JP2012150172A - トナー - Google Patents

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大侍 桂
Emi Watabe
恵美 渡部
Naotaka Ikeda
池田  直隆
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Abstract

【課題】 低温低湿下での高速かつ長期に渡る印字においても、カブリやハーフトーン画像ムラが生じにくく、良好な画像が得られるトナーを得ることを目的とする。
【解決手段】 結着樹脂と着色剤を含有するトナー粒子と、シリカ粒子Aと無機微粉体とを有するトナーにおいて、該シリカ粒子Aは、一次粒子の体積平均粒径(Dv)が70nm以上500nm以下であり、体積粒度分布における変動係数が23%以下であり、平均細孔径が5.0nm以上25.0nm以下であり、細孔径1.7nm以上300.0nm以下の範囲で測定される全細孔容積が0.02cm/g以上1.20cm/g以下であることを特徴とするトナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、複写機やプリンターに代表される電子写真方式の画像形成に使用される静電荷像現像用トナーに関する。
複写機、プリンター、ファクシミリの受信装置などに用いられる電子写真技術は、装置の発展とともに利用者からの要求も年々厳しくなっている。近年の動向では、多数枚印刷が可能であること、また、市場の拡大により使用される環境が広がったことから環境に依存しない安定した画像品質を提供することが強く求められるようになっている。
上記要求を満足させるためには、高耐久且つ高画質であるトナーが従来以上に必要とされており、トナーに用いられるシリカ粒子を改良することで、前記課題を解決する試みが行われている。
特許文献1には、サブミクロンサイズのシリカ粒子を外添剤としてトナーに添加することで、良好な転写性あるいは現像性が得られるということが記載されている。特許文献1においては、ゾルゲル法で製造されたシリカ粒子をトナー粒子に添加し、トナーと感光体との物理的な付着力を引き下げ、転写性を向上させ、高画質化を実現する方法が提案されている。また、特許文献2では、高疎水性のゾルゲル法シリカ粒子をトナーに外添することで、トナーの流動性、定着性、クリーニング性、帯電量の環境安定性を向上させ高画質化を実現する方法が提案されている。
確かにこのような方策により、良好な転写性あるいは現像性が得られる傾向がある。しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、上記技術を低温低湿環境下で高速かつ長寿命のプリンターに適用した場合において、カブリやハーフトーン画像ムラといった画像弊害に改善の余地を残していることがわかった。使用環境に依存しない安定した画像を得るためには、これら技術の更なる改善が必要である。
特開2002−108001号公報 特開2007−99582号公報
本発明の目的は、低温低湿環境下での高速かつ長期に渡るプリントにおいても、カブリやハーフトーン画像ムラが生じにくく、耐久性の良好なトナーを提供することである。
本発明は、結着樹脂と着色剤を含有するトナー粒子と、シリカ粒子Aとを有するトナーであって、該シリカ粒子Aは、一次粒子の体積平均粒径(Dv)が70nm以上500nm以下であり、体積粒度分布における変動係数が23%以下であり、平均細孔径が5.0nm以上25.0nm以下であり、細孔径1.7nm以上300.0nm以下の範囲で測定される全細孔容積が0.02cm/g以上1.20cm/g以下であることを特徴とするトナーに関する。
本発明により、環境安定性、耐久性に優れたトナーが得られる。すなわち、低温低湿下での高速かつ長期に渡るプリントにおいても、カブリやハーフトーン画像ムラが生じにくく、良好な画像が得られるトナーを提供することができる。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、シリカ粒子の粒度分布および細孔形状を適切に制御し、この様なシリカ粒子をトナーに用いることで、低温低湿下での高速かつ長期に渡る印字においても、耐久性が良好なトナーが得られることを見出した。
本発明に用いられるシリカ粒子Aは、体積平均粒径(Dv)が70nm以上500nm以下である大粒径シリカである。シリカ粒子Aの体積平均粒径が500nmより大きい場合には、トナーの流動性を阻害するとともに、トナー表面から脱離し易い傾向を示す。そのため、長期にわたり安定した帯電性、流動性をトナーに付与することができない。さらには脱離したシリカ粒子Aは、現像剤構成材料や画像形成システム部材へ付着、汚染し、帯電特性の低下やそれに伴うカブリの悪化などの悪影響を及ぼす場合がある。一方、体積平均粒径が70nmよりも小さい場合には、大粒径シリカとして十分なスペーサー効果を発揮することができず、転写性の低下やトナー表面劣化が生じる場合がある。シリカ粒子Aの体積平均粒径(Dv)は、80nm以上200nm以下であることが好ましい。
シリカ粒子Aは、体積粒度分布における変動係数が23%以下である。シリカ粒子Aの体積粒度分布における変動係数が上記範囲内であれば、シリカ粒子Aがトナー表面にてより効果的にスペーサー効果を発現することができ、トナーの転写性が向上する。さらには、長期にわたり安定的な帯電性、流動性を有するトナーを得ることができる。変動係数が23%より大きい場合、たとえシリカ粒子の体積平均粒径(Dv)が上記範囲内であっても、シリカ粒子の体積粒径分布においてばらつきが大きい。そのため、シリカ粒子一粒一粒がスペーサー粒子として、効率的に機能せず、転写性が向上しない。また、シリカ粒子一粒一粒のトナーへの帯電性、流動性付与に差が生じることから、帯電分布が広がり、カブリ等が悪化する。そのため長期にわたり安定的な帯電性、流動性、転写性を有するトナーを得ることができない。シリカ粒子Aの体積粒度分布における変動係数は、10%以下であることが好ましい。
