JP4664066B2 - ポリ乳酸樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリ乳酸樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、リン系難燃剤、タルク、フッ素系化合物を含有してなる難燃性、耐熱性、機械特性、寸法安定性に優れた樹脂組成物に関するものである。
ポリ乳酸樹脂は、高い融点を持ち、また溶融成形可能であることから、実用上優れた生分解性ポリマーとして期待されている。また、将来的にはバイオ原料から作られる汎用ポリマーとしての利用も期待されている。
しかしながら、ポリ乳酸樹脂は、それ自体燃焼し易いため、電気・電子用途など、難燃性が必要な部材には使用することができなかった。また、ポリ乳酸樹脂は、結晶化速度が遅いため、結晶化させて成形品として用いるには生産性の向上に限界があった。
非特許文献1や特許文献1には、ポリ乳酸繊維に難燃性を与える方法として、特定の難燃剤を吸着、被覆または共重合する方法が開示されているが、その効果は不十分であり、また、これらの方法を電子機器用筐体に用いても、十分な難燃性や機械特性を得ることはできなかった。
また、特許文献2には、ポリ乳酸、難燃剤、ポリ乳酸以外の樹脂からなる樹脂組成物が開示されているが、これを電子機器用筐体特に携帯用電子機器用筐体に適用するためには、筐体の板厚が0.5〜2mmと非常に薄いため、薄肉の電子機器用筐体に必要な難燃性、耐熱性、機械特性、および寸法安定性をすべて満足するためには、さらに改良が必要であった。特に、薄肉の成形品においては成形後に成形品形状が変形したり、寸法が変化したりするなどの問題が起こることがあった。
繊維学会誌55(7)p.290−296(1999) 特開2001−303388号公報(第3−4頁) 特開2004−190026号公報
本発明の目的は、板厚の薄い電子機器用筐体等の用途の成形品に使用する場合、難燃性、耐熱性、機械特性、および寸法安定性に優れた性能を有する樹脂組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、芳香族ポリカーボネート樹脂121〜200重量部、リン系難燃剤25〜55重量部、タルク10〜50重量部、フッ素系化合物0.01〜3重量部、エポキシ化合物0.01〜10重量部を配合してなることを特徴とするものである。
なお、本発明の樹脂組成物においては、上記組成において、リン系難燃剤には、芳香族縮合リン酸エステルが、またフッ素系化合物には、テトラフルオロエチレンが好ましく使用される。
た、ポリ乳酸樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂の合計含量が、リン系難燃剤とタルクの合計含量に対する比を、2.5〜6とすることが好ましく、これらの条件を適用した場合には一層優れた効果の取得を期待することができる。
本発明の樹脂組成物は、特に電子機器用筐体に好ましく使用され、ノートパソコン用筐体として一層優れた性能を発揮することができる。
本発明の樹脂組成物は、優れた難燃性、耐熱性、機械特性、および寸法安定性を有しており、特に薄肉成形品において優れた形状安定性を発揮することができる。この樹脂組成物からなる成形品は、上記の特性を生かして、電気・電子部品、建築部材、自動車部品および日用品など各種用途に有効に利用することができ、特に板厚の薄い電子機器用筐体およびノートパソコン用筐体として有効に利用することができる。
本発明の樹脂組成物に用いられるポリ乳酸樹脂とは、L−乳酸及び/またはD−乳酸を主たる構成成分とするポリマーであるが、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。他のモノマー単位としては、エチレングリコール、ブロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、およびカプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類を挙げることができる。このような他の共重合成分は、全単量体成分に対し、0〜30モル%であることが好ましく、0〜10モル%であることが好ましい。
本発明においては、相溶性の点から、乳酸成分の光学純度が高いポリ乳酸樹脂を用いることが好ましい。すなわち、ポリ乳酸樹脂の総乳酸成分の内、L体が80%以上含まれるかあるいはD体が80%以上含まれることが好ましく、L体が90%以上含まれるかあるいはD体が90%以上含まれることが特に好ましく、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれることが更に好ましく、L体が98%以上含まれるかあるいはD体が98%以上含まれることが更に好ましい。
また、L体が80%以上含まれるポリ乳酸とD体が80%以上含まれるポリ乳酸を併用して用いることも好ましく、L体が90%以上含まれるポリ乳酸とD体が90%以上含まれるポリ乳酸を併用して用いることがさらに好ましい。
ポリ乳酸樹脂は、変性したものを用いてもよく、例えば、無水マレイン酸変性ポリ乳酸樹脂、エポキシ変性ポリ乳酸樹脂、アミン変性ポリ乳酸樹脂などを用いることにより、耐熱性だけでなく、機械特性も向上する傾向にあり好ましい。
