JP2012006188A - スプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物の皮膜を有する反射シート - Google Patents

スプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物の皮膜を有する反射シート Download PDF

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Abstract

【課題】耐候性、耐熱性及び耐光性等の諸特性に優れ、ダレ、ユズ肌及び熱履歴による黄変が抑えられた反射皮膜を有する反射シートを提供することを目的とする。
【解決手段】スプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物で形成された反射皮膜を有する反射シートであって、前記スプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物が、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂、(B)熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末及び/または金属酸化物粉末、(C)光重合開始剤、(D)希釈剤、(E)エポキシ化合物、(F)酸化チタン及び(G)溶剤を含有することを特徴とする反射シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、スプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物組成物の反射皮膜を有する反射シートに関し、特に、太陽電池モジュールのバックシートとして使用できる反射シートに関するものである。
化石エネルギー源の燃焼時に発生する二酸化炭素の増加に起因した地球温暖化や、NOX、SOXの放出による大気汚染といった環境破壊への対策が急務となっている。そこで、近年、太陽光から直接電気を得ることができる太陽電池が、環境負荷の無い新エネルギー源として注目されている。太陽電池は複数の光起電力素子が組み合わされており、数枚〜数十枚の光起電力素子を直列、並列に配線した構造となっている。また、太陽電池は長期間にわたって自然環境中に設置されるので、光起電力素子を保護するためにカバー材料でパッケージングした太陽電池モジュールとして使用されている。
具体的には、太陽電池モジュールは、太陽光が当たる面側から順に、ガラスや透明なプラスチック等からなる上部透明材料と、エチレン酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂からなる封止層と、光起電力素子を直列、並列に配線した複数枚の太陽電池セルと、封止層(前記封止層と同様の層)と、太陽電池バックシートとが積層されている。
前記太陽電池のバックシートは裏面側の保護部材として設置されるものであり、一般的に、耐衝撃性に優れた材料が使用されている。また、バックシートは、太陽電池モジュールへの入射光を有効に利用して電力変換効率を高めるために、高い反射能を有する白色系の色調を有するものが求められている。一方で、太陽電池モジュールは、上記のように自然環境に長期間設置されるので、太陽電池バックシートには、封止層との接着性が良好で、耐候性、耐湿性等の諸特性に優れることが求められている。そこで、太陽電池モジュールを構成する封止層と貼り合わされる最内面に、酸化チタンを主成分とする白色顔料で着色されたポリアクリル酸樹脂からなる接着性塗布層を備えた太陽電池バックシートが提案されている(特許文献1)。
しかし、上記従来の太陽電池バックシートでは、太陽電池モジュールは過酷な自然環境に曝されることから、長期間にわたって日射、太陽熱及び湿気等の影響を受けることによって、次第に光反射性が劣化していくという問題があった。
一方で、太陽電池バックシート用の白色塗料として光硬化性樹脂組成物を使用する場合、塗膜を加熱して硬化させたときに変色が起こって着色することがあり、光反射率が低下していた。そこで、紫外線や熱による変色及び反射率の低下を抑えるための光硬化性樹脂組成物として、(A)脂環骨格エポキシ樹脂から得られ、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)チオール系化合物、(C)光重合開始剤、(D)希釈剤、(E)ルチル型酸化チタン、および(F)エポキシ系熱硬化性化合物を含有する感光性樹脂組成物が知られている(特許文献2)。
しかし、特許文献2の感光性樹脂組成物でも、なお、塗膜の表面が黄色に変化して反射率が低下してしまうという問題が残っていた。さらに、特許文献2の感光性樹脂組成物では、スクリーン印刷法等、従来の塗工方法を使用しているが、生産効率をより向上させるために、シート等へ塗工する時間の短縮化、手間の省力化という要求も高まっている。
そこで、近年、スプレーによる塗工も検討されている。しかし、スプレーによる塗工は、溶媒使用量が多くなって環境に大きな負荷がかかり、硬化塗膜にダレやユズ肌が生じて仕上がり外観が悪くなってしまうという問題があった。
特開2010−109240 特開2008−211036
本発明は、上記事情に鑑み、耐候性、耐熱性及び耐光性等の諸特性に優れ、ダレ、ユズ肌及び熱履歴による黄変が抑えられた反射皮膜を備えた反射シートを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、スプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物で形成された反射皮膜を有する反射シートであって、前記スプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物が、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂、(B)熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末及び/または金属酸化物粉末、(C)光重合開始剤、(D)希釈剤、(E)エポキシ化合物、(F)酸化チタン及び(G)溶剤を含有することを特徴とする反射シートである。
