JP2012012965A - 燃料供給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料タンク13に固定されるフランジプレート65、及び、燃料タンク13の内部方向へ延出する起立壁66A,66B,66Cを備える下部ケース61と、燃料ポンプを収容するとともに起立壁66A,66B,66Cの内側に沿うように形成されるブラケット部87A,87B,87Cを備える上部ケース81とを備え、起立壁66A,66B,66Cには係合穴75A,75B,75Cが形成され、係合穴75A,75B,75Cがブラケット部87A,87B,87Cに形成された取付け片91A,91B,91Cと係合する燃料ポンプユニット40において、ブラケット部87A,87B,87Cに起立壁66A,66B,66Cよりも高さ方向で突出する突出部92A,92B,92Cが設けられている。
【選択図】図5
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、燃料供給装置において、メンテナンス性を向上することを目的とする。
この構成によれば、上部ケースのブラケット部に、下部ケースの起立壁よりも高さ方向で突出する突出部が設けられているため、起立壁の内側に沿うように形成されるブラケット部を、突出部を押圧等することで内側に変形させることができ、これに伴って取付け片と係合穴との係合を解除できる。これにより、ドライバー等の工具を用いずに、突出部を内側に押圧するだけで取付け片と係合穴との係合を解除できるため、燃料供給装置のメンテナンス性を向上することができる。
この場合、取付け片と突出部とが周方向でオフセットされており、取付け片と突出部との間の距離を確保できるため、突出部を押圧する際のストローク量を大きくでき、係合を解除し易くなるため、メンテナンス性が向上する。
また、前記ブラケット部(87A、87B、87C)の内側にフィルタ(90)が前記プレート(65)と垂直となるように配置され、前記突出部(92A、92B、92C)の少なくとも一つが前記フィルタ(90)に対向するように形成されていても良い。
この場合、ブラケット部とフィルタとの距離を確保できるため、突出部を押圧してブラケット部を変形させる際のストローク量を大きくでき、係合を解除し易くなるため、メンテナンス性が向上する。
この場合、突出部がブラケット部の周方向の端部に設けられ、突出部とブラケット部との境界部の凹凸を無くすことができるため、組み付け及び分解の作業性を向上できる。
また、前記係合穴(75A、75B、75C)は、略等間隔に3つ設けられていても良い。
この場合、係合穴が等間隔に3つ設けられており、バランス良く配置されているため、組み付け及び分解の作業性を向上できる。
また、取付け片と突出部とが周方向でオフセットされており、取付け片と突出部との間の距離を確保できるため、突出部を押圧する際のストローク量を大きくでき、メンテナンス性が向上する。
さらに、突出部がブラケット部の周方向の端部に設けられ、突出部とブラケット部との境界部の凹凸を無くすことができるため、組み付け及び分解の作業性を向上できる。
さらにまた、係合穴が等間隔に3つ設けられており、バランス良く配置されているため、組み付け及び分解の作業性を向上できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る燃料供給装置を備えたオフロード系自動二輪車の左側面図である。
この自動二輪車100の車体フレーム1は、ヘッドパイプ2、メインフレーム3、センターフレーム4、ダウンフレーム5及びロアフレーム6を備え、これらをループ状に連結し、その内側にエンジン7を支持している。エンジン7はシリンダ8及びクランクケース9を備える。メインフレーム3、センターフレーム4及びロアフレーム6はそれぞれ左右一対で設けられ、ヘッドパイプ2及びダウンフレーム5は車体中心に沿って1本で設けられる。
シリンダ8の前部には、排気管20が設けられている。この排気管20は、シリンダ8の前部からクランクケース9の前方へ延出し、右側へ曲げられた後に車体右側を後方に向かって引き回されている。この排気管20の後端にはマフラー22が接続されている。