ポリ乳酸樹脂の製造方法としては、公知の重合方法を用いることができ、乳酸からの直接重合法、およびラクチドを介する開環重合法などを挙げることができる。
ポリ乳酸樹脂の分子量や分子量分布については、実質的に成形加工が可能であれば特に制限されるものではないが、重量平均分子量としては、通常1万以上、好ましくは4万以上、さらに8万以上であることが望ましい。ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーで測定したポリメチルメタクリレート(PMMA)換算の分子量をいう。
ポリ乳酸樹脂の融点については、特に制限されるものではないが、120℃以上であることが好ましく、さらに150℃以上であることが好ましい。ポリ乳酸の融点は光学純度が高いほど高くなる傾向にあるため、上記融点の高いポリ乳酸は、光学純度の高いポリ乳酸を用いればよい。
本発明の樹脂組成物に使用する芳香族ポリカーボネート樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば芳香族二価フェノール系化合物とホスゲン、または炭酸ジエステルとを反応させることにより得られる芳香族ホモまたはコポリカーボネートなどの芳香族ポリカーボネートが挙げられる。
また、前記の芳香族二価フェノール系化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が使用でき、これら単独あるいは混合物として使用することができる。
芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は特に限定されるものではないが、粘度平均分子量が10000〜60000であることが好ましく、15000〜50000であることがさらに好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の含有量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、121〜200重量部が好ましく、140〜180重量部であることがさらに好ましく、150〜170重量部であることが特に好ましい。芳香族ポリカーボネート樹脂の含有量が上記範囲未満であると、機械特性や耐熱性が不足し、さらに成形品の形状安定性が不十分となる傾向があり好ましくなく、上記範囲を超えると成形時の流動性が低下するため、好ましくない。
本発明の樹脂組成物で用いられるリン系難燃剤は特に限定されることはなく、通常一般に用いられるリン系難燃剤を用いることができ、代表的にはリン酸エステル、縮合リン酸エステル、ポリリン酸塩などの有機リン系化合物や、赤リンが挙げられる。
上記の有機リン系化合物におけるリン酸エステルの具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチルなどを挙げることができる。
また、有機リン系化合物としては、芳香族縮合リン酸エステルを好ましく挙げることができ、特に下記(1)式の芳香族縮合リン酸エステルを挙げることができる。
(上式において、Ar、Ar、Ar、Arは、同一または相異なる、ハロゲンを含有しない芳香族基を表す。また、Xは下記の(2)〜(4)式から選択される構造を示し、下記(2)〜(4)式中、R〜Rは同一または相異なる水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、Yは直接結合、O、S、SO、C(CH、CH、CHPhを表し、Phはフェニル基を表す。また、(1)式のnは0以上の整数である。また、(1)式のk、mはそれぞれ0以上2以下の整数であり、かつ(k+m)は0以上2以下の整数である。)なお、かかる芳香族縮合リン酸エステルは、異なるnや、異なる構造を有する芳香族縮合リン酸エステルの混合物であってもよい。
前記式(1)の式中nは0以上の整数であり、上限は難燃性の点から40以下が好ましい。好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜5である。
またk、mは、それぞれ0以上2以下の整数であり、かつk+mは、0以上2以下の整数であるが、好ましくはk、mはそれぞれ0以上1以下の整数、特に好ましくはk、mはそれぞれ1である。
また前記式(2)〜(4)の式中、R〜Rは同一または相異なる水素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。ここで炭素数1〜5のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基などが挙げられるが、水素、メチル基、エチル基が好ましく、とりわけ水素が好ましい。
またAr、Ar、Ar、Arは同一または相異なる、ハロゲンを含有しない芳香族基を表す。かかる芳香族基としては、ベンゼン骨格、ナフタレン骨格、インデン骨格、アントラセン骨格を有する芳香族基が挙げられ、なかでもベンゼン骨格、あるいはナフタレン骨格を有するものが好ましい。これらはハロゲンを含有しない有機残基(好ましくは炭素数1〜8の有機残基)で置換されていてもよく、置換基の数にも特に制限はないが、1〜3個であることが好ましい。具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ナフチル基、インデニル基、アントリル基などの芳香族基が挙げられるが、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基が好ましく、特にフェニル基、トリル基、キシリル基が好ましい。
