JP2012006222A - 型内被覆成形用金型及び型内被覆成形方法 - Google Patents

型内被覆成形用金型及び型内被覆成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 雄型と雌型が組み合わされた金型を使用して、樹脂成形品の成形後に、雌型を交換してから、型内で成形した樹脂成形品を塗料によって被覆する型内被覆成形において、雌型を交換した後、樹脂成形品を塗料で被覆する際に生じる塗料の漏れを防止する。
【解決手段】 本発明によれば、雄型と第1の雌型とにより形成される金型キャビティの端部に補助キャビティ部を形成することによって、樹脂成形品の端部に突起部を形成する。そして、樹脂成形品の成形後に、雌型を交換してから、第2の雌型と雄型を組み合わせる際に、該突起部に、金型開閉方向に伸びる金型キャビティ面を嵌合させることによって、塗料漏れを防止するためのシール部を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金型内で基材樹脂により成形した樹脂成形品を塗料によって被覆(塗装と称することもある)するに好適な型内被覆成形方法、並びに、それに用いるに好適な型内被覆成形用金型に関する。
従来から、装飾性を高める手段として表面を塗料で被覆する方法が知られており、樹脂成形品の表面に塗膜を形成する方法の一つとして、金型内で樹脂成形品の成形と被覆をおこなう型内被覆成形方法(インモールドコーティング方法と称されることもある)が知られている。
型内被覆成形方法の1例を、以下、簡略に説明する。
従来技術による型内被覆成形方法では、まず、第一ステップとして、射出成形機の型締装置に雄型と雌型(第1の雌型と称することもある)を取り付けるとともに、該型締装置によって、両型が組み合わされるように型締めする。
そして、両型を組み合わせた状態で、雄型と雌型との間に金型キャビティを形成してから、該金型キャビティ内に溶融樹脂を射出して、熱可塑性樹脂を基材とした樹脂成形品を成形する。そして、該樹脂成形品が金型内で冷却されて固化した後、金型を型開きして雄型と雌型を分離する。
次に、第2ステップとして、前記した第1の雌型を、第2の雌型に交換してから、型締装置により両型が組み合わされるように再度型締めする。
ここで、第2の雌型の金型キャビティについて、第1の雌型に比較してキャビティ寸法を、わずか大きめに形成することによって、該両型を組み合わせた状態で、すでに成形された樹脂成形品と、金型キャビティ面との間に、塗料を注入するための隙間を形成する。
そして、第3ステップにおいては、該隙間に塗料注入機を使用して塗料を注入することにより樹脂成形品の表面を被覆して、塗料が硬化した後に、金型を開いて被覆された樹脂成形品を金型より取り出す。
前記従来の型内被覆成形方法によれば、熱可塑性樹脂の成形と被覆を金型内で行うことができるので、効率良く型内被覆成形品を得ることができる。
前述したような金型の一部を交換する型内被覆成形方法の従来技術として、特許文献1に例を示めすような技術が公知である。
特開2005−161683号公報
なお、前述した従来技術においては、塗料注入中に金型からの塗料漏れを防止するということが、重要な課題となる。特許文献1に開示された技術においては、第1の移動型(雌型)によって、型開閉方向に対して略直行する方向に伸びる金型のパーティング面に沿うようにして伸びる突条を、樹脂成形品の端部に形成しておき、その後、第2の移動型(雌型)の型閉動作により、両金型のパーティング面の間に、該突条を挟み込んで押しつぶすことによって、塗料が漏れ出さないようにシール部分を形成する。
