JP2012111506A - 多層ボトル - Google Patents

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Abstract

【課題】多層ボトルにおいて、落下や衝撃による剥離が起こりにくく、且つ、
剥離防止の為に凹凸部、屈曲部の少ない形状にする必要がなく、デザイン自由度が大きく、透明性及びバリア性の優れた多層ボトルを提供する。
【解決手段】最外層及び最内層、並びに最外層と最内層との間に位置する少なくとも1層のバリア層を含む多層ボトルであって、該最外層及び最内層が、テレフタル酸を80モル%以上含むジカルボン酸成分及びエチレングリコールを80モル%以上含むジオール成分を重合して得られる熱可塑性ポリエステル樹脂(ポリエステル(A))により主として構成され、且つ、バリア層がメタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミド(B)と、スルホン酸金属塩基を有する共重合成分を含有するポリエステル(C)の少なくとも二成分からなるブレンド物であることを特徴とする多層ボトル。
【選択図】なし

Description

本発明はガスバリア性にすぐれる多層ボトルの層間剥離防止に係る発明であり、詳しくは最内層および最外層と中間層との間の層間密着性を改良して、多層ボトルに内容物を充填する時、多層ボトルの輸送時、または落下時に衝撃を受けた際の多層ボトルの層間剥離を防止するとともに、凹凸部、屈曲部の少ない形状にしなくても層間剥離を回避することができ、デザイン自由度が大きい透明性、バリア性の優れた多層ボトルに関するものである。
現在、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルを主体とするプラスチック容器(ボトルなど)がお茶、果汁飲料、炭酸飲料等に広く使用されている。また、プラスチック容器の中で、小型プラスチックボトルの占める割合が年々大きくなっている。ボトルは小型化するに従い単位体積当たりの表面積の割合が大きくなるため、ボトルを小型化した場合、内容物の賞味期限は短くなる傾向にある。また、近年、酸素や光の影響を受けやすいビールのプラスチックボトルでの販売やプラスチックボトル入りお茶のホット販売が行なわれ、プラスチック容器の利用範囲が広がる中、プラスチック容器に対するガスバリア性の更なる向上が要求されている。
上記要求に対し、ボトルにガスバリア性を付与する方法として熱可塑性ポリエステル樹脂とガスバリア性樹脂を用いた多層ボトル、ブレンドボトル、熱可塑性ポリエステル樹脂単層ボトルにカーボンコート、蒸着、バリア樹脂の塗布を施したバリアコーティングボトル等が開発されている。
多層ボトルの一例としては、最内層および最外層を形成するPET等の熱可塑性ポリエステル樹脂とポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)等の熱可塑性ガスバリア性樹脂とを射出して金型キャビティーを満たすことにより得られる3層または5層構造を有するプリフォーム(パリソン)を2軸延伸ブロー成形したボトルが実用化されている。
更に、容器外からの酸素を遮断しながら容器内の酸素を捕捉する酸素捕捉機能を有する樹脂が開発され、多層ボトルに応用されている。酸素捕捉性ボトルとしては、酸素吸収速度、透明性、強度、成形性等の面で、遷移金属系触媒を混合したポリアミドMXD6をガスバリア層として使用した多層ボトルが好適である。
上記多層ボトルは、その良好なガスバリア性からビール、お茶、炭酸飲料等の容器に利用されている。多層ボトルがこれら用途に使用されることにより、内容物の品質維持、シェルフライフの改善がなされる一方、異なる樹脂間、例えば、最内層および最外層と中間層の間で層間剥離が起こり、商品価値を損ねてしまう問題がある。
このような問題点を改良する方法として、最内層および最外層を構成する樹脂を最後に金型キャビティー内に射出する際に、ガスバリア層側に一定量逆流させることが可能な逆流調節装置を使用し層間に粗混合樹脂を介在させてプリフォームを作成することによって耐層間剥離性を改善することが開示記載されているが、特殊な装置を使用するという問題点がある(特許文献1参照)。また、延伸ブローにより多層ボトルを成形する際に、一度ブローした一次成形品を加熱収縮させた後に再び高圧でブローするという方法があるが、この方法では成形品の形状不良が起こったり、煩雑な手間がかかり、耐層間剥離性も低下するという問題がある(特許文献2参照)。
一方、ブレンドボトルの一例としては、PET等の熱可塑性ポリエステル樹脂とポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)等の熱可塑性ガスバリア性樹脂とをドライブレンドして射出成形して金型キャビティーを満たすことにより得られる3層または5層構造を有するプリフォーム(パリソン)を2軸延伸ブロー成形したボトルが実用化されている。ブレンドボトルは単層であることから、層間剥離が起こる心配は無いものの、Hazeが高く特有のパール状の外観を有することから、多層ボトルに対して透明性が劣ることが問題となっている。
PETおよびポリアミドMXD6からなブレンドボトルの透明性を改善する方法として、PET、MXD6、スルホン酸変性PETからなるブレンドボトルが開示されているが、依然としてHazeが高く改善が求められていた(特許文献3参照)。
