JP2011204511A - 全固体型リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高容量を維持したまま高速充放電ができる全固体型リチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】 正極1、固体電解質2および負極3が順次積層された発電要素を、集電体4を介して複数個直列に接続してなる全固体型リチウムイオン二次電池において、正極1および負極3のうちの少なくとも一方の電極1、3中に、該電極1、3の厚み方向に複数の貫通穴7を有しており、貫通穴7の内壁面にイオン伝導層9が形成されている。これにより、電極1、3中のイオンが貫通穴7内のイオン伝導層9へ良好に流れ、電極1、3中の電子伝導性を向上し、イオン伝導層9をイオンが良好に移動するため、高容量を維持したまま高速充放電が可能となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、正極、固体電解質、負極が順次積層された発電要素を、集電体を介して複数個直列に接続してなる全固体型リチウムイオン二次電池に関する。
近年、二次電池は携帯電話やノート型パソコンだけでなく、電気自動車用バッテリーとしてもその用途を広げている。これらの二次電池に共通して要求されているものは、長時間使用の指標となる高容量化である。二次電池における高容量化の手法としては、容量の大きな電極材料を用いる方法や、高い放電電圧を示す正極材料の適用、電解質の固体化などが挙げられる。
例えば、特許文献1では、固体電極と固体電解質との界面抵抗を下げるために、固体電極と高分子固体電解質との間に電解液を介在させている。また特許文献2では、金属が付着した炭素粒子を含有する電極を用いることで、電極の電子伝導性の向上を図っている。一方、特許文献3では、正極を形成する粒子の表面に炭素などの導電性膜を成膜技術で形成したものを正極材料として用いることによって、正極の内部抵抗を低下させている。
特開1999−204116号公報 特開2001−126768号公報 特開2000−58063号公報
高容量化と高速充放電は、全固体型リチウムイオン二次電池の特性において非常に重要である。高速充放電を行うために、従来、例えば上記特許文献1のように固体電極と高分子固体電解質との界面に電解液を介在させることが行われているが、電解液を介在させてしまうとそもそも全固体型二次電池とはならず、また電解液を使用するため、収納容器から電解液が漏出するおそれがあり、安全性の面で十分とは言えない。
また上記特許文献2では、電極における導電性を確保するために、導電材同士が電極内で接触するように大量の導電材を添加する必要がある。これにより、電極内における導電材の占める割合が高くなる一方で、電極内における活物質の割合が低下し、所定の容量を得ようとすると、電池のトータル重量や体積が大きくなり、逆に電極を所定寸法に収めようとすると電池容量は低下するという問題があった。
また、上記特許文献3では、正極を形成する粒子の表面を炭素などの導電性膜で被覆し、正極を形成する粒子の容量を大きく低下させることなく、電極内の電子伝導性を高めようとしているが、電極においては電子の移動とともに、高容量化のため高いイオン伝導性が必要であり、固体電解質を用いる場合に、正極を形成する粒子の表面を導電性膜で被覆してしまうと、導電性膜が正極内でのイオン伝導の妨げになってしまい、高容量が得られなくなってしまうという問題があった。
本発明は、高容量を維持したまま高速充放電ができる全固体型リチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明の全固体型リチウムイオン二次電池は、正極、固体電解質および負極が順次積層された発電要素を、集電体を介して複数個直列に接続してなる全固体型リチウムイオン二次電池において、前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方の電極中に、該電極の厚み方向に延びる複数の穴を有しており、該穴の内壁面にイオン伝導層が形成されていることを特徴とする。
