JP2012125974A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別な装置やセンサーなどを用いることなく、記録ヘッドと記録媒体との間の距離の調整量を求めることができるインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】記録ヘッドと記録媒体との間の距離hと、記録ヘッドから吐出されるインク滴D1,D2の吐出速度V1,V2と、インク滴D1,D2の吐出タイミングの時間差ΔTと、インク滴D1,D2が記録媒体上に着弾する位置と、の関係を利用する。時間差ΔTを可変設定し、インク滴D1によって第1のパターンを記録し、インク滴D2によって第2のパターンを記録する。記録された第1および第2のパターンの位置関係から、記録ヘッドと記録媒体との間の距離hの変化量(所定の基準距離からのずれ量)、つまり紙間距離の調整量を求める。
【選択図】図5
【解決手段】記録ヘッドと記録媒体との間の距離hと、記録ヘッドから吐出されるインク滴D1,D2の吐出速度V1,V2と、インク滴D1,D2の吐出タイミングの時間差ΔTと、インク滴D1,D2が記録媒体上に着弾する位置と、の関係を利用する。時間差ΔTを可変設定し、インク滴D1によって第1のパターンを記録し、インク滴D2によって第2のパターンを記録する。記録された第1および第2のパターンの位置関係から、記録ヘッドと記録媒体との間の距離hの変化量(所定の基準距離からのずれ量)、つまり紙間距離の調整量を求める。
【選択図】図5
Description
本発明は、インクを吐出可能な記録ヘッドを用いて画像を記録するインクジェット記録装置に関するものである。
インクジェット記録装置は、ノズルからインクを吐出可能な記録ヘッドと、記録媒体と、を相対移動させつつ、画像データに基づいて記録ヘッドからインクを吐出することにより、記録媒体上に画像を記録する。このようなインクジェット記録装置によって高品質な画像を記録するためには、記録ヘッドのノズル先端と記録媒体との間の距離(以下、「紙間距離」ともいう)を所定の範囲内に保つことが重要である。
紙間距離が小さ過ぎた場合には、記録ヘッドと記録媒体とが接触して、記録画像が乱れるおそれがある。しかも、記録ヘッドから吐出されたインクが記録媒体上に着弾する際に、そのインクの一部が着弾の衝撃で飛び散って記録ヘッドのノズル形成面(ノズルが形成される面)に付着するおそれがある。ノズル形成面に付着したインクは、ノズルのインク吐出不良を生じさせて、画像品位を著しく低下させるおそれがある。それを回避するためには、記録ヘッドのノズル形成面を清掃する回復処理を頻繁に行う必要があり、その場合には生産性の低下を招く。
一方、紙間距離が大き過ぎた場合には、ノズルから吐出されたインクは、記録媒体に着弾するまでの間に受ける空気抵抗の影響により、その飛翔速度が大きく減速される。その場合、ノズルから吐出されたインクは、記録ヘッドと記録媒体との相対移動に起因して発生する記録ヘッドと記録媒体間との間の空気の乱れの影響を大きく受ける。そのため、ノズルから吐出されたインクは、記録媒体上の正規な位置に着弾することができなくなって、着弾位置のずれ(着弾ずれ)が生じるおそれがある。このような着弾ずれは、記録画像の品位を著しく低下させるおそれがある。また、ノズルから吐出されたインクが主滴と、それよりも小さい副滴(サテライト)と、***する場合、紙間距離が大き過ぎると、小さな副滴は、記録ヘッドと記録媒体間との間の空気の乱れの影響をより大きく受ける。そのため、その副滴は、記録媒体に到達できずに記録装置内を浮遊し、その後、記録装置内部に付着して、機内の汚れや動作不良を引き起こすおそれがある。
通常、このような紙間距離は記録装置の製造工程において調整される。また、ユーザーの使用条件や経時変化により、紙間距離が好ましい範囲を外れるおそれもあるため、紙間距離の補正機構を備えた記録装置もある。
例えば、特許文献1には、紙間距離を調整するための調整機構と、紙間距離を表示するための表示機構と、を備えた記録装置が記載されており、特許文献2には、紙間距離を光学的に検出するためセンサーを備えた記録装置が記載されている。また、特許文献3には、記録動作時に記録ヘッドが固定されているフルラインタイプの記録装置において、記録媒体を異なる速度で搬送させながら記録したパターンから、紙間距離を検出する構成が記載されている。
特許文献1に記載の記録装置は、紙間距離の調整時以外は表示機構が不要であるにも拘らず、その表示機構を記録ヘッド近傍に配備する必要があるため、記録ヘッドが装着されるホルダーの大型化と重量増は避けられず、結果的に記録装置の大型化を招く。特許文献2に記載の記録装置は、センサーを構成する発光素子の発光量を安定化させるための構成が必要となり、またセンサー毎に検出特性の補正が必要な場合が多く、記録装置の製造工程が増大する。また、記録媒体の表面による光の反射状態がセンサーの検出結果に大きく影響するため、記録媒体の種類毎にセンサーの検出特性を補正する必要があり、その補正が適正に行われなかった場合には、紙間距離の正確な測定ができなくなる。特許文献3に記載の記録装置は、複数の記録ヘッド間における紙間距離の相対的な差は検出できるものの、それぞれの記録ヘッド毎の紙間距離を検出することはできない。
本発明の目的は、特別な装置やセンサーなどを用いることなく、記録ヘッドと記録媒体との間の距離の調整量を求めることができるインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明のインクジェット記録装置は、インクを吐出可能な複数のノズルを有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドと対向する記録媒体と、を相対移動させつつ、前記複数のノズルからインクを吐出することにより画像を記録するインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドと前記記録媒体とが所定の速度で相対移動しているときに、第1のタイミングにて、前記複数のノズルから第1の速度でインクを吐出させて前記記録媒体上に第1のパターンを記録し、かつ第2のタイミングにて、前記複数のノズルから第2の速度でインクを吐出させて前記記録媒体上に第2のパターンを記録する記録制御手段と、前記記録ヘッドと前記記録媒体との間の距離が所定の基準距離のときに前記第1および第2のパターンの記録位置が所定の位置関係となり、前記基準距離からの前記距離の変化量に応じて、前記所定の位置関係からの前記第1および第2のパターンの記録位置のずれ量が変化するように、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとの間の時間差を可変設定する設定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置は、インクを吐出可能な複数のノズルを有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドと対向する記録媒体と、を相対移動させつつ、前記複数のノズルからインクを吐出することにより画像を記録するインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドと前記記録媒体とが所定の速度で相対移動しているときに、第1のタイミングにて、前記複数のノズルから第1の速度でインクを吐出させて前記記録媒体上に第1のパターンを記録し、かつ第2のタイミングにて、前記複数のノズルから第2の速度でインクを吐出させて前記記録媒体上に第2のパターンを記録する記録制御手段と、前記記録ヘッドと前記記録媒体との間の距離が所定の基準距離のときに前記第1および第2のパターンの記録位置が所定の位置関係となるように、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとの間の時間差を設定する設定手段と、前記距離を調整するための調整手段と、を備え、前記調整手段によって前記距離を調整しながら、前記記録制御手段によって前記第1および第2のパターンを記録することを特徴とする。
