JP4830677B2 - 多層ボトル - Google Patents

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Description

本発明はガスバリア性にすぐれる多層ボトルの層間剥離防止に係る発明であり、詳しくは最内層および最外層と中間層との間の層間密着性を改良して、多層ボトルに内容物を充填する時、多層ボトルの輸送時、または落下時に衝撃を受けた際の多層ボトルの層間剥離を防止するとともに、凹凸部、屈曲部の少ない形状にしなくても層間剥離を回避することができ、デザイン自由度が大きい多層ボトルに関するものである。
現在、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルを主体とするプラスチック容器(ボトルなど)がお茶、果汁飲料、炭酸飲料等に広く使用されている。また、プラスチック容器の中で、小型プラスチックボトルの占める割合が年々大きくなっている。ボトルは小型化するに従い単位体積当たりの表面積の割合が大きくなるため、ボトルを小型化した場合、内容物の賞味期限は短くなる傾向にある。また、近年、酸素や光の影響を受けやすいビールのプラスチックボトルでの販売やプラスチックボトル入りお茶のホット販売が行なわれ、プラスチック容器の利用範囲が広がる中、プラスチック容器に対するガスバリア性の更なる向上が要求されている。
上記要求に対し、ボトルにガスバリア性を付与する方法として熱可塑性ポリエステル樹脂とガスバリア性樹脂を用いた多層ボトル、ブレンドボトル、熱可塑性ポリエステル樹脂単層ボトルにカーボンコート、蒸着、バリア樹脂の塗布を施したバリアコーティングボトル等が開発されている。
多層ボトルの一例としては、最内層および最外層を形成するPET等の熱可塑性ポリエステル樹脂とポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)等の熱可塑性ガスバリア性樹脂とを射出して金型キャビティーを満たすことにより得られる3層または5層構造を有するプリフォーム(パリソン)を2軸延伸ブロー成形したボトルが実用化されている。
更に、容器外からの酸素を遮断しながら容器内の酸素を捕捉する酸素捕捉機能を有する樹脂が開発され、多層ボトルに応用されている。酸素捕捉性ボトルとしては、酸素吸収速度、透明性、強度、成形性等の面で、遷移金属系触媒を混合したポリアミドMXD6をガスバリア層として使用した多層ボトルが好適である。
上記多層ボトルは、その良好なガスバリア性からビール、お茶、炭酸飲料等の容器に利用されている。多層ボトルがこれら用途に使用されることにより、内容物の品質維持、シェルフライフの改善がなされる一方、異なる樹脂間、例えば、最内層および最外層と中間層の間で層間剥離が起こり、商品価値を損ねてしまう問題がある。
このような問題点を改良する方法として、最内層および最外層を構成する樹脂を最後に金型キャビティー内に射出する際に、ガスバリア層側に一定量逆流させることが可能な逆流調節装置を使用し層間に粗混合樹脂を介在させてプリフォームを作成することによって耐層間剥離性を改善することが開示されているが、特殊な装置を使用するという問題点がある(特許文献1参照)。また、延伸ブローにより多層ボトルを成形する際に、一度ブローした一次成形品を加熱収縮させた後に再び高圧でブローするという方法があるが、この方法では成形品の形状不良が起こったり、煩雑な手間がかかり、耐層間剥離性も不十分であるという問題がある(特許文献2参照)。
特開2000−254963号公報 特開2001−206336号公報
本発明の目的は、上記課題を解決し、落下や衝撃による剥離が起こりにくく、かつ、剥離防止のために凹凸部、屈曲部の少ない形状にする必要がなく、デザイン自由度が大きい多層ボトルを提供することにある。
本発明者らは、多層ボトルの耐層間剥離性について鋭意研究を重ねた結果、バリア層厚みを特定の範囲内にコントロールすることによって、バリア層の衝撃に対するエネルギーの緩和を良好にし、また、配向度を特定の範囲内にコントロールすることによって、層間の密着性が改善され落下時等の層間剥離を防止できることを見出し本発明に到った。
即ち本発明は、最外層、最内層、および最外層と最内層との間に位置する少なくとも1層のバリア層を含む胴部を有する多層ボトルであって、該最外層および最内層が、テレフタル酸を80モル%以上含むジカルボン酸成分およびエチレングリコールを80モル%以上含むジオール成分を重合して得た熱可塑性ポリエステル樹脂により主として構成され、かつ下記(1)〜(3):
(1)OTR≦0.2cc・mm/(m・day・atm)
(OTRは、温度23℃、相対湿度50%RHの条件下で測定した胴部バリア層の平均酸素透過係数である);
(2)20≦胴部バリア層配向度(平均値)≦45