<シリカ粒子Aの体積平均粒径及び体積粒度分布における変動係数の測定>
本発明におけるシリカ粒子Aの体積平均粒径及び体積粒度分布における変動係数の測定は、ゼータタイザーNano−ZS(シスメック社製)を用いて行う。変動係数は、半値幅(width)と体積平均粒径を測定し、半値幅の体積平均粒径に対する比率(%)を計算して求める。サンプル調整及び測定条件は以下の通りである。
シリカ粒子A約1mgを純粋20ml中に添加し、ホモジナイザー(SMT社製)を用いて、3分間分散する。シリカ粒子の凝集による影響を小さくするため、分散後すぐに、以下の条件で、体積平均粒径と変動係数を測定する。
〔測定条件〕
・セル:DTS0012−Disposable sizing cuvette
・Dispersant:Water
・Refractive Index:
material:1.460
dispersant:1.330
・Temperature:25℃
・Mesurment duration:
Number of runs:5
Runs duration(Seconds):10
・Result Calculation:General Purpose
本発明は、上記の様な大粒径のシリカ粒子Aにおいて、細孔が特定の状態であることを特徴としている。すなわち、本発明に用いられるシリカ粒子Aは、平均細孔径は5.0nm以上25.0nm以下であり、細孔径1.7nm以上300.0nm以下の範囲で測定される全細孔容積が、0.02cm/g以上1.20cm/g以下である。
この様なシリカ粒子Aを用いることにより得られる本発明の効果について、本発明者らは以下の様に考えている。シリカ粒子は、トナー粒子あるいは摺擦部材等との摺擦により表面が接触帯電する。このとき、シリカ粒子の表面に細孔が存在すると、細孔部の空隙は接触帯電されない。そのため、シリカ粒子の表面において、細孔部の割合(細孔容積)が大きくなるほど、シリカ粒子の帯電性は低くなる。同時に、一度の接触により生じる帯電量が小さくなるため、シリカ粒子表面は電荷の偏りの少ない均一な帯電状態に近づくと考えられる。これにより、特に低温低湿環境下において、本発明のトナーは過帯電が抑えられ、かつ帯電が均一に保たれると考えられる。またこのような細孔による効果は、耐久安定性が高く、耐久後半においても効果を持続できると考えられる。
本発明においては、シリカ粒子の一次粒子の体積平均粒径(Dv)や変動係数が上記の様なシリカ粒子について、細孔径および細孔容積を適切に制御することで、特に低湿環境下でのシリカ粒子の帯電量を適切に制御することができる。これにより、低温低湿下でのトナー帯電量を適切な値に制御することで、トナーの帯電不足や過帯電に起因するカブリやハーフトーン画像ムラといった画像弊害を抑制し、高い耐久性を得ることができる。
シリカ粒子の平均細孔径が5.0nmより小さい場合には、細孔が小さ過ぎるため、空隙による過帯電抑制の効果が小さくなる。これにより、シリカ粒子の帯電量が増加しやすく、トナーの過帯電が発生する傾向がある。このようなトナーは低温低湿環境下での長期使用時に、画像弊害を引き起こしやすい。例えば、非磁性一成分接触現像方式でこの様なトナーを使用する場合には、ハーフトーン画像ムラを引き起こしやすい。これは、過帯電によりトナー担持体上の現像残トナーを、トナー剥離部材で除去することが難しくなるためであると考えられる。トナー担持体上の現像残トナーが増加することで、トナー規制部材で規制されるトナー総量が増加し、均一に規制することが難しくなる。これにより、トナー担持体上のトナーの均一な帯電が難しくなる。その結果、トナー担持体上の帯電ムラが生じ、ハーフトーン画像における濃淡ムラを引き起こすと考えられる。
一方で、シリカ粒子の平均細孔径が25.0nmより大きい場合には、接触面積に対して細孔の大きさが大きく、一度の接触によりシリカ粒子表面に生じる帯電量が不均一になる。そのため、シリカ粒子表面に電荷の偏りが生じやすく、シリカ粒子の帯電量にムラが生じることでトナーの帯電量分布が悪化する。結果として、帯電不足のトナーの量が増加しカブリが悪化する傾向がある。本発明に用いられるシリカ粒子Aの平均細孔径は、15.0nm以上25.0nm以下であることが好ましい。
シリカ粒子の全細孔容積が0.02cm/gより小さい場合には、細孔の数が少ない又は細孔が浅いので、細孔による過帯電抑制の効果を十分に得られない。一方、全細孔容積が1.20cm/gより大きい場合には、シリカ粒子は多孔性であり機械的強度が低くなる。そのため、現像機内での機械的ストレスによりシリカ粒子の細孔がつぶれやすく、長期に渡る使用時においては帯電性を良好に維持することが困難になる。シリカ粒子Aは、細孔径1.7nm以上300.0nm以下の範囲で測定される全細孔容積が、0.05cm/g以上0.40cm/g以下であることが好ましい。
<シリカ粒子の平均細孔径および細孔容積の測定>
本発明におけるシリカ粒子の平均細孔径および全細孔容積は、細孔分布測定装置Tristar3000(島津製作所社製)を用いて、試料表面に窒素ガスを吸着させるガス吸着法により測定する。測定方法は、島津製作所社発行の操作マニュアルに従う。まず、試料管にサンプル約0.5gを入れ、100℃で24時間真空引きを行う。真空引き終了後サンプル重量を精秤し、サンプルを得る。得られたサンプルから、上記細孔分布測定装置を用いて、BJH吸着法により、平均細孔径および細孔径1.7nm以上300.0nm以下の範囲における全細孔容積を求めることができる。測定に必要な密度の値には、乾式密度計アキュピック1330(島津製作所製)を用いて測定される真密度の値を用いる。
以上のように、大粒径のシリカ粒子において、細孔部の存在状態を制御することで、シリカ粒子の帯電性を適切に制御することができ、これを用いたトナーは、低温低湿下での高速かつ長期に渡る印字においても、良好な現像性を維持することが可能になる。