本発明の樹脂組成物に使用する芳香族縮合リン酸エステルは、なかでも下記化合物(5)、(6)が好ましく、特に化合物(5)が好ましい。
また、芳香族縮合リン酸エステルの具体例としては、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェートならびにこれらの縮合物などの縮合リン酸エステルを挙げることができる。市販の芳香族縮合リン酸エステルとしては、例えば大八化学社製PX−200、PX−201、PX−202、CR−733S、CR−741、CR747を挙げることができる。
また、有機リン系化合物としては、リン酸、ポリリン酸と周期律表IA族〜IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミンとの塩からなるポリリン酸塩を挙げることもできる。ポリリン酸塩の代表的な塩として、金属塩としてリチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、鉄(II)塩、鉄(III)塩、アルミニウム塩など、脂肪族アミン塩としてメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エチレンジアミン塩、ピペラジン塩などがあり、芳香族アミン塩としてはピリジン塩、トリアジン塩、メラミン塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
また、上記の他、トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート)などの含ハロゲンリン酸エステル、また、リン原子と窒素原子が二重結合で結ばれた構造を有するホスファゼン化合物、リン酸エステルアミドを挙げることができる。
また、赤リンとしては、未処理の赤リンのみでなく、熱硬化性樹脂被膜、金属水酸化物被膜、金属メッキ被膜から成る群より選ばれる1種以上の化合物被膜により処理された赤リンを好ましく使用することができる。熱硬化性樹脂被膜の熱硬化性樹脂としては、赤リンを被膜できる樹脂であれば特に制限はなく、例えば、フェノール−ホルマリン系樹脂、尿素−ホルマリン系樹脂、メラミン−ホルマリン系樹脂、アルキッド系樹脂などが挙げられる。金属水酸化物被膜の金属水酸化物としては、赤リンを被膜できる樹脂であれば特に制限はなく、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンなどを挙げることができる。金属メッキ被膜の金属としては、赤リンを被膜できる樹脂であれば特に制限はなく、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Mn、Ti、Zr、Alまたはこれらの合金などが挙げられる。さらに、これらの被膜は2種以上組み合わせて、あるいは2種以上に積層されていてもよい。
上記リン系難燃剤の中でも、縮合リン酸エステル、ポリリン酸塩、赤リンが好ましく、縮合リン酸エステル、ポリリン酸塩が特に好ましく、縮合リン酸エステルがさらに好ましく、芳香族縮合リン酸エステルが特に好ましい。
リン系難燃剤の含有量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、25〜55重量部であり、30〜45量部がさらに好ましい。リン系難燃剤の含有量が、上記範囲未満であると難燃性が十分でなく、上記範囲を超えると耐熱性が低下したり、成形品の形状安定性が低下したりする傾向があり好ましくない。
本発明の樹脂組成物に使用するタルクとしては、特に制限されるものではないが、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤などの表面処理剤で処理されていてもよい。タルクの平均粒径としては、0.1〜50μmのものが好ましく、さらには0.5〜10μmのものが好ましい。
タルクの含有量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、10〜50重量部であり、20〜40重量部が好ましく、31〜40重量部が特に好ましい。タルクの含有量が、上記範囲未満であると成形品の形状安定性が十分でなく、上記範囲を超えると難燃性が低下したり、衝撃強度が低下する傾向があり好ましくない。
