JP2012026364A - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents

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克博 久保
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Abstract

【課題】内燃機関の可変動弁機構においてカムシャフトの軸方向に移動可能なロッカーアームの制止解除に関し、高い耐摩耗性を要求されない解除機構を実現する。
【解決手段】ロッカーアーム13を掛止して移動不能に保持し、カムシャフト11に設けられたタイミングカム40からの駆動力を受けてロッカーアーム13との掛止状態を解除しロッカーアーム13の移動を許容する、揺動自在に支持された掛止レバー32と、ロッカーアームシャフト14の軸方向への移動に連動して、掛止レバー32とロッカーアーム13との掛止状態を複数段階に異ならせるトリガーピン37を有するトリガー機構31と、を有し、トリガー機構31によって、掛止レバー32を、第1掛止位置から、該第1掛止位置と異なる第2掛止位置へと変位させ、掛止レバー32を第2掛止位置に変位させた状態で、タイミングカム40からの駆動力を受けて掛止レバー32を揺動させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、動弁機構に関し、より詳しくは、内燃機関の吸排気バルブの開閉タイミングを可変させる内燃機関の可変動弁機構に関する。
内燃機関の可変動弁機構には、カムシャフトにプロファイルの異なる複数のカムロブを設け、ロッカーアームをカムシャフトの軸方向に移動させ、プロファイルの異なる複数のカムロブにロッカーアームを選択的に当接させることで、吸排気バルブの開閉タイミングを可変とするものが従来から知られている。
この種の可変動弁機構には、ロッカーアームを掛止することで該ロッカーアームの移動を制止するロック部材を、カムシャフトに設けたタイミングカムによって作動(変位)させ、ロッカーアームを移動制止状態又は移動解除状態とするものがある(特許文献1参照)。この特許文献1に係る可変動弁機構では、上記ロック部材が単一板状の部材にて構成されている。
実開昭62−184115号公報
ところで、上記特許文献1に係る機構では、タイミングカムとロック部材が常に当接していることや解除タイミングの精度の確保の点から、タイミングカム及びロック部材の双方に高い耐摩耗性が要求される。しかしながら、このようなタイミングカム及びロック部材に対しオイル等による潤滑剤を常に供給して潤滑性を確保することは、内燃機関の構造上、難しい点がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、内燃機関の可変動弁機構においてカムシャフトの軸方向に移動可能なロッカーアームの制止解除に関し、高い耐摩耗性を要求されない解除機構を実現することを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載の発明は、ロッカーアーム(13)をカムシャフト(11)の軸方向に移動させ、前記カムシャフト(11)に設けられたプロファイルの異なる複数のカムロブ(15a,15b)に、前記ロッカーアーム(13)を選択的に当接させることで、吸気バルブ(6)又は排気バルブ(7)を駆動させる内燃機関の可変動弁機構において、前記ロッカーアーム(13)を、付勢力によって前記ロッカーアーム(13)を支持するロッカーアーム軸(14)の軸方向に移動させる蓄圧機構(21,22)と、前記カムシャフト(11)に設けられ一体に回転するタイミングカム(40)の頂部(40A)に揺動可能に当接するカム当接部(44)を有し、前記蓄圧機構(21,22)の付勢力に抗って前記ロッカーアーム(13)を掛止して移動不能に保持し、前記カム当接部(44)で前記タイミングカム(40)からの駆動力を受けて前記ロッカーアーム(13)との掛止状態を解除し前記ロッカーアーム(13)の移動を許容する、揺動自在に支持された掛止レバー(32)と、前記掛止レバー(32)と前記ロッカーアーム(13)との掛止状態を、複数段階に異ならせるトリガーピン(37)を有し、前記ロッカーアーム軸(14)の軸方向への移動に連動して、前記トリガーピン(37)により前記掛止レバー(32)を、第1掛止位置から、該第1掛止位置と異なる第2掛止位置へと変位させるトリガー機構(31)と、を有し、前記掛止レバー(32)を前記第2掛止位置に変位させた状態で、前記タイミングカム(40)からの駆動力を前記カム当接部(44)で受けて、前記掛止レバー(32)を揺動させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記掛止レバー(32)が前記第1掛止位置に位置する状態では、前記カム当接部(44)が前記タイミングカム(40)の頂部(40A)の回転軌跡(T)外に位置し、前記掛止レバー(32)が前記第2掛止位置に位置する状態では、前記カム当接部(44)が前記タイミングカム(40)の頂部(40A)の回転軌跡(T)内に位置すること特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記ロッカーアーム軸(14)に、スリット孔(38)が形成され、前記スリット孔(38)に、前記トリガーピン(37)が前記ロッカーアーム軸(14)の軸方向に摺動可能に支持され、前記ロッカーアーム軸(14)と前記ロッカーアーム(13)が相対移動した場合に、前記トリガーピン(37)が前記ロッカーアーム軸(14)の軸方向に直交する方向に進退動するように、前記スリット孔(38)の端面に段差部(39)が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、複数の前記カムロブ(15a,15b)に対応して、前記トリガーピン(37)が複数設けられ、前記掛止レバー(32)は、前記掛止レバー(32)に対して前記トリガーピン(37)が相対移動する毎に、複数の前記カムロブ(15a,15b)に対応したそれぞれのトリガーピン(37)にて変位されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記タイミングカム(40)は、カム山(40A)において