シリカ粒子Aを疎水化処理する方法は、特に制限されず、公知の方法を用いる事が可能である。シリカ粒子の疎水化処理方法としては、シリカ粒子に疎水化処理剤を乾式で処理する方法や、水や有機化合物等の溶媒に浸漬し、シリカ粒子に疎水化処理剤を湿式で処理する方法が挙げられる。
中でも、乾式による疎水化処理方法が、シリカ粒子の凝集を防止しつつ、トナーに優れた流動性を付与することができる点で好ましい。乾式による疎水化処理方法としては、シリカ粒子を撹拌しながら、疎水化処理剤を噴霧して処理する方法や、疎水化処理剤の蒸気を流動床や撹拌下のシリカ粒子へ導入する方法が挙げられる。
シリカ粒子の疎水化処理剤としては、以下のものが挙げられる。メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン等のクロロシラン類;テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシラン類;ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、へキサプロピルジシラザン、ヘキサブチルジシラザン、ヘキサペンチルジシラザン、ヘキサヘキシルジシラザン、ヘキサシクロヘキシルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジメチルテトラビニルジシラザン等のシラザン類;ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、クロロアルキル変性シリコーンオイル、クロロフェニル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、及び、末端反応性シリコーンオイル等のシリコーンオイル;ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン等のシロキサン類;脂肪酸及びその金属塩として、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などの長鎖脂肪酸、前記脂肪酸と亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムなどの金属との塩。これらのうち、アルコキシシラン類、シラザン類、ストレートシリコーンオイルは疎水化処理を実施しやすいので、好ましく用いられる。このような疎水化処理剤は単独で、あるいは、2種類以上を混合して用いることができる。また、上記疎水化処理剤を順次段階的に用いてシリカ粒子を表面処理し、用途に応じて要求される疎水性、流動性等を達成することができる。
疎水化処理剤のシリカ粒子Aへの処理量としては、疎水化処理剤由来の炭素量が4.5質量%以下になることが好ましい。上記炭素量が上記の範囲内であれば、疎水化処理剤の使用量が好適であり、シリカ粒子の流動性の低下が防止される。一方、疎水化処理剤由来の炭素量が多いと、シリカ粒子の表面における処理剤の量が過剰になってしまうため、シリカ粒子Aの有する細孔の特性が表れにくくなってしまう。その結果、トナーの帯電均一性が低下してしまう。上記炭素量は、1.0質量%以下であることがさらに好ましく、0.08質量%以下であることが特に好ましい。
<シリカ粒子の炭素量の測定方法>
シリカ粒子の炭素量は、炭素・硫黄分析装置(HORIBA社製EMIA−320)を用いて測定する。上記測定装置用ルツボに、サンプル約0.3gを正秤し、助燃剤としてスズ(補用品番号9052012500)0.3g±0.05g、タングステン(補用品番号9051104100)1.5g±0.1gを添加する。その後、測定装置付属の取り扱い説明書記載に従い、シリカ粒子の疎水化処理剤由来の表面疎水基を1100℃、酸素雰囲気中にてCOに熱分解する。その後、得られたCOの量からシリカ粒子Aの含有する炭素量を求める。
シリカ粒子Aは、疎水化処理剤のシリカ粒子Aへの固定化率が、90%以上であることが好ましい。固定化率が上記の範囲内であれば、環境によらず、良好な帯電性、流動性、転写性をトナーに与えることができる。
<シリカ粒子の疎水化処理剤の固定化率の測定方法>
疎水化処理剤のシリカ粒子への固定化率は、以下の方法によって測定した。三角クフラスコにシリカ微粒子0.50g、クロロホルム40mlを入れ、フタをして2時間撹拌する。その後、撹拌を止めて、12時間静置し、その後、遠心分離して上澄み液を全て取り除く。遠心分離は、遠心分離機H−9R(KOKUSAN社製)にてBn1ロータ及びBn1ロータ用ポリ遠沈管を用い、20℃、10000rpm、5分の条件で行う。
遠心分離されたシリカ粒子を再度三角フラスコに入れ、クロロホルム40mlを添加し、フタをして2時間撹拌する。その後、撹拌を止めて、12時間静置し、その後、遠心分離して上澄み液を全て取り除く。この操作をさらに2回繰り返す。そして、得られたサンプルを、恒温槽を用いて50℃にて2時間乾燥する。さらに0.07MPaに減圧し50℃で24時間乾燥し、クロロホルムを十分揮発させる。
上記の様にクロロホルムにより処理したシリカ粒子の炭素量と、クロロホルムによる処理をする前のシリカ粒子とを、上記“シリカ粒子の炭素量の測定方法”で記載した方法で測定し、以下の式を用いて固定化率を算出する。
シリカ粒子の疎水化処理剤の固定化率(%)=(クロロホルムにより処理したシリカ粒子の炭素量/シリカ粒子の炭素量)×100
