JP2011104776A - インクジェット記録装置および該装置用のドット形成位置調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録ヘッドと記録媒体との間隔を変更可能であるとともに、ドット形成位置条件を調整するための処理を行うことが可能なインクジェット記録装置において、記録媒体およびインクの消費量を抑制し、かつ調整に要する時間を極力短縮化しつつ、多様な厚みの記録媒体が用いられる場合にも適切な調整処理が行われるようにする。
【解決手段】調整処理を行うために利用される調整パターンを記録媒体に記録させ、当該記録された調整パターンに基づいて、記録ヘッドと記録媒体との距離に応じた調整処理を行う手段を具える。この手段は、記録媒体に対し互いに異なる2つの間隔を設定させ、そのそれぞれに対して吐出口からのインクの吐出速度を検出させ、当該2つの間隔について検出された吐出速度の差が規定範囲内にあるか否かの判定に応じて、2つの間隔のうちいずれか一方または双方についての調整パターンの記録および当該調整パターンに基づく調整処理を行う。
【選択図】図5
【解決手段】調整処理を行うために利用される調整パターンを記録媒体に記録させ、当該記録された調整パターンに基づいて、記録ヘッドと記録媒体との距離に応じた調整処理を行う手段を具える。この手段は、記録媒体に対し互いに異なる2つの間隔を設定させ、そのそれぞれに対して吐出口からのインクの吐出速度を検出させ、当該2つの間隔について検出された吐出速度の差が規定範囲内にあるか否かの判定に応じて、2つの間隔のうちいずれか一方または双方についての調整パターンの記録および当該調整パターンに基づく調整処理を行う。
【選択図】図5
Description
本発明は、インクジェット記録ヘッドを用いるドットマトリックス記録におけるドット形成位置調整方法および該方法を用いる記録装置に関する。
記録媒体上にドットを形成することで記録を行う記録装置として、記録媒体に対し所定方向に移動するとともに、その方向と異なる方向(例えば記録媒体搬送方向)にインクの吐出口の配列(吐出口列)を有する吐出部を複数設けた記録ヘッドを用いるものがある。かかる記録ヘッドは、記録装置に対して、取り外し可能に装着され、または取り外し不能に組み付けられるが、前者の場合には装着時に、また後者の場合には組み付け時に生じる位置誤差等に起因して、吐出部間のドット形成位置のずれが発生してしまう場合がある。
このため、かかるずれの発生を防止して品位の高い画像記録を維持するために、吐出部間のドット形成位置を調整する処理(以下、レジストレーション処理とも言う)を行う技術が知られている。これらの処理に際しては、吐出部間の吐出タイミングをずらしながら、記録媒体に複数のパターンを形成する(以下、これらのパターンを調整パターンと称する)。そして、調整パターンを目視したユーザが最適のものを選択してその情報を入力したり、調整パターンを光学センサで読み取り、その読み取り値から調整値を算出したりすることで、記録装置に対し調整値を設定するのが一般的である。
一方、インクジェット記録装置において画像を記録するために用いられる記録媒体の種類には様々なものがあり、またその厚みにも様々なものがある。記録媒体に対しインクを吐出し、非接触で記録を行うインクジェット記録においては、ドット形成位置の精度にはインクの吐出速度、記録ヘッドの移動速度および記録ヘッドと記録媒体との距離が大きく影響する。従って、ある厚みの記録媒体についてレジストレーション処理のための調整値が得られていたとしても、異なる厚みの記録媒体に対してはその調整値が適切なものとなっていないことがある。このため、特許文献1には、画像記録を行うべくセットされた記録媒体の厚みを検出し、当該検出された厚みの、調整値を得た記録媒体の厚みに対する変化量に応じて調整との補正値を得るようにした技術が開示されている。そしてこの構成により、記録媒体の厚みが変わっても、その都度レジストレーションのための調整値を得る処理(調整処理)を行う必要がなくなることが記載されている。