(配向度は、アッベ屈折計を用いて23℃で測定したバリア層の屈折率から下記式:
配向度 = [{n(x)+ n(y)}/2 − n(z)] × 1000
(n(x):ボトル高さ方向の屈折率、n(y):ボトル周方向の屈折率、n(z):厚み方向の屈折率)により求められる);および
(3)0≦b/a×100≦200
(a:胴部バリア層平均厚み(μm)、b:底部バリア層平均厚み(μm))
の条件を同時に満たし、
上記各式において、ボトル接地部からボトル開口部までの高さのボトル接地部から20%までの部分を前記底部と定義し、底部以外の部分で、ボトル接地部の最大外径の80%以上の外径を有する部分を前記胴部と定義し、前記接地部とはボトルを立てたときに、床に接地する部分を意味することを特徴とする多層ボトルに関する。
本発明によれば、凹凸部、屈曲部が側壁面に形成されていても、落下時の衝撃などによる層間剥離が起こりにくいガスバリア性に優れた多層ボトルを得ることができる。従って、層間剥離を起こすことなく、容器形状の自由度を高めることができるので、本発明の工業的意義は大きい。
本発明の多層ボトルの最外層、最内層、および場合によっては中間層の一部を形成することもある熱可塑性ポリエステル樹脂は、80モル%以上、好ましくは90モル%以上(100%を含む)がテレフタル酸であるジカルボン酸成分と、80モル%以上、好ましくは90モル%以上(100%を含む)がエチレングリコールであるジオール成分を重合反応させて得られたポリエステル樹脂(以下、“ポリエステルA”と略称する)である。
ポリエステルAとしては、ポリエチレンテレフタレートが好適に使用される。ポリエチレンテレフタレートの持つ透明性、機械的強度、射出成形性、延伸ブロー成形性の全てにおいて優れた特性を発揮することが可能となる。
テレフタル酸以外の他のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−4,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4又は2,6−ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、デカン−1,10−カルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸を使用することができる。またエチレングリコール以外の他のジオール成分としてはプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を使用することが出来る。更に、ポリエステルAの原料モノマーとして、p−オキシ安息香酸等のオキシ酸を使用することもできる。
ポリエステルAの固有粘度は、0.55〜1.30、好ましくは0.65〜1.20である。固有粘度が上記0.55以上であると多層プリフォームを透明な非晶状態で得ることが可能であり、また得られる多層ボトルの機械的強度も満足するものとなる。また固有粘度が1.30以下の場合、成形時に流動性を損なうことなく、ボトル成形が容易である。
前記最外層あるいは最内層は、主としてポリエステルAにより構成されるが、本発明の特徴を損なわない範囲でポリエステルAに他の熱可塑性樹脂や各種添加剤を配合して使用することができる。その際、最外層あるいは最内層の90重量%以上(100%を含む)がポリエステルAであることが好ましい。前記他の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等が例示できる。また、前記添加剤としては、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、着色剤、プリフォームの加熱を促進し成形時のサイクルタイムを短くするための赤外吸収剤(リヒートアディティブ)などが例示できる。
本発明の多層ボトルは下記(1)〜(3)の条件:
(1)OTR≦0.2cc・mm/(m・day・atm)
(ただし、OTRは、胴部バリア層の平均酸素透過係数である);
(2)20≦DOR≦45
(ただし、DORは胴部バリア層の平均配向度である);および
(3)0≦b/a×100≦200
(ただし、a:胴部バリア層平均厚み(μm)、b:底部バリア層平均厚み(μm))
を同時に満たす。
本発明においては、ボトル接地部からボトル開口部までの高さの下から20%までの部分を「底部」、底部以外の部分で、ボトル接地部の最大外径の80%以上の外径を有する部分を「胴部」と定義する。接地部とは、ボトルを立てたときに、床に接地する部分を意味する。前記外径は、胴部や接地部の断面形状が円形の場合は直径、断面形状が4角形、6角形などの多角形の場合には対角線長さを表す。接地部の外径は、ボトルの底にインクを付け、紙に押し付けるなどの方法により測定することが可能である。本発明においては、ボトル胴部に強度保持等の目的で凹部及び/又は凸部を設けた場合、図1〜3に示したように、凸部および凹部が無いと仮定したときの外径に相当する長さを凹部及び/又は凸部を有する部分の外径とする。