本発明では、反射シートの反射皮膜には、上記したスプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物の硬化物が用いられる。そして、白色硬化性樹脂組成物の粘度及びチキソ性(チキソ比)の調整に、(B)熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末及び/または金属酸化物粉末を用いることにより、反射率の低下を抑制し、黄変を防止した反射シートを得るものである。また、溶剤の含有量を低減させることにより環境負荷の低減を実現しつつ、スプレー塗装に適した粘度特性が得られる。
本発明の第2の態様は、前記(B)熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末及び/または金属酸化物粉末が、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、2〜20質量部含有することを特徴とする反射シートである。本発明の第3の態様は、前記(G)溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテルを含有することを特徴とする反射シートである。
本発明の第4の態様は、上記した反射シートを備えた太陽電池モジュールである。
本発明の第1の態様によれば、粘度及びチキソ比の調整に、(B)熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末及び/または金属酸化物粉末を用いることで、紫外線(UV)照射後、加熱後及び加湿加温後における各反射率の低下と熱履歴による黄変とが抑制される。よって、耐候性、耐熱性、耐光性及び耐変色性等の諸特性に優れた反射皮膜を有する反射シートを得ることができる。また、ダレの発生を抑制できるので、意匠性に優れた反射皮膜を有する反射シートを得ることができる。また、反射皮膜の形成にあたり、(G)溶剤の含有量を低減させて環境負荷を抑えることができる。さらに、スプレー塗装に適した粘度が得られるので、反射シートの生産効率が向上する。
本発明の第2の態様によれば、(B)熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末及び/または金属酸化物粉末が、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、2〜20質量部含有することで、よりスプレー塗装に適した粘度とチキソ比を有する白色硬化性樹脂組成物を用いて反射皮膜が形成されるので、反射シートの意匠性がより向上する。本発明の第3の態様によれば、(G)溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテルを含有することにより、反射皮膜のダレ性がより抑えられて、反射シートの意匠性がさらに向上する。
本発明の第4の態様によれば、耐候性、耐熱性、耐光性及び耐変色性等の諸特性に優れた反射皮膜を有する反射シートを備えるので、長期間にわたって太陽電池モジュールの発電効率を向上させることができる。
次に、本発明の反射シートの反射皮膜に用いるスプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物の各成分について説明する。反射シートの反射皮膜の形成に用いるスプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂、(B)熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末及び/または金属酸化物粉末、(C)光重合開始剤、(D)希釈剤、(E)エポキシ化合物、(F)酸化チタン及び(G)溶剤を含有するものであって、上記各成分は、以下の通りである。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
カルボキシル基を含有した感光性樹脂であれば特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する感光性のカルボキシル基含有樹脂、感光性の不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂を挙げることができる。(A)成分の例として、分子中にエポキシ基を2個以上有する脂環式エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にアクリル酸又はメタクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させた後、生成した水酸基に飽和または不飽和の多塩基酸または多塩基酸無水物を反応させたものを挙げることができる。
前記脂環式エポキシ樹脂とは、脂環骨格を有する樹脂であり、骨格が脂肪族環式化合物の連鎖によって形成されているエポキシ樹脂である。エポキシ当量の制限は特にないが、通常1000以下、好ましくは100〜500のものを用いる。
脂環骨格エポキシ樹脂としては、例えば、ダイセル化学工業(株)製「EHPE-3150」(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキセン付加物)などを挙げることができる。
これらのエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させると、エポキシ基とカルボキシル基の反応によりエポキシ基が開裂して水酸基とエステル結合が生成する。
使用するラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などがあるが、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方(以下、(メタ)アクリル酸ということがある。)が好ましく、特にアクリル酸が好ましい。
また、エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法は、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂とアクリル酸を適当な希釈剤中で加熱することにより反応させることができる。希釈剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、などのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。また、触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアミン類、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフェートなどのリン化合物類等を挙げることができる。
上記したエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応において、エポキシ樹脂が有するエポキシ基1当量あたり、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を0.7〜1.2当量反応させる。アクリル酸またはメタクリル酸の少なくとも一方を用いるときは、エポキシ樹脂が有するエポキシ基1当量あたり、0.8〜1.0当量反応させるのが好ましい。エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の反応は、加熱状態で行うのが好ましく、その反応温度は、80〜140℃が特に好ましい。反応温度が140℃を超えるとラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が熱重合を起こして合成が困難になることがあり、また80℃未満では反応速度が遅くなって生産効率が低下するためである。
エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の希釈剤中での反応において、希釈剤の配合量は、反応系の総重量に対して20〜50%が好ましい。エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の反応生成物は単離することなく、希釈剤の溶液のまま、必要に応じて、次の多塩基酸類との反応に供することができる。
多塩基酸または多塩基酸無水物は、エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応で生成した水酸基に反応して、樹脂に遊離のカルボキシル基を持たせるものである。多塩基酸またはその無水物は、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用できる。多塩基酸としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、多塩基酸無水物としてはこれらの無水物が挙げられる。これらの化合物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
反応させようとする多塩基酸または多塩基酸無水物の使用量は、エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物が有する水酸基1モルに対し0.3〜1.0モルであり、露光時に高感度の樹脂膜が得られる点からは、好ましくは0.4〜1.0モル、さらに好ましくは0.6〜1.0モルである。0.3モル未満であると、反射シートにパターンを形成する場合、現像後に残渣が生じ、また1.0モルを超えると最終的に得られる硬化塗膜の諸特性(例えば、耐候性)を低下させることがある。
多塩基酸は、上記不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂に添加され、脱水縮合反応され、反応時生成した水は反応系から連続的に取り出すことが好ましいが、その反応は加熱状態で行うのが好ましく、その反応温度は、70〜130℃であることが好ましい。反応温度が130℃を超えると、エポキシ樹脂に結合されたものや、未反応モノマーのラジカル重合性不飽和基が熱重合を起こし易くなり合成が困難になることがあり、また70℃以下では反応速度が遅くなり、実際の製造上好ましくないことがある。
上記多塩基酸または多塩基酸無水物と不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂との反応生成物である多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の酸価は、60〜300mgKOH/gが好ましい。反応させる多塩基酸の量により、反応生成物の酸価は調整可能である。
本発明においては、上記多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂も感光性樹脂として使用できるが、上記多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の有するカルボキシル基に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入し、さらに感光性を向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂としてもよい。
この感光性を向上させたカルボキシル基含有感光性樹脂は、最後のグリシジル化合物の反応によってラジカル重合性不飽和基が、その前駆体の感光性樹脂の高分子の骨格の側鎖に結合するため、光重合反応性が高く、優れた感光特性を持つことができる。1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つ化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、グリシジル基は1分子中に複数有していてもよい。これらの化合物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記グリシジル化合物は、上記多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の溶液に添加して反応させるが、その樹脂に導入したカルボキシル基1モルに対し、0.05〜0.5モルの割合で反応させ、0.1〜0.5モルの割合で反応させるのが好ましい。反応温度は80〜120℃が好ましい。上記のようにして得られるグリシジル化合物付加多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂からなる感光性樹脂は、45〜250mgKOH/gの酸価が好ましい。
また、(A)成分であるカルボキシル基含有感光性樹脂の重量平均分子量の下限値は、硬化物、すなわち反射皮膜の強靭性及び指触乾燥性の点から3000であり、好ましくは5000である。一方、重量平均分子量の上限値は、(D)成分である希釈剤等との相溶性の点から200000であり、好ましくは50000である。
(B)熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末及び/または金属酸化物粉末
熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末には、例えばヒュームドシリカが挙げられる。ヒュームドシリカを添加することにより、反射シートの反射皮膜の形成に用いられる白色硬化性樹脂組成物にチキソ性を付与して反射皮膜のダレを抑えつつ、反射皮膜の熱履歴による黄変等の変色と反射率の低下とを抑えることができる。本発明で使用できるヒュームドシリカは、特に限定されないが、例えば、塩化ケイ素を原料に高温で加水分解して得られるものを挙げることができる。
比表面積、一次粒子径及び表面処理等、ヒュームドシリカの特性は特に限定されないが、塗布後のレベリング性の点で、比表面積50〜200m/gのヒュームドシリカが好ましい。ヒュームドシリカには、例えば、親水性ヒュームドシリカとしては、日本アエロジル(株)製のAEROSIL(R)90、AEROSIL(R)130、AEROSIL(R)150、AEROSIL(R)200、AEROSIL(R)300、AEROSIL(R)380、AEROSIL(R) OX50、AEROSIL(R) EG50、AEROSIL(R) TT600、(株)トクヤマ製のレオロシールQS-09、QS-10L、QS-10、QS-102、CP-102、QS-20L、QS-20、QS-25C、QS-30、QS-30C、QS-40等が挙げられる。また、疎水性ヒュームドシリカとしては、日本アエロジル(株)製のAEROSIL(R) R972、AEROSIL(R) R974、AEROSIL(R) R104、AEROSIL(R) R106、AEROSIL(R) R202、AEROSIL(R) R805 、AEROSIL(R) R812、AEROSIL(R) R816、AEROSIL(R) R7200、AEROSIL(R) R8200、AEROSIL(R) R9200、AEROSIL(R) RY50、AEROSIL(R) NY50、 AEROSIL(R) RY200、AEROSIL(R) RY200S、AEROSIL(R) RX50、AEROSIL(R) NAX50、AEROSIL(R) RX200、AEROSIL(R) RX300、AEROSIL(R) R504、AEROSIL(R) DT4、(株)トクヤマ製のレオロシールMT-10、MT-10C、DM-10、DM-10C、DM-20S、DM-30、DM-30S、KS-20S、KS-20SC、HM-20L、HM-30S、PM-20L等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
熱分解法により製造された金属酸化物粉末には、例えばヒュームド金属酸化物が挙げられる。ヒュームド金属酸化物を添加することにより、上記ヒュームドシリカと同様に、反射シートの反射皮膜の形成に用いられる白色硬化性樹脂組成物にチキソ性を付与して反射皮膜のダレを抑えつつ、反射皮膜の熱履歴による黄変等の変色と反射率の低下とを抑えることができる。本発明で使用できるヒュームドシリカは、特に限定されないが、例えば、金属塩化物を原料に高温で加水分解して得られるものを挙げることができる。
比表面積、一次粒子径及び表面処理等、ヒュームド金属酸化物の特性は特に限定されないが、塗布後のレベリング性の点で、比表面積50〜200m/gのヒュームド金属酸化物が好ましい。ヒュームド金属酸化物としては、例えば、日本アエロジル(株)製のAEROXIDE(R) Alu、AEROXIDE(R) TiO2、AEROXIDE(R) TiO2 P25S、VP AEROPERL(R) P25/20 、VP Zirconium Oxide 3-YSZ、VP Zirconium Oxide PH 、 AEROXIDE(R) TiO2 T805 、AEROXIDE(R) AluC805等を挙げることができる。これらの化合物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。特に、チタンの酸化物は、白色の隠ぺい力を向上できるので、白色顔料としても使用できる。