リチウムイオン二次電池においては、放電する場合、電子は負極から正極へ流れると同時にLiイオンは固体電解質を介して負極から正極へ流れる。一方充電においては、正極から負極へ電子が流れ、Liイオンは正極から固体電解質を介して負極に流れる。
本発明の全固体型リチウムイオン二次電池では、正極および負極のうちの少なくとも一方の電極中に、電極の厚み方向に延びる複数の穴を有しており、該穴の内壁面にイオン伝導層が形成されているため、電極の厚み方向に延びる穴に形成されたイオン伝導層を介して、電極中のLiイオンが、例えば充電においては正極からイオン伝導層を介して固体電解質に良好に流れ、高速充電が可能となり、放電の場合も同様にLiイオンがイオン伝導層を介して、負極から正極に良好に流れて、高速放電が可能となる。
また、効率よくLiイオンが電極からイオン伝導層に移動することで、電極内のカチオン密度が下がり、電極内の電子が、カチオンによるクーロン力によって移動性が抑制され難くなるため、電極内の電子が良好に移動し、電極中の電子伝導性を向上できる。
さらに、電極中の穴径を小さくすることにより、電極中における穴の占める体積占有率を小さくすることができ、電極内における活物質の割合低下を最小限に抑えることができ、高容量を維持できる。
これらにより、本発明の全固体型リチウムイオン二次電池では、高容量を維持したまま高速充放電が可能となる。
また、本発明の全固体型リチウムイオン二次電池は、前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方の電極が無機酸化物からなるとともに、該無機酸化物からなる前記電極中に前記穴が形成され、該穴内に形成される前記イオン伝導層が無機酸化物からなることを特徴とする。電極が無機酸化物からなる場合には、電極中におけるイオンや電子の伝導性が低いため、電極の穴の内壁面にイオン伝導層を形成することにより、このイオン伝導層を介して電極中のイオンの伝導性を著しく向上することができる。
さらに、本発明の全固体型リチウムイオン二次電池は、前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方の電極が、電極薄層を複数積層してなるとともに、複数の前記電極薄層には、該電極薄層を厚み方向に貫通する薄層貫通穴がそれぞれ形成され、かつ該薄層貫通穴の内壁面にイオン伝導層が形成されており、前記複数の電極薄層の前記薄層貫通穴内にそれぞれ形成された前記イオン伝導層が前記電極の厚み方向に接続されていることを特徴とする。
電極が厚い場合には容量を大きくできるものの、イオン伝導性が低下する傾向にあるため、本発明のように、薄層貫通穴内に形成されたイオン伝導層を有する電極薄層を複数積層し、複数の電極薄層の薄層貫通穴のイオン伝導層同士を接続することにより、厚い電極を容易に形成でき、容量を大きくできるとともに、電極中のイオン伝導性を向上することができ、高速充放電が可能となる。
本発明の全固体型リチウムイオン二次電池では、電極中のイオンが穴内のイオン伝導層へ良好に流れ、高速充放電が可能となるとともに、穴内のイオン伝導層にイオンが流れるために電極内のイオン密度が下がり、これに伴い、電極中の電子伝導性を向上できる。さらに、穴径を小さくすることにより、電極中における穴の占める体積占有率を小さくすることができ、電極内における活物質の割合低下を最小限に抑え、高容量を維持したまま高速充放電が可能となる。
全固体型リチウムイオン二次電池の縦断面図である。 (a)は正極および負極の同じ位置に貫通穴が形成されており、貫通穴の壁面および底面にイオン伝導層が形成されている状態を示す縦断面図、(b)は正極だけに貫通穴を設け、この貫通穴の内壁面にイオン伝導層を形成した状態を示す縦断面図、(c)は正極および負極の同じ位置に貫通しない穴が形成されており、この穴の壁面および底面にイオン伝導層が形成されている状態を示す縦断面図、(d)は正極のみに貫通しない穴を形成し、穴の壁面および底面にイオン伝導層が形成されている状態を示す縦断面図である。 (a)は正極および負極に形成された貫通穴の位置がずれており、貫通穴の内壁面および底面にイオン伝導層が形成されている状態を示す縦断面図、(b)は正極および負極に形成された貫通穴内にイオン伝導材料を充填した場合の縦断面図である。 (a)は電極薄層の積層体からなる正極を示すもので、上中下の電極薄層の薄層貫通穴が接続されるとともに、薄層貫通穴の内壁面に形成されたイオン伝導層同士が接続されている状態を示す縦断面図、(b)は(a)の断面の一部を拡大して示す図である。 全固体型リチウムイオン二次電池を収納容器内に収納してなる二次電池装置を示す縦断面図である。