以下、シリカ粒子Aの製造方法について説明する。本発明のシリカ粒子Aは、前述した体積平均粒子径(Dv)、体積粒度分布における変動係数、細孔径および細孔容積が本願規定の範囲内であれば、特に製造方法には制限されない。シリカ粒子の製造方法としては、シラン化合物を燃焼させて得られる燃焼法(即ち、ヒュームドシリカの製造方法)、金属珪素粉を爆発的に燃焼させて得られる爆燃法、珪酸ナトリウムと鉱酸との中和反応によって得られる湿式法(このうちアルカリ条件で合成したものを沈降法、酸性条件で合成したものをゲル法という)、ヒドロカルビルオキシシランなどのアルコキシシランの加水分解によって得られるゾルゲル法(いわゆるStoeber法)が挙げられる。その中でも、100nm前後の体積平均粒子径(Dv)を有するシリカ粒子を製造する方法として、粒度分布が他の方法に比べてシャープ化できるゾルゲル法が好ましい。
ゾルゲル法によるシリカ粒子の製造方法について、以下説明する。まず、水が存在する有機溶媒中において、アルコキシシランを触媒により加水分解、縮合反応させて、シリカゾル懸濁液を得る。そして、シリカゾル懸濁液から溶媒を除去し、乾燥して、シリカ粒子を得る。本発明者らは、この際の反応条件を制御することで、シリカ粒子の表面細孔状態を上述の範囲に制御可能であることを見出した。例えば、反応時間を短くした場合など、縮合反応が進みにくい条件では、乾燥時の収縮が起こりやすく、細孔径・細孔容積が小さくなる傾向がある。
このようにして得られるシリカ粒子は通常親水性であり、表面シラノール基が多い。そのため、300℃から500℃にて加熱処理することにより、シリカ粒子のシラノール基を脱水縮合させる事が好ましい。これによって、シリカ粒子のシラノール基を脱水縮合させて、シラノール基の量を減らすことができ、シリカ粒子の吸湿を抑制することができる。
シリカ粒子を疎水化処理剤にて処理する場合、300℃から500℃での加熱処理のタイミングは、疎水化処理の前でも、後でも、同時でもよい。しかし、疎水化処理後に加熱処理した場合、疎水化処理剤が熱分解し、前述した疎水化処理剤の固定化率を得ることが出来ない場合があるため、加熱処理は疎水化処理する前に行うことが好ましい。
さらに、シリカ粒子Aをトナー粒子表面に単分散させやすくしたり、安定したスペーサー効果を発揮させたりするために、シリカ粒子Aが解砕処理をされたものであってもよい。解砕処理のタイミングとしては、疎水化処理剤で表面処理をする前に解砕処理を行う事が、疎水化処理剤でシリカ粒子表面を均一に処理する事ができる点で好ましい。
シリカ粒子Aのトナーへの添加量(外添量)としては、トナー粒子100質量部に対して、0.01質量部以上2.50質量部以下が好ましい。シリカ粒子Aの添加量が上記範囲内であれば、上述したシリカ粒子Aの効果が良好に発揮される。シリカ粒子Aのトナーへの添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.10質量部以上2.00質量部以下であることがより好ましい。
本発明のトナーの重量平均粒径(D4)は、4.0μm以上9.0μm以下であることが好ましい。好ましくは5.0μm以上7.5μm以下である。トナーの重量平均粒径が上記範囲内であれば、シリカ粒子Aがトナー上に均一かつ適切量存在することが可能になる。これにより、シリカ粒子Aの細孔による効果が得られやすく、過帯電が抑制され、カブリの悪化やハーフトーン均一性の低下が防止される。
<重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
本発明のトナーは、一種以上の離型剤を含有していることが好ましい。トナー中に含まれる離型剤は総量で、トナー粒子100質量部中に2.5質量部以上25.0質量部以下含有されることが好ましい。また、トナー粒子中に含まれる離型剤の総量は、4.0質量部以上20質量部以下であることがより好ましく、6.0質量部以上18.0質量部以下であることがさらに好ましい。特に定着性と現像性を共に高いレベルで維持向上させるためには、離型剤を多量に添加した系に上記のシリカ粒子Aを添加したトナーが有効となる。離型剤としては、以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプッシュワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの;パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
トナーの結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニル;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂。これらの樹脂は、単独で又は混合して使用される。
本発明に用いられるトナー粒子は、公知の粉砕法及び重合法を用いて製造することが可能である。特に重合法は、粉砕法と比較して、真球に近く表面の凹凸が少ないトナー粒子を得ることができるため、シリカ粒子Aの転写性付与の効果を相乗的に発現することができる点で好ましい。重合法の中でも、特に懸濁重合法によってトナー粒子を得ることが好ましい。以下、懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法を説明する。重合性単量体、着色剤及び離型剤、更に必要に応じた他の添加剤などを含有する重合性単量体組成物を、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機等の分散機によって溶解または分散させ、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。そして、重合開始剤を用いて、重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合し、トナー粒子を作成する。重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。また、造粒直後で且つ重合反応を開始する前に、重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることもできる。
