JP2012107101A - 自己修復型形成性コーティング組成物及び塗装方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アクリル樹脂(A)と、脂肪族有機ジイソシアネート(b1)とポリカーボネートジオール(b2)との反応により得られたアロファネート基含有ポリイソシアネート(B)と、添加剤(C)とを組み合わせることによって自己修復型形成性コーティング組成物が得られる。
【選択図】なし
Description
本発明の目的は、塗膜の傷に対する自己修復性と耐久性を両立し、更に耐水性、耐汚染性、及び耐候性に優れ、特に20μm未満の薄膜において自己修復性に優れた自己修復型形成性コーティング組成物及び塗装方法を提供することである。
また、アクリル樹脂(A)は、アクリル酸エステルまたは/及びメタクリル酸エステル〔以下(メタ)アクリル酸エステルという〕(a1)と、反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有するアクリル酸ヒドロキシ化合物または/及びメタクリル酸ヒドロキシ化合物〔以下(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物という〕(a2)と、重合開始剤(a3)と、必要に応じ界面活性剤(a4)を併用し、熱エネルギーや紫外線や電子線などの光エネルギー等を使用し、アクリルモノマーを共重合することにより得られる。
(メタ)アクリル酸エステル(a1)としては、炭素数1〜20のアルキルエステルを用いることができる。
このような(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸の脂環属アルコールとのエステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジルのような(メタ)アクリル酸アリールエステルを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルは単独であるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物(a2)としては、ポリイソシアネート(B)との反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有しており、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのアクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。また、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレートなどのメタクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。これらアクリル酸ヒドロキシ化合物または/及びメタクリル酸ヒドロキシ化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合開始剤は、熱重合開始剤、光重合開始剤を挙げることができ、重合方法によって適宜に選ばれる。
熱重合開始剤の具体例としては、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート類、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルカーボネート等のペルオキシエステル類、ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、ジ(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等のペルオキシケタール類等が挙げられる。
また、主に水溶液中における重合で使用する熱重合開始剤の具体例としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類、t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシドなどの有機過酸化物類、過酸化水素と酒石酸などのレドックス類、V−50(和光純薬工業社製)などの水溶性アゾ系開始剤等が挙げられる。
また、光重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパノン−1等のアセトフェノン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p′−ジクロロベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等のケトン類、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン等のチオキサンソン類、ビスアシルホスフィンオキサイド、ベンゾイルホスフィンオキサイド等のホスフィン酸化物、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、カンファン−2,3−ジオン、フェナントレンキノン等のキノン類などを挙げることができる。
水分散または水に溶解した水系アクリル樹脂を得る場合に使用される界面活性剤としては、界面活性剤は特に限定されるものではないが、反応性界面活性剤、非反応性界面活性剤などが、単独であるいは2種類以上を併用して用いることができる。尚、耐水性などを考慮した場合、反応性界面活性剤を用いることが好ましい。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ノニルフェニル骨格のアデカリアソープSE−10N(旭電化工業社製)、長鎖アルキル骨格のアクアロンKH−05、KH−10(第一工業製薬社製、スルホン酸系反応性界面活性剤)、アデカリアソープSR−10N(旭電化工業社製)、リン酸エステル骨格のKAYARAD(日本化薬社製)等が挙げられる。
また、ノニオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類のポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ソルビタン高級脂肪酸エステル類のソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートやアクアロンRN−30(第一工業製薬社製)等が挙げられる。
ポリイソシアネート(B)に使用される脂肪族有機ジイソシアネート(b1)は、ポットライフと硬化性の両立、自己修復性、耐久性、及び耐黄変性の点から、直鎖状脂肪族ジイソシアネートまたは/及び脂環族ジイソシアネートが好ましい。
脂肪族有機ジイソシアネートの具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート等の直鎖状脂肪族イソシアネートが挙げられる。また、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。これら脂肪族有機ジイソシアネートは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。本実施の形態例では、得られるコーティング塗膜の自己修復性、及び耐久性の観点から、直鎖状脂肪族ジイソシアネートが好ましく、特にヘキサメチレンジイソシアネートが最も好ましい。
本発明のポリイソシアネート(B)に使用されるポリカーボネートジオール(b2)は、種類を特に限定するものではなく、例えば、短鎖ジオールとジアルキルカーボネート、アルキレンカーボネートまたはジアリールカーボネート等の低分子カーボネートとのエステル交換縮合反応などによって好適に得られる。
この短鎖ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール等、分子量500未満のものが挙げられる。
ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられ、アルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられ、ジアリールカーボネートとしては、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジアントリルカーボネート、ジフェナントリルカーボネート、ジインダニルカーボネート、テトラヒドロナフチルカーボネート等が挙げられる。これらはいずれも単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。
また、得られるコーティング塗膜の機械的強度をより高める観点から、結晶性発現により機械的強度に寄与する直鎖状の脂肪族グリコールを用いたポリカーボネートジオールが好ましい。同様に、自己修復性、機械的強度及び作業性の観点から、数平均分子量が250〜750である。下限値未満の場合には、柔軟性が不足し、実使用上の自己修復性が得られない恐れがあり、上限値を超えると、結晶性が高くなり溶剤への溶解性、常温における作業性、耐汚染性、及び得られるコーティング塗膜の機械的強度が低下する恐れがある。
次に、ポリイソシアネート(B)の具体的な製造手順について説明する。