図1は、全固体型リチウムイオン二次電池の縦断面図である。全固体型リチウムイオン
二次電池は、図1に示すように、少なくとも正極活物質からなる正極1と、固体電解質2と、少なくとも負極活物質からなる負極3とを順次積層して接合し一体化させた発電要素を、複数個集電体4を介して直列に接続して構成されている。
一般的には正極1と負極3とを金属製の集電体4で接続するが、予め自立できる強度を持った正極1、固体電解質2および負極3が積層され一体化された発電要素を作製し、複数の発電要素を集電体4を介して電気的に直列に接続して全固体型リチウムイオン二次電池を構成できる。
そして、本発明では、正極1および負極3(以下、電極1、3ということがある)中に、正極1および負極3の厚み方向に貫通する複数の貫通穴7を有しており、貫通穴7の内壁面には、図2(a)に示すように、イオン伝導層9が形成されている。なお、図1では、イオン伝導層9の記載を省略した。
正極1および負極3の貫通穴7は同じ位置に形成されており、正極1および負極3の貫通穴7にそれぞれ形成されたイオン伝導層9が接続され、接続されたイオン伝導層9の内側には、正極1および負極3の内部に連続する空間10が形成されている。
言い換えれば、固体電解質2には貫通穴が形成されており、この貫通穴を介して、正極1および負極3に形成された空間が連通して空間10が形成されており、固体電解質2と、正極1および負極3の貫通穴7にそれぞれ形成されたイオン伝導層9とが接続されている。
イオン伝導層9は、製法上の観点から、固体電解質2と同一材料から形成することが望ましいが、異なる材料で形成することもできる。
なお、図2(a)では、正極1および負極3の貫通穴7の底部、言い換えれば、貫通穴7の集電体4側に集電体側イオン伝導層9aが形成されているが、この集電体側イオン伝導層9aは必ずしも形成する必要はない。また、正極1および負極3の貫通穴7の内壁面に形成されるイオン伝導層9は、内壁面全面に必ずしも形成する必要はなく、貫通穴7において正極1および負極3の厚み方向に連続していれば、貫通穴7の内壁面に形成されていない部分があっても構わない。
正極1の厚みは5μm以上、好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上であることが望ましい。正極1の厚みが薄い場合には、イオンの移動距離が短いため、正極1内のイオン伝導があまり電池性能に影響を与えないが、高容量化を図るため、正極1の厚みが30μm以上、50μm以上と厚くなると、正極1内のイオン伝導が電池性能に影響を与えるようになるため、本発明を好適に用いることができる。
負極3の厚みは負極容量にもよるが、正極1と同等以上の容量となる厚みであり、固体電解質2の厚みは絶縁が保持できる厚みで、かつ、できるだけ薄い膜厚が好ましく100〜500nmとされている。また、貫通穴7は断面が円形状であり、その径は、50μm以下であることが望ましい。貫通穴7の径が大きくなると、電極1、3内の貫通穴7の占める割合が大きくなるためイオン伝導性が向上しても電池容量が低下する傾向にあるため、貫通穴7の径は小さい方が望ましい。なお、貫通穴7の断面形状は円形に限らず、角形状であっても良い。この場合の径は、断面を円に換算した場合の径である。
また電極1、3内にある貫通穴7同士の間隔は最短距離が電極厚みの1.5倍未満であることが望ましい。これは貫通穴7の径と同様に、貫通穴7の電極1、3内で占める割合を低くするとともに、貫通穴7間の間隔が長くなると、一部のイオンは厚み方向を最短距離として移動することになり、貫通穴7を設ける効果が低下するためである。
また、厚い電極1、3に対しては積層構造を採用することができる。例えば、正極1を、図4(a)に示すように、複数の電極薄層1a、1b、1cを積層して形成するとともに、電極薄層1a、1b、1cに薄層貫通穴7a、7b、7cを形成し、薄層貫通穴7a、7b、7cの内壁面にそれぞれイオン伝導層9が形成されており、該薄層貫通穴7a、7b、7c内のイオン伝導層9が電極1の厚み方向に接続されている。これにより厚い正極1を形成できる。図4(b)に、薄層貫通穴7bの内壁面にイオン伝導層9が形成されている状態を示す。