前記胴部バリア層の酸素透過係数(OTR)は、温度23℃、相対湿度(RH)50%の条件下で測定する。上記OTRは、好ましくは0.15cc・mm/(m・day・atm)以下、より好ましくは0.10cc・mm/(m・day・atm)以下、さらに好ましくは0.08cc・mm/(m・day・atm)である。バリア層のOTRが上記範囲内であると、得られるボトルのガスバリア性能が良好となり、保存する内容物の消費期限を長くすることができる。
前記胴部バリア層の配向度(DOR)は、25〜45であることが好ましい。配向度は、アッベ屈折計を用いて23℃で測定したバリア層の屈折率から下記式により求められる。
配向度 = [{n(x)+ n(y)}/2 − n(z)] × 1000
(n(x):ボトル高さ方向の屈折率、n(y):ボトル周方向の屈折率、n(z):厚み方向の屈折率)
また、同様に求めた底部バリア層配向度(平均値)は、20〜45の範囲であることが好ましく、25〜45がより好ましい。
配向度はポリマー分子の配向の程度、すなわち結晶性の程度を表す指標として用いられている。配向度が高いほどポリマー分子が整列している割合が高い。バリア層の配向度は、ブロー条件によって制御可能であり、一次ブロー圧力、一次ブロー遅延時間、二次ブロー圧力、ヒータ温度などのブロー条件を適切に制御することによって配向度を上記範囲にすることができる。配向度が上記範囲であると、バリア層の延伸が均一であり、ブロー成形後のバリア層のひずみが大きくなり、層間の密着性が改善され、耐層間剥離性能が良好になる。
前記b/a×100は0〜150であるのが好ましい。b/a×100の値が100より大きいときは、底部バリア層が胴部バリア層よりも厚いことを意味し、100よりも小さいときは、底部バリア層が胴部バリア層よりも薄いことを意味する。0のときは底部にバリア層が存在しないことを意味する。底部全体にバリア層が存在しない場合、ボトルのバリア性が低下するので、接地部に近い部分のみバリア層が存在せず、その他の底部にはバリア層が存在することが好ましい。
前記b/a×100を上述の範囲にすることによって、胴部から接地部にかけてのバリア層の厚み変化が少なく、緩やかになる。従って、落下時などによりボトルに衝撃が加わった際に、衝撃エネルギーがバリア層の一部分に集中することなく、バリア層全体で緩和されるので層間剥離が起こりにくくなる。また、ボトルに衝撃が加わった際のバリア層の変形が少ないので層間剥離が起こりにくくなる。また、凹凸部、屈曲部を含むボトル形状であっても、バリア層全体で衝撃が緩和されることから、層間剥離が起こりにくい。従って、多層ボトルの形状は凹凸部、屈曲部の少ない形状に限定されず、デザイン自由度が大きくなる。
本発明において、バリア層材料としては特に制限は無く、各種ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの前記条件(1)を満たすことができるバリア性樹脂から選択される。バリア性能が高く、また、ポリエステルA(主にポリエチレンテレフタレート)との共射出成形性、共延伸ブロー成形性に優れているので、ポリアミド、なかでも、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)が特に好適に使用される。
ポリアミドMXD6は、メタキシリレンジアミンを主成分とするジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸成分とを重縮合することにより得られる。
ポリアミドMXD6に使用するジアミン成分は、メタキシリレンジアミンを好ましくは70モル%以上、より好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上含む(100%を含む)。上記範囲であると、ポリアミドMXD6のガスバリア性が良好である。メタキシリレンジアミン以外に使用できるジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン;ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
ポリアミドMXD6に使用するジカルボン酸成分は、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上含む(100%を含む)。上記範囲であると、ポリアミドの結晶性が高く、ガスバリア性が良好である。前記α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示できるが、これら中のでもアジピン酸が好ましい。上記α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸を添加することもできる。さらに、ポリアミドの重縮合時に分子量調節剤として少量のモノアミン、モノカルボン酸を加えてもよい。