第1工程:脂肪族有機ジイソシアネート(b1)と、ポリカーボネートジオール(b2)を水酸基に対して、イソシアネート基が過剰量になる量を仕込んで、有機溶剤の存在下または非存在下、20〜100℃でウレタン化反応させてイソシアネート基末端プレポリマーIを製造する。第2工程:イソシアネート基末端プレポリマーIにアロファネート化触媒を仕込み、赤外分光分析(IR分析)でウレタン基が実質的に存在しなくなるまで、70〜150℃にてアロファネート化させて、イソシアネート基末端プレポリマーIIを製造する。また、一連の製造工程においては、窒素ガス、若しくは、乾燥空気気流下で反応を進行させる。
有機溶媒の存在下で反応を行う場合には、反応に影響を与えない各種有機溶媒を用いることができる。有機溶媒の具体例としては、オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素類;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル類;ジオキサン等のエーテル類;ヨウ化メチレン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミド等の極性非プロトン溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ウレタン化反応の反応温度は、20〜120℃であり、好ましくは50〜100℃である。尚、ウレタン化反応の際、公知のウレタン化触媒を用いることができる。具体的には、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩を選択して用いる。これらの触媒は、単独または2種以上併用して用いることができる。
ウレタン化反応が終了したら、アロファネート化反応を行う。この時、アロファネート化反応は、ウレタン化反応と同時に行っても、ウレタン化反応後に行ってもよい。ウレタン化反応とアロファネート化反応とを同時に行う場合、アロファネート化触媒の存在下で反応を行えばよく、ウレタン化反応後にアロファネート化反応を行う場合、アロファネート化触媒の非存在下で、所定時間ウレタン化反応を行った後、アロファネート化触媒を添加してアロファネート化反応を行えばよい。
アロファネート化反応で使用されるアロファネート化触媒としては、公知の触媒から適宜選択して用いることができ、例えば、カルボン酸の金属塩を用いることができる。
カルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸等の飽和脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸等の飽和単環カルボン酸、ビシクロ(4.4.0)デカン−2−カルボン酸等の飽和複環カルボン酸、ナフテン酸等の上述したカルボン酸の混合物、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸等の不飽和脂肪族カルボン酸、ジフェニル酢酸等の芳香脂肪族カルボン酸、安息香酸、トルイル酸等の芳香族カルボン酸等のモノカルボン酸類;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、クルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のポリカルボン酸類が挙げられる。
これらのカルボン酸金属塩は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、アロファネート化触媒の使用量は、脂肪族有機ジイソシアネートとポリカーボネートジオールとの合計質量に対して0.001〜0.1質量%が好ましく、0.005〜0.03質量%がより好ましい。下限未満の場合には、アロファネート基含有ポリイソシアネートがあまり生成せず、ウレタン基含有ポリイソシアネートの副生成物量が多くなり、得られるポリイソシアネートの平均官能基数が低下することになる。また、上限を超える場合には、分子量の高いアロファネート基含有ポリイソシアネートやヌレート基含有ポリイソシアネートの副生成物が多くなり、粘度の上昇や純度の低下を招く恐れがある。
精製工程では、反応混合物中に存在している遊離の未反応の脂肪族有機ジイソシアネートを、例えば、10〜100Paの高真空下での120〜140℃における薄膜蒸留により、1.0質量%以下の残留含有率まで除去することが好ましい。上限値を超える場合、臭気や貯蔵安定性の低下を招く恐れがある。
ブロック剤(b3)は、ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基をブロック化し、水分や水酸基などの活性水素基との反応を消失させ一液化を可能とする。更に、ブロック化されたポリイソシアネートは、加熱することによってブロック剤が解離し、再びイソシアネート基が活性化することで、活性水素基と反応する潜在性の硬化剤である。
ブロック剤(b3)としては、フェノール系、ラクタム系、活性メチレン系、アルコール系、メルカプタン系、酸アミド系、イミド系、アミン系、イミダゾール系、尿素系、カルバミン酸塩系、イミン系、オキシム系、亜硫酸塩系等が挙げられる。とりわけフェノール系、オキシム系、ラクタム系、イミン系が有利に使用される。ここでブロック剤(b3)の具体例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、クロロフェノール、エチルフェノール、p−ヒドロキシジフェニル、t−ブチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、o−sec−ブチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−t−オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸エステル等のフェノール系ブロック剤、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム等のラクタム系ブロック剤、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系ブロック剤、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、t−アミルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、メトキシメタノール、グリコール酸、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチル等のグリコール酸エステル、乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル、メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、エチレンクロルヒドリン、エチレンブロムヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、ω−ハイドロパーフルオロアルコール、アセトシアンヒドリン等のアルコール系ブロック剤、ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール等のメルカプタン系ブロック剤、アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系ブロック剤、コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミド等のイミド系ブロック剤、ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミン等のアミン系ブロック剤、イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系ブロック剤、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、1,3−ジフェニル尿素等の尿素系ブロック剤、N−フェニルカルバミン酸フェニル、2−オキサゾリドン等のカルバミン酸塩系ブロック剤、エチレンイミン、プロピレンイミン等のイミン系ブロック剤、ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系ブロック剤、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩系ブロック剤等が挙げられる。これらのブロック剤は、単独または2種以上を併用して用いることがでる。
親水性極性基含有化合物は、構造中に活性水素基を含みポリイソシアネート(B)のイソシアネート基と反応することで水や水系アクリル樹脂への分散性を高め、性能バラツキが少ないコーティング塗膜を得ることができる。
ここで親水性極性基含有化合物における親水性極性基としては、ノニオン性極性基、アニオン性極性基、カチオン性極性基が挙げられる。これら親水性極性基は、それぞれ単独で用いてもよいし、異なる種類の親水性極性基を用いてもよい。得られるポリイソシアネート(B)の安定性や耐湿熱性、耐水性を考慮すると、親水性極性基は、ノニオン性極性基が好ましい。