本発明によれば、第1および第2のパターンの記録結果から、記録ヘッドと記録媒体との間の距離の変化量、つまり、記録ヘッドと記録媒体との間の距離の調整量を求めることができる。この結果、記録ヘッドと記録媒体との間の距離を正確に調整して、記録画像の画質の低下を抑えて、高品位の画像を安定的に記録することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成図である。本例の記録装置は、記録媒体Pを搬送する搬送部2の上方に、インクジェット記録ユニット1が固定されているフルラインタイプのインクジェット記録装置である。記録媒体Pは、搬送方向上流側の不図示の給紙部から供給される連続用紙であり、オフセット印刷部にて共通の内容(会社名やロゴマークなど)が記録されてから、搬送部2に搬送される。搬送部2から矢印A方向に搬出される記録媒体Pは、不図示の裁断部や集積部などの後処理部へと搬送される。
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成図である。本例の記録装置は、記録媒体Pを搬送する搬送部2の上方に、インクジェット記録ユニット1が固定されているフルラインタイプのインクジェット記録装置である。記録媒体Pは、搬送方向上流側の不図示の給紙部から供給される連続用紙であり、オフセット印刷部にて共通の内容(会社名やロゴマークなど)が記録されてから、搬送部2に搬送される。搬送部2から矢印A方向に搬出される記録媒体Pは、不図示の裁断部や集積部などの後処理部へと搬送される。
インクジェット記録ユニット1は、図1(b)に示すように、記録ヘッド3、記録ヘッド3を保持するヘッドホルダー4、筐体5などからなる。ヘッドホルダー4には、同色のインクを吐出可能な4つの記録ヘッド3(3a,3b,3c,3d)が並列的に装着されている。ヘッドホルダー4は、図示しないガイドレールを介して筐体5に装着され、そのガイドレールに沿って矢印Bの上下方向に移動可能である。ヘッドホルダー4の背面にはラックギヤ7が設けられており、筐体5に設けられたピニオンギヤ8と噛み合っている。ピニオンギヤ8は、図示しないモーターに接続されており、制御部によってモーターを制御することにより、ガイドレールの範囲内においてヘッドホルダー4を任意の位置に移動させることができる。記録ヘッド3には、不図示の制御部との間において吐出信号や制御信号などを授受するためのケーブルが接続されており、画像データに基づいてノズルからインクを吐出する。
記録ヘッド3には、同色のインクを吐出可能な複数のノズルが配列されている。本例の場合、それぞれのヘッド3(3a,3b,3c,3d)には、5184ノズルが図1中紙面の表裏方向に沿って1200dpiの間隔で配列されている。したがって、記録ヘッド3によって記録可能な幅は最大4.32インチ(約110mm)である。記録ヘッド3の液室は、供給チューブによって図示しないインク貯蔵部に接続されており、その液室内のインクは、流路を通してノズルに供給される。ノズルは、電気熱変換素子(ヒータ)やピエゾ素子などの吐出エネルギー発生素子を用いて、インクを吐出する構成となっている。電気熱変換素子を用いた場合には、その発熱によってインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用して、ノズルの先端の吐出口からインクを吐出することができる。インクの吐出により消費され分のノズル内のインクは、インク貯留部から、供給チューブ、液室、および流路を通して供給される。これにより、大量の連続記録が可能である。ノズルからのインクの流出を防ぐために、記録ヘッド3内のインクを大気圧よりも低い圧力に保たれる。そのために、インク貯留部を記録ヘッド3より低い位置に設置され、あるいは、インクに負圧を付与するための圧力機構が備えられている。
さらに、インクジェット記録ユニット1には、図1(b)に示すように、非記録動作時にノズル先端の吐出口におけるインクの乾燥を防止するために、キャップ部材9とワイピング部材10が備えられている。キャップ部材9は、ノズル部分を覆って外気と遮断し、ワイピング部材10は、吐出口が形成された記録ヘッド3の吐出口形成面に付着したインク滴やごみなどを除去する。キャップ部材9とワイピング部材10は、図示しない駆動手段によって水平方向の矢印C方向に移動可能な回復桶11に設けられている。記録ヘッド3の上下方向の移動と、キャップ部材9とワイピング部材10の水平方向の移動と、の組み合わせにより、記録ヘッド3におけるインクの吐出状態を良好に維持するための回復動作を行なうことができる。その回復動作としては、吐出口形成面のワイピング、および、画像の記録に付与しないインクをノズルからキャップ部材9内に吐出する動作(予備吐出)を行うことができる。
筐体5は、記録ヘッド3におけるノズルの配列方向(ノズル列の延在方向)と、矢印Aの記録媒体Pの搬送方向と、が交差(本例の場合は、直交)するように、ボルト12によって搬送部2上に固定されている。記録媒体Pの表面の位置は、筐体5が固定されている搬送部2の上面Hよりも低い。搬送部2は、図示しない制御部により制御され、記録動作に合わせて記録媒体Pを所定の速度で搬送する。本例の場合は、記録媒体Pを1000mm/secの速度で搬送しながら記録動作を行い、また並列に配備された4つの記録ヘッド3a,3b,3c,3dを用いて画像を記録するために、記録すべき画像を4つに分割する。本例の場合は、図2に示すように、搬送方向における記録解像度(1200dpi)に対応する1ライン毎に、画像を分割している。ラインL1上のドットは、記録ヘッド3aのノズルNから吐出されるインクによって形成される。同様に、ラインL2,L3,L4上のドットは、記録ヘッド3b,3c,3dから吐出されるインクによって形成される。画像の分割方法は、本例に限定されず任意であり、例えば、画像を千鳥状に分割したり、ランダムパターンなどを用いて分割してもよい。このように、複数の記録ヘッド3によって、記録ヘッド3毎に分割された画像を記録することにより、同色インクによる単色画像の高速記録が実現できる。
次に、記録ヘッド3の吐出口形成面と記録媒体Pとの間の距離(以下、「紙間距離」ともいう)の調整方法について説明する。インクジェット記録ユニット1を搬送部2に取り付けた直後は、紙間距離が不明であるため、その調整作業を行う。本例においては、作業者が制御部に対して調整パターンの記録処理の開始を指示することにより、制御部は、まず、記録ヘッド3を初期の記録位置まで下げる。初期の記録位置は、記録ヘッド3が記録媒体Pや搬送装置に接触しないように、吐出口形成面が筐体5下面(搬送部2の上面H)よりも約1mm上方の位置に設定されている。このような初期の記録位置まで記録ヘッド3を下げてから記録媒体Pの搬送を開始し、その搬送速度が所定速度になってから、調整パターンの記録シーケンスにしたがって調整パターンを記録する(調整パターンの記録処理)。
図3(a)は、このような調整パターンの記録処理を説明するためのフローチャートである。図3のフローチャートは、不図示の制御部により制御される。