しかし、近年ではインクジェット記録の対象となる記録媒体の種類ないしは厚みはさらに多様化しており、これに対応するべく、記録ヘッドの高さ、ないしは記録ヘッドと記録媒体との間隔(ヘッド−媒体間隔)を変更する機能を具えた記録装置もある。このような構成においては、ヘッド−媒体間隔がさらに大きく変化することとなる一方、周囲の環境(温湿度環境)や記録ヘッドの状態の影響により、ヘッド−媒体間隔が変わるとインク吐出状態も変化する場合がある。これに対応するためには、特許文献1に開示された技術では調整が不十分となる恐れがあるので、複数のヘッド−媒体間隔について調整処理を行うようにすることが考えられる。しかしながら、その分、大量の調整パターンを記録しなければならないために記録媒体およびインクの消費量が増大し、また調整処理に要する時間も増大することになる。
よって本発明は、記録媒体およびインクの消費量を極力抑制し、かつ調整に要する時間を極力短縮化しつつ、多様な厚みの記録媒体が用いられる場合にも適切なレジストレーション処理が行われるようにすることを目的とする。
そのために、本発明は、吐出口を有する記録ヘッドからインクを吐出することによりドットを形成して記録媒体に画像の記録を行うインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドにより、前記ドットの形成位置を調整する調整処理を行うために利用される調整パターンを前記記録媒体に記録させ、当該記録された調整パターンに基づいて、前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離に応じた前記調整処理を行う調整処理手段と、前記記録ヘッドと前記記録媒体との間隔を変更可能な変更手段と、前記吐出口からのインクの吐出速度を検出する吐出速度検出手段と、を具え、
前記調整処理手段は、前記調整パターンが記録される記録媒体に対し互いに異なる少なくとも2つの前記間隔を前記変更手段に設定させ、当該2つの間隔のそれぞれに対し前記吐出速度検出手段により前記吐出速度を検出させ、当該2つの間隔について検出された前記吐出速度の差が規定範囲内にあるか否かの判定に応じて、前記2つの間隔のうちいずれか一方または双方についての前記調整パターンの記録および当該調整パターンに基づく前記調整処理を行うことを特徴とする。
前記記録ヘッドにより、前記ドットの形成位置を調整する調整処理を行うために利用される調整パターンを前記記録媒体に記録させ、当該記録された調整パターンに基づいて、前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離に応じた前記調整処理を行う調整処理手段と、前記記録ヘッドと前記記録媒体との間隔を変更可能な変更手段と、前記吐出口からのインクの吐出速度を検出する吐出速度検出手段と、を具え、
前記調整処理手段は、前記調整パターンが記録される記録媒体に対し互いに異なる少なくとも2つの前記間隔を前記変更手段に設定させ、当該2つの間隔のそれぞれに対し前記吐出速度検出手段により前記吐出速度を検出させ、当該2つの間隔について検出された前記吐出速度の差が規定範囲内にあるか否かの判定に応じて、前記2つの間隔のうちいずれか一方または双方についての前記調整パターンの記録および当該調整パターンに基づく前記調整処理を行うことを特徴とする。
また、本発明は、吐出口を有する記録ヘッドからインクを吐出することによりドットを形成して記録媒体に画像の記録を行うインクジェット記録装置のドット形成位置調整方法において、
前記記録ヘッドにより、前記ドットの形成位置を調整する調整処理を行うために利用される調整パターンを前記記録媒体に記録させ、当該記録された調整パターンに基づいて、前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離に応じた前記調整処理を行う調整処理工程を具え、
前記調整処理工程は、前記調整パターンが記録される記録媒体に対し互いに異なる少なくとも2つの間隔を設定させる工程と、当該2つの間隔のそれぞれに対し前記吐出口からのインクの吐出速度を検出させる工程と、当該2つの間隔について検出された前記吐出速度の差が規定範囲内にあるか否かの判定に応じて、前記2つの間隔のうちいずれか一方または双方についての前記調整パターンの記録および当該調整パターンに基づく前記調整処理を行うことを特徴とする。