、前記掛止レバー(32)と当接する側に、凹状に湾曲した湾曲面(40B)を有していることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記カムシャフト(11)に、前記プロファイルの異なる複数のカムロブ(15a,15b,16a,16b)からなるカムロブ組(41,42)が複数対設けられ、前記ロッカーアーム(13)は、複数対の前記カムロブ組(41,42)に対応し、複数の揺動腕(13b)を一体化され、前記タイミングカム(40)は、前記カムシャフト(11)において隣り合う対の前記カムロブ組(41,42)間に設けられていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記カムシャフト(11)の中心軸に対して、前記タイミングカム(40)と前記カムロブ(15a,15b)の各カム山の配置角が揃えられていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、前記カム当接部(44)の延出方向が、前記掛止レバー(32)における前記ロッカーアーム(13)との掛止部位(34)の延出方向に対して鋭角となるように、前記カム当接部(44)が形成されていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、前記掛止レバー(32)が板状部材からなることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ロッカーアームと掛止状態にある掛止レバーを複数段階に異ならせて変位させるトリガー機構により、タイミングカムの駆動力をカム当接部で受けて掛止レバーに伝達するタイミングを、カムロブの選択切替えタイミングのみ(ロッカーアーム軸を軸方向へ移動させるタイミングのみ)とすることが可能となる。したがって、カム当接部とタイミングカムの当接状態の期間を減少させて、これらの摩耗量を減らせるので、高い耐摩耗性を要求されない解除機構を実現できる。
請求項2に記載の発明によれば、変位された位置に応じて掛止レバーのカム当接部をタイミングカムの頂部の回転軌跡外に外すようにしたことで、タイミングカムと掛止レバーとの接触を、確実にカムロブの選択切替えタイミングのみとすることができ、摩耗量を減らすことができる。
請求項3に記載の発明によれば、ロッカーアーム軸のスリット孔端面に段差部を設けることにより、ロッカーアーム軸を軸方向に移動させることで、トリガーピンがロッカーアーム軸の軸方向に直交する方向に進退動するように作動を変換できるので、ロッカーアーム軸とは別の駆動部材を設ける必要なく、トリガーピンを変位させることができ、部品点数削減とともに構造の簡素化を図れる。
請求項4に記載の発明によれば、単一のトリガーピンの場合、軸方向に移動しない掛止レバーに合わせてトリガーピンを保持しつつ、ロッカーアームをロッカーアーム軸と相対移動させる必要があるが、トリガーピンをカムロブ毎にそれぞれ設けることで、各トリガーピンをロッカーアームに保持させるとともに、軸方向に移動させることができ、機構が複雑とならない。
請求項5に記載の発明によれば、タイミングカムとの接触面をなだらかにして、掛止レバーとの衝撃を緩和して衝突音を低減できる。
請求項6に記載の発明によれば、タイミングカムを、カムシャフトの隣り合うカムロブ組間に設けたことで、ロッカーアームにおける各カムロブ組に対応する各揺動腕が掛止レバーを超えて移動しないようにすることができ、掛止レバーとロッカーアームの揺動腕との干渉を防止して、カムロブ間の切り替えを確実に行える。
請求項7に記載の発明によれば、タイミングカムとカムロブとのカム山の配置角度を揃えたことにより、カム加工時に同一方向から加工が行え、加工時間の短縮を図れて加工コストを低減できる。
請求項8に記載の発明によれば、掛止レバーにおけるカム当接部を、掛止レバーのロッカーアームとの掛止部位に対して鋭角に延出することで、これらの強度を相互に高かめることができる。
請求項9に記載の発明によれば、板状部材にて成形することで、型成形も可能となり、機械加工を削減することが可能となるうえ、構造が簡素化され、コスト低減を図れる。
本発明の実施形態に係る動弁機構(可変動弁機構)を備えるエンジンのシリンダヘッド内の左側面図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるカムシャフト及びロッカーアームを水平方向に見た図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるカムシャフト及びロッカーアームを水平方向に見た図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構を備えるエンジンの構成を模式的に示した図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるカムシャフト及びロッカーアームをカムシャフトの軸方向に見た図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるカムシャフト及びロッカーアームをカムシャフトの軸方向に見た図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるカムシャフト及びロッカーアームを水平方向に見た図であって、動弁機構の作動説明図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるカムシャフト及びロッカーアームを水平方向に見た図であって、動弁機構の作動説明図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるカムシャフト及びロッカーアームを水平方向に見た図であって、動弁機構の作動説明図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるカムシャフト及びロッカーアームを水平方向に見た図であって、動弁機構の作動説明図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるカムシャフト及びロッカーアームを水平方向に見た図であって、動弁機構の作動説明図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるカムシャフト及びロッカーアームをカムシャフトの軸方向に見た図であって、動弁機構の作動説明図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるカムシャフト及びロッカーアームをカムシャフトの軸方向に見た図であって、動弁機構の作動説明図である。 本発明の実施形態に係る動弁機構におけるカムシャフト及びロッカーアームをカムシャフトの軸方向に見た図であって、動弁機構の作動説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、説明都合上、図中矢印FRは前方、矢印LHは左方、矢印UPは上方をそれぞれ示すものとする。