特開2000−254963号公報 特開2001−206336号公報 特開平2−135259号公報
本発明の目的は、上記課題を解決し、多層ボトルにおいて、落下や衝撃による剥離が起こりにくく、かつ、剥離防止のために凹凸部、屈曲部の少ない形状にする必要がなく、デザイン自由度が大きく、透明性およびバリア性の優れた多層ボトルを提供することにある。
本発明者らは、多層ボトルの耐層間剥離性について鋭意研究を重ねた結果、バリア層を特定の組成とすることによって、バリア層の衝撃に対するエネルギーの緩和を良好にし、層間の密着性が改善され落下時等の層間剥離を防止でき、さらには透明性の優れたボトルを得られることを見出し本発明に到った。
即ち本発明は、つぎの通りである。
1.最外層および最内層、ならびに最外層と最内層との間に位置する少なくとも1層のバリア層を含む多層ボトルであって、該最外層および最内層が、テレフタル酸を80モル%以上含むジカルボン酸成分およびエチレングリコールを80モル%以上含むジオール成分を重合して得られる熱可塑性ポリエステル樹脂(ポリエステル(A))により主として構成され、かつ、バリア層がメタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミド(B)と、スルホン酸金属塩基を有する共重合成分を含有するポリエステル(C)の少なくとも二成分からなるブレンド物であることを特徴とする多層ボトル。
2.前記ポリエステル(C)の重量が、バリア層重量に対して40〜90%である第1項に記載の多層ボトル。
3.前記ポリアミド(B)の数平均分子量が10000〜30000である第1項に記載の多層ボトル。
4.前記スルホン酸金属塩基を有する共重合成分が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸である第1項に記載の多層ボトル。
5.前記ポリエステル(C)が、0.1〜1モル%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸を含むものである第1項に記載の多層ボトル
6.ポリアミド(B)とポリエステル(C)の溶融粘度比が、0.4〜1である第1項に記載の多層ボトル
7.前記バリア層が、ポリアミド(B)とポリエステル(C)が多層構造を有するペレットであって、ポリアミド(B)がコア層、ポリエステル(C)がスキン層である多層構造ペレットを成形して得られる第1項に記載の多層ボトル。
8.前記バリア層が、ジアミド化合物および/またはジエステル化合物を、バリア層の合計量100重量部に対して0.005〜1.0重量部含有する第1項に記載の多層ボトル。
9.ポリエステル(A)層/バリア層/ポリエステル(A)層の3層構造を有する第1項に記載の多層ボトル。
10.ポリエステル(A)層/バリア層/ポリエステル(A)層/バリア層/ポリエステル(A)層の5層構造を有する第1項に記載の多層ボトル。
11.多層ボトル総重量に対する前記バリア層の重量が1〜20重量%である第1項に記載の多層ボトル。
本発明によれば、層間剥離が起こりにくいことから容器形状の自由度を高めることができ、かつ、ガスバリア性に優れた透明な多層ボトルを得ることができるため、本発明の工業的意義は大きい。
本発明の多層ボトルの最外層、最内層、および場合によっては中間層を形成することもある熱可塑性ポリエステル樹脂は、80モル%以上、好ましくは90モル%以上がテレフタル酸であるジカルボン酸成分と、80モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレングリコールであるジオール成分を重合反応させて得られたポリエステル樹脂(以下、“ポリエステル(A)”と略称する)である。
ポリエステル(A)としては、ポリエチレンテレフタレートが好適に使用される。ポリエチレンテレフタレートの持つ透明性、機械的強度、射出成形性、延伸ブロー成形性の全てにおいて優れた特性を発揮することが可能となる。
テレフタル酸以外の他のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−4,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4又は2,6−ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカン−1,10−カルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸を使用することができる。またエチレングリコール以外の他のジオール成分としてはプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を使用することが出来る。更に、ポリエステル樹脂Aの原料モノマーとして、p−オキシ安息香酸等のオキシ酸を使用することもできる。
ポリエステル(A)の固有粘度は、0.55〜1.30、好ましくは0.65〜1.20である。固有粘度が上記0.55以上であると多層プリフォームを透明な非晶状態で得ることが可能であり、また得られる多層ボトルの機械的強度も満足するものとなる。また固有粘度が1.30以下の場合、成形時に流動性を損なうことなく、ボトル成形が容易である。