また、上記ヒュームド酸化物を2種以上混合してもよいが、作業性の点から、熱分解法により製造された二酸化ケイ素(例えば、ニュームドシリカ)粉末と熱分解法により製造された金属酸化物(例えば、ヒュームド金属酸化物)粉末が予め混合されたものを使用してもよい。ヒュームドシリカとヒュームド金属酸化物の混合物として、例えば、日本アエロジル(株)製のAEROSIL(R) MOX80、AEROSIL(R) MOX170、AEROSIL(R) COK84を挙げることができる。
熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末及び/または金属酸化物粉末の配合量は、反射皮膜の仕上がり外観、反射率等を考慮して適宜選択可能である。例えば、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、その下限値は、チキソ性を高くして反射皮膜のダレを防止する点から2質量部が好ましく、確実にダレを防止する点から特に好ましくは7質量部である。また、その上限値は、反射皮膜の平滑性を維持してユズ肌となるのを防止する点から20質量部が好ましく、確実に反射皮膜の平滑性を維持する点から特に好ましくは17質量部である。
(C)光重合開始剤
一般的に使用される光重合開始剤であれば特に限定されず、例えば、オキシム系開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2‐メチル‐1‐〔4‐(メチルチオ)フェニル〕‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。光重合開始剤の配合量は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、1〜30質量部であり、好ましくは5〜20質量部である。
(D)希釈剤
希釈剤は、例えば、反応性希釈剤である光重合性モノマーであり、カルボキシル基含有感光性樹脂の光硬化を十分にして、耐熱性等を有する反射皮膜を得るために使用する。光重合性モノマーとしては、例えば、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の反応性希釈剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。上記希釈剤の配合量は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、20〜300質量部であり、好ましくは2.0〜40質量部である。
(E)エポキシ化合物
エポキシ化合物は、白色の感光性樹脂組成物において、反射皮膜の架橋密度を上げるとともに、反射皮膜の熱履歴による変色を防止し、さらに反射率の低下を抑制するために配合するものであり、例えば、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂を挙げることができる。これらの化合物は単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
エポキシ化合物の配合量は、硬化後に十分な塗膜を得る点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、1〜75質量部であり、20〜60質量部が好ましい。
(F)酸化チタン
酸化チタンは塗膜を白色化するために配合するものであり、アナタース型酸化チタン、ルチル結晶構造を有するルチル型酸化チタン等を挙げることができる。これらのうち、白色度の点からルチル型酸化チタンが好ましい。ルチル型酸化チタンには、例えば、富士チタン工業(株)製「TR−600」、「TR−700」、「TR−750」、「TR−840」、石原産業(株)製「R−550」、「R−580」、「R−630」、「R−820」、「CR−50」、「CR−60」、「CR−90」、「CR−93」、チタン工業(株)製「KR−270」、「KR−310」、「KR−380」等を挙げることができる。ルチル型酸化チタンの配合量は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、30〜200質量部であり、好ましくは50〜150質量部である。
(G)溶剤
溶剤は、スプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物の乾燥性を調節するために適宜配合するものである。溶剤には、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロプレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び上記グリコールエーテル類のエステル化物などのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類等を挙げることができる。
本発明のスプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物には、上記した成分(A)〜(G)の他に、必要に応じて、種々の添加成分、例えば、消泡剤、各種添加剤、体質顔料などを含有させることができる。
消泡剤には、公知のものを使用でき、例えば、シリコーン系、炭化水素系、アクリル系等を挙げることができる。