しかし、前述した特許文献1に開示された技術において、金型の開閉方向に略直行する方向に伸びる金型のパーティング面に対して、沿うように伸びる前述した突条を、金型の型閉動作によって、両金型のパーティング面の間に挟み込んで押しつぶした場合には、シールした状態で、移動型である雌型の位置をそれ以上に閉めこんで調整することができない。そのため、塗料を注入するために形成した樹脂成形品と金型キャビティ面との間の隙間寸法について、微調整することが難しく、塗料の厚みを十分に制御できない場合がある
特に、塗料の注入量によって塗膜の厚みを調整する型内被覆成形方法においては、塗料を注入した後に型内で塗料を拡張させなければならない必要性から、塗料の漏れをシールした状態で、さらに型閉動作して、前記隙間の寸法を小さくすることが必要である。
しかし、前述した従来技術は、型閉動作によって型内で塗料を拡張させることができないから、極めて高い注入圧力を備えた塗料注入機を使用する必要があり、高い漏れ防止機能が必要となると同時に、その漏れ防止機構は極めて大きくなる、或いは複雑な構造のものとなる。
さらに言えば、前記した従来方法においては、塗料の硬化収縮があると金型をそれ以上に閉じられないから、塗料に対して圧力を負荷し続けることが困難である。
そのため、塗膜の表面にしわが発生する、或いは又、空気が逆流してシダ状の表面不良が発生する可能性が高い。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、型内被覆成形品の成形中に、塗料漏れを防止して、塗膜厚みを適正に保つことができる型内被覆成形方法、並びに型内被覆成形用金型を提供するものである。
上記の目的を達成するため、本発明による型内被覆成形用金型は、
(1) 雄型、並びに第1の雌型及び第2の雌型を備えて、
第1の雌型と雄型を組み合わせて型締めすることにより樹脂成形品を成形するための金型キャビティを形成するとともに、第2の雌型と雄型を組み合わせて型締めすることにより、該第1の雌型と雄型との間で成形した該樹脂成形品と、金型キャビティとの間に塗料を注入するための隙間を形成する金型キャビティを形成する型内被覆成形用金型において、該雄型と該第1の雌型とにより形成される金型キャビティの端部に補助キャビティ部を形成し、該第2の雌型と雄型を組み合わせて型締めする際に、該補助キャビティ部で成形した突起部に、金型開閉方向に伸びる金型キャビティ面を嵌合させることにより、塗料漏れをシールするためのシール部を形成する。
(2) (1)に記載の型内被覆成形用金型において、前記突起部の厚みが、金型閉方向に進むほど大きくなる構成とした。
(3) (1)又は(2)に記載の型内被覆成形金型において、前記突起部の厚みが、0.1mmから0.3mmまでの範囲にあることを構成とした。
上記の目的を達成するため、本発明による型内被覆成形用方法は、
(4) (1)に記載の型内被覆成形用金型を用いて、第1の雌型と雄型を組み合わせて形成した第1の金型キャビティに溶融樹脂を充填する第1の工程、該第1の金型キャビティに溶融樹脂を充填した後に、該金型キャビティ内に充填した溶融樹脂の型内平均圧力が2〜10MPaとなる金型の型締力にて、該溶融樹脂の熱収縮に合わせながら該第1の金型キャビティの容積量を減少させ溶融樹脂を賦形して樹脂成形品を成形する第2の工程、該第1の雌型と雄型を開いても樹脂成形品が損傷しない程度にまで冷却されて固化した後、該第1の雌型を第2の雌型に交換する第3工程、該第2の雌型と雄型を組み合わせて形成した第2の金型キャビティに塗料を注入した後、該第2の工程と略同一の型締力にて金型を型締めすることにより、該第2の金型キャビティの容積量を減少させて塗料を拡張させながら樹脂成形品の表面を被覆する第4の工程を備えて、第1の工程から第4の工程までを順次おこなう。
(5) (4)に記載の型内被覆成形方法において、前記第4の工程で塗料を拡張させた後、さらに塗料の硬化収縮に合わせながら金型キャビティの容積量を減少させるように金型を型閉めする請求項4記載の型内被覆成形方法。