前記最外層あるいは最内層は、主としてポリエステル(A)により構成されるが、本発明の特徴を損なわない範囲でポリエステル(A)に他の熱可塑性樹脂や各種添加剤を配合して使用することができる。その際、最外層あるいは最内層の90重量%以上がポリエステル(A)であることが好ましい。前記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等が例示できる。また、前記添加剤としては、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、着色剤、プリフォームの加熱を促進し成形時のサイクルタイムを短くするための赤外吸収剤(リヒートアディティブ)などが例示できる。
本発明の多層ボトルのバリア層は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミド(B)と、スルホン酸金属塩基を有する共重合成分を含有するポリエステル(C)の少なくとも二成分からなるブレンド物からなることが好ましい。ポリアミド(B)ポリエステル(C)をブレンドすることによって、バリア層の柔軟性、層間の密着性が改善され、耐層間剥離性能が良好になる。また、バリア層の透明性が良好となる。
本発明で使用するポリアミド(B)は、メタキシリレンジアミンを主成分とするジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分とを重縮合することにより得られるポリアミドである。該ポリアミドは、バリア性能が高く、また、ポリエステル(A)(主にポリエチレンテレフタレート)およびポリエステル(C)との共射出成形性、共延伸ブロー成形性において優れた特性を発揮する。
ポリアミド(B)におけるジアミン成分は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上、好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上含むものである。ジアミン成分中のメタキシリレンジアミン量が70モル%より少ないと、ポリアミド(B)のガスバリア性が低下するため好ましくない。本発明においてメタキシリレンジアミン以外に使用できるジアミン成分としては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
ポリアミド(B)におけるジカルボン酸成分は、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上、好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上含むものである。上記の範囲であると、バリア性・成形性に優れたポリアミドとなる。本発明で使用する炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、例えばコハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示できるが、これら中でもアジピン酸、セバシン酸が好ましい。
また本発明では上記α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等に例示される芳香族ジカルボン酸類を、30モル%を上限に添加することもできる。さらに、ポリアミドの重縮合時に分子量調節剤として少量のモノアミン、モノカルボン酸を加えてもよい。
ポリアミド(B)は、溶融重縮合法により製造できる。例えば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧状態で昇温し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法により製造される。また、メタキシリレンジアミンを溶融状態のアジピン酸に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を均一な液状状態で保つために、メタキシリレンジアミンをアジピン酸に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミドおよびポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
また、ポリアミド(B)は、溶融重合法により製造された後に、固相重合を行うことによって重縮合を行っても良い。ポリアミドの製造方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法、重合条件により製造される。
ポリアミド(B)の数平均分子量は、8000〜30000が好ましく、より好ましくは、9000〜20000であり、さらに好ましくは9500〜18000である。この範囲であると、多層ボトルへの成形が良好であり、得られた多層ボトルは耐層間剥離性に優れたものとなる。また驚くべきことに、ポリアミド(B)とポリエステル(C)からなるバリア層の透明性が良好となる。
ポリアミド(B)の反応モル比は、0.97〜0.995が好ましく、より好ましくは、0.974〜0.991であり、さらに好ましくは0.976〜0.989である。この範囲であると、驚くべきことにポリアミド(B)とポリエステル(C)からなるバリア層の透明性が良好となることを見出した。
ここで、反応モル比(r)は次式で求められる。
r=(1−cN−b(C−N))/(1−cC+a(C−N))
式中、a:M1/2
b:M2/2
c:18.015 (水の分子量)