ポリアミドMXD6は、溶融重縮合法により製造できる。例えば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧状態で昇温し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法により製造される。また、メタキシリレンジアミンを溶融状態のアジピン酸に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を均一な液状状態で保つために、メタキシリレンジアミンをアジピン酸に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミドおよびポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。このようにして得られた溶融重合ポリアミドMXD6の相対粘度は2.0〜2.4が好ましい。
また、溶融重合ポリアミドMXD6を固相重合して高分子量にしてもよい。溶融重合及び固相重合ポリアミドの製造方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法、重合条件により製造される。
固相重合ポリアミドMXD6の相対粘度は2.3〜4.2が好ましい。この範囲であると、多層ボトルへの成形が良好であり、得られた多層ボトルは耐層間剥離性に優れたものとなる。なお、ここでいう相対粘度とは1gのポリアミドを96%硫酸100mlに溶解して、キャノンフェンスケ型粘度計等を用いて25℃で測定した値を表す。
バリア性樹脂には、溶融成形時の加工安定性を高めるため、あるいは着色を防止するためにリン化合物を添加することができる。リン化合物としてはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含むリン化合物が好適に使用され、例えば、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のリン酸塩、次亜リン酸塩、亜リン酸塩が挙げられるが、着色防止効果に特に優れているのでアルカリ金属又はアルカリ土類金属の次亜リン酸塩が特に好ましい。リン化合物の使用量はリン原子として好ましくは1〜500ppm、より好ましくは350ppm以下、更に好ましくは200ppm以下である。リン原子濃度が500ppmを超えても着色防止効果に変化はなく、むしろこれを利用して得られるフィルムのヘーズが上昇する。
バリア性樹脂には耐層間剥離性能をさらに向上させる目的で、他のポリアミドを加えることができる。例えば、ポリ(カプロラクタム)としても知られるポリ(6−アミノヘキサン酸)(PA−6)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(PA−6,6)、ポリ(7−アミノヘプタン酸)(PA−7)、ポリ(10−アミノデカン酸)(PA−10)、ポリ(11−アミノウンデカン酸)(PA−11)、ポリ(12−アミノドデカン酸)(PA−12)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)(PA−6,10)、ポリ(ヘキサメチレンアゼラミド)(PA−6,9)、ポリ(テトラメチレンアジパミド)(PA−4,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンアジパミドコポリマー(PA−6,6/6))、ヘキサメチレンアジパミド/カプロラクタムコポリマー(PA−6/6,6)などの脂肪族ポリアミド、および、ポリ(ヘキサメチレンイソフタラミド)(PA−6I)、ヘキサメチレンジアミン/イソフタル酸/テレフタル酸コポリマー(PA−6I/6T)、ポリ(メタキシリレンジアミンイソフタラミド)(PA−MXDI)、ヘキサメチレンジアミン/メタキシリレンジアミン/イソフタル酸コポリマー(PA−6/MXDI)、ヘキサメチレンジアミン/アジピン酸/イソフタル酸コポリマー(PA−6/6I)などの非晶質半芳香族ポリアミドなどを例示できるがこれらに限られるものではない