燃料タンク13は、図2に示すように、側面視において車両前側の下部に直角部分を有する略直角三角形状をなし、上面は後方斜め下がりの斜面をなす比較的小型のものである。燃料タンク13は、その下部が左右のメインフレーム3の間に挟まれるようにしてエンジン7の上方に配置されている。この燃料タンク13の前側部の両側には、メインフレーム3の上面に乗る段部13cが形成されている。また、燃料タンク13の前部には、取付用ブラケット13dが設けられている。この取付用ブラケット13dは、ヘッドパイプ2の後部に設けられたガセット37(図1参照)にボルト止めされている。また、燃料タンク13の上部には、燃料の給油口を開閉自在に塞ぐタンクキャップ13eが取り付けられている。さらに、燃料タンク13の底部13aには、後述する燃料ポンプユニット40(燃料供給装置)が締結される締結部13fが複数設けられている。
燃料ポンプユニット40はシリンダ8の直上に配置され、本構成においては、シリンダ8の中心であるシリンダ軸線C1(図1参照)の軸線方向延長上に重なるように配置されている。燃料ポンプユニット40の配置は、シリンダ軸線C1と一部でも重なっている構成が好ましいが、エンジン7の上方に位置していればよい。この構成では、重量の大きな燃料ポンプユニット40を車体の前後方向でエンジン7の重心の近傍に配置できる。
図2〜図4に示すように、燃料ポンプユニット40は、燃料タンク13の底部13aに固定される下部ケース61と、燃料タンク13内に配置され下部ケース61に着脱可能に設けられる上部ケース81と、上部ケース81に収容されるポンプ本体82(燃料ポンプ)とを備えて構成されている。下部ケース61及び上部ケース81は樹脂製であり、それぞれ樹脂成形によって一体に形成されている。
貯留部70の底面はフランジプレート65よりも下方に設けられており、貯留部70には燃料が貯留されるようになっている。
起立壁66は、フランジプレート65の内周縁において互いに略等間隔をあけて3箇所に設けられる起立壁66A,66B,66Cにより構成され、平面視において円形の並びとなるように配置されている。また、起立壁66は、フランジプレート65に対して略垂直に形成されており、燃料タンク13の内部方向へ延出されている。図3に示すように、周方向において各起立壁66A,66B,66Cの間の部分は、起立壁66が存在しない切り欠き部69A,69B,69Cとなっている。
各ブラケット部87A,87B,87Cは対応する各起立壁66A,66B,66Cの内側面に沿うように設けられている。円形の並びで配置されるブラケット部87と起立壁66とは、同心円の関係にあり、略同軸となるように配置されている。また、各ブラケット部87A,87B,87Cは各起立壁66A,66B,66Cの幅内に収まるように形成されている。
図3に示すように、周方向において各ブラケット部87A,87B,87Cの間の部分は、ブラケット部87が存在しない切り欠き部88A,88B,88Cとなっている。切り欠き部88Bには、ブラケット部87の並び上に壁部89が立設されている。
また、下部ケース61と上部ケース81とは、ブラケット部87と起立壁66とが係合することで結合されており、これについては後述する。
図3及び図5に示すように、上部通路部84は車両の前方へ延びている。図3では矢印Frの方向が車両の前方に対応しており、燃料ポンプユニット40は、上部通路部84が車両の左前方を向くように僅かに回転した状態で配置されている。この状態では、起立壁66Bは車両の後部側に位置し、起立壁66Aは車両の前左側面側に位置し、起立壁66Cは車両の前右側面側に位置している。
すなわち、切り欠き部69C,88C、切り欠き部69A,88A、及び、切り欠き部69B,88Bは、燃料タンク13内の燃料が少なくなっている状態において、貯留部70に流れる燃料が通る流入口となっている。
また、燃料の液面が起立壁66の上端より高い場合には、燃料は起立壁66の上方からも貯留部70に流入する。
また、車両が左右に揺れた場合には、左右の切り欠き部69A,88A及び切り欠き部69B,88Bから貯留部70に燃料が流入し易くなるとともに、ブラケット部87A及び起立壁66Aと、ブラケット部87C及び起立壁66Cとによって貯留部70の燃料が外側に流出することが防止される。このため、残留燃料を効率良く使用できる。