本発明に使用される添加剤(C)は、有機溶剤等を含まない無溶剤タイプ、有機溶剤で希釈された溶剤タイプ、及び水分散または水に溶解した水溶性のものが使用される。
添加剤(C)としては、少なくとも1つの水酸基を含有し、且つアクリル部を変性部としたポリジメチルシロキサン−アクリル共重合体、ポリエーテル部を変性部としたポリジメチルシロキサン−ポリエーテル共重合体、ポリエステル部を変性部としたポリジメチルシロキサン−ポリエステル共重合体、及びポリエーテル部とポリエステル部とを変性部としたポリジメチルシロキサン−ポリエーテル−ポリエステル共重合体である。
(メタ)アクリル酸変性シリコーンモノマー(c1)の具体例としては、X−22−164(信越化学工業社製、官能基当量:190g/mol)、X−22−164AS(信越化学工業社製、官能基当量:450g/mol)、X−22−164A(信越化学工業社製、官能基当量:860g/mol)、X−22−164B(信越化学工業社製、官能基当量:1630g/mol)、X−22−164C(信越化学工業社製、官能基当量:2370g/mol)、X−22−164E(信越化学工業社製、官能基当量:3900g/mol)、X−22−174DX(信越化学工業社製、官能基当量:4600g/mol)、X−22−2426(信越化学工業社製、官能基当量:12000g/mol)、X−22−2475(信越化学工業社製、官能基当量:420g/mol)等を挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸変性されたシリコーンモノマーは単独であるいは2種類以上を組み合わせで使用することができる。
活性水素基含有シリコーンモノマー(c2)の具体例としては、KF−868(信越化学工業社製、官能基当量:8800g/mol)、KF−865(信越化学工業社製、官能基当量:5000g/mol)、KF−864(信越化学工業社製、官能基当量:3800g/mol)、KF−859(信越化学工業社製、官能基当量:6000g/mol)、KF−393(信越化学工業社製、官能基当量:350g/mol)、KF−860(信越化学工業社製、官能基当量:7600g/mol)、KF−880(信越化学工業社製、官能基当量:1800g/mol)、KF−8004(信越化学工業社製、官能基当量:1500g/mol)、KF−8002(信越化学工業社製、官能基当量:1700g/mol)、KF−8005(信越化学工業社製、官能基当量:11000g/mol)、KF−867(信越化学工業社製、官能基当量:1700g/mol)、X−22−3820W(信越化学工業社製、官能基当量:55000g/mol)、KF−869(信越化学工業社製、官能基当量:3800g/mol)、KF−861(信越化学工業社製、官能基当量:2000g/mol)、X−22−3939A(信越化学工業社製、官能基当量:1500g/mol)、KF−877(信越化学工業社製、官能基当量:5200g/mol)、PAM−E(信越化学工業社製、官能基当量:130g/mol)、KF−8010(信越化学工業社製、官能基当量:430g/mol)、X−22−161A(信越化学工業社製、官能基当量:800g/mol)、X−22−161B(信越化学工業社製、官能基当量:1500g/mol)、KF−8012(信越化学工業社製、官能基当量:2200g/mol)、KF−8008(信越化学工業社製、官能基当量:5700g/mol)、X−22−1660B−3(信越化学工業社製、官能基当量:2200g/mol)、BY16−205(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:4000g/mol)、FZ−3760(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:1500g/mol)、SF8417(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:1800g/mol)、BY16−849(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:600g/mol)、BY16−892(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:2000g/mol)、FZ−3785(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:6000g/mol)、BY16−872(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:1800g/mol)、BY16−213(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:2700g/mol)、BY16−203(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:1900g/mol)、BY16−898(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:2900g/mol)、BY16−890(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:1900g/mol)、BY16−891(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:2700g/mol)、BY16−893(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:4000g/mol)、FZ−3789(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:1200g/mol)、BY16−871(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:130g/mol)、BY16−853U(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:450g/mol)等のアミノ基変性タイプや、X−22−4039(信越化学工業社製、水酸基価:58KOHmg/g)、X−22−4015(信越化学工業社製、水酸基価:30KOHmg/g)、X−22−160AS(信越化学工業社製、水酸基価:120KOHmg/g)、KF−6001(信越化学工業社製、水酸基価:62KOHmg/g)、KF−6002(信越化学工業社製、水酸基価:35KOHmg/g)、KF−6003(信越化学工業社製、水酸基価:22KOHmg/g)、X−22−170BX(信越化学工業社製、水酸基価:20KOHmg/g)、X−22−170DX(信越化学工業社製、水酸基価:12KOHmg/g)、SF8428(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:1600g/mol)、BY16−201(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:750g/mol)、BY16−004(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:3500g/mol)、SF8427(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:1200g/mol)等のカルビノール基変性タイプや、KF−2001(信越化学工業社製、官能基当量:1900g/mol)、KF−2004(信越化学工業社製、官能基当量:30000g/mol)、X−22−167B(信越化学工業社製、官能基当量:1670g/mol)等のメルカプト基変性タイプや、X−22−3701E(信越化学工業社製、官能基当量:4000g/mol)、X−22−162C(信越化学工業社製、官能基当量:2300g/mol)、X−22−3710(信越化学工業社製、官能基当量:1450g/mol)、BY16−880(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:3500g/mol)、BY16−750(東レ・ダウコーニング社製、官能基当量:750g/mol)等のカルボキシル基変性タイプや、X−22−4952(信越化学工業社製、水酸基価:50KOHmg/g)、X−22−4272(信越化学工業社製、水酸基価:50KOHmg/g)、X−22−6266(信越化学工業社製、水酸基価:50KOHmg/g)等のポリエーテル変性タイプや、X−22−176DX(信越化学工業社製、水酸基価:35KOHmg/g)、X−22−176F(信越化学工業社製、水酸基価:9KOHmg/g)等のジオール末端タイプや、X−21−5841(信越化学工業社製、官能基当量:500g/mol)、KF−9701(信越化学工業社製、官能基当量:1500g/mol)等のシラノール基末端タイプや、KF−857(信越化学工業社製、官能基当量:790g/mol)、KF−8001(信越化学工業社製、官能基当量:1900g/mol)、KF−862(信越化学工業社製、官能基当量:1900g/mol)、X−22−9192(信越化学工業社製、官能基当量:6500g/mol)等のアミノ基・メトキシ基変性タイプを挙げることができる。このような活性水素基含有シリコーンモノマーは単独であるいは2種類以上を組み合わせで使用することができる。