重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することができる。単官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン等のスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート等のアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレート等のメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン等のビニルケトン。
多官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
単官能性重合性単量体は、単独で或いは2種以上組み合わせて、又は、多官能性重合性単量体と組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。油溶性開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等のパーオキサイド系開始剤。水溶性開始剤としては、以下のものが挙げられる。過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素。また、重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
着色剤には、以下に示す黒色、イエロー、マゼンタ及びシアン着色剤を用いることができる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体を用いることができる。また、下記色材を混合させて色味やトナー抵抗を調整することもできる。
顔料系のイエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3、7、10、12、13、14、15、17、23、24、60、62、74、75、83、93、94、95、99、100、101、104、108、109、110、111、117、123、128、129、138、139、147、148、150、155、166、168、169、177、179、180、181、183、185、191:1、191、192、193、199が挙げられる。染料系のイエロー着色剤としては、C.I.solvent Yellow33、56、79、82、93、112、162、163、C.I.disperse Yellow42、64、201、211が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレッド19が挙げられる。
シアン着色剤としては、フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が挙げられる。
着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明において、着色剤は、色相角、彩度、明度、耐侯性、OHT透明性、トナー中への分散性の点から選択される。着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナーの帯電性を安定に保つためには、トナーに荷電制御剤を用いることが好ましい。負荷電性の荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤。正荷電性の荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;樹脂系帯電制御剤。これらを単独で或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。
中でも、荷電制御剤としては、含金属サリチル酸系化合物が良く、特にその金属がアルミニウムもしくはジルコニウムのものが良い。特に好ましい制御剤は、サリチル酸アルミニウム化合物である。荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部当たり0.01質量部以上20.00質量部以下が好ましい。より好ましくは、0.50質量部以上10.00質量部以下使用するのが良い。
本発明のトナーには、帯電安定性、現像性、流動性、転写性等を向上し、より長期にわたり安定した高画質を得るために、シリカ粒子A以外の無機微粉体を外添することが好ましい。無機微粉体としては、シリカ、アルミナ、チタニアなどの金属酸化物及びそれらの複合酸化物、フッ化カーボンなどが挙げられ2種以上を併用してもよい。特に、シリカ、アルミナ、チタニア及びそれらの複合酸化物が、トナーの流動性及び帯電性を良好に維持し且つトナー粒子への吸着性能が高いといった点で好ましい。
無機微粉体の添加量としては、トナー粒子100質量部に対し0.01質量部以上3.0質量部以下が好ましく、0.5質量部以上2.5質量部以下がより好ましい。無機微粉体の添加量が3.0重量部より多い場合には、シリカ粒子Aがトナーから脱離しやすくなる傾向がある。脱離したシリカ粒子により、現像剤構成材料や画像形成システム部材が汚染され、トナーの帯電特性の低下やそれに伴うカブリの悪化などの悪影響を及ぼす場合がある。無機微粉体の平均一次粒径は、5nm以上70nm以下であることが好ましい。無機微粉体の平均一次粒径が上記の範囲内であり、且つ添加量が上記の範囲内であれば、トナー粒子表面を無機微粉体が適切に被覆することができる。これによって、トナー粒子を被覆する無機微粉体とシリカ粒子Aとの接触が頻繁になり、トナーの帯電均一性を良化させる効果を得やすい。無機微粉体の添加量はシリカ粒子Aの添加量に比べて多いことが好ましい。これによって、シリカ粒子Aと無機微粉体との相乗効果によりトナーの帯電均一性を、長期にわたり良好に維持することができる。
〔無機微粉体の平均一次粒径の測定方法〕