M1:ジアミンの分子量(g/mol)
M2:ジカルボン酸の分子量(g/mol)
N:末端アミノ基濃度(当量/g)
C:末端カルボキシル基濃度(当量/g)
なお、ジアミン、ジカルボン酸成分として分子量の異なるモノマーからポリアミドを合成する際は、M1およびM2は原料として配合するモノマーの配合比(モル比)に応じて計算されることは言うまでも無い。なお、合成釜内が完全な閉鎖系であれば、仕込んだモノマーのモル比と反応モル比とは一致するが、実際の合成装置は完全な閉鎖系とはなりえないことから、仕込みのモル比と反応モル比が一致するとは限らない。仕込んだモノマーが完全に反応するとも限らないことから、仕込みのモル比と反応モル比が一致するとは限らない。したがって、反応モル比とは出来上がったポリアミドの末端基濃度から求められる実際に反応したモノマーのモル比を意味する。
ポリアミド(B)には、溶融成形時の加工安定性を高めるため、あるいはポリアミド(B)の着色を防止するためにリン化合物を添加することができる。リン化合物としてはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含むリン化合物が好適に使用され、例えば、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸塩、次亜リン酸塩、亜リン酸塩が挙げられるが、特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の次亜リン酸塩を使用したものがポリアミドの着色防止効果に特に優れるため好ましく用いられる。リン化合物の濃度はリン原子として1〜500ppm、好ましくは350ppm以下、更に好ましくは200ppm以下である。リン原子濃度が500ppmを超えても着色防止効果に変化はなく、むしろこれを利用して得られるフィルムのヘーズが上昇するため好ましくない。
スルホン酸金属塩基を有する共重合成分を含有するポリエステル(C)の、スルホン酸金属塩基を有する共重合成分とは、具体的には5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ジメチル5−ナトリウムスルホイソフタレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)5−ナトリウムスルホイソフタレート、ビス(4−ヒドロキシブチル)5−ナトリウムスルホイソフタレートなどが例示できるが、この中でも5−ナトリウムスルホイソフタル酸が最も好ましい。ポリエステル(C)がこのような成分を含むことによって、ポリアミド(B)とブレンドしたと際の透明性が良好となる。
スルホン酸金属塩基を有する共重合成分の量は、ポリエステル(C)に対して、0.1〜1モル%が好ましく、特に好ましくは0.2〜0.7モル%、特に好ましくは0.3〜0.45モル%である。この範囲であると、ポリエステル(C)とポリアミド(B)とをブレンドした際の透明性が良好となる。また、バリア層の強度が良好となり、耐デラミ性が優れた多層ボトルとすることができる。
ポリアミド(B)とポリエステル(C)の混合割合は、バリア層重量に対して40〜90%であることが好ましく、より好ましくは、45〜70%、さらに好ましくは50〜60%である。この範囲であると透明性、バリア性が良好で、耐デラミ性の優れた多層ボトルとすることができる。
ポリアミド(B)とポリエステル(C)の溶融粘度比すなわち、ポリアミド(B)の溶融粘度/ポリエステル(C)の溶融粘度は、0.4〜1が好ましく、0.5〜0.9が好ましく、0.6〜0.8がさらに好ましい。この範囲であると多層ボトルの耐デラミ性が良好となる。なお、ここで溶融粘度とは、270℃、せん断速度122/secで1mmφ×10mmのキャピラリーを用いて測定した見掛けの溶融粘度である。
ポリアミド(B)とポリエステル(C)をバリア層とする多層ボトルを作成する際には、ポリアミド(B)とポリエステル(C)をドライブレンドして成形機に供給する方法、あらかじめ2軸押出機または単軸押出機等の押出機を用いて溶融混練して得たペレットを成形機に供給する方法、または、ポリアミド(B)がコア層、ポリエステル(C)がスキン層である多層構造ペレットを予め成形し、多層ペレットを成形機に供給する方法等が例示できるが、この中でも多層構造を有するペレットを用いる方法が最も好ましい。多層構造を有するペレットを用いることによって、さらにHazeが低下し、パール状の光沢が少ない多層ボトルとすることができる。
ポリアミド(B)とポリエステル(C)のブレンド方法に特に制限は無く、ボトルのプリフォーム作成時にドライブレンドして供給してもよく、プリフォーム作成に先立ち単軸押出機や、二軸押出機などによってメルトブレンドしても良く、メルトブレンドによってマスターバッチを作って使用しても良い。
また、前記バリア層には、目的を損なわない範囲で、ポリアミド(B)や熱可塑性樹脂(C)以外の樹脂(D)、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6,66、ナイロン6I/6T、ポリエステル、オレフィン、フェノキシ樹脂等の樹脂を一種もしくは複数ブレンドできる。また、ガラス繊維、炭素繊維などの無機充填剤;ガラスフレーク、タルク、カオリン、マイカ、モンモリロナイト、有機化クレイなどの板状無機充填剤、各種エラストマー類などの耐衝撃性改質材、結晶核剤;脂肪酸アミド系、脂肪酸金属塩系、脂肪酸アマイド系化合物等の滑剤;銅化合物、有機もしくは無機ハロゲン系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、硫黄系化合物、リン系化合物等の酸化防止剤;熱安定剤、着色防止剤、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、離型剤、可塑剤、着色剤、難燃剤などの添加剤、酸素捕捉能を付与する化合物であるコバルト金属を含む化合物やポリアミドのゲル化防止を目的としたアルカリ化合物等の添加剤を添加することができる。