添加剤(C)を得るために使用されるポリエステルポリオールとしては、1分子中の水酸基数(平均官能基数)が1.9〜3である脂肪族ポリエステルポリオールが好ましい。具体的には、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、クルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸またはこれらの無水物等の1種類以上と、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の低分子ポリオール類の単独または、2種類以上の混合物との縮重合反応から得られるものを挙げることができる。
添加剤(C)を得るために使用されるポリエステルポリオールとしては、1分子中の水酸基数(平均官能基数)が1.9〜3である脂肪族ポリエーテルポリオールが好ましい。具体的には、低分子ポリオール類、またはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類等のような活性水素基を2個以上、好ましくは2〜3個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のようなアルキレンオキサイド類、メチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを付加重合することで得られるものを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて併用することができる。
ポリジメチルシロキサン−アクリル共重合体の具体例としては、BYK−SILCLEAN3700(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
また、ポリジメチルシロキサン−ポリエーテル共重合体の具体例としては、BYK−377(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−SILCLEAN3720(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9200(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9201(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9204(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9205(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9206(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9210(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9211(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9215(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9230(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9241(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9242(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9247(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9420(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9001(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9004(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK−9020(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
また、ポリジメチルシロキサン−ポリエステル共重合体の具体例としては、BYK−370(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
また、ポリジメチルシロキサン−ポリエーテル−ポリエステル共重合体の具体例としては、BYK−375(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。これらの添加剤は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ケイ素含有量が下限未満の場合には、薄膜における自己修復性を発現させるために過剰量の添加剤の配合が必要となり、得られるコーティング塗膜の機械強度の低下を招く恐れがある。また、上限値を超えると、アクリル樹脂との相溶性が低下し、コーティング塗膜の曇りや白化等の原因となる恐れがある。
ここで被着体は、特に限定されるものではなく、ステンレス、リン酸処理鋼、亜鉛鋼、鉄、銅、アルミニウム、真鍮、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート−ABS樹脂、6−ナイロン樹脂、6,6−ナイロン樹脂、MXD6ナイロン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリアセタール樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、NBR樹脂、クロロプレン樹脂、SBR樹脂、SEBS樹脂などの素材で成形された被着体、コロナ放電処理やその他表面処理を施されたポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、または前記被着体表面にベース塗装(中間形成となりうる塗膜層)された被着体を用いることが出来る。
<合成例1>
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量300ミリリットルの四つ口フラスコに、酢酸ブチルを70g仕込み、120℃に昇温した。滴下ロートにメタクリル酸メチル(三菱ガス化学社製、以下MMAという)を37.7g、アクリル酸ブチル(日本触媒社製、以下BAという)を50.6g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(日油社製、以下HEMAという)を11.7g、パーブチルO(日油社製、2−エチルペルオキシヘキサンtert−ブチル)を2g加え、この混合液を反応槽に4時間かけて滴下した。その後反応液を120℃で1時間保持し、滴下ロートに酢酸ブチルを33g、パーブチルOを1g加え、この混合液を反応槽に1時間かけて滴下した。その後、120℃で3時間保持し室温に冷却後、アクリル樹脂1を得た。
アクリル樹脂1はJIS K1557に準じた方法により測定したところ、樹脂固形分あたりの水酸基価が49.0 KOHmg/gであった。また、外観は透明液体、固形分は50質量%、25℃の粘度は200mPa・s、数平均分子量は8800、ガラス転移温度(以下Tgという)は0℃であった。
・測定器:「HLC−8120」(東ソー社製)
・カラム:「TSKguardcolumn HXL−L」(東ソー社製)
粒径=6μm、サイズ=6mmID×30cm×4本
・キャリア:テトラヒドロフラン(THF)
・検出器:視差屈折
・サンプル:0.1%THF溶液
・検量線:ポリスチレン
・測定器:「DSC6200R」(セイコーインスツルメンツ社製)
・サンプルパン:アルミニウム
・条件:窒素気流下
・測定温度:−60〜60℃
・昇温速度:1℃/分
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量300ミリリットルの四つ口フラスコに、酢酸ブチルを70g仕込み、120℃に昇温した。滴下ロートにMMAを14.2g、BAを74.1g、HEMAを11.7g、パーブチルOを2g加え、この混合液を反応槽に4時間かけて滴下した。その後反応液を120℃で1時間保持し、滴下ロートに酢酸ブチルを33g、パーブチルOを1g加え、この混合液を反応槽に1時間かけて滴下した。その後、120℃で3時間保持し室温に冷却後、アクリル樹脂2を得た。
アクリル樹脂2はJIS K1557に準じた方法により測定したところ、樹脂固形分あたりの水酸基価が49.0 KOHmg/gであった。また、外観は透明液体、固形分は50質量%、25℃の粘度は90mPa・s、数平均分子量は8100、Tgは−30℃であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量300ミリリットルの四つ口フラスコに、酢酸ブチルを70g仕込み、120℃に昇温した。滴下ロートにMMAを56.6g、BAを31.5g、HEMAを11.7g、パーブチルOを2g加え、この混合液を反応槽に4時間かけて滴下した。その後反応液を120℃で1時間保持し、滴下ロートに酢酸ブチルを33g、パーブチルOを1g加え、この混合液を反応槽に1時間かけて滴下した。その後、120℃で3時間保持し室温に冷却後、アクリル樹脂3を得た。