前記記録ヘッドにより、前記ドットの形成位置を調整する調整処理を行うために利用される調整パターンを前記記録媒体に記録させ、当該記録された調整パターンに基づいて、前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離に応じた前記調整処理を行う調整処理工程を具え、
前記調整処理工程は、前記調整パターンが記録される記録媒体に対し互いに異なる少なくとも2つの間隔を設定させる工程と、当該2つの間隔のそれぞれに対し前記吐出口からのインクの吐出速度を検出させる工程と、当該2つの間隔について検出された前記吐出速度の差が規定範囲内にあるか否かの判定に応じて、前記2つの間隔のうちいずれか一方または双方についての前記調整パターンの記録および当該調整パターンに基づく前記調整処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、前記間隔に対応させてインク吐出速度を検出し、その比較結果に応じて、記録品位を維持するのに必要十分な、いずれか一方または双方に対応する調整パターンが記録される。これにより記録媒体およびインクの消費量を極力抑制し、かつ調整に要する時間を極力短縮化しつつ、多様な厚みの記録媒体が用いられる場合にも適切なレジストレーション処理が行われるようになる。
以下、図面を参照して本発明インクジェット記録装置および該装置用のドット形成位置調整方法の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の斜視図である。この装置は、搬送モータ2で駆動される搬送ローラ7によって、矢印A方向に記録媒体9が搬送される。その搬送経路の途中には、記録媒体9の被記録面を平坦に保つべく記録媒体9を支持するプラテン1が設けられている。このプラテン1の上方には、プラテン1に対して平行に2本の走査レール(図示せず)が延在している。これらの走査レールには、キャリッジモータ3とこれに連結されたベルト4とによって矢印BおよびC方向(矢印A方向に交差する方向)に往復移動するキャリッジ5が、スライド軸受け(図示せず)を介して取り付けられている。
また、キャリッジ5の移動経路に沿って、リニアスケール6が配置されている。リニアスケール6には、キャリッジ5の位置検出およびインク吐出タイミングを定めるための規則的なスリットが設けられている。さらに、このリニアスケール6のスリットを読み取るために、キャリッジ5には光学式リニアスケールセンサ(図示せず)が搭載されている。この光学式リニアスケールセンサがリニアスケール6のスリットを検出することで出力するパルスをカウントすることにより、矢印BおよびC方向におけるキャリッジ5の位置が決定される。パルスカウントの初期化は、電源オン時に走査レールの端部にあるホームポジション(HP)センサ(図示せず)の位置へキャリッジ5を移動させることにより行われる。このキャリッジに5には、例えば用いるインク色に対応した数の吐出部を有する記録ヘッドが装着されている。
図2は、キャリッジ5に搭載される記録ヘッドを、インクが吐出される方向から示した模式的斜視図である。記録ヘッド509には、異なる色調(色、濃度を含む)のインク、例えば、ブラック(Bk)、ライトシアン(Lc)、シアン(C)、ライトマゼンタ(Lm)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)のインクを吐出する吐出部511〜516が並置されている。各吐出部に対しては、インク導入部523から記録ヘッド内部のインク流路を介してインクが供給される。各吐出部は、図示の例ではそれぞれが2列の吐出口の配列(吐出口列)を有している。そして、それぞれの吐出口の内方には、インクを吐出するために利用されるエネルギとして例えば通電に応じインクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する素子(電気熱変換素子)が設けられる。
再び図1を参照するに、キャリッジ5には反射型光学センサ10が搭載されている。このセンサは、発光部から記録媒体に向けて投光を行い、その反射光を、受光素子を有する受光部で受光するものである。そして、その受光量に基づいて、記録媒体の端部の検出、記録ヘッドの吐出口形成面と記録媒体との間隔(ヘッド−媒体間隔)の検出、および調整パターンの読み取りを行うことができる。