本発明の多層ボトルでは、プリフォームとボトルの形状によっては低延伸倍率(1〜2.5倍)の部分が生じることがある。低延伸倍率部のバリア層が吸水すると白化することがある。必要に応じてバリア層に白化防止剤を添加することにより白化が抑制され透明性の良好な多層ボトルが得られる。
上記白化防止剤は、炭素数18〜50、好ましくは18〜34の脂肪酸金属塩である。炭素数が18以上で白化防止が期待できる。また、炭素数が50以下であるとバリア層中への均一分散が良好となる。脂肪酸は側鎖や二重結合があってもよいが、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)などの直鎖飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸と塩を形成する金属に特に制限はないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、ストロンチウム、アルミニウム、亜鉛等が例示され、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、アルミニウム、および亜鉛が特に好ましい。
脂肪酸金属塩は、1種類でもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明では、脂肪酸金属塩の粒径に特に制限はないが、粒径が小さい方がバリア層中に均一に分散することが容易になるため、粒径は0.2mm以下が好ましい。
脂肪酸金属塩の添加量は、バリア層の合計量100重量部に対して好ましくは0.005〜1.0重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部、特に好ましくは0.12〜0.5重量部である。合計量100重量部に対して0.005重量部以上添加することにより白化防止効果が期待できる。また、添加量が合計量100重量部に対して1.0重量部以下であると得られる多層ボトルの曇価を低く保つことが可能となる。
上記脂肪酸金属塩の代わりに、下記のジアミド化合物およびジエステル化合物から選ばれた化合物を白化防止剤として添加してもよい。1種または2種以上のジアミド化合物を添加してもよいし、1種または2種以上のジエステル化合物を添加してもよいし、1種または2種以上のジアミド化合物と1種または2種以上のジエステル化合物を併用してもよい。
ジアミド化合物は、炭素数8〜30の脂肪酸と炭素数2〜10のジアミンから得られる。脂肪酸の炭素数が8以上、ジアミンの炭素数が2以上であると白化防止効果が期待できる。また、脂肪酸の炭素数が30以下、ジアミンの炭素数が10以下であると均一分散が良好となる。脂肪酸は側鎖や二重結合があってもよいが、直鎖飽和脂肪酸が好ましい。
ジアミド化合物の脂肪酸成分として、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)が例示できる。ジアミド化合物のジアミン成分として、エチレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサンジアミン、キシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が例示できる。これらを組み合わせて得られるジアミド化合物が本発明に用いられる。炭素数8〜30の脂肪酸と主としてエチレンジアミンから成るジアミンから得られるジアミド化合物、または主としてモンタン酸からなる脂肪酸と炭素数2〜10のジアミンから得られるジアミド化合物が好ましい。
ジエステル化合物は、炭素数8〜30の脂肪酸と炭素数2〜10のジオールから得られる。脂肪酸の炭素数が8以上、ジオールの炭素数が2以上であると白化防止効果が期待できる。また、脂肪酸の炭素数が30以下、ジオールの炭素数が10以下であると混合樹脂B中への均一分散が良好となる。脂肪酸は側鎖や二重結合があってもよいが、直鎖飽和脂肪酸が好ましい。
ジエステル化合物の脂肪酸成分として、ステアリン酸(C18)、エイコ酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等が例示できる。ジエステル化合物のジオール成分として、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、キシリレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が例示できる。これらを組み合わせて得られるジエステル化合物が本発明に用いられる。主としてモンタン酸からなる脂肪酸と主としてエチレングリコールおよび/または1,3−ブタンジオールからなるジオールから得られるジエステル化合物が特に好ましい。
