JP2011052546A - 可変動弁機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロッカーアームをロッカーアームシャフトのシャフト軸方向にスライド移動させて機関弁の作動を切り替える可変動弁機構において、ロッカーアームをシャフト軸方向で移動不能とするストッパ機構を備えた上でロッカーアームの軽量化を図ると共に、ロッカーアームを所定タイミングで確実かつスムーズに移動可能とする。
【解決手段】ストッパ機構30が、ロッカーアーム13及びロッカーアームシャフト14を互いに係合させるストッパボール46と、該ストッパボール46を前記係合させる側に付勢するプランジャ31とを有し、ストッパボール46は、ロッカーアームシャフト14の保持孔39に保持され、プランジャ31は、シリンダヘッド2の溝部41に保持される。
【選択図】図3

Description

この発明は、内燃機関の可変動弁機構に関する。
従来、内燃機関の吸気又は排気側の一機関弁と、該一機関弁に対する第一及び第二カムとの間にロッカーアームが配置され、該ロッカーアームを揺動自在に支持するロッカーアームシャフトの動きに応じて、前記ロッカーアームをロッカーアームシャフトのシャフト軸方向にスライド移動させることで、該ロッカーアームを前記各カムの何れか一方に択一的に係合させて前記機関弁の作動を切り換える可変動弁機構がある(例えば、特許文献1参照。)。これは、カムシャフトの回転タイミングに合わせてロッカーアームをシャフト軸方向でスライド移動させるべく、該ロッカーアームにこれを移動不能状態に維持するストッパ機構を備える。前記ストッパ機構は、前記ロッカーアーム及びロッカーアームシャフト間に配されてこれらを互いに係合させるボールと、該ボールを前記係合させる側に付勢するプランジャとを有してなる。
実公昭62−21683号公報
ところで、前記ロッカーアームは高速で揺動するため、マスの低減を図ってより軽量化することが望ましいが、上記従来の構造では、前記ストッパ機構がロッカーアームに備えており、ロッカーアームの重量を増加させてしまうため、このような点の改善が要望されている。
そこでこの発明は、ロッカーアームをロッカーアームシャフトのシャフト軸方向にスライド移動させて機関弁の作動を切り替える可変動弁機構において、ロッカーアームをシャフト軸方向で移動不能とするストッパ機構を備えた上でロッカーアームの軽量化を図ると共に、ロッカーアームを所定タイミングで確実かつスムーズに移動可能とすることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、内燃機関(例えば実施例のエンジン1)の吸気又は排気側の一機関弁(例えば実施例の吸排気バルブ6,7)と、該機関弁に対する第一及び第二カム(例えば実施例の左右第一カム15a,16a及び左右第二カム15b,16b)との間にロッカーアーム(例えば実施例の各ロッカーアーム13,17)が配置され、該ロッカーアームを揺動自在に支持するロッカーアームシャフト(例えば実施例の各ロッカーアームシャフト14,18)の動きに応じて、前記ロッカーアームをロッカーアームシャフトのシャフト軸方向にスライド移動させることで、該ロッカーアームを前記各カムの何れか一方に択一的に係合させて前記機関弁の作動を切り換える可変動弁機構(例えば実施例の可変動弁機構5)であって、前記ロッカーアームをロッカーアームシャフト上で位置決めするためのストッパ機構(例えば実施例のストッパ機構30)が、前記ロッカーアーム及びロッカーアームシャフト間に配されてこれらを互いに係合させるボール(例えば実施例のストッパボール46)と、該ボールを前記係合させる側に付勢するプランジャ(例えば実施例のプランジャ31)とを有してなる可変動弁機構において、前記ボールが、前記ロッカーアームシャフトの外周側へ移動可能となるように、該ロッカーアームシャフトの外周部に設けられた保持部(例えば実施例の保持孔39)に保持され、前記プランジャが、その一端部(例えば実施例の先端部32a)を前記ロッカーアームシャフトに形成された係合溝(例えば実施例の係合溝35)に挿通すると共に、他端部(例えば実施例の基端部33a)をシリンダヘッドに設けた溝部(例えば実施例の溝部41)に保持させ、前記各カムの切り替えがなされる場合には、前記プランジャに付勢されたボールを介して、前記ロッカーアームとロッカーアームシャフトとを一体化して共に揺動させる一方、前記各カムの切り替えがなされない場合には、前記ボールがプランジャに付勢されることなく、前記ロッカーアームとロッカーアームシャフトとの一体化が解かれてロッカーアームのみを揺動させることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記溝部は、前記ロッカーアームシャフトの軸方向に沿う横溝(例えば実施例のスライド用溝42)と、該横軸の両端からこれと直交するように延びる一対の縦溝(例えば実施例の規制用溝43)とからなり、前記係合溝が、前記プランジャの一端部を、前記ロッカーアームシャフトと一体揺動可能に挿通し、前記ロッカーアームが、前記プランジャの中間部(例えば実施例の先端部33b)を、前記シャフト軸方向で相対移動不能に挿通することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記プランジャは、その一端側を構成するプランジャ本体(例えば実施例のプランジャ本体32)と、他端側を構成して前記プランジャ本体の基端側を挿通するシリンダ体(例えば実施例のシリンダ体33)と、該シリンダ体内に収容されてシリンダ体及びプランジャ本体を互いに離間させる側に付勢する付勢部材(例えば実施例の付勢部材34)とからなり、前記シリンダ体の基端部(例えば実施例の基端部33a)が前記溝部の内面を押圧すると共に、前記プランジャ本体の先端部(例えば実施例の先端部32a)が前記ボールを前記係合させる側に付勢するものであり、前記溝部は、前記横溝に対して各縦溝が浅く形成されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記シリンダ体は、その先端部(例えば実施例の先端部33b)を前記ロッカーアームに挿通すると共に、基端部(例えば実施例の基端部33a)を前記シリンダヘッドの溝部に保持させることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記シリンダ体が有底筒状に形成され、該シリンダ体の基端部である底部(例えば実施例の基端部33a)が前記溝部に保持されると共に、該底部の厚さ(例えば実施例の厚さT)が溝部の深さ(例えば実施例の深さD1,D2)と略同一とされることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記各縦溝には、前記各カムの切り替えがなされない通常運転時に前記プランジャが移動することを規制するプランジャ用ストッパ(例えば実施例のプランジャ用ストッパ50,60)が設けられることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、前記ロッカーアームシャフトの係合溝が前記プランジャの外径とほぼ同一幅に形成され、この係合溝には前記プランジャが複数配置されると共に、該各プランジャに対応する複数の溝部が前記シリンダヘッドに設けられ、前記プランジャ用ストッパは、各溝部それぞれの一対の縦溝の内、一溝部では一側の縦溝にて、他溝部では他側の縦溝にて、それぞれ前記プランジャが移動することを規制することを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、前記シリンダヘッドに別部材からなるホルダ(例えば実施例のホルダ40)を設け、該ホルダに前記溝部が形成されることを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、前記ロッカーアームシャフトの保持部が、ロッカーアームシャフトの外周側に広がるすり鉢状の内周面を有する貫通孔とされ、この保持部内に前記ボールが嵌め込まれると共に、このボールが嵌め込まれた状態のロッカーアームシャフトを前記ロッカーアームに挿通することにより、前記保持部内にボールを脱落不能に保持する一方、前記保持部は前記係合溝内に開口し、前記各カムの切り替えがなされるときには、前記ロッカーアームシャフトがシャフト軸方向に移動して前記保持部及びボールをシャフト軸方向で前記プランジャと同位置に移動させ、該保持部内のボールをプランジャにより係合溝の内側からロッカーアームシャフトの外周側に向けて付勢することで、前記ボールを介してロッカーアームとロッカーアームシャフトとを係合させることを特徴とする。