また、薄層貫通穴7a、7b、7cにそれぞれ形成されたイオン伝導層9の接続を容易に行うため、電極薄層1b、1cのイオン伝導層9が露出した位置にイオン伝導性の材料からなる層(ランド)を形成することが望ましい。この場合には、電極薄層1a、1b、1cを積層する際に、薄層貫通穴7a、7b、7cの位置を厳密に制御しなくても、それぞれのイオン伝導層9の接続が可能となる。負極3についても同様に形成できる。
このような全固体型リチウムイオン二次電池では、電極1、3中に、電極1、3の厚み方向に貫通する複数の貫通穴7を有しており、これらの貫通穴7の内壁面に形成されたイオン伝導層9を有するため、イオン伝導層9を介して電極1、3中のイオンが集電体4に良好に流れ、高速充放電が可能となる。なお、イオン伝導層9を集電体4に接続することにより、イオン伝導性を向上できるが、必ずしも集電体4に接続する必要はない。
また、電極1、3中のイオンが貫通穴7内に形成されたイオン伝導層に流れ込むため、電極1、3内のイオン密度が下がり、イオンと電子のクーロン力が弱まることで、電極1、3中の電子の移動速度が高くなり、付随的に電極1、3中の電子伝導を向上できる。
また、貫通穴7の径を小さくすることにより、電極1、3中における貫通穴7の占める体積占有率を小さくすることができ、電極1、3内における活物質の割合低下を最小限に抑え、エネルギー密度の高い高容量の全固体型リチウムイオン二次電池を得ることができる。
さらに、リチウムイオンの移動に伴う体積膨張収縮が大きい電極1、3では、電極1、3の貫通穴7の内壁面にイオン伝導層9が形成され、その内側に空間10が存在するため、電極1、3の体積膨張収縮に伴う応力が空間10で緩和され、電極1、3内に発生するクラックなどが抑制され、さらに信頼性を向上できる。
なお、図1では、正極1および負極2に貫通穴7を形成し、貫通穴7の内壁面にイオン伝導層9を形成したが、正極1または負極3のいずれかに貫通穴7を形成し、貫通穴7の内壁面にイオン伝導層9を形成しても良い。
また、貫通穴7の内壁面にイオン伝導層9を形成し、貫通穴7に空間10が形成されているが、この空間10に導体を充填し、電極1、3と導体を接続し、電子伝導性を向上することもできる。
さらに、イオン伝導層9が形成される貫通穴7とは別個に電極1、3に複数の貫通穴を形成し、これらの複数の貫通穴に導体を充填することで、電子の移動を促進することもできる。
全固体型リチウムイオン二次電池を構成する正極1、固体電解質2、負極3、集電体4は、一般的なリチウムイオン二次電池に用いられているものを用いることができる。以下に本形態の全固体型リチウムイオン二次電池に使用できる正極1、固体電解質2、負極3、集電体4について説明する。
集電体4としては、例えば、熱可塑性樹脂と導電性フィラーから成る導電性接着剤を用いることができる。また一般的に用いられている導体板を用いることもできる。
正極1は少なくとも正極活物質からなり、正極活物資としては、リチウム含有遷移金属酸化物が好適に用いられる。具体的にはリチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、リン酸系リチウム鉄複合酸化物、リチウムチタン複合酸化物などが挙げられる。
負極3も少なくとも負極活物質からなり、負極活物質としては炭素材料、遷移金属酸化物、リチウム含有遷移金属酸化物などが使用可能である。なお、負極活物質に金属リチウムなどを用いる場合は、正極のみ導体を用いればよい。
固体電解質2には、無機材料からなる無機固体電解質を用いる。無機固体電解質は難燃性、不燃性に優れることから単体で用いると安全性の高い全固体型リチウムイオン二次電池を提供することができ、好適である。また貫通穴7の内壁面への成膜を考えると、スパッタ、CVDなどの気相法や、ゾルゲル法などの液相法による形成が好ましい。
無機固体電解質としては、例えばLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3やLi3.6Ge0.6V0.4O4、Li0.35La0.55TiO3などの結晶質固体電解質、30LiI-41Li2O-29P2O5や40Li2O-35B2O3-25LiNbO3など