アクリル樹脂3はJIS K1557に準じた方法により測定したところ、樹脂固形分あたりの水酸基価が49.0 KOHmg/gであった。また、外観は透明液体、固形分は50質量%、25℃の粘度は1000mPa・s、数平均分子量は8810、Tgは30℃であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量300ミリリットルの四つ口フラスコに、酢酸ブチルを70g仕込み、120℃に昇温した。滴下ロートにMMAを67.5g、BAを21.0g、HEMAを11.7g、パーブチルOを2g加え、この混合液を反応槽に4時間かけて滴下した。その後反応液を120℃で1時間保持し、滴下ロートに酢酸ブチルを33g、パーブチルOを1g加え、この混合液を反応槽に1時間かけて滴下した。その後、120℃で3時間保持し室温に冷却後、アクリル樹脂4を得た。
アクリル樹脂4はJIS K1557に準じた方法により測定したところ、樹脂固形分あたりの水酸基価が49.0 KOHmg/gであった。また、外観は透明液体、固形分は50質量%、25℃の粘度は3300mPa・s、数平均分子量は8750、Tgは50℃であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量300ミリリットルの四つ口フラスコに、酢酸ブチルを70g仕込み、120℃に昇温した。滴下ロートにMMAを43.3g、BAを52.0g、HEMAを4.7g、パーブチルOを2g加え、この混合液を反応槽に4時間かけて滴下した。その後反応液を120℃で1時間保持し、滴下ロートに酢酸ブチルを33g、パーブチルOを1g加え、この混合液を反応槽に1時間かけて滴下した。その後、120℃で3時間保持し室温に冷却後、アクリル樹脂5を得た。
アクリル樹脂5はJIS K1557に準じた方法により測定したところ、樹脂固形分あたりの水酸基価が19.7KOHmg/gであった。また、外観は透明液体、固形分は50質量%、25℃の粘度は200mPa・s、数平均分子量は8790、Tgは0℃であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量300ミリリットルの四つ口フラスコに、酢酸ブチルを70g仕込み、120℃に昇温した。滴下ロートにMMAを28.2g、BAを48.0g、HEMAを23.8g、パーブチルOを2g加え、この混合液を反応槽に4時間かけて滴下した。その後反応液を120℃で1時間保持し、滴下ロートに酢酸ブチルを33g、パーブチルOを1g加え、この混合液を反応槽に1時間かけて滴下した。その後、120℃で3時間保持し室温に冷却後、アクリル樹脂6を得た。
アクリル樹脂6はJIS K1557に準じた方法により測定したところ、樹脂固形分あたりの水酸基価が99.7KOHmg/gであった。また、外観は透明液体、固形分は50質量%、25℃の粘度は300mPa・s、数平均分子量は7800、Tgは0℃であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量300ミリリットルの四つ口フラスコに、酢酸ブチルを70g仕込み、120℃に昇温した。滴下ロートにMMAを18.8g、BAを45.4g、HEMAを35.8g、パーブチルOを2g加え、この混合液を反応槽に4時間かけて滴下した。その後反応液を120℃で1時間保持し、滴下ロートに酢酸ブチルを33g、パーブチルOを1g加え、この混合液を反応槽に1時間かけて滴下した。その後、120℃で3時間保持し室温に冷却後、アクリル樹脂7を得た。
アクリル樹脂7はJIS K1557に準じた方法により測定したところ、樹脂固形分あたりの水酸基価が150.0KOHmg/gであった。また、外観は透明液体、固形分は50質量%、25℃の粘度は380mPa・s、数平均分子量は7400、Tgは0℃であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量300ミリリットルの四つ口フラスコに、酢酸ブチルを70g仕込み、120℃に昇温した。滴下ロートにMMAを28.0g、BAを47.9g、HEMAを24.1g、パーブチルOを3g加え、この混合液を反応槽に4時間かけて滴下した。その後反応液を120℃で1時間保持し、滴下ロートに酢酸ブチルを34g、パーブチルOを1g加え、この混合液を反応槽に1時間かけて滴下した。その後、120℃で3時間保持し室温に冷却後、アクリル樹脂8を得た。
アクリル樹脂8はJIS K1557に準じた方法により測定したところ、樹脂固形分あたりの水酸基価が100.0KOHmg/gであった。また、外観は透明液体、固形分は50質量%、25℃の粘度は190mPa・s、数平均分子量は3960、Tgは0℃であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量300ミリリットルの四つ口フラスコに、酢酸ブチルを70g仕込み、120℃に昇温した。滴下ロートにMMAを28.5g、BAを48.1g、HEMAを23.4g、パーブチルOを0.8g加え、この混合液を反応槽に4時間かけて滴下した。その後反応液を120℃で1時間保持し、滴下ロートに酢酸ブチルを31g、パーブチルOを0.2g加え、この混合液を反応槽に1時間かけて滴下した。その後、120℃で3時間保持し室温に冷却後、アクリル樹脂9を得た。
アクリル樹脂9はJIS K1557に準じた方法により測定したところ、樹脂固形分あたりの水酸基価が100.0KOHmg/gであった。また、外観は透明液体、固形分は50質量%、25℃の粘度は900mPa・s、数平均分子量は14500、Tgは0℃であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量300ミリリットルの四つ口フラスコに、酢酸ブチルを70g仕込み、120℃に昇温した。滴下ロートにMMAを28.6g、BAを48.1g、HEMAを23.3g、パーブチルOを0.2g加え、この混合液を反応槽に4時間かけて滴下した。その後反応液を120℃で1時間保持し、滴下ロートに酢酸ブチルを30g、パーブチルOを0.1g加え、この混合液を反応槽に1時間かけて滴下した。その後、120℃で3時間保持し室温に冷却後、アクリル樹脂10を得た。
アクリル樹脂10はJIS K1557に準じた方法により測定したところ、樹脂固形分あたりの水酸基価が100.2KOHmg/gであった。また、外観は白濁液体、固形分は50質量%、25℃の粘度は3100mPa・s、数平均分子量は20300、Tgは0℃であった。
・MMA:メタクリル酸メチル
・BA:アクリル酸ブチル
・HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
・パーブチルO:2−エチルぺルオキシヘキサンtert−ブチル
<合成例11>
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイシシアネート(日本ポリウレタン工業社製、NCO含有量:49.9質量%、以下HDIという)を800g、60℃で溶融したPCD−500(日本ポリウレタン工業社製、ポリヘキサメチレンポリカーボネートジオール、数平均分子量500)を200g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を2時間行った。その後、オクチル酸ジルコニール(第一稀元素化学工業社製、オクチル酸ジルコニウム、以下OctZrという)を0.05g添加し、110℃でアロファネート化反応を2時間行った。NCO含有量が33.3質量%に達した後、JP−508(城北化学工業社製、酸性リン酸エステル)を0.06g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却した。
この反応液を130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート1を得た。
ポリイソシアネート1はNCO含有量が12.5質量%、外観は透明液体、数平均分子量は1680、NCO含有量と数平均分子量から計算された平均官能基数は5.0、25℃の粘度は8000mPa・s、遊離HDI含有量は0.2質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は90モル%、ヌレート基含有量は3モル%、ウレタン基含有量は7モル%であった。
・測定装置:「ECX400M」(日本電子社製、1H−NMR)
・測定温度:23℃
・試料濃度:0.1g/1ml
・積算回数:16
・緩和時間:5秒
・溶剤:重水素ジメチルスルホキシド
・化学シフト基準:重水素ジメチルスルホキシド中のメチル基の水素原子シグナル(2.5ppm)