また、バリア性樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6,66、ポリエステル、オレフィン、フェノキシ樹脂等の他の樹脂を一種もしくは複数ブレンドしてもよい。また、ガラス繊維、炭素繊維などの無機充填剤;ガラスフレーク、タルク、カオリン、マイカ、モンモリロナイト、有機化クレイなどの板状無機充填剤、各種エラストマー類などの耐衝撃性改質材、結晶核剤;脂肪酸アミド系、脂肪酸金属塩系、脂肪酸アマイド系化合物等の滑剤;銅化合物、有機もしくは無機ハロゲン系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、硫黄系化合物、リン系化合物等の酸化防止剤;熱安定剤;着色防止剤;ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤;離型剤;可塑剤;着色剤;難燃剤;コバルト金属化合物などの酸素捕捉剤;アルカリ化合物等のゲル化防止剤などの添加剤を添加することができる。
前記バリア層は、主としてポリアミドMXD6により構成されることが好ましい。バリア性能の観点から、ポリアミドMXD6含有量は、バリア層の70重量%以上が好ましく、より好ましくは80重量%以上である(100%を含む)。ポリアミドMXD6以外の樹脂等が30重量%を超えて含まれると、OTRが0.2cc・mm/(m・day・atm)を超え、バリア性能が損なわれることがある。
本発明の多層ボトルでは、プリフォームとボトルの形状によっては低延伸倍率(1〜2.5倍)の部分が生じることがある。低延伸倍率部のバリア層が吸水すると白化することがある。必要に応じてバリア層に白化防止剤を添加することにより透明性の良好な多層ボトルが得られる。
本発明に用いる白化防止剤は、炭素数18〜50、好ましくは18〜34の脂肪酸金属塩である。炭素数が18以上で白化防止が期待できる。また、炭素数が50以下であるとバリア層中への均一分散が良好となる。脂肪酸は側鎖や二重結合があってもよいが、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)などの直鎖飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸と塩を形成する金属に特に制限はないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、ストロンチウム、アルミニウム、亜鉛等が例示され、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、アルミニウム、および亜鉛が特に好ましい。
脂肪酸金属塩は、1種類でもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明では、脂肪酸金属塩の粒径に特に制限はないが、粒径が小さい方がバリア層中に容易に均一に分散するので、粒径は0.2mm以下が好ましい。
脂肪酸金属塩の添加量は、バリア性樹脂の合計量100重量部に対して好ましくは0.005〜1重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部、さらに好ましくは0.12〜0.5重量部である。上記範囲内であると、白化防止効果が充分に発揮され多層ボトルの曇価を低く保つことが可能となる。
上記脂肪酸金属塩の代わりに、1種または2種以上の下記ジアミド化合物、および/または、1種または2種以上の下記ジエステル化合物を白化防止剤として添加してもよい。
ジアミド化合物は、炭素数8〜30の脂肪酸と炭素数2〜10のジアミンから得られる。脂肪酸の炭素数が8以上、ジアミンの炭素数が2以上であると白化防止効果が期待できる。また、脂肪酸の炭素数が30以下、ジアミンの炭素数が10以下であるとバリア層への均一分散が良好となる。脂肪酸は側鎖や二重結合があってもよいが、直鎖飽和脂肪酸が好ましい。
ジアミド化合物の脂肪酸成分として、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)が例示できる。ジアミド化合物のジアミン成分として、エチレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサンジアミン、キシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が例示できる。炭素数8〜30の脂肪酸と主としてエチレンジアミンから成るジアミンから得られるジアミド化合物、または、主としてモンタン酸からなる脂肪酸と炭素数2〜10のジアミンから得られるジアミド化合物が好ましい。
ジエステル化合物は、炭素数8〜30の脂肪酸と炭素数2〜10のジオールから得られる。脂肪酸の炭素数が8以上、ジオールの炭素数が2以上であると白化防止効果が期待できる。また、脂肪酸の炭素数が30以下、ジオールの炭素数が10以下であるとバリア層への均一分散が良好となる。脂肪酸は側鎖や二重結合があってもよいが、直鎖飽和脂肪酸が好ましい。