ジアミド化合物および/またはジエステル化合物の添加量は、バリア層の合計量100重量部に対して好ましくは0.005〜1.0重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部、特に好ましくは0.12〜0.5重量部である。合計量100重量部に対して0.005重量部以上添加することにより白化防止効果が期待できる。また、添加量が合計量100重量部に対して1.0重量部以下であると、得られる多層ボトルの曇価を低く保つことが可能となる。
バリア層への白化防止剤の添加は従来から公知の混合法を適用できる。たとえば、回転中空容器内にポリアミド樹脂のペレット、金属触媒化合物、白化防止剤を投入し混合して使用してもよい。また、高濃度の白化防止剤を含有するポリアミド樹脂組成物を製造した後、白化防止剤を含有しないポリアミド樹脂ペレットで所定の濃度で希釈し、これを溶融混練する方法、溶融混連後、引き続き、射出成形などにより成形する方法などが採用される。
白化防止剤を使用した場合、多層ボトルを製造した直後にバリア層が白化するのを防止することができる。また、白化しない、あるいは白化が増大しない条件で多層ボトルを長期保存した後に、バリア層が白化するのを防止することができる。すなわち、白化防止剤を添加しなくとも白化しない、あるいは白化が増大しない条件、たとえば温度23℃、湿度50%RH雰囲気下に長期保存した後に、多層ボトルを高湿度にさらしたり、水や沸騰水と接触させたり、あるいはガラス転移温度以上に加熱しても成形直後と同様に白化が抑制される。
本発明の多層ボトルは、例えば、2つの射出シリンダーを有する射出成形機を使用して、ポリエステル(A)をスキン側の射出シリンダーから、ポリアミド(B)とポリエステル(C)のブレンド物をコア側の射出シリンダーから金型ホットランナーを通して金型キャビティー内に射出して得られた多層プリフォームを、公知の方法によって更に2軸延伸ブロー成形することにより得られる。
一般に、多層プリフォームのブロー成形は所謂コールドパリソン法やホットパリソン法などの従来公知の方法がある。例えば、多層プリフォームの表面を80〜120℃に加熱した後にコアロッドインサートで押すといった機械的手段により軸方向に延伸し、次いで、通常2〜4MPaの高圧空気をブローして横方向に延伸させブロー成形する方法、多層プリフォームの口部を結晶化させ、表面を80〜120℃に加熱した後に90〜150℃の金型内でブロー成形する方法などである。
本発明において、プリフォーム加熱温度は90〜110℃が好ましく、95℃〜108℃がさらに好ましい。プリフォーム加熱温度が90℃より低いと、加熱が不十分となり、バリア層またはPET層が冷延伸され、白化することがある。110℃より高温であるとバリア層が結晶化し、白化するため好ましくない。さらに、耐層間剥離性能も低下することがある。
本発明では、バリア性、成形性などが優れることから、多層ボトルはポリエステル(A)層/バリア層/ポリエステル(A)層の3層構造、または、ポリエステル(A)層/バリア層/ポリエステル(A)層/バリア層/ポリエステル(A)層の5層構造を有することが好ましい。
3層構造あるいは5層構造の多層ボトルは、3層構造あるいは5層構造の多層プリフォームを、公知の方法によって更に2軸延伸ブロー成形することにより得られる。3層構造あるいは5層構造の多層プリフォーム製造方法に特に制限は無く、公知の方法を利用できる。たとえば、スキン側射出シリンダーから最内層および最外層を構成するポリエステル(A)を射出し、コア側射出シリンダーからバリア層を構成する樹脂を射出する工程で、先ず、ポリエステル(A)射出し、次いでバリア層を構成する樹脂とポリエステル(A)を同時に射出し、次にポリエステル(A)を必要量射出して金型キャビティーを満たすことにより3層構造(ポリエステル(A)層/バリア層/ポリエステル(A)層)の多層プリフォームが製造できる。
また、スキン側射出シリンダーから最内層および最外層を構成するポリエステル(A)を射出し、コア側射出シリンダーからバリア層を構成する樹脂を射出する工程で、先ずポリエステル(A)を射出し、次いでバリア層を構成する樹脂を単独で射出し、最後にポリエステル(A)を射出して金型キャビティーを満たすことにより、5層構造(ポリエステル(A)層/バリア層/ポリエステル(A)層/バリア層/ポリエステル(A)層)の多層プリフォームが製造できる。なお、多層プリフォームを製造する方法は、上記方法だけに限定されるものではない。
多層ボトル中の、ポリエステル(A)層の厚さは0.01〜1.0mmであるのが好ましく、バリア層の厚さは0.005〜0.2mm(5〜200μm)であるのが好ましい。また、多層ボトルの厚さはボトル全体で一定である必要はなく、通常、0.2〜1.0mmの範囲である。
多層プリフォームを2軸延伸ブロー成形して得られる多層ボトルにおいて、少なくとも多層ボトルの胴部にバリア層が存在していればガスバリア性能は発揮できるが、多層ボトルの口栓部先端付近までバリア層が延びている方がガスバリア性能は更に良好である。また、口栓部先端付近までバリア層が延びている場合は、バリア層がジアミド化合物および/またはジエステル化合物を含有することが好ましい。これにより、ボトルを保管した際にポリアミド(B)の結晶化が進行し、ボトル口栓部から肩部までの、延伸倍率が少ない部分の白化の増加すなわちHazeの上昇を抑えることができる。