請求項10に記載した発明は、前記ロッカーアームには、前記各カムの切り替えがなされるときに前記ロッカーアームシャフトがシャフト軸方向に移動した際に、前記保持部及びボールと対向して前記プランジャにより付勢されたストッパボールを係合させるボール係合部(例えば実施例の貫通孔47,48)が設けられることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、前記各カムの切り替えがなされない通常運転時には、ロッカーアームのみを揺動させて可変動弁機構の慣性マスを低減する一方、前記各カムの切り替えがなされるバルブ切り替え時には、前記ボールを介してロッカーアームとロッカーアームシャフトとを一体揺動させることで、前記プランジャの他端部をシリンダヘッドの溝部内で移動させてロッカーアームの前記シャフト軸方向での移動規制やその解除を行うことが可能となる。
そして、プランジャをロッカーアームシャフトに挿通すると共にシリンダヘッドにて保持するようにしたので、揺動するロッカーアームにプランジャが含まれなくなり、ロッカーアームの軽量化を図ることができる。
請求項2に記載した発明によれば、各カムの切り替えがなされない通常運転時には、プランジャの他端部を各縦溝の一方に保持することで、該プランジャを介してロッカーアームのシャフト軸方向での移動を規制する一方、各カムの切り替えがなされるバルブ切り替え時には、ロッカーアーム、ロッカーアームシャフト及びプランジャを一体揺動させることで、プランジャの他端部を横溝側に移動させ、ロッカーアームのシャフト軸方向での移動を可能にできる(前記移動規制を解除できる)。
また、ロッカーアームと共にプランジャをスライド移動させることで、ロッカーアームのスライド位置の規制部品としてもプランジャを利用することができ、ロッカーアームのスライド位置規制の専用部品を不要にして部品点数の削減を図ることができる。
請求項3に記載した発明によれば、各カムの切り替えがなされるバルブ切り替え時に、プランジャの他端部が横溝側に移動すると、プランジャが伸長してボールに対する付勢力が弱まり、該ボールを介したロッカーアーム及びロッカーアームシャフトの係合力が弱まる。その結果、各カムの切り替え時に簡単かつ素早くロッカーアームをスライド移動させることができ、各カムの切り替え動作をスムーズに行うことができる。
請求項4に記載した発明によれば、プランジャを構成するシリンダ体をロッカーアームとシリンダヘッドとに渡って配置することにより、一体のプランジャをロッカーアームとシリンダヘッドとに渡って配置する場合に比べて、ボールへの付勢動作に影響を与えることがなく、各カムの切り替え作動をスムーズに行うことができる。
請求項5に記載した発明によれば、シリンダ体における溝部と係合する側の他端部を補強して剛性を高め、ロッカーアームのスライド移動の規制を確実に行うことができる。
請求項6に記載した発明によれば、前記通常運転時にロッカーアームのみが揺動する際、これに連れ回ってロッカーアームシャフト及びプランジャが揺動することを抑制し、前記通常運転時にプランジャの他端部が横溝側に入り込んでしまうことを防止して、ロッカーアームのストッパ機構が外れてしまう虞を無くすことができる。
請求項7に記載した発明によれば、ロッカーアームシャフトの係合溝をプランジャの外径とほぼ同一幅にしたので、これに複数のプランジャを配置した場合にも、一プランジャの移動のみを規制することで、前記通常運転時にロッカーアームに連れ回ってロッカーアームシャフト及び各プランジャが揺動することを防止できる。また、各溝部それぞれの一対の縦溝の内の相反する側の縦溝のみにてプランジャの移動を規制することで、プランジャ用ストッパの部品点数削減及び小型化を図ることができる。
請求項8に記載した発明によれば、前記溝部を形成する際、比較的大型のシリンダヘッド本体に溝部を直接形成する場合と比べて、比較的小型のホルダに溝部を形成することで、精度を要する溝部の加工を容易に行うことができる。
請求項9に記載した発明によれば、特別な部品や機構を構成することなく、ボールをロッカーアームシャフトとロッカーアームとの間に保持し、かつシャフト軸方向の所定位置ではプランジャによりボールに付勢力を与えることで、ロッカーアームとロッカーアームシャフトとを係合させてこれらを一体揺動させることができる。
請求項10に記載した発明によれば、ロッカーアームシャフトがスライド移動した際に、シャフト軸方向の所定位置でボールがロッカーアームのボール係合部に嵌まり込んで係合することにより、ロッカーアームとロッカーアームシャフトとが一体化されるので、特別な部品や機構を用いることなく、簡単な構成によりロッカーアームとロッカーアームシャフトとを一体揺動させることができる。
この発明の実施例におけるエンジンのシリンダヘッド周りの左側面図である。 上記エンジンの動弁機構の平面図であり、(a)はエンジンの低速回転域での運転時を、(b)はエンジンの高速回転域での運転時をそれぞれ示す。 上記動弁機構のロッカーアーム周りの一部断面を含む左側面図である。 上記動弁機構のロッカーアームシャフトの軸線に沿う断面図であり、(a)はエンジンの低速回転域での運転時を、(b)はエンジンの高速回転域での運転時をそれぞれ示す。 上記ロッカーアームの動き規制するストッパ機構のプランジャを係合させる溝部の平面図であり、(a)はエンジンの低速回転域での運転時を、(b)はエンジンの高速回転域での運転時をそれぞれ示す。 上記ロッカーアームに対してロッカーアームシャフトが軸方向移動した状態の図4に相当する断面図である。 図6に示す状態における図3に相当する左側面図である。 図7に示す状態からロッカーアームが揺動した際の左側面図である。 カム切り替え時における上記プランジャの動きを(a)〜(c)の順に示す図5に相当する平面図である。 エンジンの通常運転時におけるプランジャ用ストッパの平面図である。 図10に示すプランジャ用ストッパの動きを(a)〜(c)の順に示す平面図である。 上記プランジャ用ストッパの変形例を示す平面図である。 図12に示すプランジャ用ストッパの動きを(a)〜(c)の順に示す平面図である。
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、説明都合上、図中矢印FRは前方を、矢印LHは左方を、矢印UPは上方をそれぞれ示すものとする。
図1は、例えば自動二輪車等の車両の原動機に用いられる四ストロークDOHC並列四気筒エンジン1のシリンダヘッド2の左側面図である。シリンダヘッド2上にはヘッドカバー3が取り付けられ、これらが形成する動弁室4内には、吸排気バルブ6,7駆動用の動弁機構5が収容される。なお、図中符号C1はシリンダヘッド2下(基端側)に連なるシリンダ本体2a内のシリンダボアの中心軸線(シリンダ軸線)を示す。
シリンダヘッド2の前後には、各気筒に対応する吸排気ポート8,9が形成される。これら各吸排気ポート8,9はそれぞれ一対の燃焼室側開口を形成し、該各燃料室側開口がそれぞれ一対の吸排気バルブ6,7により開閉される。すなわち、エンジン1は四バルブ式であり、気筒毎にそれぞれ左右一対の吸排気バルブ6,7を有する。
吸排気バルブ6,7は、それぞれ前記燃焼室側開口に整合する傘状の弁体6a,7aから棒状のステム6b,7bを動弁室4側に延出してなる。吸排気バルブ6,7のステム6b,7bは、それぞれバルブガイド6c,7cを介してシリンダヘッド2に往復動可能に保持される。各ステム6b,7bの動弁室4側の先端部にはそれぞれリテーナ6d,7dが取り付けられ、該各リテーナ6d,7dとシリンダヘッド2との間にそれぞれバルブスプリング6e,7eが縮設される。