各種添加剤には、例えば、シラン系、チタネート系、アルミナ系等のカップリング剤といった分散剤、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)及びその誘導体、グアナミン及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、アミンイミド(AI)並びにポリアミン等の潜在性硬化剤、アセチルアセナートZn及びアセチルアセナートCrなどのアセチルアセトンの金属塩、エナミン、オクチル酸錫、第4級スルホニウム塩、トリフェニルホスフィン、イミダゾール、イミダゾリウム塩並びにトリエタノールアミンボレート等の熱硬化促進剤を挙げることができる。
体質顔料は、塗工した反射皮膜の物理的強度を上げるためのものであり、例えば、シリカ、硫酸バリウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、タルク、マイカ等を挙げることができる。
上記した本発明の反射シートの反射皮膜形成に用いるスプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されない。例えば、上記成分(A)〜(G)および必要に応じてその他の成分を所定割合で配合後混合し、必要に応じて三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、あるいはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段を用いて混練または混合して、スプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物が得られる。
次に、上記した白色硬化性樹脂組成物をシート状のベースフィルム表面に塗工して、本発明の反射シートを製造する方法の例について説明する。シート状ベースフィルム表面を例えば酸で処理して洗浄後、洗浄した表面に、上記のようにして得られた白色硬化性樹脂組成物を所望の厚さ、例えば5〜100μmの厚さでスプレー塗布する。スプレー塗布の手段としては、例えば、静電スプレー塗装機、エアスプレー塗装機、エアレススプレー塗装機等を挙げることができる。
スプレー塗工後、熱風炉または遠赤外線炉等で予備乾燥を行い、白色硬化性樹脂組成物から溶剤を揮発させて塗膜の表面をタックフリーの状態にする。予備乾燥では、60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する。
予備乾燥後、必要に応じて、LDI(Laser Direct Imaging)を用いたレーザー直描による露光または紫外線による露光を行なって塗膜を光硬化させる。紫外線の場合、その照射量は10〜1000mJ/cmである。なお、反射シートに反射皮膜の所定パターンを形成する場合は、上記した紫外線による露光にあたり、例えば、上記所定パターンを有するネガフィルムを、塗布した白色硬化性樹脂組成物上に密着させる。そして、ネガフィルム上から紫外線を照射して、前記所定パターンに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより、所定パターンを有する反射皮膜を現像する。この除去は未露光部分の溶解、膨潤、剥離等のいずれでもよい。この際使用される希アルカリ水溶液としては0.5〜5%の炭酸ナトリウム水溶液が一般的であるが、他のアルカリも使用可能である。
次いで、例えば130〜170℃の熱風炉または遠赤外線炉等の乾燥機等で10〜80分間加熱することによりポストキュアを行って、ベースフィルム表面の塗膜を熱硬化させ、反射皮膜を有する反射シートを製造する。なお、露光工程は行なわずに、予備乾燥後に、そのままポストキュアを行ってもよい。
上記シート状ベースフィルムの材料は、特に限定されないが、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルフロライド(PVF)、フッ化エチレン・プロピレンコポリマー(FEP)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、アラミド、ポリアミド・イミド、エポキシ、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)等を挙げることができる。
太陽電池バックシート用の反射シートを製造する場合には、例えば、ベースフィルムとして、厚さ40μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる。また、硬化後の膜厚が例えば20〜23μmとなるように、ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に白色硬化性樹脂組成物を塗工する。さらに、白色硬化性樹脂組成物の塗工部位は、太陽電池モジュール裏面に対向したベースフィルム表面領域の全面または略全面について行なうのが好ましい。
次に、本発明の反射シートの使用方法例について説明する。例えば、本発明の反射シートは、太陽電池モジュールの裏面側、すなわち日射を受ける表面とは反対側の表面上に配置することで太陽電池バックシートとして使用できる。本発明の反射シートを太陽電池バックシートとして使用すると、太陽電池モジュールの発電素子に受光されずに太陽電池モジュール内を透過した太陽光が、太陽電池バックシートの反射皮膜により反射されて太陽電池モジュールの裏面側から再度太陽電池モジュール内部に戻されるので、太陽電池モジュールの発電効率が向上する。なお、太陽電池モジュール裏面への太陽電池バックシートの設置方法には、例えば、接着剤や接着用テープを用いて太陽電池モジュール裏面に直接貼り合わせる方法が挙げられる。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜17、比較例1〜2
下記表1に示す各成分を下記表1に示す割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜17及び比較例1〜2にて使用する、スプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物を調製した。下記表1中の配合の数字は質量部を示す。