・評価方法:8.5ppm付近のアロファネート基の窒素原子に結合した水素原子のシグナルと、3.7ppm付近のヌレート基の窒素原子に隣接したメチレン基の水素原子のシグナルと7.0ppm付近のウレタン基の窒素原子に結合した水素原子のシグナルの面積比から結合基の含有量を測定。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、HDIを870g、60℃で溶融したPCD−500を130g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を2時間行った。その後、OctZrを0.05g添加し、110℃でアロファネート化反応を2時間行った。NCO含有量が39.1質量%に達した後、JP−508を0.06g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却した。
この反応液を130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート2を得た。
ポリイソシアネート2はNCO含有量が13.2質量%、数平均分子量は1430、NCO含有量と数平均分子量から計算された平均官能基数は4.5、25℃の粘度は6000mPa・s、遊離HDI含有量は0.2質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は91モル%、ヌレート基含有量は2モル%、ウレタン基含有量は7モル%であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、HDIを725g、60℃で溶融したPCD−500を275g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を2時間行った。その後、OctZrを0.05g添加し、110℃でアロファネート化反応を2時間行った。NCO含有量が27.0質量%に達した後、JP−508を0.06g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却した。
この反応液を130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート3を得た。
ポリイソシアネート3はNCO含有量が11.5質量%、外観は透明液体、数平均分子量は2220、NCO含有量と数平均分子量から計算された平均官能基数は6.0、25℃の粘度は17000mPa・s、遊離HDI含有量は0.4質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は90モル%、ヌレート基含有量は3モル%、ウレタン基含有量は7モル%であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、HDIを880g、PCD−250(日本ポリウレタン工業社製、ポリヘキサメチレンポリカーボネートジオール、数平均分子量250)を120g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を2時間行った。その後、OctZrを0.05g添加し、110℃でアロファネート化反応を2時間行った。NCO含有量が35.9質量%に達した後、JP−508を0.06g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却した。
この反応液を130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート4を得た。
ポリイソシアネート4はNCO含有量が15.9質量%、外観は透明液体、数平均分子量は1360、NCO含有量と数平均分子量から計算された平均官能基数は5.2、25℃の粘度は4000mPa・s、遊離HDI含有量は0.2質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は91モル%、ヌレート基含有量は2モル%、ウレタン基含有量は7モル%であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、HDIを670g、60℃で溶融したPCD−1000(日本ポリウレタン工業社製、ポリヘキサメチレンポリカーボネートジオール、数平均分子量1000)を330g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を2時間行った。その後、OctZrを0.05g添加し、110℃でアロファネート化反応を2時間行った。NCO含有量が27.9質量%に達した後、JP−508を0.06g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却した。
この反応液を130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート5を得た。
ポリイソシアネート5はNCO含有量が8.7質量%、外観は白色固体、数平均分子量は2420、NCO含有量と数平均分子量から計算された平均官能基数は5.0、遊離HDI含有量は0.2質量%、25℃の粘度は固体であるため測定しなかった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は89モル%、ヌレート基含有量は3モル%、ウレタン基含有量は8モル%であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、HDIを725g、60℃で溶融したPCD−750(日本ポリウレタン工業社製、ポリヘキサメチレンポリカーボネートジオール、数平均分子量750)を275g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を2時間行った。その後、OctZrを0.05g添加し、110℃でアロファネート化反応を2時間行った。NCO含有量が30.1質量%に達した後、JP−508を0.06g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却した。
この反応液を130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート6を得た。
ポリイソシアネート6はNCO含有量が10.2質量%、外観は透明液体、数平均分子量は2070、NCO含有量と数平均分子量から計算された平均官能基数は5.0、25℃の粘度は15000mPa・s、遊離HDI含有量は0.4質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は89モル%、ヌレート基含有量は3モル%、ウレタン基含有量は8モル%であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、HDIを930g、PCD−150(日本ポリウレタン工業社製、ポリヘキサメチレンポリカーボネートジオール、数平均分子量150)を70g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を2時間行った。その後、OctZrを0.1g添加し、110℃でアロファネート化反応を2時間行った。NCO含有量が38.6質量%に達した後、JP−508を0.11g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却した。
この反応液を130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート7を得た。
ポリイソシアネート7はNCO含有量が18.2質量%、外観は透明液体、数平均分子量は1160、NCO含有量と数平均分子量から計算された平均官能基数は5.0、25℃の粘度は3500mPa・s、遊離HDI含有量は0.2質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は95モル%、ヌレート基含有量は3モル%、ウレタン基含有量は2モル%であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、HDIを945g、1,6−HG(1,6−ヘキサンジオール)を55g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を2時間行った。その後、OctZrを0.1g添加し、110℃でアロファネート化反応を2時間行った。NCO含有量が39.4質量%に達した後、JP−508を0.11g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却した。
この反応液を130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート8を得た。
ポリイソシアネート8はNCO含有量が19.1質量%、外観は透明液体、数平均分子量は1100、NCO含有量と数平均分子量から計算された平均官能基数は5.0、25℃の粘度は2800mPa・s、遊離HDI含有量は0.2質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は97モル%、ヌレート基含有量は2モル%、ウレタン基含有量は1モル%であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、HDIを690g、60℃で溶融したPCD−500を310g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を2時間行った。その後、OctZrを0.05g添加し、110℃でアロファネート化反応を2時間行った。NCO含有量が24.1質量%に達した後、JP−508を0.06g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却した。