ジエステル化合物の脂肪酸成分として、ステアリン酸(C18)、エイコ酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等が例示できる。ジエステル化合物のジオール成分として、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、キシリレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が例示できる。主としてモンタン酸からなる脂肪酸と主としてエチレングリコールおよび/または1,3−ブタンジオールからなるジオールから得られるジエステル化合物が特に好ましい。
ジアミド化合物および/またはジエステル化合物の添加量は、バリア性樹脂の合計量100重量部に対して好ましくは0.005〜1重量部、より好ましくは0.05〜0.5重量部、特に好ましくは0.12〜0.5重量部である。上記範囲内であると、白化防止効果が充分に発揮され、多層ボトルの曇価を低く保つことが可能となる。
白化防止剤の添加は従来から公知の混合法を適用できる。たとえば、回転中空容器内にバリア性樹脂のペレット、白化防止剤、その他の添加剤を投入し混合して使用してもよい。また、高濃度の白化防止剤を含有するバリア性樹脂組成物を製造した後、白化防止剤を含有しないバリア性樹脂ペレットで所定の濃度に希釈し、これを溶融混練する方法、溶融混連後、引き続き、射出成形などにより成形する方法などが採用される。
白化防止剤を使用した場合、多層ボトル製造直後にバリア層が白化するのを防止することができる。また、白化しない、あるいは白化が増大しない条件で多層ボトルを長期保存した後に、バリア層が白化するのを防止することができる。すなわち、白化防止剤を添加しなくとも白化しないあるいは白化が増大しない条件、たとえば温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下に長期保存した後に、多層ボトルを高湿度にさらしたり、水や沸騰水と接触させたり、あるいはガラス転移温度以上に加熱しても成形直後と同様に白化が抑制される。
本発明の多層ボトルは、例えば、2つの射出シリンダーを有する射出成形機を使用して、ポリエステルAとバリア性樹脂とをスキン側(シリンダー温度:260〜300℃)、コア側(シリンダー温度:240〜280℃)それぞれの射出シリンダーから金型ホットランナー(260〜310℃)を通して金型キャビティー(5〜20℃)内に射出して多層プリフォームを製造し、次いで、多層プリフォームを2軸延伸ブロー成形することにより製造することができる。
多層ボトルが、式(2)〜(3)を満足するようにコントロールするには、2軸延伸ブロー成形の条件が重要である。2軸延伸ブロー成形では、プリフォームを加熱し、金型内で多層プリフォームをロッドで縦方向に延伸しつつ、高圧空気をブローすることにより横方向に延伸する。多層プリフォーム加熱温度、加熱時間、延伸ロッド圧力、高圧空気をブローするタイミング、高圧空気圧力などのブロー条件の違いにより、多層プリフォームの延伸状態が異なる。最適なブロー条件は、ポリエステルAの種類、バリア性樹脂の種類、プリフォームの形状、ボトルのデザインによって異なるが、例えば下記に記載する条件でブローすることで、式(2)および(3)を満足する多層ボトルを製造することができる。プリフォームの加熱は、通常、数本以上のヒータで加熱を行うが、ヒータの出力バランスも適宜調整することが好ましい。また、外気温やプリフォーム温度によっても適切なヒータ出力バランス、プリフォーム加熱温度、加熱時間が異なってくるので、ブロー成形は温度や湿度が一定にコントロールされた室内で行うことが好ましい。また、多層プリフォーム中でのバリア層分布が不均一であると、ブロー後の多層ボトルが式(3)を満足しないので、多層プリフォーム中でバリア層は均一に存在していることが好ましく、また、延伸倍率などを考慮して多層プリフォームを製造することが好ましい。なお、プリフォームからボトルへ成形したときの延伸倍率は面積倍率で9〜13倍程度であるのが好ましい。
本発明においてブロー成形はプリフォームを加熱し、金型内でプリフォームをロッドで縦方向に延伸しつつ、少なくとも圧力を変えて二段階で高圧空気をブロー(一次ブロー成形および二次ブロー成形)することが好ましい。一段階で高圧空気をブローするとボトルの成形不良が起こりやすいばかりか、耐層間剥離性能も悪化することがあるため好ましくない。
本発明において、プリフォーム加熱温度は90〜110℃が好ましく、95℃〜108℃がさらに好ましい。プリフォーム加熱温度が90℃より低いと、加熱が不十分となり、バリア層またはPET層が冷延伸され、白化することがある。110℃より高温であるとバリア層が結晶化し、白化するため好ましくない。さらに、耐層間剥離性能も低下することがある。
ロッドによる縦方向延伸およびブロー成形(一次ブロー成形と二次ブロー成形)は、例えば、20〜80℃の金型内(ヒートセットする場合は120〜150℃)で逐次的に行う。ロッドによる縦方向延伸は、0.5〜1.5MPaのロッド圧力で、0.1〜1秒間、縦延伸倍率が1.5〜3.5倍になるように行うのが好ましい。一次ブロー遅延時間(延伸ロッドが動き始めてから、一次ブローを開始するまでの時間)は0〜0.6秒であるのが好ましい。