これら各バルブスプリング6e,7eのバネ力により、吸排気バルブ6,7が上方に付勢されてその弁体6a,7aが前記燃焼室側開口を閉塞する。一方、前記バルブスプリング6e,7eの付勢力に抗して吸排気バルブ6,7を下方にストロークさせることで、該吸排気バルブ6,7の弁体6a,7aが燃焼室側開口から離間してこれを開放する。
吸排気バルブ6,7のステム6b,7bは、側面視V字状をなすようにシリンダ軸線C1に対して傾斜して設けられる。各ステム6b,7bの上方には、左右方向に沿う吸気側カムシャフト11及び排気側カムシャフト12がそれぞれ配設される。各カムシャフト11,12は、その軸回りに回転可能となるようにシリンダヘッド2に支持され、エンジン1の運転時には例えばチェーン式伝動機構を介してクランクシャフトと連係して回転駆動する(何れも不図示)。なお、図中符号C3,C4は各カムシャフト11,12の中心軸線(カム軸線)を示す。
図1〜3を参照し、一気筒分の左右一対の吸気バルブ6は、気筒毎に設けられた吸気側ロッカーアーム13を介して吸気側カムシャフト11のカム11Aに押圧されて開閉作動する。同様に、一気筒分の左右一対の排気バルブ7は、気筒毎に設けられた排気側ロッカーアーム17を介して排気側カムシャフト12のカム12Aに押圧されて開閉作動する。
吸気側ロッカーアーム13は、吸気バルブ6のステム6b先端部の後方において吸気側カムシャフト11と平行に配設された吸気側ロッカーアームシャフト14に、その軸回りに揺動可能かつ軸方向にスライド移動可能に支持される。同様に、排気側ロッカーアーム17は、排気バルブ7のステム7b先端部の前方において排気側カムシャフト12と平行に配設された排気側ロッカーアームシャフト18に、その軸回りに揺動可能かつ軸方向にスライド移動可能に支持される。なお、図中符号C5,C6は各ロッカーアームシャフト14,18の中心軸線(ロッカー軸線)を示す。
吸気側ロッカーアーム13における吸気側ロッカーアームシャフト14を挿通する円筒状のボス部(基部)13aからは、吸気バルブ6のステム6b先端部に向けてアーム部13bが延出する。アーム部13bの先端部には、吸気側カムシャフト11のカム11Aに転接するカムローラ13cが支持される。アーム部13bの先端部下側には、ステム6b先端部に当接してこれを下方に押圧するバルブ押圧部13dが設けられる。なお、排気側ロッカーアーム17も同様の構成を有するものとする。
そして、エンジン1の運転時には、各カムシャフト11,12が不図示のクランクシャフトと連係して回転駆動し、各カム11A,12Aの外周パターンに応じて各ロッカーアーム13,17を適宜揺動させることで、該各ロッカーアーム13,17が吸排気バルブ6,7をそれぞれ押圧し、該吸排気バルブ6,7を適宜往復動させて吸排気ポート8,9の燃料室側開口を開閉させる。
ここで、前記動弁機構5は、各バルブ6,7のバルブ開閉タイミングやリフト量を変化可能な可変動弁機構として構成されている。動弁機構5は、例えばエンジン回転数が9000rpm(Revolutions Per Minute)未満の低速回転域では各カムシャフト11,12における低速回転用のカムを用いて各バルブ6,7を開閉作動させると共に、エンジン回転数が9000rpm以上の高速回転域では各カムシャフト11,12における高速回転用のカムを用いて各バルブ6,7を開閉作動させる。
以下、動弁機構5における一気筒分の吸気側を例に説明するが、他の気筒の吸気側及び各気筒の排気側も同様の構成を有するものとする。
図1,2を参照し、前記カムシャフト11のカム11Aは、前記低速回転域用の左右第一カム15a,16a、及び高速回転域用の左右第二カム15b,16bからなる。すなわち、カムシャフト11は、一気筒当たりに左右第一カム15a,16a及び左右第二カム15b,16bの計四つのカムを有する。
左右第一カム15a,16aは互いに同一形状とされ、左右第二カム15b,16bは互いに同一形状とされる。左第一カム15aと左第二カム15bとは気筒左側において互いに左右方向(カム軸方向)で隣接し、右第一カム16aと右第二カム16bとは気筒右側において互いに左右方向(カム軸方向)で隣接する。
ロッカーアーム13は、ロッカーアームシャフト14にその軸回り(ロッカー軸線C5中心、以下、軸C5回りということがある)に揺動可能かつ軸方向(ロッカー軸線C5に沿う方向、以下、軸C5方向ということがある)に移動可能に支持される。ロッカーアーム13は、左右吸気バルブ6に渡るように左右方向で幅広かつ一体に設けられる。ロッカーアーム13のカムローラ13c及びバルブ押圧部13dは、それぞれ左右に離間して一対に設けられる。
ロッカーアーム13は、エンジン1の運転停止時及び低速回転域での運転時には軸C5方向で左方への移動限界位置にあり(図2(a)参照)、この状態において、ロッカーアーム13の左右カムローラ13cは、それぞれ左右第一カム15a,16aの下方においてその外周面(カム面)に摺接可能な位置に配置される。ロッカーアーム13の左右バルブ押圧部13dは、左右カムローラ13cよりも左右方向(軸C5方向)で幅広に設けられ、ロッカーアーム13が前記左方への移動限界位置にある場合には、左右バルブ押圧部13dの右側部が左右吸気バルブ6のステム6b先端部を押圧可能な位置に配置される。このときのロッカーアーム13の軸C5方向での位置を第一作動位置とする。
一方、ロッカーアーム13は、エンジン1の高速回転域での運転時には軸C5方向で右方への移動限界位置にあり(図2(b)参照)、この状態において、ロッカーアーム13の左右カムローラ13cは、それぞれ左右第二カム15b,16bの下方においてその外周面(カム面)に摺接可能な位置に配置される。ロッカーアーム13の左右バルブ押圧部13dは、ロッカーアーム13が前記右方への移動限界位置にある場合には、左右バルブ押圧部13dの左側部が左右吸気バルブ6のステム6b先端部を押圧可能な位置に配置される。このときのロッカーアーム13の軸C5方向での位置を第二作動位置とする。
そして、ロッカーアーム13が第一作動位置にある場合には、該ロッカーアーム13が左右第一カム15a,16aの外周パターンに応じて揺動して吸気バルブ6を開閉作動させる。一方、ロッカーアーム13が第二作動位置にある場合には、該ロッカーアーム13が左右第二カム15b,16bの外周パターンに応じて揺動して吸気バルブ6を開閉作動させる。
図2を参照し、動弁機構5は、エンジン回転数に応じて第一及び第二ロッカーアーム移動機構21,22にロッカーアーム13を前記軸C5方向に移動させる力を蓄え、該力によってロッカーアーム13を前記第一作動位置及び第二作動位置の何れかに移動させることで、吸気バルブ6の開閉作動に左右第一カム15a,16a及び左右第二カム15b,16bの何れかを選択的に用いることを可能とする。なお、第一カム15a,16aは第二カム15b,16bと比べて吸気バルブ6のリフト量を小さくした低回転用カム(低速カム)であるが、これを吸気バルブ6のリフト量を0とした休止カム(停止カム)としてもよい。
なお、各ロッカーアーム移動機構21,22において、符号23,24はロッカーアーム13のボス部13aの左方又は右方に位置して該ボス部13aに前記各作動位置の一方から他方への力を付与するスプリングを、符号25,26は各スプリング23,24の左方又は右方に位置してロッカーアームシャフト14にその軸方向で移動不能に支持されるスプリング受けカラーをそれぞれ示す。
ロッカーアームシャフト14は、その軸方向で移動可能にシリンダヘッド2に支持され、該ロッカーアームシャフト14が不図示のアクチュエータの作動等により軸方向で移動することで、前記各ロッカーアーム移動機構21,22の何れかにロッカーアーム13を移動させる力を蓄力する。
ロッカーアームシャフト14及び各スプリング受けカラー25,26は、エンジン1における運転停止時及び低速回転域を維持しての運転時(低速運転時)には、その軸方向で左方への移動限界位置にある(図2(a)参照)。このとき、ロッカーアーム13は前記第一作動位置にあり、このロッカーアーム13のボス部13aと前記各スプリング受けカラー25,26との間に各スプリング23,24が縮設される。