まず、記録ヘッド3の履歴をチェックする(ステップS1)。このチェックは、記録ヘッド3が比較的新品に近い状態の場合にのみ、調整パターンの記録処理を行うためである。記録ヘッド3の使用に伴い、ヒータ(電気熱変換素子)上にインク成分の一部、もしくは、その変成物(コゲなど)が堆積する場合がある。それらの堆積物があると、ヒータからインクへの熱の伝導効率が低下するため、ヒータに同じエネルギーを投入してもインクの吐出速度が低くなる場合がある。また、ヒータの表面がインクに一定期間浸漬されて、ヒータの表面の状態が変化した場合も同様に、インクの吐出速度が低くなるおそれがある。このような状態の記録ヘッド3を用いて記録した調整パターンに基づいて紙間距離を調整したとしても、正確な調整をすることはむずかしい。このような記録ヘッド3の状態に気付かずに、紙間距離を不正確に調整する事態を回避するために、ステップS1にて記録ヘッド3の履歴をチェックする。このような履歴のチェックは、記録ヘッドが記録装置に装着されてからの経過時間、記録ヘッドからのインクの総吐出数、および記録ヘッドによるインクの消費量の内、少なくとも1つがそれに対応する規定値以上であるか否かの判定であってもよい。
記録装置の制御部は、記録ヘッドに備わる記憶部(EEPROM)に、記録ヘッド3の履歴情報を所定の間隔で累積するようにプログラムされている。本例の場合、記録ヘッド3の履歴情報として、記録ヘッド3が取り付けられてからの経過時間、記録ヘッド3からのインクの吐出回数に対応する駆動パルスの総数(総パルス数)、および記録ヘッド3において消費されたインク量の総量(総インク量)を記憶する。
図3(b)は、履歴のチェック処理を説明するためのフローチャートである。履歴のチェック処理においては、記録ヘッド3の記憶部(EEPROM)から、履歴情報としての経過時間、総ドット数、および総インク消費量を読み込み、それらが指定された閾値以上であるか否かを判定する(ステップS11,12,13)。それらがいずれも指定された閾値(指定時間、指定数、指定量)未満のときは、図3(a)の調整パターンの記録処理に戻り、一方、それらのいずれか1つでも指定された閾値以上のときは、調整パターンの記録処理を中断する。その中断時には、作業者に対してエラーコードなどの表示(ステップS14)をしてもよい。
このような履歴のチェック処理の後は、図3(a)のステップS2において、後述するパルス決定処理に必要な記録ヘッド3のヒータに関するランク情報を読み込む。そのランクは、記録ヘッド3のヒータの抵抗値に対応する値である。ヒータは、Si基板上に半導体製造方法を用いて形成されるため、その抵抗値はある程度の範囲内においてばらつく。抵抗値が異なるヒータから同じインク吐出用のエネルギーを発生させるためには、抵抗値毎に、ヒータに印加する駆動パルスを変更する必要がある。本例の場合、記録ヘッド3のヒータ用の電源電圧は24Vに固定されているため、ヒータの駆動パルスのパルス幅を変えることにより、ヒータへの投入エネルギーを変更する。
記録ヘッド3の製造時にヒータの抵抗値を測定し、その値に対応したランクを記録ヘッド3の記憶部(EEPROM)に記録しておく。本例の場合、ランクの値は、インクの吐出開始エネルギーの1.3倍のエネルギーに相当する単一駆動パルス長さとして記憶されている。例えば、電圧が24V(電源電圧)、パルス長Tthが1.36μS(Tth=1.36μS)の駆動パルスを印加したときに、インクの吐出を開始する記録ヘッド3を想定する。この記録ヘッドの場合、インクの吐出開始エネルギーの1.3倍のエネルギーに相当する駆動パルスのパルス長T(1.3)は、下式(1)により計算できる。
T(1.3) = (1.3) × Tth ・・・ (1)
T(1.3) = (1.3) × Tth ・・・ (1)
上式(1)中の右辺の(1.3)は、吐出エネルギーのk値ともいう。このk値は、エネルギーの比を表す無次元の数である。吐出開始エネルギーでは、インクの吐出が不安定なため、k値を1.1〜1.5前後とすることが好ましい。k値を導入することにより、ヒータの抵抗値が異なって、吐出開始エネルギーに相当する駆動パルスのパルス長が異なる場合に、必要な投入エネルギーを正しく表すことができる。
次に、第1および第2の吐出速度でインクを吐出するために必要な第1および第2の駆動パルスを決定する処理(ステップS103,104)を行なう。本例では、第1の吐出速度(第1の速度)が6m/秒、第2の吐出速度(第2の速度)が12m/秒となるように、第1および第2の駆動パルスの長さ、および数を決定する。
図4(a)は、本例の記録ヘッド3における投入エネルギーとインクの吐出速度との関係を示す。図4(a)の縦軸はインクの吐出速度であり、その横軸はk値である。同図中の○印のプロットから導き出せる破線のグラフは、駆動パルスとして図4(b)のような単一パルス(シングルパルス)P1を使用するシングルパルス駆動方式において、そのパルスの長さW0をk値により変更した場合の吐出速度を示す。また、同図中の●印のプロットから導き出される実線のグラフは、駆動パルスとして図4(c)のような2つのパルス(ダブルパルス)P2を使用するダブルパルス駆動方式において、k値を変更した場合の吐出速度を示す。その実線のグラフは、図4(a)のシングルパルスをプレパルスP2−1とメインパルスP2−2に分割したダブルパルスP2によって、前述したシングルパルス駆動の対象とした記録ヘッドをダブルパルス駆動した場合の例である。すなわち、プレパルスP2−1の長さW1は、シングルパルスP1の長さW0の30%(=3/10・W0)であり、メインパルスP2−2の長さW2は長さW0の70%(=7/10・W0)である。休止時間Tは、シングルパルスP1の長さW0に相当する。ダブルパルス駆動の場合のk値は、シングルパルス駆動の場合のk値とする。
本例の記録ヘッドの場合、インクの吐出速度を6m/秒とするための第1の駆動パルスは、図4(a)のグラフから、k値を1.075に設定したシングルパルスP1とすればよいことが分かる。同様に、インクの吐出速度を12m/秒にするための第2の駆動パルスは、k値を1.45に設定したダブルパルスP2とすればよいことが分かる。これらのk値は記録ヘッドの特性であり、記録ヘッドの構成の違いなどによっては異なるk値をとる。
次に、第1の吐出速度で後述する第1のパターンを記録するときのインクの吐出タイミングと、第2の吐出速度で後述する第2のパターンを記録するときのインクの吐出タイミングと、の間の時間差ΔTを取得する(ステップS5)。
図5(a)は、記録媒体上における第1および第2のパターンの位置と、時間差ΔTと、の関係についての説明図である。距離hは、記録ヘッド3と記録媒体との間の紙間距離であり、T=0のときに記録ヘッド3から第1の吐出速度V1で吐出されたインク滴D1は、T1(T=T1)時間後に記録媒体に着弾する。その時間T1は、下式(2)により求められる。
T1 = h ÷ V1 ・・・ (2)
T1 = h ÷ V1 ・・・ (2)
同様に、T´=0のときに記録ヘッド3から第2の吐出速度V2(V2>V1)で吐出されたインク滴D2は、T2(T´=T2)時間後に記録媒体に着弾する。その時間T2は、下式(3)により求められる。
T2 = h ÷ V2 ・・・ (3)
T2 = h ÷ V2 ・・・ (3)
記録ヘッドと記録媒体とが相対移動する場合、インク滴D1,D2が同時に着弾すれば、インク滴D1によって記録される第1のパターンと、インク滴D2によって記録される第2のパターンと、が記録媒体上にて重なることになる。ΔTは、インク滴D1を吐出するタイミング(第1のタイミング)と、インク滴D2を吐出するタイミング(第2のタイミング)との間の時間差である。第1および第2のパターンが重なるときの時間差ΔTと、時間T1,T2と、の関係は下式(4)によって表すことができる。
T1 = T2 + ΔT ・・・ (4)
T1 = T2 + ΔT ・・・ (4)
上式(4)に上式(2),(3)を代入することにより、紙間距離hと、第1および第2のパターンが重なるときの時間差ΔTと、の関係は下式(5)によって表される。
h = ΔT × ((V1×V2)÷(V2−V1)) ・・・(5)
h = ΔT × ((V1×V2)÷(V2−V1)) ・・・(5)