一次ブロー圧力は、0.8〜1.8MPaが好ましく、より好ましくは0.9〜1.5MPa、さらに好ましくは1.0〜1.3MPaである。この範囲内であると耐層間剥離性が良好となり好ましい。一次ブロー成形時間は0.1〜0.5秒間であるのが好ましい。
二次ブロー成形は、2〜4MPaの二次ブロー圧力で1〜3秒間行うのが好ましい。2MPaより低いと成形が不良になったり、得られたボトルの機械的性能が劣ることがある。二次ブロー成形後、高圧空気を0.1〜1秒間で排気し圧力を常圧に戻すのが好ましい。
スキン側射出シリンダーから最内層および最外層を構成するポリエステルAを射出し、コア側射出シリンダーからバリア層を構成するバリア性樹脂を射出する工程で、先ず、ポリエステルAを射出し、次いでバリア性樹脂とポリエステルAを同時に射出し、次にポリエステルAを必要量射出して金型キャビティーを満たすことにより3層構造(ポリエステルA層/バリア層/ポリエステルA層)の多層プリフォームが製造できる。
また、スキン側射出シリンダーから最内層および最外層を構成するポリエステルAを射出し、コア側射出シリンダーからバリア層を構成するバリア性樹脂を射出する工程で、先ずポリエステルAを射出し、次いでバリア性樹脂を単独で射出し、最後にポリエステルAを射出して金型キャビティーを満たすことにより、5層構造(ポリエステルA層/バリア層/ポリエステルA層/バリア層/ポリエステルA層)の多層プリフォームが製造できる。なお、多層プリフォームを製造する方法は、上記方法だけに限定されるものではない。
多層ボトル中の、ポリエステルA層の厚さは0.01〜1mmであるのが好ましく、バリア層の厚さは0.005〜0.2mm(5〜200μm)であるのが好ましい。また、多層ボトルの厚さはボトル全体で一定である必要はなく、通常、0.2〜1mmの範囲である。
多層プリフォームを2軸延伸ブロー成形して得られる多層ボトルにおいて、少なくとも多層ボトルの胴部にバリア層が存在していればガスバリア性能は発揮できるが、多層ボトルの口栓部先端付近までバリア層が延びている方がガスバリア性能は更に良好である。
本発明の多層ボトルにおいてバリア層の重量は、多層ボトル総重量に対して1〜20重量%とすることが好ましく、より好ましくは2〜15重量%、特に好ましくは3〜10重量%である。バリア層の重量を上記範囲とすることにより、ガスバリア性が良好な多層ボトルが得られるとともに、前駆体である多層プリフォームから多層ボトルへの成形も容易となる。
本発明の多層ボトルは、落下や衝撃による層間剥離が起こりにくい。また、凹凸部、屈曲部においても層間剥離が起こりにくいので、多層ボトルの形状は凹凸部、屈曲部の少ない形状に限定されず、デザイン自由度が大きくなる。本発明の多層ボトルは、例えば、炭酸飲料、ジュース、水、牛乳、日本酒、ウイスキー、焼酎、コーヒー、茶、ゼリー飲料、健康飲料等の液体飲料、調味液、ソース、醤油、ドレッシング、液体だし等の調味料、液体スープ等の液体系食品、液状の医薬品、化粧水、化粧乳液、整髪料、染毛剤、シャンプー等、種々の物品の収納、保存に好適である。
以下実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、多層ボトルの評価は以下の方法で行った。
(1)配向度
アタゴ製アッベ屈折計DR−M2を使用し、23℃にてナトリウムD線(589nm)を使用し、バリア層の屈折率を測定した後、前述の式により配向度を求めた。
(2)層間剥離高さ
ASTM D2463−95 ProcedureBに基づき、ボトルの落下試験により層間剥離高さ(層間剥離が起こる最小落下距離)を求めた。まず、多層ボトルに水を満たしキャップをした後、多層ボトルを底部が床に接触するように垂直落下させ、層間剥離の有無を目視で判定した。落下高さ間隔は15cm。テストボトル数は30本。
(3)酸素透過係数(OTR)
23℃、相対湿度50%の雰囲気下にてASTM D3985に準じて測定した。測定は、モダンコントロールズ社製、OX−TRAN 10/50Aを使用した。尚、バリア層のOTRはボトルを丁寧に解体し、胴部バリア層のみ取り出し測定した。なお、バリア層のみを取り出すのが困難なときは、ボトル胴部から切り出した多層フィルム片のOTRを測定した後に、顕微鏡などで各層の厚みを測定し、ポリエステルA層の既知OTR値を利用して、バリア層のみのOTR値を計算することができる。また、ボトルのOTRを測定し、ボトルの表面積、各層厚みおよびポリエステルA層の既知OTR値からバリア層のOTRを計算することもできる。
<実施例1>