本発明の多層ボトルにおいてバリア層の重量は、多層ボトル総重量に対して1〜20重量%とすることが好ましく、より好ましくは2〜15重量%、特に好ましくは3〜10重量%である。バリア層の重量を上記範囲とすることにより、ガスバリア性が良好な多層ボトルが得られるとともに、前駆体である多層プリフォームから多層ボトルへの成形も容易となる。また、ボトルのHazeが低下し、パール状の色調を低減することができる。
多層ボトルとすることによって、ポリアミド(B)、ポリエステル(C)からなる単層ブレンドボトルと比較して、ボトルの座屈強度やバースト強度といったボトルの強度を向上することができる。また、Hazeを低下させパール状の色調を低減することができ、好ましい。
本発明の多層ボトルは、落下や衝撃による層間剥離が起こりにくく、透明性、バリア性に優れる。また、凹凸部、屈曲部を含む形状であっても層間剥離が起こりにくいので、多層ボトルの形状は凹凸部、屈曲部の少ない形状に限定されず、デザイン自由度が大きくなる。本発明の多層ボトルは、例えば、炭酸飲料、ジュース、水、牛乳、日本酒、ウイスキー、焼酎、コーヒー、茶、ゼリー飲料、健康飲料等の液体飲料、調味液、ソース、醤油、ドレッシング、液体だし等の調味料、液体スープ等の液体系食品、液状の医薬品、化粧水、化粧乳液、整髪料、染毛剤、シャンプー等、種々の物品の収納、保存に好適である。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、多層ボトルの評価は以下の方法で行った。
(1)層間剥離高さ
ASTM D2463−95 ProcedureBに基づき、容器の落下試験により層間剥離高さを求めて評価した。層間剥離高さが高いほど、耐層間剥離性が良好であることを示す。まず、多層ボトルに水を満たしキャップをした後、多層ボトルを落下させ層間剥離の有無を目視で判定した。多層ボトルは底部が床に接触するように垂直落下させた。落下高さ間隔は15cm。テストボトル数は30本。結果が300cm以上となる場合は、剥離は「なし」と判断した。
(2)ポリアミドの末端基濃度
(a)末端アミノ基濃度([NH]μeq/g)
ポリアミド0.2〜0.5gを精秤し、フェノール/エタノール=4/1容量溶液30mlにポリアミドを撹拌下に溶解した。ポリアミドが完全に溶解した後、N/100塩酸で中和滴定して求めた。
(b)末端カルボキシル基濃度([COOH]μeq/g)
ポリアミド0.2〜0.5gを精秤し、ベンジルアルコール30mlに窒素気流下160〜180℃でポリアミドを撹拌下に溶解した。ポリアミドが完全に溶解した後、窒素気流下80℃まで冷却し、撹拌しながらメタノール10mlを加え、N/100水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定して求めた。
(3)ポリアミドの数平均分子量
ポリアミドのアミノ基濃度([NH]μeq/g)とカルボキシル基濃度([COOH]μeq/g)から、次式(イ)により数平均分子量(Mn)を算出した。
Mn=2×10/([NH]+[COOH]) (イ)
(4)Haze
JISK-7105に準じて、ボトル胴部を5cm×5cmに切出し、日本電色工業製の測定装置(COH-300)を利用して測定した。
(5)パール状外観
目視にてボトルのギラつき具合を評価し、パール状が激しい場合を×、若干パール状である場合を○、パール状がほぼ認められない場合を◎とした。
1.材料
実施例及び比較例では以下の材料を使用した。
(1)ポリエステル1(PET1)
共重合PET樹脂(固有粘度=0.8dl/g、イソフタル酸3.3モル%共重合、ジカルボン酸成分における5−スルホン酸ナトリウム量=0.1モル%)を使用した。使用に際しては除湿乾燥機にて150℃6時間乾燥したものを用いた。
(2)ポリエステル2(PET2)
共重合PET樹脂(固有粘度=0.8dl/g、イソフタル酸2.0モル%共重合、ジカルボン酸成分における5−スルホン酸ナトリウム量=0.45モル%)を使用した。使用に際しては除湿乾燥機にて150℃6時間乾燥したものを用いた。
(3)ポリエステル3(PET3)
共重合PET樹脂(商品名:ユニペットBK-2180、固有粘度=0.83dl/g、スルホン酸金属塩基を有さない)を使用した。使用に際しては除湿乾燥機にて150℃6時間乾燥したものを用いた。
(4)ポリアミド1(PA1)
攪拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶に、アジピン酸15kg、次亜リン酸ナトリウム一水和物13gを仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて180℃に昇温し、アジピン酸を均一に溶融させた後、系内を撹拌しつつ、これにメタキシリレンジアミン13.6kgを、170分を要して滴下した。この間、内温は連続的に245℃まで上昇させた。なお重縮合により生成する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温をさらに260℃まで昇温し、1時間反応を継続した後、ポリマーを反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷後ペレット化してポリマーを得た。次に、上記操作にて得たポリマーを100℃で48時間真空乾燥することにより乾燥及び結晶化したペレットを得た。得られたポリアミドの評価結果を表1に示す。
(5)ポリアミド2(PA2)