速度V1およびV2を一定とすれば、第1および第2のパターンが一致するときの時間差ΔTから、そのときの紙間距離hを求めることができる。本例の場合は、第1の吐出速度V1を6.0m/秒とし、第2の吐出速度V2を12.0m/秒とした。図5(b)は、本例の場合における紙間距離hと時間差ΔTとの組み合わせと、インク滴D1,D2の着弾時間の差と、の関係を示す。
上式(5)には、記録ヘッドと記録媒体との間の相対移動速度は含まれていないため、hとΔTの関係は、V1とV2にのみ依存する。また、記録媒体上におけるインク滴D1,D2の着弾位置のずれ量は、記録ヘッドと記録媒体との相対移動速度に依存する。したがって、第1および第2のパターンの形状や配置などは、それらの相対移動速度に応じて変更してもよい。
また、速度vで搬送される記録媒体上におけるインク滴D1,D2の着弾位置の観点から考察した場合、速度V1で吐出されるインク滴D1が着弾するまでの時間T1の間に、記録媒体はx1(=v×T1)の距離だけ進むことになる。一方、インク滴D2は、インク滴D1が吐出されてからΔT後に速度V2で吐出されるため、それが記録媒体上に着弾するまでの時間T2の間に、記録媒体はx2(=v×(T2+ΔT))の距離だけ進む。インク滴D1,D2の着弾位置が重なるとき、つまりx1=x2のときは、T1=T2+ΔTとなる。
本発明は、記録ヘッドと記録媒体との間の距離hと、記録ヘッドから吐出されるインク滴D1,D2の吐出速度V1,V2と、インク滴D1,D2の吐出タイミングの時間差ΔTと、インク滴D1,D2が記録媒体上に着弾する位置と、の関係を利用する。時間差ΔTを可変設定し、インク滴D1によって第1のパターンを記録し、インク滴D2によって第2のパターンを記録する。つまり、距離hの変化量(所定の基準距離からのずれ量)と、時間差ΔTと、を対応付けておいて、距離hの変化量に応じて第1および第2のパターンの記録位置のずれ量が変化するように、時間差ΔTを可変設定する。そして、このように記録制御された第1および第2のパターンの位置関係から、記録ヘッドと記録媒体との間の距離hの変化量、つまり紙間距離の調整量を求める。後述するように、距離hの変化量(紙間距離の調整量)と、時間差ΔTと、を関連付ける指標記号を記録することにより、距離hの変化量が求めやすくなる。
次に、図3(a)のステップS6および7において、第1および第2のパターンを記録する。本例の場合は、図6(a)のように、時間差ΔTが異なる第1および第2のパターンを8組記録する。
まず、記録ヘッド3に第1の駆動パルスを印加し、第1の吐出速度で吐出されるインク滴によって第1組目の第1のパターンを記録する(ステップS6)。次に、第1組の時間差ΔT(50.0μS)の経過後に、記録ヘッド3に第2の駆動パルスを印加し、第2の吐出速度で吐出されるインク滴によって第1組目の第2のパターンを記録する(ステップS7)。本例の場合は、図7のように、第2のパターン34は、記録ヘッド3の両端部(A側およびB側)の600ノズル(ノズル列の長さ約12.7mm)を用いて記録する。一方、第1のパターン35は、第2のパターンの記録に用いたノズルの内側に位置する600ノズル(ノズル列の長さ約12.7mm)を用いて記録する。これにより記録媒体上に第1組目の第1のパターン35と第2のパターン34が記録される。
次に、図3(a)のステップS8において、第1のパターンの記録から所定時間経過した後に指標記号36を記録する。本例では、図7のように、記録媒体上における第1のパターン35の記録位置から、搬送方向の下流側に約2mmずれた位置に指標記号36を記録する。そのため、第1のパターンの記録から2mS経過した後に、指標記号36を記録する。指標記号36は、それに対応する組の第1および第2のパターンがほぼ直線状に記録されている場合に、適正な紙間距離を設定するための必要な補正量を表す記号である。例えば、紙間距離を0.2mm小さく補正する必要がある場合は、「−0.2mm」と記録する。指標記号36は、記録ヘッド3を上下動させるモーターの駆動時間や必要の駆動パルス数を表す記号であってもよく、また、記録ヘッド3の高さが段階的に調整される場合には、それぞれの調整段階を表す記号、例えば「L」,「M」,「H」などでもよい。これらの指標記号を用いることにより、紙間距離が調整しやすくなる。図6(b)は、本例の第1組から第8組の第1および第2のパターンに対応する指標記号の具体例を示す。本例では、紙間距離の調整量を数値で表している。指標記号の記録時は、通常の記録動作時と同様の駆動パルスが記録ヘッド3に印加される。以上のようにして、第1組目の第1および第2のパターンと指標記号が記録される。
次に、図3(a)のステップS9において、全ての組の第1および第2のパターンが記録されたか否かを判定する(ステップS9)。計8組の第1および第2のパターンの記録が終了していない場合は、ステップS5に戻り、次の組の第1および第2パターンに関する時間差ΔTを取得する。そして、先に記録した第1および第2のパターンの組と、次に記録する第1および第2のパターンの組と、が記録媒体上において2cm毎の間隔をおいて並ぶように、前者の組を記録してから20mS経過後に、後者の組を記録する。全ての組の第1および第2のパターンが終了していれば、調整パターンの記録シーケンスを終了する。
図7は、第1組から第8組の第1および第2のパターン34,35および指標記号36の記録例を示す。作業者は、このような記録結果を参考にして、記録ヘッド3の高さを調整、つまり紙間距離を調整する。図7の記録例の場合、記録媒体のA側においては第5組の第1および第2のパターンが一致し、B側においては第7組の第1および第2のパターンが一致している。つまり、A側とB側において、パターンが一致する組が異なっている。これにより、記録ヘッド3の両端部(A側およびB側)における紙間距離が異なっていて、記録媒体の表面と対向する方向において、記録ヘッド3が傾いて設置されていることが分かる。パターンが一致しているA側の組の指標記号は「−0.2mm」であり、パターンが一致しているB側の組の指標記号は「−0.6mm」である。これにより、記録ヘッド3のA側は、そのB側よりも0.4mm記録媒体の表面に近いことが分かる。
本例の記録ユニット1は、図1(a)のように記録ヘッド3を矢印Bの上下方向に移動させるのみである。そのため、記録媒体の表面と対向する方向における記録ヘッド3に傾き(以下、「高さ方向の傾き」ともいう)がある場合には、搬送部2に対する記録ユニット1の取り付け位置を調整する必要がある。本例の場合は、図8のように、搬送部2の上面Hと、記録ユニット1のA側に対応する取り付け部と、の間に、0.8mmの厚さのスペーサー38を挿入して、ボルト12で固定した。記録ヘッドによる記録位置の外側にスペーサー38の挿入部が位置するため、高さ方向のずれ量の0.4mmよりも厚い0.8mmのスペーサーを挿入した。挿入すべきスペーサーの厚さは、記録位置とスペーサーの挿入位置との関係により異なるため、作業者は、それらの位置関係から挿入すべきスペーサーの厚さを判断する必要がある。しかし、補正すべきずれ量(本例の場合は、0.4mm)が既知であるため、記録位置とスペーサーの挿入位置との位置関係から、挿入すべきスペーサーの厚さを計算により求めることができる。したがって、いろいろな厚さのスペーサーを挿入するトライアンドエラーを繰り返す必要がなく、高さ方向の傾きを1回で補正することができる。