下記の条件により、ポリエステル層/バリア層/ポリエステル層からなる3層プリフォーム(27g)を射出成形し、冷却後、プリフォームを加熱し2軸延伸ブロー成形を行い、多層ボトルを得た。ブロー条件を表1に示す。また、多層ボトルのバリア層厚みを表2に、OTR、層間剥離性および配向度を表3に示す。
(1)ポリエステル層
固有粘度(フェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)の混合溶媒中、30℃で測定)が0.75のポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット製 RT543C)。
(2)バリア層
相対粘度(樹脂1g/96%硫酸100ml、測定温度25℃)が2.70のポリアミドMXD6(三菱ガス化学製 MXナイロン S6007(固相重合品))。
(3)3層プリフォーム
全長95mm、外径22mm、肉厚4.2mm。名機製作所(株)製の射出成形機(型式:M200、4個取り)を使用して製造した。
(4)3層プリフォーム成形条件
スキン側射出シリンダー温度:280℃
コア側射出シリンダー温度 :260℃
金型内樹脂流路温度 :280℃
金型冷却水温度 :15℃
プリフォーム中のバリア樹脂の割合:5重量%
(5)多層ボトル
全長223mm、外径65mm、内容積500ml、底部形状はシャンパンボトルタイプ、胴部にディンプルは無し。なお、2軸延伸ブロー成形はフロンティア社製ブロー成形機(型式:EFB1000ET)を使用した。
<実施例2〜4、比較例1>
ブロー条件を表1に記載のものに変更した以外は実施例1と同様にして多層ボトルを得た。結果を表2および表3に示す。
実施例1〜4と比較例1の結果から分かるように、式(1)〜(3)の要件(OTR、配向度、バリア層厚み)を同時に満たすボトルは、非常に優れた耐層間剥離性を示したのに対し、該要件を同時に満たさないボトルは耐層間剥離性に劣っていた。
Figure 0004830677
Figure 0004830677
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多層ボトルの凹部を有する胴部の外径を模式的に示す縦断面図。便宜上、ボトル壁面は単層にした。 多層ボトルの凸部を有する胴部の外径を模式的に示す縦断面図。便宜上、ボトル壁面は単層にした。 多層ボトルの凹部と凸部を有する胴部の外径を模式的に示す縦断面図。便宜上、ボトル壁面は単層にした。

Claims (5)

  1. 最外層、最内層、および最外層と最内層との間に位置する少なくとも1層のバリア層を含む胴部を有する多層ボトルであって、該最外層および最内層が、テレフタル酸を80モル%以上含むジカルボン酸成分およびエチレングリコールを80モル%以上含むジオール成分を重合して得た熱可塑性ポリエステル樹脂により主として構成され、かつ下記(1)〜(3):
    (1)OTR≦0.2cc・mm/(m・day・atm)
    (OTRは、温度23℃、相対湿度50%RHの条件下で測定した胴部バリア層の平均酸素透過係数である);
    (2)20≦胴部バリア層配向度(平均値)≦45
    (配向度は、アッベ屈折計を用いて23℃で測定したバリア層の屈折率から下記式:
    配向度 = [{n(x)+ n(y)}/2 − n(z)] × 1000
    (n(x):ボトル高さ方向の屈折率、n(y):ボトル周方向の屈折率、n(z):厚み方向の屈折率)により求められる);および
    (3)0≦b/a×100≦200
    (a:胴部バリア層平均厚み(μm)、b:底部バリア層平均厚み(μm))
    の条件を同時に満たし、
    上記各式において、ボトル接地部からボトル開口部までの高さのボトル接地部から20%までの部分を前記底部と定義し、底部以外の部分で、ボトル接地部の最大外径の80%以上の外径を有する部分を前記胴部と定義し、前記接地部とはボトルを立てたときに、床に接地する部分を意味することを特徴とする多層ボトル。
  2. 熱可塑性ポリエステル樹脂層/バリア層/熱可塑性ポリエステル樹脂層の3層構造を有する請求項1に記載の多層ボトル。
  3. 熱可塑性ポリエステル樹脂層/バリア層/熱可塑性ポリエステル樹脂層/バリア層/熱可塑性ポリエステル樹脂層の5層構造を有する請求項1に記載の多層ボトル。
  4. 前記バリア層が、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を50モル%以上含むジカルボン酸成分とを重縮合して得られるポリアミドにより主として構成される請求項1に記載の多層ボトル。
  5. 多層ボトル総重量に対する前記バリア層の重量が1〜20重量%である請求項1に記載の多層ボトル。
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