また、キャリッジ5の移動範囲の一方の端部付近(図示の例では右端の付近)にはインク吐出速度検出用のセンサ8が設けられている。このセンサ8は、吐出口から吐出されるインクの速度を好ましく検出できるものであればいかなる形態のものでもよい。例えば、吐出されるインクを受ける受け部と、吐出されるインクの経路と交差する方向に投光を行う発光部と、これに対向する受光部とを有し、吐出に伴って受・発光部間を通過するインク滴を検知することで、その速度を検出するものとすることができる。
さらに、図1には図示していないが、ヘッド−媒体間隔を調整するために、例えばプラテン1からの高さを変更設定するべくキャリッジ5を昇降させるための昇降機構が設けられる。かかる昇降機構は、キャリッジ5の高さひいてはヘッド−媒体間隔を調整することができるものであればいかなる形態のものでもよい。例えば、キャリッジ5を支持して案内する走査レールに係合し、走査レールないしはキャリッジ5の高さを高低2段階に調整するべく回動可能なカムと、その回動を行わせるための作動機構とを有するものとすることができる。カムを回動させるための作動機構としては、カムに連結されてユーザによる操作を受容する操作レバーを有したものとすることができる。あるいは、記録に際して使用が指示される記録媒体の種類に応じ、図3について後述する制御部(CPU)からの指示に応じて駆動されるモータと、その駆動力をカムに伝達する伝動機構とを有したものとすることもできる。
なお、図1の記録装置に適用可能な記録媒体としては、カットシート形態のものや連続紙形態のものを用いることができる。図1の記録装置では、ロール紙が用いられることを考慮して、プラテン上を矢印C方向に移動することで、記録が行われた部分を切断するためのカッタ(図示せず)が装備されている。
図3は、図1の記録装置の制御系の構成例を示すブロック図である。装置の全体の制御は、ROM12に格納された制御プログラム(後述する処理手順に対応したプログラムなど)および所要の固定データに基づいてCPU20が実行する。RAM13は、データ(各種パラメータやテーブル)を格納する記憶領域およびCPU20の作業領域を提供する。内部パターン生成部11では、レジストレーション処理を行うのに供される調整パターンを記録するためのデータを格納または生成する。反射型の光学センサ10が記録媒体上の調整パターンを読み取ったときの受光素子の出力に基づき、センサ制御部14は調整パターンの濃度が変化する箇所の検出を行う。なお、上述したように、センサ8はヘッド−媒体間隔の検出や、プラテン1上の記録媒体端部の検出にも使用されるものである。
CPU20はセンサ制御部14の検出結果に基づいてレジストレーションを行うための各種の調整値を算出し、RAM13あるいはEEPROMなどの不揮発性メモリ(不図示)等の記憶領域に保存する。また、CPU20は、吐出速度検出用のセンサ8に接続された吐出速度検出部16の出力に基づいて、レジストレーション処理に供される調整パターン形成用のデータを切り替える。さらにCPU20は、画像を記録ずる際に、吐出制御回路19を介して、RAM13に保存してある調整値とセンサ10で検出したヘッド−媒体間隔とを参照して、吐出部間ないしは吐出口列間のドット形成位置が一致するようにインク吐出タイミングを制御する。
図4は、内部パターン生成部11により生成された調整パターンデータに従って記録される調整パターンの例を示す概念図である。この調整パターンは、それぞれが6種類の調整パターンを含んだ、キャリッジ5ないしは記録ヘッド509の高さを高い位置(High位置)に設定して記録した調整パターン部21と低い位置(Low位置)に設定して記録した調整パターン部22とで構成されている。
なお、図4に示される調整パターンはあくまでも例示である。調整パターンには、例えば、双方向記録時の往方向移動と復方向移動との間の各色インク吐出口列のドット形成位置を調整するためのレジストレーション処理に供されるパターンを含めることができる。また、図2に示されるように各色吐出部について複数(図2では2列)の吐出口列が設けられている場合、それらの吐出口列の関係についてのレジストレーション処理を行うための調整パターンを含むことができる。さらに、異なる色のインクの吐出部ないし吐出口列同士の関係についてのレジストレーション処理を行うための調整パターンを含むことができる。また、各調整パターンは、調整対象となる吐出口列間の関係において、吐出タイミングを相対的にずらしながら記録し、ドット形成位置が最も良く一致した場合の濃度が最も低くなる(または最も高くなる)ように形成することができる。