このように高さ方向に傾きを補正してから、紙間距離を補正する。高さ方向の傾きの補正作業により、記録ヘッドのA側の補正前の紙間距離「−0.2mm」は、「−0.4mm」補正されて、記録ヘッドのB側の紙間距離と同じ「−0.6mm」となる。このように、高さ方向の傾きが補正されたことにより、記録ユニット1による記録ヘッド3の紙間距離の調整が可能となる。作業者は、記録ユニット1の制御部に接続されたコンピューターなどの端末から、記録ユニット1の制御部における記録ヘッドの高さ調整機能を呼び出す。図9は、コンピューターのディスプレイに表示された、記録ユニット1の制御部における記録ヘッドの高さ調整機能の表示画面の例である。作業者は、その表示画面内の補正値の入力欄39に「−0.6」の値を入力してから、その表示画面内の設定ボタン40を押すことにより、記録ユニット1の制御部のプログラムに、紙間距離の補正量を記憶させることができる。本例においては、記録装置に対して、それとは別途のコンピューターなどの端末を接続する場合について説明した。しかし、記録ユニット1自体に、種々の情報の表示や入力を行うための「パネル」などを設けてもよい。また、記録ユニット1に記録データを送信するコンピューターなどのホスト装置から、紙間距離の補正量を設定するようにしてもよい。
紙間距離の補正値が設定されることにより、制御部は、通常の記録動作時における記録ヘッド3の高さが、第1および第2のパターンの記録時の記録ヘッド3の高さよりも「−0.6mm」となるように、記録ヘッド3の高さを調整する。よって、紙間距離を常に最適な1.2mmに設定して、高画質な画像を安定的に記録することができる。なお、このような紙間距離の調整は記録ヘッド毎に行なう。
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、記録ヘッド3の最大記録幅と略同一幅の記録媒体に画像を記録する記録装置について説明した。しかし、記録ヘッド3の記録幅よりも広い記録媒体に対して、画像を記録することもできる。例えば、図10(a),(b)のように、4つの記録ユニット1a,1b,1c,1dを千鳥状に配置することにより、記録ヘッド3の最大記録幅の約4倍の幅(本例の場合、17.28インチ(約439mm))の記録媒体に画像を記録することができる。本例の場合、4つの記録ユニット1a〜1dは、1つのユニットフレーム13上に設置されており、そのユニットフレーム13が搬送部2に設置されている。記録ヘッドの高さを調整する場合は、図11のように、4つの記録ユニット1a〜1dに対応するパターンP11〜P14(第1,第2のパターンと指標記号を含む)を記録する。パターンP11,P14は、記録ユニット1a,1dのノズル列の端部に位置するノズルを用いて記録し、パターンP12,P13は、記録ユニット1b,1cのノズル列の中央部に位置するノズルを用いて記録する。第1,第2のパターンと指標記号については、前述した第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態においては、記録ヘッド3の最大記録幅と略同一幅の記録媒体に画像を記録する記録装置について説明した。しかし、記録ヘッド3の記録幅よりも広い記録媒体に対して、画像を記録することもできる。例えば、図10(a),(b)のように、4つの記録ユニット1a,1b,1c,1dを千鳥状に配置することにより、記録ヘッド3の最大記録幅の約4倍の幅(本例の場合、17.28インチ(約439mm))の記録媒体に画像を記録することができる。本例の場合、4つの記録ユニット1a〜1dは、1つのユニットフレーム13上に設置されており、そのユニットフレーム13が搬送部2に設置されている。記録ヘッドの高さを調整する場合は、図11のように、4つの記録ユニット1a〜1dに対応するパターンP11〜P14(第1,第2のパターンと指標記号を含む)を記録する。パターンP11,P14は、記録ユニット1a,1dのノズル列の端部に位置するノズルを用いて記録し、パターンP12,P13は、記録ユニット1b,1cのノズル列の中央部に位置するノズルを用いて記録する。第1,第2のパターンと指標記号については、前述した第1の実施形態と同様である。
作業者は、まず、記録ユニット1aの記録ヘッドと、記録ユニット1dの記録ヘッドと、によるパターンP11とP14の記録結果に基づいて、ユニットフレーム13に高さ方向の傾きがあるか否かを判定する。その傾きがある場合には、搬送部2とユニットフレーム13の接合部との間にスペーサーを挿入するなどの方法により、その傾きを補正する。その後、前述した第1の実施形態の場合と同様に、記録ユニット1a〜1dそれぞれについての「紙間距離の補正値」を入力する。このような操作により、全ての記録ユニット1a〜1dに対応する紙間距離を常に最適に設定して、安定した記録動作を行なうことができる。
本例では、4台の記録ユニットを千鳥状に配置した場合について説明した。しかし、記録ユニットの配置数や配置形態が変わっても、同様に紙間距離を調整することができる。
(第3の実施形態)
図12は、本発明の第3の実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成図である。本例の記録装置は、インクジェット記録ユニット1が搬送部2の上方に固定されており、図示しない給紙部から給紙したはがきや名刺などのカード状の記録媒体Qに画像を記録する。本例の記録ユニット1は、4本の記録ヘッド3a,3b,3c,3dのそれぞれにブラック、イエロー、マゼンダ、シアンのインクが供給される点において、前述した第1の実施形態の記録ユニット1と異なる。したがって、本実施形態においては、それら4色のインクによってカラー画像を記録することができる。
図12は、本発明の第3の実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成図である。本例の記録装置は、インクジェット記録ユニット1が搬送部2の上方に固定されており、図示しない給紙部から給紙したはがきや名刺などのカード状の記録媒体Qに画像を記録する。本例の記録ユニット1は、4本の記録ヘッド3a,3b,3c,3dのそれぞれにブラック、イエロー、マゼンダ、シアンのインクが供給される点において、前述した第1の実施形態の記録ユニット1と異なる。したがって、本実施形態においては、それら4色のインクによってカラー画像を記録することができる。
本例の場合、記録媒体Qの搬送速度が100mm/秒に設定されている。本例の記録装置は、搬送部2を含めて組み立てられており、紙間距離が適正な値になるように設計され組み立てられている。しかし、記録装置を継続的に使用する間の構成部品の経時変化などによって、紙間距離が設計値からわずかながらずれるおそれがある。本例のようなフルカラーの画像を記録する記録装置において、このような紙間距離のずれは、濃度むらなどの画像不良の原因となるため、極力補正する必要がある。
本例の場合、第1のパターン35および第2のパターン34は、前述した第1および第2の実施形態とは異なり、記録ヘッド3の両端部のそれぞれ600ノズル(ノズル列の約12.7mm)を用いて記録する。また、前述した第1および第2の実施形態において、第1のパターン35および第2のパターン34が記録媒体上に線状に記録されているのに対し、本例においては、図13のように、第1のパターン35および第2のパターン34を交互に複数回繰り返して記録する。これにより、第1のパターン35および第2のパターン34は、略長方形状のベタ画像を形成するように記録される。
本例においては、第1のパターン35および第2のパターン34は、の繰り返しにより構成される1つの略長方形状の画像を1つの組として、それを8組分記録する。それぞれの組の画像において、第1のパターン35を記録するときのインクの吐出タイミングと、第2のパターン34を記録するときのインクの吐出タイミングと、の間の時間間隔は異なる。それぞれの組の画像毎に変更される時間間隔は、第1のパターン35の記録位置から、記録解像度(本例の場合は、1200dpi)相当分だけ搬送方向の下流側にずれた位置に第2のパターン34が記録できるタイミングを基準としている。本例の場合は、搬送速度が100mm/秒、記録解像度が1200dpiであるため、その基準となるタイミングは、図14(a)のように、第1のパターン35の記録後から約212μS経過した時点である。その基準となるタイミングに対して、前述した時間差ΔTを加える。