メタキシリレンジアミンを13.7kgとした以外はポリアミド1と同様に合成した。
(6)ポリアミド3(PA3)
メタキシリレンジアミンを13.75kgとした以外はポリアミド1と同様に合成した。
(7)ポリアミド4(PA4)
メタキシリレンジアミンを13.9kgとした以外はポリアミド1と同様に合成した。
(8)ポリアミド5(PA5)
メタキシリレンジアミンを13.95kgとした以外はポリアミド1と同様に合成した
<実施例1>
下記の条件により、ポリエステル(A)層/バリア層/ポリエステル(A)層からなる3層プリフォーム(27g)を射出成形し、冷却後、プリフォームを加熱し2軸延伸ブロー成形を行い、多層ボトルを得た。尚、ポリエステル(A)層を構成する樹脂としては、固有粘度(フェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)の混合溶媒を使用。測定温度30℃。)が0.75のポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット製 RT543C)を使用し、バリア層を構成する樹脂(バリア樹脂)としては、表2記載の混合樹脂を使用した。得られた多層ボトルの総重量に対するバリア層の重量は5重量%であった。多層ボトルの評価結果を表1に示す。
(3層プリフォーム形状)
全長95mm、外径22mm、肉厚4.2mm。なお、3層プリフォームの製造には、名機製作所(株)製の射出成形機(型式:M200、4個取り)を使用した。
(3層プリフォーム成形条件)
スキン側射出シリンダー温度:275℃
コア側射出シリンダー温度 :260℃
金型内樹脂流路温度 :270℃
金型冷却水温度 :15℃
プリフォーム中のバリア樹脂の割合:5重量%
(多層ボトル形状)
全長223mm、外径65mm、内容積500ml、底部形状はペタロイドタイプ、胴部にディンプルは無し。なお、2軸延伸ブロー成形はフロンティア社製ブロー成形機(型式:EFB1000ET)を使用した。
(2軸延伸ブロー成形条件)
プリフォーム加熱温度:108℃
延伸ロッド用圧力:0.5MPa
一次ブロー圧力:0.7MPa
二次ブロー圧力:2.5MPa
一次ブロー遅延時間:0.34sec
一次ブロー時間:0.30sec
二次ブロー時間:2.0sec
ブロー排気時間:0.6sec
金型温度:30℃
<実施例2〜8、比較例1〜2>
バリア層組成を表2に記載のものに変更した以外は実施例1と同様にして多層ボトルを得た。多層ボトルの評価結果を表2に示す。
なお、表記載の樹脂名略号は以下の通りである。
S6007:ポリメタキシリレンアジパミド(三菱ガス化学株式会社製 MXナイロンS6007)
Figure 2012111506
Figure 2012111506
以上の実施例で示したように、本発明の多層ボトルは、非常に優れた耐層間剥離性、透明性を示したのに対し、本発明の構成要件を満たさないボトルは耐層間剥離性または透明性に劣っていた。

Claims (11)

  1. 最外層および最内層、ならびに最外層と最内層との間に位置する少なくとも1層のバリア層を含む多層ボトルであって、該最外層および最内層が、テレフタル酸を80モル%以上含むジカルボン酸成分およびエチレングリコールを80モル%以上含むジオール成分を重合して得られる熱可塑性ポリエステル樹脂(ポリエステル(A))により主として構成され、かつ、バリア層がメタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミド(B)と、スルホン酸金属塩基を有する共重合成分を含有するポリエステル(C)の少なくとも二成分からなるブレンド物であることを特徴とする多層ボトル。
  2. 前記ポリエステル(C)の重量が、バリア層重量に対して40〜90%である請求項1に記載の多層ボトル。
  3. 前記ポリアミド(B)の数平均分子量が10000〜30000である請求項1に記載の多層ボトル。
  4. 前記スルホン酸金属塩基を有する共重合成分が、5−ナトリウムスルホイソフタル酸である請求項1に記載の多層ボトル。
  5. 前記ポリエステル(C)が、0.1〜1モル%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸を含むものである請求項1に記載の多層ボトル
  6. ポリアミド(B)とポリエステル(C)の溶融粘度比が、0.4〜1である請求項1に記載の多層ボトル
  7. 前記バリア層が、ポリアミド(B)とポリエステル(C)が多層構造を有するペレットであって、ポリアミド(B)がコア層、ポリエステル(C)がスキン層である多層構造ペレットを成形して得られる請求項1に記載の多層ボトル。
  8. 前記バリア層が、ジアミド化合物および/またはジエステル化合物を、バリア層の合計量100重量部に対して0.005〜1.0重量部含有する請求項1に記載の多層ボトル。
  9. ポリエステル(A)層/バリア層/ポリエステル(A)層の3層構造を有する請求項1に記載の多層ボトル。
  10. ポリエステル(A)層/バリア層/ポリエステル(A)層/バリア層/ポリエステル(A)層の5層構造を有する請求項1に記載の多層ボトル。
  11. 多層ボトル総重量に対する前記バリア層の重量が1〜20重量%である請求項1に記載の多層ボトル。
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