本発明の型内被覆成形用金型によれば、樹脂成形品の端部に形成した突起部に対して、金型の開閉方向に伸びる金型キャビティ面を嵌合させることによって、塗料漏れを防止するためのシール部を形成する。本発明によれば、シール部を形成した状態のままで、金型をさらに型開閉することが可能であり、塗料を注入するために形成した樹脂成形品と金型キャビティ面との間の隙間寸法を、自在に調整することができるので、必要な厚み寸法の塗膜で樹脂成形品を被覆することができる。
また、前記突起部の厚みが、金型閉方向に進むほど大きくなる構成とすれば、第2の雌型を勘合させた際に、より強力なシール部を形成することが可能である。
さらに、前記突起部の厚みが、0.1mmから0.3mmまでの範囲にあるように構成すれば、嵌合する際においても大きな力を必要とせず、十分なシール機能を果たせる。
本実施形態による型内被覆成形用金型の構造を概念的に説明するための図である。 本実施形態による型内被覆成形用金型を用いた型内被覆成形の際における樹脂挙動を説明するための概念図である。 本実施形態による金型の要部断面図である。 本発明に係わる他の実施形態による金型の要部断面図である。
以下、図面に基づき本発明に係わる実施形態の好ましい例を説明する。
なお、以下に図を例示して説明する本実施形態においては、可動盤に取り付けた可動型が雌型であり、固定盤に取り付けた固定型が雄型である。
しかしながら、本発明の適応できる範囲はこれに限るものではなく、図2(4)に図示されて後述される一方の型の交換直前の工程の際において、樹脂成形品が残っている側の型を雄型と称し、樹脂成形品が外れて残らない側の型を雌型と称しているのであって、本発明の技術思想を逸脱しない範囲であれば、例えば、可動盤に取り付けた可動型を雄型として、固定盤に取り付けた固定型を雌型とするような実施形態であっても、勿論良い。
図1から図3は本発明による型内被覆成形用金型の実施形態(第1の実施形態)に係わり、図1は金型構造を概念的に説明するための図であって(1)は第1の可動型と固定型の組み合わせを示し、(2)は第2の可動型と固定型の組み合わせを示す図である。
図2は第1の実施形態において金型内の樹脂の挙動を説明するための図である。図3は金型内にシール部を形成する際における樹脂の挙動を説明するための図であり、(1)は図2(3)におけるA部詳細を示す要部断面図であって(a)は説明のため仮想的に樹脂がない状態を示した図であり(b)は樹脂が入っている状態を示している。
また、図3(2)は、図2(6)におけるB部詳細を説明するための要部断面図であって(a)は説明のため仮想的に樹脂がない状態を示した図であり(b)は樹脂が入っている状態を示している。
図4は本発明による他の実施形態(第2の実施形態)に係わり、シール部形成の挙動を説明するための要部断面図であり、(1)は図2(3)のA部詳細に相当する部分を説明するための要部断面図であり、(2)は図2(6)のB部詳細に相当する部分を説明するための要部断面図である。
以下、本発明の実施形態による型内被覆成形用金型100(金型100と称することもある)の好ましい1例について、その構造を、図1を用いて説明する。
本実施形態による金型100は、図1(1)及び(2)に示すように、第1の雌型(本実施形態においては可動型5と称することもある)、第2の雌型(本実施形態においては可動型6と称することもある)、及び雄型(本実施形態においては固定型3と称することもある)を備えており、さらに、第2の可動型6の中には塗料注入機50等を備えている。また、金型100においては、固定型3に射出ノズルを当接させて、基材としての樹脂を、後述する第1の金型キャビティ15内に射出供給することができる構造となっている。なお、図1に示した金型100においては、後述する図2(4)の工程の際において、樹脂成形品が残る固定型3を雄型とし、樹脂成形品が残らない可動型側、即ち第1の可動型5及び第2の可動型6を雌型とする。