本例の場合、紙間距離が最適な1.2mmのときに、第1のパターン35と第2のパターン34が記録媒体上に等間隔で交互に記録され、図14(b)のような隙間のない均一なベタ画像となるようにしている。紙間距離が変化した場合(最適値1.2mmmではない場合)には、第2のパターン34の記録位置が正規の位置からずれるため、図14(c)のように、略長方形状の記録領域が縞模様状になる。
前述した実施形態のように線状に記録した第1のパターン35および第2のパターン34によっては、記録媒体の搬送速度が低くなり、かつ、第1のパターン35および第2のパターン34の記録位置のずれ量が小さくなった場合に、そのずれ量が判別し難くなるおそれがある。例えば、第1のパターン35および第2のパターン34の記録位置のずれ量が、記録解像度相当分以下の場合などにおいては、そのずれ量が判別し難くなるおそれがある。しかし、本例のように、第1のパターン35および第2のパターン34を略長方形状に記録することにより、ずれ量が判別しやすくなる。また、本例のように第1のパターン35および第2のパターン34を記録することにより、それらのパターンの記録位置のずれ量を、光学的に濃度を検出するセンサーによって判別することが可能となり、紙間距離の調整作業の自動化を図ることもできる。なお、本例では、第1のパターン35および第2のパターン34は、を記録解像度に相当する間隔で交互に配置した。しかし、これには限定されず、それらのパターンのずれ量が判定しやすくなるように、それらの配置の間隔を決定することができる。
図15は、調整パターンの記録処理を説明するためのフローチャートであり、前述した第1の実施形態における図4(a)のフローチャートの処理と同様の処理には、同一の処理番号(ステップ番号)を付す。図15のフローチャートは、不図示の制御部により制御される。
まず、前述した実施形態の場合と同様に、履歴のチェック(ステップS1)、ランクの取得(ステップS2)、駆動パルスの決定(ステップS3,4)をする。その後、第1組における第1および第2のパターンの記録関する時差ΔTを取得し(ステップS5)、その時差ΔTに対応するタイミングによって、第1組における1つ目の第1および第2のパターンを記録する(ステップS5,6,7)。このようなステップS6,7の記録動作を236回繰り返すことにより(ステップS10)、記録媒体上の約10mmの略長方形の領域に、第1組における2つ目、3つ目、・・・236目の第1および第2のパターンを記録する。このように第1組における第1および第2のパターンを記録した後は、前述した実施形態と同様に、指標記号を記録(ステップS8)してから、第2組における第1および第2のパターンの記録に関する時差ΔTを取得する(ステップS5)。以下、同様に、第2組から第8組における第1および第2のパターンを記録して、調整パターンの記録シーケンスを終了する。
以降は、第1の実施形態と同様であり、作業者は、必要に応じて高さ方向の傾きを補正した後、紙間距離の補正値を記録装置に入力することにより、紙間距離を最適に調整して安定した記録動作を行うことができる。
(第4の実施形態)
図16(a),(b)は、本発明の第4の実施形態としてのインクジェット記録装置の概略構成図である、本例の記録装置は、いわゆるシリアルスキャンタイプの記録装置であり、インクジェット記録ヘッド3はキャリッジ14上に着脱可能に搭載されている。
図16(a),(b)は、本発明の第4の実施形態としてのインクジェット記録装置の概略構成図である、本例の記録装置は、いわゆるシリアルスキャンタイプの記録装置であり、インクジェット記録ヘッド3はキャリッジ14上に着脱可能に搭載されている。
キャリッジ14は、キャリッジレール15に沿って矢印Xの主走査方向に移動可能であり、図示しない駆動手段によって往復移動される。記録媒体Qは、搬送部16によって、図16(a)の紙面の表裏方向(副走査方向)に搬送される。キャリッジレール15は、副走査方向と交差(本例の場合は、直交)する方向に延在する。キャリッジレール15の両端部は、図16(b)に示すように、側板20に形成された長穴22を通ってから、軸受け17を介して取付板18に取り付けられている。取付板18の四隅は、ネジ19によって側板20に固定される。ネジ19が通る取付板18のネジ穴21は、上下方向に延在する長穴になっており、ネジ19を緩めると取付板18を上下に動かすことができる。取付板18は偏芯カム23と接していて、図示しない付勢手段によって偏芯カム23のカム面に押圧されている。偏芯カム23は、軸24を中心として回動可能に取り付けられている。偏芯カム23には固定板25が固定されており、固定板25は、その長穴27を通るネジ26によって側板20に固定されている。ネジ26を緩めることで、固定板25と偏芯カム23を軸24を中心として回動させることができる。偏芯カム23を回動させることにより、側板20に対して取付板18を上下動させて、キャリッジレール15の上下方向の位置を調整することができる。側板20には搬送部16が固定されているため、偏芯カム23を回転させることで、キャリッジレール15と記録媒体Qとの間の距離(紙間距離)を調整することができる。
記録媒体Q上に画像を記録する際には、記録ヘッド3がキャリッジ14と共に主走査方向に移動しつつインクを吐出する動作と、記録媒体Qを副走査方向に所定量搬送する動作と、を繰り返す。本例の記録ヘッドは、ノズル数が2592、記録解像度が1200dpiとなっている。それらのノズルは、副走査方向と交差(本例の場合は、直交)する方向に配列されて、ノズル列を形成する。記録ヘッド3は、前述した実施形態の記録ヘッド3に対して、ノズル数を減らして小型化したものである。したがって、それ以外の諸特性については、前述した実施形態の記録ヘッド3と同様である。記録ヘッド3a,3b,3c,3dには、図示しないインク貯蔵手段から、ブラック、イエロー、マゼンダ、シアンのインクがそれぞれ供給される。したがって、キャリッジ14の主走査方向の1回の移動によって、約2インチ幅(約50mm)の領域にカラー画像を記録することができる。キャリッジ14の移動速度は2000mm/秒である。このようなシリアルスキャンタイプの記録装置は、記録幅が比較的小さい記録ヘッド3によって幅広の記録媒体に画像を記録する場合に、よく用いられる。本例の記録装置は、最大24インチ幅の記録媒体に対応できるように設計されている。
また、搬送部16に隣接する位置には、記録ヘッド3から吐出されるインク滴の吐出速度を検出するための速度測定部30が設けられている。
図17(a)は、速度測定部30の概略構成図であり、発光部31から出た光束33が受光部32に到達するように、発光部31と受光部32が設けられている。速度測定部30は、光束33が記録ヘッド3のノズル列と平行、かつ記録ヘッドから2mm離れて位置するように、記録装置に設置されている。記録ヘッドから吐出されたインク滴Dが光束33の中を通過すると、受光部32に到達する光量が減少するため、その光量の変化から、インク滴Dが光束33の中を通過したタイミングを検出することができる。インク滴Dの吐出速度Vを測定する場合には、まず、キャリッジ14を移動させて、測定対象のノズルから吐出されるインク滴Dが光束33の中を通過するように記録ヘッド3の位置を設定する。その後、記録ヘッド3の測定対象のノズルからインク滴Dを吐出させ、その吐出時点から、そのインク滴Dが光束33の中を通過するまでの間の時間を計測し、その計測時間からインク滴Dの吐出速度Vを測定することができる。
本例のように、記録ヘッド3を移動させながら、幅広の記録媒体に記録を行う記録装置は、特に、記録領域全域において、紙間距離が適正に保たれる必要がある。仮に、紙間距離が適正値からずれた場合には、記録画像に濃度むらや色ずれが生じて、記録品質を損なうおそれがある。本例の記録装置は、紙間距離を適正値に保つために、キャリッジレール15の高さを調整する構成を備えている。