一方、ロッカーアームシャフト14及び各スプリング受けカラー25,26は、エンジン1における高速回転域を維持しての運転時(高速運転時)には、その軸方向で右方への移動限界位置にある(図2(b)参照)。このとき、ロッカーアーム13は前記第二作動位置にあり、このロッカーアーム13のボス部13aと前記各スプリング受けカラー25,26との間に各スプリング23,24が縮設される。
そして、ロッカーアーム13を各作動位置の一方から他方へ移動させるときには、後述するストッパ機構30のプランジャ31及び溝部41を用いて、ロッカーアーム13の前記軸C5方向での移動を規制した状態で、ロッカーアームシャフト14及び各スプリング受けカラー25,26をシリンダヘッド2に対して軸C5方向で一体に移動させ、各スプリング23,24間に所定の弾性力差を生じさせる(図6参照)。この弾性力差(各スプリング23,24の何れかに蓄力した弾性力)を用いて、ロッカーアーム13を各作動位置の一方から他方へ移動可能とする。
図3,4を参照し、ストッパ機構30は、ロッカーアーム13のボス部13a(基部)及びロッカーアームシャフト14の軸方向での所定位置にこれらの径方向に沿って挿通されるプランジャ31と、シリンダヘッド2側に形成されてプランジャ31の基端部(図の下端部、後述するシリンダ体33の基端部33a)を摺動可能に係合させる溝部41とを主になる。
プランジャ31は、その先端部(図の上端部、後述するプランジャ本体32の先端部32a)をロッカーアームシャフト14に形成された係合溝35に下方から挿通し、前記基端部33aをロッカーアーム13のボス部13aから下方(溝部41側)へ突出させる。プランジャ31の基端部33aは、シリンダヘッド2の壁面に形成された溝部41にその長手方向に沿って摺動可能に係合される。
ここで、シリンダヘッド2の溝部41形成部分は、シリンダヘッド2の本体部分に対して別部材で構成されたホルダ40とされる。ホルダ40は、溶接又は締結等によりシリンダヘッド2の本体部分に一体に固定される。以下、シリンダヘッド2(ホルダ40)の前記壁面を溝形成面Wという。
なお、図示都合上、プランジャ31の基端部33aがボス部13aの下方に突出し、溝形成面Wがボス部13aの下方に位置するものとしたが、プランジャ31の基端部33aがボス部13aの後方や上方に突出し、その延長方向に溝形成面Wが位置する構成としてもよい。
ロッカーアーム13のボス部13aには、プランジャ31の上下中間部(後述するシリンダ体33の先端部33b)を挿通可能な係合孔37が形成される。係合孔37は、ボス部13aの周方向に沿って長い長円状をなし、該係合孔37にプランジャ31の中間部(先端部33b)が挿通保持される。係合孔37に挿通されたプランジャ31は、ボス部13aに対して軸C5回り(シャフト軸回り)に所定量だけ相対揺動可能となり、かつ軸C5方向(シャフト軸方向)ではボス部13aに対して相対移動不能となる。
図5を併せて参照し、溝部41は、その平面視(溝形成面Wの平面視)でロッカーアーム13のボス部13a側に向けて開放するコ字状(U字状)に形成され、かつ該平面視形状に沿って断面半円状をなして延びるように形成される。この溝部41内に、半球状をなすプランジャ31の基端部33aが摺動可能に係合する。
溝部41は、ロッカーアームシャフト14のシャフト軸方向に沿うように延びるスライド用溝42と、該スライド用溝42の両端部からシャフト軸方向と直交するように(ロッカーアームシャフト14の回転方向に沿うように)延びる一対の規制用溝43とを有する。各規制用溝43の先端部は例えばロッカーアーム13のボス部13aの真下に位置し、該各規制用溝43の一方の先端部にプランジャ31の基端部33aが係合することで、各カムの切り替えがなされない通常運転時におけるロッカーアーム13の軸C5方向の移動が規制される。
一方、各カムの切り替えがなされるバルブ切り替え時には、後述のストッパボール46を介したロッカーアーム13及びロッカーアームシャフト14の係合により、ロッカーアームシャフト14と共にプランジャ31が軸C5回りに揺動(回動)し、その基端部33aを各規制用溝43の基端側(スライド用溝42側)に移動させる。このとき、前記各ロッカーアーム移動機構21,22の何れかにロッカーアーム13を各作動位置の一方から他方に移動させるだけの力が蓄力されていれば、プランジャ31の基端部33aがスライド用溝42に至った時点で、該プランジャ31と共にロッカーアーム13が軸C5方向で移動する。その後、プランジャ31の基端部33aが各規制用溝43の他方の先端部内に係合することで、ロッカーアーム13が各作動位置の他方に移動した状態でその軸C5方向での移動が規制される。
ロッカーアームシャフト14の係合溝35は、シャフト軸方向に沿うスリット状をなし、プランジャ31の先端側(プランジャ本体32)の外径と略同一幅をなしてシャフト軸方向に延びる。係合溝35は、プランジャ31の先端側を挿通した状態で、該プランジャ31のシャフト軸方向の相対移動は許容する一方、該プランジャ31のシャフト軸回りの相対揺動は不能とする。
プランジャ31は、後述するプランジャ用ストッパ50の作用により、各規制用溝43の何れかの先端部に係合した状態で、その基端側への移動が規制される。
これにより、エンジン1の前記通常運転時には、ロッカーアーム13の揺動に伴うプランジャ31及びこれを保持するロッカーアームシャフト14の揺動(回動)が規制され、プランジャ31の基端部33aが各規制用溝43の基端側に移動してロッカーアーム13の軸方向移動の規制を解除してしまうことを防止する。このとき、ロッカーアーム13のボス部13aのプランジャ挿通部(係合孔37)がボス部13aの周方向に長く形成されることで、該ボス部13aにプランジャ31を挿通した状態でもロッカーアーム13のみが揺動可能である。
ロッカーアームシャフト14の係合溝35は、ロッカーアームシャフト14の下端(溝部41側端)から上方に向けて所定深さに形成される。係合溝35の底部(天井部)の長手方向中間部には、該係合溝35の内側とロッカーアームシャフト14の外周側とを連通する保持孔39が形成される。保持孔39は、ロッカーアームシャフト14の外周側に向けて広がるすり鉢状の内面を有し、この保持孔39内に、ロッカーアームシャフト14の外周側からストッパボール46が嵌め込まれて収容される。ストッパボール46は鋼球からなり、保持孔39の内周面に当接支持されることで、係合溝35内への落下が防止され、かつロッカーアームシャフト14の外周側には移動可能な状態に保持される。
この状態で、ロッカーアームシャフト14をロッカーアーム13のボス部13a内に挿通することで、ストッパボール46が保持孔39内に脱落不能に保持される。またこのとき、ロッカーアームシャフト14を軸方向移動させてストッパボール46及び保持孔39をシャフト軸方向でプランジャ31と同位置に移動させることで、該保持孔39内のストッパボール46がプランジャ31により上方(ロッカーアームシャフト14の外周側)に向けて付勢される。
ここで、プランジャ31は、その先端側を構成するプランジャ本体32と、基端側を構成するシリンダ体33とに分割構成される。
プランジャ本体32は、半球状の先端面を有する円柱状のもので、該プランジャ本体32の基端側が、有底円筒状のシリンダ体33の先端側にストローク可能に挿入される。シリンダ体33の底面とプランジャ本体32の基端面との間には、コイルスプリング等の付勢部材34が縮設される。
プランジャ本体32は、その先端面を係合溝35の底面(天井面)に当接させると共に、基端側をロッカーアーム13のボス部13aの溝部41側端よりも下方に突出させる程度に設けられる。このプランジャ本体32の先端側が、ロッカーアームシャフト14の係合溝35内に挿通保持される。
シリンダ体33は、その先端部33bがロッカーアームシャフト14の外周面に至らない程度にロッカーアーム13のボス部13aの溝部41側端に挿通されると共に、基端部33aがシリンダヘッド2の溝部41内に入り込むように設けられる。シリンダ体33の基端部33aは半球状の基端面を形成している。