そして、金型100においては、後述する樹脂を成形する工程において、図1(1)に示したように、第1の可動型5と固定型3を組み合わせて使用し、樹脂成形品を成形することができ、また、樹脂成形品の成形後、第1の可動型5を交換して、図1(2)のように第2の可動型6と固定型3を組み合わせて使用することにより、樹脂成形品の上に塗料による被覆を施すことが可能である。
ここで、金型100は、図1(1)に示すように、雄型である固定型3と、雌型である第1の可動型5とが組み合わされて、その内部に、所望の樹脂成形品を成形するために必要な第1の金型キャビティ15を形成する構造となっている。
そして、第1の可動型5について、その金型キャビティ形状の詳細を説明すれば、第1の金型キャビティ15を形成するために、金型キャビティ面5V及び5H等を備えるとともに、第1の金型キャビティ15の端部に、補助キャビティ面5Aを配している。
ここで、図3(1)の(a)に参考図を示すように、補助キャビティ面5Aは、第1の可動型5の金型キャビティ面5Hから延び出て、反樹脂成形品側(図3においては固定型側)に進むほどキャビティ空間を拡大させる方向に、その外郭寸法が徐々に大きくなるようにして、テーパー加工が施されている。
従って、第1の可動型5の補助キャビティ面5Aは、後述する固定型3の金型キャビティ面と組み合わさって、図3(1)の(a)に示すような補助キャビティ20を形成し、金型内に樹脂が充填された際においては、図3(1)の(b)に示すような突起部Tを形成する。
なお、本実施形態において、補助キャビティ面5Aは、前述したように金型キャビティ面5Hの端部に連なり、該端部の周囲を周りから囲みこむようにして全周に形成されている。従って、後述する樹脂成形を行った後、前述した補助キャビティ部20により成形された突起部Tは、第1の金型キャビティ15を、周りから囲むようにして形成される。
ここで、本実施形態における金型100は、樹脂成形品の表面の片側に被覆を施すことを目的として製作されている。
従って、金型100の第2の可動型6には、塗料注入機50が取り付けられており、金型キャビティ面6V等に配設された塗料注入ノズルを介して、第2の金型キャビティ16内に塗料を注入することができるように構成されている。
また、金型100は、図1(2)に示すように、雄型である固定型3と、雌型である第2の可動型6とが組み合わされて、その内部に、塗料を注入するために必要な第2の金型キャビティ16を形成する構造となっている。
なお、本実施形態において、塗料注入機50は、図示しない駆動装置によって駆動されており、所望する量の塗料を正確に、第2の可動型6の金型キャビティ面6Vより、第2の金型キャビティ16内に、注入することができるように構成されている。
第2の可動型6と固定型3とが組み合わされて形成される金型キャビティ16の形状について説明すれば、前述した樹脂成形品の寸法より、塗料を被覆する分だけわずかに大きく寸法が形成されており、後述する塗料注入の工程において、図3(2)の(b)に示すような塗料を注入するための隙間Sを形成することが可能である。
さらに、第2の可動型6の金型キャビティ面6Hの端部については、前述した第1の可動型5の補助キャビティ面5Aのように、反樹脂成形品側に進むほど拡大するように加工されてはおらず、図3(2)の(a)を見れば明確なように、金型キャビティ16の側面部にあたる金型キャビティ面6Hと同一寸法で形成されており、その外郭寸法が大きくなるように形成されてはいない。
従って、前述した突起部Tを有した樹脂成形品が固定型3に残った状態で、第2の可動型5と固定型3を型閉して型締めした場合には、金型開閉方向に伸びる第2の可動型6の金型キャビティ面6Hによって、突起部Tを金型開閉方向に直行する方向に押しつぶしながら嵌合することによって、塗料漏れをシールするためのシール部を形成する。