図18は、本例における調整パターンの記録処理を説明するためのフローチャートであり、前述した第1の実施形態における図4(a)のフローチャートの処理と同様の処理には、同一の処理番号(ステップ番号)を付す。図18のフローチャートは、不図示の制御部により制御される。
本例においては、速度測定部30を用いて、インクの吐出速度を第1のパターン記録用の第1の吐出速度V1とするための第1の駆動パルスと、インクの吐出速度を第2のパターン記録用の第2の吐出速度V2とするための第2の駆動パルスと、を決定する。具体的には、ステップS2にて取得したランクに基づいて記録ヘッドの駆動パルスを変化させながら、インクの吐出速度を測定し、その測定値が所望の値になったときの駆動パルスを第1および第2の駆動パルスとして決定する(ステップS3,4)。このように、第1および第2のパターンを記録する度に、記録ヘッド3の吐出速度を測定するようにすることにより、記録ヘッドの状態を確認することができる。したがって、記録ヘッドの使用履歴に拘わらず、所望の吐出速度が得られる限り第1および第2のパターンを記録することができる。また、紙間距離を調整するときに、インクの吐出速度を毎回測定することにより、より高精度に紙間距離を調整することができる。
図17(b)は、第1および第2のパターンの記録例の説明図である。
本例の場合は、記録媒体上の記録領域における主走査方向の両端部と中央部の計3か所のそれぞれに、8組の第1のパターン35および第2のパターン34が記録される。第1のパターン35は、記録ヘッド3のノズル列の中央から搬送方向上流側に位置する600ノズルを用いて記録し、第2のパターン34は、記録ヘッド3のノズル列の中央から搬送方向下流側に位置する600ノズルを用いて記録する。1つの第1のパターン35と、1つの第2のパターン34と、それらに対応する1つの指標記号36と、によって1組のパターンが構成される。本例においては、偏芯カム23を用いて紙間距離を調整するため、指標記号36は、その調整に必要な偏芯カム23の回転角度を表している。また、偏芯カム23の固定板25には、図16(b)のように、側板20上に記された角度29を指し示すための指針28が設けられている。これにより、作業者は、図17(b)のような第1および第2のパターンの記録結果から、紙間距離の補正値に対応する指標記号36の指標値を読み取る。そして、その読み取った指標値と、現時点において指針28により指し示されている数値と、を加算し、その加算した値を指示すように指針28の位置を調整する。これにより、紙間距離を誤ることなく補正することができる。
第1のパターン35および第2のパターン34は、それらを記録するためのインクの吐出間隔を変えながら、指標記号36と共に記録領域のA側端部に8組記録される(ステップS5,6,7,8,9)。その後、キャリッジ14を主走査方向に沿って移動させて(ステップS22)、記録領域のA側端部と同様に、その記録領域の中央部に8組の第1のパターン35および第2のパターン34と指標記号36を記録する。その後、キャリッジ14を主走査方向に沿って移動させて(ステップS22)、記録領域のA側端部と同様に、その記録領域のB側端部に8組の第1のパターン35および第2のパターン34と指標記号36を記録する。このように、記録領域のA側端部、中央部、およびB側端部の計3箇所に対してパターンを記録してから(ステップS21)、調整パターンの記録シーケンスを終了する。
図17(b)の場合、A側端部に記録されるパターンの記録結果からは「+10」の補正値、中央部に記録されるパターンの記録結果からは「±0」の補正値、B側端部に記録されるパターンの記録結果からは「−10」の補正値が読み取れる。この場合、A側端部とB側端部の補正値に応じてガイドレール15の両端部を上下に調整することにより、記録ヘッドがA側端部とB側端部に位置したときの紙間距離を補正することができる。この結果、記録ヘッドの高さ方向の傾きと、記録領域の全域における紙間距離を適正に補正して、安定した記録動作を実現することができる。
(他の実施形態)
前述した実施形態においては、吐出速度の低いインクによって第1のパターンを先に記録し、その後、吐出速度の高いインクによって第2のパターンを記録する。これにより、第1および第2のパターンの記録位置のずれ量を、+方向および−方向を含む広範囲に亘って変化させることができる。しかし、第1および第2のパターンの形態や位置関係によっては、第1のパターンを吐出速度の高いインクによって記録し、第2のパターンを吐出速度の低いインクによって記録することもできる。また、時間差ΔTが異なる第1および第2のパターンは複数組記録することができ、8組のみに限定されない。
前述した実施形態においては、吐出速度の低いインクによって第1のパターンを先に記録し、その後、吐出速度の高いインクによって第2のパターンを記録する。これにより、第1および第2のパターンの記録位置のずれ量を、+方向および−方向を含む広範囲に亘って変化させることができる。しかし、第1および第2のパターンの形態や位置関係によっては、第1のパターンを吐出速度の高いインクによって記録し、第2のパターンを吐出速度の低いインクによって記録することもできる。また、時間差ΔTが異なる第1および第2のパターンは複数組記録することができ、8組のみに限定されない。
また、前述した実施形態においては、記録媒体の搬送部に設置されるインクジェット記録ユニットに紙間距離の調整機構を備えているため、既存の記録装置の搬送部に対して、インクジェット記録ユニットを追加設置することができる。これにより、記録ヘッドと記録ヘッドとの位置関係の調整時間を大幅に短縮することができる。しかし、紙間距離の調整機構は、必ずしもインクジェット記録ユニットに備える必要はない。
前述した実施形態においては、時間差ΔTを変化させつつ第1および第2のパターンの記録条件を記録し、それらのパターンの記録結果に基づいて紙間距離の補正量を求める。しかし、第1および第2のパターンの記録条件を固定し、紙間距離を変化させつつ第1および第2のパターンを記録してもよい。すなわち、目標とする基準の紙間距離のときに第1および第2のパターンの記録位置が所定の位置関係となるように、第1および第2のパターンの記録条件として時間差ΔTを固定し、紙間距離を変化させながら第1および第2のパターンを記録する。したがって、第1および第2のパターンの記録位置が所定の位置関係となったときの紙間距離が、目標とする基準の紙間距離となる。
また、第1および第2のパターンを記録するための記録機能、および第1および第2のパターンを記録するためのインクの吐出タイミングの時間差を設定するための設定機能は、記録装置の制御部に持たせることができる。また、それらの機能の内の少なくとも一部は、記録装置に接続されるホスト装置に持たせてもよい。
1 インクジェット記録ユニット
3 インクジェット記録ヘッド
4 ヘッドホルダー
7 ラックギヤ
8 ピニオンギヤ
P 記憶媒体
34 第2のパターン
35 第1のパターン
36 指標記号
3 インクジェット記録ヘッド
4 ヘッドホルダー
7 ラックギヤ
8 ピニオンギヤ
P 記憶媒体
34 第2のパターン
35 第1のパターン
36 指標記号
Claims (11)
- インクを吐出可能な複数のノズルを有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドと対向する記録媒体と、を相対移動させつつ、前記複数のノズルからインクを吐出することにより画像を記録するインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドと前記記録媒体とが所定の速度で相対移動しているときに、第1のタイミングにて、前記複数のノズルから第1の速度でインクを吐出させて前記記録媒体上に第1のパターンを記録し、かつ第2のタイミングにて、前記複数のノズルから第2の速度でインクを吐出させて前記記録媒体上に第2のパターンを記録する記録制御手段と、