図1は、自動二輪車等の車両の原動機に用いられる四ストロークDOHC並列四気筒エンジン1(以下、エンジン1)のシリンダヘッド2内の左側面図である。シリンダヘッド2上(先端側)にはヘッドカバー3が取り付けられ、シリンダヘッド2とヘッドカバー3とが形成する動弁室4内には、吸気バルブ6、排気バルブ7を駆動する動弁機構5が収容されている。図中符号C1は、シリンダヘッド2下(基端側)に連なるシリンダ本体2a内のシリンダボアの中心軸線(シリンダ軸線)を示している。
シリンダヘッド2の前後には、各気筒に対応する吸気ポート8及び排気ポート9が形成されている。各吸排気ポート8,9は、それぞれ一対の燃焼室側開口を形成し、該各燃料室側開口は、それぞれ一対の吸排気バルブ6,7により開閉される。エンジン1は、4バルブ式であり、気筒毎にそれぞれ左右一対の吸排気バルブ6,7を有している。
吸排気バルブ6,7は、それぞれ前記燃焼室側開口に嵌合する傘状の弁体6a,7aと、弁体6a,7aから動弁室4側に延出する棒状のステム6b,7bとを有している。吸排気バルブ6,7のステム6b,7bは、それぞれバルブガイド6c,7cを介してシリンダヘッド2に往復動可能に保持されている。
各ステム6b,7bの動弁室4側の先端部には、それぞれリテーナ6d,7dが取り付けられ、該各リテーナ6d,7dとシリンダヘッド2との間には、それぞれバルブスプリング6e,7eが縮設されている。各バルブスプリング6e,7eのバネ力により、吸排気バルブ6,7が上方に付勢され、その弁体6a,7aによって、前記燃焼室側開口は閉塞される。一方、バルブスプリング6e,7eの付勢力に抗して、吸排気バルブ6,7を下方にストロークさせることで、該吸排気バルブ6,7の弁体6a,7aが燃焼室側開口から離間して、燃焼室側開口は開放される。
吸排気バルブ6,7のステム6b,7bは、側面視V字状をなすようにシリンダ軸線C1に対して傾斜して設けられている。各ステム6b,7bの上方には、左右方向に軸線を沿わせた吸気側カムシャフト11及び排気側カムシャフト12がそれぞれ配設されている。各カムシャフト11,12は、その軸回りに回転可能となるようにシリンダヘッド2に支持され、エンジン1の運転時には例えばチェーン式伝動機構を介してクランクシャフトと連係して回転駆動する(何れも不図示)。なお、図中符号C3,C4は各カムシャフト11,12の中心軸線(カム軸線)を示している。
一気筒分の左右一対の吸気バルブ6は、気筒毎に設けられた吸気側ロッカーアーム13を介して吸気側カムシャフト11に設けられたカムロブ11Aに押圧されて開閉作動する。吸気側ロッカーアーム13は、吸気バルブ6のステム6b先端部の後方において吸気側カムシャフト11と平行に配設された吸気側ロッカーアームシャフト14に、その軸回りに揺動可能かつ軸方向にスライド移動可能に支持されている。
一気筒分の左右一対の排気バルブ7は、気筒毎に設けられた排気側ロッカーアーム17を介して排気側カムシャフト12に設けられたカムロブ12Aに押圧されて開閉作動する。排気側ロッカーアーム17は、排気バルブ7のステム7b先端部の前方において排気側カムシャフト12と平行に配設された排気側ロッカーアームシャフト18に、その軸回りに揺動可能かつ軸方向にスライド移動可能に支持されている。図中符号C5,C6は各ロッカーアームシャフト14,18の中心軸線(ロッカー軸線)を示している。
吸気側ロッカーアーム13における吸気側ロッカーアームシャフト14を挿通する円筒状のシャフト挿通ボス(基部)13aには、吸気バルブ6のステム6b先端部に向けて延出するアーム部13bが一体的に設けられている。アーム部13bの先端部上側には、吸気側カムシャフト11のカムロブ11Aを摺接させるカム摺接部13cが設けられている。アーム部13bの先端部下側には、ステム6b先端部に当接してこれを下方に押圧するバルブ押圧部13dが設けられている。なお、排気側ロッカーアーム17も同様の構成を有するため説明は、省略する。
動弁機構5は、カムシャフト11,12及び各ロッカーアーム13,17等を含んで構成され、この動弁機構5では、カムシャフト11,12が、エンジン1の運転時に、不図示のクランクシャフトと連係して回転駆動し、各カムロブ11A,12Aの外周パターン(プロファイル)に応じて各ロッカーアーム13,17を適宜揺動させることで、該各ロッカーアーム13,17が吸排気バルブ6,7をそれぞれ押圧する。これにより、吸排気バルブ6,7が適宜往復動し、吸排気ポート8,9の燃料室側開口が開閉する。
この動弁機構5は、各バルブ6,7のバルブ開閉タイミングやリフト量を変化可能な可変動弁機構として構成されており、例えばエンジン回転数が9000rpm(Revolutions Per Minute)未満の低速回転域では各カムシャフト11,12における低速回転用のカムロブを用いて各バルブ6,7を開閉作動させると共に、エンジン回転数が9000rpm以上の高速回転域では各カムシャフト11,12における高速回転用のカムロブを用いて各バルブ6,7を開閉作動させる。
以下、動弁機構5における一気筒分の吸気側を例に説明するが、他の気筒の吸気側及び各気筒の排気側も同様の構成を有するものとする。また、以下では、吸気側カムシャフト11をカムシャフト11と、吸気側ロッカーアーム13をロッカーアーム13と、吸気側ロッカーアームシャフト14をロッカーアームシャフト14と呼ぶ。
図2、図3に示すようにカムシャフト11のカムロブ11Aには、低速回転域用の左右第1カム15a,16aと、高速回転域用の左右第2カム15b,16bと、が含まれている。左右第1カム15a,16aは互いに同一形状とされ、左右第2カム15b,16bは互いに同一形状とされている。