また、本発明の樹脂組成物においては、ポリ乳酸樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂の合計含量を、リン系難燃剤とタルクの合計含量に対する比で、2.5〜6の範囲にすることが好ましく、さらに好ましくは3〜5、特に好ましくは3.4〜5にするとよい。上記の量比は、衝撃強度の面から2.5以上あることが好ましく、難燃性の面から6以下であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物に使用するフッ素系化合物とは、物質分子中にフッ素を含有するフッ素系樹脂である。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/プロピレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ビニリデンフルオライド/エチレン共重合体などが挙げられるが、なかでもポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライドが好ましく、特にポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体が好ましく、さらにはポリテトラフルオロエチレンが好ましい。さらに、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体も好ましく用いられる。
ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系化合物の分子量は10万〜1000万の範囲のものが好ましく、とくに10万〜100万の範囲のものがより好ましい。フッ素系化合物の配合により本発明の樹脂組成物の押出成形性と難燃性にとくに効果がある。
ポリテトラフルオロエチレンの市販品としては、三井・デュポンフロロケミカル(株)製の“テフロン(登録商標)”6−J、“テフロン(登録商標)”6C−J、“テフロン(登録商標)”62−J、旭アイシーアイフロロポリマーズ(株)製の“フルオン”CD1やCD076などが市販されている。また、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体の市販品としては、三菱レイヨン(株)から、“メタブレン(登録商標)”Aシリーズとして市販され、“メタブレン(登録商標)”A−3000、“メタブレン(登録商標)”A−3800などが市販されている。
また、ポリテトラフルオロエチレンの“テフロン(登録商標)”6−Jなどは凝集し易いため、他の樹脂組成物と共にヘンシェルミキサーなどで機械的に強く混合すると凝集により塊が生じる場合があり、混合条件によってはハンドリング性や分散性に課題がある。一方、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体は前記のハンドリング性や分散性に優れ、とくに好ましく用いられる。前記のポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体とは、限定されるものではないが、特開2000−226523号公報で開示されているポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体などが挙げられ、前記の有機系重合体としては芳香族ビニル系単量体、アクリル酸エステル系単量体、およびシアン化ビニル系単量体を10重量%以上含有する有機系重合体などであり、それらの混合物でもよく、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体中のポリテトラフルオロエチレンの含有量は0.1重量%〜90重量%であることが好ましい。
また、フッ素系化合物の含有量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.01〜3重量部であり、0.02〜2重量部が好ましく、0.03〜1重量部がさらに好ましい。フッ素系化合物の含有量が、上記範囲未満であると成形性と難燃性の向上効果が十分でなく、上記範囲を超えても改良効果は頭打ちとなる。
本発明においてはさらにエポキシ化合物を配合する。
本発明で用いるエポキシ化合物としては、単官能のエポキシ化合物であっても2官能以上のエポキシ化合物であってもよいが、グリシジル基を有するエポキシ化合物であることが好ましく、例えばグリシジルエステル化合物、グリシジルエーテル化合物、およびグリシジルエステルエーテル化合物が挙げられる。これらのエポキシ化合物は1種以上で用いることができる。
また、前記のグリシジルエステル化合物としては、限定されるものではないが、具体例として、安息香酸グリシジルエステル、tBu−安息香酸グリシジルエステル、P−トルイル酸グリシジルエステル、シクロヘキサンカルボン酸グリシジルエステル、ペラルゴン酸グリシジルエステル、ステアリン酸グリシジルエステル、ラウリン酸グリシジルエステル、パルミチン酸グリシジルエステル、ベヘン酸グリシジルエステル、バーサティク酸グリシジルエステル、オレイン酸グリシジルエステル、リノール酸グリシジルエステル、リノレイン酸グリシジルエステル、ベヘノール酸グリシジルエステル、ステアロール酸グリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、ビ安息香酸ジグリシジルエステル、メチルテレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、ドデカンジオン酸ジグリシジルエステル、オクタデカンジカルボン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ピロメリット酸テトラグリシジルエステルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を用いることができる。