無機微粉体の平均一次粒径は、無機微粉体を透過電子顕微鏡で観察し、3万乃至5万倍に拡大した視野中において、長径が1nm以上の一次粒子300個について、その長径の平均値を算出したものである。なお、5万倍の拡大倍率において、粒径測定ができないほどサンプリングした粒子が小さい場合には、拡大写真を測定サンプル実測粒径が5mm以上になるようにさらに拡大して測定を行う。
無機微粉体は、疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理の方法や疎水化処理剤については、シリカ粒子Aを疎水化処理する場合と同様である。
トナーに添加される、シリカ粒子A及び無機微粉体の総量は、トナー粒子100質量部に対し0.5質量部以上4.5質量部以下が好ましく、0.8質量部以上3.5質量部以下がより好ましい。シリカ粒子A及び無機微粉体の総添加量が上記範囲内であれば、トナーの流動性が十分に得られ、トナーの帯電性の低下に伴うカブリ悪化を防止することができる。
無機微粉体の他、荷電制御性粒子、研磨剤、ケーキング防止剤など公知の外添剤を用いても良い。荷電制御性粒子としては、金属酸化物(酸化錫、チタニア、酸化亜鉛、シリカ、アルミナなど)・カーボンブラックが挙げられる。研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)が挙げられる。ケーキング防止剤;酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズ等の導電性付与剤;現像性向上剤が挙げられる。
また、部材汚染を軽減させるために、滑剤を用いることもできる。滑剤としては、フッ素系樹脂粉末(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど)・脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)が挙げられる。上記のうち、ステアリン酸亜鉛が好ましく用いられる。これら荷電制御性粒子、研磨剤、ケーキング防止剤などの添加量(シリカ粒子Aや上記の無機微粉体を除く)としては、トナー粒子100質量部に対して0.01質量部以上2.50質量部以下が好ましく、より好ましくは0.10質量部以上2.00質量部以下である。
本発明のトナーは、高速システム用トナー、オイルレス定着用トナー、クリーナーレスシステム用トナー、長期使用によって劣化した現像器内のキャリアを順次回収し、フレッシュなキャリアを補給していく現像方式用トナーとして用いることができる。また、公知の一成分現像方式、ニ成分現像方式を用いた画像形成方法に適用可能である。特に、本発明のトナーは、非常に転写性が良く、長期にわたり安定した画像を得ることができることから、一成分現像方式、ニ成分現像方式問わず、中間転写体を有する画像形成方法、クリーナーレスシステムを有する画像形成方法に対して好適に用いることができる。
本発明のトナーを二成分現像剤として用いる場合には、フルカラー、モノクロ問わず用いることができる。オートリフレッシュ画像形成方法用二成分系現像剤、高速システム画像形成方法用二成分系現像剤、オイルレス定着画像形成方法用二成分系現像剤、クリーナーレス画像形成方法用二成分系現像剤、TACT画像形成方法用二成分系現像剤、補給用現像剤を空気流を用いて現像装置に供給する画像形成方法用二成分系現像剤等、公知の現像方法に適用可能である。
[シリカ粒子1の作製]
攪拌機、滴下ろうと及び温度計を備えた3Lのガラス製反応器に、メタノール687.9g、純水42.0g及び28質量%アンモニア水47.1gを入れて混合した。得られた溶液を35℃となるように調整し、攪拌しながらテトラメトキシシラン1100.0g(7.23mol)および5.4質量%アンモニア水395.2gを同時に添加し始めた。テトラメトキシシランは5時間かけて、アンモニア水は4時間かけて、それぞれを滴下した。滴下が終了した後も、さらに0.2時間攪拌を継続して加水分解を行うことにより、親水性球状ゾルゲルシリカ微粒子のメタノール−水分散液を得た。次いで、ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管とを取り付け、前記分散液を65℃に加熱してメタノールを留去した。その後、留去したメタノールと同量の純水を添加した。この分散液を80℃、減圧下で十分乾燥させた。得られたシリカ粒子を、恒温槽にて400℃で10分間加熱した。上記工程を20回実施し、得られたシリカ粒子を、パルベライザー(ホソカワミクロン社製)にて解砕処理を行った。
その後、シリカ粒子500gを内容積1000mlのポリテトラフルオロエチレン内筒式ステンレスオートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を400rpmで回転させながら、0.5gのHMDS(ヘキサメチルジシラザン)及び0.1gの水を、二流体ノズルにて霧状にしてシリカ粉末に均一に吹き付けた。30分間撹拌した後、オートクレーブを密閉し、200℃で2時間加熱した。続いて、加熱したまま系中を減圧して脱アンモニアを行い、シリカ粒子1を得た。シリカ粒子1の各物性を表2に示す。
[シリカ粒子2乃至16の作製]
シリカ粒子1の作製工程において、初期の反応器中のメタノール量、テトラメトキシシランおよび28質量%アンモニア水の滴下時間、適下後の攪拌継続時間、メタノール留去時の加熱温度を表1のように変更した。それ以外はシリカ粒子1の作製工程と同様にして、シリカ粒子2乃至16を得た。シリカ粒子2乃至16の各物性を表2に示す。
[シリカ粒子17の作製]
燃焼法により体積平均粒径(Dv)90nmのシリカ粒子(ヒュームドシリカ)を作製した。体積粒度分布における変動係数は、35%であった。これを、分級し、体積平均粒径(Dv)100nm、体積粒度分布における変動係数21%のシリカ粒子を得た。これをシリカ粒子1と同様にHMDSにて表面処理し、シリカ粒子17を得た。シリカ粒子17の各物性を表2に示す。