左第1カム15aと左第2カム15bは、気筒左側において互いに左右方向(カム軸方向)で隣接するよう配置され、右第1カム16aと右第2カム16bは、気筒右側において互いに左右方向(カム軸方向)で隣接するよう配置されている。カムシャフト11は、一気筒当たりに左右第1カム15a,16a及び左右第2カム15b,16bの計四つのカムを有している。
ロッカーアーム13は、ロッカーアームシャフト14にその軸回り(ロッカー軸線C5中心、以下、軸C5回りということがある)に揺動可能かつ軸方向(ロッカー軸線C5に沿う方向、以下、軸C5方向ということがある)に移動可能に支持されている。ロッカーアーム13は、左右吸気バルブ6に渡るように左右方向で幅広に形成され、ロッカーアーム13のアーム部13b、カム摺接部13c及びバルブ押圧部13dは、それぞれ左右に離間して一対設けられている。アーム部13b、カム摺接部13c及びバルブ押圧部13dはそれぞれ、ロッカーアーム13に一体的に設けられている。
ロッカーアーム13は、エンジン1の運転停止時及び低速回転域での運転時に、図2に示す軸C5方向で「左方への移動限界位置」にあり、この状態において、ロッカーアーム13の左右カム摺接部13cは、それぞれ左右第1カム15a,16aの下方において、左右第1カム15a,16aの外周面(カム面)に摺接可能な位置に配置される。ロッカーアーム13の左右バルブ押圧部13dは、左右カム摺接部13cよりも左右方向(軸C5方向)で幅広に設けられ、ロッカーアーム13が「左方への移動限界位置」にある場合には、左右バルブ押圧部13dの右側部が左右吸気バルブ6のステム6b先端部を押圧可能な位置に配置される。
一方、ロッカーアーム13は、エンジン1の高速回転域での運転時には、図3に示す軸C5方向で「右方への移動限界位置」にあり、この状態において、ロッカーアーム13の左右カム摺接部13cは、それぞれ左右第2カム15b,16bの下方においてその外周面(カム面)に摺接可能な位置に配置される。ロッカーアーム13の左右バルブ押圧部13dは、ロッカーアーム13が「右方への移動限界位置」にある場合には、左右バルブ押圧部13dの左側部が左右吸気バルブ6のステム6b先端部を押圧可能な位置に配置される。以下では、上記「左方への移動限界位置」を「第1作動位置」と称し、上記「右方への移動限界位置」を「第2作動位置」と称す。
ロッカーアーム13が「第1作動位置」にある場合には、該ロッカーアーム13が左右第1カム15a,16aの外周パターンに応じて揺動して吸気バルブ6を開閉作動させる。ロッカーアーム13が「第2作動位置」にある場合には、該ロッカーアーム13が左右第2カム15b,16bの外周パターンに応じて揺動して吸気バルブ6を開閉作動させる。
動弁機構5は、エンジン回転数に応じて第1及び第2ロッカーアーム移動機構21,22にロッカーアーム13を軸C5方向に移動させる力を蓄え、該力によってロッカーアーム13を「第1作動位置」及び「第2作動位置」のいずれかに移動させることで、吸気バルブ6の開閉作動に左右第1カム15a,16a及び左右第2カム15b,16bのいずれかを選択的に用いることを可能とする。
第1ロッカーアーム移動機構21は、ロッカーアーム13のシャフト挿通ボス13aの左方に位置して該シャフト挿通ボス13aの左端部に「第2作動位置側(低速回転側)」から「第1作動位置側(高速回転側)」への力を付与する第1スプリング23を備えている。第2ロッカーアーム移動機構22は、ロッカーアーム13のシャフト挿通ボス13aの右方に位置して該シャフト挿通ボス13aの右端部に「第1作動位置側」から「第2作動位置側」への力を付与する第2スプリング24を備えている。
第1スプリング23及び第2スプリング24それぞれのロッカーアーム13に対しての外側端部は、ロッカーアームシャフト14に対して相対移動不能に固定されている。ロッカーアームシャフト14は、その軸C5方向で移動可能にシリンダヘッド2に支持され、アクチュエータ100の作動により軸方向で移動可能とされている。
ここで、図4にエンジン1の構成が模式的に示され、上記アクチュエータ100が示されている。アクチュエータ100は油圧アクチュエータであり、有底円筒状の油圧シリンダ101と、油圧シリンダ101内に同軸かつストローク可能に収容されるプランジャ102と、プランジャ102と結合するとともにロッカーアームシャフト14,18と結合する操作子103と、プランジャ102をストロークさせるための油圧を供給するスプールバルブ104とを備えている。
スプールバルブ104は、油圧を二つの連結油路105を介して油圧シリンダ101両側の各油室106a,106bに選択的に供給可能に構成されている。このスプールバルブ104を介して油圧シリンダ101両側の各油室106a,106bに選択的に供給することで、プランジャ102がストロークして各ロッカーアームシャフト14,18を同時に軸方向移動させる。これにより、第1及び第2ロッカーアーム移動機構21,22の何れかにロッカーアーム13を前記各作動位置の一方から他方へスライド移動させるだけの力を生じさせる。
スプールバルブ104は、エンジン1下部に設けられたオイルパン71内に貯留されたエンジンオイルを供給されて作動する。エンジン1にはオイルパン71のオイルを圧送するオイルポンプ72が配設され、オイルポンプ72からの油圧は、リリーフバルブ73及びオイルフィルタ74を介してオイルギャラリー75に供給される。
オイルギャラリー75は、クランクシャフトのほぼ真下において気筒配列方向(車幅方向)に沿って延び(すなわちクランクシャフトと平行に延び)、クランク軸受け等に適宜エンジンオイルを供給する。オイルポンプ72からオイルギャラリー75に至る油路には、油圧センサ76及び油温センサ77がそれぞれ配設され、該各センサ76,77からの検出信号がエンジン1全体の運転を制御するECU78に入力される。油圧センサ76の検出情報は、油圧供給装置の異常検知に用いられる。
オイルギャラリー75の右端部にはオイル供給孔75aが設けられ、該オイル供給孔75aから油圧アクチュエータ100のスプールバルブ104に向けてオイル通路79が延びる。スプールバルブ104はECU78により作動制御され、エンジン回転数(Ne)やギヤポジション等に応じて各バルブ6,7の開閉作動に用いるカムを切り替えるべく油圧経路を切り替える。なお、符号84はオイル通路79に設けたアキュムレータを、符号85はスプールバルブ104からの油圧戻し通路をそれぞれ示す。また、ECU78には、フェール検知用に気筒毎の吸気管内負圧(PB)の検出情報が入力される。