なお、例えば一体のプランジャをロッカーアームシャフト14、ロッカーアーム13及びシリンダヘッド2に渡って配置した場合には、該プランジャの摺動に影響が生じてストッパボール46への付勢動作を円滑に行えなくなることが考えられるが、上述の如く分割構成されたプランジャ31を用いることで、プランジャ本体32の摺動に影響が生じ難くなり、ストッパボール46への付勢動作を円滑に行うことができる。
図7,8を参照し、プランジャ31(シリンダ体33)の基端部33a(底部)の厚さTは、溝部41の少なくとも規制用溝43の先端部の深さD2と同等以上とされる。また、基端部33aの厚さTは、スライド用溝42の深さD1とほぼ同等とされる。
図3,4を参照し、プランジャ31は、前記付勢部材34の付勢力により、前記通常運転時において、プランジャ本体32の先端面(上端面)を係合溝35の底面(天井面)に押圧させると共に、シリンダ体33の基端面(下端面)を溝部41の底面(内面)に押圧させる。このとき、ストッパボール46はプランジャ31に付勢されず、該ストッパボール46がロッカーアーム13とロッカーアームシャフト14とを係合させることもないので、これらの一体化が解かれてロッカーアーム13のみ揺動可能な状態となる。
一方、図6,7を参照し、各カムの切り替えがなされるバルブ切り替え時には、ロッカーアームシャフト14の軸方向移動により保持孔39及びストッパボール46がプランジャ31と軸C5方向で同位置に移動する。これにより、シリンダ体33の基端面が溝部41の底面を押圧すると共に、プランジャ本体32の先端面がストッパボール46をロッカーアーム13及びロッカーアームシャフト14を互いに係合させる側に付勢する。
図4,5を参照し、プランジャ31及び溝部41は、一ロッカーアーム13に対して左右一対に設けられる。各プランジャ31は、前記通常運転時にはストッパボール46及び保持孔39の両側に略等間隔に振り分けられるように配置される。これら各プランジャ31の基端部33aが、各溝部41それぞれの一対の規制用溝43の内の同側のものにそれぞれ係合する。
各溝部41において、一対の規制用溝43の内の図中左側のものには、ロッカーアーム13が前記第一作動位置にあるときにそれぞれプランジャ31が係合し(図4(a)、図5(a)参照)、一対の規制用溝43の内の図中右側のものには、ロッカーアーム13が第二作動位置にあるときにそれぞれプランジャ31が係合する(図4(b)、図5(b)参照)。
以下、図中左側のプランジャ31及び溝部41をそれぞれ左プランジャ31a及び左溝部41a、右側のプランジャ31及び溝部41をそれぞれ右プランジャ31b及び右溝部41bということがある。また、左溝部41aの各規制用溝43をそれぞれ左第一規制用溝44a及び左第二規制用溝44b、右溝部41bの各規制用溝43をそれぞれ右第一規制用溝45a及び右第二規制用溝45bということがある。なお、左右第一規制用溝44a,45aはリフト量が比較的小さい低速カムに対応し、左右第二規制用溝44b,45bはリフト量が比較的大きい高速カムに対応する都合上、左右第一規制用溝44a,45aよりも左右第二規制用溝44b,45bが長く設けられる。
ボス部13aにおける溝部41と反対側の端部の左右両側には、それぞれストッパボール46よりも小径の貫通孔47,48が形成される。各貫通孔47,48は、それぞれ各プランジャ31と軸C5方向で同位置となるように設けられるが、プランジャ31の延長上となる位置に対して軸C5周りに所定角度だけずれた位置に設けられる。
そして、前記通常運転時では各プランジャ31と貫通孔47,48との間には係合溝35の底部(天井部)のみが挟み込まれるが、各カムの切り替え時にロッカーアーム13に対してロッカーアームシャフト14がスライド移動すると共に(図6参照)、ロッカーアーム13がカムに押圧されて揺動した際には(図7参照)、各プランジャ31及び貫通孔47,48の何れか一方の間(各プランジャ31の何れかの延長上)にストッパボール46及び保持孔39が移動して挟み込まれる。
すると、保持孔39の内周面に当接支持されたストッパボール46が保持孔39内に進入したプランジャ31の先端部32aにより上方(ロッカーアームシャフト14の外周側)に押し上げられ、保持孔39と各貫通孔47,48の何れかとに渡ってこれらに嵌合する。これにより、ロッカーアームシャフト14とロッカーアーム13(ボス部13a)とがストッパボール46を介して係合して一体揺動可能となり、この状態で前記カムの押圧が解かれてロッカーアーム13が揺動前の状態に戻る(逆方向に揺動する)と、これに伴いロッカーアームシャフト14も一体的に揺動(回動)する(図8参照)。
このとき、係合溝35に相対揺動不能に挿通された各プランジャ31も同様に揺動することとなり、その基端部33aを後述するプランジャ用ストッパ50の付勢力に抗して規制用溝43の基端側に移動させる(図9(a)参照)。これにより、各プランジャ31の基端部33aが対応する規制用溝43からスライド用溝42へ至り、該各プランジャ31及びロッカーアーム13がシャフト軸方向で移動可能となる。
なお、前記貫通孔47,48は、ストッパボール46を係合可能であればボス部13aの内周に形成した凹部であってもよい。また、上述の如くロッカーアームシャフト14の軸方向移動により各プランジャ31及び貫通孔47,48の何れか一方の間にストッパボール46及び保持孔39が移動した際には、各プランジャ31の他方が係合溝35の軸方向端に当接することにより、ロッカーアームシャフト14のそれ以上の軸方向移動が規制される(図6参照)。
前記各カムの切り替え動作は、例えばロッカーアーム13の揺動時に行われる。すなわち、前記ストッパ機構30によりシャフト軸方向の移動が規制されたロッカーアーム13に対して、前記アクチュエータの作動によりロッカーアームシャフト14がその軸方向で移動すると、前記各ロッカーアーム移動機構21,22の何れかにロッカーアーム13を各作動位置の一方から他方へ移動させるだけの力が蓄力される(図6参照)。
このとき、ストッパボール46及び保持孔39が各プランジャ31及び貫通孔47,48と軸C5方向で同位置に移動し、この状態でロッカーアーム13が揺動すると、ストッパボール46及び保持孔39がプランジャ31の延長上に移動する。このとき、保持孔39内のストッパボール46がプランジャ31により上方に押し上げられることで、ロッカーアームシャフト14とロッカーアーム13(ボス部13a)とが互いに係合して一体化される(図6,7参照)。
この状態でロッカーアーム13が揺動前の状態に戻る(逆方向に揺動する)と、これに伴いロッカーアームシャフト14及び各プランジャ31も一体的に揺動(回動)し、各プランジャ31の基端部33aが対応する規制用溝43の先端側から基端側に移動してスライド用溝42に至る(図8、図9(a)参照)。これにより、ロッカーアーム13のシャフト軸方向での移動規制が解除され、各ロッカーアーム移動機構21,22の何れかに蓄力した力によってロッカーアーム13が各作動位置の一方から他方に速やかに移動する。このとき、各プランジャ31の基端部33aが一方の規制用溝43の基端側から他方の規制用溝の基端側に移動する(図9(b)参照)。
ロッカーアーム13が各作動位置の一方から他方に移動すると、該ロッカーアーム13と共に各プランジャ31及び貫通孔47,48もシャフト軸方向で移動し、前記各プランジャ31及び貫通孔47,48の一方の間からストッパボール46及び保持孔39が退避する。これにより、ストッパボール46を介したロッカーアームシャフト14及びロッカーアーム13の係合が解除される。
その後、プランジャ31が後述するプランジャ用ストッパ50からの付勢力を受けると共に、ボス部13aの係合孔37の長手方向端にプランジャ31が当接して押し戻されることで、プランジャ31及びロッカーアームシャフト14がそれぞれ揺動前の状態に戻る。これにより、プランジャ31が対応する規制用溝43の先端側に移動し(図3、図9(c)参照)、各動作位置の他方においてロッカーアーム13の軸方向移動を規制する。
ここで、図7,8を参照し、各溝部41は、スライド用溝42に対して各規制用溝43が浅くなるように形成される。より詳細には、各溝部41において、各規制用溝43の先端側の深さD2は、該各規制用溝43の基端側及びスライド用溝42の深さD1よりも浅くなるように形成されている。