また、前記のグリシジルエ−テル化合物としては、限定されるものではないが、具体例として、フェニルグリシジルエ−テル、P−フェニルフェニルグリシジルエ−テル、1,4−ビス(β,γ−エポキシプロポキシ)ブタン、1,6−ビス(β,γ−エポキシプロポキシ)ヘキサン、1,4−ビス(β,γ−エポキシプロポキシ)ベンゼン、1−(β,γ−エポキシプロポキシ)−2−エトキシエタン、1−(β,γ−エポキシプロポキシ)−2−ベンジルオキシエタン、2,2−ビス−[р−(β,γ−エポキシプロポキシ)フェニル]プロパンおよびビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタンなどのその他のビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応で得られるジグリシジルエーテルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を用いることができる。
また、好ましく用いられるエポキシ化合物としては、単官能のグリシジルエステル化合物とグリシジルエーテル化合物を併用したエポキシ化合物あるいは単官能のグリシジルエステル化合物、さらに好ましくは、単官能のグリシジルエステル化合物である。エポキシ化合物の配合により、得られる樹脂組成物の粘度安定性と耐加水分解性のバランスに優れている。
また、エポキシ化合物のエポキシ当量は、500未満のエポキシ化合物が好ましく、さらにはエポキシ当量400未満のエポキシ化合物が特に好ましい。ここで、エポキシ当量とは、1グラム当量のエポキシ基を含むエポキシ化合物のグラム数が500未満のエポキシ化合物であり、エポキシ当量は、エポキシ化合物をピリジンに溶解し、0.05N塩酸を加え45℃で加熱後、指示薬にチモールブルーとクレゾールレツドの混合液を用い、0.05N苛性ソーダで逆滴定する方法により求めることができる。
エポキシ化合物の配合量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部であり、0.05〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がさらに好ましい。エポキシ化合物の配合量が0.01重量部より少ないと樹脂組成物の耐加水分解性の改善が十分でなく、また10重量部より多いと溶融粘度が増加し成形性が低下する傾向がある。
本発明においては、さらにタルク以外の無機充填材を配合することができる。本発明で使用する無機充填材としては、通常熱可塑性樹脂の強化に用いられる繊維状、板状、粒状、粉末状のものを用いることができる。具体的には、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、マグネシウム系ウイスカー、珪素系ウイスカー、ワラステナイト、セピオライト、アスベスト、スラグ繊維、ゾノライト、エレスタダイト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維および硼素繊維などの繊維状の無機充填材、ガラスフレーク、非膨潤性雲母、グラファイト、金属箔、セラミックビーズ、クレー、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイトおよび白土などなどの板状や粒状の無機充填材が挙げられる。これらの無機充填材の中では、特に平均粒径は10μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以下である。下限としては、製造時のハンドリング性の点から0.1μm以上の平均粒径であることが好ましく、0.5μm以上の平均粒径であることがより好ましい。
また、繊維状の無機充填材については、アスペクト比(平均長さ/平均径)が3〜50であることが好ましい。
上記の無機充填材は、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆または集束処理されていてもよく、アミノシランやエポキシシランなどのカップリング剤などで処理されていても良い。
また、無機強化材の含有量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.1〜200重量部が好ましく、0.5〜100重量部がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物に対しては、本発明の目的を損なわない範囲で、さらにポリ乳酸樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂を配合することができ、熱可塑性樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、芳香族および脂肪族ポリケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、熱可塑性澱粉樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリエーテルイミド樹脂、およびポリビニルアルコール樹脂などを挙げることができる。