上記アクチュエータ100によってロッカーアームシャフト14が移動されることで、前記各ロッカーアーム移動機構21,22のいずれかにロッカーアーム13を移動させる力が蓄力される。この蓄力により、ロッカーアームシャフト14を軸C5方向に移動させることで、ロッカーアーム13は、軸C5方向において、上記「第1作動位置」から「第2作動位置」、又は、「第2作動位置」から「第1作動位置」へ移動する。
ロッカーアーム13を軸C5方向において移動させるときには、移動規制機構30(図1)の掛止レバー32を用いてロッカーアーム13の軸C5方向での移動を規制(制止)した状態で、ロッカーアームシャフト14をシリンダヘッド2に対して軸C5方向に移動させ、各スプリング23,24間に所定の弾性力差(各スプリング23,24のいずれかに蓄力した弾性力)を生じさせる。
図5、6も参照し、移動規制機構30は、シリンダヘッド2に、ロッカーアームシャフト14と平行な支持軸33を介してその軸回りに揺動可能かつ軸方向で移動不能に支持される掛止レバー32を有している。また、移動規制機構30は、掛止レバー32に形成された掛止爪34を選択的に係合させるべく、ロッカーアーム13のシャフト挿通ボス13aに形成された左右に並ぶ二つの係合溝35、36(図2、図3、紙面左側が36、紙面右側が35)と、ロッカーアーム13のシャフト挿通ボス13a及びロッカーアームシャフト14を、軸C5方向と直交する方向(軸C5直交方向)で上下に貫通する二本のトリガーピン37とで構成されるトリガー機構31を有している。
掛止レバー32は、比較的板厚の薄い板状部材から形成され、掛止レバー32の支持軸33は、ロッカーアームシャフト14の上方かつシリンダ外側(シリンダ軸線C1から離間する側)にオフセットして設けられている。掛止レバー32は、支持軸33を挿通する円筒状の基部32aからロッカーアームシャフト14側に掛止爪34を延出してなる。なお、図2、図3では図示都合上、支持軸33を省略している。
掛止レバー32は、ロッカーアーム13が各作動位置のいずれかにあるときには、掛止爪34を係合溝35、36のうちのいずれかに係合させ、ロッカーアーム13の軸C5方向でのスライド移動を不能とする。一方、掛止レバー32は、ロッカーアーム13と反対側(離反する側)に揺動して、掛止爪34の係合溝35、36のうちのいずれかとの係合を解除することで、ロッカーアーム13の軸C5方向でのスライド移動が可能となる。ここで、掛止レバー32は、掛止爪34を係合溝35、36に係合させる方向に常時付勢する付勢手段(図正せず)を有している。
トリガー機構31においては、ロッカーアームシャフト14に、軸C5方向で長尺状に形成されたスリット孔38が形成されている。このスリット孔38にトリガーピン37が上方から挿通されて軸C5方向で摺動可能に支持されている。スリット孔38の軸C5方向での略中央領域には、スリット孔38の端面から***し、台形状を呈する段差部39が形成され、段差部39は、左右傾斜面39A、39Bと、左右傾斜面39A、39Bの間に位置する上側平坦面39Cと、を有する。スリット孔38において段差部39の左右には、上側平坦面39Cに対して、段落ちした左方に位置する左下側平坦面38A、及び、右方に位置する右下側平坦面38Bが形成される。
トリガーピン37は、スリット孔38に挿通される軸部37Aと、軸部37Aよりも幅広に形成され、スリット孔38の端面に掛止される頭部37Bとを有している。ロッカーアーム13のシャフト挿通ボス13aに形成された係合溝35、36は、シャフト挿通ボス13aの内面に開口し、係合溝35、36はそれぞれ、トリガーピン37の頭部37Bを上下方向に摺動可能に係合させている。
トリガーピン37は、ロッカーアーム13が前記各作動位置のいずれかにある状態から、移動規制機構30によりロッカーアーム13の軸C5方向での移動を規制した状態で、アクチュエータ100の作動によりロッカーアームシャフト14が軸C5方向で移動した際に、スリット孔38の端面に形成された段差部39の左右傾斜面39A、39Bのいずれかによって、軸C5直交方向で上方に向けて所定量移動する。これにより、トリガーピン37がロッカーアームシャフト14のスライドに応じて、係合溝35、36内で上下方向に進退動する。なお、トリガーピン37の頭部37Bの左右下部は、段差部39の左右傾斜面39A、39Bの傾斜に合わせるように面取りされている。
ロッカーアーム13が「第1作動位置」にある状態では、係合溝35に、掛止レバー32の掛止爪34が上方から入り込むように係合し、ロッカーアーム13が「第2作動位置」にある状態では、係合溝36に、掛止レバー32の掛止爪34が上方から入り込むように係合する。このいずれかの状態において、ロッカーアームシャフト14が左方又は右方に移動し、トリガーピン37が上昇することで、掛止レバー32は、係合溝35又は36ひいてはロッカーアーム13との係合を解除する側に所定量揺動される。
ここで、掛止レバー32は、トリガーピン37が上昇することで、掛止爪34を係合溝35又は36において低位に係合させロッカーアーム13を掛止する「第1掛止位置」から、掛止爪34を係合溝35又は36において高位に係合させロッカーアーム13を掛止する「第2掛止位置」へと遷移可能に構成されている。
「第1掛止位置」は、図2〜図4に示すように、トリガーピン37の頭部37Bがスリット孔38の左下側平坦面38A又は右下側平坦面38Bに当接した状態で、掛止爪34が係合溝35又は36に係合されつつ、トリガーピン37の頭部37Bに当接される位置をいう。また、「第2掛止位置」は、図5又は後述図7に示すように、トリガーピン37の頭部37Bが段差部39の上側平坦面39Cに乗り上がった状態で、掛止爪34が係合溝35又は36に係合されつつ、トリガーピン37の頭部37Bに当接される位置をいう。
掛止レバー32は、掛止爪34が係合溝35又は36に対して浅く係合される「第2掛止位置」とされた状態において、カムシャフト11に設けられたタイミングカム40によって、さらに、ロッカーアーム13と反対側(離反する側)に揺動されることで、ロッカーアーム13への係合を解除される。