[シリカ粒子18の作製]
特開昭60−255602号公報記載の方法に準じ、金属ケイ素を原料として爆燃により体積平均粒径(Dv)150nmのシリカ粒子を作成した。体積粒度分布における変動係数は30%であった。これを、分級し、体積平均粒径(Dv)120nm、体積粒度分布における変動係数21%のシリカ粒子を得た。これをシリカ粒子1と同様にHMDSにて表面処理し、シリカ粒子18を得た。シリカ粒子18の各物性を表2に示す。
[シリカ粒子19乃至25の作製]
シリカ粒子1の作製工程において、初期の反応器中のメタノール量、テトラメトキシシランおよび28質量%アンモニア水の滴下時間、適下後の攪拌継続時間、メタノール留去時の加熱温度を表1のように変更した。それ以外は、シリカ粒子1の作製工程と同様にして、シリカ粒子19乃至25を得た。シリカ粒子19乃至25の各物性を表2に示す。
[荷電制御樹脂の作製]
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管、滴下装置及び減圧装置を備えた加圧可能な反応容器に、溶媒としてメタノール250質量部、2−ブタノン150質量部及び2−プロパノール100質量部、モノマーとしてスチレン77質量部、2−エチルヘキシルアクリレート15質量部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸8質量部を添加し、撹拌しながら還流温度まで加熱した。重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下して5時間撹拌を継続した。更にt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下して、5時間撹拌して重合を終了した。温度を維持したまま脱イオン水を500質量部添加し、有機層と水層の界面が乱れないように毎分100回転で2時間撹拌した。その後、30分静置して分層した後に、水層を廃棄して有機層に無水硫酸ナトリウムを添加し、脱水した。
次に、重合溶媒を減圧留去した後に得られた重合体を150メッシュのスクリーンを装着したカッターミルを用いて100μm以下に粗粉砕した。得られた硫黄原子を有する荷電制御樹脂1は、Tg=58℃、Mp=13,000、Mw=30,000であった。
<実施例1>
[トナー1の作製]
スチレン単量体100質量部に対して、C.I.Pigment Blue15:3を16.5質量部、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物〔ボントロンE88(オリエント化学工業社製)〕を3.0質量部用意した。これらを、アトライター(三井鉱山社製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズ(140質量部)を用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、マスターバッチ分散液1を調製した。一方、イオン交換水710質量部に0.1M−NaPO水溶液450質量部を投入し、60℃に加温した後、1.0M−CaCl水溶液67.7質量部を徐々に添加してリン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
・マスターバッチ分散液1 40質量部
・スチレン単量体 28質量部
・n−ブチルアクリレート単量体 18質量部
・低分子量ポリスチレン 20質量部
(Mw=3,000、Mn=1,050、Tg=55℃)
・炭化水素系ワックス 9質量部
(フィッシャートロプシュワックス、最大吸熱ピークのピーク温度=78℃、Mw=750)
・荷電制御樹脂1 0.3質量部
・ポリエステル樹脂 5質量部
(テレフタル酸:イソフタル酸:プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物):エチレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)=30:30:30:10の重縮合物、酸価11、Tg=74℃、Mw=11,000、Mn=4,000)
上記材料を65℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5,000rpmにて均一に溶解し分散した。これに、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液7.1質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度65℃、N雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10,000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度67℃に昇温し、重合性ビニル系単量体の重合転化率が90%に達したところで、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加して水系分散媒体のpHを9に調整した。更に昇温速度40℃/hで80℃に昇温し4時間反応させた。重合反応終了後、減圧下でトナー粒子の残存モノマーを留去した。水系媒体を冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、6時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解した。トナー粒子を濾別し水洗を行った後、温度40℃にて48時間乾燥し、シアン色のトナー粒子1を得た。