図3及び図6に示すように、上部通路部84の基端84Aの他側面側(右側面)には、燃料の異物等を捕集する板状のフィルタ90がポンプ保持部83に沿うように配置されている。フィルタ90はポンプ本体82の吸込口82Bに接続され、フランジプレート65に対して略垂直となる向きで設けられている。詳細には、フィルタ90はその板面がポンプ保持部83の側面に当接するように配置されており、ブラケット部87Cは、フィルタ90の板面に対向して設けられている。このように、ブラケット部87Cが、フランジプレート65に対して略垂直なフィルタ90と対向して設けられているため、ブラケット部87Cとフィルタ90との間の間隔を大きく確保することができる。
貯留部70内の燃料は、フィルタ90を介してポンプ本体82の吸込口82Bに吸い込まれ、吐出口82Aから上部通路部84に吐出される。上部通路部84の燃料はレギュレータ部85によって圧力を調整され、その後、下部通路部86、接続通路部67、ジョイント管64、及び、供給管(不図示)を通ってインジェクタ(不図示)に供給される。
図7に示すように、下部ケース61の起立壁66A,66B,66Cは、それぞれ略同一高さに延出され、各起立壁66A,66B,66Cの上部には、起立壁66A,66B,66Cを貫通する矩形の窓状の係合穴75A,75B,75Cがそれぞれ形成されている。図3も合わせて参照し、係合穴75A,75B,75Cは、起立壁66A,66B,66Cの幅方向の略中央に位置し、周方向において略等間隔に3箇所に形成されている。
詳細には、燃料ポンプユニット40の中心に対応する起立壁66の中心Gと各係合穴75A,75B,75Cの幅方向の中央部とを結ぶ各線分Sは、略120°間隔で配置されている。
また、ブラケット部87Bの下部には、上下に延びるスリット97(図8参照)が形成されており、このスリット97が、下部ケース61に設けられた位置決め突起(不図示)に係合されることで、下部ケース61と上部ケース81とは周方向に位置決めされる。
また、突出部92A,92B,92Cは、各ブラケット部87A,87B,87Cにおける周方向の端部に形成されている。このため、周方向の端部における突出部92A,92B,92Cと各ブラケット部87A,87B,87Cの境界部93(図8参照)に凹凸やエッジが形成されていない。
詳細には、各突出部92A,92B,92Cは、各ブラケット部87A,87B,87Cの内側に位置する部材からの距離をより大きく確保できるように周方向にオフセットして配置されている。すなわち、突出部92Aは上部通路部84からの距離を確保するために後方側にオフセットされ、突出部92Bはポンプ保持部83からの距離を確保するためにポンプ保持部83から離れる側にオフセットされ、突出部92Cはフィルタ90からの距離を確保するために後方側にオフセットされている。これにより、各突出部92A,92B,92Cを内側に押圧する際のストローク量を大きく確保することができる。
さらに、各突出部92A,92B,92Cと各取付け片91A,91B,91Cとが周方向にオフセットされており、押圧される各突出部92A,92B,92Cと各取付け片91A,91B,91Cとの間の距離が大きくなるため、突出部92A,92B,92Cの押圧に要する力が小さくなり、ストローク量を確保し易い。
下部ケース61と上部ケース81とを組み付ける場合には、下部ケース61と上部ケース81との周方向の位置を合わせた状態で、下部ケース61の起立壁66A,66B,66C内に上部ケース81のブラケット部87A,87B,87Cを挿入していき、取付け片91A,91B,91Cを係合穴75A,75B,75Cに係合させれば良い。この際、取付け片91A,91B,91Cの斜面部96が起立壁66A,66B,66Cの内周面に当接して起立壁66A,66B,66Cを押し広げるため、簡単に係合させることができる。また、作業者は、突出部92A,92B,92Cを掴んで外側に広げることで、取付け片91A,91B,91Cを係合穴75A,75B,75Cに簡単に係合させることができ、メンテナンス性が良い。
そして、突出部92A、突出部92Bを順に押圧して係合を解除していけば良い。このため、3箇所の取付け片91A,91B,91Cを同時に解除する必要が無いとともに、係合が解除された状態を維持するために作業中に突出部92A,92B,92Cを押圧しておく必要がなく、メンテナンス性が良い。
次いで、3箇所の係合を解除した後に、上部ケース81を下部ケース61から引き抜くことで下部ケース61から上部ケース81を分離できる。その後、フィルタ90やポンプ本体82のメンテナンスを行なうことができる。