前述したように、用いられる記録媒体の厚みに対応して記録ヘッドの高さを複数段階に調整可能とした記録装置があり、本実施形態においてはHigh位置とLow位置との2段階の調整を可能としている。ここで、高低いずれか一方の高さに記録ヘッド509を設定して調整パターンを記録し、その読み取り値に基づいて調整値を得、当該高低の比から他方の高さに応じて調整値を補正することが考えられる。しかし温度,湿度などの環境条件や記録ヘッドの状態等の影響により、記録ヘッドの高さによってインク吐出状態が異なってくる場合がある。すると、一方の高さに対応した調整値の補正値に基づいて他方の高さに設定した画像の記録を行った場合、濃度むらの発生などの画像品位の低下が生じることがある。そこで、図4に示したように、複数の記録ヘッドの高さに対応して複数の調整パターンを記録し、それぞれについて調整値を取得することが望ましいと言い得る。しかしその分、記録媒体およびインクの消費量が増大し、また時間も要することになる。
そこで本実施形態では、記録ヘッド509の吐出状態、特にドット形成位置の変化に影響を与えるインク吐出速度に応じて調整処理を切り替えることにより、これらの問題を解決するものである。具体的には、レジストレーション処理が起動されると、調整パターンを記録するに先立って、High位置とLow位置との双方でインクの吐出速度を検出する。そして、これらの吐出速度を比較し、これらの差がある規定の範囲内にあるか否かを判定する。
ここで、記録ヘッドの高さが異なっていても、インク吐出速度が一定であれば、高低いずれか一方の高さに対応した調整値から、他方の高さに対応した調整値を算出しても誤差は少ないことが知られている。そこで、吐出速度の比較結果が規定範囲内にあれば、記録ヘッド509をLow位置およびHigh位置の一方に設定して調整パターンを記録し、これに基づいて調整値を得るようにする。そして、画像の記録時には、一つの調整値と理論原点値とから求めた一次式に、当該画像記録に実際に用いられている記録媒体と記録ヘッド509の吐出口形成面との間隔(距離)を代入して吐出タイミングの調整を行う。
これに対し、記録ヘッドの高さによって吐出速度に大きなばらつきがある場合には、高低いずれか一方の高さに対応した調整値から求めた一次式を利用して実際の画像記録時の調整値を算出すると誤差が大きくなる可能性がある。そこで、上記吐出速度の比較結果が規定範囲外となっている場合には、Low位置とHigh位置との双方で調整パターンの記録ないしは調整値の取得を行い、これら2つの調整値から線形補間に使用する一次式を決定する。
本実施形態をより具体的に説明する。
図5は本実施形態の調整値取得処理手順の一例を示す。本手順は、調整を行うべきタイミングが発生した場合において、ユーザの指示に基づいて起動されるものとすることができる。ユーザの指示は、例えば本実施形態の記録装置に接続されて記録すべき画像データを供給するコンピュータなどの外部装置で稼動するプリンタドライバなどの設定画面などを介して行うことができる。あるいは、記録装置に設けられる操作パネルから起動されるようにすることもできる。
図5は本実施形態の調整値取得処理手順の一例を示す。本手順は、調整を行うべきタイミングが発生した場合において、ユーザの指示に基づいて起動されるものとすることができる。ユーザの指示は、例えば本実施形態の記録装置に接続されて記録すべき画像データを供給するコンピュータなどの外部装置で稼動するプリンタドライバなどの設定画面などを介して行うことができる。あるいは、記録装置に設けられる操作パネルから起動されるようにすることもできる。
本手順が起動されると、まず記録ヘッド509をLow位置に設定するとともに吐出速度検出センサ8に対応した位置に設定し、各色インクを適宜吐出させて各色のインク吐出速度(VL)を検出する(ステップS11)。次に、記録ヘッド509をHigh位置とし、同様にインク吐出速度(VH)を検出する(ステップS12)。なお、これらステップS11およびS12の処理は逆でもよい。