100質量部のトナー粒子1に対し、0.8質量部のシリカ粒子1とシリコーンオイルで表面処理されたシリカ微粉体1.0質量部(数平均一次粒子径:12nm)を、ヘンシェルミキサーFM10B(三井鉱山社製)を用いて、4000rpmで5分間乾式混合して、トナー1を得た。トナー1に対して、下記の画像評価方法に従って評価を行った。得られた評価結果を表3に示す。
[画像評価]
画像形成装置としては、市販のレーザプリンタLBP−4700(HP社製)の改造機を使用した。プロセススピードを240mm/secとし、トナー規制部材として、厚み8μmのSUSブレードを用い、トナー規制部材に現像バイアスに対して−200Vのブレードバイアスを印加できるように改造したものである。上記トナー1(215g)をシアンカートリッジに充填したものを上記プリンターのシアンステーションに装着し、その他にはダミーカートリッジを装着し、画像出力試験を実施した。
低温低湿環境下(温度15.0℃,湿度10%RH)において、初期、1%の印字率の画像を1万枚印字後及び2万枚印字後に、下記の評価を行った。耐久紙としては、LETTERサイズのXEROX4200紙(XEROX社製、75g/m)を使用した。
(ハーフトーン均一性)
ハーフトーン(30H)画像を出力し、この30H画像の濃度ムラを目視にて観察し、以下の基準に基づき評価した。30H画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hをベタ白とし、FFHをベタ黒とする時のハーフトーン画像である。評価紙としては、LETTERサイズのXEROX4200紙(XEROX社製、75g/m)を使用した。
ランクA:画像の均一性が非常に優れ、極めて鮮明な画像である。
ランクB:画像の均一性に優れ、良好な画像である。
ランクC:実用的には問題の無い画質である。
ランクD:画像の均一性が悪く、実用上好ましくない画像である。
(カブリ)
全面白画像をプロセススピード:120mm/secで出力した。「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)にAmberフィルターをセットし、プリントアウト画像の非画像部の反射率(%)を測定した。得られた反射率を、同様にして測定した未使用のプリントアウト用紙(標準紙)の反射率(%)から差し引いた数値(%)を用いて評価した。数値が小さい程、画像カブリが抑制されていることになる。評価紙としてLETTERサイズのHP ColorLaser Phot Paper, Glossy(HP社製、220g/m)を使用した。
ランクA:反射率の差が、0.5未満である。
ランクB:反射率の差が、0.5以上1.0未満である。
ランクC:反射率の差が、1.0以上2.0未満である。
ランクD:反射率の差が、2.0以上である。
(転写効率)
感光体上から転写紙上への転写効率を測定した。10cmのベタ画像を感光体上に形成し、感光体上のトナーの重量(W1)と、転写後の紙上のトナーの重量(W2)を測定し、両者の比:W2/W1×100(%)より転写効率を算出した。転写紙としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m)を用いた。
ランクA:転写効率が、92%以上である。
ランクB:転写効率が、90%以上92%未満である。
ランクC:転写効率が、88%〜90%未満である。
ランクD:転写効率が、88%未満である。
<実施例2乃至18>
[トナー2乃至18の作製]
トナー1の作製工程において、シリカ粒子1をシリカ粒子2乃至18に変更した。それ以外は、トナー1の作製工程と同様にして、トナー2乃至18を得た。トナー2乃至18に対して、トナー1と同様にして評価を行った。得られた評価結果を表3に示す。
<実施例19>
[トナー19の作製]
トナー1の作製工程において、シリカ粒子1の添加量を1.0質量部に変更し、シリカ微粉体の添加量を0.8質量部に変更した。それ以外は、トナー1の作製工程と同様にして、トナー19を得た。トナー19に対して、トナー1と同様にして評価を行った。得られた評価結果を表3に示す。
<比較例1乃至7>
[トナー20乃至26の作製]
トナー1の作製工程において、シリカ粒子1をシリカ粒子19乃至25に変更した。それ以外は、トナー1の作製工程と同様にして、トナー20乃至26を得た。トナー20乃至26に対して、トナー1と同様にして評価を行った。得られた評価結果を表3に示す。
実施例1乃至19では、全ての評価において、良好な結果が得られた。一方、比較例1乃至7では、いずれかの評価項目においてD以下の評価があった。すなわち、低温低湿環境下での高速プリントにおいて、本願発明ほどの効果が見られなかった。

Claims (3)

  1. 結着樹脂と着色剤を含有するトナー粒子と、シリカ粒子Aとを有するトナーであって、
    該シリカ粒子Aは、一次粒子の体積平均粒径(Dv)が70nm以上500nm以下であり、体積粒度分布における変動係数が23%以下であり、平均細孔径が5.0nm以上25.0nm以下であり、細孔径1.7nm以上300.0nm以下の範囲で測定される全細孔容積が0.02cm/g以上1.20cm/g以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記シリカ粒子Aは、一次粒子の体積平均粒径(Dv)が80nm以上200nm以下であり、体積粒度分布における変動係数が10%以下であり、平均細孔径が15.0nm以上25.0nm以下であり、細孔径1.7nm以上300.0nm以下の範囲で測定される全細孔容積が0.05cm/g以上0.40cm/g以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記シリカ粒子Aが、ゾルゲル法により製造されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
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