これにより、プランジャ31の両端部間の距離(全長)Lは、その基端側が各規制用溝43の先端側に係合しているときは短く、基端側が各規制用溝43の基端側及びスライド用溝42に係合しているときは長くなる。このプランジャ31の全長の変化に伴い前記付勢部材34の圧縮量も変化するので、プランジャ31の基端部33aが規制用溝43の先端側にあるときには該プランジャ31によるストッパボール46への付勢力が強められ、プランジャ31の基端側が規制用溝43の基端側及びスライド用溝42にあるときには該プランジャ31によるストッパボール46への付勢力が弱められる。
なお、前記各カムの切り替えがなされないときとは、所定の回転数を跨がずにその前後の回転数でエンジン1が運転している状態(通常運転状態)であり、各カムの切り替えがなされるときとは、前記所定の回転数を跨いでエンジン回転数が増加又は減少するような運転状態である。そして、前記通常運転時にはロッカーアーム13のみを揺動させることで、動弁機構5の慣性マスを低減してその作動性が向上させるのである。
図10,11を参照し、シリンダヘッド2側(ホルダ40)には、前記通常運転時に各プランジャ31を対応する規制用溝43の先端側に保持するためのプランジャ用ストッパ50が設けられる。以下、図に示す向き(上、下、左、右)を用いて説明を行う。
プランジャ用ストッパ50は、ホルダ40の溝形成面Wに沿って延びる左右一対のアーム体51,52を主になる。各アーム体51,52は、その基端部に溝形成面Wから起立する支持軸53を挿通することで、該支持軸53回りに揺動可能とされる。各アーム体51,52は、基端部から左右外側に延びた後、その先端側を上方に変化させるように屈曲する。
各アーム体51,52の先端側には、平面視円弧状の下辺51a,52aがそれぞれ形成される。支持軸53は、各溝部41間において溝形成面Wから起立し、この支持軸53から左右外側に延びる各アーム体51,52は、各溝部41それぞれの一対の規制用溝43の内の一方の基端側に、前記下辺51a,52a周辺を重ねるように配置される。
具体的には、左アーム体51の下辺51aは、左溝部41aの左第一規制用溝44aの基端側に平面視で重なるように配置され、右アーム体52の下辺52aは、右溝部41bの右第二規制用溝45bの基端側に平面視で重なるように配置される。換言すれば、各アーム体51,52の下辺51a,52aは、それぞれ各溝部41a,41bの一対の規制用溝43の内の相反するものの基端側に平面視で重なるように配置される。
各アーム体51,52は、それぞれ前記下辺51a,52a周辺を対応する規制用溝43の基端側に重ねた状態となるように、コイルスプリング等の付勢部材54により付勢される。この状態において、各アーム体51,52の下辺51a,52aの一方は、相反する規制用溝43の何れかに係合するプランジャ31を、該規制用溝43の先端側に向けて付勢する。これにより、前記プランジャ31の規制用溝43先端側からの離脱が抑えられ、もってロッカーアーム13の揺動に伴う各プランジャ31及びロッカーアームシャフト14の回動が抑えられる。
そして、各プランジャ31が各溝部41の一方の規制用溝43から他方の規制用溝43に移動する際には、まず、各アーム体51,52の一方に押圧されたプランジャ31が、自身が係合する規制用溝43の基端側に移動するべく、各アーム体51,52の下辺51a,52aの一方に摺接しながら該下辺を上方に押し上げ、該各アーム体51,52の一方をその付勢力に抗して上方へ揺動させる(図11(a)参照)。
次いで、各プランジャ31が各溝部41のスライド用溝42を通じて一方の規制用溝43側から他方の規制用溝43側に移動すると、前記各アーム体51,52の一方が対応するプランジャ31の退避により揺動前の状態に戻ると共に、各アーム体51,52の下辺51a,52aの他方に対応するプランジャ31が側方から摺接して該下辺を上方に押し上げ、該各アーム体51,52の他方をその付勢力に抗して上方へ揺動させる(図11(b)参照)。
各アーム体51,52の他方を揺動させたプランジャ31は、ロッカーアーム13が揺動前の状態に戻ると共に各アーム体51,52の他方から上方に押圧される等により、対応する規制用溝43の先端側に移動する。これにより、各アーム体51,52が揺動前の状態に戻り、かつ各プランジャ31の一方が対応するアーム体51,52により上方へ押圧された状態となる。
このように、各溝部41に係合する各プランジャ31の一方のみの移動を規制することで、ロッカーアーム13の揺動に伴う各プランジャ31及びロッカーアームシャフト14の揺動(回動)を規制することができる。
なお、図12,13は前記プランジャ用ストッパ50の変形例であるプランジャ用ストッパ60を示す。
プランジャ用ストッパ60は、平面視門形をなす一体のストッパプレート61を主になる。ストッパプレート61は、一方の溝部41(図では左溝部41aとする)に対応して設けられる。ストッパプレート61は、ホルダ40の溝形成面Wに沿うように配され、かつその両腕部62,63が溝部41の各規制用溝43の基端側に平面視で重なるように配される。
ストッパプレート61の左右中間部上側には、上下に長い長円状の貫通孔64が形成され、該貫通孔64に前記ホルダ40から起立する支持軸65が挿通される。これにより、ストッパプレート61がホルダ40の溝形成面Wに沿って支持軸65回りに揺動可能かつ貫通孔64に沿って所定量だけ上下移動可能となる。
ストッパプレート61の両腕部62,63には、その下部内側に平面視円弧状の内側辺62a,63aが形成される。ストッパプレート61は、両腕部62,63の内側を各規制用溝43の基端側にそれぞれ重ねた状態(中立状態)となるように付勢されており、この状態において、前記両内側辺62a,63aの一方は、各規制用溝43の何れかに係合するプランジャ31(図では左プランジャ31aとする)を、該規制用溝43の先端側に向けて付勢する。これにより、プランジャ31の前記規制用溝43からの離脱が抑えられ、もってロッカーアーム13の揺動に伴うプランジャ31やロッカーアームシャフト14の回動が抑えられる。
そして、プランジャ31が一方の規制用溝43から他方の規制用溝43に移動する際には、まず、プランジャ31が前記一方の規制用溝43の基端側に移動するべく、ストッパプレート61の各内側辺62a,63aの一方に摺接しながら該内側辺62a,63aの一方を上方に押し上げ、ストッパプレート61をその付勢力に抗して揺動させる(図13(a)参照)。このとき、ストッパプレート61の両腕部62,63の間に前記プランジャ31が入り込む。
次いで、プランジャ31がスライド用溝42を通じて一方の規制用溝43側から他方の規制用溝43側に移動すると、ストッパプレート61が前記プランジャ31に押し上げられたときとは反対側に揺動し、図13(a)に示す状態から左右反転した揺動状態(図13(b)に示す状態)になる。
その後、プランジャ31は、ロッカーアーム13が揺動前の状態に戻ると共にストッパプレート61から上方に押圧される等により、対応する規制用溝43の先端側に移動する。これにより、ストッパプレート61が前記中立状態に戻り、かつプランジャ31がストッパプレート61により上方へ押圧された状態となる(図13(c)参照)。
このように、一方の溝部41に係合するプランジャ31のみの移動を規制することで、プランジャ用ストッパ60の小形化を図った上で、ロッカーアーム13の揺動に伴うプランジャ31及びロッカーアームシャフト14の揺動(回動)を規制することができる。