次に、これら2つの吐出速度VLおよびVHの差分を演算し、規定範囲内にあるか否かを判断する(ステップS13)。この結果、規定範囲内にあると判断された場合には、高低いずれか一方のみの位置に対応して調整パターンを記録し、調整値を取得する(ステップS14)。この際、High位置に対応して調整パターンを記録するものとすれば、記録ヘッド高さの変更を要さないため有利である。規定規格範囲外であると判断された場合には、High位置とLow位置との双方に対応してそれぞれ調整パターンを記録し、それぞれの調整値を取得する(ステップS15)。さらに、ステップS14またはS15で取得した調整値に基づいて線形の一次式を決定し、線形補間用の一次式の傾きAと定数BとをRAM13あるいはEEROMなどの記憶領域に保存する(ステップS16)。
図6(a)は、吐出速度の差分が規定範囲内であると判断された場合に行われる、High位置のみに対応した調整値取得処理(ステップS14)の詳細を示すフローチャートである。ここでは、まずセンサ10を用い、High位置での記録ヘッドの吐出口形成面と、調整パターンの記録に用いられている記録媒体との実際の間隔(GapH)を測定する(S101)。次に、High位置に対応した調整パターン部21を記録し(S102)、そのパターンをセンサ10で読み取る(S103)。そして、その読み取り結果から調整値(ValueH)を算出し(S104)、この調整値(ValueH)と理論原点から線形一次式を決定する(S105)。
図6(b)は以上で求められた一次式の例を示す。ここで、横軸はヘッド−媒体間距離を、縦軸は調整値の補正値を表しており、(GapH,ValueH)の点と原点とを結んだ傾きA(定数B=0)の直線となっている。この場合は、記録ヘッドの高さによらずインク吐出速度が一定である場合である。従って、記録ヘッドがいずれの高さに設定されていても、この一次式に実際のヘッド−媒体間隔すなわち距離(GapP)を代入することで補正値ValuePを得て、吐出タイミングを適切に調整することができる。
図7(a)は吐出速度の差分が規定範囲外であると判断された場合に行われる、High位置とLow位置とに対応した調整値取得処理(ステップS15)の詳細を示すフローチャートである。ここでは、まず図6(a)におけるステップS101〜S104と同様のステップS201〜S204を実行し、High位置に対応した調整値(ValueH)を取得する。次に、記録ヘッドの高さをLow位置に変更し、ヘッド−媒体間隔(GapL)を測定する(ステップS205)。そして、そのままLow位置に対応した調整パターン部22を記録し(ステップS206)、そのパターンをセンサ10で読み取り(ステップS207)、読み取り結果から調整値(ValueL)を算出する(ステップS208)。さらに、これらの2点の調整値ValueHおよびValueLから一次式を決定する(ステップS209)。
図7(b)は以上で求められた一次式の例を示し、(GapH,ValueH)の点と(GapL,ValueL)の点とを結んだ傾きAと定数Bとをもつ直線となっている。この場合は、記録ヘッドの高さによってインク吐出速度が異なる場合であり、この一次式に実際のヘッド−媒体間隔(GapP)を代入することで補正値ValuePを得て、吐出タイミングを適切に調整することができる。
図8は、実際に画像記録を行う際に適用される補正値の決定処理を含む記録処理手順の一例を示すフローチャートである。記録開始が指示されると、センサ10により画像記録に実際に用いられている記録媒体と記録ヘッドの吐出口形成面との間隔GapPを測定する(ステップS31)。そして、図6(a)または図6(b)に示したように、保存してある傾きAと定数Bの一次式に測定結果GapPを代入し、すなわち
ValueP = GapP×A + B
の式に基づいて、補正値ValuePを算出する(S32)。そして、この補正値ValuePを使用して、当該記録媒体に対する画像記録時のインクの吐出タイミングを制御する(ステップS33)。
ValueP = GapP×A + B