なお、本実施形態においては、好ましい形態の1例として、図1及び図3に示すような形状の補助キャビティ20を形成する金型100を使用したが、本発明の適応できる範囲の金型構造は、これに限るものではなく、例えば、図4に示したような補助キャビティとシール部を形成するような金型でも良く、塗料で被覆する際の工程において、第2の可動型(雌型)と固定型(雄型)を組み合わせて型締めする際に、補助キャビティ部で成形した突起部に対して、金型開閉方向に伸びる金型キャビティ面を嵌合させることにより、塗料漏れを防止するためのシール部を形成することのできる金型なら良く、本発明の技術思想の範囲を逸脱しない範囲で変更は可能である。
以下、金型100を用いた型内被覆成形方法について説明する。
まず、図示しない射出成形機の型締装置に、図2(1)のように示すように取り付けられた第1の可動型5と固定型3を、図2(2)に示したように組み合わせて型閉及び型締めして、第1の金型キャビティ15を形成する。
次に、図2(3)に示すように、基材である熱可塑性樹脂を第1の金型キャビティ15内に射出(本実施形態に係わる型内被覆成形においては基材としてポリプロピレン樹脂を用いる)する。
ここで、本実施形態においては、射出充填する樹脂の量は、所望する樹脂成形品の寸法に相当する樹脂の容積に略樹脂の冷却収縮分の容積を多めに加えた量とし、、金型100の型締力を小さめに設定することにより、樹脂の充填圧力により金型100がわずかに開いた状態となるように調整した。
そして、樹脂の射出充填完了後、該金型キャビティ内に充填した溶融樹脂の型内平均圧力が2MPa以上で10MPa以下となる金型の型締力にて、第1の可動型5を固定型3側の方向に移動させて、溶融している基材樹脂の熱収縮に合わせながら金型キャビティ15の容積を徐々に減少させて、基材樹脂を成形する。
なお、本実施形態においては、型締力が金型キャビティの樹脂に負荷される状態として、前述の型締力を200KNとした。また、本実施形態においては、金型型開閉方向から見た製品の投影面積が、500cmであるので、第1の金型キャビティ内に充填した溶融樹脂の型内平均圧力が4MPaとなる。
そして、基材樹脂により樹脂成形品を成形後、金型を開いても樹脂成形品の表面が大きく損傷しない程度にまで冷却固化した段階で、図2(4)に示すように金型100を一旦、開いてから次の工程に進む。なお、この際においては、雄型である固定型3に樹脂成形品が残った状態となっている。そして、図2(5)に示すように、樹脂成形品が外れて残っていない雌型側の型である第1の可動型5を、第2の可動型6に交換する。
ここで、成形中に、第1の可動型5を第2の可動型6に交換する方法については、例えば、第1の可動型5と第2の可動型6をスライド装置上に縦方向、或いは横方向に2つ並べて配置して成形中にスライド装置を作動させて金型交換するスライドチェンジ方式や、回転盤上に2つ並べて配置して成形中に回転盤を回転させることによって交換するロータリチェンジ方式など、公知の装置と方法を使用して交換することが可能である。
前述の工程により、第1の可動型5を第2の可動型6に交換した後、図2(6)に示すように、第2の可動型5と固定型3を組み合わせて、型閉めして、第2の金型キャビティ16を形成する。ここで、前述したように第2の可動型6と固定型3とが組み合わされて形成される第2の金型キャビティ16の形状は、前述した工程で成形した樹脂成形品の寸法よりわずかに塗料を注入して被覆する分だけ大きく形成されているから、図3(2)の(b)に示すような塗料を注入するための隙間Sを形成することが可能である。
ここで、第2の可動型6の金型キャビティ面6Hの端部は、基本的に金型キャビティ面6Hと、同一寸法で形成されて、金型開閉方向に直線的に伸びている形状になっている。
従って、固定型3に樹脂成形品が残った状態で、第2の可動型6と固定型3を組み合わせて型閉及び型締した場合には、金型開閉方向に伸びている金型キャビティ面6Hの端部が、第1の可動型5と固定型3とで成形した突起部Tを、金型開閉方向に略直行する方向に押しつぶしながら、嵌合することによって、塗料漏れをシールするためのシール部を形成する。図3の(1)の(b)と、図3の(2)の(b)を比較すれば明確であるが、金型キャビティ面6Hの端部が、突起部Tの先端(外側部分)を押しつぶした状態で、嵌め合わさっている。