この反応液を130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート9を得た。
ポリイソシアネート9はNCO含有量が10.9質量%、外観は透明液体、数平均分子量は2700、NCO含有量と数平均分子量から計算された平均官能基数は7.0、25℃の粘度は28000mPa・s、遊離HDI含有量は0.4質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は90モル%、ヌレート基含有量は4モル%、ウレタン基含有量は6モル%であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、HDIを800g、PCL−500(ダイセル化学工業社製、商品名:プラクセル205、ポリカプロラクトンジオール、数平均分子量500)を200g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を2時間行った。その後、OctZrを0.1g添加し、110℃でアロファネート化反応を2時間行った。NCO含有量が33.3質量%に達した後、JP−508を0.11g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却した。
この反応液を130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート10を得た。
ポリイソシアネート10はNCO含有量が12.5質量%、外観は透明液体、数平均分子量は1680、NCO含有量と数平均分子量から計算された平均官能基数は5.0、25℃の粘度は3200mPa・s、遊離HDI含有量は0.2質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は90モル%、ヌレート基含有量は3モル%、ウレタン基含有量は7モル%であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、HDIを880g、PTMG−250(保土谷化学工業社製、商品名:PTG−250、ポリテトラメチレングリコール、数平均分子量250)を120g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を2時間行った。その後、OctZrを0.1g添加し、110℃でアロファネート化反応を2時間行った。NCO含有量が35.9質量%に達した後、JP−508を0.11g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却した。
この反応液を130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート11を得た。
ポリイソシアネート11はNCO含有量が15.9質量%、外観は透明液体、数平均分子量は1360、NCO含有量と数平均分子量から計算された平均官能基数は5.0、25℃の粘度は2000mPa・s、遊離HDI含有量は0.2質量%であった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は91モル%、ヌレート基含有量は2モル%、ウレタン基含有量は7モル%であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、HDIを800g、60℃で溶融したPCD−500を200g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を2時間行った。この反応液はNCO含有量が36.6質量%であった。
この反応液を130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したポリイソシアネート12を得た。
ポリイソシアネート12はNCO含有量が9.3質量%、外観は白色固体、数平均分子量は900、NCO含有量と数平均分子量から計算された平均官能基数は2.0、遊離HDI含有量は0.2質量%、25℃の粘度は固体であるため測定しなかった。また、全結合基におけるアロファネート基含有量は0モル%、ヌレート基含有量は0モル%、ウレタン基含有量は100モル%であった。
・HDI:ヘキサメチレンジイシシアネート
・PCD−150:ポリヘキサメチレンポリカーボネートジオール、数平均分子量150
・PCD−250:ポリヘキサメチレンポリカーボネートジオール、数平均分子量250
・PCD−500:ポリヘキサメチレンポリカーボネートジオール、数平均分子量500
・PCD−750:ポリヘキサメチレンポリカーボネートジオール、数平均分子量750
・PCD−1000:ポリヘキサメチレンポリカーボネートジオール、数平均分子量1000
・PCL−500(ダイセル化学工業社製、プラクセル205):ポリカプロラクトンジオール、数平均分子量500
・PTMG−250(保土谷化学工業社製、PTG−250):ポリテトラメチレングリコール、数平均分子量250
・1,6−HG:1,6−ヘキサンジオール
・OctZr:オクチル酸ジルコニウム
・JP−508:酸性リン酸エステル
これに対して、合成例15に係る数平均分子量が1000のポリカーボネートジオールを使用したアロファネート基含有ポリイソシアネート、及び合成例22に係るアロファネート基を含有しないポリイソシアネートは常温において液状のポリイソシアネートを得ることができない。
<合成例23>
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量300ミリリットルの四つ口フラスコに、酢酸ブチルを60.0g、合成例11で得られたポリイソシアネート1(NCO含有量:12.6質量%)を111.0g、MEKオキシム(宇部興産社製、以下MEKOという)を29.0g仕込み、窒素気流下、70℃でブロック化反応を2時間行い、ブロック化されたポリイソシアネート13を得た。
ポリイソシアネート13は固形分換算における潜在NCO含有量が9.9質量%、外観は透明液体、固形分は70質量%、数平均分子量は2120、NCO含有量と数平均分子量から計算された平均官能基数は5.0、25℃の粘度は1000mPa・sであった。ポリイソシアネート13に使用した原料の配合量と性状を表3に示す。
・MEKO:MEKオキシム
<合成例24>
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量300ミリリットルの四つ口フラスコに、酢酸ブチルを70g仕込み、120℃に昇温した。滴下ロートにMMAを64.7g、X−22−174DX(信越化学工業社製、片末端型メタクリル変性ポリジメチルシロキサン、官能基当量:4600g/mol)を10.0g、HEMAを25.3g、パーブチルOを6g加え、この混合液を反応槽に4時間かけて滴下した。その後反応液を120℃で1時間保持し、滴下ロートに酢酸ブチルを30g、パーブチルOを3g加え、この混合液を反応槽に1時間かけて滴下した。その後、120℃で3時間保持し室温に冷却後、シリコーン添加剤1を得た。
シリコーン添加剤1はJIS K1557に準じた方法により測定したところ、樹脂固形分あたりの水酸基価が100.2KOHmg/gであった。また、外観は淡黄色液体、固形分は50質量%、25℃の粘度は500mPa・s、SiO2換算におけるケイ素含有量は7質量%、数平均分子量は10200であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量300ミリリットルの四つ口フラスコに、酢酸ブチルを140g仕込み、KF−6001(信越化学工業社製、両末端型カルビノール変性ポリジメチルシロキサン、水酸基価:62KOHmg/g)を26.0g、P−2010(クラレ社製、3−メチルペンタンジオール−アジピン酸共重合ポリエステル、数平均分子量:2000)を26.0g、1,3−ブタンジオールを2.0g、HDIを6.0g、DOTDLを0.001g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を6時間行った。NCO含有量を測定し、0質量%となったことを確認後、シリコーン添加剤2を得た。
変性ポリジメチルシロキサン1はJIS K1557に準じた方法により測定したところ、樹脂固形分あたりの水酸基価が18.3KOHmg/gであった。また、外観は淡黄色液体、固形分は30質量%、25℃の粘度は100mPa・s、SiO2換算におけるケイ素含有量は32質量%、数平均分子量は6120であった。
攪拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量300ミリリットルの四つ口フラスコに、酢酸ブチルを140g仕込み、KF−6001(信越化学工業社製、両末端型カルビノール変性ポリジメチルシロキサン、水酸基価:62KOHmg/g)を26.0g、PP−2000(三洋化成工業社製、ポリプロピレングリコール、数平均分子量:2000)を26.0g、1,3−ブタンジオールを2.0g、HDIを6.0g、DOTDLを0.001g仕込み、窒素気流下、80℃ウレタン化反応を6時間行った。NCO含有量を測定し、0質量%となったことを確認後、シリコーン添加剤3を得た。