その他にはエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、各種アクリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体およびそのアルカリ金属塩(いわゆるアイオノマー)、エチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体(たとえば、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体)、酸変性エチレン−プロピレン共重合体、ジエンゴム(たとえばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン)、ポリイソブチレン、イソブチレンとブタジエンまたはイソプレンとの共重合体、天然ゴム、チオコールゴム、多硫化ゴム、アクリルゴム、ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴム、エピクロロヒドリンゴムなども挙げられ、更に、各種の架橋度を有するものや、各種のミクロ構造、例えばシス構造、トランス構造等を有するもの、ビニル基などを有するもの、或いは各種の平均粒径(樹脂組成物中における)を有するものや、コア層とそれを覆う1以上のシェル層から構成され、また隣接し合った層が異種の重合体から構成されるいわゆるコアシェルゴムと呼ばれる多層構造重合体なども使用することができ、さらにシリコーン化合物を含有したコアシェルゴムも使用することができる。
また、上記具体例に挙げた各種の(共)重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびグラフト共重合体などのいずれであっても用いることができる。
また、上記の熱可塑性樹脂は、1種で用いても、2種以上併用して用いてもかまわない。
また、上記の熱可塑性樹脂の中では、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン化合物含有コアシェルゴムがさらに好ましく、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン化合物含有コアシェルゴムが特に好ましい。
また、上記の熱可塑性樹脂の含有量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.5〜200重量部であり、1〜100重量部であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物に対しては、本発明の目的を損なわない範囲で、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、離型剤(脂肪酸、脂肪酸金属塩、オキシ脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族部分鹸化エステル、パラフィン、低分子量ポリオレフィン、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、変成シリコーン)などを添加することが好ましく、また染料や顔料を含む着色剤などを添加することもできる。
本発明の樹脂組成物の製造方法については特に限定されるものではないが、例えばポリ乳酸樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、リン系難燃剤、タルク、フッ素系化合物および必要に応じてその他の添加剤を予めブレンドした後、樹脂の融点以上において、1軸または2軸押出機を用いて均一に溶融混練する方法や、溶液中で混合した後に溶媒を除く方法などが好ましく用いられる。
本発明の樹脂組成物の難燃性としては、UL規格での難燃性が厚み1.6mm(1/16インチ)の成形品でV−2、V−1、V−0、5Vの性能を与えることが好ましく、またノートパソコンに使用できるという点からV−1、V−0、5Vの性能を与えることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、難燃性、耐熱性、機械特性、および寸法安定性に優れた特性を有する樹脂組成物である。耐熱性としては、熱変形温度(ASTM法D648、荷重1.82MPa)を70℃以上、機械特性としては引張強度(ASTM法D638)60MPa以上、アイゾット衝撃試験(ASTM法D256ノッチ無し)40kJ/m以上を達成することができる。また、寸法安定性としては、板厚0.8mmの射出成形品に対する70℃、1時間の乾熱処理および60℃、相対湿度95%、1時間の湿熱処理において、ほとんど変形を発生しない優れた特性が得られる。
さらに本発明の樹脂組成物は、上記の特徴に加え射出成形や押出成形などの成形性にも優れ、これらの成形方法によって、各種成形品に加工し利用することができる。