Figure 2012006188
なお、表1中の各成分についての詳細は以下の通りである。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・合成例1:樹脂A−1の合成
エポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製、EHPE−3150 )270質量部を、セロソルブアセテート400質量部に融解したものにアクリル酸(不飽和基含有モノカルボン酸)110質量部を加え加熱還流条件下、定法により反応させ、この反応生成物に、テトラヒドロ無水フタル酸(多塩基酸無水物)160質量部を定法により反応させ、続いて、グリシジルメタアクリレート(エチレン性不飽和単量体)40質量部を加熱還流下定法により反応させて、生成物(樹脂A−1)を得た。
・合成例2:樹脂A−2の合成
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、N−680)210質量部をジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート120質量部に溶解したものにアクリル酸72質量部を加え加熱還流条件下、定法により反応させ、この反応生成物に、テトラヒドロ無水フタル酸(多塩基酸無水物)76質量部を定法により反応させて、生成物(樹脂A−2)を得た。
・サイクロマーP(ACA)Z−300:ダイセル化学工業(株)製、アクリル共重合構造の樹脂を使用したカルボキシル基含有樹脂。
・ZFR−1124:日本化薬(株)製、ビスフェノールF型エポキシアクリレート構造のカルボキシル基含有樹脂。
・FLX−2089:日本化薬(株)製、ウレタン変性エポキシアクリレート構造のカルボキシル基含有樹脂。
(B)熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末及び/または金属酸化物粉末
・AEROSIL R974:日本アエロジル(株)製、疎水性ヒュームドシリカ。
・AEROSIL 200:日本アエロジル(株)製、親水性ヒュームドシリカ。
・AEROXIDE Alu C:日本アエロジル(株)製、ヒュームド金属酸化物(酸化アルミニウム)。
・AEROXIDE TiO2 P25:日本アエロジル(株)製、ヒュームド金属酸化物(二酸化チタン)。
(C)光重合開始剤
・DAROCURE TPO:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド。
(D)希釈剤
・M-408:東亜合成(株)製、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート。
(E)エポキシ化合物
・EPICRON 860:大日本インキ化学工業(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂。
(F)酸化チタン
・CR‐80:石原産業(株)製、ルチル型酸化チタン。
その他、添加剤であるDICY‐7はジャパンエポキシレジン(株)製の硬化促進剤、メラミンは潜在性硬化剤、比較例3で使用したBYK‐411はビックケミー・ジャパン(株)製のチキソ性付与剤である。
硬化塗膜(反射皮膜)を有する試験片の作成工程を以下に示す。
シート: ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ40μm
シート表面処理:酸処理(3%硫酸水溶液)
塗工:スプレー塗工。実施例1〜16及び比較例1〜2は静電スプレー装置、実施例17はエアスプレー装置を使用。
・静電スプレー装置の塗装条件:装置(フジマシナリー社製TMK)、吐出量(110cc/min)、コンベアー速度(2.3m/min)、ディスク回転数(30000rpm)、印加電圧(−35KV)、スプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物液のWet膜厚は50〜60μm。
・エアスプレー装置の塗装条件:装置(ファナック社製TSR)、吐出量(110cc/min)、コンベアー速度(2.3m/min)、霧化圧(0.2〜0.3MPa)、スプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物液のWet膜厚は50〜60μm。
DRY膜厚:25〜30μm
予備乾燥:70℃、20分(BOX炉内25分)
ポストキュア:150℃、60分(BOX炉内70分)
なお、反射率評価の試験片については、加速試験である環境放置に伴うポリエチレンテレフタレート自体の劣化の影響を除くため、ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えてガラス板(1.2mm厚)上に、上記と同様の工程にて硬化塗膜を形成して、反射シートの試験片を作成した。
評価・測定項目は以下の通りである。
(1)粘度
調製したスプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物について、マルコム製スパイラル粘度計PC-1C型(φ35ローター)を用いて、試料温度25℃における粘度測定を行った。
(2)チキソ比
調製したスプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物について、ブルックフィールド製粘度計RVT型を用いて、試料温度25℃におけるスピンドル回転数5rpmと50rpmの粘度の比(η5/η50)からチキソ比を算出した。
(3)ダレ性
試験片であるシートを目視評価した。
○:シート表面上の硬化塗膜にヨリやダレがない。
△:シート表面上の硬化塗膜にヨリやダレがややある。
×:シート表面上の硬化塗膜にヨリやダレがある。
(4)ユズ肌性