の式に基づいて、補正値ValuePを算出する(S32)。そして、この補正値ValuePを使用して、当該記録媒体に対する画像記録時のインクの吐出タイミングを制御する(ステップS33)。
以上のように、本実施形態においては、高低2段階の記録ヘッドの高さに対応させてインク吐出速度を検出し、その比較結果に応じて、記録品位を維持するのに必要十分な、いずれか一方または双方に対応する調整パターン部を記録するようにしている。このため、記録ヘッドの高さによらず吐出速度が実質的に一定であると判断された場合には、いずれか一方に対応する調整パターン部のみを記録すれば足りるため、記録媒体および時間の浪費を防止することができる。また、吐出速度を検出するためにインクが消費されるものの、この量は高低2段階の記録ヘッドの高さに対応させた2つの調整パターン部を記録する場合に比して少ないものであり、従ってインクの消費量も抑制することが可能となる。
また、高低2段階の記録ヘッド高さに対応して得た吐出速度に対し、調整パターン部の記録に際して用いられる記録媒体についてのヘッド−媒体間距離の検出値を適用し、画像記録に実際に用いられる記録媒体の厚みに応じた補正を行うための一次式を得ている。ここで、記録ヘッドの高さ調整を行わないことを前提として、もしくはかかる調整を行い得ない記録装置を前提として、2種類の厚みの記録媒体を調整値取得のために用意し、それぞれに対するヘッド−媒体間距離および吐出速度の検出を行うことも考えられる。しかし記録媒体の交換等に時間がかかることや、図7(b)に示すような一次式を得るための2点間の距離が狭くなることによる精度低下を考慮すれば、本実施形態のように、同一の記録媒体に対して記録ヘッド高さを変更して調整処理を行うことが有利である。
なお、以上の実施形態においては、High位置とLow位置との2点について調整処理を行う例を説明した。しかし吐出速度の比較結果が著しく離れていた場合には3点(例えばLow位置およびHigh位置に加え、それらの中間のMiddle位置)に対応した調整処理を行うようにすることもできる。そして実際の画像記録時には、用いられている記録媒体によるヘッド−媒体間隔に応じて、Low位置とMiddle位置との2点ついて得た一次式、もしくはMiddle位置とHigh位置との2点について得た一次式を選択して補正値を得るようにすればよい。
また、吐出速度の比較に使用する規定範囲もしく閾値をすべてのインク色について一定のものとするのではなく、色や記録装置の特性あるいは記録画像などに応じて変更するようにしてもよい。例えば、グラフィック印刷を行う場合は、淡色系である上述のライトマゼンタおよびライトシアンや、淡グレイ,グレイなどは画像に大きな影響を与えないと考えられるので、他の原色系比べて規定範囲を広くすることができる。これに対し、CAD図面を印刷するような場合には、細線も重要となるので、グレイに関してはブラックと同等に規定範囲を定めることができる。さらに、これらを考慮して、例えば画像データ供給源であるコンピュータなどで稼動するプリンタドライバなどの設定画面などを介し、あるいは記録装置に設けられる操作パネルを介し、画像の種類ないしは規定範囲の設定を行うようにすることもできる。
さらに、上述した吐出部ないし記録ヘッドの構成や個数、さらにはインク色調の種類や数などはあくまでも例示であって、適宜のものを採用できることはいうまでもない。また、1つの吐出部に設けられる吐出口列の数についても適宜定め得るものである。また、記録媒体についても、上例では連続紙形態のものを用いるものとしたが、カットシート形態のものを用いる場合にも本発明の適用は有効である。
1 プラテン
5 キャリッジ
8 吐出速度検出センサ
9 記録媒体(ロール紙)
10 反射型光学センサ
11 内部パターン生成部
20 CPU
21、22 調整用パターン部
509 記録ヘッド
511〜516 吐出部
5 キャリッジ
8 吐出速度検出センサ
9 記録媒体(ロール紙)
10 反射型光学センサ
11 内部パターン生成部
20 CPU
21、22 調整用パターン部
509 記録ヘッド
511〜516 吐出部
Claims (3)