段差部39には、トリガーピン37の頭部37Bが段差部39の上側平坦面39Cに乗り上がった状態で、掛止爪34が係合溝35又は36に対して浅く係合されるように、高さ寸法が設定されている。
タイミングカム40は、図2、図3に示すようにカムシャフト11において左第1カム15aと左第2カム15bとでなる左側カムロブ組41と、右第1カム16aと右第2カム16bとでなる右側カムロブ組42との間に形成されている。タイミングカム40のカム山40Aは、左右第1カム15a、15b及び左右第2カム16a、16bのカム山と同一方向に指向している。タイミングカム40と左右第1カム15a、15b及び左右第2カム16a、16bの各カム山は、カムシャフト11の中心軸(C3)に対して配置角を揃えられている。
一方、掛止レバー32には、タイミングカム40に揺動可能に当接するカム当接部44が一体に形成されている。図4、図5に示すように、このカム当接部44は、掛止レバー32において基部32aから延出し、掛止爪34の延出方向に対して鋭角をなすように形成されている。カム当接部44は、掛止レバー32が前記「第1掛止位置(低位)」に位置する状態では、図4に示すようにタイミングカム40のカム山40A頂部の回転軌跡T外に位置し、図5に示すように掛止レバー32が前記「第2掛止位置(高位)」に位置する状態では、回転軌跡T内に位置する。
すなわち、この動弁機構5では、掛止レバー32が「第2掛止位置」とされた状態において、カム当接部44をタイミングカム40のカム山40A頂部の回転軌跡T内に突入させ、掛止レバー32を「第2掛止位置」とした状態で、カムシャフト11に設けられたタイミングカム40によって、さらに、ロッカーアーム13と反対側(離反する側)に揺動させる。これにより、掛止レバー32とロッカーアーム13との係合を解除することで、ロッカーアーム13の上記「第1作動位置」から「第2作動位置」、又は、「第2作動位置」から「第1作動位置」への移動を許容する。ここで、タイミングカム40のカム山40Aの傾斜面のうち、掛止レバー32(カム当接部44)と当接する斜面は、凹ませた湾曲面40Bにて形成されている。すなわち、タイミングカム40は、カム山40Aにおいて、掛止レバー32と当接する側に、凹状に湾曲した湾曲面40Bを有している。
また、図5、6に示すように掛止レバー32には、掛止爪34の延出方向と異なる方向に向けて基部32aからロッカーアームシャフト14側に延出するストッパ爪50が形成されている。このストッパ爪50は、ロッカーアーム13において係合溝35の外側(右側)に形成されたストッパ壁51(図3,図4参照)に当接することで、ロッカーアーム13のロッカーアームシャフト14軸方向での移動を制限し、ロッカーアーム13において係合溝36の外側(左側)に形成されたストッパ壁52(図3,図4参照)に当接することで、ロッカーアーム13のロッカーアームシャフト14軸方向移動での移動を制限する。
つまり、掛止レバー32に対してロッカーアーム13が相対移動し、掛止レバー32が一方の係合溝(35又は36)から他方の係合溝に一致する位置に移動した際、掛止レバー32のストッパ爪50がロッカーアーム13のストッパ壁(51又は52)に当接することで、相対移動が規制されてロッカーアーム13が停止する。このように、掛止レバー32のストッパ爪50とロッカーアーム13のストッパ壁51,52とでストッパ機能を持たせることにより、簡単な構造にてロッカーアーム13の所定範囲を超えた移動を停止させることができる。
ロッカーアーム13の移動の様子の一例として、ロッカーアーム13の「第2作動位置」から「第1作動位置」への移動、つまり、高速回転域用の左右第2カム15b,16bから、低速回転域用の左右第1カム15a,16aに切替える際の動作について、図6〜図14を参照し説明する。
図7にはロッカーアーム13が「第2作動位置」にある状態が示されている。この状態から「第1作動位置」に移動させるべく第1、第2ロッカーアーム移動機構21,22に所定の力を蓄える際には、まず、カムシャフト11の回転駆動によりロッカーアーム13が継続的に揺動する状態において、図8の矢印Aに示すようにロッカーアームシャフト14をアクチュエータ100によって左方へ所定量移動させる。
ロッカーアームシャフト14を左方へ所定量移動させると、係合溝36に係合されているトリガーピン37が段差部39に乗り上がり、該トリガーピン37が軸C5直交方向へ移動し、トリガーピン37の頭部37Bが「第1掛止状態」にある掛止レバー32の掛止爪34を上方へ押し上げ、掛止レバー32が「第2掛止状態」となる。この状態では、掛止レバー32のカム当接部44が図6に示したようにタイミングカム40のカム山40Aの回転軌跡T内に位置する。
このようにカム当接部44がタイミングカム40のカム山40Aの回転軌跡T内に位置した状態で、カムシャフト11の回転駆動が進むと、図12に示すようにカム山40Aがカム当接部44に当接し、図13に示すように、掛止レバー32の掛止爪34が矢印C方向に揺動し、掛止爪34は係合溝36との係合を解除される。このように掛止爪34と係合溝36との係合が解除されると、図9に示すように、第1、第2ロッカーアーム移動機構21,22の蓄力によってロッカーアーム13が矢印B方向(左方)への移動を開始する。
ロッカーアーム13が矢印B方向への移動を開始し、所定量左方に移動すると、ロッカーアーム13において右側に位置する係合溝35に係合されているトリガーピン37がロッカーアーム13の移動に伴い、ロッカーアームシャフト14の軸方向左方に移動し、図10に示すように段差部39に乗り上る。このタイミングで、ストッパ爪50がストッパ壁51に当接しロッカーアーム13を停止させるとともに、同図に示すように掛止レバー32の掛止爪34は、係合溝35に「第2掛止状態」で掛止される。この状態で、ロッカーアーム13がロッカーアームシャフト14に対する移動を制止される。
その後、図11に示すように、ロッカーアームシャフト14を矢印D方向(左方)に所定量だけ移動させると、図14に示すように掛止レバー32の掛止爪34が係合溝35に落ち込み、「第1掛止状態」で掛止される。これにより、ロッカーアーム13が「第1作動位置」において制止され、低速回転域用の左右第1カム15a,16aによって揺動される状態となる。