そして、金型キャビティ面が突起部Tを押しつぶしながら嵌め合わさり、第2の可動型の金型キャビティ面と樹脂成形品Jとの間に隙間Sが形成された状態で、次工程に進み、塗料注入機50から塗料注入ノズルを介して、金型キャビティ16の隙間S内に塗料を注入する。そして、金型キャビティ16の隙間S内に塗料を注入した後、前記第2の工程と略同一の型締力にて金型100を型締めすることにより、金型100をさらに、型締しながら、隙間Sの中に注入した塗料を拡張させて、樹脂成形品Jの表面を被覆する。
本実施形態においては、その後、塗料を硬化させて、樹脂成形品Jを塗料で被覆した後、被覆した樹脂成形品Jを、製品として金型100から取り出す。
なお、本実施形態においては、この際において、図3(2)の(b)に示すように、金型開閉方向に伸びている金型キャビティ面6Hの端部に対して、前工程で成形した突起部Tを嵌合させてシール部を形成している。
従って、例えば、図3(2)の(b)に示すように、第2の可動型6と固定型3のパーティング面間にも隙間Lを残すような寸法関係で、第2の可動型6を形成しておけば、前記したシール部を形成した状態のままで、さらに第2の可動型5を固定型3の方向に移動させながら成形することが可能である。
つまり、本実施形態によれば、シール部を形成した状態のままで、第2の可動型6(雌型)を、さらに固定型3の方向に型閉して型締めできるのであって、成形の際において、シール部を形成した状態のままで、塗料を注入するために形成した隙間Sの寸法を調整することが可能である。
前述した特許文献1の従来技術のように、樹脂の突条を金型のパーティング面の間に挟み込んで押しつぶすことによって、シール部を形成する方法においては、シール部を形成したままの状態で、さらに第2の移動型を固定型の方向に移動させることは難しく、言い換えれば、シール部を形成した状態のままで、塗料を注入するために形成した隙間Sの寸法を、自在に調整することは困難である。
特に、塗料の注入量によって塗膜の厚みを調整する型内被覆成形方法においては、塗料を注入した後に、塗料の漏れをシールした状態で、さらに型閉して型締めする必要があるので、本実施形態による金型100を用いるのは好適である。
なお、本実施形態では前述した第4の工程において、第2の工程と同様に金型100をわずかに開いた状態とすることにより型締力が金型キャビティの塗料並びに樹脂に負荷される状態として、型締力を200KNとした。従って、本実施形態においては、第2の金型キャビティ内に充填した塗料の型内平均圧力も、前述した第2の工程と同様に、4MPaとなる。
仮に、第2の工程と第4の工程の型締力が大きく異なる場合は、第2の工程と第4の工程で、それぞれ金型の変形が異なるので、それぞれの金型変形を勘案して突起部T等の形状を検討してシール部を形成する必要がある。
それに対して、本実施形態では、第2の工程と第4の工程の型締力を略同一にすることにより、第2の工程と第4の工程の際の金型変形モード並びに変形量が近似させている。そのため、金型キャビティ面6Hと突起部Tは、成形時の金型変形に影響を受けにくく、期待した状態のシール部を形成しやすいという効果を有するという点で好ましい。
なお、本発明における略同一とは、概ね±5MPa以内の数値を意図するが、好ましくは±3MPa以内である。
また、突起部Tの厚みが、金型閉方向に進むほど大きくなるように形成できる金型形状とすれば、第2の可動型6(雌型)を勘合させた際において、より強力なシール部を形成することが可能であり好ましい。
なお、前記突起部の厚みが、0.1mm以上あればシール機能を果たせる。また、突起部の厚みが0.3mm以内であれば、嵌合する際においても大きな力を必要とせず、第2の金型との型閉時に突起部が引きちぎられる可能性も少ない。