以上説明したように、上記実施例における可変動弁機構5は、エンジン1の吸気バルブ6(又は排気バルブ7)と、該吸気バルブ6に対する左右第一カム15a,16a及び左右第二カム15b,16bとの間に吸気側ロッカーアーム13(又は排気側ロッカーアーム17)が配置され、該ロッカーアーム13を揺動自在に支持する吸気側ロッカーアームシャフト14(又は排気側ロッカーアームシャフト18)の動きに応じて、前記ロッカーアーム13をロッカーアームシャフト17のシャフト軸方向にスライド移動させることで、該ロッカーアーム13を前記第一カム15a,16a及び第二カム15b,16bの何れか一方に択一的に係合させて前記吸気バルブ6の作動を切り換えるものであって、前記ロッカーアーム13をロッカーアームシャフト14上で位置決めするためのストッパ機構30が、前記ロッカーアーム13及びロッカーアームシャフト14間に配されてこれらを互いに係合させるストッパボール46と、該ストッパボール46を前記係合させる側に付勢するプランジャ31とを有してなるものにおいて、前記ストッパボール46が、前記ロッカーアームシャフト14の外周側へ移動可能となるように、該ロッカーアームシャフト14の外周部に設けられた保持孔39に保持され、前記プランジャ31が、その一端部(先端部32a)を前記ロッカーアームシャフト14に形成された係合溝35に挿通すると共に、他端部(基端部33a)をシリンダヘッド2に設けた溝部41に保持させ、前記各カムの切り替えがなされる場合には、前記プランジャ31に付勢されたストッパボール46を介して、前記ロッカーアーム13とロッカーアームシャフト14とを一体化して共に揺動させる一方、前記各カムの切り替えがなされない場合には、前記ストッパボール46がプランジャ31に付勢されることなく、前記ロッカーアーム13とロッカーアームシャフト14との一体化が解かれてロッカーアーム13のみを揺動させるものである。
この構成によれば、前記各カムの切り替えがなされない通常運転時には、ロッカーアーム13のみを揺動させて可変動弁機構5の慣性マスを低減する一方、前記各カムの切り替えがなされるバルブ切り替え時には、前記ストッパボール46を介してロッカーアーム13とロッカーアームシャフト14とを一体揺動させることで、前記プランジャ31の他端部をシリンダヘッド2の溝部41内で移動させてロッカーアーム13の前記シャフト軸方向での移動規制やその解除を行うことが可能となる。
そして、プランジャ31をロッカーアームシャフト14に挿通すると共にシリンダヘッド2にて保持するようにしたので、揺動するロッカーアーム13にプランジャ31が含まれなくなり、ロッカーアーム13の軽量化を図ることができる。
また、上記可変動弁機構5は、前記溝部41が、前記ロッカーアームシャフト14の軸方向に沿うスライド用溝42と、該横軸の両端からこれと直交するように延びる一対の規制用溝43とからなるものである。
この構成によれば、各カムの切り替えがなされない通常運転時には、プランジャ31の他端部を各規制用溝43の一方に保持することで、該プランジャ31を介してロッカーアーム13のシャフト軸方向での移動を規制する一方、各カムの切り替えがなされるバルブ切り替え時には、ロッカーアーム13、ロッカーアームシャフト14及びプランジャ31を一体揺動させることで、プランジャ31の他端部をスライド用溝42側に移動させ、ロッカーアーム13のシャフト軸方向での移動を可能にできる(前記移動規制を解除できる)。
また、ロッカーアーム13と共にプランジャ31をスライド移動させることで、ロッカーアーム13のスライド位置の規制部品としてもプランジャ31を利用することができ、ロッカーアーム13のスライド位置規制の専用部品を不要にして部品点数の削減を図ることができる。
また、上記可変動弁機構5は、前記プランジャ31が、その一端側を構成するプランジャ本体32と、他端側を構成して前記プランジャ本体32の基端側を挿通するシリンダ体33と、該シリンダ体33内に収容されてシリンダ体33及びプランジャ本体32を互いに離間させる側に付勢する付勢部材34とからなり、前記シリンダ体33の基端部33aが前記溝部41の内面(底面)を押圧すると共に、前記プランジャ本体32の先端部32aが前記ストッパボール46を前記係合させる側に付勢するものであって、前記溝部41は、前記スライド用溝42に対して各規制用溝43が浅く形成されるものである。
この構成によれば、各カムの切り替えがなされるバルブ切り替え時に、プランジャ31の他端部がスライド用溝42側に移動すると、プランジャ31が伸長してストッパボール46に対する付勢力が弱まり、該ストッパボール46を介したロッカーアーム13及びロッカーアームシャフト14の係合力が弱まる。その結果、各カムの切り替え時に簡単かつ素早くロッカーアーム13をスライド移動させることができ、各カムの切り替え動作をスムーズに行うことができる。
また、上記可変動弁機構5は、前記シリンダ体33が、その先端部33bを前記ロッカーアーム13のプランジャ挿通部(係合孔37)に挿通すると共に、基端部33aを前記溝部41に保持させるものである。
この構成によれば、プランジャ31を構成するシリンダ体33をロッカーアーム13とシリンダヘッド2とに渡って配置することにより、一体のプランジャ31をロッカーアーム13とシリンダヘッド2とに渡って配置する場合に比べて、ストッパボール46への付勢動作に影響を与えることがなく、各カムの切り替え作動をスムーズに行うことができる。
また、上記可変動弁機構5は、前記プランジャ31を構成するシリンダ体33は有底筒状に形成され、該シリンダ体33の底部(基端部33a)が前記溝部41に保持されると共に、該底部の厚さTが溝部41の深さD1,D2と略同一とされるものである。
この構成によれば、シリンダ体33における溝部41と係合する側の他端部を補強して剛性を高め、ロッカーアーム13のスライド移動の規制を確実に行うことができる。
また、上記可変動弁機構5は、前記各規制用溝43には、前記各カムの切り替えがなされない通常運転時に前記プランジャ31が移動(揺動)することを規制するプランジャ用ストッパ50(又は60)が設けられるものである。
この構成によれば、前記通常運転時にロッカーアーム13のみが揺動する際、これに連れ回ってロッカーアームシャフト14及びプランジャ31が揺動することを抑制し、前記通常運転時にプランジャ31の他端部がスライド用溝42側に入り込んでしまうことを防止して、ロッカーアーム13のストッパ機構30が外れてしまう虞を無くすことができる。
また、上記可変動弁機構5は、前記ロッカーアームシャフト14の係合溝35が前記プランジャ31の外径とほぼ同一幅に形成され、この係合溝35には前記プランジャ31が複数配置されると共に、該各プランジャ31に対応する複数の溝部41が前記シリンダヘッド2に設けられ、前記プランジャ用ストッパ50が、各溝部41それぞれの一対の規制用溝43の内、一方の溝部41では一側の規制用溝43にて、他方の溝部41では他側の規制用溝43にて、それぞれ前記プランジャ31が移動(揺動)することを規制するものである。
この構成によれば、ロッカーアームシャフト14の係合溝35をプランジャ31の外径とほぼ同一幅にしたので、これに複数のプランジャ31を配置した場合にも、一プランジャ31の揺動のみを規制することで、前記通常運転時にロッカーアーム13に連れ回ってロッカーアームシャフト14及び各プランジャ31が揺動することを防止できる。また、各溝部41それぞれの一対の規制用溝43の内の相反する側の規制用溝43のみにてプランジャ31の移動を規制することで、プランジャ用ストッパ50の部品点数削減及び小型化を図ることができる。
また、上記可変動弁機構5は、前記シリンダヘッド2に別部材からなるホルダ40を設け、該ホルダ40に前記溝部41が形成されるものである。
この構成によれば、前記溝部41を形成する際、比較的大型のシリンダヘッド2本体に溝部41を直接形成する場合と比べて、比較的小型のホルダ40に溝部41を形成することで、精度を要する溝部41の加工を容易に行うことができる。
また、上記可変動弁機構5は、前記ロッカーアームシャフト14の保持孔39が、ロッカーアームシャフト14の外周側に広がるすり鉢状の内周面を有する貫通孔とされ、この保持孔39内に前記ストッパボール46が嵌め込まれると共に、このストッパボール46が嵌め込まれた状態のロッカーアームシャフト14を前記ロッカーアーム13のボス部13aに挿通することにより、前記保持孔39内にストッパボール46を脱落不能に保持する一方、前記保持孔39は前記係合溝35内に開口し、前記各カムの切り替えがなされるときには、前記ロッカーアームシャフト14がシャフト軸方向に移動して前記保持孔39及びストッパボール46をシャフト軸方向で前記プランジャ31と同位置に移動させ、該保持孔39内のストッパボール46をプランジャ31により係合溝35の内側からロッカーアームシャフト14の外周側に向けて付勢することで、前記ストッパボール46を介してロッカーアーム13とロッカーアームシャフト14とを係合させるものである。