なお、ロッカーアーム13を「第1作動位置」から「第2作動位置」への移動、つまり、低速回転域用の左右第1カム15a,16aから、高速回転域用の左右第2カム15b,16bに切替える際には、図11に示す状態から、ロッカーアームシャフト14を右方向に所定量移動させ、上述と同様の動作をトリガーピン37、掛止レバー32にさせる。この場合は、係合溝35に係合されているトリガーピン37が軸C5直交方向へ移動し、掛止レバー32が係合を解除され、ロッカーアーム13が右方に移動する。
以上に記載した本実施形態に係る動弁機構5は、ロッカーアーム13を、付勢力によってロッカーアームシャフト14の軸方向に移動させる第1、第2ロッカーアーム移動機構21,22と、カムシャフト11に設けられ一体に回転するタイミングカム40のカム山40Aに揺動可能に当接するカム当接部44を有し、第1、第2ロッカーアーム移動機構21,22の付勢力に抗ってロッカーアーム13を掛止して移動不能に保持し、カム当接部44でタイミングカム40からの駆動力を受けてロッカーアーム13との掛止状態を解除し、ロッカーアーム13の移動を許容する、揺動自在に支持された掛止レバー32と、掛止レバー32とロッカーアーム13との掛止状態を、複数段階に異ならせるトリガーピン37を有し、ロッカーアームシャフト14の軸方向への移動に連動して、トリガーピン37により掛止レバー32を、第1掛止位置から、該第1掛止位置と異なる第2掛止位置へと変位させるトリガー機構31と、を有し、掛止レバー32を第2掛止位置に変位させた状態で、タイミングカム40からの駆動力をカム当接部44で受けて、掛止レバー32を揺動させる。より詳しくは、掛止レバー32を第1掛止位置に位置させる状態で、カム当接部44をタイミングカム40のカム山40Aの回転軌跡T外に位置させ、掛止レバー32を第2掛止位置に位置させた状態で、カム当接部44をタイミングカム40のカム山40Aの回転軌跡T内に位置させ、タイミングカム40からの駆動力をカム当接部44で受け、掛止レバー32を揺動させ、ロッカーアーム13の移動を許容する。
したがって、この動弁機構5では、ロッカーアーム13と掛止状態にある掛止レバー32をトリガーピン37によって複数段階(第1掛止状態、第2掛止状態)に異ならせて変位させるトリガー機構31により、タイミングカム40の駆動力をカム当接部44で受けて掛止レバー32に伝達するタイミングを、カムロブ11A(左第1、第2カム15a,15b、又は、右第1、第2カム16a,16b)の選択切替えタイミングのみ(ロッカーアームシャフト14を軸方向へ移動させるタイミングのみ)とすることが可能となる。よって、カム当接部44とタイミングカム40の当接状態の期間を減少させて、これらの摩耗量を減らせるので、高い耐摩耗性を要求されない解除機構を実現できる。
また、この動弁機構5では、ロッカーアームシャフト14に、スリット孔38が形成され、このスリット孔38にトリガーピン37がロッカーアームシャフト14の軸C5方向に摺動可能に支持され、ロッカーアームシャフト14とロッカーアーム13が相対移動した場合に、トリガーピン37がロッカーアームシャフト14の軸方向に直交する方向に進退動するように、スリット孔38の端面に段差部39が設けられている。
これによれば、ロッカーアームシャフト14を軸C5方向に移動させることで、トリガーピン37がロッカーアームシャフト14の軸C5方向に直交する方向に進退動するように作動を変換できるので、ロッカーアームシャフト14とは別の駆動部材を設ける必要なく、トリガーピン37を変位させることができ、部品点数削減とともに構造の簡素化を図れる。
また、複数の左第1、第2カム15a,15b、又は、右第1、第2カム16a,16bに対応して、トリガーピン37が複数設けられ、掛止レバー32に対してトリガーピン37が相対移動する毎に、掛止レバー32が、複数の左第1、第2カム15a,15b、又は、右第1、第2カム16a,16bに対応したそれぞれのトリガーピン37にて変位される。
これによれば、単一のトリガーピンの場合、軸方向に移動しない掛止レバーに合わせてトリガーピンを保持しつつ、ロッカーアームをロッカーアーム軸と相対移動させる必要があるが、トリガーピン37を複数の左第1、第2カム15a,15b、又は、右第1、第2カム16a,16b毎にそれぞれ設けることで、各トリガーピン37をロッカーアーム13に保持させるとともに、軸方向に移動させることができるので、機構が複雑とならない。また、タイミングカム40は、カム山40Aにおいて、掛止レバー32と当接する側に、凹状に湾曲した湾曲面40Bを有している。これによれば、タイミングカム40との接触面をなだらかにして、掛止レバー32との衝撃を緩和して衝突音を低減できる。
また、カムシャフト11には、プロファイルの異なる複数の左第1、第2カム15a,15bからなる左側カムロブ組41、及び、右第1、第2カム16a,16bからなる右側カムロブ組42が複数対設けられ、ロッカーアーム13は、複数対の各カムロブ組41,42に対応し、複数のアーム部13bを一体化され、タイミングカム40は、カムシャフト11において隣り合う対のカムロブ組41,42間に設けられている。
これによれば、ロッカーアーム13における各カムロブ組41,42に対応する各アーム部13bが掛止レバー32を超えて移動しないようにすることができ、掛止レバー32とロッカーアーム13のアーム部13bとの干渉を防止して、各カムロブ組41,42間の切り替えを確実に行える。
また、この動弁機構5では、カムシャフト11の中心軸に対して、タイミングカム40、左第1、第2カム15a,15b、及び、右第1、第2カム16a,16bの各カム山の配置角が揃えられているが、これによれば、カム加工時に同一方向から加工が行え、加工時間の短縮を図れて加工コストを低減できる。また、カム当接部44の延出方向が、掛止レバー32におけるロッカーアーム13との掛止爪34の延出方向に対して鋭角となるように、カム当接部44が形成されているが、これによれば、これらの強度を相互に高かめることができる。また、掛止レバー32が板状部材からなる。これによれば、構造が簡素化され、型成形も可能となり、機械加工を削減することが可能となるうえ、コスト低減を図れる。
なお、上記実施形態では、左右第1カム15a,16aを、左右第2カム15b,16bと比べて吸気バルブ6のリフト量を小さくした低回転用カム(低速カム)とする態様を説明したが、これを吸気バルブ6のリフト量を0とした休止カム(停止カム)としてもよい。