の酸化物系非晶質固体電解質、45LiI-37Li2S-18P2S5や1Li3PO4-63Li2S-36SiS2などの硫化物系非晶質固体電解質、Li3PO4-xNxなどの非晶質薄膜固体電解質を挙げることができる。
全固体型リチウムイオン二次電池の製法について説明する。
まず、例えば、LiMn2O4の粉体に対して、バインダーと分散材を溶媒とともに所定量添
加してスラリーを作製する。スラリーにはさらに焼結助剤として、例えばBやLi、Siの酸化物などを添加しても良い。この後、ドクターブレードやコーターなどによってテープ成形を行い乾燥することで、例えば厚みが200μmのグリーンシートを作製する。
得られたグリーンシートに、例えばYAGレーザーにて直径が15μmの貫通穴(ビアホール)を形成する。
この正極の表面に、例えばRFスパッタにてLi3PO4-xNxからなる300nmの固体電解質を形成する。RFスパッタにて正極表面に固体電解質層が形成されるとともに、正極の貫通穴の内壁面および貫通穴の底部にイオン伝導層が形成されることになる。
負極についても同様に、例えばLi4Ti5O12の粉体に対して、バインダーと分散材を溶媒
とともに所定量添加してスラリーを作製する。スラリーにはさらに正極材と同様にBやLi、Siの酸化物などの焼結助剤を添加しても良い。この後、ドクターブレードやコーターなどによってテープ成形を行い乾燥することで、例えば厚みが100μmのグリーンシートを作製する。
得られたグリーンシートに、正極と同様にYAGレーザーにて直径が15μmの貫通穴
(ビアホール)を形成する。
この負極の表面および貫通穴にも、例えばRFスパッタにてLi3PO4-xNxの300μmの固体電解質およびイオン伝導層を形成する。
そして、正極に形成された固体電解質、イオン伝導層と、負極に形成された固体電解質、イオン伝導層とを貫通穴同士が合致するように接触させた状態で加熱し、一体化させ、発電要素を作製する。この時、固体電解質間に固体電解質成分を含む密着液等を用いて接合強度をあげても良い。なお、図2(a)では、固体電解質2に正極1と負極3とに形成された固体電解質の境界を記載したが、正極1と固体電解質2と負極3とが一体となった場合には境界が判別できない場合もある。
この後、例えばステンレスからなる集電体の両面にカーボン等の導電性接着剤を塗布し、これを用いて複数の発電要素を接合し、全固体型リチウムイオン二次電池を作製することができる。
電極を積層構造とする場合(図4)について、説明する。例えば、正極を形成するための複数のグリーンシート(電極薄層となる)に貫通穴を形成し、RFスパッタにて貫通穴の内壁面にイオン伝導層を形成する。この場合、貫通穴の周囲をマスクすることにより、貫通穴の近傍のグリーンシート表面に電解質材料からなるランドを形成するとともに、貫通穴の内壁面にイオン伝導層を形成することができる。このようなグリーンシートを貫通穴同士が合致するように積層して、未焼成の積層構造の電極を形成できる。
正極あるいは負極を作製するにはいくつかの方法が可能であり、例えば正極活物質あるいは負極活物質と導電剤とを含有するスラリーを作製し、離型性を有するポリエチレンテレフタレート製フィルム(以下、PETフィルム)上に塗布して乾燥後、剥離して必要に
応じて形状加工を施し正極あるいは負極とする方法や、正極活物質あるいは負極活物質を含有するスラリーを同様にPETフィルム上に塗布して剥離、整形後焼成して、正極活物質あるいは負極活物質からなる焼結体を作製し、正極あるいは負極とすることもできる。
このようにして形成された全固体型リチウムイオン二次電池は、収納容器内に収容されて二次電池装置が構成される。収納容器は、ラミネート型リチウムイオン電池や従来のコイン電池などで使用されている外装体や集電端子がいずれも適用可能である。例えば、図5に示すように、アルミニウムや亜鉛、鉄、ニッケル、ステンレスなどからなる電子伝導性を有する金属板をプレス成形法などによって加工した蓋材21と、容器本体22とを絶縁パッキン23を介在させてかしめて封止することにより作製することができる。蓋材21と、容器本体22が集電端子となる。なお、図5では、貫通穴7の記載は省略した。さらに、図1では、正極1と、固体電解質2と、負極3とを順次積層して接合し一体化させた発電要素の積層数が3層であるが、積層数について用途によって異なるものであり、特に限定されるものではない。