また、ブラケット部87A,87B,87Cの境界部93に凹凸やエッジが形成されていないため、凹凸やエッジが作業の邪魔になることが無く、メンテナンス性が良い。
また、ブラケット部87Cの内側にフィルタ90がフランジプレート65と垂直となるように配置され、突出部92Cがフィルタ90に対向するように形成されており、ブラケット部87Cとフィルタ90との距離を確保できるため、突出部92Cを押圧してブラケット部87Cを変形させる際のストローク量を大きくでき、係合を解除し易くなるため、メンテナンス性が向上する。
また、係合穴75A,75B,75Cが等間隔に3つ設けられており、バランス良く配置されているため、組み付け及び分解の作業性を向上できる。
上記実施の形態では、下部ケース61と上部ケース81とは、係合穴75A,75B,75Cに取付け片91A,91B,91Cが3箇所で係合されることで結合されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、係合穴及び取付け片の個数は変更しても良い。例えば、ポンプ保持部83を挟むように対向して配置された2組の起立壁及びブラケット部にそれぞれ係合穴、取付け片及び突出部を設け、2箇所で係合させるように構成しても良い。
また、上記実施の形態では、一つの突出部92Cがフィルタ90に対向するように形成されているものとして説明したが、突出部は少なくとも一つがフィルタに対向していれば良く、係合穴及び取付け片を有する一対の起立壁及びブラケット部をフィルタ90の近傍に設け、このブラケット部にフィルタ90に対向するように突出部を追加しても良い。
また、上記実施の形態では、係合穴75A,75B,75Cは起立壁66A,66B,66Cを貫通するものとして説明したが、これに限らず、取付け片が係合可能であれば係合穴は貫通していなくとも良い。また、自動二輪車100の細部構成については任意に変更可能であることは勿論である。
40 燃料ポンプユニット(燃料供給装置)
61 下部ケース
65 フランジプレート(プレート)
66A、66B、66C 起立壁
75A、75B、75C 係合穴
81 上部ケース
82 ポンプ本体(燃料ポンプ)
87A、87B、87C ブラケット部
90 フィルタ
91A、91B、91C 取付け片
92A、92B、92C 突出部
Claims (5)
- 燃料タンク(13)に固定されるプレート(65)、及び、前記燃料タンク(13)の内部方向へ延出する起立壁(66A、66B、66C)を備える下部ケース(61)と、燃料ポンプ(82)を収容するとともに前記起立壁(66A、66B、66C)の内側に沿うように形成されるブラケット部(87A、87B、87C)を備える上部ケース(81)とを備え、
前記起立壁(66A、66B、66C)には係合穴(75A、75B、75C)が形成され、該係合穴(75A、75B、75C)が前記ブラケット部(87A、87B、87C)に形成された取付け片(91A、91B、91C)と係合する燃料供給装置において、
前記ブラケット部(87A、87B、87C)に前記起立壁(66A、66B、66C)よりも高さ方向で突出する突出部(92A、92B、92C)が設けられたことを特徴とする燃料供給装置。 - 前記起立壁(66A、66B、66C)及び前記ブラケット部(87A、87B、87C)は同心円状に形成され、前記取付け片(91A、91B、91C)と前記突出部(92A、92B、92C)とは周方向でオフセットされていることを特徴とする請求項1記載の燃料供給装置。
- 前記ブラケット部(87A、87B、87C)の内側にフィルタ(90)が前記プレート(65)と垂直となるように配置され、前記突出部(92A、92B、92C)の少なくとも一つが前記フィルタ(90)に対向するように形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の燃料供給装置。
- 前記突出部(92A、92B、92C)は前記ブラケット部(87A、87B、87C)の周方向の端部に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の燃料供給装置。
- 前記係合穴(75A、75B、75C)は、略等間隔に3つ設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の燃料供給装置。
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