上記の樹脂組成物から得られる本発明の成形品としては、射出成形品、押出成形品、ブロー成形品、フイルム、繊維およびシートなどが挙げられ、特に射出成形品、なかでも薄肉の射出成形品として好適に利用できる。また、これらの成形品は、電気・電子部品、機械部品、光学機器、建築部材、自動車部品および日用品など各種用途に利用することができ、特に電子機器用筐体として有用に利用できる。特に成形品の板厚が薄い携帯用OA機器であるノートパソコン、超小型パソコン、ワープロ用の筐体に好適に使用することができる。
以下に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
[実施例1、参考例1〜8、比較例1〜9]
D体の含有量が1.2%であり、PMMA換算の重量平均分子量が16万であるポリL乳酸樹脂、下記に示す芳香族ポリカーボネート樹脂、リン系難燃剤、タルク、フッ素化合物、エポキシ化合物を、それぞれ表1、表2に示した割合で混合し、30mm径の2軸押出機により、シリンダー温度235℃、回転数150rpmの条件で溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。
なお、表1、表2における芳香族ポリカーボネート樹脂(B)、リン系難燃剤(C)、タルク(D)、フッ素系化合物(E)、エポキシ化合物(F)の符号は、次の内容を示すものである。
B−1:芳香族ポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学(株)製"H4000")
B−2:芳香族ポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学(株)製"S2000")
C−1:芳香族縮合リン酸エステル(大八化学工業(株)製"PX−200")
C−2:芳香族縮合リン酸エステル(旭電化(株)製"FP−700")
C−3:トリフェニルホスフェート(大八化学工業(株)製"TPP")
D−1:タルク(日本タルク(株)製"P−6"、平均粒径約4μm)
D−2:タルク(日本タルク(株)製"MS−P"、平均粒径約12μm)
E−1:テトラフルオロエチレン(三井・デュポンフロロケミカル(株)製"テフロン (登録商標)"6−J)
F−1:ビスフェノールAジグリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン製"エピコート"828)
また、得られた樹脂組成物について、シリンダー温度230℃、金型温度40℃で下記の評価用各種試験片の射出成形を行った。
また、得られた試験片を用い、ASTM法D638に従い引張試験を、ASTM法D256に従いアイゾット衝撃試験(ノッチ無し)を、ASTM法D648に従い熱変形温度(荷重1.82MPa)を測定した。また、射出成形法により作製した127×12.7×0.8mm(5インチ×1/2インチ×1/16インチ)の試験片を用いて、アメリカUL規格サブジェクト94(UL94)の垂直燃焼試験法に準拠して燃焼試験を行い、難燃性を評価した。
また、燃焼試験に使用したものと同じ試験片を70℃で1時間乾熱処理後に成形品を目視で確認し、また、試験片を60℃、相対湿度95%の条件で1時間湿熱処理後に試験片を目視で観察し、以下のように判定した。
○ : ほとんど変形が見られず、寸法安定性に優れる。
△ : 変形が見られる。
× : 大きく変形し、寸法安定性に問題がある。
これらの結果を表1、表2に併せて示す。
また、参考例1及び実施例1の樹脂組成物を用いて得た試験片を60℃、相対湿度95%の条件で100時間処理した後外観を観察すると、参考例1の樹脂組成物を用いたものでは若干のブリード物が見られたのに対して、実施例1の樹脂組成物を用いたものでは、ブリード物は見られなかった。
また、参考例1の樹脂組成物を用いて、シリンダー温度230℃、金型温度40℃でノートパソコン筐体(成形品の平均板厚1.2mm)を射出成形した。射出成形性に問題はなく所望する形状のノートパソコン筐体を得ることができた。
さらに得られた筐体をノートパソコンに取り付け、3ヶ月使用したが、特に問題なく使用できた。

Claims (6)

  1. ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、芳香族ポリカーボネート樹脂121〜200重量部、リン系難燃剤25〜55重量部、タルク10〜50重量部、フッ素系化合物0.01〜3重量部、エポキシ化合物0.01〜10重量部を配合してなる樹脂組成物。
  2. 前記リン系難燃剤が、芳香族縮合リン酸エステルである請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 前記フッ素系化合物が、テトラフルオロエチレンである請求項1〜2のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  4. 前記ポリ乳酸樹脂と前記芳香族ポリカーボネート樹脂の合計含量の、前記リン系難燃剤と前記タルクの合計含量に対する比が、2.5〜6であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる電子機器用筐体。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなるノートパソコン用筐体。
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