図2(b)〜(d)、図3(a)、(b)は、正極1、負極3におけるイオン伝導層の他の形態を示すもので、図2(b)は、正極1だけに貫通穴7を設け、貫通穴7の内壁面にイオン伝導層9を形成した全固体型リチウムイオン二次電池の一部を示している。このような二次電池でも、正極1中のイオンが貫通穴7内のイオン伝導層9へ良好に流れ、これに伴い、正極1中の電子伝導を向上でき、さらに、イオンがイオン伝導層9を良好に流れることにより、高速充放電が可能となり、また、貫通穴7径を小さくすることにより、正極1内における活物質の割合低下を最小限に抑え、高容量を維持したまま高速充放電ができる。正極1のイオン電導度や電子伝導が負極に比べて低い場合には、正極1にイオン伝導層を設けることで高速充放電に十分効果がある。
また、図2(c)は、図2(a)に対して正極1、負極3に貫通しない穴15を形成した二次電池を示すもので、貫通しない穴15はレーザーの出力や照射時間などを調整することにより作製することができる。このような二次電池では、貫通しない穴15の内壁面にイオン伝導層9が形成されているので、貫通している電極と同様な効果を得ることができる。さらに、この方法では、貫通しないようにレーザーの調整が必要となるが、穴を介して集電体側への材料の浸み出しを防ぐことができ、集電体側に凸などの形成が無く、集電体の接合などに不具合を生じることはない。
また、図2(d)は、図2(c)において正極1のみに貫通しない穴15を形成し、穴15の内壁面にイオン伝導層9を形成したもので、このような二次電池でも図2(c)と同様に電極と集電体との接合が容易となる。
図3(a)は、図2(a)に対して正極1、負極3に形成された貫通穴7の形成位置がずれている場合を示すもので、このように貫通穴7の位置がずれていた場合であっても、図2(a)の場合とほぼ同様の効果を得ることができる。この場合には、正極1の貫通穴7と負極3の貫通穴7との位置合わせを行う必要がないため、二次電池の作製が容易となる。
また、図3(b)は、図2(a)に対して正極1、負極3に形成された貫通穴7内にイオン伝導性を有するペーストを充填して二次電池を作製した場合であり、このような二次電池でも、図2(a)の場合とほぼ同様に効果を得ることができ、この場合には、空間がなくなるため機械的強度を高くできる。
1・・・正極
1a、1b、1c・・・電極薄層
2・・・固体電解質
3・・・負極
4・・・集電体
7・・・貫通穴
7a、7b、7c・・・薄層貫通穴
9・・・イオン伝導層
9a・・・集電体側イオン伝導層
10・・・空間
15・・・電極を貫通しない穴

Claims (3)

  1. 正極、固体電解質および負極が順次積層された発電要素を、集電体を介して複数個直列に接続してなる全固体型リチウムイオン二次電池において、前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方の電極中に、該電極の厚み方向に延びる複数の穴を有しており、該穴の内壁面にイオン伝導層が形成されていることを特徴とする全固体型リチウムイオン二次電池。
  2. 前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方の電極が無機酸化物からなるとともに、該無機酸化物からなる前記電極中に前記穴が形成され、該穴内に形成される前記イオン伝導層が無機酸化物からなることを特徴とする請求項1に記載の全固体型リチウムイオン二次電池。
  3. 前記正極および前記負極のうちの少なくとも一方の電極が、電極薄層を複数積層してなるとともに、複数の前記電極薄層には、該電極薄層を厚み方向に貫通する薄層貫通穴がそれぞれ形成され、かつ該薄層貫通穴の内壁面にイオン伝導層が形成されており、前記複数の電極薄層の前記薄層貫通穴内にそれぞれ形成された前記イオン伝導層が前記電極の厚み方向に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の全固体型リチウムイオン二次電池。
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