この構成によれば、特別な部品や機構を構成することなく、ストッパボール46をロッカーアームシャフト14とロッカーアーム13との間に保持し、かつシャフト軸方向の所定位置ではプランジャ31によりストッパボール46に付勢力を与えることで、ロッカーアーム13とロッカーアームシャフト14とを係合させてこれらを一体揺動させることができる。
また、上記可変動弁機構5は、前記ロッカーアーム13のボス部13aには、前記各カムの切り替えがなされるときに前記ロッカーアームシャフト14がシャフト軸方向に移動した際に、前記保持孔39及びストッパボール46と対向して前記プランジャ31により付勢されたストッパボール46を係合させる貫通孔47,48が設けられるものである。
この構成によれば、ロッカーアームシャフト14がスライド移動した際に、シャフト軸方向の所定位置でストッパボール46がロッカーアーム13の貫通孔47,48に嵌まり込んで係合することにより、ロッカーアーム13とロッカーアームシャフト14とが一体化されるので、特別な部品や機構を用いることなく、簡単な構成によりロッカーアーム13とロッカーアームシャフト14とを一体揺動させることができる。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば、ロッカーアーム13,18が、カム11A,12Aを摺接させる摺動面を有するものや、タペットボルトを介してバルブ6,7を押圧するものであってもよい。また、並列四気筒以外の各種形式のレシプロエンジン(V型多気筒エンジンや単気筒エンジン、クランク軸を車両前後方向に沿わせた縦置きエンジン等)に適用してもよい。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
1 エンジン(内燃機関)
5 可変動弁機構
6,7 吸排気バルブ(機関弁)
13,17 ロッカーアーム
14,18 ロッカーアームシャフト
15a,16a 第一カム
15b,16b 第二カム
30 ストッパ機構
31 プランジャ
32 プランジャ本体
32a 先端部(一端部)
33 シリンダ体
33a 基端部(他端部、底部)
33b 先端部(中間部)
34 付勢部材
35 係合溝
39 保持部(保持孔、貫通孔)
40 ホルダ
41 溝部
42 スライド用溝(横溝)
43 規制用溝(縦溝)
46 ストッパボール(ボール)
47,48 貫通孔(ボール係合部)
50,60 プランジャ用ストッパ
T 厚さ
D1,D1 深さ

Claims (10)

  1. 内燃機関の吸気又は排気側の一機関弁と、該機関弁に対する第一及び第二カムとの間にロッカーアームが配置され、該ロッカーアームを揺動自在に支持するロッカーアームシャフトの動きに応じて、前記ロッカーアームをロッカーアームシャフトのシャフト軸方向にスライド移動させることで、該ロッカーアームを前記各カムの何れか一方に択一的に係合させて前記機関弁の作動を切り換える可変動弁機構であって、
    前記ロッカーアームをロッカーアームシャフト上で位置決めするためのストッパ機構が、前記ロッカーアーム及びロッカーアームシャフト間に配されてこれらを互いに係合させるボールと、該ボールを前記係合させる側に付勢するプランジャとを有してなる可変動弁機構において、
    前記ボールが、前記ロッカーアームシャフトの外周側へ移動可能となるように、該ロッカーアームシャフトの外周部に設けられた保持部に保持され、
    前記プランジャが、その一端部を前記ロッカーアームシャフトに形成された係合溝に挿通すると共に、他端部をシリンダヘッドに設けた溝部に保持させ、
    前記各カムの切り替えがなされる場合には、前記プランジャに付勢されたボールを介して、前記ロッカーアームとロッカーアームシャフトとを一体化して共に揺動させる一方、前記各カムの切り替えがなされない場合には、前記ボールがプランジャに付勢されることなく、前記ロッカーアームとロッカーアームシャフトとの一体化が解かれてロッカーアームのみを揺動させることを特徴とする可変動弁機構。
  2. 前記溝部は、前記ロッカーアームシャフトの軸方向に沿う横溝と、該横軸の両端からこれと直交するように延びる一対の縦溝とからなり、前記係合溝が、前記プランジャの一端部を、前記ロッカーアームシャフトと一体揺動可能に挿通し、前記ロッカーアームのプランジャ挿通部が、前記プランジャの中間部を、前記シャフト軸方向で相対移動不能に挿通することを特徴とする請求項1に記載の可変動弁機構。
  3. 前記プランジャは、その一端側を構成するプランジャ本体と、他端側を構成して前記プランジャ本体の基端側を挿通するシリンダ体と、該シリンダ体内に収容されてシリンダ体及びプランジャ本体を互いに離間させる側に付勢する付勢部材とからなり、前記シリンダ体の基端部が前記溝部の内面を押圧すると共に、前記プランジャ本体の先端部が前記ボールを前記係合させる側に付勢するものであり、
    前記溝部は、前記横溝に対して各縦溝が浅く形成されることを特徴とする請求項2に記載の可変動弁機構。
  4. 前記シリンダ体は、その先端部を前記ロッカーアームのプランジャ挿通部に挿通すると共に、基端部を前記シリンダヘッドの溝部に保持させることを特徴とする請求項3に記載の可変動弁機構。
  5. 前記シリンダ体が有底筒状に形成され、該シリンダ体の基端部である底部が前記溝部に保持されると共に、該底部の厚さが溝部の深さと略同一とされることを特徴とする請求項3又は4に記載の可変動弁機構。
  6. 前記各縦溝には、前記各カムの切り替えがなされない通常運転時に前記プランジャが移動することを規制するプランジャ用ストッパが設けられることを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の可変動弁機構。
  7. 前記ロッカーアームシャフトの係合溝が前記プランジャの外径とほぼ同一幅に形成され、この係合溝には前記プランジャが複数配置されると共に、該各プランジャに対応する複数の溝部が前記シリンダヘッドに設けられ、
    前記プランジャ用ストッパは、各溝部それぞれの一対の縦溝の内、一溝部では一側の縦溝にて、他溝部では他側の縦溝にて、それぞれ前記プランジャが移動することを規制することを特徴とする請求項6に記載の可変動弁機構。
  8. 前記シリンダヘッドに別部材からなるホルダを設け、該ホルダに前記溝部が形成されることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の可変動弁機構。
  9. 前記ロッカーアームシャフトの保持部が、ロッカーアームシャフトの外周側に広がるすり鉢状の内周面を有する貫通孔とされ、この保持部内に前記ボールが嵌め込まれると共に、このボールが嵌め込まれた状態のロッカーアームシャフトを前記ロッカーアームに挿通することにより、前記保持部内にボールを脱落不能に保持する一方、
    前記保持部は前記係合溝内に開口し、前記各カムの切り替えがなされるときには、前記ロッカーアームシャフトがシャフト軸方向に移動して前記保持部及びボールをシャフト軸方向で前記プランジャと同位置に移動させ、該保持部内のボールをプランジャにより係合溝の内側からロッカーアームシャフトの外周側に向けて付勢することで、前記ボールを介してロッカーアームとロッカーアームシャフトとを係合させることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の可変動弁機構。
  10. 前記ロッカーアームには、前記各カムの切り替えがなされるときに前記ロッカーアームシャフトがシャフト軸方向に移動した際に、前記保持部及びボールと対向して前記プランジャにより付勢されたストッパボールを係合させるボール係合部が設けられることを特徴とする請求項9に記載の可変動弁機構。

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