前記記録ヘッドと前記記録媒体との間の距離が所定の基準距離のときに前記第1および第2のパターンの記録位置が所定の位置関係となり、前記基準距離からの前記距離の変化量に応じて、前記所定の位置関係からの前記第1および第2のパターンの記録位置のずれ量が変化するように、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとの間の時間差を可変設定する設定手段と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記距離の変化量と前記時間差とが対応付けられ、
前記設定手段によって前記基準距離に対応する前記時間差が設定されたときに、前記第1および第2のパターンの記録位置が前記所定の位置関係となり、前記設定手段によって前記基準距離と異なる前記距離に対応する前記時間差が設定されたときに、前記第1および第2のパターンの記録位置が前記所定の位置関係からずれる
ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 前記複数のノズルは、前記相対移動の方向と交差するノズル列を形成するように配列され、
前記第1および第2のパターンは、前記相対移動の方向と交差する方向に延在する直線のパターンであり、
前記設定手段によって前記基準距離に対応する前記時間差が設定されたときに、前記第1および第2のパターンが前記相対移動の方向において同じ位置に記録される
ことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。 - 前記複数のノズルは、前記相対移動の方向と交差するノズル列を形成するように配列され、
前記第1および第2のパターンは、前記相対移動の方向に沿って交互に位置し、
前記設定手段によって前記基準距離に対応する前記時間差が設定されたときに、前記第1および第2のパターンが隙間なく記録される
ことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。 - 前記記録制御手段は、前記設定手段によって可変設定された複数の前記時間差に基づいて、前記第1および第2のパターンを複数組記録することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録制御手段は、前記距離の変化量と前記時間差とを関連付けるための指標を、前記第1および第2のパターンと共に記録することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記複数のノズルは、前記相対移動の方向と交差するノズル列を形成するように配列され、
前記記録制御手段は、前記ノズル列の両端部に位置するノズルのそれぞれによって前記第1および第2のパターンを記録する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。 - 前記記録制御手段は、前記記録ヘッドに印加する駆動パルスのパルス幅、電圧、およびパルス数の内、少なくとも1つを調整することによりインクの吐出速度を変更することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッドが前記インクジェット記録装置に装着されてからの経過時間、記録ヘッドからのインクの総吐出数、および記録ヘッドによるインクの消費量の内、少なくとも1つがそれに対応する規定値以上のときは、前記記録制御手段が前記第1および第2のパターンを記録しないことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記距離を調整するための調整手段を備えることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- インクを吐出可能な複数のノズルを有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドと対向する記録媒体と、を相対移動させつつ、前記複数のノズルからインクを吐出することにより画像を記録するインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドと前記記録媒体とが所定の速度で相対移動しているときに、第1のタイミングにて、前記複数のノズルから第1の速度でインクを吐出させて前記記録媒体上に第1のパターンを記録し、かつ第2のタイミングにて、前記複数のノズルから第2の速度でインクを吐出させて前記記録媒体上に第2のパターンを記録する記録制御手段と、
前記記録ヘッドと前記記録媒体との間の距離が所定の基準距離のときに前記第1および第2のパターンの記録位置が所定の位置関係となるように、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとの間の時間差を設定する設定手段と、
前記距離を調整するための調整手段と、
を備え、
前記調整手段によって前記距離を調整しながら、前記記録制御手段によって前記第1および第2のパターンを記録することを特徴とするインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010278253A JP2012125974A (ja) | 2010-12-14 | 2010-12-14 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010278253A JP2012125974A (ja) | 2010-12-14 | 2010-12-14 | インクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012125974A true JP2012125974A (ja) | 2012-07-05 |
Family
ID=46643589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010278253A Withdrawn JP2012125974A (ja) | 2010-12-14 | 2010-12-14 | インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012125974A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108001051A (zh) * | 2016-10-31 | 2018-05-08 | 株式会社理光 | 打印位置补正方法、打印位置补正装置、以及打印设备 |
JP2020044738A (ja) * | 2018-09-19 | 2020-03-26 | 株式会社リコー | 液滴吐出装置、ギャップ調整方法及び画像形成装置 |
-
2010
- 2010-12-14 JP JP2010278253A patent/JP2012125974A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108001051A (zh) * | 2016-10-31 | 2018-05-08 | 株式会社理光 | 打印位置补正方法、打印位置补正装置、以及打印设备 |
JP2020044738A (ja) * | 2018-09-19 | 2020-03-26 | 株式会社リコー | 液滴吐出装置、ギャップ調整方法及び画像形成装置 |
JP7081419B2 (ja) | 2018-09-19 | 2022-06-07 | 株式会社リコー | 液滴吐出装置、ギャップ調整方法及び画像形成装置 |
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