従って、前記突起部の厚みが、0.1mmから0.3mmまでの範囲にあるように構成することが好ましい。
さらに、本実施形態による金型100によれば、第2の可動型6(雌型)と固定型3(雄型)のパーティング面との間に樹脂が介在して残るという危険性が極めて少ないから、両型間のパーティング面の間に残った樹脂が、金型パーティング面を損傷させるといった従来技術の問題点も防止できる。
さらに本実施形態においては、金型100をわずかに開いた状態で塗料注入が可能であるから、塗料注入時に高い注入圧力を必要としない。そのため、注入機の仕様を低圧化できるという利点を有する。
それに比較して、金型を開かないで状態で塗料を注入する従来の成形方法を使用した場合には、塗料の硬化収縮による型内での圧力低下を補償できないため、塗料注入時に極めて高い注入圧力を使用して収縮分以上に圧縮する必要があった。そのため、前述の従来成形方法は塗料注入機、或いは金型の高圧仕様化を招き、結果として、構造の複雑で大型の装置を使用することになるので、効率が良くない。
本発明の適応範囲は特に限定されないが、自動車部品、或いは家電品等において使用される樹脂の表面を塗料で被覆した型内被覆成形品において、特に好ましく適用できる。
3 固定型(雄型)
5 第1の可動型(雌型)
6 第2の可動型(雌型)
15 第1の金型キャビティ
16 第2の金型キャビティ
20 補助キャビティ
50 塗料注入機
100 金型

Claims (5)

  1. 雄型、並びに第1の雌型及び第2の雌型を備えて、
    第1の雌型と雄型を組み合わせて型締めすることにより樹脂成形品を成形するための金型キャビティを形成するとともに、
    第2の雌型と雄型を組み合わせて型締めすることにより、該第1の雌型と雄型との間で成形した該樹脂成形品と、金型キャビティとの間に塗料を注入するための隙間を形成する金型キャビティを形成する型内被覆成形用金型において、
    該雄型と該第1の雌型とにより形成される金型キャビティの端部に補助キャビティ部を形成し、該第2の雌型と雄型を組み合わせて型締めする際に、該補助キャビティ部で成形した突起部に、金型開閉方向に伸びる金型キャビティ面を嵌合させることにより、塗料漏れをシールするためのシール部を形成することを特徴とした型内被覆成形用金型。
  2. 前記突起部の厚みが、金型閉方向に進むほど大きくなることを特徴とした請求項1記載の型内被覆成形用金型。
  3. 前記突起部の厚みが、0.1mmから0.3mmまでの範囲にあることを特徴とした請求項1又は請求項2記載の型内被覆成形用金型。
  4. 請求項1記載の金型を用いて、
    第1の雌型と雄型を組み合わせて形成した第1の金型キャビティに溶融樹脂を充填する第1の工程、
    該第1の金型キャビティに溶融樹脂を充填した後に、該金型キャビティ内に充填した溶融樹脂の型内平均圧力が2〜10MPaとなる金型の型締力にて、該溶融樹脂の熱収縮に合わせながら該第1の金型キャビティの容積量を減少させ溶融樹脂を賦形して樹脂成形品を成形する第2の工程、
    該第1の雌型と雄型を開いても樹脂成形品が損傷しない程度にまで冷却されて固化した後、該第1の雌型を第2の雌型に交換する第3工程、
    該第2の雌型と雄型を組み合わせて形成した第2の金型キャビティに塗料を注入した後、該第2の工程と略同一の型締力にて金型を型締めすることにより、該第2の金型キャビティの容積量を減少させて塗料を拡張させながら樹脂成形品の表面を被覆する第4の工程を備えて、
    第1の工程から第4の工程までを順次おこなう型内被覆成形方法。
  5. 前記第4の工程で、塗料を拡張させた後、さらに塗料の硬化収縮に合わせながら金型キャビティの容積量を減少させるように金型を型閉めする請求項4記載の型内被覆成形方法。
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