試験片であるシートを目視評価した。
○:シート表面上の硬化塗膜が平滑である。
△:シート表面上の硬化塗膜に凹凸がやや存在する。
×:シート表面上の硬化塗膜に凹凸がある。
―:ダレの発生が著しく試験片であるシートを作成できず評価不能。
(5)変色性評価
変色評価:260℃で5分間加熱後、硬化塗膜の変色を目視にて評価した。
○:変色なし。
△:変色が若干認められる。
×:黄変。
(6)反射率(%)
初期:ポストキュア後の試験片について、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、500nmおける反射率を測定した。
照射後:試験片の反射率について、耐光性を評価するものであり、試験片に50JのUVを2分間照射後、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、500nmおける試験片の反射率を測定した。
加熱後:試験片の反射率について、耐熱性を評価するものであり、試験片を170℃で100時間加熱後、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、500nmおける試験片の反射率を測定した。
加湿加熱後:試験片の反射率について、耐候性を評価するものであり、試験片を85℃、85%RHにて1000時間処放置後、分光光度計U‐3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、500nmおける試験片の反射率を測定した。
(7)塗膜硬度
シートに形成させた硬化塗膜に、芯の先が平らになるように研がれたBから9Hの鉛筆を約45°の角度で押しつけて、塗膜の剥がれが生じない鉛筆の硬さを記録した。
上記測定結果、評価結果を表2に示す。
Figure 2012006188
上記表2に示すように、実施例1〜17では、白色硬化性樹脂組成物の粘度及びチキソ性(チキソ比)の調整に、熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末及び/または金属酸化物粉末を使用しているので、加湿加温後の反射率の低下を抑制でき、よって、耐候性に優れていた。また、熱履歴による変色を防止し、初期に対するUV照射後の反射率の低下も2%以下に抑えることができたので、耐熱性、耐光性にも優れていた。さらに、塗膜硬度も良好であった。また、熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末及び/または金属酸化物粉末を2〜20質量部配合した実施例1〜15、17では、ダレとユズ肌の発生をともに抑えた反射皮膜が形成され、仕上がり外観が特に良好であった。これは、白色硬化性樹脂組成物の25℃における粘度とチキソ比が、スプレー塗装に適した数値範囲になったためと考えられる。
実施例1〜5と実施例9〜10の対比より、熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末、熱分解法により製造された金属酸化物粉末のいずれでも、ほぼ同等にダレを防止しつつユズ肌の発生を抑えることができた。また、実施例1〜5と実施例11〜13の対比より、溶剤にプロピレングリコールモノメチルエーテルを配合すると、ダレ性をより抑えることができた。
一方で、比較例1では、チキソ比が1.1と低く、ダレが発生して試験片の作成ができなかった。従来のチキソ性付与剤を使用した比較例2では、ダレは発生せず、ユズ肌も観察されなかったが、加湿加温後の反射率が著しく低下して耐候性に劣っていた。また、比較例2では、加熱後に塗膜表面が黄変し、初期に対するUV照射後の反射率の低下も4%となり、耐熱性、耐光性にも劣っていた。
本発明の反射シートは、反射率の低下を抑えるとともに熱履歴による黄変を防止でき、外観にも優れるので、太陽電池バックシートの分野で利用価値が高い。

Claims (4)

  1. スプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物で形成された反射皮膜を有する反射シートであって、
    前記スプレー塗装用白色硬化性樹脂組成物が、
    (A)カルボキシル基含有感光性樹脂、(B)熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末及び/または金属酸化物粉末、(C)光重合開始剤、(D)希釈剤、(E)エポキシ化合物、(F)酸化チタン及び(G)溶剤を含有することを特徴とする反射シート。
  2. 前記(B)熱分解法により製造された二酸化ケイ素粉末及び/または金属酸化物粉末が、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、2〜20質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の反射シート。
  3. 前記(G)溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテルを含有することを特徴とする請求項1に記載の反射シート。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の反射シートを備えた太陽電池モジュール。
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CN112526823A (zh) * 2019-09-19 2021-03-19 株式会社田村制作所 感光性树脂组合物
CN114437611A (zh) * 2022-01-18 2022-05-06 福斯特(嘉兴)新材料有限公司 光伏背板用反射涂料、光伏背板及其制备方法和应用

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