- 吐出口を有する記録ヘッドからインクを吐出することによりドットを形成して記録媒体に画像の記録を行うインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドにより、前記ドットの形成位置を調整する調整処理を行うために利用される調整パターンを前記記録媒体に記録させ、当該記録された調整パターンに基づいて、前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離に応じた前記調整処理を行う調整処理手段と、
前記記録ヘッドと前記記録媒体との間隔を変更するための変更手段と、
前記吐出口からのインクの吐出速度を検出する吐出速度検出手段と、
を具え、
前記調整処理手段は、前記調整パターンが記録される記録媒体に対し互いに異なる少なくとも2つの前記間隔を前記変更手段に設定させ、当該2つの間隔のそれぞれに対し前記吐出速度検出手段により前記吐出速度を検出させ、当該2つの間隔について検出された前記吐出速度の差が規定範囲内にあるか否かの判定に応じて、前記2つの間隔のうちいずれか一方または双方についての前記調整パターンの記録および当該調整パターンに基づく前記調整処理を行うことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記調整処理手段が前記に用いる前記規定範囲の大きさを変更できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 吐出口を有する記録ヘッドからインクを吐出することによりドットを形成して記録媒体に画像の記録を行うインクジェット記録装置のドット形成位置調整方法において、
前記記録ヘッドにより、前記ドットの形成位置を調整する調整処理を行うために利用される調整パターンを前記記録媒体に記録させ、当該記録された調整パターンに基づいて、前記記録ヘッドと前記記録媒体との距離に応じた前記調整処理を行う調整処理工程を具え、
前記調整処理工程は、前記調整パターンが記録される記録媒体に対し互いに異なる少なくとも2つの間隔を設定させる工程と、当該2つの間隔のそれぞれに対し前記吐出口からのインクの吐出速度を検出させる工程と、当該2つの間隔について検出された前記吐出速度の差が規定範囲内にあるか否かの判定に応じて、前記2つの間隔のうちいずれか一方または双方についての前記調整パターンの記録および当該調整パターンに基づく前記調整処理を行うことを特徴とするドット形成位置調整方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009258848A JP2011104776A (ja) | 2009-11-12 | 2009-11-12 | インクジェット記録装置および該装置用のドット形成位置調整方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009258848A JP2011104776A (ja) | 2009-11-12 | 2009-11-12 | インクジェット記録装置および該装置用のドット形成位置調整方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013202990A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Fujifilm Corp | 液体吐出装置及びその制御方法 |
JP7494005B2 (ja) | 2020-05-19 | 2024-06-03 | キヤノン株式会社 | 吐出装置及び吐出速度の算出方法 |
JP7494007B2 (ja) | 2020-05-20 | 2024-06-03 | キヤノン株式会社 | 吐出装置及び吐出手段の制御方法 |
-
2009
- 2009-11-12 JP JP2009258848A patent/JP2011104776A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013202990A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Fujifilm Corp | 液体吐出装置及びその制御方法 |
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