16mm、35mm又は70mmのフィルムフォーマットと揃うサイズであるコヒーレント光投射機。
  15. 請求項13記載のコヒーレント光投射機であって、上記投射サブシステムが、フィルムバックル補正機能を有するコヒーレント光投射機。
  16. 請求項1記載のコヒーレント光投射機であって、上記投射サブシステムがフィルムバックル補正機能を有する一方、上記スペックル低減素子が、当該投射サブシステムによるフィルムバックル補正分を補償する曲面を有するコヒーレント光投射機。
  17. 請求項16記載のコヒーレント光投射機であって、上記曲面を介し上記スペックル投射素子が上記中間像を捕捉するコヒーレント光投射機。
  18. 請求項16記載のコヒーレント光投射機であって、上記曲面を介し上記スペックル投射素子が上記中間像を投射するコヒーレント光投射機。
  19. 請求項1記載のコヒーレント光投射機であって、上記中継サブシステムのFナンバたる第1Fナンバが、上記投射サブシステムのFナンバたる第2Fナンバ以上のコヒーレント光投射機。
  20. 請求項19記載のコヒーレント光投射機であって、上記第2Fナンバが上記第1Fナンバの1/2以上のコヒーレント光投射機。
  21. 請求項1記載のコヒーレント光投射機であって、上記中継サブシステムの作動距離たる第1作動距離が、上記投射サブシステムの作動距離たる第2作動距離以上のコヒーレント光投射機。
  22. 請求項21記載のコヒーレント光投射機であって、上記第2作動距離が上記第1作動距離の1/2以上のコヒーレント光投射機。
  23. コヒーレント光源サブシステムにてコヒーレント光を発生させるステップと、
    上記コヒーレント光を画像データに従い成像サブシステムで操作し像を発生させるステップと、
    上記成像サブシステムを経たコヒーレント光から中継サブシステムにて中間像たる空間実像を発生させるステップと、
    上記中間像が現れる中間像面又はその近傍に配置されたスペックル低減素子越しに当該中間像を捉えるステップと、
    上記スペックル低減素子越しに上記中間像が捉えられる際に、駆動サブシステムを用い当該スペックル低減素子をその素子の光軸に対し平行な方向に沿い運動させるステップと、
    上記スペックル低減素子越しに上記中間像を捉え投射サブシステムを用い投射するステップと、
    を有する光投射方法。
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