シリコーン添加剤3はJIS K1557に準じた方法により測定したところ、樹脂固形分あたりの水酸基価が18.9KOHmg/gであった。また、外観は淡黄色液体、固形分は30質量%、25℃の粘度は50mPa・s、SiO2換算におけるケイ素含有量は32%、数平均分子量は5950であった。
・MMA:メタクリル酸メチル
・HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
・パーブチルO:2−エチルぺルオキシヘキサンtert−ブチル
・X−22−174DX:片末端型メタクリル変性ポリジメチルシロキサン
・KF−6001:両末端型カルビノール変性ポリジメチルシロキサン
・P−2010:3−メチルペンタンジオール−アジピン酸共重合ポリエステル
・PP−2000:ポリプロピレングリコール、
・HDI:ヘキサメチレンジイシシアネート
・OctZr:オクチル酸ジルコニウム
配合量は、表5〜表8に示すように、得られたアクリル樹脂(A)と、ポリイソシアネート(B)とをR(イソシアネート基/水酸基のモル比)=1になるように配合し、更に硬化反応を促進する触媒と、添加剤(C)と、有機溶剤で固形分が35%になるように配合し、ホモミキサーを使用し300rpmで3分間撹拌して自己修復型形成性コーティング組成物を調整した。
アプリケーターを用い、2mm厚のアクリル板(パルテック社製、PMMA板)に調整した自己修復型形成性コーティング組成物を塗布した。その後、温度60℃の乾燥機中で1時間加熱処理を行い、続いて温度23℃、相対湿度50%の環境下で7日間養生を行った。また、ポリイソシアネート(B)をブロックイソシアネートとした場合には、被着体に2mm厚のリン酸処理鋼板(パルテック社製)を使用し、自己修復型形成性コーティング組成物を塗布後、温度150℃の乾燥機中で1時間加熱処理を行い、続いて温度23℃、相対湿度50%の環境下で7日間養生を行った。
・DOTDL:ジオクチル錫ジラウレート
これに対して、比較例1〜比較例4、及び比較例6〜比較例10の形成性コーテイング組成物は、自己修復性、耐久性、及び耐水性に劣るものであった。また、比較例5の形成性コーテイング組成物は、これら諸特性に加え、耐汚染性に劣るものであった。
比較例11、及び比較例12の形成性コーティング組成物は、自己修復性が良好であるものの、耐水性の低下が著しいものであった。
<塗膜外観>
実施例1〜実施例21、及び比較例1〜比較例12で得られたコーティング塗膜をJIS Z8741に準じて、ヘイズ−グロスリフレクトメーターで60°における光沢度を測定した。
・80%以上:合格(評価:○)
・60%以上〜80未満:合格(評価:△)
・60%未満:不合格(評価:×)
<自己修復性>
実施例1〜実施例21、及び比較例1〜比較例12で得られたコーティング塗膜に、温度30℃、相対湿度50%の環境下において、真鍮製のワイヤーブラシ(製品名:チャンネルブラシ#65、コーワ社製)を塗膜に対して垂直に当て、100gの錘の荷重を加えながら10回擦り、塗膜表面に形成した傷の自己修復する時間を測定した。
・1時間未満で傷跡が修復する:合格(評価:○)
・1時間以上〜24時間未満で傷跡が修復する:合格(評価:△)
・24時間以上、または塗膜の破れを生じる:不合格(評価:×)
<鉛筆硬度>
JIS K5600−5−4に準じて、塗膜が破れない鉛筆の硬度を測定した。
<耐久性>
実施例1〜実施例21、及び比較例1〜比較例12で得られたコーティング塗膜に、評価試験2における自己修復性試験を20サイクル行い、自己修復する時間を測定した。
・1時間未満で傷跡が修復する:合格(評価:○)
・1時間以上〜24時間未満で傷跡が修復する:合格(評価:△)
・24時間以上、または塗膜の破れを生じる:不合格(評価:×)
<耐候性>
実施例1〜実施例21、及び比較例1〜比較例12で得られた自己修復型形成性コーティング組成物を使用し、以下の配合条件、試験方法、及び評価基準で耐候性を測定した。
・樹脂:自己修復型形成性コーティング組成物(R=1、固形分:35%)
・顔料:酸化チタン(CR−90、石原産業社製)
・配合比(質量比):樹脂/顔料/酢酸エチル=69/16/15
・配合固形分:40%
・試験片の作製:
アプリケーターを用い、0.5mm厚のアルミニウム板に任意の膜厚になるように塗布した。その後、温度60℃の乾燥機中で1時間加熱処理を行い、続いて温度23℃、相対湿度50%の環境下で7日間養生を行った。また、また、ポリイソシアネート(B)をブロックイソシアネートとした場合には、塗布後、温度150℃の乾燥機中で1時間加熱処理を行い、続いて温度23℃、相対湿度50%の環境下で7日間養生を行った。
・試験装置:QUV(Q−LAB社製)
・ランプ:EL−313
・照度:0.59w/m2
・λmax:313nm
・1サイクル:12時間〔UV照射:8時間(温度70℃)、結露:4時間(温度50℃)〕
・試験時間:500時間
JIS Z8741に準じて、ヘイズ−グロスリフレクトメーターで60°における光沢度を測定し、光沢保持率を算出した。光沢保持率は下式により求めた。
光沢保持率(%)=100×耐候試験後光沢度÷初期光沢度
・90%以上:合格(評価:◎)
・80%以上〜90%未満:合格(評価:○)
・70%以上〜80%未満:合格(評価:△)
・70%未満:不合格(評価:×)
<耐汚染性>
実施例1〜実施例21、及び比較例1〜比較例12で得られたコーティング塗膜に、JIS K5600−7−7に準じ、以下の条件下で塗膜の雨筋汚れの有無を目視で評価した。
・付属装置:スプレー水純水供給装置(スガ試験機社製)
・ランプ:7.5kW水冷ロングライフキセノンランプ
・BPT:63℃、60W/m2
・サイクル:Aサイクル(ぬれ時間:18分、乾燥時間:102分)
・試験時間:100時間
・雨筋が見られない:合格(評価:◎)
・雨筋が殆ど見られない:合格(評価:○)
・雨筋が僅かに見られる:合格(評価:△)
・著しい雨筋が見られる:不合格(評価:×)
<耐水性>
実施例1〜実施例21、及び比較例1〜比較例12で得られたコーティング塗膜を恒湿槽中で、温度50℃、相対湿度95%の環境下に7日間静置した。その後、取り出し温度30℃に冷却後、評価試験2における自己修復性試験行い、自己修復する時間を測定した。
<貯蔵弾性率とtanδ>
実施例1〜実施例21、及び比較例1〜比較例12で得られた自己修復型形成性コーティング組成物を使用し、JIS K7244に準じて、以下の条件で動的粘弾性試験を行うことにより、25℃における貯蔵弾性率とtanδを測定した。
・試験片の作製:
剥離紙上に自己修復型形成性コーティング組成物を100μm厚(Dry換算)になるようにキャストし、常温で30分間静置後、温度60℃の乾燥機中で2時間、120℃で2時間加熱処理を行い、続いて温度23℃、相対湿度50%の環境下で7日間養生を行った。
・試験装置:レオバイブロンDDV−01FP(エー・アンド・デイ社製)
・昇温速度:2℃/分
・周波数:35Hz
・変形モード:引張
・振幅:16μm
・試験片形状:短冊状試験片(25mm×4mm×100μm)
Claims (6)
- アクリル樹脂(A)と、ポリイソシアネート(B)と、添加剤(C)からなる自己修復型形成性コーティング組成物であって、前記アクリル樹脂(A)のガラス転移点が−20〜30℃でありアクリル樹脂固形分あたりの水酸基価が40〜100mgKOH/gであり、前記ポリイソシアネート(B)が脂肪族有機ジイソシアネート(b1)と数平均分子量が250〜750であるポリカーボネートジオール(b2)との反応により得られる平均官能基数が4〜6のアロファネート基含有ポリイソシアネートであり、前記添加剤(C)が少なくとも1個の水酸基を有するポリジメチルシロキサン変性体であることを特徴とする自己修復型形成性コーティング組成物。
- アクリル樹脂(A)の数平均分子量が6000〜15000であることを特徴とする請求項1に記載の自己修復型形成性コーティング組成物。
- ポリイソシアネート(B)がブロック剤(b3)で変性して得られるブロックイソシアネートであることを特徴とする請求項1に記載の自己修復型形成性コーティング組成物。
- 全樹脂固形分中におけるSiO2換算のケイ素含有量が0.01〜0.1質量%になるように添加剤(C)を添加することを特徴とする請求項1記載の自己修復型形成性コーティング組成物。
- JIS K7244に規定する昇温速度2℃/分の動的粘弾性試験における25℃の貯蔵弾性率が0.2〜1GPaであり、25℃におけるtanδが0.25〜0.7であることを特徴とする請求項1記載の自己修復型形成性コーティング組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の自己修復型形成性コーティング組成物を被着体表面上に少なくとも5μmの膜厚の層を形成することを特徴とする塗装方法。
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