5 動弁機構(可変動弁機構)
6 吸気バルブ
7 排気バルブ
11 吸気側カムシャフト(カムシャフト)
11A カムロブ
12 排気側カムシャフト(カムシャフト)
12A カムロブ
13 吸気側ロッカーアーム(ロッカーアーム)
13b アーム部(揺動腕)
14 吸気側ロッカーアームシャフト(ロッカーアーム軸)
15a 左第1カム(カムロブ)
15b 左第2カム(カムロブ)
16a 右第1カム(カムロブ)
16b 右第2カム(カムロブ)
17 排気側ロッカーアーム(ロッカーアーム)
18 排気側ロッカーアームシャフト(ロッカーアーム軸)
21 第1ロッカーアーム移動機構(蓄圧機構)
22 第2ロッカーアーム移動機構(蓄圧機構)
31 トリガー機構
32 掛止レバー
34 掛止爪(掛止部位)
37 トリガーピン
38 スリット孔
39 段差部
40 タイミングカム
40A カム山(頂部)
41 左側カムロブ組(カムロブ組)
42 右側カムロブ組(カムロブ組)
T 回転軌跡

Claims (9)

  1. ロッカーアーム(13)をカムシャフト(11)の軸方向に移動させ、前記カムシャフト(11)に設けられたプロファイルの異なる複数のカムロブ(15a,15b)に、前記ロッカーアーム(13)を選択的に当接させることで、吸気バルブ(6)又は排気バルブ(7)を駆動させる内燃機関の可変動弁機構において、
    前記ロッカーアーム(13)を、付勢力によって前記ロッカーアーム(13)を支持するロッカーアーム軸(14)の軸方向に移動させる蓄圧機構(21,22)と、
    前記カムシャフト(11)に設けられ一体に回転するタイミングカム(40)の頂部(40A)に揺動可能に当接するカム当接部(44)を有し、前記蓄圧機構(21,22)の付勢力に抗って前記ロッカーアーム(13)を掛止して移動不能に保持し、前記カム当接部(44)で前記タイミングカム(40)からの駆動力を受けて前記ロッカーアーム(13)との掛止状態を解除し前記ロッカーアーム(13)の移動を許容する、揺動自在に支持された掛止レバー(32)と、
    前記掛止レバー(32)と前記ロッカーアーム(13)との掛止状態を、複数段階に異ならせるトリガーピン(37)を有し、前記ロッカーアーム軸(14)の軸方向への移動に連動して、前記トリガーピン(37)により前記掛止レバー(32)を、第1掛止位置から、該第1掛止位置と異なる第2掛止位置へと変位させるトリガー機構(31)と、を有し、
    前記掛止レバー(32)を前記第2掛止位置に変位させた状態で、前記タイミングカム(40)からの駆動力を前記カム当接部(44)で受けて、前記掛止レバー(32)を揺動させることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  2. 前記掛止レバー(32)が前記第1掛止位置に位置する状態では、前記カム当接部(44)が前記タイミングカム(40)の頂部(40A)の回転軌跡(T)外に位置し、
    前記掛止レバー(32)が前記第2掛止位置に位置する状態では、前記カム当接部(44)が前記タイミングカム(40)の頂部(40A)の回転軌跡(T)内に位置すること特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構。
  3. 前記ロッカーアーム軸(14)に、スリット孔(38)が形成され、
    前記スリット孔(38)に、前記トリガーピン(37)が前記ロッカーアーム軸(14)の軸方向に摺動可能に支持され、
    前記ロッカーアーム軸(14)と前記ロッカーアーム(13)が相対移動した場合に、前記トリガーピン(37)が前記ロッカーアーム軸(14)の軸方向に直交する方向に進退動するように、前記スリット孔(38)の端面に段差部(39)が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の可変動弁機構。
  4. 複数の前記カムロブ(15a,15b)に対応して、前記トリガーピン(37)が複数設けられ、
    前記掛止レバー(32)は、前記掛止レバー(32)に対して前記トリガーピン(37)が相対移動する毎に、複数の前記カムロブ(15a,15b)に対応したそれぞれのトリガーピン(37)にて変位されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁機構。
  5. 前記タイミングカム(40)は、カム山(40A)において、前記掛止レバー(32)と当接する側に、凹状に湾曲した湾曲面(40B)を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁機構。
  6. 前記カムシャフト(11)に、前記プロファイルの異なる複数のカムロブ(15a,15b,16a,16b)からなるカムロブ組(41,42)が複数対設けられ、
    前記ロッカーアーム(13)は、複数対の前記カムロブ組(41,42)に対応し、複数の揺動腕(13b)を一体化され、
    前記タイミングカム(40)は、前記カムシャフト(11)において隣り合う対の前記カムロブ組(41,42)間に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁機構。
  7. 前記カムシャフト(11)の中心軸に対して、前記タイミングカム(40)と前記カムロブ(15a,15b)の各カム山の配置角が揃えられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁機構。
  8. 前記カム当接部(44)の延出方向が、前記掛止レバー(32)における前記ロッカーアーム(13)との掛止部位(34)の延出方向に対して鋭角となるように、前記カム当接部(44)が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁機構。
  9. 前記掛止レバー(32)が板状部材からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の内燃機関の可変動弁機構。
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